JP3652882B2 - 残紙除去装置 - Google Patents

残紙除去装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3652882B2
JP3652882B2 JP14962798A JP14962798A JP3652882B2 JP 3652882 B2 JP3652882 B2 JP 3652882B2 JP 14962798 A JP14962798 A JP 14962798A JP 14962798 A JP14962798 A JP 14962798A JP 3652882 B2 JP3652882 B2 JP 3652882B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
remaining paper
reel
remaining
roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14962798A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11334950A (ja
Inventor
敏文 坂井
孝義 森竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP14962798A priority Critical patent/JP3652882B2/ja
Publication of JPH11334950A publication Critical patent/JPH11334950A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3652882B2 publication Critical patent/JP3652882B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Replacement Of Web Rolls (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抄紙機の次にアンワインダ(紙巻戻し部)を有するワインダ(紙巻取機)をそなえた製紙ラインにおいて、アンワインダから抄紙機に返還するリールスプール上に残った紙を取り除く、残紙除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
製紙工場の製紙ラインでは、抄紙機で抄紙された紙は、親巻きされた後にワインダ(紙巻取機)に導入され、このワインダで所定寸法の巻き取りロールにする処理が行なわれる。ワインダには、親巻きの巻き戻しを行なうアンワインダ(紙巻戻し部)がそなえられている。
【0003】
図6を参照して、このような抄紙機とアンワインダとの配置関係の一例とともに、これらの間を往復するリールスプールの動きを説明する。
図6に示すように、通常、抄紙室内の抄紙機50の最後尾部に、“リール”と呼ばれる設備1が配置されている。このリール1では、“リールスプール”と称する巻芯9に、抄紙された紙が連続的に巻き取られる。このリールスプール9に巻き取られたロール状の紙17を“親巻き”と呼んでおり、この親巻き17は、抄紙室内のワインダ60の構成装置の一部であるアンワインダ2に送られる。
【0004】
ワインダ60は、親巻き17から印刷会社の求める寸法の巻き取りロール(以下“シッピングロール”と呼ぶ)を製造する設備であり、このワインダ60の入口部分にアンワインダ2がそなえられる。アンワインダ2では、ワインダ60でシッピングロールを製造するために親巻き17の巻き戻しを行なう。
最新のリール1では、リールスプール9を貯蔵するリールスプールストレージレール(単に、ストレージレールともいう)11が付属されており、このストレージレール11上に貯蔵されたリールスプール9は受け渡しアーム12および受け取りアーム13によってリール1の構成要素としてストレージレール11の下方に装備されたリールレール5に運ばれる。そして、このリールレール5で、リールスプール9の外周に紙が巻き付けられて親巻き17が形成される。
【0005】
ところで、このリール1において、親巻き17の巻芯となるリールスプール9に紙を巻き付ける前に予め紙が付着した状態であると、親巻き17を形成する上でトラブルを起こすので、ストレージレール11に貯蔵されるリールスプール9には紙が付着していることは許されない。
しかしながら、リール1に導入されるリールスプール9はアンワインダ2で親巻き17を巻き戻しした後のものであり、リール1に導入されるリールスプール9にはどうしても紙が付着してしまうことになる。
【0006】
つまり、アンワインダ2上の親巻き17からはシッピングロールを製造する過程で紙が繰り出され、新たにシッピングロールを製造するには不十分な少量の紙がリールスプール上に残った時点で新しい親巻き17と交換される。
この新しい親巻きに17は複数のシッピングロールを製造するために必要とされる紙の長さに若干の余裕をプラスした紙が巻かれるようになっており、通常アンワインダ2から運び出されるリールスプール9には紙が付着している。この付着した紙を“残紙”と呼ぶ。
【0007】
上述のように、残紙が付着したリールスプール9はこのままではリール1で使用できないので、アンワインダ2からリールスプール9をリール1に返還する過程で、リールスプール9に付着した紙を取り除く必要がある。
ところで、図6に示す例では、リール1で形成された親巻き17をリール1からアンワインダ2に搬送する親巻き搬送装置として、リール1からアンワインダ2に向かって下り勾配を有する親巻き搬送レール6を有するものが用いられており、リール1で形成された親巻き17を親巻き搬送レール6に支持させながら順次アンワインダ2方向に移動させていき、最終的にアンワインダ2に転入させるようにしている。このような親巻き搬送装置は、公知のものであるのて、その詳細については説明を省略する。
【0008】
一方、アンワインダ2から残紙の付着したリールスプール9を運び出す方式には、直接クレーンを用いて運び出す方式(図示省略)の他に、図6に示すように、アンワインダ2に近接して設置された“バーチカルスプールアンローダ”と呼ばれる設備3でアンワインダ2の上方に垂直に運び出す方式がある。図6に示すもののように、親巻き搬送レール6を用いてアンワインダ上に親巻きを搬入する方式の場合には、通常、バーチカルスプールアンローダ3が配置される。
【0009】
このように、バーチカルスプールアンローダ3を用いる場合でも、従来はバーチカルスプールアンローダ3からリール1までは図示しないクレーンを用いてリールスプール9を運搬する方式が一般的である。
このようにクレーンを用いてリールスプール9を運搬するのは、従来の残紙除去作業を抄紙室の床面(図6中に2FLで示す)上で行なうためである。つまり、上述のように、アンワインダ2からリール1に至る運搬過程で必ずリールスプール9に付着した残紙を完全に取り除く必要があるが、従来の残紙除去設備は抄紙室の床面2FL上のオペレータの手の届く位置に設置されているために、この床面2FL上までリールスプール9を運び下ろし、ここで残紙除去が終わった後のリールスプール9を再びリールクレーンを用いてストレージレール11まで運び上げるという作業を必要としたのである。
【0010】
なお、従来の残紙除去場所は、例えば図6のNO.1親巻きスタンド14の位置である。図6に示す例では、複数の親巻きスタンドが親巻き搬送レール6に設置されており、親巻き搬送レール6の最も上流側に位置するものがNO.1親巻きスタンド14となっている。ここで、図7を参照してNO.1親巻きスタンド14の位置で残紙除去作業を行なう例を説明する。
【0011】
図7に示すように、NO.1親巻きスタンド14上に親巻きが無い状態の時、残紙の付着したリールスプール9をクレーン(図示略)でこのスタンド14上に搬入し、ここでオペレータが直接手作業により残紙を除去する。除去した紙は一旦床上に置かれ、その後、リール下部に設置されている損紙(製紙工場では製品とならない紙を損紙と呼んでおり、リールスプールから除去された紙も損紙である)パルパと呼ぶ溶解設備4まで運搬して投入し、この損紙パルパ(損紙処理パルパ)4内で溶解して原料工程に送り出す。
【0012】
損紙パルパ4は、作業の便利な位置に残紙処理専用として配置されることもあるが、通常は、図6,図7に示すように、リール1の下方の抄紙室の床面2FLの下に配置される。
ところが、大型の抄紙設備の場合、リールスプール一本当たりの残紙の重量が300kgを越えることも多く、平均して1時間に1回の頻度でそのような残紙の除去や運搬作業を直接人手作業により行うことは好ましくない。
【0013】
そこで、図8に示すような簡単な装置をNO.1親巻きスタンド部に設置してオペレータの労働を軽減する手段が開発されている。なお、図8(B)は図8(A)のA部拡大図である。
この設備では、図8(B)に示すように、リールスプール9のカップリング部9cにブレーキシュー19が押し付けられており、このブレーキシュー19によるブレーキトルクは、図示しない空気圧作動の装置をオペレータが遠隔操作することにより、調整可能になっている。
【0014】
この設備を用いて残紙処理を行う場合、オペレータは残紙の先端部を損紙パルパ4内の入口部に配置された水シャワ18の当る位置まで人手作業により繰り入れる。水シャワ18から高速で噴出するシャワ水は紙に衝突しその力によりリールスプール9から残紙を引き出して、この紙を損紙パルパ4内で攪拌されている水流に導く。
【0015】
この時、紙の引き出し速度は徐々に加速され、やがてパルパの溶解能力を上回る速度に到達するとリールスプール9から繰り込まれた紙がパルパ4の水面上を覆い溶解作用に障害となるので、オペレータはそのような速度にならぬよう適当なタイミングでブレーキシュー19によるブレーキをコントロールする。
このような設備でも、オペレータにはブレーキをコントロールする作業を必要とするが、残紙除去を全て人手で行う前述の例に比べて大幅に省力化されるので大型製紙工場ではこの方式が広く用いられている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来の残紙除去設備(図8参照)では若干の省力化は図られているが、依然としてクレーンによるリールスプールの運搬作業等の手間がかかるという課題がある。
このようなクレーンによる運搬作業を省略するためには、図9に示すように、バーチカルスプールアンローダ3とリール1上部に配置されたリールスプールストレージレール11とをリールスプール返還レール7で連結し、リール1からアンワインダ2に親巻きを搬送する装置と同じ要領でリールスプール9を搬送することが考えられるが、その場合ストレージレール11にリールスプールが到達する前にリールスプール返還レール7上にあるリールスプール9から残紙を取り除くことが必要となる。
【0017】
そこで、リールスプール返還レール7上のリールスプール9から残紙を除去する装置を実用化することが必要になるが、このような残紙除去装置を実用化する上で、次のことが大きな障害となり、その実用化が阻まれている。
(1)一般に、リールスプール返還レール7は抄紙室の床面2FL上5〜6mの高い位置に配置されることになるため、オペレータが近づいて直接作業をすることが難しい。
【0018】
(2)抄紙室内のリールスプール返還レール7と通常2FL下に配置される損紙パルパ4との間には、図9中に“風”と付記した矢印で示すような風が流れており、この風がリールスプールから除去される紙を煽り、損紙パルパ4まで運ぶ上で重大な支障となる。
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、除去した残紙を確実に損紙パルパへ運ぶことができるようにし、さらに、リールスプール返還レール上でリールスプールから確実に残紙を除去することができるようした、残紙除去装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の本発明の残紙除去装置は、抄紙機に設けられ親巻きを形成するリールと、該抄紙機の下流側のワインダに設けられ親巻き搬送装置を介して該リールから該親巻きを受け取り該親巻きの巻き戻しを行なうアンワインダと、該アンワインダに近接して設置されたバーチカルスプールアンローダと、該リール上部に設置されたリールスプールストレージレールと、該親巻き搬送装置の上方に配置され、該バーチカルスプールアンローダから該リールスプールストレージレールへ残紙ロールを返還するリールスプール返還レールと、該親巻き搬送装置の下部に配置された損紙処理パルパとをそなえた製紙ラインに装備されて、該リールスプール返還レールに、該残紙ロールを支持する残紙ロール支持部が設けられるとともに、該残紙ロール支持部と該損紙処理パルパとの間に、該残紙ロールから除去された残紙を該リールスプール返還レールの下方にある該親巻き搬送装置上の複数の親巻きの相互間から該損紙処理パルパ内に進入させる、残紙移送経路が設けられ、該残紙移送経路の四方が、該リールスプール返還レール及び該親巻き搬送装置を上下に横切るように昇降可能で且つ空気の透過しない一対のカーテンと、該リールスプール返還レールの下部に固定され該カーテンの相互間に配置され且つ空気の透過しない一対のパネルとによって、包囲されていることを特徴としている。
【0021】
請求項記載の本発明の残紙除去装置は、請求項記載の装置において、上記の一対のカーテンの下端を、該親巻き搬送装置の設置されている設置面近傍まで下降可能なカーテン昇降装置をそなえていることを特徴としている。
請求項記載の本発明の残紙除去装置は、請求項1又は2記載の装置において、該リールスプール返還レールに支持された該残紙ロールから該損紙処理パルパ内に該残紙を進入させるために該残紙ロールを回転駆動する残紙ロール駆動装置をそなえていることを特徴としている。
【0022】
請求項記載の本発明の残紙除去装置は、請求項記載の装置において、該残紙ロール駆動装置が、該残紙ロールのスプール端部に押し付けられるゴムタイヤと、該ゴムタイヤを回転駆動するモータとから構成されていることを特徴としている。
請求項記載の本発明の残紙除去装置は、請求項3又は4記載の装置において、該残紙ロール駆動装置に、該ゴムタイヤを該残紙ロールのスプール端部に押し付けた状態と該スプール端部から離隔した状態とに移動させる移動装置が設けられていることを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明すると、図1〜図5は本発明の一実施形態としての残紙除去装置を示すもので、図1は本残紙除去装置を装備した抄紙室の構成を示す抄紙室及び損紙パルパの側断面図、図2は本残紙除去装置の構成を示す正面図(抄紙室及び損紙パルパの側断面図に対応する図)、図3はその側面図(図2のB方向矢視図)、図4は本残紙除去装置による残紙除去状態を示す側面図(図2と対応する図)、図5はその残紙除去状態を示す正面図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態の残紙除去装置は、抄紙室内の抄紙機50の最後尾部に設置されたリール1と、抄紙機50の次工程設備として設置された抄紙室内のワインダ60の一部であるアンワインダ2との間に、設けられている。
リール1及びアンワインダ2並びにリール1からアンワインダ2への搬送系は、従来例(図6)と同様に構成されている。
【0025】
つまり、リール1には、リールスプール(巻芯)9を貯蔵するリールスプールストレージレール(単に、ストレージレールともいう)11と、親巻き17を形成するためにリールスプール9を支持するリールレール5と、リールスプール9をストレージレール11上からリールレール5上へ移送する受け渡しアーム12及び受け取りアーム13とがそなえられている。これにより、ストレージレール11上に貯蔵されたリールスプール9は、受け渡しアーム12から受け取りアーム13を経てリールレール5に移送され、リールレール5上で外周に紙を巻き付けられて親巻き17を形成するようになっている。
【0026】
こうしてリール1で形成された親巻き17を抄紙室内のワインダ60のアンワインダ2に送るために、従来例(図6)と同様に、公知の親巻き搬送装置が用いられている。つまり、親巻き搬送装置70には、リール1からアンワインダ2に向かって下り勾配を有する親巻き搬送レール6が設けられており、リール1で形成された親巻き17をこの親巻き搬送レール6に支持させながら順次アンワインダ2方向に移動させていき、最終的にアンワインダ2に転入させるようになっている。
【0027】
ワインダ60では、親巻き17から印刷会社の求める寸法の巻き取りロール(シッピングロール)を製造するが、アンワインダ2は、このワインダ60の入口部分において、ワインダ60でシッピングロールを製造するための親巻き17の巻き戻しに用いられる。
このアンワインダ2に近接して、アンワインダ2のリールスプール9を上方に垂直に運び出すバーチカルスプールアンローダ(単に、スプールアンローダともいう)3がそなえられている。
【0028】
そして、スプールアンローダ3とリール1のストレージレール11との間にはリール1側へ下降するように傾斜したのスプール返還レール7が介設されており、このスプール返還レール7を通じて、シッピングロールを製造するために、アンワインダ2で巻き戻された残りのリールスプール9をリール1のストレージレール11へ返還できるようになっている。そして、このスプール返還レール7の途中に、本残紙除去装置8が設けられている。
【0029】
なお、スプールアンローダ3から残紙除去装置8に送られるリールスプールには通常紙が付着しているのでこれを残紙ロール10と呼び、紙が付着していないリールスプール9と区別する。
このような残紙ロール10は、スプールアンローダ3から傾斜したスプール返還レール7上を転がりながら、残紙除去装置8に転入し、残紙除去装置8により残紙を除去処理され、残紙除去後のリールスプール9はスプール返還レール7上を移動してリール1側に出て行くようになっている。
【0030】
このようなスプール返還レール7における残紙ロール10やリールスプール9の支持機構及びその転入転出機構は、下り勾配を有する親巻き搬送レール6をそなえた親巻き搬送装置に適用されている装置構成と同様であり、従来数多く実施されており、公知例も多数あるのでここでは説明を省略する。
そして、残紙処理装置8の下にはNO.2親巻きスタンド15とNO.3親巻きスタンド16とが配置されており、更に、これらのスタンド15,16の下に損紙パルパ(損紙処理パルパ)4が配置されている。なお、残紙処理装置8は損紙パルパ4の上方に位置していればどの親巻きスタンド間の上でもかまれない。
【0031】
そして、残紙処理装置8は、NO.2親巻きスタンド15とNO.3親巻きスタンド16との相互間の上部に配置されており、更に、これらのスタンド15,16の下に損紙パルパ(損紙処理パルパ)4が配置されている。
損紙パルパ4の構造は、従来製紙工場でリール1の下に配置されているものとほとんど同じ構造であるが、ここでは、パルパ4の内部を大気圧より若干低めにすることで残紙がパルパ4内に進入し易くなるので、図示しない排気ファンによパルパ4内の空気をパルパ4外に送出して、パルパ4内を排気することによりパルパ4内を減圧するようになっている。
【0032】
このような減圧のための排気の構造については既に多数の実用例があり、製紙業界では広く知られているので説明を省略する。なお、このパルパ4内の減圧処理をしなくてもパルパ4内への残紙の進入が支障なく行なわれる場合は、こうした減圧処理を省略することができる。
また、損紙パルパ4内には従来例と同様に水シャワ18が装備されており、水シャワ18から高速で噴出するシャワ水が紙に衝突しその力によりリールスプール9から残紙を引き出すとともに、この紙を損紙パルパ4内で攪拌されている水流に導くようになっている。
【0033】
ここで、本残紙除去装置8について、図2〜図5を参照して詳述する。なお、図2〜図5では本装置の構成が分かる程度に構造を簡略化して示している。
残紙除去装置8は、図2,図3に示すように、スプール返還レール7上に設けられ残紙除去処理を行なう残紙ロール10を支持する残紙ロール支持部72と、この残紙ロール支持部72に支持された残紙ロール10を回転させて残紙30を除去するための残紙ロール駆動装置24と、残紙ロール10から除去された残紙30を残紙パルパ4に案内するカーテン20,21と、これらのカーテン20,21と協働して、残紙30が残紙ロール10から残紙パルパ4へ移動するための空間(残紙移送経路)80を外部と区画するための前面パネル25及び後面パネル26とをそなえている。
【0034】
残紙ロール駆動装置24は、スプール返還レール7上に支持された残紙ロール10としてのリールスプール9のカップリング部9cに押し付け可能なゴムタイヤ39と、このゴムタイヤ39を減速機36を介して回動するモータ(ここでは、インバータモータ)37と、ゴムタイヤ39及びモータ37を移動させる移動装置としてのエアシリンダ40とをそなえている。
【0035】
つまり、抄紙室の床面(親巻き搬送装置70の設置面)2FL上には、親巻き搬送装置70の親巻き搬送レール6の側方の親巻き17の移動を妨げない位置に、支持スタンド40Aが立設されており、この支持スタンド40Aの上部には、ブラケット40Bを介して、ゴムタイヤ39及びモータ37と、エアシリンダ40の基端とが、枢着ピン40C,40Dによって枢支されている。
【0036】
ゴムタイヤ39及びモータ37は、枢着ピン40Cでブラケット40Bに枢着された揺動可能の支持台40E上に設置されており、この支持台40Eの揺動端にはエアシリンダ40の先端が枢着されている。そして、エアシリンダ40が収縮したときには、図2に示すようにゴムタイヤ39がカップリング部9cから離隔して、エアシリンダ40が伸長したときには、図5に示すようにゴムタイヤ39がカップリング部9cに押し付けられるようになっている。
【0037】
特に、図2に示すようにゴムタイヤ39がカップリング部9cから離隔させるのは、残紙ロール10を残紙ロール支持部72に転入させる際に、ゴムタイヤ39が残紙ロール10側のカップリング部9cと干渉しないようにするためであり、ゴムタイヤ39は、残紙ロール10の転入に先立って、線で示し図3中には実線で示す残紙ロール駆動装置24は、残紙ロール10の転入に先立って図2に示すようにカップリング部9cから離隔されるようになっている。
【0038】
ところで、カーテン20,21及び前,後面パネル25,26は空気を透過しない(風を通過させない)布やフィルムによって形成されている。
そして、カーテン20はリール1側に、カーテン21はアンワインダ2側に、それぞれ配置されており、各カーテン20,21は、上端をカーテンロール22に、下端をカーテンリーダ23にそれぞれ固定されている。
【0039】
なお、カーテンリーダ23は、カーテン20,21の全幅よりも長い金属製のパイプ状のものであり、布またはフィルムで構成されたカーテン20,21の下端に取り付けられる。このカーテンリーダ23によりカーテン20,21には適当な重量と剛性とが与えられ、カーテン20,21を必要な位置に導くことを可能にしている。
【0040】
そして、前面パネル25及び後面パネル26は、スプール返還レール7に固定されているが、最大径の親巻き17の移動を妨げない位置に配置されている。
さらに、前面パネル25,後面パネル26によりガイドされ傾斜したパネルの縁に沿って昇降できる構造のカーテンガイド27が設けられ、このカーテンガイド27を昇降させるためにロッドレスエアシリンダ28が前面パネル25,後面パネル26の上部内面に水平に取り付けられている。なお、ロッドレスエアシリンダ28の出力は、ワイヤロープ31を介してカーテンガイド27の両端部に伝えられるようになっている。
【0041】
また、抄紙室の床面(親巻き搬送装置70の設置面)2FL上には、アンワインダ側カーテン21下端のカーテンリーダ23の左右端をそれぞれ係止しうるように、一対のカーテン揺れ止め29が、親巻き17の移動を妨げない位置に配置されている。
ところで、図2及び図3は残紙ロール10が残紙除去可能な位置(残紙ロール支持部)72に転入した直後(即ち、残紙除去処理前)の状態を示しているが、残紙ロール10がこの残紙除去可能位置70に転入する際には、図2中の仮想線L2とL3とで上下を仕切られた空間を開けておく必要がある。そこで、カーテン20,21を仮想線L3の上方へ収納できるように、カーテンロール22は仮想線L3の上方に配置され支持部材32を介してスプール返還レール7に支持されている。
【0042】
また、このカーテンロール22は、図3,図4に示すように、ブレーキ付きギヤードモータ38により回動されるようになっており、ブレーキ付きギヤードモータ38によりカーテンロール22を所要方向へ回転させることで、カーテン20,21やカーテンリーダ23をL3の上方に巻き上げらることができるようになっている。
【0043】
逆に、ブレーキ付きギヤードモータ38によりカーテンロール22を逆回転させることで、カーテンリーダ23とともにカーテン20,21をL3の下方へ繰り出すことができるようになっている。なお、カーテン20,21及びカーテンリーダ23の昇降時には、カーテンリーダ23の両端部が、前面パネル25及び後面パネル26の両縁部に設けられたアングル41に案内されて、NO.2親巻きスタンド15,NO.3親巻きスタンド16にそれぞれ支持された親巻き17,17と干渉することなく、これらの親巻き17,17の相互の隙間内を移動するようになっている。
【0044】
なお、アングル41は、前面パネル25及び後面パネル26の各アンワインダ2側縁部と各リール1側縁部とにそれぞれ設けられるが、前面パネル25及び後面パネル26と同様に、NO.2親巻きスタンド15,NO.3親巻きスタンド16にそれぞれ支持された親巻き17,17と干渉することのないように配置されている。
【0045】
また、リール側カーテン20の先端部に固定されたカーテンリーダ23については、アングル41に沿って下降して図5に示すようなアングル41の下端位置で係止されるように、図示しない係止機構がアングル41の下端部に装備されている。
カーテンガイド27も、その両端部を前面パネル15,後面パネル16のそれぞれに取り付けられたロッドレスエアシリンダ28にワイヤロープ31を介して接続されており、カーテンガイド27が、ロッドレスエアシリンダ28の作動に応じてワイヤロープ31を介して昇降駆動されるようになっている。このカーテンガイド27は、通常時は、図2中のレベルL1よりも上の、親巻き17の移動を妨げない位置に巻き上げられている。
【0046】
一方、図4及び図5は残紙除去中の各部の状態を示しており、アンワインダ側カーテン21の先端部に固定されたカーテンリーダ23は、図5に示すように、カーテン揺れ止め29にガイドされた状態で床面2FLの近くに位置するよう下降されて止まるようになっている。
このようにアンワインダ側カーテン21のカーテンリーダ23を床面2FLの近くまで下降させるために、アンワインダ側カーテン21の下降動作に先立って、カーテンガイド27がロッドレスエアシリンダ28によってワイヤロープ31を介して図5に示す位置まで下降されるようになっている。
【0047】
カーテンガイド27は、カーテン20,21の全幅より長い物干し竿状のものであり、このカーテンガイド27を前面パネル25,後面パネル26の下端部間に水平に配置させることで、アンワインダ側カーテン21がカーテンガイド27部を通過した後に垂直下降することが可能になる。
図5に示す状態では、残紙30が下降する空間の最初の約半分の区間がリール側カーテン20,アンワインダ側カーテン21,及び前面パネル25,後面パネル26で四方を囲んだ空間(残紙移送経路)80となり、抄紙室に流れている風もこの中には殆ど進入することができないようになっている。
【0048】
また、アンワインダ側カーテン21が床面2FLの近く迄下降しその下端のカーテンリーダ23はカーテン揺れ止め29の溝に嵌まり込むので、カーテン21その物が風で揺れることもなく、また、カーテン21は風を通過させない布やフィルムでできていているので、床面2FL近くをアンワインダ2からリール1方向に流れる風を遮断することができる。
【0049】
このようにして残紙ロール10から繰り出された残紙30が床面2FL下の損紙パルパ4に移動する経路(残紙移送経路)80の空気の動きを最小限にすることは、軽くて、煽られやすい紙を開口寸法の狭い損紙パルパ4に導く上では非常に重要である。
そして、リール側カーテン20とアンワインダ側カーテン21とが、図5に示す位置まで下降した後に、残紙ロール10のリールースプールカプリング部9cにエアシリンダ40によりゴムタイヤ39が押し付けられ、押し付けられたゴムタイヤ39が減速機36を介してインバータモータ37により回転駆動され、この押し付けられたゴムタイヤ39の回転により、残紙ロール10が所定方向(図5の場合反時計方向)に回転し、これにより残紙30が残紙ロール10から除去されて損紙パルパ4内に進入して溶解されるようになっている。
【0050】
本発明の一実施形態としての残紙除去装置は、上述のように構成されているので、以下のようにして、残紙の処理が行なわれる。
つまり、まず、カーテン20,21やカーテンリーダ23は残紙ロール10の残紙ロール支持部72への転入に先立って、図3に示すように、ブレーキ付きギヤードモータ38によりカーテンロール22を回転させてレベルL3の上方に巻き上げておく。これとともに、残紙ロール駆動装置24では、残紙ロール10の転入に先立って、ゴムタイヤ39を図2中のL2の下のリールースプールカプリング部9cと干渉しない位置まで移動するようにエアシリンダ40を作動させる。また、カーテンガイド27も前,後面パネル25,26に取り付けられた各ロッドレスエアシリンダ28によってワイヤロープ31を介して、通常、図2中L1よりも上の親巻き17の移動を妨げない位置に巻き上げられる。
【0051】
残紙ロール10の残紙ロール支持部72への転入が終わったら、図3〜図5に示すように、残紙ロール駆動装置24のゴムタイヤ39を、レベルL2の上方のリールースプールカプリング部9cに押圧するようにエアシリンダ40を作動させる。
また、リール側カーテン20のカーテンリーダ23を、前,後面パネル25、26に固定されたアングル41に沿って下降させて、図5に示すような位置で止める。これにより、カーテンリーダ23とともにリール側カーテン20が、下降する。リール側のアングル41に沿って張設される。
【0052】
一方、アンワインダ側カーテン21のカーテンリーダ23は、図5に示すように、カーテン揺れ止め29にガイドされた状態で床面2FLの近くに位置するよう下降されて止まり、カーテン21も張設される。
なお、このように、アンワインダ側カーテン21のカーテンリーダ23を床面2FLの近くまで下降させるために、アンワインダ側カーテン21の下降動作に先立って、カーテンガイド27をロッドレスエアシリンダ28によってワイヤロープ31を介して図5に示す位置まで下降させる。
【0053】
なお、カーテンガイド27は、カーテン21の全幅よりも長い物干し竿状のものであるので、このカーテンガイド27を前,後面パネル25,26の下端部間に水平に配置することで、アンワインダ側カーテン21がカーテンガイド27部を通過した後、垂直下降することが可能になる。
各部がこのように作動すると、図5に示す状態となる。
【0054】
図5に示す状態では、残紙30が下降する空間の最初の約半分の区間(上半分の区間)がリール側カーテン20,アンワインダ側カーテン21,及び前,後面パネル25,26で四方を囲まれた空間となり、カーテン20,21及び前,後面パネル25,26は空気を透過しない(風を遮ることのできる)材料で形成されているので、抄紙室内にアンワインダ2側からリール1側へ向かって流れている風もこの中には殆ど進入できない。
【0055】
また、アンワインダ側カーテン21については、床面2FLの近くまで下降しその下端のカーテンリーダ23はカーテン揺れ止め29の溝にはまり込んでいるので、カーテン21そのものが風で揺れることもなく、また、カーテン21は風を通過させない布やフィルムでできているので、2FL面近くをアンワインダからリール方向に流れる風を遮断することができる。
【0056】
このようにして、残紙移送経路80の空気の動きを最小限にすることができるため、残紙ロール10から繰り出された軽くて、煽られやすい残紙30も、開口寸法の狭い損紙パルパ4内に確実に導くことができるようになる。
そして、リール側カーテン20とアンワインダ側カーテン21とが、図5に示す位置まで下降した後、残紙ロール10のリールースプールカプリング部9cにエアシリンダ40により押し付けられたゴムタイヤ39を、し減速機36を介してインバータモータ37により回転させる。この押し付けられたゴムタイヤ39の回転により、残紙ロール10が所定方向(図5の場合反時計方向)に回転して、残紙ロール10から残紙30が除去されて、この残紙30が損紙パルパ4内に進入して溶解される。
【0057】
この残紙ロール10の回転駆動時には、残紙ロール10から繰り出した残紙30の先端がカーテン21に沿って下降し、損紙パルパ4内に進入して、パルパ4入口付近に配置された水シャワ18のある部分を通過して渦巻いている水流に呑み込まれるまでの間は、残紙繰り出し速度を毎秒1m程度の低速とされる。
そして、全幅の残紙30がパルパ4内で渦巻いている水流に呑み込まれた後はパルパ4の溶解能力の許容限度内のできるだけ高速で残紙30を繰り込み、短時間に残紙除去動作を終わらせるために、所定(通常毎秒10m程度)の一定した速度で残紙ロール10の回転するようになっている。
【0058】
ただし、全幅の残紙30がパルパ4内で渦巻いている水流に呑み込まれた後は所定速度(通常毎秒10m程度)で残紙ロール10の回転させようとしても、この時には、パルパ4内で渦巻いている水流とパルパ4入口付近に配置された水シャワ18から残紙30に作用する引っ張り力が残紙30の繰り込み適正速度を上回るように作用するため、逆に、残紙ロール10を制動しなくてはならない。
【0059】
本装置では、インバータモータ37を用いて残紙ロール10の回転を制御しているため、このような回転速度の制御も容易に行なうことができる。
このようにして、連続的に残紙30を損紙パルパ4内に繰り込んでいくことにより、やがて残紙ロール10のリールスプール9に付着していた紙は完全に無くなり、残紙除去が完了する。
【0060】
なお、リールスプール9の表面は通常黒色のゴムがカバーされているので、残紙ロール10の表面を例えば反射式光電スイッチで監視させれば、紙の白い色からゴムの黒い色に変わること、即ち残紙30が完全に除去されたことを知ることができるので、このような手法を用いれば、全ての装置の状態を自動的に図2に示す位置に戻してリールスプール9をリール側に送り出すことも可能となる。
【0061】
このように、本残紙除去装置によれば、リール側カーテン20,アンワインダ側カーテン21及び前,後面パネル25,26で四方を囲んだ空間を、残紙30が損紙パルパ4に進入する残紙移送経路80として形成しているので、抄紙室に流れている風に煽られることなく、残紙30を、床面2FLに開口部を有する損紙パルパ4内に確実に導くことができる。
【0062】
特に、アンワインダ側カーテンを床面2FL付近まで下降させることで床面2FL付近をリール1からアンワインダ2方向に通り抜ける風の流れを止めることができるので、損紙パルパ4の開口幅を例えば約300mm程度まで縮小することができる。これにより、パルパ4内に誤って人が転落するような事態も回避され、安全性の向上にも非常に大きな効果を発揮する。
【0063】
また、残紙移送経路8の四方を包囲する形態は、種々、変更しうる。
例えば、必要に応じてリールカーテン20を床面2FLまで降ろしてもよく、両カーテン20,21を床面2FLまで降ろせばより大きな効果が得られる。
さらに、本装置では、カーテンガイド27を先ず下降させることにより、アンワインダ側カーテン21を床面2FLまで降ろすことができるように工夫しており、残紙30への風の影響をより低減させることができる。
【0064】
つまり、図2,図3に示すように、よりカーテン21を斜め下方にガイドする前,後面パネル25,26は親巻き17の移動を可能にする範囲にしか配置できない。したがって、前,後面パネル25,26を配置するだけではカーテン20,21を図5に示すような屈折した経路で床面2FLまで降ろすことはできず、カーテン21をカーテンロール22の垂直下方に降ろすことしかできず、この場合には、カーテン21が親巻きスタンド16の親巻き17と干渉しないように、残紙除去装置8の下方に配置される親巻きスタンドの配置間隔を拡大しなくてはならず、この設備設置スペースの拡大は抄紙室や親巻搬送装置の建設コストの増大化を招く。
【0065】
これに対して、本装置では、カーテンガイド27によって、前,後面パネル25,26よりも下方のカーテン21の位置を案内するので、親巻きスタンドの配置間隔を拡大することなく、カーテン21を床面2FL付近まで降下させることができ、親巻きスタンドの配置間隔を拡大する必要がなく、抄紙室や親巻搬送装置の建設コストの低減に寄与する。
【0066】
また、カーテン21をカーテンロール22の垂直下方に降ろして損紙パルパ4の開口部付近の風の流れを規制しなければ、その部分を通過する損紙30の動きが大きくなり、損紙30の進入口となるパルパ開口寸法は大きくせざるを得ないが、カーテンガイド27を用いながらカーテン21をカーテンロール22の垂直下方に降ろすことができるので、この点からも上述のようにパルパ開口寸法を小さくすることができるのである。
【0067】
また、図5に示すように、残紙ロール10から損紙パルパ4に至る紙の経路80を屈折したカーテン21,20に沿わせることは、紙の動きの安定化にも大きく役立つ。
さらに、残紙ロール10を回転させるためにインバータモータ37により駆動するゴムタイヤ39を残紙ロール10としてのリールスプール9端部のカップリング部9Cの外周面に押し付けて残紙ロール10を回転駆動しており、エアシリンダ40によって、ゴムタイヤ39のカップリング部9Cへの押し付けやカップリング部9Cから分離を行なえるため、残紙ロール10が残紙除去装置8内の残紙ロール支持部72に転入したり転出したりする際にゴムタイヤ39が邪魔にならないので、スプール返還レール7上の残紙除去装置8に残紙ロール10を支持することができる。
【0068】
また、本実施形態では、回生制動機能を備えたインバータモータ37を用いて残紙ロール10を回転させるために、回生制動を含めて残紙ロール10の回転制御を容易に且つ確実に行なうことができる。
つまり、残紙ロール10から繰り出した残紙30の先端がカーテン21に沿って下降し、損紙パルパ4内に進入して、パルパ4入口付近に配置された水シャワ18のある部分を通過して渦巻いている水流に呑み込まれるまでの間、残紙繰り出し速度は毎秒1m程度の低速でなければ安定して残紙を損紙パルパに導くことはできない。
【0069】
そして、全幅の残紙30がパルパ4内で渦巻いている水流に呑み込まれた後はパルパ4の溶解能力の許容限度内のできるだけ高速で残紙30を繰り込み、短時間に残紙除去動作を終わらせることが望ましい。通常毎秒10m程度の一定した速度が求められるが、この速度までモータ37で残紙ロール10加速した後はパルパ4内で渦巻いている水流とパルパ4入口付近に配置された水シャワ18から残紙30に作用する引っ張り力が残紙30の繰り込み適正速度を上回るように作用する。
【0070】
このようにして損紙パルパ4の溶解能力を上回る量の残紙30がパルパ4内に進入すると、渦巻いている水流の表面が覆われその結果渦巻いている水流による溶解能力が急激に低下し、残紙ロール10から繰り出される紙が損紙パルパ4内に進入できないというトラブルを発生する。
したがって、一定した適正な残紙繰り出し速度を維持するために、残紙ロール駆動用のモータは、運転開始後短時間に駆動トルクを残紙ロール10に与え、その後は制動トルクを残紙ロール10に与えなければならない。
【0071】
本発明の残紙除去装置では、上述したように、残紙ロール駆動モータとして、速度の変更および負荷変動に応じ駆動と制動トルクが自動的に制動されて必要とする一定速度を得ることのできるインバータモータが適用されているので、残紙ロール10の回転速度を確実に制御することができ従来装置でオペレータに求められた損紙繰り込み速度の調整作業は不要となるのである。
【0072】
即ち、オペレータが残紙除去開始の指令を出した後、全ての動作が自動的に進行することのできる残紙除去装置が実現するのである。
なお、本残紙除去装置は、上述の実施形態に限定されるものでなく、種々変形して適用しうるものである。
例えば、回生制動機能を備えたインバータモータを使用することで、制動作用により発生する電力を回収することができる利点もある。
【0073】
勿論、回生駆動以外の手段により一定した適正な残紙繰り出し速度を維持するようにしても装置としての基本機能は発揮できる。
また、インバータモータの代わりに直流電動機を適用しても上述したような残紙ロール駆動装置が求める機能を満足することはできる。
【0074】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明の残紙除去装置によれば、リールスプール返還レールに設けられた残紙ロール支持部に残紙ロールを支持させて、この残紙ロールから除去された残紙を、残紙ロール支持部と損紙処理パルパとの間に設けられた残紙移送経路を通じて、リールスプール返還レールの下方にある親巻き搬送装置上の複数の親巻きの相互間から損紙処理パルパ内に進入させることができ、除去した残紙を確実に損紙パルパへ運ぶことができるようになる利点がある。
【0075】
さらに、請求項記載の本発明の残紙除去装置によれば、該残紙移送経路の四方が、空気の透過しない一対のカーテンと空気の透過しない一対のパネルとによって包囲されるので、残紙移送経路とこの残紙移送経路の外部とが確実に仕切られて、残紙移送経路の外部に風が吹いていてもこの風が残紙移送経路内に吹き込むことはなく、除去した残紙の損紙パルパへの移動が風に影響されるとなく支障なく行なわれる。
【0076】
また、一対のカーテンは、該リールスプール返還レール及び該親巻き搬送装置を上下に横切るように昇降可能であるため、リールスプール返還レールで残紙ロールが移動する時や親巻き搬送装置で親巻きが移動する際には、一対のカーテンを残紙ロールや親巻きの移動経路上から除去することができ、残紙ロールや親巻きの移動を妨げることなく、残紙移送経路内への風の吹き込みを防止することができる。
【0077】
請求項記載の本発明の残紙除去装置によれば、カーテン昇降装置によって、上記の一対のカーテンの下端を親巻き搬送装置の設置されている設置面近傍まで下降可能なため、該設置面のすぐ上を吹く風の残紙移送経路内への吹き込みも確実に防止することができ、除去した残紙の損紙パルパへの移動を、より風に影響されることなく行なうことができる。
【0078】
請求項記載の本発明の残紙除去装置によれば、残紙ロール駆動装置によって残紙ロールが回転駆動されるので、残紙ロールから残紙を確実に除去して、この残紙を残紙ロールから損紙処理パルパ内に進入させることができるようになり、残紙除去の省力が大幅に促進される。
請求項記載の本発明の残紙除去装置によれば、該残紙ロール駆動装置では、ゴムタイヤを残紙ロールのスプール端部に押し付けてモータより回転駆動することで、残紙ロールが回転駆動されるため、残紙ロールから残紙を確実に除去することができる。
【0079】
請求項記載の本発明の残紙除去装置によれば、移動装置によりゴムタイヤを残紙ロールのスプール端部から離隔した状態にできるので、残紙ロールのリールスプール返還レールへの転入,転出時にゴムタイヤが妨げとならず、残紙ロールのリールスプール返還レールへの転入,転出を円滑に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての残紙除去装置を装備した抄紙室の構成を示す抄紙室及び損紙パルパの側断面図である。
【図2】本発明の一実施形態としての残紙除去装置の構成を示す正面図(抄紙室及び損紙パルパの側断面図に対応する図)である。
【図3】本発明の一実施形態としての残紙除去装置を示す側面図(図2のB方向矢視図)である。
【図4】本発明の一実施形態としての残紙除去装置による残紙除去状態を示す側面図(図2のB方向矢視図)であり、図3と対応している。
【図5】本発明の一実施形態としての残紙除去装置による残紙除去状態を示す正面図である。
【図6】従来の抄紙室の構成を示す抄紙室及び損紙パルパの側断面図である。
【図7】従来の人手による残紙除去作業を説明する抄紙室及び損紙パルパの要部側断面図である。
【図8】従来の人手を軽減した残紙除去作業を説明する図であり、(A)は抄紙室及び損紙パルパの要部側断面図、(B)は(A)のA部拡大図である。
【図9】従来の抄紙室の課題を説明する抄紙室及び損紙パルパの側断面図である。
【符号の説明】
1 リール
2 アンワインダ
3 バーチカルスプールアンローダ
4 損紙パルパ
5 リールレール
6 親巻き搬送レール
7 スプール返還レール
8 残紙除去装置
9 リールスプール
10 残紙ロール
11 ストレージレール
12 受け渡しアーム
13 受け取りアーム
14 NO.1親巻きスタンド
15 NO.2親巻きスタンド
16 NO.3親巻きスタンド
17 親巻き
18 水シャワ
20 リール側カーテン
21 アンワインダ側カーテン
22 カーテンロール
23 カーテンリーダ
24 残紙ロール駆動装置
25 前面パネル
26 後面パネル
27 カーテンガイド
28 ロッドレスエアシリンダ
29 カーテン揺れ止め
30 残紙
31 ワイヤロープ
36 減速機
37 インバータモータ
38 ブレーキ付きギヤードモータ
39 ゴムタイヤ
40 移動装置としてのエアシリンダ
41 アングル
50 抄紙機
60 ワインダ
70 親巻き搬送装置
72 残紙ロール支持部
80 残紙移送経路
2FL 床面(親巻き搬送装置70の設置面)

Claims (5)

  1. 抄紙機に設けられ親巻きを形成するリールと、
    該抄紙機の下流側のワインダに設けられ親巻き搬送装置を介して該リールから該親巻きを受け取り該親巻きの巻き戻しを行なうアンワインダと、
    該アンワインダに近接して設置されたバーチカルスプールアンローダと、
    該リール上部に設置されたリールスプールストレージレールと、
    該親巻き搬送装置の上方に配置され、該バーチカルスプールアンローダから該リールスプールストレージレールへ残紙ロールを返還するリールスプール返還レールと、
    該親巻き搬送装置の下部に配置された損紙処理パルパとをそなえた製紙ラインに装備されて、
    該リールスプール返還レールに、該残紙ロールを支持する残紙ロール支持部が設けられるとともに、
    該残紙ロール支持部と該損紙処理パルパとの間に、該残紙ロールから除去された残紙を該リールスプール返還レールの下方にある該親巻き搬送装置上の複数の親巻きの相互間から該損紙処理パルパ内に進入させる、残紙移送経路が設けられ
    該残紙移送経路の四方が、該リールスプール返還レール及び該親巻き搬送装置を上下に横切るように昇降可能で且つ空気の透過しない一対のカーテンと、該リールスプール返還レールの下部に固定され該カーテンの相互間に配置され且つ空気の透過しない一対のパネルとによって、包囲されていることを特徴とする、残紙除去装置。
  2. 上記の一対のカーテンの下端を、該親巻き搬送装置の設置されている設置面近傍まで下降可能なカーテン昇降装置をそなえていることを特徴とする、請求項1記載の残紙除去装置。
  3. 該リールスプール返還レールに支持された該残紙ロールから該損紙処理パルパ内に該残紙を進入させるために該残紙ロールを回転駆動する残紙ロール駆動装置をそなえていることを特徴とする、請求項1又は2記載の残紙除去装置。
  4. 該残紙ロール駆動装置が、該残紙ロールのスプール端部に押し付けられるゴムタイヤと、該ゴムタイヤを回転駆動するモータとから構成されていることを特徴とする、請求項記載の残紙除去装置。
  5. 該残紙ロール駆動装置に、該ゴムタイヤを該残紙ロールのスプール端部に押し付けた状態と該スプール端部から離隔した状態とに移動させる移動装置が設けられていることを特徴とする、請求項3又は4記載の残紙除去装置。
JP14962798A 1998-05-29 1998-05-29 残紙除去装置 Expired - Fee Related JP3652882B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14962798A JP3652882B2 (ja) 1998-05-29 1998-05-29 残紙除去装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14962798A JP3652882B2 (ja) 1998-05-29 1998-05-29 残紙除去装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11334950A JPH11334950A (ja) 1999-12-07
JP3652882B2 true JP3652882B2 (ja) 2005-05-25

Family

ID=15479366

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14962798A Expired - Fee Related JP3652882B2 (ja) 1998-05-29 1998-05-29 残紙除去装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3652882B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FI122724B (fi) * 2009-12-01 2012-06-15 Metso Paper Inc Järjestely ja menetelmä kiinnirullaimella
EP2474666A1 (en) 2011-06-21 2012-07-11 Metso Paper Inc. Arrangement for a fiber web production line
CN106938793B (zh) * 2016-01-04 2024-03-19 佛山市宝索机械制造有限公司 高效的纸卷分配装置
IT201700038963A1 (it) * 2017-04-10 2018-10-10 Futura Spa Attrezzatura per rimuovere la carta residua dalle bobine madri utilizzate per la produzione di logs di materiale cartaceo.

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11334950A (ja) 1999-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100878464B1 (ko) 고온의 금속으로 이루어진 열연 예비 스트립의 권취 및권출 장치
WO1999024187A1 (fr) Equipement de reception de matieres laminees a chaud et procede de reception
JP3652882B2 (ja) 残紙除去装置
JPH10175778A (ja) 綾巻パッケージを製造する繊維機械
US3189293A (en) Radial flying splice mechanism
WO2009092861A1 (en) Method for handling empty winding shafts delivered to a fibrous web winder
US3389592A (en) Rolling mill for processing cold metal strip
ITMI951885A1 (it) Macchina tessile per la produzione di bobine incrociate
US3062470A (en) Apparatus for coiling metal strip
FI119630B (fi) Kuiturainan valmistuslinja ja pituusleikkurijärjestely
JP2760194B2 (ja) 線状体のスクリーニング方法及び装置
JP3546147B2 (ja) 紙継ぎ準備装置
KR100333195B1 (ko) 세폭 필름의 고속 와인딩방법
EP2511209B1 (en) Arrangement for handling machine rolls and reeling shafts in connection with production of fiber webs
JP4053177B2 (ja) 帯状部材の切替巻出し装置
JP3943915B2 (ja) ウエブの巻き取り巻き戻し装置及びこれを備えた製紙設備
KR100761719B1 (ko) 스트립의 톱부 인출구간 스크렛치 방지장치
EP4005956B1 (en) Unwinding section and a method for removing slab fiber web from a reeling shaft
FI122724B (fi) Järjestely ja menetelmä kiinnirullaimella
JP2846170B2 (ja) 帯材搬送装置
JP2002293456A (ja) 巻取装置
JPH042505B2 (ja)
JP3524797B2 (ja) 親巻搬送及びリールスプール返還装置
JP3813895B2 (ja) 抄紙設備
EP1770211B1 (en) A device for leading and drawing a tail-end of paper

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040127

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040329

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050224

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080304

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090304

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090304

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100304

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110304

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees