JP3651065B2 - ヘルメット - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はヘルメット、例えば外部よりの衝撃に対して頭部を保護するためのヘルメット、特に車両事故等で加わる衝撃より車両運転者および同乗者の頭部を保護するために装着するヘルメットに関する。
【0002】
【従来技術・発明が解決しようとする課題】
ヘルメット、特に車両乗車時に装着する乗車用ヘルメットとしては、従来よりガラス繊維強化樹脂複合材料が使用されてきた。また、軽量化のためガラス繊維とビニロンなど有機繊維を組み合わせたものが提案され、さらに最近では特開平4−25445号公報に記載されているようなガラス繊維と高強度有機繊維を組合わせたヘルメットが提案されている。
【0003】
しかしながら、軽量化のために有機繊維を用いたヘルメットの材料としては、当初は汎用有機繊維が用いられていたため、ガラス繊維の使用量を減らすことができたが、強度不足を補うために有機繊維の使用量が増え結果的に帽体の厚みが増してしまい軽量化を図ることは困難であった。
かかる状況下、高強度有機繊維を用いることが検討され、汎用繊維布帛と高強度繊維布帛とを積層したヘルメットも開発されたが、軽量化のレベルは十分ではなかった。その後、汎用繊維をすべて高強度繊維に置き換えることで著しい軽量化がなされ、耐衝撃性、耐貫通性にも優れたヘルメットが提案されたが、該ヘルメットは衝撃回数が増すにつれ衝撃吸収性が低下しやすくなり、ヘルメットとして十分満足できるものではなかった。
【0004】
本発明の目的は、上記従来のヘルメットが有する問題点を解決し、十分に軽量であり、且つ、繰返し衝撃性に対して衝撃吸収性の低下の抑制されたヘルメットを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、つぎに示す特徴を有するヘルメットである。
(1)ガラス繊維よりなる層と、高強度ポリエチレン繊維を含有する不織布よりなる層とを有する積層物に熱硬化性樹脂を含浸、硬化させてなる材料にて形成されたヘルメットであって、該不織布を構成する繊維中に繊維長20〜80mmの高強度ポリエチレン繊維の短繊維が50体積%以上含有され、該不織布の目付が150g/m2 〜400g/m2 で、且つ圧縮荷重5kg/cm2 で測定した崇密度が0.3g/cm3 以下であることを特徴とするヘルメット。
(2)該不織布が、ガラス繊維と該高強度ポリエチレン繊維とよりなるハイブリッド不織布またはビニロン繊維と該高強度ポリエチレン繊維とよりなる混繊不織布である上記(1)記載のヘルメット。
【0006】
本発明においては、「高強度ポリエチレン繊維」としては、好ましくは、引張強度が25g/d以上、より好ましくは30g/d以上であるポリエチレン繊維があげられる。該引張強度はJIS L 1017にて測定したものである。かかる高強度ポリエチレン繊維としては、例えば、特公昭64−8732号公報あるいは特公平1−24887号公報などに記載された方法等によって得られたものが例示される。また、「高強度ポリエチレン繊維」としては、好ましくは弾性率が、800g/d以上、より好ましくは1000g/d以上である。引張弾性率は、JIS L 1017にて測定したものである。
【0007】
また、「高強度ポリエチレン繊維」としては、好ましくは比重が0.92〜0.98、0.96〜0.98、0.97付近のものが使用される。かくして、不織布の崇密度を下げることができ、ひいてはヘルメットを軽量化できる。
【0008】
本発明においては、繊維長が20〜80mm、好ましくは30〜60mmの高強度ポリエチレン繊維からなる不織布が使用されていることが重要である。繊維長が20mm以下の場合十分な耐貫通効果がえられなくなりヘルメットとして用をなさず、繊維長が80mm以上の場合には衝撃伝播を止める効果に薄れ繰返し耐衝撃性が悪くなる。
また、本発明においては、不織布を用いることも重要である。織物を用いた場合は、衝撃を広い面積に伝達し易いため耐衝撃性にも優れるが逆に衝撃が広がると同時に剥離も広がってしまい衝撃回数を重ねるごとに衝撃吸収性能が大きく低下し易くなってしまい本発明の目的を達成できない。
【0009】
本発明にて使用される不織布としては、高強度ポリエチレン繊維の単独よりなるものでもよいが、他の繊維を配合したものでもよい。他の繊維を配合した不織布は、該高強度ポリエチレン繊維の短繊維が50体積%以上、好ましくは60体積%以上含有されたものである。該高強度ポリエチレン繊維の短繊維の含有量が50体積%未満であると、ヘルメットの帽体の絶対的な強度が不足し、耐貫通性を維持するために不織布の目付を大きくする必要があり、ヘルメットを軽量化することが非常に困難である。
【0010】
上記他の繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維などの無機系繊維、アラミド、全芳香族ポリエステル繊維など高強度有機繊維、ポリアミド、ポリエステル、ビニロンなどの汎用工業資材用繊維などが挙げられる。これらの繊維のなかでも、ガラス繊維と該高強度ポリエチレン繊維とよりなるハイブリッド不織布またはビニロン繊維と該高強度ポリエチレン繊維は、耐衝撃性に優れ、また、含浸、硬化に用いられる熱硬化性樹脂との接着性において優れるので好ましい。特に比重の小さいビニロン繊維との混繊不織布は、軽量化においても優れた効果が得られ好ましい。
これら他の繊維の繊維長は、特に限定されないが、好ましくは30mm以上であると、本発明に有効な効果を付与できる。
【0011】
本発明で使用する不織布としては、その目付が通常150〜400g/m2 、好ましくは200〜300g/m2 であるものが使用される。目付が150g/m2 未満の場合には不織布が高強度ポリエチレン繊維100%であっても強度が不足し耐貫通性が満足されない傾向がある。また、逆に目付が400g/m2 を越える場合にはポリエチレン繊維の割合が50%であっても十分耐貫通性は満足できるが全体に嵩高になり過ぎ帽体の厚みが厚くなり軽量化の目標を達成できない傾向がある。
【0012】
また、不織布の嵩密度は、圧縮荷重5kg/cm2 で測定したときの嵩密度を、0.3g/cm3 以下、好ましくは0.2g/cm3 以下程度とすることが適当である。該嵩密度が0.3g/cm3 を越えるとき、例えば目付150g/m2 の不織布を使用したとき、積層物の厚みが0.5mm以下となり、帽体全体の平均厚みが2.5mm以下になり、耐衝撃性能が定められた規格を満足できなくなる傾向がある。
【0013】
不織布の厚みとしては、特に限定されるものではないが、ヘルメットの軽量化やヘルメットの帽体の耐衝撃性を阻害しない厚みとすることが好ましい。この点から、不織布の厚みは、通常4mm以下、好ましくは3mm以下程度の厚みが適当である。
【0014】
不織布は、上記所定の繊維長の高強度ポリエチレン繊維を、必要に応じて所定の割合の他の繊維を混合して、例えばカードウェブ積層等の既知の方法にて、所望の厚み、大きさに形成されたものである。
【0015】
ガラス繊維と不織布との積層物は、上記不織布の片面または両面にガラス繊維層を形成したものである。
この積層物は、一般にプリフォームマットと呼ばれるもので、ガラス繊維をヘルメットの型になじむように既知の方法によって、所望の厚みに堆積、固定することによって形成されたものである。例えば、図1に示すヘルメットの帽体の一部分Aの拡大断面図を図2に示す。
【0016】
ガラス繊維層の厚みは、上記不織布の厚みと関連し特に限定されないが、ヘルメットの軽量化が達成でき、かつ、ヘルメットの帽体に定められる耐衝撃性の規格を満足できる積層物が得られる範囲内の厚みとすることが好ましい。この点から、ガラス繊維層の厚みは、通常1.0〜3.0mm、好ましくは1.5〜2.5mm程度とされる。
【0017】
ヘルメットの帽体は、熱硬化性樹脂が含浸、硬化されてなる積層物にて形成されたものである。熱硬化性樹脂の含浸は、積層物を熱硬化性樹脂液中に浸漬する方法、熱硬化性樹脂液を積層物にスプレーする方法等にてなされる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0018】
ヘルメットは、上記熱硬化性樹脂が含浸、硬化されてなる積層物を、例えば加圧バック成形法、マッチドダイ成形法などの既知の方法で、所定の形状、大きさの帽体を成形して作製されたものである。
【0019】
【実施例】
実施例1〜9・比較例1〜10
表1(実施例)および表2(比較例)に示すように、加圧バック成形によりヘルメットを作成し、SNELLM90に準拠してヘルメットの性能試験を実施した。その結果を表1、2に示す。
【0020】
【表1】
Figure 0003651065
【0021】
【表2】
Figure 0003651065
【0022】
表3に上記実験例で使用した繊維素材の物性を示す。
【0023】
【表3】
Figure 0003651065
【0024】
【発明の効果】
上記実験結果からも明らかなように、本発明のヘルメットは、十分に軽量でありながら繰返し耐衝撃性に優れ、さらには耐貫通性、耐衝撃性に優れる。
したがって、本発明のヘルメットを着用することによって、着用者の頭部の負担が軽減されるとともに、車両事故等で加わる衝撃より頭部を強固に保護でき人命の保護に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヘルメットの帽体
【図2】本発明のヘルメットの帽体の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 高強度ポリエチレン繊維を含有する不織布
2 ガラス繊維層

Claims (2)

  1. ガラス繊維よりなる層と、高強度ポリエチレン繊維を含有する不織布よりなる層とを有する積層物に熱硬化性樹脂を含浸、硬化させてなる材料にて形成されたヘルメットであって、高強度ポリエチレン繊維を含有する該不織布を構成する繊維中に繊維長20〜80mmの高強度ポリエチレン繊維の短繊維が50体積%以上含有され、該不織布の目付が150g/m〜400g/mで、且つ圧縮荷重5kg/cmで測定した嵩密度が0.3g/cm以下であることを特徴とするヘルメット。
  2. 該不織布が、ガラス繊維と該高強度ポリエチレン繊維とよりなるハイブリッド不織布またはビニロン繊維と該高強度ポリエチレン繊維とよりなる混繊不織布であることを特徴とする請求項1記載のヘルメット。
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