JP3651611B2 - 反射型カラー表示装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電界などの外部刺激の有無または程度に応じて、屈折率の周期的な変化により特定波長帯域の色光を反射する調光層を備える反射型カラー表示装置に関する。
電界や磁界などの外部刺激の有無または程度に応じて、特定波長帯域の色光を反射し、または透過させる反射型表示素子として、素子内の屈折率の周期的な変化を利用した干渉反射方式によるものが考えられている。
この干渉反射方式による反射型表示素子は、外光の利用効率が高い、明暗のコントラストが高い、色純度が高い、などの特長を有するほか、反射波長帯域が異なることにより表示色が異なる複数の表示素子を積層することによって、多色表示が可能となる。
この屈折率の周期的な変化を利用した干渉反射方式による反射型表示素子として、特許文献1(特開平6−294952号公報)には、液晶と高分子とを交互に層状に形成した液晶高分子複合体を調光層とするものが示されている。
この場合、液晶層と高分子層との周期的な屈折率の差によって、特定波長帯域の反射光を生じる。また、調光層に印加される電圧に応じて液晶の屈折率が変化するので、その電圧を変えることによって、反射率が0%の透過状態から一定の反射率の状態まで、反射率を制御することができる。そして、屈折率の変化の周期が異なる複数の調光層ないし表示素子を積層することによって、多色の調光が可能となり、フルカラー表示が可能な反射型カラー表示装置を実現することができる。
図12は、この特許文献1(特開平6−294952号公報)に示された反射型カラー表示装置で、透明基板11,12間に調光層51が挟持された表示素子1、透明基板13,14間に調光層52が挟持された表示素子2、および透明基板15,16間に調光層53が挟持された表示素子3が積層され、表示素子3の裏面側に黒色の光吸収層25が設けられたものである。
調光層51,52,53は、それぞれ上記の液晶高分子複合体として形成され、それぞれ青(400〜500nm)、緑(500〜600nm)、赤(600〜700nm)の色光を反射するもので、それぞれの反射率を独立に制御できるように、それぞれに対して透明電極41,42,43,44,45,46が設けられる。したがって、加法混色により任意の表示色が得られる。
なお、特許文献2(特開平7−92483号公報)の図8および0032,0033段には、液晶と高分子とが交互に層状に形成された光学素子において、素子の外光入射側の表面に光散乱板を設けることにより、視野角を広くすることが示されている。
上に挙げた先行技術文献は、以下の通りである。
特開平6−294952号公報 特開平7−92483号公報
しかしながら、液晶高分子複合体のような、屈折率の周期的な変化を利用した反射型表示素子では、反射波長が外光の入射角に依存して変化する問題がある。図13を用いて、この反射波長の入射角依存性について示すと、同図(A)に示す反射型表示素子は、調光層53の外光101の入射側と反対側に黒色の光吸収層25が設けられ、外光101の入射角θが0゜のとき、その外光101中の赤色光が調光層53によって反射され、それ以外の色光が調光層53を透過した後、光吸収層25に吸収されるように、形成されたものである。
しかし、外光101の入射角θが0゜のときには、干渉を生じる2つの光の光路差が最も大きくなることにより、調光層53の反射波長帯域は最も長波長側となるが、入力角θが大きくなるに従って、上記の光路差が小さくなることにより、調光層53の反射波長帯域は短波長側にシフトする。そのため、外光101の入力角θと調光層53の反射波長帯域との関係は、例えば図13(B)に示すようになる。
すなわち、図13(A)の反射型表示素子は、外光101の入射角θが0゜のときには、本来の600〜700nmの波長帯域が反射波長帯域となるものの、入力角θが大きくなるに従って、反射波長帯域の短波長端および長波長端が短波長側にシフトし、入力角θが50゜以上になると、本来の600〜700nmの波長帯域は全く反射しなくなる。
したがって、特許文献1(特開平6−294952号公報)に示され、かつ図12に示した従来の反射型カラー表示装置では、外光が調光層51,52,53に対して斜めの方向に入射すると、緑色光を反射すべき調光層52が、緑色光とともに青色光を反射し、または青色光のみを反射し、赤色光を反射すべき調光層53が、赤色光とともに緑色光を反射し、または緑色光のみを反射し、さらには緑色光とともに青色光を反射するなどによって、表示色が本来の色に対して大きく変化してしまう欠点がある。
この反射波長の視覚依存性は、反射型表示素子が拡散照明下に置かれていて、いかなる方向から観察しても反射光を観察できる場合に、特に問題となり、スポットライトや太陽光線などのように直進性の強い照明下では、それほど問題にならない。しかし、スポットライトや太陽光線などのように直進性の強い照明下では、反射光は正反射方向にのみ進行するので、それ以外の方向から観察するのは容易でなく、かりに観察できる場合でも、逆に鏡面性が強く、まぶしすぎて、表示装置としては適切でない。
特許文献2(特開平7−92483号公報)には、この問題を解決するために、上記のように調光層の表面に光散乱板を設けて視野角を広くすることが示されている。しかしながら、この方法では、視野角が広くなる反面、表示色の色純度が著しく低下する欠点がある。
そこで、この発明は、屈折率の周期的な変化により特定波長帯域の色光を反射する調光層を備える反射型カラー表示装置において、見る角度によって表示色が変化しないとともに、色純度も低下しないようにしたものである。
第1の発明の反射型カラー表示装置は、
複数の調光層が積層され、
それぞれの調光層は、屈折率の周期的な変化によって特定波長帯域の色光を反射するものとされるとともに、外光入射側に近いものほど前記特定波長帯域が短波長側となるように互いの前記特定波長帯域が変えられ、
前記複数の調光層の隣り合う調光層の間に、カラーフィルタ層が設けられ、
そのカラーフィルタ層は、少なくとも前記隣り合う調光層のうちの外光入射側から離れた方の調光層の前記特定波長帯域の色光を透過させ、少なくとも前記隣り合う調光層のうちの外光入射側に近い方の調光層の前記特定波長帯域の色光を吸収することを特徴とする。
第2の発明の反射型カラー表示装置は、
複数の調光層が積層され、
それぞれの調光層は、屈折率の周期的な変化によって特定波長帯域の色光を反射するものとされるとともに、外光入射側に近いものほど前記特定波長帯域が短波長側となるように互いの前記特定波長帯域が変えられ、
前記複数の調光層の隣り合う調光層の間に、カラーフィルタ層が設けられ、
そのカラーフィルタ層は、前記隣り合う調光層のうちの外光入射側に近い方の調光層の前記特定波長帯域と前記隣り合う調光層のうちの外光入射側から離れた方の調光層の前記特定波長帯域との間に設定されたカットオフ波長より短波長の色光を吸収し、前記カットオフ波長より長波長の色光を透過させることを特徴とする。
なお、この明細書で「色光」とは、可視光を意味する。
例えば、それぞれ外光の入射角が0゜のときに青、緑、赤の色光を反射する3つの調光層を積層する場合について示すと、外光入射側に最も近い第1層の調光層が青色光を反射するものとされ、中間の第2層の調光層が緑色光を反射するものとされ、外光入射側と反対側の第3層の調光層が赤色光を反射するものとされる。
そして、第1層の調光層と第2層の調光層との間には、青色光を吸収し、緑色光および赤色光を透過させるカラーフィルタ層が設けられ、第2層の調光層と第3層の調光層との間には、青色光および緑色光を吸収し、赤色光を透過させるカラーフィルタ層、または緑色光を吸収し、青色光および赤色光を透過させるカラーフィルタ層が設けられる。
したがって、外光の入射角が大きいことにより、第2層の調光層の反射波長帯域が緑の波長帯域から青の波長帯域側にシフトしても、第1層の調光層と第2層の調光層との間のカラーフィルタ層により、第2層の調光層には青色光が入射しないので、第2層の調光層によって青色光が反射されることがないとともに、第3層の調光層の反射波長帯域が赤の波長帯域から緑の波長帯域側にシフトしても、第2層の調光層と第3層の調光層との間のカラーフィルタ層、および第1層の調光層と第2層の調光層との間のカラーフィルタ層により、第3層の調光層には緑色光および青色光が入射しないので、第3層の調光層によって緑色光、さらには青色光が反射されることがない。
すなわち、第1層、第2層、第3層の調光層は、外光の入射角が大きいときでも、結果的に、それぞれの反射波長帯域が、本来の青、緑、赤の波長帯域内で短波長側にシフトして狭くなるだけで、本来の青、緑、赤の波長帯域より短波長側にシフトしてしまうことがない。したがって、見る角度によって表示色が変化しないとともに、色純度も低下しない。
以上のように、この発明によれば、屈折率の周期的な変化により特定波長帯域の色光を反射する調光層を備える反射型カラー表示装置において、見る角度によって表示色が変化しないとともに、色純度も低下しないようになる。
〔実施例1…図1、図2〕
図1は、この発明の反射型カラー表示装置の第1の例を示す。この例の反射型カラー表示装置は、透明電極41,42が形成された透明基板11,12間に調光層51が挟持され、透明基板12の裏面側にカラーフィルタ層81が形成された表示素子1、透明電極43,44が形成された透明基板13,14間に調光層52が挟持され、透明基板14の裏面側にカラーフィルタ層82が形成された表示素子2、および、透明電極45,46が形成された透明基板15,16間に調光層53が挟持され、透明基板16の裏面側に光吸収層85が形成された表示素子3が、図の上側である外光入射側から順に積層されたものである。
調光層51,52,53は、それぞれ、液晶66と高分子65とが交互に層状に形成されたものとされるとともに、後述するように、調光層51は、反射波長帯域が青の波長帯域とされ、調光層52は、反射波長帯域が緑の波長帯域とされ、調光層53は、反射波長帯域が赤の波長帯域とされる。また、カラーフィルタ層81は、青色光を吸収し、緑色光および赤色光を透過させるものとされ、カラーフィルタ層82は、青色光および緑色光を吸収し、赤色光を透過させるものとされる。
表示素子1,2,3は、同様の方法によって製造することができる。すなわち、まず、それぞれガラス基板からなる透明基板11(13,15),12(14,16)の一面に、それぞれITO膜からなる透明電極41(43,45),42(44,46)を100nmの厚みに形成する。
次に、透明基板11(13,15),12(14,16)を、それぞれ透明電極41(43,45),42(44,46)を形成した面側を内側にして、後述するような所定の間隔で対向させ、両者間に、液晶と光硬化性高分子との混合液を装填する。
液晶としては、ビフェニル、ターフェニル、フェニルベンゾエート、アゾベンゼン、フェニルシクロヘキシル、フェニルピリミジンなどを液晶性骨格に有する棒状低分子からなる液晶材料を用いることができる。
光硬化性高分子は、モノマーと光重合開始剤との混合物で、可視光で重合する高分子である。モノマーとしては、例えば、アクリル、アクリルアミド、メタクリルなどのラジカル重合性またはイオン重合性の化合物を用いることができ、光重合開始剤としては、例えば、開裂型の光重合開始剤である、ベンゾイン、ベンゾインエーテル、ベンゾインケタールなどや、水素引き抜き型の光重合開始剤である、ベンジル、ベンゾフェノン、ミヒラースケトンなどや、イオン反応型の光重合開始剤である、アリルジアゾニウムフロロほう酸塩などを用いることができる。
また、ほかに、熱重合禁止剤、バインダーポリマー、オリゴマー、連鎖移動剤などを適宜添加してもよい。また、可視光領域の受光感度を向上させるために、光硬化性高分子にローズベンガルやメチレンブルーなどの増感色素を加えてもよい。
次に、透明基板11(13,15),12(14,16)の両側から混合液中に、同位相のレーザ光を後述するような角度で照射する。これによって、混合液中に干渉縞が形成され、その干渉縞に沿って光硬化性高分子が重合されて、高分子と液晶とが層状に相分離した構造が形成される。ただし、ここでは層状の周期構造が形成されることが本質であり、相分離の有無は本質ではない。重合した高分子鎖が液晶でゲル状に膨潤した液晶高分子ゲルであってもよい。
混合液から形成される調光層51(52,53)の厚みは、1〜20μmの範囲に選定する。調光層51(52,53)の厚みがこれより大きい場合には、反射率の制御のために透明電極41(43,45),42(44,46)間に印加する電圧を極度に高くしなければならず、好ましくない。また、調光層51(52,53)の厚みが0.5μm以下の場合には、反射率が低くなって、好ましくない。
実際に、青の波長帯域を反射波長帯域とする調光層51を得るために、アルゴンイオンレーザからの488nmの2本のレーザ光を、透明基板11,12の両側から混合液中に、それぞれ透明基板11,12に垂直に、すなわち180゜の交差角で入射させた。これによって、調光層51として、490nmの位置に反射スペクトルピークを有するものが得られた。
また、緑の波長帯域を反射波長帯域とする調光層52を得るために、アルゴンイオンレーザからの488nmの2本のレーザ光を、透明基板13,14の両側から混合液中に、134゜の交差角で入射させた。これによって、調光層52として、530nmの位置に反射スペクトルピークを有するものが得られた。
さらに、赤の波長帯域を反射波長帯域とする調光層53を得るために、アルゴンイオンレーザからの488nmの2本のレーザ光を、透明基板15,16の両側から混合液中に、99゜の交差角で入射させた。これによって、調光層53として、640nmの位置に反射スペクトルピークを有するものが得られた。
このようにして作製した表示素子1の透明基板12の裏面に、黄色の色素を含む高分子膜を塗布して、上記のように青色光を吸収し、緑色光および赤色光を透過させるカラーフィルタ層81を形成した。また、同様に作製した表示素子2の透明基板14の裏面に、赤色の色素を含む高分子膜を塗布して、上記のように青色光および緑色光を吸収し、赤色光を透過させるカラーフィルタ層82を形成した。さらに、同様に作製した表示素子3の透明基板16の裏面に、黒色の色素を含む高分子膜を塗布して、すべての色光を吸収する光吸収層85を形成した。最後に、これら表示素子1,2,3を積層して、実施例1の反射型カラー表示装置を得た。
なお、カラーフィルタ層81,82を形成する色素は、透明性の高いものが望ましく、染料系のものが好適である。光吸収層85を形成する黒色色素としては、カーボンブラックなどが好適である。また、それぞれの層のバインダー高分子としては、ポリイミド、ポリアクリル、ポリビニル、ポリエステルなどを用いることができる。
図2は、上記のようにして製造した実施例1の反射型カラー表示装置を、入射角θが10゜の方向からスポット光で照明したときの、調光層51,52,53の正反射光の反射スペクトル、およびカラーフィルタ層81,82の透過スペクトルを示し、カラーフィルタ層81のカットオフ波長を、調光層51の反射波長帯域と調光層52の反射波長帯域との間の500nmに設定し、カラーフィルタ層82のカットオフ波長を、調光層52の反射波長帯域と調光層53の反射波長帯域との間の600nmに設定したものである。
これからも明らかなように、実施例1の反射型カラー表示装置によれば、入射角θが大きいことにより、調光層52の反射波長帯域が青の波長帯域側にシフトしても、カラーフィルタ層81により調光層52には青色光が入射しないので、調光層52によって青色光が反射されることがないとともに、調光層53の反射波長帯域が緑の波長帯域側にシフトしても、カラーフィルタ層82および81により調光層53には緑色光および青色光が入射しないので、調光層53によって緑色光、さらには青色光が反射されることがない。
すなわち、図10に、外光の入射角θと調光層53の反射波長帯域との関係を示すように、調光層51,52,53は、外光の入射角θが大きいときでも、結果的に、それぞれの反射波長帯域が、本来の青、緑、赤の波長帯域内で短波長側にシフトして狭くなるだけで、本来の青、緑、赤の波長帯域より短波長側にシフトしてしまうことがない。
実施例1の反射型カラー表示装置を、図11(A)の反射型カラー表示装置10で示すように、積分球5を用いた、照明体7による拡散照明下に置き、反射型カラー表示装置10の法線方向に対して検出角θoの方向に検出器9を配して、反射型カラー表示装置10からの反射光のCIE・L色度座標を測定し、色相の検出角依存性を求めるために、
ΔC=〔{a(θo)−a(0゜)}
+{b(θo)−b(0゜)}1/2 …(1)
で表されるΔCを定義した。ΔCが大きいほど色相の変化が大きいもので、したがってΔCは小さいほど好ましいものである。
図11(B)において黒丸によりプロットしたものは、実施例1の反射型カラー表示装置で、調光層53を反射状態とし、調光層51,52を透過状態としたときの、検出角θoに対するΔCの変化を示す。ただし、θo≧50゜では反射率がほとんど0%となったため、θo≦40゜の範囲をプロットしたものである。これからも明らかなように、実施例1によれば、後述する比較例と比較して、θo=20〜40゜において色相の変化が著しく抑圧される。
このように、図1の実施例1によれば、見る角度によって表示色がほとんど変化しないとともに、色純度もほとんど低下しない。
〔実施例2…図3、図4〕
図3は、この発明の反射型カラー表示装置の第2の例を示す。この例の反射型カラー表示装置は、全体的な構成は図1の実施例1と同じであるが、特に調光層51,52,53がコレステリック液晶(カイラルネマティック液晶)からなる点が実施例1と異なる。
表示素子1,2,3は、同様の方法によって製造することができる。すなわち、まず、それぞれガラス基板からなる透明基板11(13,15),12(14,16)の一面に、それぞれITO膜からなる透明電極41(43,45),42(44,46)を100nmの厚みに形成する。
次に、図では省略しているが、透明電極41(43,45),42(44,46)上に、それぞれポリイミドからなる配向膜を形成し、その表面を布で一方向に擦る、いわゆるラビング処理を行う。
次に、透明基板11(13,15),12(14,16)を、それぞれ透明電極41(43,45),42(44,46)を形成した面側を内側にして、所定の間隔で対向させ、両者間に、ネマティック液晶にカイラル剤を添加して調製したコレステリック液晶を装填して、調光層51(52,53)を形成する。
透明基板11(13,15),12(14,16)間に装填されたコレステリック液晶は、上記のように透明電極41(43,45),42(44,46)上に配向膜が形成されることにより、透明電極41(43,45),42(44,46)間に電圧が印加されないときには、図3に示すように、ヘリカル軸が透明基板11(13,15),12(14,16)に対して垂直となり、液晶分子が透明基板11(13,15),12(14,16)と平行に配列されたプレーナ配向状態とされる。
したがって、調光層51,52,53は、これに電圧が印加されないときには、調光層51,52,53を構成するコレステリック液晶のヘリカルピッチによって決まる特定波長の光のうちの、コレステリック液晶のヘリカル方向と同一の旋光方向を有する円偏光を選択的に反射させ、特定波長の光のうちのコレステリック液晶のヘリカル方向と逆の旋光方向を有する円偏光、および特定波長以外の波長の光を透過させる。
また、調光層51,52,53に、ある閾値以上の電圧が印加されると、調光層51,52,53を構成するコレステリック液晶は、その液晶分子が基板と垂直に配列されたホメオトロピック様の配向状態に相転移して、そのヘリカル構造が消失し、調光層51,52,53は、すべての色光を透過させる状態となる。
そして、コレステリック液晶のヘリカルピッチは、カイラル剤の種類や添加量によって決まる。したがって、カイラル剤の添加量を調整し、コレステリック液晶のヘリカルピッチを調整することによって、調光層51,52,53による選択反射の波長を設定することができる。
しかも、調光層51,52,53は、選択反射状態では、コレステリック液晶のヘリカルピッチを1周期として、屈折率が周期的に変化する構造となるとともに、そのために、図1の実施例1の液晶66と高分子65とが交互に層状に形成されたものと同様に、反射波長が外光の入射角に依存して変化する。
実際に、ネマティック液晶としてメルク社製E44を、カイラル剤としてメルク社製CB15を、それぞれ使用し、カイラル剤CB15の添加量を、それぞれ50,42,35重量%とすることにより、調光層51,52,53として、それぞれ反射スペクトルの中心波長が450nm、560nm、640nmとなるものを得た。
このようにして作製した表示素子1,2の透明基板12,14の裏面に、図1の実施例1と同様のカラーフィルタ層81,82を形成し、表示素子3の透明基板16の裏面に、実施例1と同様の光吸収層85を形成し、最後に、これら表示素子1,2,3を積層して、実施例2の反射型カラー表示装置を得た。
図4は、上記のようにして製造した実施例2の反射型カラー表示装置を、入射角θが10゜の方向からスポット光で照明したときの、調光層51,52,53の正反射光の反射スペクトル、およびカラーフィルタ層81,82の透過スペクトルを示し、カラーフィルタ層81のカットオフ波長を、調光層51の反射波長帯域と調光層52の反射波長帯域との間の500nmに設定し、カラーフィルタ層82のカットオフ波長を、調光層52の反射波長帯域と調光層53の反射波長帯域との間の600nmに設定したものである。
実施例2の反射型カラー表示装置を、図11(A)の反射型カラー表示装置10で示すように、積分球5を用いた、照明体7による拡散照明下に置き、反射型カラー表示装置10の法線方向に対して検出角θoの方向に検出器9を配して、反射型カラー表示装置10からの反射光のCIE・L色度座標を測定し、色相の検出角依存性を求めるために、上記の式(1)で表されるΔCを定義した。
図11(B)において黒の四角によりプロットしたものは、実施例2の反射型カラー表示装置で、調光層53を反射状態とし、調光層51,52を透過状態としたときの、検出角θoに対するΔCの変化を示す。ただし、θo≧50゜では反射率がほとんど0%となったため、θo≦40゜の範囲をプロットしたものである。これからも明らかなように、実施例2によれば、後述する比較例と比較して、θo=20〜40゜において色相の変化が著しく抑圧される。
このように、図3の実施例2によれば、見る角度によって表示色がほとんど変化しないとともに、色純度もほとんど低下しない。また、実施例2によれば、調光層51,52,53としてコレステリック液晶を用いるので、調光層51,52,53は上述したように特定波長の光のうちのコレステリック液晶のヘリカル方向と同一の旋光方向を有する円偏光のみしか反射せず、反射スペクトルピークが50%を超えることはないが、広い反射波長帯域幅が容易に得られ、明るい表示が可能となる。
上記の比較例は、この実施例2の反射型カラー表示装置において、カラーフィルタ層81,82を省略したものである。
比較例の反射型カラー表示装置を、図11(A)の反射型カラー表示装置10で示すように、積分球5を用いた、照明体7による拡散照明下に置き、反射型カラー表示装置10の法線方向に対して検出角θoの方向に検出器9を配して、反射型カラー表示装置10からの反射光のCIE・L色度座標を測定し、色相の検出角依存性を求めるために、上記の式(1)で表されるΔCを定義した。
図11(B)において白丸によりプロットしたものは、比較例の反射型カラー表示装置で、調光層53を反射状態とし、調光層51,52を透過状態としたときの、検出角θoに対するΔCの変化を示す。これから明らかなように、比較例の反射型カラー表示装置では、見る角度によって表示色が大きく変化してしまう。
〔実施例3…図5〕
図5は、この発明の反射型カラー表示装置の第3の例を示す。この例の反射型カラー表示装置は、図1の実施例1の反射型カラー表示装置の透明基板12,13,15を省略するとともに、カラーフィルタ層81,82を接着剤83,84で形成することによって、調光層51,52,53を互いに近接させた場合である。
この例の反射型カラー表示装置を製造するには、まず、ガラス基板からなる透明基板11の一面に、ITO膜からなる透明電極41を100nmの厚みに形成し、次に、透明電極41上に、液晶と光硬化性高分子との混合液を1〜20μmの厚みに塗布し、次に、その混合液を塗布した透明基板11をチャンバー内に入れて、空気を窒素に置換した後、混合液の両側から混合液中に、同位相のレーザ光を後述するような角度で照射して、液晶と高分子とが層状に分離した構造の調光層51を形成し、次に、その調光層51上に、ITO膜からなる透明電極42を100nmの厚みに形成する。
空気を窒素に置換するのは、空気の存在により光硬化性高分子の硬化反応が阻害されるのを防止するためであるが、光硬化性高分子として空気の存在下でも硬化反応が阻害されないものを用いる場合には、必ずしも空気を窒素に置換する必要はない。
同様に、透明基板14の一面に透明電極44を形成し、透明電極44上に液晶と光硬化性高分子との混合液を塗布し、その混合液中にレーザ光を照射して調光層52を形成し、その調光層52上に透明電極43を形成するとともに、透明基板16の一面に透明電極46を形成し、透明電極46上に液晶と光硬化性高分子との混合液を塗布し、その混合液中にレーザ光を照射して調光層53を形成し、その調光層53上に透明電極45を形成する。
実際に、実施例1と同様に、アルゴンイオンレーザからの488nmの2本のレーザ光を、それぞれの混合液中に、それぞれ180゜,134゜,99゜の交差角で入射させ、これによって、調光層51,52,53として、それぞれ490nm、530nm、640nmの位置に反射スペクトルピークを有するものを得た。
次に、透明基板11上の調光層51上の透明電極42と、透明基板14上の調光層52上の透明電極43とを、黄色の染料を含む接着剤83によって接着し、透明基板16上の調光層53上の透明電極45を、透明基板14の裏面に、赤色の染料を含む接着剤84によって接着し、透明基板16の裏面に光吸収層85を形成して、実施例3の反射型カラー表示装置を得る。
接着剤83,84は、それぞれ黄色、赤色の染料を含むことによって、上述したカラーフィルタ層81,82を構成するもので、一液型、二液型のいずれでもよく、アクリル系、エポキシ系など、いずれの材料のものでもよい。硬化の形態も、熱硬化型、紫外線硬化型など、いずれでもよい。
この実施例3によれば、図1の実施例1と同様に、見る角度によって表示色がほとんど変化しないとともに、色純度もほとんど低下しない。さらに、この実施例3によれば、調光層51,52間には透明基板が存在しないとともに、調光層52,53間には1枚の透明基板14しか存在しないので、図1の実施例1に比べて、斜め方向から見たときの視差が少なくなる利点がある。
〔実施例4…図6〜図9〕
図1、図3、図5の実施例1,2,3によれば、見る角度によって表示色がほとんど変化しないとともに、色純度もほとんど低下しない。しかし、図10の反射領域で示し、かつ図11(B)において上述したように、入射角θないし検出角θoが一定以上になると、具体的には50゜以上になると、調光層51,52,53の反射率がゼロとなるため、斜め方向からでは表示が見えない不都合がある。
図6は、この発明の反射型カラー表示装置の第4の例を示し、上記の点を考慮して、斜め方向からでも表示を見ることができるように、図3の実施例2の反射型カラー表示装置の、透明基板11と透明電極41との間に光散乱層90を設けた場合である。
すなわち、この例では、透明基板11の一面に光散乱層90を形成し、その光散乱層90上に透明電極41を形成する。そのほかの構成および製造方法は、実施例2と同じである。ただし、調光層51,52,53の反射スペクトルの中心値は、後述する理由により、実際上、それぞれ510nm、570nm、700nmとした。
光散乱層90としては、
A.屈折率の異なる微粒子を含む系、例えば、(A1)酸化チタン、酸化鉛、硫酸バリウムなどの白色無機顔料や、樹脂や有機低分子材料などの有機微粒子や、繊維などを、樹脂などのバインダーに分散させた染料、(A2)気泡を含む樹脂、(A3)セラミック板、(A4)微結晶を含む結晶性高分子、(A5)微結晶を含むガラスや、
B.屈折率の異なる複数の材料が相互に入り組んだ系、例えば、(B1)複数の樹脂またはそれらのモノマー同士をいったん均一に混ぜ合わせ、次に相分離させて得た複合樹脂材料、(B2)カルコゲンガラスなど、相分離可能なガラスや、
C.複屈折性のマルチドメインを有する材料、例えば、(C1)液晶性高分子、(C2)液晶性高分子と結晶性高分子または非結晶性高分子との複合相分離材料、(C3)液晶性高分子中に無機顔料、有機微粒子、繊維を分散させた複合材料、(C4)高分子マトリクス中に低分子液晶を分散させた複合材料や、
D.マイクロレンズアレイや光ファイバープレート、
などを用いることができる。
ただし、光散乱層90は、表示のコントラストを低下させるため、前方散乱が大きく、後方散乱が小さい材料によって形成するのが好ましい。その観点から、上記の材料のうち、マルチドメインを有する液晶性高分子が特に好適である。実際上、液晶性高分子として、poly-4-(6-Acryloxyhexyloxy)-4’-cyano-biphenyl を用いて、これをシクロヘキサノンに溶解し、透明基板11の一面に塗布して、マルチドメインを有する液晶性高分子膜からなる光散乱層90を得た。厚みは5μmとした。
また、光の散乱による表示画像のぼけを少なくするために、光散乱層90および調光層51,52,53は互いに近接して設けることが望ましい。その観点から、光散乱層90は、図6のように、透明基板11と透明電極41との間に設けるのが好ましく、また、透明基板11〜15の厚みは、できるだけ小さい方が望ましい。また、同じ観点から、光散乱層90の厚みも小さいほどよく、その意味からもマルチドメインを有する液晶性高分子膜は好適である。
光散乱層90の作用を、図7を用いて示す。図7は、青、緑、赤の入射光101が調光層51,52,53に斜めに入射する場合を示し、同図(A)は、図3の実施例2のように光散乱層90がない場合、同図(B)は、図6の実施例4のように光散乱層90がある場合である。調光層51,52,53は、便宜上、液晶と高分子とが層状に分離した構造のものとしているが、コレステリック液晶からなるものでも同じである。
この場合、光散乱層90は、外部から調光層51,52,53への入射光路上に置かれた光散乱手段と、調光層51,52,53から外部への出射光路上に置かれた光散乱手段とを兼ねている。
上記のように、入射角θが大きくなるに従って、調光層51,52,53の反射波長帯域が短波長側にシフトするために、図7(A)のように光散乱層90がない場合、それぞれ調光層51,52,53に斜めに入射した青、緑、赤の入射光101は、それぞれ調光層51,52,53で青、緑、赤の反射光とならずに調光層51,52,53を透過し、カラーフィルタ層81,82、光吸収層85に吸収される。したがって、青、緑、赤の反射光は観察されない。
これに対して、図7(B)のように光散乱層90がある場合、調光層51に入射する青の入射光101は、調光層51に入射する前に光散乱層90に入射することにより、光散乱層90で散乱されて、調光層51に対する入射角が調光層51で青の反射光を生じるような角度の散乱入射光102を生じ、その散乱入射光102が調光層51に入射する。したがって、調光層51で青の反射光104を生じる。しかも、その青の反射光104は光散乱層90で散乱されて、光散乱層90からは散乱出射光105を生じる。調光層51に対する入射角が調光層51で青の反射光を生じないような角度の散乱入射光103は、調光層51を透過して、カラーフィルタ層81に吸収される。調光層52,53に入射する緑、赤の入射光101についても、同様である。
すなわち、光散乱層90が設けられた図6の実施例4では、図3の実施例2のように光散乱層90がない場合には全く反射光を生じない入射角に対しても反射光を生じるとともに、反射光を広い角度範囲から観察することが可能となる。
このように、光散乱層90は、外部から調光層51,52,53に入射する光の角度分布Aを、散乱平均化して、広がりを持った角度分布Bに変換する働きをする。そして、散乱の程度が、ある程度以上大きければ、角度分布Bは角度分布Aにそれほど依存せず、例えば、光散乱層90が完全拡散透過面である場合には、角度分布Bは角度分布Aに全く依存しなくなる。したがって、上記の効果は、外部から調光層51,52,53に入射する光の角度分布Aに依存することなく、広く得ることができるものである。
なお、上記の特許文献2(特開平7−92483号公報)に示された表示装置では、調光層の表面に光散乱板が設けられて視野角が広くされるが、反射波長の入射角依存性に対して考慮されていないために、上述したように表示色の色純度が著しく低下する。
これに対して、図6の実施例4では、カラーフィルタ層81,82が設けられるとともに、光散乱層90が設けられることによって、見る角度によって表示色がほとんど変化しないとともに、色純度もほとんど低下しない状態で、斜め方向からでも表示を見ることができるものである。
図8は、実施例4の反射型カラー表示装置を、入射角θが10゜の方向からスポット光で照明したときの、調光層53の反射スペクトルを示す。ただし、曲線201は、光散乱層90を設けない場合、したがって構造的には図3の実施例2と同じであるが、上記のように調光層53の反射スペクトルの中心波長を700nmとした場合であり、曲線202が、光散乱層90を設けた場合である。
なお、光散乱層90を設けない曲線201の場合には、透明基板11と透明電極41との界面が鏡面状になるため、光散乱層90を設けた曲線202の場合と比較して、反射光強度は約2桁大きくなる。そのため、曲線202に対する縦軸のスケールは、実際上は図の1/100である。
図8の曲線202から明らかなように、図6の実施例4のように光散乱層90を設けることにより、光散乱層90による入射角度範囲の広域化に起因して、反射スペクトル幅が広くなるとともに、調光層53への入射角が平均して大きくなることに起因して、反射スペクトルピークが短波長側にシフトする。そして、この反射スペクトルピークの短波長側へのシフトを考慮して、上述したように、調光層51,52,53を構成するコレステリック液晶の選択反射波長の中心値を図3の実施例2の場合より長波長側に設定するものである。
図9は、実施例4の反射型カラー表示装置を、入射角θが10゜の方向からスポット光で照明したときの、調光層51,52,53の反射スペクトル、およびカラーフィルタ層81,82の透過スペクトルを示す。実施例1,2,3は調光層51,52,53の反射スペクトルが重ならないように設定する場合であるが、この実施例4のように重なりがあってもよい。
実施例4の反射型カラー表示装置を、図11(A)の反射型カラー表示装置10で示すように、積分球5を用いた、照明体7による拡散照明下に置き、反射型カラー表示装置10の法線方向に対して検出角θoの方向に検出器9を配して、反射型カラー表示装置10からの反射光のCIE・L色度座標を測定し、色相の検出角依存性を求めるために、上記の式(1)で表されるΔCを定義した。
図11(B)において黒の三角によりプロットしたものは、実施例4の反射型カラー表示装置で、調光層53を反射状態とし、調光層51,52を透過状態としたときの、検出角θoに対するΔCの変化を示す。これからも明らかなように、実施例4によれば、θo=0〜90゜の範囲で反射光を観察できるとともに、上述した比較例と比較して、広い入射角範囲において色相の変化が著しく抑圧される。また、照明体7による照明の角度によっても表示色がほとんど変化しないことが認められた。
〔他の実施例〕
上述した各例に共通するが、青色光はカラーフィルタ層81に吸収されるので、カラーフィルタ層82は、マゼンタの色素を含む高分子膜を塗布するなどによって、緑色光のみを吸収し、青色光および赤色光を透過させるものとして形成してもよい。
また、図6の実施例4は、図3の実施例2のように調光層51,52,53がコレステリック液晶からなるものに光散乱層90を設けた場合であるが、もちろん、図1の実施例1のように調光層51,52,53が液晶66と高分子65との多層構造からなるものに、または図5の実施例3のように視差を減少させたものに、光散乱層を設けることもでき、その場合でも図6の実施例4と同様の効果が得られる。
また、図示した各例は、フルカラー表示が可能なように、それぞれ青、緑、赤の波長帯域を反射波長帯域とする3つの調光層51,52,53を積層した場合であるが、この発明は、例えば、それぞれ青、緑、もしくは緑、赤、または青、赤の波長帯域を反射波長帯域とする2つの調光層を積層する場合にも適用することができる。
この発明の反射型カラー表示装置の第1の例を示す断面図である。 図1の反射型カラー表示装置の各調光層の反射スペクトルおよび各カラーフィルタ層の透過スペクトルを示す図である。 この発明の反射型カラー表示装置の第2の例を示す断面図である。 図3の反射型カラー表示装置の各調光層の反射スペクトルおよび各カラーフィルタ層の透過スペクトルを示す図である。 この発明の反射型カラー表示装置の第3の例を示す断面図である。 この発明の反射型カラー表示装置の第4の例を示す断面図である。 図6の反射型カラー表示装置の光散乱層の作用の説明に供する図である。 図6の反射型カラー表示装置で光散乱層がない場合とある場合との一つの調光層の反射スペクトルを比較して示す図である。 図6の反射型カラー表示装置の各調光層の反射スペクトルおよび各カラーフィルタ層の透過スペクトルを示す図である。 各例の反射型カラー表示装置の一つの調光層の外光入射角に対する反射波長の変化を示す図である。 各例の反射型カラー表示装置と比較例の反射型カラー表示装置の外光入射角に対する色相変化の態様を説明するための図である。 従来の反射型カラー表示装置の一例を示す断面図である。 図12の反射型カラー表示装置の一つの調光層の外光入射角に対する反射波長の変化を説明するための図である。
符号の説明
1,2,3 表示素子
11,12,13,14,15,16 透明基板
41,42,43,44,45,46 透明電極
51,52,53 調光層
65 高分子
66 液晶
81,82 カラーフィルタ層
83,84 接着剤
85 光吸収層
90 光散乱層

Claims (3)

  1. 複数の調光層が積層され、
    それぞれの調光層は、屈折率の周期的な変化によって特定波長帯域の色光を反射するものとされるとともに、外光入射側に近いものほど前記特定波長帯域が短波長側となるように互いの前記特定波長帯域が変えられ、
    前記複数の調光層の隣り合う調光層の間に、カラーフィルタ層が設けられ、
    そのカラーフィルタ層は、少なくとも前記隣り合う調光層のうちの外光入射側から離れた方の調光層の前記特定波長帯域の色光を透過させ、少なくとも前記隣り合う調光層のうちの外光入射側に近い方の調光層の前記特定波長帯域の色光を吸収することを特徴とする反射型カラー表示装置。
  2. 複数の調光層が積層され、
    それぞれの調光層は、屈折率の周期的な変化によって特定波長帯域の色光を反射するものとされるとともに、外光入射側に近いものほど前記特定波長帯域が短波長側となるように互いの前記特定波長帯域が変えられ、
    前記複数の調光層の隣り合う調光層の間に、カラーフィルタ層が設けられ、
    そのカラーフィルタ層は、前記隣り合う調光層のうちの外光入射側に近い方の調光層の前記特定波長帯域と前記隣り合う調光層のうちの外光入射側から離れた方の調光層の前記特定波長帯域との間に設定されたカットオフ波長より短波長の色光を吸収し、前記カットオフ波長より長波長の色光を透過させることを特徴とする反射型カラー表示装置。
  3. 請求項1または2の反射型カラー表示装置において、
    外部から前記それぞれの調光層への入射光路上、および前記それぞれの調光層から外部への出射光路上に、光散乱手段を備えることを特徴とする反射型カラー表示装置。
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