JP3651775B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体装置及びその製造方法に係り、特にトレンチ型キャパシタを有するDRAMなどの半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
DRAMのデザインルールの微細化に伴うトレンチ型キャパシタ容量の低下は、従来、キャパシタ絶縁膜の薄膜化及びトレンチ深さの増加によるキャパシタ表面積増加により改善されている。
【0003】
例えば,従来方法により製造されたDRAMセルの一例の断面図を図7に示す。このDRAMセルはディープトレンチ型と呼ばれ、トレンチを深くすることによりキャパシタ容量の増加を図っている。
【0004】
図7において、半導体基板11の表面領域には第1、第2の拡散層12,13が形成され、これらの拡散層12,13に跨って半導体基板11の表面には、ゲート酸化膜14を介してゲート電極であるワードライン15がポリシリコンまたはタングステンシリサイドにより形成される。この拡散層12、13とワードライン15によりトランジスタ10が形成される。ワードライン15の周りにはシリコン窒化膜(SiN膜)16が形成され、一方の拡散層13の上にはポリシリコンによりビットライン17が形成される。
【0005】
他方の拡散層12に隣接した半導体基板11中には深い(ディープ)トレンチ20が形成され、半導体基板11の表面から約1μmの位置まではトレンチ20の側壁にはカラー酸化膜21が形成される。
【0006】
カラー酸化膜21の下方の深さ5−7μmのトレンチ20の残りの部分を囲むように半導体基板11中に砒素を拡散して形成されたキャパシタ電極22が設けられる。このキャパシタ電極22はキャパシタの一方の電極として用いられる。
【0007】
トレンチ20の内側壁面にはキャパシタ電極22に接してNO膜で形成されたキャパシタ絶縁膜23が形成され、トレンチ20の内部空間は第2のキャパシタ電極24として用いられる砒素がドープされたポリシリコン層が充填される。このキャパシタ電極24の上部は拡散層12の側面と接して形成される。
【0008】
このようにしてキャパシタ電極22、24とその間に挟まれたキャパシタ絶縁膜23によりキャパシタ25が形成される。
【0009】
ここで、キャパシタ25ヘの電荷蓄積方法を以下に説明する。ワードライン15にセル選択信号が供給されてONされたトタンジスタ10を介し、ビットライン17より拡散層13→拡散層12→キャパシタ電極24へと電荷が流れ、又はその逆の向きに電荷が流れ、キャパシタ電極24、キャパシタ絶縁膜23及びキャパシタ電極22より形成されるDRAMキャパシタ25ヘ電荷が蓄積される。この時ディープトレンチ20側壁のカラー酸化膜21は拡散層12とキャパシタ電極22との短絡を防止するように設けられているものである。
【0010】
本構造のDRAMにおいて、デバイスのデザインルールの微細化に伴い、例えばトレンチ20の直径が小さくなると、DRAMキャパシタ25の容量の低下が発生する。これに対する対策としては、(1)キャパシタ絶縁膜23の薄膜化によるキャパシタ容量増加、または、(2)トレンチ20をより深く形成することでキャパシタ表面積を増加させることによるキャパシタ容量の増加である。
【0011】
対策(1)のキャパシタ絶縁膜23の薄膜化は現状プロセスである、NH3窒化+熱CVDによるSiN形成+熱酸化プロセスにおいて、許容リーク電流2E−8A/cm2では,薄膜限界CV値が40オングストロームであり,さらなる薄膜化は大幅な絶縁膜材料の変更を必要する。
【0012】
また、対策(2)のトレンチをより深くする方法は、デザインルール微細化による深いトレンチを形成するためのエッチングであるRIEプロセスの著しいエッチングレート低下、選択比低下、及びRIEのためのマスク材の厚膜化等により、生産性が低下する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の方法ではキャパシタ絶縁膜の更なる薄膜化、より深いトレンチを形成するときの種々の問題の解決に多くの障害があり、デザインルールの微細化の下で充分なキャパシタ容量を確保する方法が見出されていないという問題があった。
【0014】
そこで、この発明は、デザインルールの微細化の下で充分なキャパシタ容量を確保するための構成を有する半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板中にトレンチを形成する工程と、
このトレンチの内壁に第1のキャパシタ電極となる拡散層を形成する工程と、
前記トレンチ内に前記拡散層表面に接してシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記シリコン酸化膜上にポリシリコン膜を形成する工程と、
前記ポリシリコン膜を介して前記シリコン酸化膜を選択的にウエットエッチングして複数のボイドを形成する工程と、
前記ポリシリコン膜をドライエッチングにより剥離する工程と、
シリコン酸化膜をウエットエッチングにより剥離するとともに前記形成されたボイドに対応して前記拡散層表面を粗面化する工程と、
この粗面化された拡散層表面に沿ってキャパシタ絶縁膜を形成する工程と、
前記キャパシタ絶縁膜を介して前記トレンチ内に前記粗面化された拡散層表面形状に沿った外周表面形状を有する第2のキャパシタ電極を形成する工程とを具備することを特徴とする。
【0021】
この構成によりデザインルールの微細化の下で十分なキャパシタ容量を確保するための構成を有する半導体装置の製造方法を提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、この発明をDRAMに適用した場合の一実施の形態の一つのセルの構成を示す断面図である。図において、半導体基板31の表面領域には第1、第2の拡散層32,33が形成され、これらの拡散層32,33に跨って半導体基板31の表面には、ゲート酸化膜34を介してゲート電極であるワードライン35がポリシリコンまたはタングステンシリサイドにより形成される。この拡散層32、33とワードライン35によりトランジスタ30が形成される。ワードライン35の周りにはシリコン窒化膜(SiN膜)36が形成され、一方の拡散層33の上にはポリシリコンによりビットライン37が形成される。
【0024】
他方の拡散層32に隣接した半導体基板31中には深い(ディープ)トレンチ40が形成され、半導体基板31の表面から約1μmの位置まではトレンチ40の側壁にはカラー酸化膜41が形成される。
【0025】
カラー酸化膜41の下方の深さ5−8μmのトレンチ40の残りの部分を囲むように半導体基板31中に砒素を拡散して形成されたキャパシタ電極42が設けられる。このキャパシタ電極42はキャパシタの一方の電極として用いられ、その表面が粗面42Rとなっている。
【0026】
トレンチ40の粗面42Rとなっている内側壁面にはキャパシタ電極42に接してNO膜で形成されたキャパシタ絶縁膜43が形成され、トレンチ40の内部空間は第2のキャパシタ電極44として用いられる砒素がドープされたポリシリコン層が充填される。このキャパシタ電極44の上部は拡散層32の側面と接して形成される。
【0027】
このように、キャパシタ電極42の表面が粗面42Rとなっているので、その上に形成されるキャパシタ絶縁膜43はこの粗面42Rの表面形状に沿った凸凹な形状を持った薄膜となる。このキャパシタ絶縁膜43は、全体としては薄膜状態で、実質的にその表面積が増加したものとなる。
【0028】
さらに、第2のキャパシタ電極44は、粗面42Rの表面形状に沿った凸凹な形状を持った薄膜のキャパシタ絶縁膜43と接する面が粗面化されたものとなる。
【0029】
このようにしてキャパシタ電極42、44とその間に挟まれたキャパシタ絶縁膜43によりキャパシタ45が形成されるが、この場合、キャパシタ絶縁膜43はこの粗面42Rの表面形状に沿った凸凹な形状を持った薄膜となっているから、このキャパシタ絶縁膜43は、実質的にその表面積が増加したものとなり、キャパシタ45の容量は大きく増加される。
【0030】
以下、図2の(a)乃至(f)を参照して、図1に示したこの発明の実施の形態を有する半導体装置の製造方法の一例を説明する。
【0031】
まず、図2(a)に示すように、半導体基板、即ちウエハ31上にSiNパターン膜50及びバッファー酸化膜51をマスクとしてディープトレンチ30を開孔する。このディープトレンチ30の深さは、例えば6−9μmとなっている。
【0032】
この状態で、図1のカラー酸化膜41が形成されるべきトレンチ30の上部のカラー形成部411に相当する部分、即ちゲート酸化膜34から約1μmの深さ迄を図示しないバリアで覆った状態で、トレンチ30の内壁から砒素を例えば固相拡散法により拡散させてキャパシタ電極42を形成する。
【0033】
この状態で、前記バリアを除去した後で、トレンチ30の内壁全面を覆うようにSiO2膜52が例えばCVD法によって形成され、さらに、引き続きこのSiO2膜52上にシリコン膜53が形成される。
【0034】
ここで、SiO2膜52を形成した際のトレンチ30内のステップカバレージの評価を行った結果を説明する。図4(a)は、この評価の為のサンプル構造を示し、図2(a)に対応する部分は同一の参照符号を付してある。図4(a)で、SiO2膜52をCVD法で形成する際、TEOS膜を温度600℃〜700℃、圧力0.1〜3Torr、TEOS流量10〜200sccmの条件下で成膜した場合のステップカバレッジは、図4(b)に示すように、トレンチ30のカラー部411の上部、即ちSi半導体基板31の表面31Sより1μmの深さの値は70%であるが、トレンチ30の底部31BのSi基板表面31Sより8μmの深さの値の方が35%と悪くなっていた。
【0035】
しかしながら、HTO膜を温度700℃〜800℃、圧力0.1〜1Torr、SiH2CL2流量(以下DCSと略称する)100sccm、N2O流量200sccmの条件下で形成した場合のカバレッジは、トレンチカラー下部の1μm位置で99%、トレンチ30の下部30Aでは95%と良好であった。
【0036】
又、SiO2膜52をCVD法で形成した後で、その上にSi膜53を例えばポリシリコン又はアモルファスシリコンによって形成する。このときのステップカバレッジを図4(c)に示す。
【0037】
ポリシリコン膜53を温度580℃〜650℃、圧力0.1〜1Torr、SiH4流量100〜500sccmの条件下で成膜した場合のカバレッジは、トレンチ30のカラー部411の下部、即ち表面31Sから1μmの位置では94%であるが、8μmの底部では73%と悪かった。
【0038】
しかし、アモルファスSi膜(以下aSi膜)を温度500℃〜570℃、圧力0.1〜1Torr、SiH4流量100〜500sccmの条件下で成膜した場合のカバレッジは、トレンチ30のカラー部411の下部1μmの位置では99%であり、トレンチ底部30Bでも95%と良好であった。
【0039】
この実施の形態では、下層のSiO2膜52として、SiN膜50の表面部におけるTEOS膜を300オングストロームの厚さに形成し、上層のシリコン膜53としては、SiN膜50の表面部におけるアモルファスSi膜を300オングストロームの厚さに形成した。
【0040】
その後、図2(a)における膜52、53の形成工程後、アモルファスSi膜53の結晶化の為に、900℃で60分の窒素ガスN2によるアニール処理が行われる。
【0041】
この状態で、上層の結晶化されたアモルファスSi膜53と下層のSiO2膜52に対して、NH4FまたはHF(以下NH4Fで説明する)によるウエットエッチングが行われる。このとき、結晶化アモルファスSi膜53はNH4Fに対してその結晶粒界における浸透耐性が劣るために、図2(b)に示すように、上層のアモルファスSi膜53の結晶化による結晶粒界を介した下層SiO2膜52に対するNH4Fの浸透により、下層の酸化膜、すなわちSiO2膜52のエッチングが進行し、その結果、下層のSiO2膜52中に複数のボイド55が形成される。
【0042】
このときの下層酸化膜52のウエットエッチング量は150オングストローム〜200オングストロームに設定され、アモルファスSi膜53で全面被覆されたウエハ31がウエットエッチング処理されることになる。この際、アモルファスSi膜53はNH4F液に対してその結晶粒界の浸透耐性がないため、NH4Fウェットエッチング液は、アモルファスSi膜53自体をほとんどエッチングしないが,その結晶粒界を浸透し,下層のTEOS膜52まで達する。この為、TEOS膜である下層SiO2膜52がエッチングされ、多くのボイド55が形成されることになる。
【0043】
このとき、下層のSiO2膜52の厚みがトレンチ30の上部のカラー部411では大きいので、ボイド55はこのカラー部411では殆ど発生しない。なぜなら、このカラー部411の膜厚は200オングストローム以上であるのに対し、下層の酸化膜52のウェットエッチング量は200オングストローム以下であるからである。即ち,このウエットエッチングによるボイド55は、カラー部411の下部からトレンチ30の底部30Bにかけて多く形成される。
【0044】
図4から明らかなように、下層SiO2膜52のTEOS膜のカバレッジ特性から、下層SiO2膜52中のボイド55の発生頻度は、トレンチ底部30Bのほうがカラー部411下部より大となる。さらに前記下層SiO2膜52中のボイド55の発生頻度は、NH4Fによる下層酸化膜52のウエットエッチング量、あるいは前記下層酸化膜52形成時の厚さの調整により制御可能である。
【0045】
ついで、図3(a)に示す工程に移り、上層アモルファスSi膜53に対して、CDEを用いたドライエッチングにより全面剥離処理を実施する。この上層アモルファスSi膜53のCDEエッチング処理による全面剥離後、さらに、前記下層SiO2膜52中のボイド55位置にてSi基板31のキャパシタ電極42である拡散層においてCDEエッチングが進行し、キャパシタ電極42の表面が粗面化される。
【0046】
キャパシタ電極42の表面の粗面化レベル即ち凹凸の深さと幅は、CDE条件、即ち、エッチングの際のプラズマ発生空間におけるO2、N2、CF4のガス流量や圧力、あるいはプラズマ発生に用いられる電力、時間等により制御可能である。
【0047】
このようにして、図3(b)に示すように、下層のSiO2膜52がNH4Fによるウエットエッチングの結果、全面剥離処理される。これにより粗面42Rを有するキャパシタ電極42の形成工程は終了する。
【0048】
引き続き図3(c)に示す工程に移り、前記粗面42Rを形成したキャパシタ電極42の表面にキャパシタ絶縁膜43をNO膜により形成し、さらに内側のキャパシタ電極44を砒素をドープしたポリシリコン膜により形成する工程を実施する。
【0049】
さらに引き続き、図3(d)に示す工程に進み、前記キャパシタ電極44及びキャパシタ絶縁膜43の上部に対してカラー酸化膜41の形成のためのエッチバック工程を行ってトレンチ30の上部内壁ならびにSiN膜36を露出させ、カラー酸化膜41を形成し、形成された酸化膜のうちの余分な部分をエッチバックして図示の部分のみにカラー酸化膜41を残し、最後に内側のキャパシタ電極244を砒素ドープポリシリコン膜により形成する。
【0050】
このようにして形成された最終的な本実施の形態のディープトレンチ型のDRAMセルの断面構造が図1に示されたものとなる。
【0051】
図5に、図2(a)、(b)における上層Si膜53としてポリシリコン膜を用いた場合とアモルファスSi膜を用いた場合の夫々の膜厚と、NH4F液に対する粒界浸透耐圧ならびに形成されるボイドの規模を検証するためのシリコン基板に形成されたピンホール数との関係を示す。このとき用いられたサンプルは、用意されたシリコン基板上に下層膜52としてSiO2膜を500オングストローム厚で形成(熱酸化)し、ついで、上層のSi膜としてポリシリコン膜を形成した場合とアモルファスSi膜を形成した場合との比較を行った。この上層Si膜がポリシリコン膜の場合はそのまま用い、アモルファスSi膜の場合は結晶化アニール処理を実施して用意した。
【0052】
このように用意されたサンプルに対して、NH4Fによるウェットエッチング処理を行うと、図2(b)の工程で説明したように、浸透耐性の劣る上層のSi膜結晶粒界をNH4F液が浸透し、下層のSiO2膜がエッチングされ、複数のボイドが形成される。
【0053】
このボイドの規模を検証する為に、まず、上層Si膜をCDEにより全面剥離し、次に、ボイドが形成された下層SiO2膜ならびにシリコン基板をCDEによりエッチングする。この段階でシリコン基板にボイドに対応してピンホールが発生する。
【0054】
次いで、下層SiO2膜をNH4Fによるウェットエッチングにより全面剥離処理し、シリコン基板表面のピンホールをチェックした。その結果、上層Si膜がポリシリコン膜のときの結晶粒界に対するNH4F液の浸透耐性があるのは膜厚600オングストローム以上であり、アモルファスSi膜の場合の結晶粒界に対するNH4F液の浸透耐性があるのは膜厚が450オングストローム以上であることが分かった。夫々、600オングストローム以下、450オングストローム以下の薄膜化時は急激に浸透耐性の劣化が生じるが、これは下層SiO2膜まで貫通する上層膜の結晶粒界の存在確率が上がる為である。また、浸透耐性がポリシリコン膜よりアモルファスSi膜のほうが大きいのは、膜自体の粒界存在確率が、ポリシリコン膜のほうがアモルファスSi膜より大きい為である。また、図5の結果より、ポリシリコン膜およびアモルファスSi膜の膜厚制御により、シリコン基板のピンホール数、即ち表面粗度を制御できる事がわかる。
【0055】
以上のように、この実施の形態により、キャパシタ電極表面の粗面化、即ち表面積増加が可能となり、DRAMセルキャパシタの容量増加が達成される。図6にこの発明による製造方法で製造されたディープトレンチ型DRAMセルのキャパシタ容量(Cs)を、図7の従来構造のセルのキャパシタ容量と比較した結果を示す。図6から明らかなように、本発明では従来方法のCsを1としたときに1.3の値を示し、30%のキャパシタ容量増加が達成された。
【0056】
他の実施の形態として、前記実施の形態と同様にシリコン基板上にディープトレンチを開孔してシリコン基板内に外側のキャパシタ電極を拡散層として形成した後、前記実施の形態における図2(a)の工程において、下層SiO2膜52の形成に引き続き、上層Si膜53の形成が行われる際、前記下層SiO2膜としてHTO膜、上層Si膜としてポリシリコン膜を適用した場合についても、前記第1の実施の形態と同様な効果が得られる。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、半導体装置のデザインルールの微細化に伴うDRAMキャパシタ容量の低下を、キャパシタ絶縁膜の薄膜化及びトレンチを深くしてキャパシタ表面積を増加させることにより改善し、さらにキャパシタ電極表面を粗面化してキャパシタ電極の表面積を実質的に拡大することで容易に向上させる事が可能となり、キャパシタ容量の増加を達成する事ができる、半導体装置及びその製造方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明をDRAMに適用した実施の形態のセル断面を示す断面図。
【図2】図1の構造のセルを製造する工程を示す断面図。
【図3】図2に続くセル製造工程を示す断面図。
【図4】図2の製造工程に用いる種々のCVD膜のステップカバレッジと基板表面からの距離との関係を示す図。
【図5】この発明の半導体装置の製造に用いられるシリコン基板に形成されるピンホール数とシリコン膜の膜厚との関係を示す図。
【図6】この発明による構造のキャパシタ容量を従来と比較して示す図。
【図7】従来のDRAMのセル断面を示す断面図。
【符号の説明】
30…トランジスタ
31…シリコン基板
42…キャパシタ電極
42R…粗面
43…キャパシタ絶縁膜
44…キャパシタ電極。
Claims (9)
- 半導体基板中にトレンチを形成する工程と、
このトレンチの内壁に第1のキャパシタ電極となる拡散層を形成する工程と、
前記トレンチ内に前記拡散層表面に接してシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記シリコン酸化膜上にポリシリコン膜を形成する工程と、
前記ポリシリコン膜を介して前記シリコン酸化膜を選択的にウエットエッチングして複数のボイドを形成する工程と、
前記ポリシリコン膜をドライエッチングにより剥離する工程と、
シリコン酸化膜をウエットエッチングにより剥離するとともに前記形成されたボイドに対応して前記拡散層表面を粗面化する工程と、
この粗面化された拡散層表面に沿ってキャパシタ絶縁膜を形成する工程と、
前記キャパシタ絶縁膜を介して前記トレンチ内に前記粗面化された拡散層表面形状に沿った外周表面形状を有する第2のキャパシタ電極を形成する工程とよりなることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記シリコン酸化膜の形成工程は、前記ボイドの発生頻度を制御するために、前記シリコン酸化膜厚を所望のキャパシタ容量に応じて制御する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記半導体基板はシリコン基板であり、前記ポリシリコン膜の形成工程は、前記ポリシリコン膜の形成膜厚を制御して前記シリコン基板の所望のピンホール数、即ち表面粗度を制御する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記ウエットエッチング工程における前記シリコン酸化膜のエッチング量を制御してこのシリコン酸化膜中の前記ボイドの発生頻度を制御する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記ポリシリコン膜をドライエッチングにより剥離する工程は、所望のキャパシタ容量に応じて前記ドライエッチング工程におけるポリシリコン膜のエッチング量を制御する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記トレンチ内に前記拡散層表面に接してシリコン酸化膜を形成する工程は、CVD法または熱酸化法を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記シリコン酸化膜上にポリシリコン膜を形成する工程は、CVD法を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記ポリシリコン膜を介して前記シリコン酸化膜を選択的にウエットエッチングして複数のボイドを形成する工程は、NH4F又はHFを用いることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記ポリシリコン膜をドライエッチングにより剥離する工程は、CDEを用いることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
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