JP3654131B2 - 電気接続箱へのコネクタ嵌合補助装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に搭載するジャンクションブロック等の電気接続箱へのワイヤハーネスに接続される嵌合補助装置に関し、詳しくは、電気接続箱の両面に嵌合されているコネクタを電気接続箱側に再度押圧して嵌合の確実性を保証するものである。
【0002】
【従来の技術】
ジャンクションボックス等の各種電気接続箱は、通常、内部にバスバー等で構成される内部回路を収容すると共に外側表面にはコネクタ収容部等を設けている。上記コネクタ収容部には、外部回路の端末のコネクタが嵌合接続され、内部回路と外部回路との導通接続を図っている。よって、コネクタの嵌合が不完全であると、回路同士の導通が不確実となるため、コネクタの嵌合具合を確認し、嵌合が不完全であれば正規の嵌合状態にする作業が重要となる。なお、この作業は、一般に、嵌合補助と称されている。
【0003】
図10は、従来の嵌合補助作業を示し、電気接続箱1のコネクタ収容部1aに嵌合されたコネクタCを、作業者が先端にゴム部材3aを装着したポンチ3を把持し、コネクタCに接続された電線dを避けながら、各コネクタCの周囲部や係止部近傍を押圧して、各コネクタ毎に嵌合補助を手動で行っていた。
【0004】
しかし、上記作業は、各コネクタ毎に行う必要があるので、コネクタの数だけ作業時間がかかり、また、作業者への負担も大きいことから、本出願人は、図11に示すコネクタ嵌合補助装置5を特願平11−228335号で提案している。
【0005】
このコネクタ嵌合補助装置5は、ベース板5gに固定された櫛歯状のストッパー5aと規制板5bに挟まれた装着部Sに電気接続箱1’を装着し、ストッパー5aに電気接続箱1’の一面1b’に嵌合されたコネクタCの背面周囲部を当接させている。この状態で、スライド板5cより突出する押圧部材5eをレバー5fの操作で電気接続箱1’の他面1c’を押圧し、一度のレバー操作で一面1b’に嵌合された多数のコネクタに対して嵌合補助作業を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、電気接続箱は、外部回路との接続形態に対応した形状に設定されるため、電気接続箱の中にはコネクタ収容部を上下両面に設けているものもある。このような電気接続箱は、上記コネクタ嵌合補助装置5で嵌合補助を行おうとしても、両面にコネクタを嵌合するため、形状的にコネクタ嵌合補助装置5へ装着することが不可能、あるいは、非常に困難となる問題がある。また、ストッパー5aや規制板5bの形状や位置等を改良して電気接続箱を装着できるようにしたとしても、コネクタ嵌合補助装置5では、一度のレバー操作で一方の面だけしかコネクタの嵌合補助を行えず、他方の面のコネクタは嵌合補助されない問題もある。
【0007】
一方、ストッパー5aと規制板5bは、嵌合補助時に、電気接続箱が動かないように保持する必要があるので、ストッパー5aと規制板5bとの間隔は、電気接続箱の厚みと略同等にする必要があり、電気接続箱を装置へ装着するのが困難となる問題点もある。その上、規制板5bは板面に対して鉛直方向で電気接続箱を保持しているので、押圧部材5eの押圧にで規制板5bに撓みが発生しやすく、撓みにより押圧力が吸収されコネクタの嵌合補助が不確実になるおそれもある。
【0008】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、両面にコネクタ収容部を有する電気接続箱に対しても、一度のレバー操作でコネクタ嵌合補助を可能とすることを第一の課題としている。また、電気接続箱の装置への装着容易性を高めることを第二の課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、電気接続箱の対向する両外面に嵌合されたコネクタの嵌合を保証する電気接続箱へのコネクタ嵌合補助装置であって、
電気接続箱の一方のコネクタ嵌合面と対向して、嵌合されたコネクタと当接する前ストッパーをベース板より突設すると共に、他方のコネクタ嵌合面と対向して、コネクタを押圧する方向へ傾倒可能な後ストッパーを備える一方、
上記後ストッパーの背面側にレバー操作で後ストッパーへ近接離反可能なスライド板を設け、該スライド板には上記後ストッパーを押圧する押圧部材を突設させ、
電気接続箱の両外面のコネクタを、前ストッパーと後ストッパーで夫々押圧する構成としていることを特徴とする電気接続箱へのコネクタ嵌合補助装置を提供している。
【0010】
このように、前ストッパーと対向位置関係で可倒式の後ストッパーを設けると、上下等の位置関係となる両面にコネクタを嵌合する型の電気接続箱に対しても、嵌合補助を行うことができる。即ち、一方の面に嵌合されたコネクタに対しては前ストッパーが、他方の面に嵌合されたコネクタに対しては後ストッパーが夫々対応して当接し、この状態より、レバー操作で後ストッパーを押圧すると、この押圧により生じる反作用で前ストッパーは当接する一方のコネクタを押し込み、後ストッパーはそれ自体の押圧で他方のコネクタを押し込んで、一度の両面の嵌合補助を行える。
【0011】
よって、本装置は、従来不可能であった両面にコネクタが嵌合される電気接続箱に対しても嵌合補助を行えると共に、一度のレバー操作で同時に両面のコネクタの嵌合補助が行えるので、飛躍的に作業効率を向上できる。なお、前ストッパーは、電気接続箱のコネクタ嵌合箇所に対応して櫛歯状に形成し、コネクタに接続された外部回路の電線を避けて、コネクタ背面の周囲部等を押圧することが好ましい。
【0012】
さらに、後ストッパーも押圧の必要なコネクタ数に対応した形状に板材等で形成して、接続された電線を避けてコネクタを押圧することが好ましい。なお、後ストッパーは直接押圧部材により押圧されるので、強い押圧力にも対抗できるように、後ストッパーを形成する板材の板面でコネクタを押圧するのではなく、板材の側面で押圧する形態にして、押圧力を確実に伝えると共に後ストッパー自体の撓みの抑制を図るようにしてもよい。
【0013】
また、上記スライド板は、スプリングを介してプッシュ板と連結され、該プッシュ板を上記ベース板上に回転自在に設置したレバーの一端に固定して、
レバーの回転操作で上記スライド板より突設した押圧部材が後ストッパーを押圧して、後ストッパーをコネクタへ当接させた状態で、更にレバーを回転操作すると、上記スプリングの圧縮でプッシュ板がスライド板側へ移動し、押圧部材が所要の荷重で後ストッパーを押圧する構成としている。
【0014】
このように、スプリングを介してレバー操作で押圧部材を押圧すると、適切なスプリングを選択することで押圧力の調整を図れる。電気接続箱は、通常、コネクタ収容部が設けられる外部ケースを樹脂等で形成しているため、強い押圧力が付加されるとケース自体に撓みや、最悪の場合、割れ等が発生するおそれがある。しかし、スプリングを介在させることで設定値以上の押圧力が付加された場合は、スプリング自身が縮むことで、押圧力を緩和し必要以上の力が電気接続箱に付加されることを防ぎ、嵌合補助に伴う不具合発生を未然に防止できる。なお、適用されるスプリングは、電気接続箱の剛性や必要な押圧力を考慮して、適切なバネ定数を有するものを使用している。
【0015】
上記後ストッパーは、押圧方向の反対方向にも傾倒可能にベース板へ取り付けると共に、ベース板との間にスプリングを介在させて直立姿勢を確保する構成としている。このように、後ストッパーを前後何れの方向にも傾倒可能にすると共にスプリングで直立させると、電気接続箱の装着性を向上させた上で嵌合補助が可能となる。即ち、電気接続箱の装着時は、後ストッパーを後方となる背面側へ傾倒させると、装着箇所の幅寸法が拡がり電気接続箱を容易に装着できる。一方、嵌合補助時には、押圧部材の押圧により後ストッパーが前方となる押圧方向へ傾倒して、確実にコネクタを押圧できる。
【0016】
また、上記後ストッパーは可撓性を有する樹脂で形成されてベース板に固定され、後ストッパー自体の撓みで傾倒可能にしている。このように樹脂製の後ストッパーを用いると、特別に傾倒機構を設けることなくベース板に後ストッパーを固定して、後ストッパー自体の撓みにより、所要方向に傾斜できる。よって、本装置の機構を簡易化でき、装置製作にかかるコストも低減できる。
【0017】
さらに、上記後ストッパーとスライド板との間に、押圧部材の通過用の開口を有する整線板をベース板より突設し、電気接続箱の後ストッパー側に嵌合されたコネクタの電線を、後ストッパーと上記整流板との間に通している。このようにすると、後ストッパーとの対向面に嵌合されたコネクタに接続されている電線が、レバー操作により後ストッパーへ近接移動するスライド板に巻き込まれることを防止できる。特に、後ストッパー側に多数のコネクタを嵌合するタイプの電気接続箱では、電線数も多くなるため、上記整線板により確実に電線の巻き込まれを防止して、嵌合補助作業に伴う不具合を排除し作業の確実性を確保できる。
【0018】
その上、上記前ストッパーおよび後ストッパーの両方、あるいは、前ストッパーと後ストッパーのいずれか一方のコネクタとの当接面に、コネクタの位置を規制する突出頭部を有する規制部材を取り付け、該突出頭部をコネクタの周縁外面に当接させることが好ましい。一般に、横幅寸法が広いコネクタの一端側を押圧すると、コネクタ自体が幅方向に撓んで押圧力を吸収してしまい、押圧力がコネクタを嵌合する方向に伝わらないことがある。よって、上記のように、前ストッパー等のコネクタ当接面に突出頭部を設けると共に、この突出頭部をコネクタ周縁外面とを当接させることにより、コネクタ自体の幅方向が規制され幅方向の撓みを抑えられる。その結果、押圧力が撓みの発生で吸収されることが無くなり確実にコネクタの嵌合補助を行える。
【0019】
なお、上記コネクタ嵌合補助装置には、電気接続箱が装着された状態を検出するセンサー、上記押圧部材によるコネクタの押圧を確認するセンサー、電気接続箱の周囲等にコネクタが装着されているかを検知するセンサー等を設けて、嵌合補助作業の一連の各作業内容等をセンサーで確認保証を採るようにしてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1、図2(A)(B)は、本発明の第一実施形態のコネクタ嵌合補助装置10を示している。コネクタ嵌合補助装置10は、ベース板11上の一側辺11aに前ストッパー12を立設し、この前ストッパー12と対向して装着する電気接続箱の厚み寸法だけ離反した位置に後ストッパー13をベース板11に取り付けている。また、ベース板11の一側辺11aと直交する辺11b、11cには、ホルダー14、15を夫々立設し、これら前ストッパー12、後ストッパー13、ホルダー14、15で囲んだ内部を電気接続箱の装着部Sとしている。
【0021】
後ストッパー13の背面側には、スライド板17をプッシュ板18を介してレバー16と連結しており、レバー操作によりレール19上を、スライド板17が往復移動可能にしている。さらに、スライド板17からは、多数の押圧部材20が突設している。
【0022】
図3は、上記装着部Sに装着される嵌合補助対象の電気接続箱30を示しており、対向する両外面となる上下面30a、30bには、多数のコネクタ収容部31−1、31−2が夫々設けられている。これら各コネクタ収容部31−1、31−2には、外部回路等の電線dの端末に接続されたコネクタC−1、C−2が嵌合されており、この状態でコネクタ嵌合補助装置10に装着される。なお、本実施形態の電気接続箱30は、周囲側面部30dにもコネクタ接合用のコネクタC−3も取り付けている。
【0023】
図4(A)は、装着部Sに電気接続箱30が装着された状態における前ストッパー12を示しており、前ストッパー12は全体が櫛歯状に形成されており、これら各櫛歯片12aの高さ、幅寸法等は、電気接続箱30の上面30aに設けられたコネクタ収容部31−1の位置に対応して設定されている。具体的には、櫛歯片12aの端辺12bが各コネクタC−1の周辺Caと対応するように設けている。
【0024】
なお、図4(B)に示すように、前ストッパー12の櫛歯片12aのコネクタ当接面12cには、ナベネジ40を取り付けて、ナベネジ40の頭部40aを突出頭部として利用している。頭部40aはコネクタC−1の周縁外面Cbと当接する位置に設けており、図中の矢印X方向の荷重付加時に、コネクタC−1に発生する矢印Y方向の撓みを抑えて、位置規制している。
【0025】
図5(A)(B)(C)は、後ストッパー13であり、立方体状のブロック部26の両側面26a−1、26a−2に、コネクタを押圧する長板片25−1、25−2を夫々固定して構成されている。これらブロック部26の幅寸法、長板片25−1、2の長さ寸法等は、電気接続箱30の下面30bに設けられたコネクタ収容部31−2の位置に対応して設定されている。このように後ストッパー13は、押圧部分を長板片25−1、2で形成しているため、図5(A)に示す矢印方向の耐荷重が大きく、撓みにくいようにしている。
【0026】
後ストッパー13は、下端側13aを支持ブロック端43に回転軸45を介して取り付けており、回転軸45を中心に、図5(B)に示す矢印方向の何れの向きにも傾倒自在にしている。なお、下端側13aの内方向側面13bと支持ブロック43の内周壁43aとの間には、伸縮可能なスプリング44を介在させており、スプリング44の付勢力で後ストッパー13の直立姿勢を確保している。よって、後ストッパーに荷重が付加されて、図5(B)において右側に傾倒した場合はスプリング44が縮み、左側に傾倒した場合はスプリング44が伸び、これら傾倒させる荷重が除去されると、スプリング44が基の状態に戻り、後ストッパー13は直立する。
【0027】
支持ブロック43は、ベース板11の下面11fに取り付けられて、後ストッパー13をベース板11に設けた開口部11eより上方へ突出させて、傾倒自在にしている。
【0028】
一方、スライド板17は、図2(A)(B)に示すように、ベース板11より直立する位置関係で、後方のプッシュ板18と四角の連結ボルト49により連結されている。具体的には、締結ボルト49のネジ部49aはスライド板17に締結され、プッシュ板18は、締結ボルト49の頭部49bとスライド板17との間を移動可能に軸部49cに取り付けられている。また、スライド板17とプッシュ板18との間には、各締結ボルト49の軸部49cに荷重スプリング48を取り付けて、スライド板17とプッシュ板18が無荷重の場合は相互に離反するようにしている。
【0029】
上記荷重スプリング48は、嵌合補助対象の電気接続箱30の剛性等を考慮したバネ定数を有するものを使用している。即ち、電気接続箱30は、通常、外側のケースが樹脂等で形成されているため、一定以上の外力が付加されるとケースに撓みが生じ割れ等の発生するおそれがあるが、荷重スプリング48のバネ定数を上記ケースの許容荷重以下に設定して、一定以上の荷重が嵌合補助時に付加されるときは、荷重スプリング48が縮むことで、荷重を吸収し電気接続箱30を保護している。
【0030】
上記のように連結されたスライド板17とプッシュ板18は、ベース板11上に設けられた2本の平行レール19上に摺動自在に位置させて、平行レール19に沿って前後動可能にしている。これらの移動は、プッシュ板18の後面18aにレバー16の端部16aが固定され、レバーを前後に操作することで、プッシュ板18を往復移動させ、それに追従してスライド板17も移動することで行っている。
【0031】
また、スライド板17の前面17aより突設する多数の押圧部材20は、ネジが切られた軸部20aの先端に、押圧箇所となるゴム部材20bを取り付けており、押圧部材20のスライド板17からの突出量は軸部20aのねじ込み量によって適宜調整可能としている。
【0032】
一方、装着部Sの底部には電気接続箱が確実に装着されたかを検知する装着用センサー21を、ベース板11の上面11dには、最後までレバー16が倒されて確実に押圧されたかをスライド板17の位置で確認する押圧センサー22を、レバー16の先端には、電気接続箱の周囲にコネクタが取り付けられているか否かを確認するコネクタ用センサー23を夫々設けている。これら各センサーのリード線rはコネクタ嵌合補助装置10より延出して作業確認装置(図示せず)等へ接続される。なお、電気接続箱の形態等が異なり、検知等が不要の場合は、上記各センサーは特に設ける必要はない。
【0033】
以下、コネクタ嵌合補助装置10による電気接続箱30の嵌合補助作業を更に詳しく説明する。
図6(A)に示すように、まず、嵌合補助の対象となる電気接続箱30を装着部Sに上方より装着している。この際、装着部Sの幅寸法は、電気接続箱30の幅寸法と同等に設定されているが、電気接続箱30が後ストッパー13と接触すると、後ストッパー13が後方に傾くので装着は容易に行える。電気接続箱30をベース板11の上面11dへ完全に装着されると、装着用センサー21が押し込まれ、装着が完了したことが検知される。なお、装着した電気接続箱30に嵌合されたコネクタC−1、2より延出する電線dは、嵌合補助時に挟み込まれないように、上面側の電線dは前ストッパー12の各櫛歯片12aの間に通すと共に、下面側の電線dは後ストッパー13の左右に振り分けている。
【0034】
次に、図6(B)に示すように、レバー16を前方へ回転させると、スライド板17が前方に移動して、押圧部材20の一つが後ストッパー13を押圧し、後ストッパー13が嵌合されたコネクタC−2と当接してコネクターC−2を押し込み始める。この際、後ストッパー13は、前方へ傾倒可能なので、押圧力を確実にコネクタC−2へ伝えることができる。また、他の押圧部材20は電気接続箱30の下面30b等を押圧している。これら押圧部材20の押圧力の反作用で、前ストッパー12も上面30aのコネクタC−1を押圧している。
【0035】
上記状態より更にレバーを前方に回転すると、押圧力が一定値以上となるため、図6(C)に示すように、荷重スプリング48が縮みプッシュ板18がスライド板17に近接するように移動している。このようにして荷重スプリング48が一定値以上の押圧力を吸収しているので、後ストッパー13も前方へ傾倒して適正な力でコネクタC−2を押圧し、また、前ストッパー12も同様にコネクタC−1を押圧し、一度のレバー操作で上下両面のコネクタC−1、2を同時に嵌合補助を行っている。
【0036】
上記状態では、押圧センサー22は、レバー16が最後まで倒されて完全に押圧された状態になっていることを検知すると共に、レバー16の先端が電気接続箱30の周囲に取り付けられたコネクタC−3と当接してコネクタ用センサー23が検知して、作業の完了およびコネクタの嵌合具合を保証している。このように各センサーで作業の確認が採られると、レバーを逆方向に回転して、嵌合具合の保証された電気接続箱30を取り出している。なお、本発明のコネクタ嵌合補助装置30は、上下両面にコネクタが嵌合される型の電気接続箱だけでなく、下面のみにコネクタが嵌合される型の電気接続箱にも適用可能である。
【0037】
図7、図8(A)(B)は、第二実施形態のコネクタ嵌合補助装置50を示している。本装置に適用される電気接続箱30’は、第一実施形態のものに比べて下面30b’側に嵌合されるコネクタ数が多いため、後ストッパー53も前ストッパー52と同様に櫛歯状に形成して下面側の多数のコネクタを同時に押圧可能にしている。この櫛歯状の後ストッパー53も前後に傾倒可能であり、図8(B)に示すように、スプリング74により直立状態を確保するようにしている。
【0038】
なお、後ストッパー53の各櫛歯片53aの押圧面53bには、図4(B)に示す第一実施形態の前ストッパー12と同様にナベネジを取り付けて突出頭部を形成し、コネクタの位置規制をするようにしてもよい。また、前ストッパー52は、嵌合補助の対象となる電気接続箱の形態に合わせて、第一実施形態と異なる櫛歯状に形成している。
【0039】
一方、電気接続箱30’の下面30b’側に嵌合されるコネクタC−2’の数が多くなるに伴い、各コネクタより突出する電線d’の数も増加する。これら電線数が増加するとスライド板57が前方へ移動する際に、電線d’がスライド板57に巻き込まれる可能性も増加するため、後ストッパー53とスライド板57との間には、ベース板51より整線板80を突設している。
【0040】
整線板80は、スライド板57の移動を干渉せず、かつ、後ストッパー53の後方に電線を通すスペースを確保可能な位置でベース板51にボルト83で固定されている。さらに、スライド板57より突設する押圧部材60を通過させる開口である貫通穴80aを押圧部材60毎に設けて、押圧部材60を後ストッパー53に当接させて押圧可能にしている。なお、整線板80の上端側80bは、スライド板57側へ屈曲させ電気接続箱30’の装着時に、電線d’を後ストッパー53と整線板80との間に通しやすくしている。
【0041】
その他の前ストッパー52、スライド板57、プッシュ板58等の形状、構成等は第一実施形態と同様である。また、電気接続箱30’の装着および嵌合補助も第一実施形態と同様であり、装着された電気接続箱30’の下面30b’側の電線d’は、後ストッパー53と整線板80との間に位置し、スライド板57に巻き込まれることなく、上下両面の多数のコネクタが一度のレバー操作で嵌合補助されている。
【0042】
図9(A)(B)は、第三実施形態のコネクタ嵌合補助装置100を示している。本装置では、第一及び第二実施形態と異なり、後ストッパー103をベース板101にボルト130で固定している。後ストッパー103自体は、可撓性を有する樹脂で櫛歯状に形成されており、背面側103cに当接するように支持ブロック120をベース板101上にボルト131で取り付けている。本実施形態では、支持ブロック120は後ストッパー103の全幅にわたり当接する長さで連続して形成しているが、適宜分割して櫛歯片103aの背面あるいは後ストッパー103のボルト130の背面のみに取り付けるようにしてもよい。
【0043】
後ストッパー103は樹脂で形成されているため、荷重が付加されると後ストッパー103自体が荷重方向に撓んで傾倒するようにしている。よって、電気接続箱を装着する際には、後ストッパー103が後方に撓んで、装着容易性を高めており、また、嵌合補助時には、押圧部材110により押圧されて前方に撓み、嵌合されたコネクタを電気接続箱へ押し込むようにしている。なお、このように撓んだ場合、ベース板101との固定端103dには曲げモーメントが働くが、支持ブロック120が背面より当接することで、上記モーメントに対抗して後ストッパー103を補助して適切な傾倒具合を維持している。
【0044】
また、後ストッパー103の背面側には、第二実施形態にかかる整線板を設けるようにしてもよい。その他の前ストッパー102、スライド板107等の形態や構成、電気接続箱の装着等は第一実施形態と同様であり、本装置もレバー操作により一度に上下両面のコネクタを嵌合補助可能にしている。
【0045】
【発明の効果】
上記した説明より明らかなように、本発明のコネクタ嵌合補助装置を用いると、従来嵌合補助が不可能であった上下両面にコネクタを嵌合するタイプの電気接続箱に対しても、一度のレバー操作で上下両面のコネクタに対して嵌合補助を行うことができる。よって、嵌合補助に対する作業の効率化を図ると共に、作業自体の確実性も高めることができ、さらに、作業者にかかる負担も軽減できる。
【0046】
また、後ストッパーは傾倒可能なので、電気接続箱の装着時には、後方に傾斜して装着容易性を高め、嵌合補助時には、前方に傾斜して押圧力をコネクタに伝えて確実にコネクタを押し込めるようにして、装置の使用性を高めて作業効率の向上にも貢献できる。また、後ストッパーは、嵌合補助対象の電気接続箱に対応して種々の形態のものが適用可能なので、電気接続箱の形態に応じた後ストッパーを有するコネクタ嵌合補助装置を用いて効率的で嵌合保証精度を高めた嵌合補助作業を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施形態に係るコネクタ嵌合補助装置の斜視図である。
【図2】 (A)は第一実施形態にかかるコネクタ嵌合補助装置の平面図、(B)は(A)のA−A断面図である。
【図3】 嵌合補助対象の電気接続箱の斜視図である。
【図4】 前ストッパーの押圧状態であり、(A)は電気接続箱の装着状態の概略図、(B)は要部拡大図である。
【図5】 (A)は後ストッパーの平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。
【図6】 (A)(B)(C)は、コネクタ嵌合補助装置の電気接続箱の装着から嵌合補助までを示す概略図である。
【図7】 第二実施形態に係るコネクタ嵌合補助装置の斜視図である。
【図8】 (A)は第二実施形態のコネクタ嵌合補助装置に電気接続箱を装着した状態の平面図、(B)は一部を断面とした正面図である。
【図9】 第三実施形態に係るコネクタ嵌合補助装置であり、(A)は斜視図、(B)は一部を断面とした正面図である。
【図10】 従来の作業者による嵌合補助作業を示す概略図である。
【図11】 従来の嵌合補助装置の概略図である。
【符号の説明】
10、50、100 コネクタ嵌合補助装置
11、51、101 ベース板
12、52、52 前ストッパー
13、53、103 後ストッパー
14、15、55 ホルダー
16、56、106 レバー
17、57、107 スライド板
18、58、108 プッシュ板
19、59、109 レール
20、60、110 押圧部材
30、30’ 電気接続箱
80 整線板
C−1、2 コネクタ
d 電線
S 装着部
Claims (4)
- 電気接続箱の対向する両外面に嵌合されたコネクタの嵌合を保証する電気接続箱へのコネクタ嵌合補助装置であって、
電気接続箱の一方のコネクタ嵌合面と対向して、嵌合されたコネクタと当接する前ストッパーをベース板より突設すると共に、他方のコネクタ嵌合面と対向して、コネクタを押圧する方向へ傾倒可能な後ストッパーを備える一方、
上記後ストッパーの背面側にレバー操作で後ストッパーへ近接離反可能なスライド板を設け、該スライド板には上記後ストッパーを押圧する押圧部材を突設させ、
電気接続箱の両外面のコネクタを、前ストッパーと後ストッパーで夫々押圧する構成としていることを特徴とする電気接続箱へのコネクタ嵌合補助装置。 - 上記後ストッパーは、押圧方向の反対方向にも傾倒可能にベース板へ取り付けると共に、ベース板との間にスプリングを介在させて直立姿勢を確保する構成としていることを特徴とする請求項1に記載の電気接続箱へのコネクタ嵌合補助装置。
- 上記後ストッパーは可撓性を有する樹脂で形成されてベース板に固定され、後ストッパー自体の撓みで傾倒可能にしていることを特徴とする請求項1に記載の電気接続箱へのコネクタ嵌合補助装置。
- 上記後ストッパーとスライド板との間に、押圧部材の通過用の開口を有する整線板をベース板より突設し、電気接続箱の後ストッパー側に嵌合されたコネクタの電線を、後ストッパーと上記整流板との間に通して、移動するスライド板に電線が巻き込まれるのを防止する構成としている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電気接続箱へのコネクタ嵌合補助装置。
Priority Applications (1)
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