JP3652899B2 - 電池 - Google Patents

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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池に関するものであり、特に負極活物質がナトリウム、正極活物質が硫黄及び多硫化ナトリウムであるナトリウム-硫黄電池の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ナトリウム-硫黄電池は、ナトリウムからなる負極活物質と、硫黄及び多硫化ナトリウムからなる正極活物質とからなり、これら負極活物質と正極活物質とが互いに隔離されるとともに、ナトリウムイオンに対して伝導性を有する固体電解質管を備え、300〜350℃の作動範囲で作動する電池である。
【0003】
ナトリウム-硫黄電池1は、図2に示すように、前記正極活物質3を収納して当該正極活物質3と外部回路とを電気的に接続する正極端子である円筒缶6と、負極活物質2と外部回路とを電気的に接続するための負極端子7とが備えられている。負極端子7は、負極活物質2に挿入される安全管10と負極活物質2を密閉する封口蓋11とからなる。円筒缶6と封口蓋11とは、α-アルミナからなる絶縁リング8に接合され、互いに絶縁されている。また、円筒缶6、封口蓋11及び絶縁リング8により、負極活物質2と正極活物質3とが密閉される。
【0004】
ナトリウム-硫黄電池1は、前述のように300〜350℃の温度で作動させるものであるから、溶融したナトリウム、硫黄、及び多硫化ナトリウムが外部に漏出しないためにも、これらの密閉性に関しては、構造上また製作上、十分な注意が払われなければならない。
【0005】
図2に示すような従来のナトリウム-硫黄電池1においては、この密閉性を確保する手段として、円筒缶6又は封口蓋11と絶縁リング8とを接合する場合には、これらの間にアルミニウム接合材16を配置し、当該接合材を600〜650℃の接合温度に加熱しつつ1〜数十MPaの接合圧力を印可することにより、接合する方法が採られていた。なお、円筒缶6においては、上記アルミニウム接合材16を設置するための下部支持金物9が、図に示すように備えられている。また以下では、このような構造となるナトリウム-硫黄電池を、便宜上「接合型構造の」ナトリウム-硫黄電池と呼ぶことがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したようなアルミニウム接合材16を用いることによる封止方法においては、以下の問題点があった。すなわち、第一に、接合を実施するための高温炉(600〜650℃)が必要となることである。このことは、大量に当該電池を生産しようとする場合に相当の設備費が必要となることを意味するから、その製造コストが非常に嵩んでしまうこととなっていた。
【0007】
また第二に、上記高温雰囲気下においてさらに加圧(1〜数十MPa)する必要があるから、これを実現するために設備が複雑化するため、製造コストをさらに押し上げることとなっていた。また、量産性も悪かった。
【0008】
そして第三に、接合型構造のナトリウム-硫黄電池1に、室温〜350℃(作動温度)の加熱、冷却を繰り返す熱サイクルを与えると、20サイクル前後の繰り返しによって熱歪みが発生し、円筒缶6又は封口蓋11と絶縁リング8との接合強度が低くなり、気密性が低下して、電池の性能が低下することがあった。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、製造コストの低減と量産性の向上が図られるようなものであって、かつ製造後長期に使用された場合であっても気密性を保ちその性能を高く保持することが可能な電池を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために以下の手段をとった。すなわち、請求項1記載の電池は、正極活物質を封ずる円筒形状とされた正極端子と、前記正極端子の一端と負極活物質を封じるとともに負極端子が備えられた封口蓋と、前記正極端子の一端と前記封口蓋との間に配置される絶縁リングと、前記封口蓋と前記絶縁リング、前記正極端子の一端と前記絶縁リングとの間にそれぞれ配置されるシールリングと、前記封口蓋、前記絶縁リング、及び前記正極端子を締付ける締付けボルトとから構成され、前記シールリングの材質がアルミニウム合金とされるとともに、その板厚が1.3mm以下とされ、かつ、前記負極活物質がナトリウムからなり、前記正極活物質が硫黄及び多硫化ナトリウムからなることを特徴とするものである。
また、請求項2記載の電池は、正極活物質を封ずる円筒形状とされた正極端子と、前記正極端子の一端と負極活物質を封じるとともに負極端子が備えられた封口蓋と、前記正極端子の一端と前記封口蓋との間に配置される絶縁リングと、前記封口蓋と前記絶縁リング、前記正極端子の一端と前記絶縁リングとの間にそれぞれ配置されるシールリングと、前記封口蓋、前記絶縁リング、及び前記正極端子を締付ける締付けボルトとから構成され、前記シールリングの材質がニッケルとされるとともに、その板厚が1.8mm以下とされ、かつ、前記負極活物質がナトリウムからなり、前記正極活物質が硫黄及び多硫化ナトリウムからなることを特徴とするものである。
また、請求項3記載の電池は、正極活物質を封ずる円筒形状とされた正極端子と、前記正極端子の一端と負極活物質を封じるとともに負極端子が備えられた封口蓋と、前記正極端子の一端と前記封口蓋との間に配置される絶縁リングと、前記封口蓋と前記絶縁リング、前記正極端子の一端と前記絶縁リングとの間にそれぞれ配置されるシールリングと、前記封口蓋、前記絶縁リング、及び前記正極端子を締付ける締付けボルトとから構成され、前記シールリングがカーボンシール材とされるとともに、その板厚が1.3mm以下とされ、かつ、前記負極活物質がナトリウムからなり、前記正極活物質が硫黄及び多硫化ナトリウムからなることを特徴とするものである。
【0011】
これによれば、従来の接合型構造の電池に比べると、高温・高圧雰囲気での接合という手間のかかる工程を完全に省略することが可能となる。すなわち、負極活物質及び正極活物質の封じ込め等は、締付けボルトにより、封口蓋、絶縁リング、フランジを締付けることによりのみ実現されるから、製作にかかる工数ないしコストを大幅にカットすることが可能となる。また、このような構造における電池の気密性は、十分に保たれうるものである。このことは以下の実施形態にて詳しく説明される。なお以下では、このような構造となる本発明に係る電池を、先に定義した「接合型構造」という用語に対比するものとして、「組立型構造」と呼ぶことがある。
【0013】
また、この電池によれば、負極活物質及び正極活物質によりシールリングが腐食されることがないから、電池としての安定した性能発揮が長期の間可能となる。より具体的には、この発明における「耐食性を発揮するもの」として、例えば、アルミニウム合金(請求項)、ニッケル(請求項)、カーボンシール材(請求項)等を挙げることができる。またこれらのうちアルミニウム合金としては、例えば、Al-Si系、Al-Mn系、Al-Mg系、Al-Si-Mg系等が適しているものとして挙げられる。さらに、これらの材料をシールリングとして適用する際には、その板厚を1.3mm以下とするのがよい。ただし、ニッケルについては、その板厚を1.8mm以下とするのがよい。こうすることにより、電池の気密性が保たれることになる。
【0015】
また、請求項1から3に記載の電池はナトリウム−硫黄電池である。この電池は、通常、その作動温度が300〜350℃とされているものである。ところで、上記締付けボルトを含む本発明に係る構造は、室温〜350℃の範囲においても、上述した気密性が保たれ得るものである。このことも以下の実施形態において詳しく説明することとする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る組立型構造のナトリウム-硫黄電池1´の構造を示す断面図である。なお、以下の説明において、図2にて説明した従来のナトリウム-硫黄電池1について使用されていた部材等と同等なものについては、図1においても同じ符号を付すこととし、これを用いて説明することとする。
【0017】
図1において、ナトリウム-硫黄電池1´には、ナトリウムからなる負極活物質2と、硫黄及び多硫化ナトリウムからなる正極活物質3とが備えられている。また、負極活物質2と正極活物質3との間には固体電解質管4が配置されている。さらに、前記正極活物質3を含浸して正極活物質3の電子伝導を補助するための炭素繊維布からなる導電助材5、正極活物質3及び導電助材5と外部回路とを電気的に接続する正極端子6と、負極活物質2と外部回路とを電気的に接続する負極端子7とが備えられている。
【0018】
固体電解質管4は、図1に示すように、有底円筒缶状であり、その材質はナトリウムイオンに対して伝導性を有するセラミックス又はガラス等からなるものである。より具体的には、例えば、β-アルミナ(Na2O・11Al23)や、安定化剤としてMgO、LiO2等が添加されたβ”-アルミナ(3Na2O・16Al23)等が用いられる。また、固体電解質管4の開口端には、絶縁リング8が接合されている。絶縁リング8の材質としては、例えばα-アルミナ等のセラミックスが用いられる。
【0019】
正極端子6は、金属製の円筒缶であり、その材質としては、例えばステンレス鋼、ニッケル合金、アルミニウム合金、コバルト合金、あるいはこれらの材料に溶射、メッキ、拡散処理等により耐食層を設けたもの等を用いる。さらに、正極端子6の開口部には、下部フランジ9´が形成されている。
【0020】
負極端子7は、安全管10と封口蓋11とから構成されている。封口蓋11の材質としては、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金等を用いる。安全管10は、円筒缶状であって、封口蓋11に接合されて固体電解質管4の内側に配置されている。安全管10の底面には、負極活物質2が流通するための孔が形成されている。
【0021】
下部フランジ(正極端子の一端)9´、絶縁リング8、及び封口蓋11の間には、シールリング13が配され、締付けボルト12を締付けることによって、負極活物質2と正極活物質3が密閉される。なお、締付けボルト12と封口蓋11とが接触する部位については、絶縁シート14が備えられている。
【0022】
以下では、上記一般的な実施形態に基づいたナトリウム-硫黄電池について、本願発明者らがこれを実際に製作し、さらにその気密性能を確かめた実施例について説明する。
【0023】
本実施例においては、図1に示すナトリウム-硫黄電池1´において正極端子6、負極端子7、下部フランジ9´、封口蓋11及び安全管10は、それぞれステンレス鋼で製作した。また、正極端子6の内面には、耐食性を得るためにクロムメッキを施した。さらに、絶縁リング8はα-アルミナ製とし、個体電解質4はβ”-アルミナ製とした。これら絶縁リング8と固体電解質管4は、「ガラスはんだ」にて接合した。なお、シールリング13は、厚さ0.5mmのアルミニウム製とした。
【0024】
本実施例における組立型構造のナトリウム-硫黄電池は、正極端子6、負極端子7、絶縁リング8、下部フランジ9´、封口蓋11、安全管10等の各部材を、あらかじめ製作しておき、室温にて容易に組み立てることが可能である。一方、アルミニウム接合材を用いた従来の接合型構造のナトリウム-硫黄電池1の場合には、上述したように、絶縁リング8、下部支持金物9、封口蓋11をアルミニウム接合材16にて熱圧接合する工程が必要となる。また、この接合工程後に、それぞれの部材を溶接により組み立てることから、アルミニウム接合部に無理な力が加わらないように細心の注意が必要となる。
【0025】
以上のことから、組立型構造となる本実施例のナトリウム-硫黄電池1´の場合には、その製作が極めて容易となり、また、その製作工数も大幅に削減することが可能となる。ちなみに、本実施例におけるナトリウム-硫黄電池1と接合型構造となる従来例のそれとの製作工数を比較した結果、電池完成までの工数は、前者において80Hr、後者において110Hrとなった。すなわち、本実施例においては、従来例に比べて約27%の工数低減が図れることとなった。
【0026】
本実施例のナトリウム-硫黄電池1を上記のように製作し、これを室温〜350℃(作動温度)の加熱、冷却を繰り返して真空気密を確認する試験を実施した。その結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
Figure 0003652899
【0028】
この表1における下段に記載された数値は、室温〜350℃の加熱、冷却を同表上段に記載された数値の回数だけ繰り返した後に、真空気密の状態を計測した際の到達真空度を表している。真空度の単位は、10-6Torrである。なお、最も左欄においては、初期状態における真空度(2.6×10-6torr)が示されている。この表に示すように、本実施例におけるナトリウム-硫黄電池1´においては、室温〜350℃の100回の加熱サイクルを施した後においても、その真空到達度が2.2×10-6torrとなることが確認され、十分な気密性能を発揮していることがわかる。
【0029】
次に、上記した本実施例のナトリウム-硫黄電池1´において、シールリング13の材質を種種変更した場合における気密性の試験結果について説明する。まず、シールリング13材として、これを純アルミニウム(99.5%)とし、かつシールリング13の板厚を1.3mm以下とした場合の気密性試験結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
Figure 0003652899
【0031】
この表2における「10回、…、100回」なる数字、またこれらに対応した1.9〜2.5までの数字の意味は、表1において説明したのと同様である。なおこのことは、以下で説明する表3〜表5においても同様である。
【0032】
この表2から、シールリング13の板厚が1.3mm以下、より好ましくは1.0mm以下であれば、室温〜350℃の加熱、冷却の繰り返しを与えたとしても気密性が損なわれないことがわかる。なお、本実施例においては、シールリング13の板厚が1.3mmを越える場合についても試験を実施してみたが、その結果は、表2から明らかなように、初期の気密は保てるが、室温〜350℃の熱サイクルを付加すると気密がとれなくなったことが示されている。この理由は以下のように考えられる。すなわち、シールリング13は、初期状態において気密が保てる範囲の圧力で締め付けられるが、その後電池の作動温度(300〜350℃)まで加熱される際にシールリング13が熱伸びすることによって締め付けをさらに強くする作用が現出する。よって、シールリング13には二つの圧力が同時に加わることになるから、場合によっては、塑性変形による「へたり」が発生することがある。この「へたり」の絶対量は、シールリング13の板厚が大きくなるほど多くなると考えられるから、その結果、締め付けが緩んで気密性を損なうこととなったものと考えられる。一方、シールリング13の板厚が1.3mm以下であれば、仮に「へたり」が発生したとしてもそれは締付けボルト12の弾性範囲内であることから、締め付けが緩むことがなく、気密性が保たれ得るのである。
【0033】
次に、シールリング13の材質をAl-Si系、Al-Mg系、Al-Si-Mg系等のアルミニウム合金とし、その板厚を1.3mm以下とした場合における気密性試験結果について表3に示す。
【0034】
【表3】
Figure 0003652899
【0035】
この表3から、シールリング13の板厚が1.3mm以下、より好ましくは1.0mm以下であれば、室温〜350℃の加熱、冷却の繰り返しを与えたとしても、気密性が損なわれないことがわかる。また、シールリング13の板厚が1.3mmを越えた場合の試験結果から、初期の機密は保てるが室温〜350℃の熱サイクルを付加すると気密がとれなくなることがわかる。なお、表2においては、Al-0.5Si、Al-0.5Si-0.5Mg、Al-1Mn、Al-0.5Mgの四種についての気密性試験結果を示しているが、これらは、負極活物質2及び正極活物質3に対する耐食性の観点から選択されているものである。すなわち、より一般的には、Al-Si系、Al-Mn系、Al-Mg系、、Al-Si-Mg系のアルミニウム合金を選択する方が好ましい。ただし、本発明における「アルミニウム合金」が、これらに限定されることを意味するものではないことはいうまでもない。
【0036】
次に、シールリング13の材質をニッケルとした場合における気密性試験の結果を表4に示す。
【0037】
【表4】
Figure 0003652899
【0038】
この表4から、シールリング13の板厚が1.8mm以下、より好ましくは1.5mm以下であれば、室温〜350℃の加熱、冷却の繰り返しを与えたとしても気密性が損なわれないことがわかる。また、シールリング13の板厚が1.8mmを越えると、初期の気密は保てるが室温〜350℃の熱サイクルを付加すると気密性が保てなくなることがわかる。したがって、シールリング13の材質がニッケルであって、その板厚が1.8mm以下であれば、性能の長期安定と安全性に優れるナトリウム-硫黄電池を提供することができる。
【0039】
最後に、シールリング13をカーボンシール材とした場合における気密性試験の結果を表5に示す。
【0040】
【表5】
Figure 0003652899
【0041】
この表5から、シールリング13の板厚が1.3mm以下、より好ましくは1.0mm以下であれば、室温〜350℃の加熱、冷却の繰り返しを与えたとしても、気密性が損なわれないことがわかる。また、シールリング13の板厚が1.3mmを越えると、初期の気密が保てるが室温〜350℃の熱サイクルを付加すると気密がとれなくなることがわかる。したがって、シールリング13をカーボンシール材であって、その板厚が1.3mm以下であれば、性能の長期安定と安全性に優れるナトリウム-硫黄電池を提供することができる。
【0042】
このように本実施形態あるいは本実施例におけるナトリウム-硫黄電池1´は、種種の材料により形成されたシールリング13において、その気密性が十分に保たれることがわかる。なお、最適なシールリング13の板厚は、一義的には決定されず、その材質により影響を受けることがわかる。ただし表1〜5からもわかるとうり、一般的には、シールリング13の板厚は1.3mm以下、より好ましくは1.0mm以下であることが好ましいと言えよう。
【0043】
また、気密性が十分に保たれるにも関わらず、その製作は、上述したように、非常に容易であるため、その製作工数を低減することができる。これはすなわち、締付けボルト12により封口蓋11と正極端子6とを連結するだけでよいからである。またこのことから、従来必要とされていた高温炉等が不要となり、上記製作工数低減によるものとともに、このような設備費に係る製作費の低減も図ることができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の電池は、正極活物質及び負極活物質を封ずるのに、シールリングと、封口蓋、絶縁リング、フランジを締付ける締付けボルトとを使用する構成となっている。この構造による電池においては、その製作は非常に容易となるとともに、当該製作において特別な設備を必要とすることがない。したがって、製作工数を大幅に低減できるとともに、そのコストも当然削減することができるから、安価な電池を大量に提供することができる。また、この構造の電池の気密性も十分に保持し得ることが上で示された。したがって、この電池は安全にかつ安定的に電池としての性能を長期間発揮することができる。
【0045】
また、負極活物質及び正極活物質によりシールリングが腐食されることがないから、電池としての安定した性能発揮を長期の間実現可能とする。また、この作用効果をより効果的に実現するものとしては、アルミニウム合金(請求項)、ニッケル(請求項)、カーボンシール材(請求項)が適したものとして挙げられる。さらに、これらの材料をシールリングとして適用する際には、その板厚を1.3mm以下(ニッケルの場合は1.8mm以下)とすれば、確実にその気密性が保たれることになる。
【0046】
また、請求項1から3に記載の電池は、前記負極活物質がナトリウムからなり、前記正極活物質が硫黄及び多硫化ナトリウムからなるナトリウム−硫黄電池である。これは通常、その作動温度が300〜350℃と設定されているが、この範囲あるいはこれを越える範囲(室温〜350℃)においても、上述した構造となるナトリウム−硫黄電池において、上記気密性に係る作用効果を享受できることが明らかにされた。また、このナトリウム−硫黄電池においては、製作工数ないしはコストの低減が可能なことはもちろんである。したがって、本発明によれば、長期の安定性と安全性が確保されたナトリウム−硫黄電池を安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るナトリウム-硫黄電池の構造を示す断面図である。
【図2】 従来のナトリウム-硫黄電池の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1´ ナトリウム-硫黄電池
3 正極活物質
6 正極端子
8 絶縁リング
9´ 下部フランジ(正極端子の一端)
11 封口蓋
12 締結けボルト
13 シールリング

Claims (3)

  1. 正極活物質を封ずる円筒形状とされた正極端子と、前記正極端子の一端と負極活物質を封じるとともに負極端子が備えられた封口蓋と、前記正極端子の一端と前記封口蓋との間に配置される絶縁リングと、前記封口蓋と前記絶縁リング、前記正極端子の一端と前記絶縁リングとの間にそれぞれ配置されるシールリングと、前記封口蓋、前記絶縁リング、及び前記正極端子を締付ける締付けボルトとから構成され、
    前記シールリングの材質がアルミニウム合金とされるとともに、その板厚が1.3mm以下とされ、かつ、
    前記負極活物質がナトリウムからなり、前記正極活物質が硫黄及び多硫化ナトリウムからなることを特徴とする電池。
  2. 正極活物質を封ずる円筒形状とされた正極端子と、前記正極端子の一端と負極活物質を封じるとともに負極端子が備えられた封口蓋と、前記正極端子の一端と前記封口蓋との間に配置される絶縁リングと、前記封口蓋と前記絶縁リング、前記正極端子の一端と前記絶縁リングとの間にそれぞれ配置されるシールリングと、前記封口蓋、前記絶縁リング、及び前記正極端子を締付ける締付けボルトとから構成され、
    前記シールリングの材質がニッケルとされるとともに、その板厚が1.8mm以下とされ、かつ、
    前記負極活物質がナトリウムからなり、前記正極活物質が硫黄及び多硫化ナトリウムからなることを特徴とする電池。
  3. 正極活物質を封ずる円筒形状とされた正極端子と、前記正極端子の一端と負極活物質を封じるとともに負極端子が備えられた封口蓋と、前記正極端子の一端と前記封口蓋との間に配置される絶縁リングと、前記封口蓋と前記絶縁リング、前記正極端子の一端と前記絶縁リングとの間にそれぞれ配置されるシールリングと、前記封口蓋、前記絶縁リング、及び前記正極端子を締付ける締付けボルトとから構成され、
    前記シールリングがカーボンシール材とされるとともに、その板厚が1.3mm以下とされ、かつ、
    前記負極活物質がナトリウムからなり、前記正極活物質が硫黄及び多硫化ナトリウムからなることを特徴とする電池。
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