JP3652325B2 - 投影露光装置及びデバイスの製造方法 - Google Patents

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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は投影露光装置及びデバイスの製造方法に関し、例えばICやLSI等の半導体デバイスやCCD等の撮像デバイスや液晶パネル等の表示デバイスや磁気ヘッド等のデバイスを製造する工程のうちリソグラフィー工程に使用される際に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年IC,LSI等の半導体デバイスの高集積化がますます加速度を増しており、これに伴う半導体ウエハの微細加工技術の進展も著しい。この微細加工技術としてマスク(レチクル)の回路パターン像を投影光学系により感光基板上に形成し、感光基板をステップアンドリピート方式で露光する縮小投影露光装置(ステッパー)が種々と提案されている。
【0003】
このステッパーにおいては、レチクル上の回路パターンを所定の縮小倍率を持った投影光学系を介してウエハ面上のある位置(ショット)に縮小投影して転写を行い、1回の投影転写終了後、ウエハが載ったステージを所定の量移動させて別の位置に再び転写を行うことを繰り返して、ウエハ全面の露光を行っている。
【0004】
一般に投影光学系を有したステッパーを用いて微細な回路パターンの転写を行う際、該投影光学系を構成するレンズが露光用の紫外光の一部を吸収して、レンズが熱的に膨張して、その表面形状が変化したり、更にはレンズの内部の温度分布が一様でなくなりレンズ内部に不均一な屈折率分布が生じてくる場合がある。この結果、該投影光学系の結像特性が変化してくるという問題があった。
【0005】
特にレンズの熱吸収に伴って、
(a)該投影光学系の焦点位置が変動する
(b)該投影光学系の結像倍率が変動する
ことが大きな問題点となっていた。このうち問題点(a)については、焦点位置の変動に合わせてステージを光軸方向に移動させることにより、又、問題点(b)については該投影光学系を構成する光学エレメントの一部を移動させて結像倍率の変動を補正することによって各々対応している。
【0006】
又、本出願人は光束が透過するレンズの中心部に比較して周辺部の温度が低くなることを防止する為にレンズの周辺部を加熱することによって、レンズ内部の温度分布を一様に保って投影光学系の光学特性の変動を最小限に抑えようとする方法を特開平5−347239号公報で提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、LSIのチップ面積の拡大に対応して、通常のステッパーよりも露光領域(画面サイズ)を広くとることが可能な所謂ステップアンドスキャン方式の投影露光装置が種々と提案されている。
【0008】
このステップアンドスキャン方式の投影露光装置は、スリット状の露光領域を有し、ショットの露光は投影光学系に対してレチクルとウエハとを走査することにより行っている。そして1つのショットの走査露光が終了すると、ウエハが載ったステージを所定量移動させてウエハ上の次のショットの走査露光を行なう。これを繰り返してウエハ全体の露光を行っている。
【0009】
図36は従来のステップアンドスキャン方式の投影露光装置の要部斜視図である。図中、101は回路パターンの描かれているレチクル、102は投影レンズ、103はウエハWが載せられた可動のステージである。106はアパーチャーであり、スリット開口105を有し、レチクル101に近接配置している。104は照明光束である。
【0010】
照明光束104によって照明されたレチクル101上の回路パターンを投影レンズ102を介してステージ103上のウエハWに転写する際、レチクル101の直前に設けたスリット開口105を有するアパーチャー106により形成したスリット状の照明光束でレチクル101を照明している。これによりレチクル101のうちスリット状の照明光束の当たった部分の回路パターンのみがウエハ面W上に投影転写されるようにしている。
【0011】
そして図36に示すようにレチクル101を矢印107の方向に所定の速度でスキャンすると同時に、レチクル101のスキャン速度に投影レンズ102の結像倍率を乗じた速度でステージ103を矢印108の方向にスキャンすることによってレチクル101上の回路パターン全体をウエハW上に投影転写している。
【0012】
図36に示す露光装置において、座標軸を109に示す通りに定めたとき、投影レンズ102の光軸110はz軸方向、スリット開口105の長手方向はy軸方向、レチクル101及びステージ103のスキャン方向はx軸方向となる。
【0013】
あるショットに対するレチクル101面上の回路パターン全体の転写終了後にステージ103を所定の量だけ移動、即ちステップしてウエハW上の異なるショットに上記の方法で改めてレチクル101面上の回路パターンの転写を繰り返している。
【0014】
次にステップアンドスキャン方式が通常のステッパー方式(スキャンを行わない方式)に比較して露光領域が広くとれる理由を図37を用いて説明する。露光領域は投影レンズの収差が良好に補正された範囲として制限される。そこで今、投影レンズの収差が補正されている範囲を図37(A)の円121(半径:r)で表し、回路パターンが正方形の範囲に収まっているとする。そうすると露光領域は円121に内接する最大の正方形、即ち図37(A)中の線分122のように一辺の長さが
【0015】
【外1】
Figure 0003652325
【0016】
の正方形となる。そしてこの正方形の面積2r2が通常のステッパーに於ける露光領域となる。尚ここでは、座標系123のx,y軸を図中のように正方形122の直交する2つの辺の方向に一致するように定めている。
【0017】
一方、図37(B)のように、収差の補正された円121に内接する矩形の形状を正方形から長方形に変化させていけば、長方形124の長辺(y軸方向)の長さは2rに近づく。このとき長方形124でx軸方向に回路パターンをスキャンすることによりパターン全体を転写すれば、露光領域はスキャン可能な長さをsとして、面積2rsで決定され、上記の面積2r2より大きく取れる。ステップアンドスキャン方式は以上のようにして露光領域の拡大を図っている。
【0018】
ステップアンドスキャン方式では上述のようにスリット状の照明光束を用いて投影露光をしている為、投影レンズ102内部を透過する光束も光軸110に関して回転対称にはならない。例えば典型的な場合では、図38に示すようy軸方向に伸びた温度分布になる。図38中で、131は投影レンズ102を構成する光学エレメントの一部をx,y面内に描いたものであり、斜線部132は実際に光束が透過する範囲を摸式的に示してある。
【0019】
前述の通り投影レンズが露光光の一部を吸収すると熱的変化により光学特性が変化することが問題となる。特に図38に示すように、投影レンズの光軸に関して回転対称でない熱吸収(温度分布)がある場合には、レンズの波面収差が回転非対称となり、焦点位置,結像倍率等の光学特性が回転非対称となり、非点収差等の回転非対称な収差が生じる。従って、投影レンズの解像力が低下する。
【0020】
更にレチクル上のパターン光透過率の不均一性、四重極照明等の新たな照明方法の普及等を考えると、投影レンズの温度分布が光軸に関して回転対称になることは多く、非回転対称な波面収差が発生する機会も多い。
【0021】
本発明の目的は、解像力の低下を防止又は小さくすることができる投影露光装置及びデバイスの製造方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の投影露光装置は第1物体をスリット状の光で照明する手段と、前記スリット状の光で照明される前記第1物体のパターンを第2物体に投影する投影レンズと、前記第1物体及び第2物体を前記スリット状の光及び前記投影レンズに対して走査する手段と、前記スリット状の光で前記パターンを投影することにより前記投影レンズに生じる光学特性の非回転対称性を実質的に補正する補正手段と、を有していることを特徴としている。
【0023】
請求項2の発明の投影露光装置は第1物体をスリット状の光で照明する手段と、前記スリット状の光で照明される前記第1物体のパターンを第2物体に投影する投影レンズと、前記第1物体及び第2物体を前記スリット状の光及び前記投影レンズに対して走査する手段と、前記スリット状の光で前記パターンを投影することにより前記投影レンズに生じる前記走査の方向と該走査方向に直交する方向に関する光学特性の差を補正する補正手段と、を有していることを特徴としている。
【0024】
請求項3の発明は請求項1又は2の発明において前記補正手段は、前記露光により生じた前記投影レンズの光軸に関して非回転対称な温度分布を、略回転対称な温度分布に変換する温度制御手段を有することを特徴としている。
【0025】
請求項4の発明は請求項3の発明において前記温度制御手段は、前記投影レンズの所望の部分に熱を与える加熱手段を有することを特徴としている。
【0026】
請求項5の発明は請求項3の発明において前記温度制御手段は、前記投影レンズの所望の部分を冷やす冷却手段を有することを特徴としている。
【0027】
請求項6の発明は請求項3の発明において前記温度制御手段は、前記投影レンズの複数のレンズの温度分布を制御することを特徴としている。
【0028】
請求項7の発明のデバイスの製造方法は請求項1〜6の何れか1項記載の投影露光装置を用いてデバイスパターンをウエハに露光する段階と、該ウエハを現像する段階とを含むことを特徴としている。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は本発明をステップアンドスキャン方式の投影露光装置に適用した際の実施例1の要部概略構成を表している。
【0030】
本実施例の以後の説明を容易にする為、予め座標系を1のように決めておく。即ちx,z軸は紙面内にあり、y軸は紙面と直交する方向にある。
【0031】
本実施例の構成は、ステップアンドスキャン方式の投影露光装置の本体部分と、該投影露光装置の投影光学系に発生する波面収差を計測する計測部分に大別できる。そこでまず投影露光装置の本体部分の各要素を説明する。2は紫外光を発する露光用の光源、3は光源2からの光のON/OFF制御を行うシャッター、4は入射する光束を直線偏光(例えば紙面内に偏光面を有する)に変換する偏光板、5はハーフミラー、6は照明レンズ、7はy方向に伸びたスリット状の開口を有するアパーチャー、8は回路パターンの描かれているレチクル(第1物体)、9は縮小投影レンズ(投影光学系)、そして10はウエハ(第2物体)Wの載置されているステージである。
【0032】
光源2からの光は、順にシャッター3と偏光板4を通り、直線偏光となりハーフミラー5で反射し、照明レンズ6で集光されて、アパーチャー7を介してレチクル8上の回路パターンを照明している。又、レチクル8とステージ10は共にxy平面に平行に置かれており、レチクル8を矢印11で示す方向にスキャンすると同時にステージ10を矢印12で示す方向にレチクル8のスキャン速度に投影倍率を乗じた速度比でスキャンすることにより、レチクル8上の回路パターン全体をステージ10に載ったウエハW上に投影転写している。そして、該ウエハWを公知の現像処理工程を介してこれより半導体デバイスを製造している。
【0033】
図1ではスリット開口を有するアパーチャー7をレチクル8の直前に配置しているが、レチクル8上にy方向に長く伸びたスリット状の照明光束が当たっているようにすれば良く、例えばアパーチャー7を照明光束中でレチクル8と光学的に共役な位置に設ける構成としても良い。
【0034】
又、本実施例の投影レンズ9には周辺部に温度調整装置13,14を設けており、後述するように制御手段15と装置13,14を用いて投影レンズ9を構成するレンズのレンズ内部の温度分布を調整するようにしている。又、ステージ10にはフォーカス調整装置16を設けており、投影レンズ9のピント位置の変化(フォーカスエラー)に対して、制御手段15からの指示によってウエハWの高さの調整ができるようにしている。
【0035】
次に波面収差の計測部分の構成について説明する。20はレーザー等の高コヒーレンスの光束を発する光源、21はコリメーターレンズで光源20からの光を平行光としている。22は光源20からの光のON/OFF制御を行うシャッター、23はハーフミラー、24は平面ミラーで参照光を得ている。25は偏光板で入射する光束を直線偏光(紙面と垂直方向に偏光面を有する。)としている。26は結像用レンズであり、CCDカメラ27に干渉縞を形成している。28は演算手段であり、CCDカメラ27からの信号を用いて後述するように投影レンズ9の波面収差を求めている。
【0036】
本実施例において光源20を発した光はコリメーターレンズ21で平行光束に変換され、シャッター22を介して矢印30で示す向きにハーフミラー23に入射する。前記光束の略半分はハーフミラー23で反射し、矢印31の方向に向きを変え、平面ミラー24で矢印32の方向に反射された後、再びハーフミラー23に入射し、このうちハーフミラー23を透過した光束は矢印33で示すように結像レンズ26で集光され、CCDカメラ27に入射する。即ち、この経路を通った光束は投影レンズ9の波面収差を干渉法によって計測する際の参照光となる。
【0037】
一方、シャッター22からの光束のうちハーフミラー23に入射した光束の残り半分はハーフミラー23を透過し、矢印34で示す向きに進行し、偏光板25で直線偏光に変換された後、ハーフミラー5を透過して照明レンズ6,アパーチャー7を介して投影レンズ9へと導かれる。そして投影レンズ9を透過した光束はステージ10上のウエハ表面Waで反射され、再び投影レンズ9を透過した後、矢印35で示すように元の経路を逆にたどり、ハーフミラー23で反射されて矢印36で示す向きに進行方向を変えて結像レンズ26で集光され、CCDカメラ27に入射する。この経路を通った光束には投影レンズ9の波面収差の情報が含められており、前記矢印33のように進行する参照光束とCCDカメラ27面上で干渉させ、該CCDカメラ27で干渉縞を観測することにより投影レンズ9で発生している波面収差の量を求めている。
【0038】
即ち、本実施例では投影レンズ9を所謂トワイマングリーン型の干渉計の一部として組み込むことにより、投影レンズ9の波面収差を計測している。前記干渉縞はCCDカメラ27によって画像データに変換され、演算手段28によって波面収差の非対称性及び大きさ等を算出している。そして前記算出された波面収差のデータを制御手段15に送り、制御手段15は前記波面収差量が小さくなるように補正手段としての温度調整装置13,14及びフォーカス調整装置16の制御を行う。
【0039】
次に本実施例で用いている偏光板4及び偏光板25の働きについて説明する。露光用の光源2を発した光は前述の通りレチクル8を照明し、投影レンズ9を通してステージ10上のウエハWに達し、該ウエハ表面Waに塗られたレジストを感光させるが、その光束の一部はウエハ表面Waで反射された投影レンズ9を逆方向に透過する。この光束の一部はこの後ハーフミラー5を透過してノイズ光となり波面収差計測用のCCDカメラ27にまで到達する。このときの光束は波面収差計測時の計測精度を劣化させる原因となる。
【0040】
そこで本実施例では偏光板4で露光用の光束を、例えば図1の紙面内に偏光面を有する直線偏光に変換すると共に、波面収差計測用のレーザー光に対して図1の紙面と垂直方向に偏光面を有する光束のみを透過させる偏光板25を設けている。そうすることにより、光源2を出てウエハ表面Waで反射した光のうち波面収差計測用のCCD27に向かう成分を偏光板25で遮蔽している。
【0041】
次に本実施例で用いている温度調整装置13,14について説明する。温度調整装置13,14は投影レンズ9内のレンズエレメントが露光光を吸収することにより温度分布が光軸に関して回転非対称になってしまうのを補正する為に設けている。その第1の方法としてはレンズエレメントの周辺で温度が低い部分に外部から熱を与えることにより、レンズ全体の温度分布を光軸に関して回転対称になるようにしている。又、第2の方法としてはレンズエレメントの周辺で温度が高い部分を外部から冷却することにより全体の温度分布が光軸に関して回転対称になるようにしている。
【0042】
以下、この2通りの方法を説明する。ここでは温度調整装置として前者を加熱手段、そして後者を冷却手段と呼ぶことにする。
【0043】
本実施例の説明では、温度調整装置として加熱手段を用いる場合について主な説明を行う。図2は図1中の投影レンズ9を構成する光学エレメントの一部をxy面の断面で描いたものであり、その際、座標軸は40に示すようにとってある。図中41はレンズ、斜線部42は光束が透過する範囲を表している。
【0044】
本実施例では前に説明した通り、y軸方向に伸びたスリット状の光束でパターンの照明を行っているので、投影レンズ9の内部を透過する光束は、該投影レンズ9の光軸を含んだx,z面(図2中の点線43で表す)、及び前記光軸を含んだy,z面(同点線44)に関して対称性を有するが、前記光軸に関する回転対称性は持たない、即ち典型的な場合には、図2中の斜線部42に示すような分布となる。その場合、x軸方向,y軸方向で熱吸収による温度分布が非対称になり、大きな非点収差の原因となる。
【0045】
その非対称な温度分布に対して、本実施例では上昇温度の低い部分に温度調整装置として加熱手段を設け、レンズ内部の温度分布が前記光軸に関して回転対称になるように加熱し、補正することを特徴としている。その為、本実施例では加熱手段をレンズ周辺部のうち点線43及び点線44に関して対称な位置に設置している。レンズ周辺部に2個の加熱手段13及び14を設ける場合には、上昇温度が小さく且つ上記の対称性を満たす位置、即ち図2に示す位置としている。
【0046】
次にレンズ41の熱吸収後の温度分布と形状及び加熱手段13,14で修正を行った後の温度分布と形状について説明する。
【0047】
まず、図2の斜線部42で示す部分を光束が透過すると、該光束の一部が吸収され、温度分布は図3で示すようになる。図3は温度の等高線分布を摸式的に示したものであり、中心部ほど温度が高くなっている。
【0048】
図4,図5は上記の温度分布によって熱的に変形した後のレンズ形状の断面を示している。図4はレンズ41の中心軸50を含んだ断面のうち、座標系51で示されるようにx,z面方向の形状を表す。図4中の52は変形前のレンズ形状であり、斜線部53,54は熱により膨張した部分である。図5は図4と同一のレンズを座標系1で示すようにy,z方向の断面で表示したものである。斜線部56,57は熱により膨張した部分であるが、図4と比較すると横方向に長く拡がっている。
【0049】
次に加熱手段13,14を働かせた後の温度分布、形状について説明を行う。本実施例では図3に示した温度分布を有するレンズ41に対して、レンズ41周辺の温度の低い位置に設けた加熱手段13,14の加熱量を最適に制御することによってレンズ41の温度分布が図6に示すように中心に関して対称となるようにしている。
【0050】
図7,図8はこのときのレンズ41の断面形状を示している。図7は図4と同様のレンズ41のx,z方向の断面である。図中、斜線部60,61が熱により膨張した部分を表す。一方、図8は図5と同様、レンズ41のy,z方向の断面を表す。図中、斜線部62,63が熱によって膨張した部分である。この場合、温度分布、形状変化ともx,y方向での非対称性は現れないので、波面収差が回転対称となり、非点収差は発生せず、結像位置や倍率のx,y方向に関する不一致も生じない。
【0051】
具体的な加熱手段としてはニクロム線等の発熱体を適切な熱抵抗を持った物質を介してレンズエレメントに接触させた構成とし、その制御を該発熱体に供給される電圧又は電流を変化させることにより行っている。
【0052】
加熱手段を用いることにより結像位置や倍率の光軸に関する非回転対称性は補正されるが、この種の光学特性の予め決めた位置や値からのずれは残っている。従って、結像位置のずれについては、ウエハステージを光軸方向に移動して補正し、倍率のずれについては投影光学系の光学エレメントやレチクルを光軸方向に移動して補正する。
【0053】
次に本実施例において温度調整装置13,14として冷却手段を用いる場合について図9を用いて説明する。図9は、図2を用いて説明したように、レンズ41の斜線部42を露光光が透過する様子を示している。そしてその際にはy方向に伸びた範囲で温度の上昇が起こることは前述の通りである。ここで温度調整装置としての2つの冷却手段13′,14′をレンズ41の周辺部のうち、図9に示す位置に設け、その部分の温度を制御することにより、レンズ41の温度分布を図6で説明したように中心に対して対称な形に補正している。
【0054】
具体的な冷却手段としては、例えばレンズ周辺部の冷却手段を装着した位置に冷却した気体を吹き付け、その気体の温度及び吹き付け量を制御手段15によって制御する構成を用いている。
【0055】
次に上記各実施例の温度調整装置13,14又は13′,14′及びフォーカス調整装置16の制御の方法について説明する。図10は投影レンズ9に発生する波面収差に対応した干渉縞を表し、CCDカメラ27によって得られるものである。図10(A)はスリット状の照明光束を用いた露光によって投影レンズ9に非点収差が発生している状態である。図10(B)は温度調整装置13,14又は13′,14′を動作させることにより、非回転対称な波面収差を、光軸に関して回転対称となるように補正を行ったものである。図10(B)の状態では、球面収差が多少発生して投影レンズ9の最良のフォーカス位置が変動してしまっているので、フォーカス調整装置16によりステージ10の上下方向の位置を微調整することにより、CCDカメラ27から出力される干渉縞を図10(C)の状態、即ちほとんど無収差で干渉縞が現れない状態に調整している。
【0056】
CCDカメラ27で得られた干渉縞のデータは演算手段28に送られ、そこで干渉縞の非回転対称性、大きさ等を表すデータを制御手段15に送っている。制御手段15は前記波面収差の非回転対称性、大きさ等のデータからそれらの量が減少するように温度調整装置13,14又は13′,14′及びフォーカス調整装置16の制御を行っている。このような制御を行うことにより、投影レンズ9の結像位置,結像倍率と収差の回転非対称性を補正することができる。
【0057】
ここで制御手段15による制御を行った後に計測される波面収差のデータは再び同様の処理により制御手段15の制御にフィードバックしている。即ち、一連の制御系をフィードバック系とし、高精度に投影レンズ9で発生した非回転対称な波面収差を補正することができる構成としている。
【0058】
以上の各実施例の説明では屈折レンズのみで構成される光学系を念頭に説明を行ったが、投影光学系として屈折レンズ,ビームスプリッター,反射ミラー系を組み合わせたカタディオプティック光学系を用い、その屈折レンズ部分、ビームスプリッター部分及び反射ミラーの部分に本発明を同様に適用することができる。
【0059】
以上の各実施例では2つの温度調整手段をレンズエレメントの周辺部に設けるとして主な説明を行っているが、その数は2つに限ったものではない。投影光学系が複数個の光学エレメントから構成されている場合、本発明を適用するのはその内の1つの光学エレメントに限る必要はなく、2つ以上の光学エレメントに対して同時に本発明を適用し、温度調整装置の制御も本発明を適用した各光学エレメント毎に独立に行うことが可能である。
【0060】
又、本実施例では偏光板4及び25,ハーフミラー5を用いることにより、回路パターン焼き付けの為の露光と投影レンズの波面収差の計測を同時に行えるようにしているが、光をより効率的に使う為に、露光と波面収差の計測を時系列的に反復して行う構成とすることもできる。即ち、ハーフミラー5の代わりに通常のミラー5aを用いて光源2からの光束が全て照明レンズ6に導かれるようにして露光を行う。その際、シャッター22は閉じておく。
【0061】
次にシャッター3を閉じると共に前記ミラー5aを取り除き、更にシャッター22を開けて光源20からの光束が投影レンズ9に入射して波面収差の計測を行う。次に再び前記ミラー5aを挿入すると共にシャッター3を開け、同時にシャッター22を閉じることにより露光を開始する。
【0062】
以上の操作を繰り返し行うことにより、実質的には露光と波面収差の計測を同時に行うのと略同様の精度で投影レンズ9に発生する波面収差の補正を行うことが可能になる。そしてこの場合には偏光板4及び偏光板25は不要になる。
【0063】
本実施例の説明では、光軸に関して非回転対称な温度分布や形状を有するレンズをレンズ周辺部より加熱又は冷却を行うことによって波面収差の非回転対称性を補正しているが、加熱と冷却を組み合わせても良い。
【0064】
一方、非回転対称な形状のみを補正する為には補正手段としてレンズに力学的な力を加えることによっても可能である。例えば図11に示すようにレンズ41に対して斜線部42のような形状の光束が入射する場合、前述の通りx方向とy方向ではレンズは異なった形状となる。そこで、レンズ内部の屈折率分布の非回転対称性が無視できる場合には、図中矢印70及び71で示す方向に力学的な力を加えることにより、レンズ41の形状を光束が透過する中心部付近でz軸に関して略回転対称となるようにしても良い。
【0065】
図12は本発明の実施例2の要部概略図であり、ステップアンドスキャン方式の投影露光装置を示している。図中、201は第1物体としてのレチクル(マスク)であり、その面上には回路パターンが形成されている。202は縮小投影レンズ(投影光学系)、203は可動のステージであり、第2物体としてのウエハWを載置している。204は照明系(不図示)からの照明光束である。
【0066】
206はアパーチャーであり、その一部にスリット開口205が設けてあり、レチクル201に近接配置している。尚アパーチャー206(スリット開口205)はレチクル201の直前に設ける他に照明光学系(不図示)中でレチクル201と光学的に共役な位置に設けても良い。207はx,y,z軸を示す座標系を示している。
【0067】
221,222はヒータ線等の加熱手段であり、投影レンズ202の所定のレンズ(光学エレメント)の周辺部に設けている。223はコントローラ(制御手段)であり、メモリ224からの情報に基づいて加熱手段221,222の加熱を制御している。211〜214は光線であり、レチクル201上の回路パターンからの回折光がステージ203上のウエハWに到達するまでを摸式的に描いている。
【0068】
本実施例においては、照明光束204でスリット状に照明したレチクル201面上の回路パターンを投影レンズ202によりウエハWに投影露光している。本実施例では投影光学系202の光軸208をz軸方向に、スリット開口205の長手方向をy軸方向と一致するようにとっている。
【0069】
ここでレチクル201、ステージ203は共にxy平面に平行に配置しており、図24に示すのと同様にレチクル201を不図示の移動ステージに載せてx軸方向にスキャンすると同時にステージ203をレチクル201のスキャン速度に投影レンズ202の投影倍率を乗じた速度でx軸方向に同期してスキャンすることにより、レチクル201上の回路パターン全体をステージ203に載ったウエハW上に投影転写している。そして該ウエハに公知の現像処理を行い、半導体デバイスを得ている。
【0070】
本実施例はスリット状の光束に基づく投影露光に伴い、投影レンズ202を構成するレンズが露光光を吸収したときの光学特性の変化をレンズに照射されるスリット状の光束の状態を考慮して、レンズの周辺部の所定位置に加熱手段221,222を設け、コントローラ223によりメモリ224からの情報(データ)に基づいて加熱制御することにより温度分布を均一にして効果的に防止している。
【0071】
次に本実施例の加熱手段221,222の特徴について説明する。
【0072】
図13は図12の投影レンズ202を構成する光学エレメントの一部をxy断面で描いた概略図である。図中、231はレンズ、斜線部232は投影露光に伴いレンズ中を光束が透過する範囲を表している。
【0073】
本実施例では図12で示した座標系の通りy軸方向に伸びたスリット状の光束でレチクル201面上の回路パターンの照明を行っている。この為、投影レンズ202の内部を透過する光束は光軸208を含んだx,z面(図13中、点線233で表す)、及び光軸208を含んだy,z面(同点線234)に関して対称性を有するが、光軸208に関する回転対称性は持たない、即ち典型的な場合には図13中の斜線部232に示すような分布となる。
【0074】
その場合、x軸方向,y軸方向で熱吸収による温度分布が非回転対称になり、結像位置や倍率等の光学特性が非回転対称となる。特に、温度分布の非回転対称に基づいて非点収差が多く発生してくる。
【0075】
そこで本実施例では、図13に示すようにレンズ表面での非対称な温度分布に対して、上昇温度の低くなるスリット開口205の短手方向(スリット開口205の長手方向と直交する方向の部分)に複数の加熱手段221,222を設け、レンズ内部の温度分布を光軸208に関して回転対称になるように補正している。即ち、加熱手段221,222をレンズ231の周辺部のうち点線233及び点線234に関して対称な位置に設置している。
【0076】
図13のようにレンズ周辺部に2個の加熱手段を設ける場合には、上昇温度が小さく且つ上記の対称性を満たす位置、即ち図13に示すx方向の位置とするのが良い。
【0077】
図14は多くの加熱手段221a〜221c,222a〜222cを設けて精度の高い温度制御を行う場合を示しており、この場合にも加熱手段221a〜221c,222a〜222cは上記の対称性を満たす位置に設置している。
【0078】
次に本発明に係る加熱手段221,222の加熱制御について説明する。
【0079】
本実施例においては、加熱を行う際には、まず加熱を行わない場合の温度分布を正確に求め分布の非対称性を補正する為に最適な加熱量を求めている。レンズが露光光を吸収することによる温度上昇、変形を実験的に測定し、該測定量に基づいて加熱手段221,222を制御しても良いが、本実施例では図13での斜線部232に示したようなレンズに非回転対称な熱吸収があった場合の温度分布と形状の変化をシミュレーションによって求めている。例えば投影露光開始後の時間と透過光束の総エネルギー等の関数として表されるように求めている。
【0080】
一般に物体が熱を吸収して温度が上昇し、それに伴い形状が変化するという過程は、有限要素法を用いて精度良くシミュレーションできることは良く知られている。図15はこの有限要素法の為の解析モデルの説明図である。
【0081】
図13の熱吸収は点線233及び点線234に関してそれぞれ対称性を持つので、解析モデルは図13のレンズ232の面積の1/4の部分、即ち図15に示した部分を考えれば良い。図15はレンズの面積のうち1/4の部分を有限要素法解析の為にメッシュ状に分割した状態を摸式的に示しており、斜線部242で熱吸収が起こっているとしている。
【0082】
図15において、208は図12中に示した投影光学系202の光軸である。適当な境界条件を設定して有限要素法解析を行うことにより、上記のような熱吸収があった場合の温度分布は、例えば図16に示すように求められる。
【0083】
図16において、231はレンズを表し、色の濃さが温度に対応している。図16から明らかのようにレンズ231の中心部から周辺にいくに従って温度が下がっていること、分布の形状がy軸方向の伸びていること等が読み取れる。
【0084】
図17,図18に上記の温度分布によって熱的に変形した後のレンズ形状の断面図を示す。
【0085】
図17は光軸208を含んだx,z面方向の断面を示す。図17において、241は変形前のレンズ形状であり、斜線部242,243は熱により膨張した部分である。同様に図18はy,z方向の断面であり、斜線部244,245は熱により膨張した部分である。以上の方法によって加熱手段221,222を動作させない場合にレンズに発生する温度分布、形状変化を求めている。
【0086】
そして次に、図16〜図18を用いて示した非対称な温度、形状分布が発生しないように、加熱手段221,222によりレンズに与えるべき熱量を決定している。その際には有限要素法のシミュレーションで与える熱量はトライアンドエラーで最適な値を決めている。そのように決定されたデータは、図12中のメモリ224に記憶し、露光中はコントローラ223がメモリ224からのデータに基づいて加熱手段221,222を制御するようにしている。
【0087】
具体的な加熱手段としては、例えばニクロム線等の発熱体を適切な熱抵抗を持った物質を介してレンズエレメントに接触させた構成とし、その制御は該発熱体に供給される電圧又は電流を変化させることにより行っている。
【0088】
次に本発明に係る加熱制御手段を利用して加熱手段221,222を加熱制御することによって得られるレンズの温度分布及び形状変化を示す。
【0089】
図19は加熱手段(不図示)よりレンズ251に加える熱量を最適になるように制御した際に得られる温度分布の説明図である。加熱手段221,222によりレンズ251のうちの熱吸収による温度上昇が少ない部分に熱を加えることにより、図19に示すようなx,y軸方向で略対称な温度分布を得ている。
【0090】
図20はレンズ251の形状変化を示す光軸208を含むx,z面方向の断面図である。図中、252は変形前のレンズ形状、斜線部253,254は熱によって膨張した部分を表す。
【0091】
図21は同様にレンズ251の形状変化を示す光軸208を含むy,z面方向の断面図である。図中、252は変形前のレンズ形状、斜線部255,256は熱によって膨張した部分を表す。この場合、温度分布、形状変化ともx,y方向での非対称性は現れないので、従来の技術で補正することが難しい非点収差は発生しない。尚、加熱手段の代わりに、又は組み合わせて、図9で示したような冷却手段を用いても良い。
【0092】
図22は本発明の実施例3の要部概略図である。
【0093】
本実施例は所謂ステッパに適用した際の概略構成を表している。この後の説明を容易にする為、予め座標系を301のように決めておく。
【0094】
図中、302は不図示の照明光学系より発せられる照明光束、303は回路パターンの描かれているレチクル、304は縮小投影レンズ、そして305はウエハの載置されているステージを表す。ここで、レチクル303及びステージ305はxy面に平行、投影レンズ304の光軸はz軸に平行になるように配置している。
【0095】
照明光束302はレチクル303上の回路パターンを照明し、図中306及び307で示す回折光が発せられる。そして回折光306,307は投影レンズ304を介して夫々像空間の光束308,309へと変換され、ステージ305に載置された半導体ウエハW上に回路パターンを結像する。前記ウエハW上には照明光束302の波長に対して化学変化を起こすレジストが塗布されており、レチクル303上の回路パターンの転写を行う。
【0096】
図中310,311,312,313は本実施例の本質となる温度制御装置であり、投影レンズ304を構成するレンズエレメントの周辺部に設けられている。ここで温度制御装置310〜313はメモリ315に蓄えられた情報に基づいてコントローラ314によって制御される。
【0097】
本実施例の説明の為、レチクル303として図23に示したものを考える。図23はレチクル303を座標軸301で示すようにxy面内で描いたものであり、周辺の黒い部分では照明光束302は完全に遮光される。簡単の為レチクル303上に2つの領域322,323を考え、322は光遮光部よりも光透過部を多く含むパターンから構成され、323は逆に光透過部よりも光遮光部を多く含むパターンから構成されるとする。その為、領域322と323を比較すると透過する光量は全体として領域322の方が領域323よりも多くなっている。領域322と323はその部分を透過して投影レンズ304に入射する光量の違いを示している。
【0098】
図22においてレチクル303からの回折光306,307を異なった本数で示したのは回折光306,307が夫々図23中の相異なる領域322,323のパターンからの回折光であることを分かり易くする為である。
【0099】
図24は領域322,323にあるパターンからの回折光が投影レンズ304に入射する様子を説明したものである。図24において、326は投影レンズ304を構成するレンズエレメントの1枚をxy面内で示したものである。簡単の為、レンズエレメント326として投影レンズ304の内部でレチクル303に近い部分に配置されているものを考える。するとそこに入射する光束は、レチクル303上の領域322に対応する部分では大きく、領域323に対応する部分では小さくなり、摸式的に示すと図24中の斜線部327のようになる。
【0100】
前述の通り、レンズを光束が透過すると硝材が熱を吸収して光学特性の変動が生ずる。図24で327で示した部分に光束が入射して熱が吸収されるとそこにできる温度分布は図25に示すものとなる。
【0101】
図中、331は座標軸325と同様の座標軸であり、レンズエレメント326の温度分布を色の濃淡によって示している。中央の色の濃い部分ほど温度が高いことを表す。温度分布が図25のように光軸に関して非回転対称になってしまうと、そこで発生する波面収差(結像位置,結像倍率)が問題となることは前述した通りである。
【0102】
本発明は図22に310〜313で示した温度制御装置を用いることにより、図25のような非回転対称な温度分布の補正を行うものである。ここでレンズエレメント326はレチクル303に近い位置に配置されているとしているので、レンズエレメント326は温度制御装置310によって温度の制御が行われるとする。
【0103】
図25で332〜339は夫々の温度を独立に制御することが可能な加熱手段であり、全体として温度制御装置310を構成している。加熱手段332〜339はレンズエレメント326の周辺部に密着して等間隔に配置され、夫々はニクロム線等の抵抗体を内蔵して、そこに流す電流を制御することによって温度の調整を行うものである。
【0104】
図25の場合には、レンズエレメント326の周辺部のうち、温度の低い部分に配置されている加熱手段332,333,335,336の温度を主として上昇させることにより、図26に示すような光軸に関して対称な形状の温度分布に変換することができる。ここで加熱手段332〜339に与える電流の量は、図22中のコントローラ314によって制御される。
【0105】
投影レンズ304中の他のレンズエレメントに関しても、同様の構成を持った温度制御装置311〜313を用いることにより、光軸に関して非対称に発生する温度分布を補正することが可能になる。温度調整装置を用いるだけでは光軸に関して回転対称な温度分布や形状変化に伴なう光学特性の変化は補正できないが、この種の光学特性の変化はステージ又は光学系を構成する光学エレメントの一部を移動させるという従来の方法で補正することが可能なことは前述の通りである。ここで温度制御装置の数として310〜313の4つに限られたものでないことは言うまでもない。
【0106】
図22中のメモリ315には、レチクル303上の回路パターンの情報、各回路パターンからの回折光によって投影レンズ304中の各レンズエレメントに発生する温度分布の情報、それらの温度分布を補正する為に温度制御装置310〜313に与える熱量の情報、等が保存されており、コントローラ314はそれらの情報に基づいて温度制御装置310〜313の制御を行う構成となっている。
【0107】
本実施例の説明では温度制御装置として図25の332〜339で示したように温度の低い部分の温度を上昇させる加熱手段を用いたが、図9に示したような温度の高い部分の温度を低下させる冷却手段を用いても同様の効果が得られる。 図27は本発明の実施例4の要部概略図である。本実施例はステッパに適用した際の概略構成を表している。
【0108】
図中、341は説明の為に用いる座標軸、342は光源を含む照明光学系、343,344は照明光束、345は回路パターンの描かれたレチクル、346は縮小投影レンズ、347は不図示のウエハが載置されたステージを表し、レチクル345上の回路パターンが投影レンズ346を介して前記ウエハW上に転写されるのは実施例3と同様である。
【0109】
本実施例では照明光学系にアパーチャ348を挿入して照明用の光束を制限し、照明レンズ349を介して前記2つの斜入射照明光束343,344を得ているのが特徴である。アパーチャ348は通常の場合において照明光学系の有効光源面、即ちレチクル345とは光学的にフーリエ変換の関係にあり、一方、投影レンズ346の瞳位置(図中点線350で示す)とは光学的に共役な関係になる位置に配置される。
【0110】
アパーチャ348としては、例えば図28に示すものが用いられる。図28中、361は座標軸であり、アパーチャ348がxy面に平行に設置されることを表す。アパーチャ348には2つの開口362,363が設けられており、前記開口を透過した光束が照明レンズ349を介して2つの照明光束343,344としてレチクル345上の回路パターンを互いに対称な光路に沿って斜め方向から照明する構成となっている。このような照明方法を採用することにより、レチクル345上でx方向に繰り返し周期を有する周期パターンの解像度が向上する。
【0111】
この考え方を更に進めて、アパーチャ348として図29のように4つの開口364〜367を有するものを用いることにより、レチクル345上でx方向に繰り返し周期を有するパターンと共にy方向に繰り返し周期を有するパターンの解像度を向上させることもできる。
【0112】
上述の変形照明法により解像度が向上する理由については、例えば“Proc.SPIE No.1674 Optical/Laser Microlithography V,P.92(1992) ”等に詳しく記載されているのでここでは説明を省略する。
【0113】
アパーチャ348は、前述の通り投影レンズ346の瞳位置350と共役な位置に設置されるので、前記アパーチャ348の開口部の像が、投影レンズ346の内部の瞳位置350の近傍に形成されることになる。その影響を図30を用いて説明する。
【0114】
図中、372は前記瞳位置350近傍にあるレンズエレメントのうちの1枚を表す。アパーチャ343として図28に示したものを用いると、レンズエレメント372には斜線374,375の位置に光束が集中的に入射することになり、その結果、レンズエレメント372の温度分布は図31に示すように光軸に関して非回転対称な分布になってしまう。
【0115】
図31中、色が濃い部分ほど温度が高いことを表すのは前述の図25及び図26の説明の場合と同様である。図31中の381〜388は実施例3で332〜339として説明したものと同様の加熱手段であり、この場合には加熱手段381,385の温度を主として上昇させることにより、レンズエレメント372の温度分布を図26で説明したような回転対称な形に補正することができる。
【0116】
又、アパーチャ348として図29に示すものを用いれば、レンズエレメント372には図32の斜線391〜394で示す部分に光束が集中的に入射するようになり、その結果、レンズエレメント372の温度分布は図33に示すようになる。この場合には、加熱手段381,383,385,387の温度を主として上昇させることにより、レンズエレメント372の温度分布を図26で示すように対称な形に補正することができる。
【0117】
図31及び図33で381〜388として示した加熱手段は、全体として図27で351で示す温度制御装置を構成している。温度制御装置351はメモリ353の情報に基づいてコントローラ352によって制御されるのは実施例3と全く同様であるので説明を省略する。
【0118】
本実施例の説明では温度制御装置として、温度の低い部分の温度を上昇させる加熱手段を用いたが、図9に示したような温度の高い部分の温度を低下させる冷却手段を用いても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0119】
本実施例では光軸に関して回転対称な温度分布、形状変化の発生によって引き起こされる光学特性の変化は、従来と同様にステージ又は光学系を構成する光学エレメントの一部を移動させることにより補正している。
【0120】
以上の説明は投影光学系が屈折レンズのみで構成されている場合について説明したが、投影光学系として屈折レンズ、ビームスプリッター、反射ミラー系を組み合わせたカタディオプティック光学系でも良く、その屈折レンズ部分、ビームスプリッター部分、及び反射ミラーの部分に本発明同様に適用することができる。又、投影光学系が反射ミラー系のみで構成される場合にも適用することができる。
【0121】
又、投影光学系が複数個の光学エレメントから構成されている場合、加熱制御手段をそのうちの1つの光学エレメントに限って設ける必要はなく、2つ以上の光学エレメントに対して同時に適用しても良い。又、このときの加熱制御手段の制御を各光学エレメント毎に独立に又は並列的に行っても良い。
【0122】
上記各実施例において加熱手段の代わりに用いる冷却手段としては冷却空気や液体窒素や液体酸素等を供給する冷却手段を用いる。
【0123】
又、光軸に関して非回転対称な波面収差を補正し、回転対称な波面(収差)を供給する手段としては、投影光学系のレンズやミラーを光軸に対して偏心させる手段や、投影光学系中に設置した透明平行平面板を光軸に対して所望の角度で傾ける手段等も使える。
【0124】
又、光軸に関して非回転対称な波面収差を補正し、回転対称な波面(収差)を供給する別の手段としては、投影光学系の凹面鏡,凸面鏡,平面鏡の反射面を裏面側から押したり引いたりしてアクチュエーター等で変形させる手段や、投影光学系中に設置した透明平行平面板をアクチュエーター等で変形させる手段がある。
【0125】
次に上記説明した投影露光装置を利用したデバイスの製造方法の実施例を説明する。
【0126】
図34はデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、或いは液晶パネルやCCD等)の製造のフローを示す。
【0127】
ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。
【0128】
一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、前記用意したマスクとウエハを用いてリソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。
【0129】
次のステップ5(組立)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0130】
図35は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を形成する。
【0131】
ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では前記説明した露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。
【0132】
ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングがすんで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことによってウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0133】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、露光により生じた光学特性の非回転対称性を補正することができ、従って、高い解像力が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の要部概略図
【図2】図1の一部分の温度制御装置の説明図
【図3】図1のレンズ温度分布を示す説明図
【図4】図1のレンズの断面形状を示す説明図
【図5】図1のレンズの断面形状を示す説明図
【図6】図1のレンズの温度分布を示す説明図
【図7】図1のレンズの断面形状を示す説明図
【図8】図1のレンズの断面形状を示す説明図
【図9】図1の一部分の温度制御装置の説明図
【図10】図1の波面収差を示す説明図
【図11】本発明に係る他の実施例の説明図
【図12】本発明の実施例2の要部概略図
【図13】図12の一部分の説明図
【図14】図12の一部分の他の実施例の説明図
【図15】有限要素法モデルの説明図
【図16】図12のレンズの温度分布の説明図
【図17】図12のレンズの断面形状の説明図
【図18】図12のレンズの断面形状の説明図
【図19】図12のレンズの温度分布の説明図
【図20】図12のレンズの断面形状の説明図
【図21】図12のレンズの断面形状の説明図
【図22】本発明の実施例3の要部概略図
【図23】図22の一部分の説明図
【図24】レンズの光透過部を表す説明図
【図25】補正前のレンズの温度分布を表す説明図
【図26】補正後のレンズの温度分布を表す説明図
【図27】本発明の実施例4の要部概略図
【図28】照明系中のアパーチャを表す説明図
【図29】照明系中のアパーチャを表す説明図
【図30】レンズの光透過部を表す説明図
【図31】補正前のレンズの温度分布を表す説明図
【図32】レンズの光透過部を表す説明図
【図33】補正前のレンズの温度分布を表す説明図
【図34】本発明のデバイスの製造方法のフローチャート
【図35】本発明のデバイスの製造方法のフローチャート
【図36】従来のステップアンドスキャン方式の露光装置の概略図
【図37】ステッパーとステップアンドスキャン方式の露光装置による露光領域の説明図
【図38】ステップアンドスキャン方式の露光装置における投影光学系のレンズの光透過領域の説明図
【符号の説明】
8,201,303 レチクル(第1物体)
9,202,304 投影光学系
10,203,305 ステージ
W ウエハ(第2物体)
204 照明光束
205 スリット開口
7,206 アパーチャー
208 光軸
221,222 加熱手段
15,223,314 制御手段
224,315 記憶手段
27 CCDカメラ
28 演算手段
2,20 光源
5,23 ハーフミラー
4,25 偏光板
16 フォーカス調整装置
3,22 シャッター
310〜313 温度制御装置

Claims (7)

  1. 第1物体をスリット状の光で照明する手段と、
    前記スリット状の光で照明される前記第1物体のパターンを第2物体に投影する投影レンズと、
    前記第1物体及び第2物体を前記スリット状の光及び前記投影レンズに対して走査する手段と、
    前記スリット状の光で前記パターンを投影することにより前記投影レンズに生じる光学特性の非回転対称性を実質的に補正する補正手段と、を有していることを特徴とする投影露光装置。
  2. 第1物体をスリット状の光で照明する手段と、
    前記スリット状の光で照明される前記第1物体のパターンを第2物体に投影する投影レンズと、
    前記第1物体及び第2物体を前記スリット状の光及び前記投影レンズに対して走査する手段と、
    前記スリット状の光で前記パターンを投影することにより前記投影レンズに生じる前記走査の方向と該走査方向に直交する方向に関する光学特性の差を補正する補正手段と、を有していることを特徴とする投影露光装置。
  3. 前記補正手段は、前記露光により生じた前記投影レンズの光軸に関して非回転対称な温度分布を、略回転対称な温度分布に変換する温度制御手段を有することを特徴とする請求項1又は2の投影露光装置。
  4. 前記温度制御手段は、前記投影レンズの所望の部分に熱を与える加熱手段を有することを特徴とする請求項3の投影露光装置。
  5. 前記温度制御手段は、前記投影レンズの所望の部分を冷やす冷却手段を有することを特徴とする請求項3の投影露光装置。
  6. 前記温度制御手段は、前記投影レンズの複数のレンズの温度分布を制御することを特徴とする請求項3の投影露光装置。
  7. 請求項1〜6の何れか1項記載の投影露光装置を用いてデバイスパターンをウエハに露光する段階と、該ウエハを現像する段階とを含むことを特徴とするデバイスの製造方法。
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