JP3653001B2 - 衛星航行システム及び衛星の軌道投入方法 - Google Patents

衛星航行システム及び衛星の軌道投入方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衛星航行システム及び衛星の軌道投入方法に関するものであり、特に詳しくは、従来の衛星打ち上げシステムに比べて、ロケット等を使用した衛星の打ち上げ回数を少なくする事によって経済的な衛星の打ち上げシステム及び打ち上げ方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、通信システムやGPSシステムに使用されている人工衛星は、ビルの様な建物や、山等の障害物に影響されないで所定の情報通信が出来る様に、出来るだけ高度の高い、つまり天頂に近い位置に静止させておく必要があり、その為に、例えば、図3に例示する軌道傾斜角45゜で、静止軌道と同一軌道高度に代表される高々度・高軌道傾斜角で周期24時間の準天頂軌道を3面用いて、各々に衛星を投入する準天頂軌道衛星システムが知られている。
【0003】
かかる準天頂軌道衛星システムに於いては、それぞれの準天頂軌道に一つの衛星を投入して、それぞれの準天頂軌道においては、相互の衛星の移動周期に所定の位相差を持たせて周回させると、図4に示す様に、8の字型の地上軌跡を描きつつ軌道運動を行い、中高緯度地域にも、常時、仰角70゜以上の高仰角可視が得られると言う特徴を有しているので、この高仰角可視性の特徴の故に、地上障害物による通信遮断の無い移動体衛星通信サービス提供が可能である事から、近年注目を集めている。
【0004】
かかるシステムでは、図5に示す様に、一つの地域で24時間の間に、3個の衛星が途切れることなく順次天頂付近で、高度は時間により異なるものの、略同一の角度範囲内に目視されるので、好ましいシステムである。
【0005】
しかし、上記した従来のシステムに於いては、3面の異なる軌道面から構成されている事により、例えば、デュアルロンチ等によって、1回の衛星打ち上げロケットの打ち上げで、2台の衛星を別々の軌道面に投入する事は、相当のエネルギーを要することから実現性が乏しく、従って、1回の衛星打ち上げロケットの打ち上げで、1台の衛星しか打ち上げる事が出来ないので経済的な軌道投入が出来ないと言う問題が有った。
【0006】
更に、従来のシステムに於いては、軌道上共通予備衛星が不可能であるなどの理由により、システム構築が高額になると言う欠点が在った。この為、経済的・効率的なシステム構築の実現が課題であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を改良し、経済的で且つ効率的な衛星の打ち上げシステム及び衛星の軌道投入方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した目的を達成するため、以下に記載されたような技術構成を採用するものである。即ち、本発明に係る第1の態様としては、地球の赤道面に対して所定の傾斜角度に設定された、当該地球を周回する複数個の軌道であって、当該各軌道は、それぞれの軌道面が、互いに所定の角度を形成する様に配置されており、且つそれぞれの軌道には少なくとも一つの衛星が投入され、当該それぞれの衛星は、互いに所定の位相を以て当該個々の軌道を周回する様に構成されていると同時に、LEOパーキング軌道に少なくとも一つの予備衛星を常時周回させておく衛星航行システムであり、又、本発明に係る第2の態様としては、地球の赤道面に対して所定の傾斜角度に設定された、当該地球を周回する複数個の準天頂軌道であって、当該各準天頂軌道は、それぞれの軌道面が、互いに所定の角度を形成する様に配置されており、且つ当該準天頂軌道よりも高度が低く、当該準天頂軌道の地球の赤道面に対する所定の傾斜角度と略同一の傾斜角度に設定されたLEOパーキング軌道とから構成された衛星航行システム系に於いて、複数個の衛星を一つの打ち上げ手段により同時に当該LEOパーキング軌道に投入した後に、当該複数個の衛星の一部を当該複数の準天頂軌道の内の一つの準天頂軌道内に投入する衛星の軌道投入方法である。
【発明の実施の形態】
本発明に係る当該衛星航行システム及び衛星の軌道投入方法は、上記した技術構成を採用しているので、軌道傾斜角45゜、静止軌道と同じ軌道高度に代表される高々度、高軌道傾斜角で、軌道周期24時間の準天頂軌道、複数面に衛星を投入し、中高度緯度地域に対しても常時高仰角衛星可視を実現する新規なシステムを提供するものであって、特に、準天頂軌道衛星において、LEOパーキング軌道(LEOPO)を用いる事により、複数の衛星をマルチロンチシステムによって、同時にLEOパーキング軌道に投入する事により、従来の打ち上げ方式の半分の打ち上げ回数、従って半分の打ち上げコストで軌道投入を可能とする打ち上げ方式、及び、同じくLEOPOを用いて準天頂衛星システムの軌道上予備機システムを構成する事により、従来の構成よりも少ない機数で軌道上予備機を準備しておく事が出来るシステムを提供する事が可能となる。
【実施例】
以下に、本発明に係る衛星航行システム及び衛星の軌道投入方法の構成の具体例を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
即ち、図1は、本発明に係る当該衛星航行システム100の構成の一例を示す図であり、図中、地球1の赤道2に対して所定の傾斜角度θに設定された、当該地球1を周回する複数個の軌道4−1、4−2、4−3・・・であって、当該各軌道4−1、4−2、4−3・・・は、それぞれの軌道面S1、S2、S3・・・が、互いに所定の角度を形成する様に配置されており、且つそれぞれの軌道4−1、4−2、4−3・・・には少なくとも一つの衛星5−1、5−2、5−3・・・が投入され、当該それぞれの衛星5−1、5−2、5−3・・・は、互いに所定の位相を以て当該個々の軌道4−1、4−2、4−3・・・を周回する様に構成されていると同時に、LEOパーキング軌道6に少なくとも一つの予備衛星7を常時周回させておく様に構成された衛星航行システム100が示されている。
【0010】
本発明に於ける当該軌道4−1、4−2、4−3・・・は、準天頂軌道である事が望ましい。
【0011】
本発明に於て使用される準天頂軌道4−1、4−2、4−3・・・の数は特に制限されるものではないが、少なくとも3個の準天頂軌道を使用する事が好ましく、前記した様に、図4に示す様な8の字型地上軌跡を描かせる事が可能となる。
【0012】
本発明に於て、当該準天頂軌道を3軌道と設定した場合には、各準天頂軌道4−1、4−2、4−3間に於けるそれぞれの軌道面S1、S2、S3同志が形成する角度は120度である事が望ましい。
【0013】
一方、本発明に於て使用される軌道、即ち準天頂軌道4−1、4−2、4−3・・・の赤道2に対する傾斜角度は、高仰角衛星可視を必要とする地域によって異なる値に設定されるものであり、例えば、日本全域をカバーする場合には45°とする事が望ましく、この場合には、常時70°の高仰角衛星可視角度が得られる事になるが、米国やロシア或いはヨーロッパ等の特定地域をカバーする場合には、当該赤道2に対する傾斜角度は、当然異なる事になる。
【0014】
一方、本発明に於て使用されるLEOパーキング軌道6は、当該準天頂軌道よりも高度が低い高さに設定されているものであって、具体的には、その高度が約1000kmの円軌道であって、地球の赤道2に対して、当該準天頂軌道4−1、4−2、4−3・・・と略同一の傾斜角度に設定されている事が望ましい。
【0015】
又、当該LEOパーキング軌道6は、当該傾斜角度を維持したまま、地球の偏平性に起因して、LEOパーキング軌道面sが、所定の周期で地球を中心として旋回する軌道面遷移動作を行うものである。
【0016】
従って、当該LEOパーキング軌道6の軌道面sは、その軌道面遷移動作中に所定のタイミング間隔で、当該準天頂軌道4−1、4−2、4−3・・・のそれぞれが形成する軌道面S1、S2、S3・・・の一つと一致する時点が存在する事になる。
【0017】
このことは、後述する本発明に於ける衛星の軌道投入方法を実現する際に重要なファクターとなるのである。
【0018】
又、当該LEOパーキング軌道6は、少なくとも一つ使用する事で充分であるが、複数のLEOパーキング軌道を使用する事を妨げるものではない。
【0019】
本発明に於いては、上記した様な構成からなる衛星航行システムを使用するものであって、例えば、図6(A)に示す様に、当該衛星航行システムに於いては、当該個々の準天頂軌道4−1、4−2、4−3・・・のそれぞれには、少なくとも一つの衛星5を投入して周回されせると共に、当該LEOパーキング軌道6には、少なくとも一個の予備衛星7を投入して当該LEOパーキング軌道6上を周回させておくものである。
【0020】
勿論、当該LEOパーキング軌道6には、複数の予備の衛星を常時周回させておく事を可能である。
【0021】
一方、本発明に於いては、それぞれの準天頂軌道4−1、4−2、4−3・・・に複数の衛星5−1、5−2、5−3・・・を投入して、所定の位相を以て当該軌道上を周回させておく事も可能であるが、その場合、全ての衛星5を正規の衛星として使用することも可能であるが、図6(B)に示す様に、当該複数の衛星5−1、5−2、5−3・・・の内一部の衛星を予備衛星7として使用する事も可能である。
【0022】
又、本発明に於ける当該衛星航行システムの他の具体例としては、図6(C)に示す様に、それぞれの準天頂軌道4−1、4−2、4−3・・・に複数の衛星5−1、5−2、5−3・・・を投入して、所定の位相を以て当該軌道上を周回させておくと共に、その内一部の衛星を予備衛星7として使用し、且つ当該LEOパーキング軌道6上にも一つ或いは複数の予備衛星7−1、7−2、7−3・・・を周回させておくものである。
【0023】
当該準天頂軌道4−1、4−2、4−3・・・の何れかの軌道上に投入された予備衛星7は、何れかの正規の衛星5が故障若しくは機能不全となった場合或いは寿命が来た場合に直ちに当該予備衛星7を正規の衛星として使用する事が出来るが、当該LEOパーキング軌道6に配備されている予備衛星7は、所定の時間遅延後に当該LEOパーキング軌道6から当該準天頂軌道4に投入され、正規の衛星として機能することになる。
【0024】
即ち、本発明に於いては、準天頂衛星5に対する軌道上予備機7を準天頂軌道6と同一軌道傾斜角を持ったLEOパーキング軌道6に投入し、この軌道面s内で待機させる。現用衛星5の何れかが回復不可能な故障を生じた際には、後述する方法によって、LEOパーキング軌道6上の予備衛星7を当該準天頂軌道4に投入するものである。
【0025】
次に、本発明に於ける衛星の軌道投入方法の具体的を図1及び図2を参照しながら以下に説明する。
【0026】
即ち、本発明における衛星の軌道投入方法は基本的には、地球1の赤道2に対して所定の傾斜角度に設定された、当該地球1を周回する複数個の準天頂軌道4−1、4−2、4−3・・・であって、当該各準天頂軌道4は、それぞれの軌道面S1、S2、S3・・・が、互いに所定の角度を形成する様に配置されており、且つ当該準天頂軌道4よりも高度が低く、当該準天頂軌道4の赤道に対する所定の傾斜角度と略同一の傾斜角度に設定されたLEOパーキング軌道6とから構成された衛星航行システム系100に於いて、複数個の衛星5−1、5−2、5−3・・・を一つの打ち上げ手段、例えば衛星打ち上げロケット等により同時に当該LEOパーキング軌道6に投入した後に、当該複数個の衛星5−1、5−2、5−3・・・の一部を当該複数の準天頂軌道4−1、4−2、4−3・・・の内の一つの準天頂軌道4−1内に投入する様に構成されている衛星の軌道投入方法である。
【0027】
本発明に於いては、例えば、デュアルロンチで2機の衛星をLEOパーキング軌道6に投入し、1機の衛星は、当該LEOパーキング軌道6の軌道面sが、特定の準天頂軌道4−1の軌道面S1と一致した時点で当該軌道内に投入され、他の1機は、当該LEOパーキング軌道6の軌道面sが、他の特定の準天頂軌道4−2の軌道面S2と一致した時点で当該軌道内に投入される様に構成されるものである。
【0028】
又、予備衛星7をLEOパーキング軌道6上に待機させ、現用衛星に不具合が生じた場合に、待機衛星7を当該LEOパーキング軌道6の軌道面sが、該当する故障現用衛星5が周回する準天頂軌道4の軌道面Sと同一の軌道面に到達した時点で準天頂軌道4に軌道投入する。
【0029】
つまり、本発明に於ける衛星の軌道投入方法に於いては、当該LEOパーキング軌道6に一時的に保持されている複数個の衛星を一部ずつ、順次にそれぞれの準天頂軌道4−1、4−2、4−3・・・に個別に投入する様に構成されているものである。
【0030】
又、本発明に於ける当該衛星の軌道投入方法に於いては、当該LEOパーキング軌道6には、少なくとも一つの当該衛星を予備衛星7として残しておく事も望ましい。
【0031】
本発明に於ける衛星の軌道投入方法に於て、図2に示す様に、当該LEOパーキング軌道6に投入された複数の衛星の内、一部の衛星(一個の場合と複数個の場合がある)は、当該LEOパーキング軌道6の軌道面遷移動作によって、当該LEOパーキング軌道6の軌道面sが、当該複数の準天頂軌道4−1、4−2、4−3・・・の内の一つの準天頂軌道、例えば、準天頂軌道4−1の軌道面S1と一致した時点で、当該準天頂軌道4−1に、適宜のトランスファー軌道10を介して投入する様に構成されているものである。
【0032】
此処で、本発明に於て使用するLEOパーキング軌道6の軌道面遷移動作について説明するならば、上述した準天頂軌道4への衛星5の投入の為に経由する当該LEOパーキング軌道6は、例えば、日本及びアジア・オセアニア地域に高仰角移動体通信サービスを提供する場合で、10年程度の軌道停留でも軌道低下が影響を及ぼさない軌道高度を想定すると、以下の軌道パラメータが選定される。
【0033】
軌道傾斜角:45゜
軌道高度:1000km
離心率:0
かかる軌道パラメータに基づいて、当該LEOパーキング軌道6の地球偏平性に起因する軌道面遷移角速度Ωを演算すると、(1)式より
【0034】
【数1】
Figure 0003653001
この例で選定した軌道パラメ−タを用いると、(1)式で与えられる軌道面遷移角速度Ωは以下のように計算される。
【0035】
ΩEX≒4.2゜/日
つまり、当該LEOパーキング軌道6は、一日で約4.2°旋回する事を示している。
【0036】
又、任意の昇交点経度の準天頂軌道面まで遷移させるのに要する最長の日数は、以下のように計算される。
【0037】
最長軌道面遷移日数=360゜/ΩEX=360/4.2≒86日
以上よりLEOパーキング軌道6の軌道パラメータを上述した例のように選ぶ事により、最長でも90日未満で、当該LEOパーキング軌道6に於ける軌道面sを所望の軌道面(S1、S2、S3・・・の何れか)と一致するまで遷移させる事が可能となり、初期軌道投入及び軌道上予備衛星をシステム的なフィージビリティを有する時間内で、所定の準天頂軌道に投入する事が可能となる。
【0038】
即ち、本発明においては、当該LEOパーキング軌道の軌道面遷移動作によって、当該LEOパーキング軌道の軌道面が、当該複数の準天頂軌道の内の一つの準天頂軌道の軌道面と一致する毎に、当該LEOパーキング軌道に投入された複数の衛星の内の一部ずつが順次に、当該準天頂軌道に、適宜のトランスファー軌道を介して投入されるものである。
【0039】
又、本発明に於いては、当該LEOパーキング軌道内に残留している一つ或いは複数の当該予備衛星は、当該準天頂軌道を周回している何れかの衛星の機能が低下したか或いは機能不全となった場合には、当該LEOパーキング軌道の軌道面が当該予備衛星を必要とする当該準天頂軌道の軌道面と一致した時点で当該LEOパーキング軌道を周回中の予備衛星の一部を当該準天頂軌道に投入する事が可能である。
【0040】
更に、本発明に於いては、当該LEOパーキング軌道に保持されている当該予備衛星の数が不足して来た場合には、何時でも、地上から別の打ち上げ手段を使用して一つ乃至複数の予備衛星を当該LEOパーキング軌道に投入する事によって、長期間に亘り、所定の衛星システムを維持管理する事が可能となる。
【0041】
以下に、上記した本発明に於ける衛星の軌道投入方法の具体的な操作手順の例を説明する。
【0042】
先ず、上記した衛星航行システム100に於て、3個の準天頂軌道4−1、4−2、4−3と、1個のLEOパーキング軌道6を設定し、3個の準天頂軌道4−1、4−2、4−3のそれぞれに2個の衛星5を投入すると同時に、当該LEOパーキング軌道6には、2個の予備衛星7を投入する場合を想定する。
【0043】
先ず、デュアルロンチ衛星打ち上げロケットを使用する場合には、4回の打ち上げ操作が必要であり、トライロンチ衛星打ち上げロケットを使用する場合には、トライロンチ衛星打ち上げロケットを2回打ち上げると共にデュアルロンチ衛星打ち上げロケットを1回打ち上げる必要があり、又一つの衛星打ち上げロケットで4個の衛星を打ち上げられロケットを使用する場合には、2回の打ち上げ操作が必要となる。
【0044】
何れにしても、先ず、8個の衛星を当該LEOパーキング軌道6に投入する工程が実行される。
【0045】
次いで、当該LEOパーキング軌道6に投入された衛星と予備衛星の姿勢制御或いは間隔の調整を当該各衛星が持っているペリジーあるいはアポジー噴射操作を使用して従来と同様に実行する。
【0046】
その後、当該LEOパーキング軌道6の軌道面sが、上記した軌道面遷移動作によって、旋回し、先ず第1の準天頂軌道4−1の軌道面S1の一致した事を検知して、第1と第2の衛星をペリジー噴射或いはアポジー噴射を行って増速して高度を上げ、所定のトランスファー軌道10を介して当該準天頂軌道4−1に投入する。
【0047】
この場合、当該衛星は、当該LEOパーキング軌道6の軌道面sと同じ軌道面S1を持った準天頂軌道に投入されるものであるので、当該衛星に印加されるエネルギーは、少なくてすむと言うメリットがある。
【0048】
つまり、従来のシステムに於いては、一つの衛星を異なる軌道面を持つ他の軌道に投入する事は莫大なエネルギーを必要とする為、実現が困難な状態にあったが、本発明の上記方法によって、この問題が完全に解決できた事になる。
【0049】
当該第1の準天頂軌道4−1に投入された2個の衛星の双方を正規の衛星として使用するか、或いは1個を正規の衛星として使用し他方を予備衛星7として使用する事は任意に決定出来る。
【0050】
その後、約30日が経過すると、当該LEOパーキング軌道6の軌道面sは、軌道面遷移動作によって、第2の準天頂軌道4−2の軌道面S2と一致するタイミングが発生する。
【0051】
当該時期に到達した場合には、上記と同様の操作によって、第3と第4の衛星を所定のトランスファー軌道10を介して当該準天頂軌道4−2に投入する。
【0052】
その後、更に約30日が経過すると、当該LEOパーキング軌道6の軌道面sは、軌道面遷移動作によって、第3の準天頂軌道4−3の軌道面S3と一致するタイミングが発生する。
【0053】
当該時期に到達した場合には、上記と同様の操作によって、第5と第6の衛星を所定のトランスファー軌道10を介して当該準天頂軌道4−3に投入する。その後は、当該LEOパーキング軌道6に2個の衛星を予備衛星として残留させておき、上記した3個の準天頂軌道4−1、4−2、4−3の内の一つ、例えば準天頂軌道4−2に於ける正規の衛星及び予備の衛星の何れもが機能不全に陥った場合には、当該LEOパーキング軌道6の軌道面sが当該第2の準天頂軌道4−2の軌道面S2と一致する時点まで待って、一致した事が検出出来た場合に、上記したと同様の方法で、当該予備衛星の一つを当該第2の準天頂軌道4−2に投入し、当該準天頂軌道に於ける衛星の機能を回復させる事が出来る。
【0054】
本発明に於いては、上記した具体的の他にも種々の変形操作が可能であり、コスト、効率を勘案して適宜の操作を採用する事が出来る。
【発明の効果】
本発明の衛星航行システム100及び衛星の軌道投入方法は、上記した様な構成を採用しているので、経済的で且つ効率的な衛星航行システム及び衛星の軌道投入方法を実現出来るのである。
【0055】
即ち、本願に示したような大きな軌道面制御には巨大な軌道制御エネルギーが必要となる為、従来、この種の軌道制御を行う事は不可能とされててきた。この為、初期の軌道投入は衛星を1機ずつ打ち上げる事が必要であるとされてきた。
【0056】
この為、衛星1機にロケットが1本必要となり、静止衛星などで採用されている経済的・効率的な打ち上げ方式であるデュアルロンチによる衛星2機同時打ち上げができない為、静止衛星の2倍の打ち上げコストが必要とされてきた。
【0057】
本願の打ち上げ方式を採用する事により、準天頂衛星でもデュアルロンチが可能となる為、静止衛星と同等の経済性・効率で打ち上げが可能となる。
【0058】
一方、軌道上予備衛星の構成についても、同上理由により、1つの準天頂軌道面内に配置した衛星を他の準天頂軌道に移行させる為には、巨大な軌道制御エネルギーが必要になる為、事実上不可能である。この為、異なる3面の準天頂軌道から構成される準天頂衛星システムの軌道上予備機は、各軌道面内に配置する必要が在った。
【0059】
しかし、本願のLEOPOに予備衛星を配置する方式を採用する事により、1機の軌道上予備衛星で3面の軌道面内に配置された3機の衛星の総てをカバーする事が可能となる為、軌道上予備衛星の数を大幅に削減する事が可能となり、経済的なシステム構築が可能となるとうメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の衛星航行システムの一具体例の構成示す図である。
【図2】 図2は、本発明の衛星の軌道投入方法の一具体例を示す図である。
【図3】 図3は、従来に於ける衛星航行システムの一例を示す図である。
【図4】 図4は、従来に於ける衛星航行システムの地上軌跡の例を示す図である。
【図5】 図5は、従来に於ける衛星航行システムでの衛星の仰角と高さの例を示すグラフである。
【図6】 図6は、本発明に於ける衛星航行システムの構成例を示す図である。
【符号の説明】
100...衛星航行システム
1...地球
2...赤道
4、4−1、4−2、4−3...軌道、準天頂軌道
5、5−1、5−2、5−3...衛
...LEOパーキング軌道
7...予備衛星
S1、S2、S3...LEOパーキング軌道の軌道面
s...LEOパーキング軌道の軌道面
10...トランスファー軌道

Claims (18)

  1. 地球の赤道に対して所定の傾斜角度に設定された、当該地球を周回する複数個の軌道であって、当該各軌道は、それぞれの軌道面が、互いに所定の角度を形成する様に配置されており、且つそれぞれの軌道には少なくとも一つの衛星が投入され、当該それぞれの衛星は、互いに所定の位相を以て当該個々の軌道を周回する様に構成されていると同時に、LEOパーキング軌道に少なくとも一つの予備衛星を常時周回させておく事を特徴とする衛星航行システム。
  2. 当該軌道は、準天頂軌道である特徴とする請求項1記載の衛星航行システム。
  3. 当該軌道は3軌道に設定され、各軌道間に於けるそれぞれの軌道面同志が形成する角度は120度である事を特徴とする請求項1又は2に記載の衛星航行システム。
  4. 当該それぞれの軌道の当該赤道に対する傾斜角度は、高仰角衛星可視を必要とする地域によって異なる値に設定される事を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の衛星航行システム。
  5. 当該個々の軌道には、複数個の衛星が周回する様に構成されている事を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の衛星航行システム。
  6. 当該一つの軌道に投入されている複数個の衛星の内、少なくとも一つは予備の衛星である事を特徴とする請求項5記載の衛星航行システム。
  7. 当該LEOパーキング軌道に、複数の予備の衛星を常時周回させておく事を特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の衛星航行システム。
  8. 当該LEOパーキング軌道は、地球の赤道に対して、当該準天頂軌道と略同一の傾斜角度に設定されている事を特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の衛星航行システム。
  9. 当該LEOパーキング軌道は、当該準天頂軌道よりも高度が低い高さに設定されている事を特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の衛星航行システム。
  10. 当該LEOパーキング軌道は、地球の偏平性に起因して、当該LEOパーキング軌道面が、所定の周期で地球を中心として旋回する軌道面遷移動作を行うものである事を特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の衛星航行システム。
  11. 地球の赤道に対して所定の傾斜角度に設定された、当該地球を周回する複数個の準天頂軌道であって、当該各準天頂軌道は、それぞれの軌道面が、互いに所定の角度を形成する様に配置されており、且つ当該準天頂軌道よりも高度が低く、当該準天頂軌道の地球の赤道に対する所定の傾斜角度と略同一の傾斜角度に設定されたLEOパーキング軌道とから構成された衛星航行システム系に於いて、複数個の衛星を一つの打ち上げ手段により同時に当該LEOパーキング軌道に投入した後に、当該複数個の衛星の一部を当該複数の準天頂軌道の内の一つの準天頂軌道内に投入する事を特徴とする衛星の軌道投入方法。
  12. 当該複数個の衛星を一部ずつ、順次にそれぞれの準天頂軌道に個別に投入する事を特徴とする請求項11記載の衛星の軌道投入方法。
  13. 当該LEOパーキング軌道には、少なくとも一つの当該衛星を予備衛星として残しておく事を特徴とする請求項11又は12に記載の衛星の軌道投入方法。
  14. 当該LEOパーキング軌道に投入された複数の衛星の内の一部の衛星は、当該LEOパーキング軌道の軌道面遷移動作によって、当該LEOパーキング軌道の軌道面が、当該複数の準天頂軌道の内の一つの準天頂軌道の軌道面と一致した時点で、当該準天頂軌道に、適宜のトランスファー軌道を介して投入する事を特徴とする請求項11乃至13の何れかに記載の衛星の軌道投入方法。
  15. 当該準天頂軌道に投入された当該一部の衛星が複数である場合には、少なくとも一つを予備衛星として使用する事を特徴とする請求項14記載の衛星の軌道投入方法。
  16. 当該LEOパーキング軌道の軌道面遷移動作によって、当該LEOパーキング軌道の軌道面が、当該複数の準天頂軌道の内の一つの準天頂軌道の軌道面と一致する毎に、当該LEOパーキング軌道に投入された複数の衛星の内の一部ずつが順次に、当該準天頂軌道に、適宜のトランスファー軌道を介して投入される事を特徴とする請求項14又は15に記載の衛星の軌道投入方法。
  17. 当該LEOパーキング軌道内に残留している一つ或いは複数の当該予備衛星は、当該準天頂軌道を周回している何れかの衛星の機能が低下したか或いは機能不全となった場合には、当該LEOパーキング軌道の軌道面が当該予備衛星を必要とする当該準天頂軌道の軌道面と一致した時点で当該LEOパーキング軌道を周回中の予備衛星の一部を当該準天頂軌道に投入する事を特徴とする請求項11乃至16の何れかに記載の衛星の軌道投入方法。
  18. 当該LEOパーキング軌道に保持されている当該予備衛星の数が不足して来た場合には、地上から別の打ち上げ手段を使用して予備衛星を当該LEOパーキング軌道に投入する事を特徴とする請求項11乃至17の何れかに記載の衛星の軌道投入方法。
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