JP3651974B2 - 日射センサ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、日射センサが夜を検出したときに負荷を作動させる日射センサ装置に関し、貯湯槽内の水の加温を制御する給湯機(例えば電気温水器)等に好適に用いられる日射センサ装置に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】
従来より、日射センサにより昼夜判別を行い、夜を検出した時点から負荷を作動させる道路標識や照明灯などの制御機器が種々知られている。
【0003】
ところが、このような制御機器では昼夜判別を行う日射センサが、例えば実際には夜であるのに昼のような状況下に置かれたりすると、日射センサとしての機能が阻害され、制御機器が正常に動作しないといった問題があった。
【0004】
例えば、日射センサにより夜を検出し、夜間だけLEDや電球等を点灯させる道路標識や照明灯の場合、夜間、日射センサに例えば他の照明等の光が長時間照射されるなどして、照射された時間だけ点灯しなかったり、点灯時間が遅れたりする。また、何らかの理由により日射センサに長時間に渡り蔭がかかって、昼間でも点灯した状態になるといった問題があった。
【0005】
また、所望の時間だけ貯湯槽内の水を所定温度にするために、水の加熱・保温(以下、加温という)が可能なように、ヒートポンプユニット等の加温手段を設け、この加温手段の作動をリモコンやヒートポンプユニットなどに設けたマイコンのタイマーで一定時間行うようにし、予めマイコンに記憶させたプログラムにより、貯湯槽内の水の加温を制御するようにした、例えばヒートポンプ式給湯機が知られている。
【0006】
このような給湯機において、上記のような日射センサを用い、これにより夜になったことを検出し、夜間の必要な時間だけ貯湯槽内の水の加温を行うものが提案されている(例えば、特願平6−149533号)。このような給湯機では、夜間、日射センサに例えば他の照明等の光が長時間照射されるなどして、照射された時間だけ加温が行われないことが生じる。また、これにより夜間等の電気料金の安い時間帯で水の加温が行えなかったり、夜間の加温が不十分となるので、昼間での加温が低電力で行うことができないといった問題が生じる。
【0007】
そこで、本発明では上述の諸問題を解消し、日射センサでもって昼夜を正確に判別でき、特に夜間での負荷の作動を確実に行うことが可能な信頼性の優れた日射センサ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の日射センサ装置は、照度を検出する2つのセンサから成るとともに、各センサの受光面が地面に対して40〜50°に傾斜するように地面に向かって、互いに異なる方向に向けられている日射センサと、該日射センサの少なくとも一方のセンサからの所定照度以下の検出信号に基づいて作動が開始される負荷とを備えたことを特徴とする。
【0009】
ここで、負荷の作動開始とは、負荷の作動の切替えも含むものとする。すなわち、負荷が日射センサの検出信号を受ける前に作動していた場合に、日射センサの検出信号により前とは異なる作動に切替わるようにする場合も含むものとする。
【0010】
また、日射センサを太陽電池とすれば、照度検出手段の電源を不要にすることができ、省スペース化が可能となる。
【0011】
さらに、日射センサ装置として負荷が特に給湯機(例えば、電気温水器)用の貯湯槽内の加温水量を可変とする湯量制御手段であるものに適用させれば、電力の有効利用が可能な優れた給湯機を提供できる。
【0012】
特に、日射センサの地面に向けて傾斜させた受光面を、地面に対して40〜50度の角度にするとともに、受光面どうしを互いに反対方向に向けるようにすれば、より正確に昼夜の判定を行うことができる。
【0013】
【作用】
上記構成の日射センサ装置によれば、ライト等の光源で日射センサの判別を誤ることはなく、日射センサは昼夜の判別を正確に行うことができ、夜間に負荷を確実に作動させることができ、負荷の誤作動を極力防止できる。
【0014】
特に、電気温水器等の給湯機に上記日射センサ装置を適用させた場合には、夜間等の電気料金の安い時間帯に加温(沸き上げ)を行ったり、季節に応じた適宜の加温をヒートポンプユニット等の湯量制御手段でもって確実かつ効果的に行うことができ、夜間に充分に水を加温することが可能となり、昼間での加温を極力低電力で行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係る一実施例を図面に基づき詳細に説明する。
まず、図1に示す給湯機Sの構成について説明する。給湯用の貯湯槽1内は常に水で満たされるように、給水管P1が貯湯槽1の下部に図示しない減圧弁を介して接続されている。また、貯湯槽1の上部から常に約55℃以上の湯が給湯できるように給湯管P2が配管されている。また、貯湯槽1の上部と下部には、後記するヒートポンプユニット2により加温された湯が供給されるように、往き配管P3,戻り配管P4がヒートポンプユニット2を介して接続され、これら配管により湯を循環させる。
【0016】
ここで、ヒートポンプユニット2は、貯湯槽1内の水の加温及び加温制限を行う湯量制御手段として屋外に設けられたものであり、ヒートポンプユニット2内には蒸発器、圧縮器、熱交換器が設けられており、冷媒の性質(液体が蒸発し気体になる時に熱を吸収し、気体が凝縮し液体になる時に熱を放出する性質)を利用して、大気熱により蒸発器で冷媒を蒸発させて熱を吸収し、圧縮器にて冷媒を圧縮して、高温・高圧のガスとして熱交換器に送り、貯湯槽1からの水に熱を吸収させて凝縮し液体となって蒸発器に戻るサイクルを繰り返し、貯湯槽1内の水を温水(湯)にするものである。
【0017】
この実施例では、貯湯槽1の下部より往き配管P3を通じて冷たい水をヒートポンプユニット2内の熱交換器に送り、熱交換器で高温の湯にし、貯湯槽1の上部へ戻り配管P4を通じて戻し、貯湯槽1の上部から徐々に湯を貯えるようにしている。
【0018】
また、屋外に設けられたヒートポンプユニット2のフロントカバー2aの上方には、図2に示すごとく太陽電池である日射センサ3が周囲の照度を検出し昼夜を判別するべく配設されており、照度を検出してその検出信号をヒートポンプユニット2の制御基板に設けられた、ヒートポンプユニット2の制御手段であるマイコン4へ信号出力する。
【0019】
そして、この出力信号により予め定められた設定時間でヒートポンプユニット2による加温を制限させるべく、マイコン4内のタイマーを作動させる。この設定時間はマイコン4のROMに書き込まれている。このようにして、これらヒートポンプユニット2,日射センサ3及びマイコン4でもって日射センサ装置Nが構成されている。
【0020】
ここで、日射センサ3はポリカーボネートの透明カバー5の内側両端に配設され、照度のセンシングは単結晶のシリコン太陽電池で行うが、太陽電池以外の周知の光電変換手段が使用可能である。この日射センサ3は左右2つの受光面を有しており(左センサ3L,右センサ3R)、2方向の照度を測定することにより、夕暮れ時に点灯される光源(蛍光灯、白熱灯等)の照射による誤動作を極力防止するようにしている。
【0021】
すなわち、日射センサ3の受光面がの全てが地面とは逆の上方に向いているような場合、例えば真上から光源の光が照射されると日射センサ3の昼夜の判定を誤る危険性があるため、この実施例のように受光面を地面に向けて傾斜させる必要があるのである。地面に対し30゜〜90゜の間で実験を行った結果、40〜50度程度にしておけば誤動作しないことが実験より明らかになった。そこで、受光面の角度は図3(b)に示すように地面に対し約45度の傾斜を左センサ3L,右センサ3R共に持たせた。なお、日射センサ3の受光面は少なくとも一つを地面に向ければよい。
【0022】
また、真正面からライトが照射された場合、ヒートポンプユニット2のフロントカバー2aから乱反射した光が、日射センサ3の透明カバー3aに入射するのを防がなければならない。そこで、透明カバー3aとヒートポンプユニット2のフロントカバー2aとの角度を90゜〜120゜の間でその影響について調べたところ、ほぼ100〜110度程度で誤動作しないことがわかり、本実施例では図3(a)に示すように約100度とした。さらに、光源の直達光を避けるため、図3(b)の様に左センサ3L,右センサ3Rの位置は、透明カバー3aより少し内側にするとともに、受光方向が互いに逆向きになるようにした。
【0023】
また、上記構成に加え、サーミスタである温度センサT1が外気温を検出できるようにヒートポンプユニット2に配設し、さらに貯湯槽1の表面には少なくとも上部から水50リットルの位置に温度センサT2が、また、水100リットルの位置に温度センサT3が配設しており、貯湯槽1の表面温度から貯湯槽1内の水の残湯量をマイコン4で判定することができるようにしている。なお、これら温度センサは貯湯槽1内に配設してもよい。
【0024】
次に、このような日射センサ3を利用した給湯機Sの概略作動について、図4に基づきながら説明する。周辺がまだ明るいときには、左センサ3L,右センサ3R共に昼と判定し(10,13,14)、ヒートポンプユニット2は通常運転を行う(ステップ15)。ヒートポンプ周辺にライト等の光源が無かった場合、夕方になると周辺は暗くなるため、図2の日射センサL1の判定は夜となり(ステップ10,11)、貯湯槽のお湯の沸き上げ量に制限を開始する(ステップ12)。また、夕暮れ時に既に、左センサ3L、もしくは右センサ3Rの2方向から光源(蛍光灯、ライト等)が照射されていた場合、日射センサ3の2方向受光式の構造上、どちらか一方の受光面は日射センサ3本体の影となるため夜を検出することが出来る(ステップ10,13,11,12)。
【0025】
次に、給湯機Sのさらに詳細な作動について、図5に基づき説明する。まず、日射センサ3による日射の検出に何ら障害がない通常状態について説明する。日射センサ3により所定照度(日没での照度;例えば20ルクス)以下の照度の検出信号が得られたかどうかを判定する(ステップ100)。ここで、所定照度の20ルクスは、夕立ちや一時的な物のかげになった場合でも、決してこの値以下には達しないことを実験等により確認して決定されたものである。また、この判定において、日射センサ3の出力が急激に変化した場合(例えば、1V前後の電圧変化があった場合)には、そのデータをマイコン4でキャンセルするようにしている。また、何らかの理由により一時的に(例えば数分程度)周囲が夜のように暗くなるようなことがあったり、一つの太陽電池に影がかかっていたりしても夜と判定して、判定を誤ることがないように構成している。
【0026】
ステップ100において、マイコン4が夜と判定すれば、マイコン4内のメモリーに、現在、周囲が夜であることの情報が記憶される(ステップ110)。そして、マイコン4内の18時間タイマー(以下、18Hタイマーという)をリセットする(ステップ120)。その後、ヒートポンプユニット2により湯量制御を開始する。すなわち、貯湯槽1に戻す湯の量を制限する(ステップ130)。また、それと同時にマイコン4内の6時間タイマー(以下、6Hタイマーという)Aの時間計測をスタートさせる(ステップ140)。
【0027】
次に、6HタイマーC1の時間計測が終了したかどうかを判定する(ステップ150)。ここで、6HタイマーC1の時間計測が終了した場合には、6HタイマーC1をリセットする(ステップ160)。それと同時に、ヒートポンプユニット2における湯量制御を解除する(ステップ170)。すなわち、湯量制御を約6時間行うようにしている。そして、18Hタイマーの時間計測を開始させる(ステップ180)。
【0028】
次に、日射センサ3が昼を検出したかどうかをマイコン4が判定する(ステップ190)。すなわち、日射センサ3が所定照度より高い照度の検出信号を発生させたかどうかを判定する。このステップ190において、マイコン4が昼と判定すれば、マイコン4内のメモリーに、現在、周囲が昼であることの情報が記憶される(ステップ200)。そして、ステップ100に戻る。
【0029】
一方、日射センサ3が何らかの理由により昼夜の判別が困難となっている場合について説明する。例えば、夜になる前から日射センサ3にライトが照射されているような場合について説明する。
【0030】
まず、ステップ100において、日射センサ3が夜を検出したかどうかを判定する。このステップ100では日射センサ3は昼夜の判別を誤るため、ステップ210に進み、18Hタイマーが時間計測を終了したかどうかを判定する。
【0031】
ここで、18Hタイマーが時間計測を終了していない場合には、ステップ100に戻る。18Hタイマーの時間計測が終了していれば、マイコン4は周囲が夜であることを判定し、マイコン4内のメモリーに、現在、周囲が夜であることの情報が記憶される(ステップ220)。そして、マイコン4内の18時間タイマー(以下、18Hタイマーという)をリセットする(ステップ230)。さらに、マイコン4内の6HタイマーC2の時間計測をスタートさせ(ステップ240)、ヒートポンプユニット2により湯量制御を開始する。すなわち、貯湯槽1に戻す湯の量を制限する(ステップ250)。
【0032】
次に、再度日射センサ3により夜を検出しているかどうかを判定する(ステップ260)。ここで、日射センサ3にまだライトの光が照射されているような状態で昼を検出している場合には、再度、ステップ260に戻る。また、6HタイマーC2がスタート後、昼の検出が5分以上続く場合には次のステップ270へ進んで、6時間経過後に6HタイマーC2をリセットする(ステップ280)。そして、ステップ170へ進んで、正常なルーチンへ入る。一方、この時点で夜が検出されれば、6HタイマーC2をリセットし(ステップ290)、ステップ140へ進む。
【0033】
以上、説明したように、18Hタイマーが一日の日射センサにおける判定時間のバックアップとなり、たとえ日射センサ3に夜間、光が照射されても、湯量制御を確実に行わせることが可能になる。
【0034】
次に、具体的な湯量制御について図6に基づき説明する。まず、温度センサT1からの検出信号をマイコン4で判別し(ステップ30,40)、外気温が所定温度以下であれば、ヒートポンプユニット2が残湯量を100リットルとするべくヒートポンプユニット2の湯量制御を行う(ステップ50)。
【0035】
一方、外気温が所定温度より高ければ、ヒートポンプユニット2が残湯量を50リットルとするべくヒートポンプユニット2の湯量制御を行う(ステップ60)。すなわち、例えば冬場は湯の使用量が夏場に比較してかなり多くなるので、残湯量の制限を夏場よりも多くなるようにするのである。
【0036】
そして、Bモード(加温する貯湯槽1内の水の量を制限するモード、すなわち湯量制御のモード)でタイマーの設定時間(6時間)だけヒートポンプユニット2の加温制御を行う(ステップ70)。マイコン4のタイマーの設定時間を越えると、ヒートポンプユニット2をAモード(貯湯槽1内に流れ込んだ水の加熱を行い、常に貯湯槽1内の湯を満杯にするモード)で作動させるべく制御する(ステップ80)。
【0037】
このように、一般に家庭での湯の使用量が多くなる時間帯は夕方であり、この時間帯を太陽電池3により、湯の使用量多くなる時間帯をセットしなくとも、自動的にセッティングを行い、また停電が生じた場合の再設定の必要がない。また、通常定められている電力使用料金の安い時間帯(PM11:00〜AM7:00)に、大部分の貯湯槽1内の水の加熱が可能となる。
【0038】
なお、夏場では太陽電池3からの所定照度以下の検出信号は冬場より遅れるが、夏場ではヒートポンプの水に対する加熱能力は小さくても済むため、時間帯別料金内に貯湯槽1内の全ての水の加熱が充分可能である。具体的には夏場では貯湯槽1内の水を全て湯にするのに要する時間は約4時間、冬場では約8時間となる。そこで、18Hタイマーや6HタイマーC1,C2のそれぞれを、季節等に応じて適宜計測時間を変更するようにしてもよい。
【0039】
なお、本実施例はごく一例を開示しただけであって、日射センサとして太陽高度及び方位が検出できるような高性能なものを使用したり、太陽電池以外の照度センサを使用するようにしてもよい。
【0040】
また、道路標識や装飾用照明装置等の照明の点灯開始や警告音を発生させるような警報装置の警告音の発生等に、本実施例で用いた日射センサ装置を適用してもよく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更し実施が可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明の日射センサ装置によれば、昼から夜に変わるときに光源(蛍光灯、白熱灯等)が照射されても、光源に直接照射されないようにしたので、誤動作なく夜間の検出が可能となる。また、真上や真正面から光源が照射された場合であっても、日射センサの受光面を地面に対して最適の角度で傾斜させるようにしたので昼夜の判定を誤ることがない。
【0042】
特に、電気温水器等の給湯機に上記日射センサ装置を適用させた場合には、夜間等の電気料金の安い時間帯や季節に応じた適宜の加温(沸き上げ)をヒートポンプユニット等の湯量制御手段により確実かつ効果的に行うことができ、さらに、夜間に充分に水を加温することが可能となり、昼間での加温を低電力で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例である日射センサ装置の概略構成図である。
【図2】ヒートポンプユニットの一例を示す正面図である。
【図3】(a)は日射センサの平面図であり、(b)は日射センサの部分断面図である。
【図4】本発明に係る日射センサ装置の作動の概略を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る日射センサ装置の作動の詳細を示すフローチャートである。
【図6】湯量制御の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ・・・ 貯湯槽
2 ・・・ ヒートポンプユニット(負荷)
3 ・・・ 日射センサ
4 ・・・ マイコン
N ・・・ 日射センサ装置
S ・・・ 給湯機
T1,T2,T3 ・・・ 温度センサ
Claims (3)
- 照度を検出する2つのセンサから成るとともに、各センサの受光面が地面に対して40〜50°に傾斜するように地面に向かって、互いに異なる方向に向けられている日射センサと、該日射センサの少なくとも一方のセンサからの所定照度以下の検出信号に基づいて作動が開始される負荷とを備えた日射センサ装置。
- 前記日射センサが太陽電池であることを特徴とする請求項1に記載の日射センサ装置。
- 前記負荷が給湯機用貯湯槽内の加温水量を可変させる湯量制御手段であることを特徴とする請求項1乃至2に記載の日射センサ装置。
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