JP3652326B2 - Oil resistant paper - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油の紙層方向への浸透を抑制する機能を有する耐油紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
油の浸透を抑制する機能を有する耐油紙は、フライドポテトなどの揚げ物食品やバターなどの油脂食品やその他クッキー、ペットフードなどの油を含む食品の包装用また容器用として、保護用のオイルが付着している金属機械部品の包装用として、油瓶のラベル用として、化粧品の包装用としてなど、広く用いられている。かかる耐油紙は、現在、高い耐油性および耐水性を有し、臭気が少なく、印刷適正に優れるといった利点を有することから、有機フッ素樹脂を内添した有機フッ素樹脂内添紙あるいは有機フッ素樹脂を含む塗工液を塗工した有機フッ素樹脂塗工紙など有機性フッ素樹脂によって基紙に耐油性を付与したものが主流となっている。なかでも有機フッ素樹脂内添紙は、紙表面だけなく紙内部における耐油性も保持されているため折り曲げ部の耐油性に優れ、包装用途あるいは容器用途など耐油紙を折り曲げて使用する必要がある用途に好適とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、有機フッ素樹脂が体内で分解されずに蓄積されることが確認されたため、有機性フッ素樹脂の食品等包装関連用途への使用が危険視されるようになってきている。さらに、有機フッ素樹脂が高温条件下で有害ガスを発生することも確認され高温で使用される用途にも不適であることがわかった。
【0004】
耐油紙は上述のとおり食品の包装用途として使用されることが多く、また、食品の加温とともに電子レンジ等で加温されるなど高温下で使用されることもあることから、有機フッ素樹脂が有する問題点による影響が非常に大きい。このため耐油紙に有機フッ素樹脂を使用することをやめざるを得ない状況となっている。
【0005】
このような状況のなか、有機フッ素樹脂と同様の耐油性を有する耐油紙の開発が急がれており、脂肪酸エステル系の物質を添加して耐油性を付与する耐油紙など有機フッ素樹脂を使用しない耐油紙の報告もされている。しかし、どれも印刷適正や折り曲げ部の耐油度が悪いなど、有機フッ素樹脂を使用した耐油紙の代替品として十分なものはない。
【0006】
そこで、本発明の主たる課題は、有機性フッ素樹脂と同様の耐油性を有し、しかも、有機フッ素樹脂の有する欠点のない耐油紙を提案することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した請求項1記載の発明は、
ガラス転移点が−25〜30℃の範囲にあるアクリル系、スチレン−アクリル系もしくはスチレン−ブタジエン系の合成樹脂エマルジョンまたはこれらの合成樹脂エマルジョンの混合物100部に対して、オレフィンとマレイン酸との共重合体またはオレフィンとマレイン酸との共重合体とアルケニル無水コハク酸との混合物を3〜35部混合せしめた塗工液を、基紙の表裏面の少なくとも一方の面に2.0〜10g/m2塗工してなることを特徴とする耐油紙である。
【0008】
ここで、請求項1記載の発明における前記合成樹脂エマルジョンおよびこれらの合成樹脂エマルジョンの混合物100部とは、アクリル系合成樹脂エマルジョン100部、スチレン−アクリル系合成樹脂エマルジョン100部、スチレン−ブタジエン系合成樹脂エマルジョン100部、アクリル系合成樹脂エマルジョンとスチレン−アクリル系合成樹脂エマルジョンとの混合物100部、アクリル系合成樹脂エマルジョンとスチレン−ブタジエン合成樹脂エマルジョンとの混合物100部、スチレン−アクリル系合成樹脂エマルジョンとスチレン−ブタジエン合成樹脂エマルジョンとの混合物100部、アクリル系合成樹脂エマルジョンとスチレン−アクリル系合成樹脂エマルジョンとスチレン−ブタジエン系合成樹脂エマルジョンとの混合物100部、を意味する。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記塗工液は、アクリル系またはスチレン−アクリル系合成樹脂エマルジョン100部に対して無機顔料を150部以下含むものである請求項1記載の耐油紙である。
【0010】
請求項3記載の発明は、TAPPI UM−557法による塗工面の耐油度が5〜16級である請求項1または2記載の耐油紙である。
【0011】
請求項4記載の発明は、JIS Z 0238に準じてシール温度70℃、0.2MPa/3secの条件で測定した、塗工面同士のヒートシール強度が40g/15mm以上である請求項1〜3の何れか1項に記載の耐油紙である。
【0012】
請求項5記載の発明は、表裏面のJIS P 8119に基づくベック平滑度の差が70〜300秒である請求項1〜4の何れか1項に記載の耐油紙である。
【0013】
【発明の実施の形態】
次いで、本発明の実施の形態を以下に詳述する。
本発明にかかる耐油紙は、基紙に塗工液を塗工してなるものである。
【0014】
前記基紙としては、表裏面に塗工層を形成することが可能である紙であれば特に限定されない。サイズ紙、ノーサイズ紙いずれも使用することができる。具体例としては、ヤンキー紙、クラフト紙、上質紙、板紙、ライナー、新聞紙、グラシン紙、パーチメント紙などが挙げられる。
【0015】
前記塗工液としては、ガラス転移点が−25〜30℃の範囲のアクリル系、スチレン−アクリル系またはスチレン−ブタジエン系の合成樹脂エマルジョン100部に対して、オレフィンとマレイン酸とを共重合させた耐油剤を3〜35部、含有せしめたものを用いる。また、アクリル系・スチレン−アクリル系またはスチレン−ブタジエン系合成樹脂エマルジョン100部に対して、さらに無機顔料を150部以下含有せしめたものを用いることもできる。定かではないが、ガラス転移点が−25〜30℃の範囲のアクリル系・スチレン−アクリル系またはスチレン−ブタジエン系合成樹脂エマルジョンの使用により、塗工層に折り曲げによって破損しない柔軟性とヒートシール性が付与され、さらに当該エマルジョン100部に対してオレフィンとマレイン酸とを共重合させた耐油剤を3〜35部含有せしめることにより塗工層に耐油性が付与されると推測される。さらに、当該エマルジョン100部に対して無機顔料3〜150部を含有せしめることにより塗工層にインク吸収性が付与されると推測される。
【0016】
前記アクリル系またはスチレン−アクリル系合成樹脂エマルジョンの具体例としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル系官能基樹脂、アクリルニトリル、ジメチルアミノエチルメタクリルレート、スチレン、酢酸ビニル、カルボキシメチルセルロース、アクリルニトリル−ブタジエンラバー、スチレン−ブタジエンラバー、塩化ビニリデン等の単体もしくは共重合物または混合物をエマルジョン化したものが挙げられる。
【0017】
前記無機顔料としては、従来既知の無機顔料が問題なく使用できる。具体例としては、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、焼成クレー、無定形シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、珪藻土等が挙げられる。
【0018】
オレフィンとマレイン酸との共重体としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、アミレン等の脂肪酸炭化水素化合物と無水マレイン酸を共重合させた化合物が挙げられる。また、これらの化合物に対してアルケニル無水コハク酸分散液(ASA)を混合させることにより耐水耐油性をさらに向上させることができる。ここで、前記オレフィンとマレイン酸との共重合体は、オレフィンとマレイン酸との共重合体を主成分とする市販の耐油剤を用いることができる。従って、前記エマルジョンに対して当該耐油剤を混合せしめて塗工液を調整することができる。
【0019】
前記塗工液には紙層への塗工液の浸透を向上させる従来既知の浸透剤が含有されていてもよい。紙層への塗工液の含浸量が多くなると、折り曲げ部の耐油性が高まる。ここでいう浸透剤は塗工液の表面張力を下げて、塗工液の紙層中への浸透を促す効果を有するものをいい、一般的に浸透剤と呼ばれるものの他、界面活性剤、濡れ性向上剤、レベリング剤、有機溶剤なども含む意味である。具体例としては、アセチレンジオール、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレン、アルキルエーテル、IPAなどが挙げられる。
【0020】
塗工液には、サイズ剤、耐ブロッキング剤など従来既知の添加剤が含有されていてもよい。
【0021】
一方、上記塗工液の基紙への塗工は従来既知の塗工機を用いて行うことができる。塗工機の種類は特に限定されるものではないが、塗工液が基紙に浸透していると油脂などが基紙へ浸透しづらくなり耐油性が高まるので、かかる観点から塗工液を基紙中に押し込む力が大きい塗工機のほうが好適である。このような塗工機としては、ブレードコーター、ロールコーター、サイズプレスコーター、ディプコーターが挙げられる。エアナイフコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ロッドコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーターなどを用いて塗工することもできる。
【0022】
塗工液は、基紙の片面のみに塗工してもよいし両面に塗工してもよい。塗工量に関しては、少なくとも一方の面に2.0〜10g/m2塗工する。好適には、3.0〜9g/m2塗工する。2.0g/m2未満であると包装用途など折り曲げて使用する場合に塗工層が破損して折り曲げ部の耐油性の保持が困難となる。反対に10g/m2を超えて塗工しても耐油性はほとんど向上しないのでコスト高となるだけである。
【0023】
一方、従来の有機フッ素樹脂を用いた一般的な耐油紙は、TAPPI UM−557法による塗工面の耐油度が5以上であることから、本発明にかかる耐油度についても当該範囲内であるのが望ましい。5未満であると一般的な耐油紙としての使用には不適である。
【0024】
他方、本発明に係る耐油紙は、JIS Z 0238に準じてシール温度70℃、0.2MPa/3secの条件で測定される、塗工面同士のヒートシール強度が40g/15mm以上であるのが望ましい。本発明に係る耐油紙は、塗工紙タイプのものであるので、塗工層同士の接着を可能ならしめることができる。耐油紙にヒートシール性を付与することは、耐油紙の用途を考慮すると非常に大きな利点となる。この場合において、40g/15mm未満であると、袋用途や容器用途として好適なヒートシール性があるとはいえない。このヒートシール性は従来の有機フッ素樹脂等を内添あるいは混抄するタイプの耐油紙では達成され得ない特質である。
【0025】
他方、本発明に係る耐油紙は、表裏面のJIS P 8119に基づくベック平滑度の差が70〜300秒であるのが望ましい。表裏面に平滑度の差を設けると平滑度の低い面が保管環境および製造時の熱・圧力によるブロッキングを押さえるので、ブロッキングによる塗工面の面割れによる効果の低下が防止される。尚、両面塗工を行った場合でも、平滑度が低い粗面では紙表面の毛細管現象により塗工液が紙層内部にまで浸透するので平滑度の差が保持される。従って、このように両面塗工を行う場合でもブロッキングの発生は抑制される。
【0026】
【実施例】
次いで、本発明の実施例を示す。基紙に組成の異なる塗工液を塗工した種々の試料を作成しそれぞれについて耐油紙として必要な要素についての各種試験とヒートシール性についての試験を行った。試験項目およびその方法、評価については次記のとおりである。
【0027】
平面部の耐油度:TAPPI UM−557法(キット法)によって塗工面を測定した。12級以上の測定は最高16級とする改訂法により測定した。現在市販に供されている有機フッ素樹脂を用いた耐油紙の耐油度はほとんどが5級以上であることから一般的な使用において問題とならない耐油度は5級以上である。
【0028】
折り曲げ部の耐油度:塗工面が外面となるようにして紙試料を2つに折り曲げ、その折り曲げ部分上を巾178mm、直径100mm、重さ12.5kgのローラーを1往復転がして完全に折り目を付け、その後、折り目を広げ、折り目部分の耐油度を上記平面部の耐油度と同様にTAPPI UM−557法によって測定した。折り曲げ部についても問題とならない耐油度は5級以上である。
【0029】
吸水度:JIS P 8140(コッブ法)に基づいて、塗工面を23℃の水に120秒間接触させたときの水の吸水量を測定した。一般に、揚げ物やバター等の水分を含む食品等の紙皿や包装袋として問題なく用いることが可能な吸水度は7g/m2未満である。
【0030】
ヒートシール強度:JIS Z 0238に準じてシール温度70℃、0.2MPa/3secの条件で塗工面同士のヒートシール強度を測定した。袋や容器を作成するにあたって問題とならないヒートシール性は40g/15mm以上である。
【0031】
耐ブロッキング性:試料を50枚重ね、20℃、65%RHの環境化で所定加重をかけ放置し、24時間後にブロッキングが発生したか否かを確認した。ブロッキングが発生しなかったものを◎と評価し、ブロッキングの発生は認められるが容易には剥離可能であるものを○とし、ブロッキングの発生が認められ剥離困難であるものを×と評価した。
【0032】
印刷適正:イエロー、マゼンタ、シアンの各単色を印字し、印字直後から5秒毎に印字面に上質紙を貼合せ、インクが上質紙に転写したか否かを観察した。インクが乾燥するまでの時間が15秒未満のものはインク吸収性が優れるとして○と評価し、15秒以上のものはインク吸収性に劣るとして×と評価した。
【0033】
臭気:5名の被験者が実際に各試料の臭いを嗅いで、嫌悪な臭気が感じられるか否かを判断することとした。3名以上の被験者が嫌悪な臭いが認められると判断したものを×と評価し、そうでないものを○と評価した。
【0034】
試験の結果を実施例および比較例の塗工液の詳細な組成とともに、表1〜4に示す。表中本発明にかかる耐油紙に該当する試料を実施例とし、そうではない試料を比較例としている。
【0035】
実施例および比較例において使用した基紙および試薬等は次記のとおりである。基紙は坪量30g/m2の純白ロール紙(商品名;金鯱:大王製紙株式会社製)を使用した。塗工液の塗工量は4.0g/m2とした。無機顔料は、軽質炭酸カルシウム(商品名;TP−221GS:奥多摩工業株式会社)を使用した。オレフィンとマレイン酸共重合体は 、市販の耐油剤(ハマコートAK−400:星光化学工業株式会社)を使用した。また、アルケニル無水コハク酸(ASA)は市販の一般試薬(商品名;AS−291:日本PMC株式会社)を分散し使用した。表中、AEはアクリル酸エステル共重合体(商品名;ボンコートSFA−33[Tg0℃]:大日本インキ株式会社製)、SAEはスチレン−アクリル共重合体(商品名;ボンコート3983W[Tg21℃]:大日本インキ株式会社製)、PVAはポリビニルアルコール(商品名;PVA−105[Tg50℃]クラレ株式会社製)SBRはスチレンブタジエン共重合体(商品名;ニッポールLX−430[Tg12℃]:日本ゼオン株式会社製)をそれぞれ示す。AE/SAEは、AE50部とSAE50部の混合物を示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
<結果>
表1〜表4から見てとれるように、本発明にかかる実施例1〜24は平面部、折り曲げ部のいずれの耐油度が5級以上と従来有機フッ素樹脂を用いた耐油紙と同様の耐油度であり、また、耐油紙に必要とされる一般的なその他の要素についての試験結果も良好である。さらに、ヒートシール性も保持していることが確認できる。対して、本発明にかかる耐油紙とは異なる比較例1〜15は、折り曲げ部の耐油度が4以下であり、また、耐油紙に必要とされる一般的なその他の要素について、耐油紙としては不適とする要素が確認できる。
【0041】
【発明の効果】
以上、詳述のとおり、本発明によれば、従来の有機フッ素樹脂の有する耐油性と同等の耐油性を有し、かつ、有機フッ素樹脂が抱えていた問題点がなく、さらにヒートシール性という特徴をも有する耐油紙が提供される。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an oil-resistant paper having a function of suppressing the penetration of oil in the paper layer direction.
[0002]
[Prior art]
Oil-resistant paper, which has the function of suppressing the penetration of oil, is used to protect fried foods such as french fries, fat and oil foods such as butter, and other foods that contain oils such as cookies and pet food. It is widely used for the packaging of attached metal mechanical parts, for the labeling of oil bottles, and for the packaging of cosmetics. Such oil-resistant paper currently has the advantages of having high oil resistance and water resistance, low odor, and excellent printability. Therefore, an organic fluororesin-added paper or an organic fluororesin internally added with an organic fluororesin is used. An organic fluororesin that imparts oil resistance to a base paper, such as an organic fluororesin-coated paper coated with a coating liquid, has become mainstream. Among them organofluororesin internally added thereto, the oil resistance of the paper inside, not only the paper surface is also excellent in oil resistance to bending portion that is held, it is necessary to use a bending packaging applications or containers Applications soil oil paper Suitable for certain applications.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, in recent years, it has been confirmed that the organic fluororesin accumulates without being decomposed in the body, and therefore, the use of the organic fluororesin for food-related packaging applications such as foods has been regarded as dangerous. Furthermore, it was confirmed that the organic fluororesin generates harmful gas under high temperature conditions, and it was found that the organic fluororesin is unsuitable for use at high temperatures.
[0004]
Oil-resistant paper is often used as a food packaging application as described above, and is sometimes used at high temperatures, such as being heated in a microwave oven together with the heating of food. The influence of the problems that it has is very large. For this reason, the use of organic fluororesins in oil-resistant paper is unavoidable.
[0005]
Under these circumstances, the development of oil-resistant paper with oil resistance similar to that of organic fluororesins is urgently used, and organic fluororesins such as oil-resistant paper that adds oil resistance by adding fatty acid ester substances are used. There are also reports of non-oil resistant paper. However, none of them is sufficient as an alternative to oil-resistant paper using organic fluororesin, such as poor printing and poor oil resistance at the bent part.
[0006]
Accordingly, a main object of the present invention is to propose an oil-resistant paper having the same oil resistance as that of the organic fluororesin and having no defects of the organic fluororesin.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The invention according to claim 1, which has solved the above-mentioned problem,
For 100 parts of an acrylic, styrene-acrylic or styrene-butadiene synthetic resin emulsion having a glass transition point in the range of −25 to 30 ° C. or a mixture of these synthetic resin emulsions, A coating solution in which 3 to 35 parts of a polymer or a copolymer of olefin and maleic acid and a mixture of alkenyl succinic anhydride was mixed was added to at least one surface of the base paper at a rate of 2.0 to 10 g / It is an oil-resistant paper characterized by being coated with m 2 .
[0008]
Here, 100 parts of the synthetic resin emulsion and the mixture of these synthetic resin emulsions in the invention of claim 1 are 100 parts of an acrylic synthetic resin emulsion, 100 parts of a styrene-acrylic synthetic resin emulsion, and a styrene-butadiene synthetic. 100 parts of resin emulsion, 100 parts of a mixture of acrylic synthetic resin emulsion and styrene-acrylic synthetic resin emulsion, 100 parts of a mixture of acrylic synthetic resin emulsion and styrene-butadiene synthetic resin emulsion, styrene-acrylic synthetic resin emulsion, Mixture of 100 parts of styrene-butadiene synthetic resin emulsion, acrylic synthetic resin emulsion, styrene-acrylic synthetic resin emulsion, and styrene-butadiene synthetic resin emulsion 100 parts, means.
[0009]
The invention according to claim 2 is the oil-resistant paper according to claim 1, wherein the coating liquid contains 150 parts or less of an inorganic pigment with respect to 100 parts of an acrylic or styrene-acrylic synthetic resin emulsion.
[0010]
The invention according to claim 3 is the oil-resistant paper according to claim 1 or 2, wherein the oil resistance of the coated surface by the TAPPI UM-557 method is 5 to 16.
[0011]
The invention according to claim 4 is characterized in that the heat seal strength between the coated surfaces is 40 g / 15 mm or more, measured under conditions of a seal temperature of 70 ° C. and 0.2 MPa / 3 sec according to JIS Z 0238. The oil-resistant paper according to any one of the items.
[0012]
The invention according to claim 5 is the oil-resistant paper according to any one of claims 1 to 4, wherein the difference in Beck smoothness based on JIS P 8119 on the front and back surfaces is 70 to 300 seconds.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, embodiments of the present invention will be described in detail below.
The oil resistant paper according to the present invention is obtained by coating a base paper with a coating liquid.
[0014]
The base paper is not particularly limited as long as it can form a coating layer on the front and back surfaces. Both size paper and no-size paper can be used. Specific examples include Yankee paper, kraft paper, high-quality paper, paperboard, liner, newspaper, glassine paper, and parchment paper.
[0015]
As the coating liquid, olefin and maleic acid are copolymerized with 100 parts of an acrylic, styrene-acrylic or styrene-butadiene synthetic resin emulsion having a glass transition point in the range of −25 to 30 ° C. A product containing 3 to 35 parts of an oil resistant agent is used. Further, an inorganic pigment further containing 150 parts or less of an acrylic / styrene-acrylic or styrene-butadiene synthetic resin emulsion may be used. Although it is not certain, the use of an acrylic, styrene-acrylic or styrene-butadiene synthetic resin emulsion with a glass transition point in the range of −25 to 30 ° C. provides flexibility and heat sealability that prevents the coating layer from being damaged by bending. Furthermore, it is presumed that oil resistance is imparted to the coating layer by adding 3 to 35 parts of an oil resistance agent obtained by copolymerizing olefin and maleic acid to 100 parts of the emulsion. Furthermore, it is presumed that ink absorbability is imparted to the coating layer by adding 3 to 150 parts of the inorganic pigment to 100 parts of the emulsion.
[0016]
Specific examples of the acrylic or styrene-acrylic synthetic resin emulsion include acrylic ester, methacrylic ester, acrylic functional group resin, acrylonitrile, dimethylaminoethyl methacrylate, styrene, vinyl acetate, carboxymethylcellulose, acrylonitrile. -A butadiene rubber, styrene-butadiene rubber, vinylidene chloride, or a simple substance or a copolymer or a mixture obtained by emulsification.
[0017]
As the inorganic pigment, conventionally known inorganic pigments can be used without any problem. Specific examples include calcium carbonate, kaolin, clay, calcined clay, amorphous silica, zinc oxide, aluminum oxide, aluminum hydroxide, satin white, aluminum silicate, magnesium silicate, magnesium carbonate, diatomaceous earth and the like.
[0018]
Examples of the copolymer of olefin and maleic acid include compounds obtained by copolymerizing a fatty acid hydrocarbon compound such as ethylene, propylene, butylene, and amylene with maleic anhydride. Moreover, water and oil resistance can be further improved by mixing an alkenyl succinic anhydride dispersion (ASA) with these compounds. Here, as the copolymer of olefin and maleic acid, a commercially available oil-resistant agent whose main component is a copolymer of olefin and maleic acid can be used. Therefore, the coating liquid can be adjusted by mixing the oil-resistant agent with the emulsion.
[0019]
The coating liquid may contain a conventionally known penetrant that improves the penetration of the coating liquid into the paper layer. When the amount of the coating liquid impregnated into the paper layer increases, the oil resistance of the bent portion increases. The penetrant here refers to one that has the effect of lowering the surface tension of the coating liquid and promoting the penetration of the coating liquid into the paper layer. In addition to what is generally called a penetrating agent, a surfactant, wetting It is meant to include property improvers, leveling agents, organic solvents, and the like. Specific examples include acetylene diol, alkyl sulfate, alkyl benzene sulfate, alkyl sulfosuccinate, polyoxyethylene, alkyl ether, IPA and the like.
[0020]
The coating liquid may contain conventionally known additives such as a sizing agent and an anti-blocking agent.
[0021]
On the other hand, the application of the coating solution to the base paper can be performed using a conventionally known coating machine. The type of coating machine is not particularly limited, but if the coating solution penetrates into the base paper, it will be difficult for oils and fats to penetrate into the base paper, increasing the oil resistance. A coating machine having a large force to be pushed into the base paper is preferred. Examples of such a coating machine include a blade coater, a roll coater, a size press coater, and a dip coater. Coating can also be performed using an air knife coater, gravure coater, comma coater, rod coater, rod metering size press coater, or the like.
[0022]
The coating liquid may be applied only on one side of the base paper or on both sides. As for the coating amount, 2.0 to 10 g / m 2 is applied to at least one surface. Preferably, 3.0 to 9 g / m 2 is applied. When it is less than 2.0 g / m 2 , the coating layer is broken when used for packaging or the like, making it difficult to maintain the oil resistance of the bent portion. On the other hand, even if the coating exceeds 10 g / m 2 , the oil resistance is hardly improved, so only the cost is increased.
[0023]
On the other hand, conventional oil-resistant paper using conventional organic fluororesin has an oil resistance of 5 or more on the coated surface according to the TAPPI UM-557 method, and therefore the oil resistance according to the present invention is also within the range. Is desirable. If it is less than 5, it is unsuitable for use as a general oil-resistant paper.
[0024]
On the other hand, the oil-resistant paper according to the present invention desirably has a heat seal strength of 40 g / 15 mm or more between coated surfaces, which is measured in accordance with JIS Z 0238 under conditions of a seal temperature of 70 ° C. and 0.2 MPa / 3 sec. . Since the oil-resistant paper according to the present invention is of a coated paper type, the coating layers can be bonded to each other. Giving heat resistance to oil-resistant paper is a very significant advantage considering the use of oil-resistant paper. In this case, is less than 40 g / 15 mm, it can not be said there is a suitable heat-sealing properties as a bag applications and containers Applications. This heat-sealability is a characteristic that cannot be achieved with conventional oil-resistant papers that are internally added or mixed with organic fluororesins.
[0025]
On the other hand, the oil resistant paper according to the present invention desirably has a difference in Beck smoothness of 70 to 300 seconds based on JIS P 8119 on the front and back surfaces. If a difference in smoothness is provided on the front and back surfaces, the surface with low smoothness suppresses blocking due to the storage environment and heat and pressure during production, so that the effect due to surface cracking of the coated surface due to blocking is prevented. Even when double-sided coating is performed, the difference in smoothness is maintained because the coating solution penetrates into the inside of the paper layer due to capillary action on the paper surface on the rough surface with low smoothness. Therefore, even when performing double-sided coating in this way, the occurrence of blocking is suppressed.
[0026]
【Example】
Next, examples of the present invention will be described. It was tested for various test and heat sealability for required elements as oil paper for each to create a variety of samples coated with different coating liquid compositions on base paper. The test items, methods, and evaluation are as follows.
[0027]
Oil resistance of the flat portion: The coated surface was measured by the TAPPI UM-557 method (kit method). Measurements of grade 12 and above were measured by a revised method with a maximum grade of 16. The oil resistance of oil-resistant paper using an organic fluororesin currently on the market is almost grade 5 or higher, so that the oil resistance that does not cause a problem in general use is grade 5 or higher.
[0028]
Oil resistance of the folded part: The paper sample is folded in two so that the coated surface becomes the outer surface, and a roller having a width of 178 mm, a diameter of 100 mm, and a weight of 12.5 kg is rolled back and forth once to completely fold the paper. After that, the crease was spread, and the oil resistance of the crease part was measured by the TAPPI UM-557 method in the same manner as the oil resistance of the flat part. The oil resistance which is not a problem for the bent portion is 5th grade or higher.
[0029]
Water absorption: Based on JIS P 8140 (Cobb method) , the amount of water absorbed when the coated surface was brought into contact with water at 23 ° C. for 120 seconds was measured. In general, the water absorption that can be used without problems as a paper plate or packaging bag for foods containing water such as fried food and butter is less than 7 g / m 2 .
[0030]
Heat seal strength: The heat seal strength between the coated surfaces was measured according to JIS Z 0238 under the conditions of a seal temperature of 70 ° C. and 0.2 MPa / 3 sec. The heat sealability that does not pose a problem in producing a bag or a container is 40 g / 15 mm or more.
[0031]
Blocking resistance: 50 samples were stacked, left under a predetermined load in an environment of 20 ° C. and 65% RH, and it was confirmed whether blocking occurred after 24 hours. The case where blocking did not occur was evaluated as ◎, the case where blocking was observed but easily peelable was evaluated as ◯, and the case where blocking was observed and difficult to peel was evaluated as ×.
[0032]
Appropriate printing: Each single color of yellow, magenta, and cyan was printed, and high-quality paper was pasted on the printing surface every 5 seconds immediately after printing, and whether or not the ink was transferred to the high-quality paper was observed. Those time until the ink dries is less than 15 seconds is evaluated as ○ as ink absorption is excellent, the more than 15 seconds were evaluated as × as poor ink absorbency.
[0033]
Odor: It was decided that five subjects actually smelled the odor of each sample and judged whether an unpleasant odor was felt. A case where 3 or more subjects judged that an unpleasant odor was recognized was evaluated as x, and a case where it was not evaluated was evaluated as o.
[0034]
The test results are shown in Tables 1 to 4 together with the detailed compositions of the coating liquids of Examples and Comparative Examples. In the table, samples corresponding to the oil-resistant paper according to the present invention are used as examples, and samples that are not so are used as comparative examples.
[0035]
The base papers and reagents used in the examples and comparative examples are as follows. As the base paper, a pure white roll paper (trade name; Kinpo: manufactured by Daio Paper Co., Ltd.) having a basis weight of 30 g / m 2 was used. The coating amount of the coating solution was 4.0 g / m 2 . As the inorganic pigment, light calcium carbonate (trade name: TP-221GS: Okutama Kogyo Co., Ltd.) was used. As the olefin and maleic acid copolymer, a commercially available oil resistant agent (Hamacoat AK-400: Seiko Chemical Industry Co., Ltd.) was used. Alkenyl succinic anhydride (ASA) was used by dispersing a commercially available general reagent (trade name; AS-291: Nippon PMC Co., Ltd.). In the table, AE is an acrylate copolymer (trade name; Boncoat SFA-33 [Tg 0 ° C.]: manufactured by Dainippon Ink Co., Ltd.), and SAE is a styrene-acryl copolymer (trade name; Boncoat 3983W [Tg 21 ° C.]). : Dainippon Ink Co., Ltd.), PVA is polyvinyl alcohol (trade name; PVA-105 [Tg 50 ° C.] manufactured by Kuraray Co., Ltd.) SBR is a styrene butadiene copolymer (trade name; Nippon LX-430 [Tg 12 ° C.]): Japan ZEON Co., Ltd.). AE / SAE refers to a mixture of 50 parts AE and 50 parts SAE.
[0036]
[Table 1]
[0037]
[Table 2]
[0038]
[Table 3]
[0039]
[Table 4]
[0040]
<Result>
As can be seen from Tables 1 to 4, Examples 1 to 24 according to the present invention have oil resistance similar to that of oil-resistant paper using a conventional organic fluororesin, in which the oil resistance of any of the flat portion and the bent portion is grade 5 or higher. The test results for other common elements required for oil-resistant paper are also good. Furthermore, it can be confirmed that the heat sealability is also maintained. In contrast, different comparative examples 1 to 15 and oil-resistant paper according to the present invention, oil of the bent portion is 4 or less, also for general other elements required for oil paper, as oil feeding Can confirm the unsuitable elements.
[0041]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, according to the present invention, the oil resistance is equivalent to that of the conventional organic fluororesin, and there is no problem that the organic fluororesin has, and further, heat sealability An oil resistant paper having the characteristics is also provided.
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