JPH0978331A - 安全帽 - Google Patents

安全帽

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Publication number
JPH0978331A
JPH0978331A JP22817195A JP22817195A JPH0978331A JP H0978331 A JPH0978331 A JP H0978331A JP 22817195 A JP22817195 A JP 22817195A JP 22817195 A JP22817195 A JP 22817195A JP H0978331 A JPH0978331 A JP H0978331A
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JP
Japan
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cap body
safety
reinforcing fiber
woven fabric
cap
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Application number
JP22817195A
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English (en)
Inventor
Akira Nishimura
明 西村
Koji Kozuka
興治 小塚
Seishiro Ichikawa
征四郎 市川
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Publication of JPH0978331A publication Critical patent/JPH0978331A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特にFRP製殻体を含む帽体を有する安全帽に
おいて、この帽体を特定な補強繊維、補強繊維材料およ
び積層構成とするFRPにすることにより、安全性を確
保しながら軽量な帽体を提供することを目的とする。 【解決手段】補強繊維材料を樹脂で強化してなる繊維強
化プラスチック製殻体を含む帽体と、この帽体の内側に
配置した衝撃吸収体を有する安全帽において、補強繊維
材料は補強繊維からなるマット状物と補強繊維織物から
なり、該マット状物は帽体の外表面側に積層され、補強
繊維織物は帽体全面に少なくとも1層積層され、かつ帽
体重量が150〜210gであることを特徴とする安全
帽。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維強化プラスチッ
ク(以下、FRPともいう)製殻体を含む帽体を有する
安全帽に関し、特に、軽量、高強度、高耐貫通衝撃性な
どの特性が要求される場合に用いて好適な安全帽に関す
る。
【0002】
【従来の技術】鉱山、工場や土木建築分野などで頭部を
保護するため、安全帽が着用されている。これら現場
は、往々にして作業環境が悪いが、安全を確保するた
め、帽子の着用が義務づけられている。ところが、安全
帽はもともと人間の本能を束縛するものであり、着用者
の不快感も大きくなる。
【0003】ところで、直接的に貫通衝撃から頭部を保
護するにあたって大きな役割を担う帽体は、経済性の点
から、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレ
ン樹脂などの熱可塑性樹脂を射出成形して製造されてい
る。熱可塑性樹脂は他の樹脂、たとえば熱硬化性樹脂に
比べ衝撃特性に優れているとはいえ、着色剤としての顔
料の混入による衝撃特性の低下や、荷重を支えるのは樹
脂単体であるため、想定される頭部を保護するにはかな
り帽体を肉厚にしなければならず、また紫外線劣化によ
る長期安定性に欠けるため、帽体の肉厚を厚くしなけれ
ばならず、重くなっている。その結果、安全帽も重くな
っている。
【0004】また、ガラス繊維を50mm程度に切断し
ながらバインダーとともに吹き付け、帽体の形に予備賦
形したプリフォームを作製し、これを金型にセットし、
シロップ状の熱硬化性樹脂を投入して加熱・加圧し、樹
脂を硬化させる方法でも帽体が作られている。樹脂単体
の帽体とは異なり、補強繊維としてのガラス長繊維が入
っているので耐衝撃性能は向上し、また、使用される樹
脂によっては紫外線劣化もほとんど無いので、樹脂単体
の帽体よりは薄く、また軽くなっている。しかしなが
ら、ガラス繊維は引張弾性率が小さいので、軽くするた
め薄くすると帽体の剛性が小さくなってしまう。また、
補強繊維は長繊維とはいえ切断されており、衝撃的な荷
重を支えるには限度があるし、熱可塑性樹脂からなる帽
体と同様、着色剤としての顔料の使用によりFRPの衝
撃特性が低下するので、帽体を肉厚にしなければなら
ず、結果的には帽体は重いものとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に着目し、特にFRP製殻体を含む帽体を有する安
全帽において、該帽体を特定な補強繊維、補強繊維材料
および積層構成とするFRPにすることにより、安全性
を確保しながら軽量な帽体を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
安全帽は、次の構成からなる。すなわち、 (1)補強繊維材料を樹脂で強化してなる繊維強化プラ
スチック製殻体を含む帽体と、この帽体の内側に配置し
た衝撃吸収体を有する安全帽において、補強繊維材料は
補強繊維からなるマット状物と補強繊維織物からなり、
該マット状物は帽体の外表面側に積層され、補強繊維織
物は帽体全面に少なくとも1層積層され、かつ帽体重量
が150〜210gであることを特徴とする安全帽。
【0007】(2)天頂部における帽体の厚さが1.6
〜2.2mmであることを特徴とする前記(1)に記載
の安全帽。
【0008】(3)マット状物の目付が100〜500
g/m2 、補強繊維織物の目付が150〜400g/m
2 であることを特徴とする前記(1)または(2)に記
載の安全帽。
【0009】(4)マット状物がガラス繊維からなるス
トランド・マットであり、補強繊維織物が炭素繊維織物
であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか
に記載の安全帽。
【0010】(5)補強繊維織物が深絞り成形されて、
帽体の全面に切れ目なく積層されていることを特徴とす
る前記(1)〜(4)のいずれかに記載の安全帽。
【0011】(6)帽体の天頂部が、さらに部分的に補
強繊維織物で補強されていることを特徴とする前記
(1)〜(5)のいずれかに記載の安全帽。
【0012】(7)補強繊維が、引張弾性率が20×1
3 kgf/mm2 以上で、かつ、破壊歪みエネルギー
が4.0mm・kgf/mm3 以上の高靭牲炭素繊維である
ことを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載
の安全帽。
【0013】(8)補強繊維織物が、多数本の補強繊維
からなる撚のない、糸幅が3〜16mm、糸幅/厚み比
が20以上の扁平な補強繊維糸を、たて糸およびよこ糸
とする2方向性の織物であることを特徴とする前記
(1)〜(7)のいずれかに記載の安全帽。
【0014】(9)補強繊維織物のカバーファクターが
90%以上であることを特徴とする前記(8)に記載の
安全帽。
【0015】(10)衝撃吸収体が、発泡スチロール、
ゴム、スポンジ等からなる衝撃吸収ライナーであること
を特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の安
全帽。
【0016】(11)前記衝撃吸収体が、ハンモック、
ヘッドバンド、環ひも等の装着体であることを特徴とす
る前記(1)〜(9)のいずれかに記載の安全帽。
【0017】(12)衝撃吸収体の内側に、ハンモッ
ク、ヘッドバンド、環ひも等の装着体が配置されている
ことを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記
載の安全帽。
【0018】(13)繊維強化プラスチック製帽体の少
なくとも外表面が塗装仕上げされていることを特徴とす
る前記(1)〜(12)のいずれかに記載の安全帽。
【0019】(14)繊維強化プラスチック製帽体の側
部に、複数の通気孔を設けてなることを特徴とする前記
(1)〜(13)のいずれかに記載の安全帽。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面などを参照し
ながら詳細に説明する。
【0021】図1は、本発明の一実施例に係る安全帽全
体を示している。
【0022】図1において、1は安全帽全体を示してお
り、2はFRP製帽体を示している。帽体の内側には、
衝撃吸収体としての衝撃吸収ライナー3が配置されてい
る。ライナー3の内側には、ハンモック4、ヘッドバン
ド5、環ひも6からなる装着体が設けられており、ヘッ
ドバンド5にはあごひも7が接続されている。
【0023】図2は、本発明のFRP製帽体2の断面図
を示しており、FRP製殻体8の両側には塗装仕上げ剤
9が接着されている。FRP製殻体8は補強繊維からな
る2枚の補強繊維材料10と、天頂部の部分に存在せし
めた補強織物13から構成されている。補強繊維材料1
0は帽体の全面に積層されており、マット状物11と補
強繊維織物12からなり、マット状物11は帽体2の外
表面側に積層されている。
【0024】本発明においては、FRP製帽体の重量を
150〜210gの範囲とする。
【0025】本発明のFRP製帽体の重量とは、FRP
製殻体重量と塗装仕上げに使用する、サーフェイサーや
パテなどの下地処理剤、および塗料、またはゲルコート
層などの仕上げ剤の重量を含み、帽体に設けた装着体の
取付け穴部や通気孔部のFRP重量を除いた重量をい
う。つまり、安全帽から発泡スチロール、ゴム、スポン
ジ等の衝撃吸収ライナーやハンモック、ヘッドバンド、
環ひもなどの装着体を取り除いた重量である。
【0026】帽体の重量が150gより軽いと、貫通衝
撃により落下物が帽体を突き抜けたり、衝撃吸収性が悪
くなったり、また、帽体の剛性が小さくなるため、外力
による変形量が大きくなり、不安定なものとなってしま
う。また、帽体の重量が210gより重くなると、耐貫
通衝撃性や衝撃吸収性能は十分となり、帽体の剛性も大
きくなり安定した帽体となるが、重いので着用者の不快
感が大きくなる。
【0027】なお、帽体の重量のなかで、FRPの重量
は150〜180g程度である。下地処理剤、塗料、ゲ
ルコートなどの仕上げ剤は、安全帽の意匠性に関与する
ものであって、衝撃によるエネルギー吸収はほとんどな
い。したがって、できるだけ少ない方が好ましく、好み
によっては、下地処理および塗装などの仕上げ加工をし
なくともよい。仕上げ剤の重量は0〜50g程度であ
る。
【0028】補強繊維としては、炭素繊維、ガラス繊
維、ポリアラミド繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン
繊維やポリエチレン繊維などが用いられるが、とくに、
高弾性率、高強度の炭素繊維および成形後のバリ取りや
穴開け加工が容易ということでガラス繊維が好ましい。
【0029】本発明に使用する補強繊維は、これら補強
繊維単独でもよいが、なかでも、炭素繊維とガラス繊維
の、機械的な特性の異なる2種類の繊維を補強繊維とし
て併用して使用すると、衝撃に伴うエネルギーの吸収量
が大きくなる。すなわち、帽体に衝撃が加わると、衝撃
箇所で樹脂の破壊と同時に破断伸度の小さな炭素繊維が
まず破断するが、弾性率がガラス繊維に比べ高いので、
衝撃エネルギーを多く吸収する。補強繊維の破壊は、破
断伸度の異なる2種類の繊維が存在しているので、衝撃
により一気には進まず、炭素繊維が破断して後、次に伸
度の大きなガラス繊維が破断することによって、さらに
衝撃に伴うエネルギーを有効にFRP製殻体が吸収する
ことができるのである。
【0030】なお、炭素繊維といっても、種々の特性を
有する炭素繊維が存在するが、引張弾性率が20×10
3 kgf/mm2 以上で、かつ、破壊歪みエネルギーが
4.0mm・kgf/mm3 以上の高靭牲炭素繊維を使
用すると好ましい。このような、高破壊歪みエネルギー
の炭素繊維を使用することにより、成形されるFRPの
耐貫通衝撃性が向上し、局部的な外力に対して強い安全
帽用帽体が得られるのである。
【0031】炭素繊維の引張強度としては、450kg
f/mm2 以上であることが好ましく、これによって、
成形されるFRPの強度が確保される。
【0032】上記において、引張弾性率はJIS−R7
601に準拠して測定されるものである。破壊歪みエネ
ルギー(w)は、JIS−R7601に準拠して測定さ
れた引張強度をσ(kgf/mm2 )、上記引張弾性率
をE(kgf/mm2 )としたとき、式、 w=σ2 /2E で定義されるものである。
【0033】また、ガラス繊維は、引張弾性率が7×1
3 〜8×103 kgf/mm2 、引張強度が250〜
380kgf/mm2 の通常のE(Electrica
lGlass)ガラス繊維であってよいが、引張弾性率
が8〜9×103 kgf/mm2 、引張強度が350〜
500kgf/mm2 などの高強度、高弾性率のガラス
繊維であってもよい。
【0034】本発明に使用する補強繊維材料は、すなわ
ち補強繊維の中間素材の形態はマット状物と補強繊維織
物の組み合わせである。マット状物および織物を構成す
る補強繊維は同じ種類であってよいが、マット状物はガ
ラス繊維からなり、織物は炭素繊維であると、衝撃の
際、補強繊維によるエネルギー吸収量が大きくなるので
好ましい。
【0035】マット状物は、切断された単繊維を繊維配
向がランダムになるように分散し、バインダーやニード
ルパンチングなどで一体化したものであってもよいが、
単繊維が多数本集束したストランドで作られたマット状
物の方がFRPにしたときの耐衝撃性がよい。ストラン
ド・マットは、ストランドを1/2〜2インチ程度に切
断しながらバインダーとともに、繊維配向がランダムに
なるよう吹き付け、帽体の形に予備賦形したプリフォー
ムや、平面に吹き付けてシート状にしたチョップド・ス
トランド・マットであってよいし、連続しているストラ
ンドをループ状に配列し、バインダーで形態固定したコ
ンティニュアス・ストランド・マットであってもよい。
なお、樹脂の硬化収縮により、ストランドの存在してい
る箇所が局部的に凸状となるので、帽体の表面を平滑に
するためには、ストランドの太さは細いものが好まし
く、200〜500デニール程度がよい。
【0036】また、FRP製殻体の重量を軽くし、帽体
の表面を平滑にするため、成形に使用するマット状物の
目付は、好ましくは100〜500g/m2 である。マ
ット状物の目付が100g/m2 より小さいと、マット
層が薄くなるので、またはストランドが存在しない空隙
部が大きくなるので、補強繊維織物を構成する織糸の屈
曲によるFRP表面の凹凸を防止しにくくなる。マット
状物の目付が500g/m2 を越えると、本発明の帽体
重量を達成するためには補強繊維織物の目付を小さくせ
ざるを得ず、補強繊維織物による衝撃エネルギー吸収量
が小さくなり、また、たて糸とよこ糸の交錯が甘くなる
ので、貫通衝撃性が悪くなる。
【0037】また、織物は通常の補強繊維織物であって
よいが、多数本の補強繊維からなる撚のない、糸幅が3
〜16mm、糸幅/厚み比が20以上の扁平な補強繊維
糸をたて糸およびよこ糸とする2方向性の織物を使用す
ると、織物を構成する織糸の屈曲によるFRP表面の凹
凸を防止することができ、また、絞り成形に伴う織物の
剪断変形量も大きくなるので、FRP製殻体の深絞り成
形による織物の皺が発生するようなことはなく、織物を
殻体の全面に切れ目なく積層する、つまり織物を構成す
る補強繊維を連続的に殻体曲面の全体に配向させること
が可能となるのである。FRP製殻体に補強繊維が連続
的に配列しているから、わずかな繊維量で十分な補強効
果が発揮できて、十分に衝撃荷重を支えることができる
のである。また、補強繊維を織物の形態で使用すると、
FRPに落下物が当たって貫通する場合、落下物が織物
のたて糸とよこ糸の交錯による抵抗を受けるから、落下
物の貫通長さが小さくなり、人頭に当りにくくなる。ま
た、織物が全面に切れ目なく積層されていると、織物の
重なりによる凹凸を防止することができる。
【0038】図3は、殻体の成形に用いるプリフォーム
14の一実施例であり、1部が破断した概略斜視図を示
している。
【0039】プリフォーム14は全面を覆う補強繊維織
物12とコンティニュアス・ストランド・マット11か
らなり、プリフォームの凸部の外層部から第1層目はコ
ンティニュアス・ストランド・マット11、第2層目は
補強繊維織物12である。コンティニュアス・ストラン
ド・マットおよび補強繊維織物に皺が入ることはなく
て、切れ目がなくて一体に半球状のプリフォームの全面
を覆っている。第2層目の次に第3層目の補強繊維織物
13が積層されており、第3層目の織物は、プリフォー
ムの凸部付近に部分的に入っており、第2層目の繊維配
向に対して45度ずれるように斜め方向に積層されてい
る。
【0040】補強繊維織物は平組織の織物で、プリフォ
ームに賦形する前は、そのたて糸とよこ糸は90度の交
角をもって製織されているが、深絞り成形されたプリフ
ォームにあっては、各織糸が深絞りによって目ずれし、
交角θが小さくなり20〜45度程度になる。補強繊維
からなる撚のない、糸幅が3〜16mm、糸幅/厚み比
が20以上の扁平な補強繊維糸をたて糸およびよこ糸と
する2方向性の織物であれば、交角θを20〜45度程
度に目ずれさせることができ、織物に切れ目を入れずし
て、帽体の形状に賦形することが可能となるのである。
【0041】もっとも、本発明におけるFRP製殻体の
全面補強の織物は、必ずしも切れ目を入れずに一体に賦
形された織物である必要はなく、所定の大きさに裁断さ
れた織物が殻体の全面を覆い被せられていてもよい。
【0042】また、補強繊維織物のカバーファクターは
90%以上であることが好ましい。カバーファクターの
大きな補強繊維織物を用いてFRP殻体を成形すると、
均一な成形品が得られ、樹脂中にボイドが入ったり、応
力が集中するような繊維分散むらが発生しない。また、
たて糸とよこ糸の交錯による抵抗が大きくなり、耐貫通
衝撃性が向上する。
【0043】カバーファクターCf(%)とは、織糸間
に形成される空隙部の大きさに関係する要素で、織物上
に面積S1 の領域を設定したとき、面積S1 内において
織糸に形成される空隙部の面積をS2 とすると、次式で
定義される値をいう。
【0044】カバーファクターCf(%)={(S1
2 )/S1 }×100 また、成形に使用する補強繊維織物の目付は、150〜
400g/m2 とすることが、耐衝撃性に優れ、表面平
滑性が良く、FRP製殻体の重量を軽くするということ
から好ましい。150g/m2 より小さいと織物による
衝撃エネルギー吸収量が小さくなり、また、たて糸とよ
こ糸の交錯が甘くなるので、貫通衝撃性が悪くなる。4
00g/m2 を越えるとたて糸とよこ糸の交錯による凹
凸が大きくなり、マット状物を使用してもFRP殻体成
形品の凹凸が大きくなる。
【0045】また、本発明における安全帽の帽体天頂部
付近の肉厚は1.6〜2.2mmが好ましい。1.6m
mより薄くすると、JISに定められた耐貫通衝撃性を
確保することがしにくくなり、たとえ使用前の試験に合
格していても、帽体が薄いので使用中の傷によって耐貫
通衝撃性が著しく低下している危険がある。一方、2.
2mmを越えると、耐貫通衝撃性は良いが、帽体、すな
わち安全帽が重くなり、長時間着用していると疲労感が
大きくなる。なお、本発明において天頂部付近の肉厚と
は、帽体の最も高い天頂部を中心にして半径が5cmの
円によって囲まれる帽体で、ランダムに測定したn=1
0の平均値をさす。
【0046】さて、物体が上部から落下すると、安全帽
の天頂部に当たる確率が最も大きい。したがって、天頂
部を他の部分に比べ、補強繊維織物の積層枚数を1〜2
枚多くし、FRP製殻体の肉厚を大きくしておくと、安
全帽の安全が確保されて、かつ軽いFRP製殻体が得ら
れるのである。天頂部を、さらに部分的に織物で補強す
るにあたって、積層する場所は、ほぼ天頂部の中心位置
に、円形や矩形に裁断した、面積が100〜600cm
2 程度の織物が積層されるようにすればよい。なお、天
頂部の補強織物は帽体の全面に積層される補強繊維織物
と必ずしも同じ織物である必要はなく、補強繊維の種類
が異なる織物であったり、単位面積当たり重量が異なる
織物であってよい。
【0047】補強繊維材料の積層は、マット状物を帽体
の外表面側となるように外層に積層し、ついで補強繊維
織物の全面積層、部分的積層するとよい。
【0048】補強繊維織物の帽体に対する繊維配向は、
特に限定するものではないが、2方向配列している補強
繊維の方向が、帽体の前後方向と、左右の側部方向にな
るようにすれば、帽体の横方向の剛性が大きくなるので
好ましい。
【0049】また、外表面は内面に比べて美観が要求さ
れるので、外層をマット状物にすると、織糸の屈曲によ
る凹凸があっても、マット層の介在により、FRPにす
ると織糸の屈曲による凹凸が外表面に現れず、平滑にな
る。FRP製帽体の外表面が平滑であると、塗装仕上げ
で使用するサーフェイサー、パテや塗料の量を少なくす
ることができ、軽い帽体が得られるのである。
【0050】本発明のFRP製帽体は、たとえば、帽体
の形に賦形された、マット状物や補強繊維織物などの補
強繊維材料をマット状物が外層になるように積層したも
のを加熱された金型に入れ、これにシロップ状の、不飽
和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂やエポキシ樹
脂などの熱硬化性樹脂を入れ、加圧することによって樹
脂含浸、脱泡し、樹脂を硬化させることによって成形さ
れる。ついで塗装面をサンダー掛けして、離形剤を除去
し、表面がボイドで窪んでいる部分を、サーフェイサー
やパテ埋めで平滑にし、その後塗料を塗布して仕上げ
る。
【0051】本発明のFRP製帽体は、従来の安全帽の
ように樹脂に顔料などの着色剤を使用せず、FRP表面
を塗装するので、顔料の使用によりFRPの耐衝撃性が
低下するようなことはない。
【0052】また、FRP製帽体の側部に、湿気による
ムレ感を少なくするため、複数の通気孔を設けることが
できる。通気孔の大きさは、その直径が6mm以下、ま
たは1個の面積が30mm2 以下とし、1側面での孔の
合計面積は160mm2 以下、両側面での合計面積は3
20mm2 以下で、互いに近接しないように設ければよ
い。FRPには織物の連続繊維が配列しているので、通
気孔を設けることによる衝撃特性の低下はほとんど認め
られない。
【0053】本発明の安全帽体は、FRP製帽体の内側
に衝撃吸収体を有している。この衝撃吸収体は、衝撃力
を適切に吸収し、人体頭部を適切に保護できる材質、た
とえば発泡スチロールや弾力性を有するゴム、スポンジ
等から構成され、衝撃吸収ライナーとして帽体の内側に
装着される。また、衝撃吸収ライナーを使用せず、ハン
モック、ヘッドバンド、環ひもなどの装着体で衝撃を吸
収する構成であってもよい。
【0054】また、この衝撃吸収ライナの内側には、ハ
ンモック、ヘッドバンド、環ひもなどの装着体が配置さ
れる。
【0055】
【実施例】
実施例1 Eガラス繊維の225デニールのストランドからなる、
目付が225g/m2のコンティニュアス・ストランド
・マットを45cm×45cmの正方形に裁断した。ま
た、東レ(株)製炭素繊維“トレカ”T700S,1
2,000フィラメント糸(引張弾性率が23.5×1
3 kgf/mm2 、破壊歪みエネルギーが5.1mm
・kgf/mm3 の高靭牲炭素繊維)をたてとよこの2
方向に使用した、目付が300g/m2 の平組織の2方
向性扁平炭素繊維織物(炭素繊維織糸の撚数が零、たて
糸の糸幅が5.0mm、よこ糸の糸幅が5.1mm、た
て糸の糸幅/厚み=31、よこ糸の糸幅/厚み=32)
を45cm×45cmと15cm×15cmの正方形に
裁断した。この裁断した、帽体の全面補強用の45cm
角のマットと織物をお互いの辺が一致するように各1枚
ずつ重ね、さらに45cm角の織物の上に、天頂部補強
用の15cm角の織物1枚を、その中心が帽体のほぼ中
心となるように、かつ交差角が45度になるように積層
した。これら積層体をマットが帽体の外側、織物が帽体
の内側になるように、また、炭素繊維の方向が帽体の前
後方向と左右に側部方向に配列するように帽体形状に賦
形してプリフォームを作製した。ついで、このプリフォ
ームを120℃に加熱したメス金型にセットし、常温で
シロップ状のビニルエステル樹脂を所定量投入して型締
めした。樹脂を硬化させた後、殻体としてのFRP成形
品を取り出した。特に、FRPの凸側の表面は平滑であ
り、ボイドもほとんど観察されなかった。このFRP製
殻体の重量を測定したところ、170gであった。つい
で、FRP製殻体をサンデングして離形剤を除去し、塗
装仕上げ加工した後の帽体重量を測定したところ195
gであった。また、天頂部付近の帽体の肉厚は1.8m
mであった。
【0056】ついで、この帽体の性能試験をJIS T
8131の測定法に基づいて実施した。耐貫通性試験は
合格、また帽体に所定の装着体を取り付けて実施した衝
撃吸収性試験では衝撃値が190kgと低く、判定基準
の500kgを大幅に下回って、許容される範囲内であ
った。
【0057】比較例1 Eガラス繊維の225デニールのストランドからなる、
目付が225g/m2のコンティニュアス・ストランド
・マットを3枚を重ね、45cm×45cmの正方形に
裁断した。天頂部補強用の15cm角のマット1枚を、
その中心が帽体のほぼ中心となるように、実施例1と同
じように積層した。これら積層体を全面補強用マットが
帽体の外側、天頂部補強用マットが帽体の内側になるよ
うに、帽体形状に賦形してプリフォームを作製した。実
施例と同じ条件で成形し、殻体としてのFRP成形品を
取り出した。特に、FRPの表面は平滑であり、ボイド
もほとんど観察されなかった。このFRP製殻体の重量
を測定したところ、215gであった。ついで、FRP
製殻体をサンデングして離形剤を除去し、塗装仕上げ加
工した後の帽体重量を測定したところ241gと重かっ
た。また、天頂部付近の帽体の肉厚は1.8mmであっ
た。
【0058】ついで、この帽体の性能試験をJIS T
8131の測定法に基づいて実施した。耐貫通性試験は
不合格、また帽体に所定の装着体を取り付けて実施した
衝撃吸収性は許容される範囲内であったが、衝撃値が4
70kgと判定基準の500kgを若干下回る程度であ
った。
【0059】比較例2 Eガラス繊維の225デニールのストランドからなる、
目付が225g/m2のコンティニュアス・ストランド
・マットを2枚を重ね、45cm×45cmの正方形に
裁断した。天頂部補強用の15cm角のマット1枚を、
その中心が帽体のほぼ中心となるように、実施例1と同
じように積層した。これら積層体で比較例1と同じよう
にプリフォームを作製した。実施例1と同じ条件で成形
し、殻体としてのFRP成形品を取り出した。特に、F
RPの表面は平滑であり、ボイドもほとんど観察されな
かった。このFRP製殻体の重量を測定したところ、1
40gであった。ついで、FRP製殻体をサンデングし
て離形剤を除去し、塗装仕上げ加工した後の帽体重量を
測定したところ、167gと軽かった。また、天頂部付
近の帽体の肉厚は1.4mmと薄かった。
【0060】ところが、この帽体の性能試験をJIS
T8131の測定法に基づいて実施しところ、耐貫通性
試験は不合格となり、また帽体に所定の装着体を取り付
けて実施した衝撃吸収性試験では衝撃値が860kgと
判定基準の500kgを大幅に上回った。
【0061】比較例3 Eガラス繊維の225デニールのストランドからなる、
目付が225g/m2のコンティニュアス・ストランド
・マットを4枚を重ね、45cm×45cmの正方形に
裁断した。天頂部補強用の15cm角のマット1枚を、
その中心が帽体のほぼ中心となるように、実施例1と同
じように積層した。これら積層体で比較例1と同じよう
にプリフォームを作製した。実施例1と同じ条件で成形
し、殻体としてのFRP成形品を取り出した。特に、F
RPの表面は平滑であり、ボイドもほとんど観察されな
かった。このFRP製殻体の重量を測定したところ、2
65gであった。ついで、FRP製殻体をサンデングし
て離形剤を除去し、塗装仕上げ加工した後の帽体重量を
測定したところ、290gと非常に重かった。また、天
頂部付近の帽体の肉厚は2.8mmであった。
【0062】この帽体の性能試験をJIS T8131
の測定法に基づいて実施しところ、耐貫通性試験合格と
なり、また帽体に所定の装着体を取り付けて実施した衝
撃吸収性試験では衝撃値が310kgと判定基準の50
0kgを下回っていたが、帽体は重いものであった。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の安全帽
は、帽体が軽量でありながら、貫通衝撃により落下物が
帽体を突き抜けたり、衝撃吸収性が悪くなったりするこ
となく、帽体の剛性も大きく安定した帽体とすることが
でき、また軽量であるため着用感においても不快感がな
く優れている。
【0064】さらに、マット状物を帽体の外表面側とな
るように外層に積層し、ついで補強繊維織物を全面積層
したので、織糸の屈曲による凹凸があっても、マット層
の介在により、凹凸が外表面に現れず平滑になり、塗装
仕上げで使用するサーフェイサー、パテや塗料の量を少
なくすることができ、軽い帽体とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る安全帽全体の縦断面図
である。
【図2】本発明の一実施例に係るFRP製帽体の縦断面
図である。
【図3】本発明の一実施例に係る殻体の成形に用いるプ
リフォームの概略斜視図である。
【符号の説明】
1:安全帽全体 2:FRP製帽体 3:衝撃吸収ライナー 4:ハンモック 5:ヘッドバンド 6:環ひも 7:あごひも 8:FRP製殻体 9:塗装仕上げ剤 10:補強繊維材料 11:マット状物 12:補強繊維織物 13:補強繊維織物 14:プリフォーム

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】補強繊維材料を樹脂で強化してなる繊維強
    化プラスチック製殻体を含む帽体と、この帽体の内側に
    配置した衝撃吸収体を有する安全帽において、補強繊維
    材料は補強繊維からなるマット状物と補強繊維織物から
    なり、該マット状物は帽体の外表面側に積層され、補強
    繊維織物は帽体全面に少なくとも1層積層され、かつ帽
    体重量が150〜210gであることを特徴とする安全
    帽。
  2. 【請求項2】天頂部における帽体の厚さが1.6〜2.
    2mmであることを特徴とする請求項1に記載の安全
    帽。
  3. 【請求項3】マット状物の目付が100〜500g/m
    2 、補強繊維織物の目付が150〜400g/m2 であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の安全帽。
  4. 【請求項4】マット状物がガラス繊維からなるストラン
    ド・マットであり、補強繊維織物が炭素繊維織物である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の安全
    帽。
  5. 【請求項5】補強繊維織物が深絞り成形されて、帽体の
    全面に切れ目なく積層されていることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の安全帽。
  6. 【請求項6】帽体の天頂部が、さらに部分的に補強繊維
    織物で補強されていることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載の安全帽。
  7. 【請求項7】補強繊維が、引張弾性率が20×103
    gf/mm2 以上で、かつ、破壊歪みエネルギーが4.
    0mm・kgf/mm3 以上の高靭牲炭素繊維であることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の安全帽。
  8. 【請求項8】補強繊維織物が、多数本の補強繊維からな
    る撚のない、糸幅が3〜16mm、糸幅/厚み比が20
    以上の扁平な補強繊維糸を、たて糸およびよこ糸とする
    2方向性の織物であることを特徴とする請求項1〜7の
    いずれかに記載の安全帽。
  9. 【請求項9】補強繊維織物のカバーファクターが90%
    以上であることを特徴とする請求項8に記載の安全帽。
  10. 【請求項10】衝撃吸収体が、発泡スチロール、ゴム、
    スポンジ等からなる衝撃吸収ライナーであることを特徴
    とする請求項1〜9のいずれかに記載の安全帽。
  11. 【請求項11】前記衝撃吸収体が、ハンモック、ヘッド
    バンド、環ひも等の装着体であることを特徴とする請求
    項1〜9のいずれかに記載の安全帽。
  12. 【請求項12】衝撃吸収体の内側に、ハンモック、ヘッ
    ドバンド、環ひも等の装着体が配置されていることを特
    徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の安全帽。
  13. 【請求項13】繊維強化プラスチック製帽体の少なくと
    も外表面が塗装仕上げされていることを特徴とする請求
    項1〜12のいずれかに記載の安全帽。
  14. 【請求項14】繊維強化プラスチック製帽体の側部に、
    複数の通気孔を設けてなることを特徴とする請求項1〜
    13のいずれかに記載の安全帽。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001072160A1 (en) * 2000-03-30 2001-10-04 Dong Seon Lee Safety helmet formed of hybrid composite material and method for manufacturing the same
CN102126581A (zh) * 2011-03-16 2011-07-20 冯政 轿车前座椅底座管套
CN106108204A (zh) * 2016-07-13 2016-11-16 太仓市飞鸿塑钢制品有限公司 多功能玻璃钢安全帽
CN114248463A (zh) * 2020-09-21 2022-03-29 江苏金风科技有限公司 纤维织物及其治具和制造方法

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