JP3648643B2 - 組織マーカー - Google Patents

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  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、開腹あるいは開胸を伴わない外科的切除手術および診断において、その切除部位をあらかじめマークすることにより、肉眼的な切除部位の確認を可能とする内視鏡用組織マーカーに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、内視鏡(腹腔鏡、胸腔鏡など)を用いた開腹あるいは開胸を伴わない外科的手術が発展し、診断・治療の領域で多く利用されるようになってきた。例えば、病気の診断・治療の方法として、組織・器官をレントゲン、CT等で検査し、病気の疑いが発見された場合には外科的切除手術により腫瘍組織を採取することがあるが、この切除手術の際、内視鏡を用いると、通常の手術に比べて手術創が小さく患者の負担が少ない等の利点がある。
ところが、内視鏡を用いて正確な切除部位を肉眼的に確認するのは非常に困難で、特に腫瘍が小さい場合、その存在位置の確認が正確に行われず誤った部分を採取してしまうことがある。この場合には、周辺の組織が傷くため再度病理組織を採取することができず、病理での診断が不可能になるなど診断・治療に大きなダメージを与える。
このような重大な問題が有ることから、内視鏡を用いた病変の外科的切除手術は多くの利点を有するにも関わらず敬遠され、多くの場合は開腹あるいは開胸による切除手術が行われている。しかし、このような手術は大がかりで手術創も大きく回復までに長期間を要する、空気に触れるので癒着を起こしやすい、などの欠点がある。また肺小腫瘍に対しフックワイヤーを用いて術前に存在位置をマーキングする方法(R.M.Shah et al. A.J.R.,161 279 (1993))があるが、必ず気胸となる、などの欠点があり患者の負担が大きい。
近年、このような問題の解決するために、CTで病巣を確認した後、染色剤によってその位置をマークする方法が提案されている(Stephan Wicky et. al. CHEST、106(5)、P.1326-1328 (November,1994))。
しかし、生理的食塩水に染色剤を加えた溶液でマークした場合3時間以内に染色剤が拡散するため、手術直前にマークしても手術時には色素は広範囲に広がって病巣の位置が不明になったり、色素が退色することが生じ、実際に臨床的に用いることは不可能であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者はこのような問題を解決すべく検討を行った結果、染色剤を拡散しにくい材料と混合してマーカーとして使用することによって染色剤が拡散しにくくなって退色が遅くなり、約1週間後の手術までマークが残ることを見いだし本発明を完成するに至ったもので、本発明の目的は、開腹あるいは開胸を伴わない外科的切除手術で確実にその切除部位を見つけることにより手術を正確に行うための組織マーカーを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、染色剤と、コラーゲン、ゼラチン、アガロース、フィブリノーゲン−トロンビン、多糖類−カルシウム塩、シアノアクリレート、およびそれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種の拡散しにくく、かつ生体適合性を有する材料とからなる内視鏡用組織マーカーであり、さらにこの内視鏡用組織マーカーに造影剤を混合して用いてもよい。
即ち、本発明における内視鏡用組織マーカーは、染色剤を拡散しにくくかつ生体適合性を有する材料と混合することのよって、組織内での退色を抑えることができ、染色してから1週間後の内視鏡による外科的切除手術での観察に有効に用いることができる。
【0005】
以下、本発明について詳細に述べる。
本発明における組織マーカーは、染色剤と、拡散しにくく、かつ生体適合性を有する材料とを混合して調整される。組織マーカーは、望ましくはpH4〜9がよい。
本発明で使用しうる染色剤としては、生体内で用いることが許される染色剤であれば特に限定はされないが、メチレンブルー、ジアゾグリーン等が望ましい。染色剤の濃度としては特に限定されないが、10〜300mg/mlが望ましい。10mg/ml以下であると染色剤の量が少ないため1週間後にある程度の退色が見られ、場合によっては肉眼で染色部位をはっきりと確認することが困難なことがあり、逆に300mg/ml以上であると染色材が溶解しにくくなる。
【0006】
また、拡散しにくく、かつ生体適合性を有する材料としては、コラーゲン、ゼラチン、アガロース、フィブリノーゲン−トロンビン、多糖類−カルシウム塩、シアノアクリレート、およびこれらの混合物からなる材料である。これらの材料は一般に高粘性を有する物質であり、これによって染色剤の拡散を防止することができる。
更に、この拡散しにくく、生体適合性を有する材料に造影剤を混合して用いることもできる。造影剤と混合して使用することにより、さらに目的とする部位を正確にマークすることが可能となる。
【0007】
本発明にかかる組織マ−カ−は、染色剤に対して拡散しにくく、生体適合性を有する材料の溶液又は分散液に所定量の添加混合することによって得られる。
例えば、生体適合性を有する材料としてコラーゲンを使用する場合、コラ−ゲンとしては動物の皮膚、腱等から採取したもので、精製されていれば可溶化コラーゲン、不溶化コラーゲンの何れでもよい。可溶化コラーゲンとしては、酸可溶性コラーゲン、塩可溶性コラーゲン、酵素可溶化コラーゲン、アルカリ可溶化コラーゲン、化学修飾コラーゲン(サクシニル化、フタル化、アシル化、メチル化等)等を挙げることができ、また、不溶化コラーゲンとしては、アキレステンドンコラーゲン、ハイドコラーゲン、繊維化コラーゲン、架橋化コラーゲン等を挙げることができる。このコラーゲンは溶液あるいは分散液として使用し、その濃度としては1mg/ml〜70mg/ml程度であって、1mg/ml以下では効果が期待できず、また70mg/ml以上では注射針などにより組織内に注入することが困難である。
【0008】
また、ゼラチンとしては酸可溶化、アルカリ可溶化ゼラチンを挙げることができる。ゼラチン、アガロースの場合、溶液または分散液の濃度としては5〜300mg/ml程度が好ましく、このような濃度のとき40℃以上で溶け、体温に下げるとゲル化する。またフィブリノーゲン−トロンビンはフィブリノーゲンの凝固反応を利用したゲル化を起こすことが可能であり、例えばティシール(イムノ)、ベリプラスト(ヘキスト)、ボルヒール(化血研)等の製品を利用することができる。フィブリノーゲン−トロンビンの濃度としては、フィブリノーゲンが10〜200mg/ml、トロンビンが4〜500IU(IUは国際単位)が望ましい。また、多糖類−カルシウム塩溶液の場合、多糖類としてはアルギン酸、ペクチン、マンナン等が挙げられ、この溶液あるいは分散液にカルシウム塩、例えば塩化カルシウム等を混合することによりゲル化することができる。多糖類の濃度としては1〜300mg/ml、カルシウム濃度としては10〜100mg/ml程度のものが好ましい。
【0009】
本発明に基づく組織マーカーは、注射針等を用いて組織に注入され、染色が行われる。例えば、造影剤の入ったシリンジから注射針を通して造影剤を注入しCTにより病巣を確認した後、その注射針を残したままシリンジを組織マーカーの入ったものに変え確認した病巣の位置に注入することによって染色が行われる。これにより、組織マーカーにより病巣が確実に染色され、その後の内視鏡を用いた外科的切除手術で確実に病理組織を採取することが可能となる。
以下、具体的な実施例を示すが、本発明である組織マーカーの使用方法はこれに限定されるものではない。
【0010】
【実施例及び比較例】
実施例1
アテロコラーゲンの中性生理的食塩濃度溶液(コウケンアテロコラーゲンインプラント30mg/ml)に、メチレンブルーを10.0%となるように混合し、ウサギ(オス、10週令)の肺にシリンジ針を通して1.0ml注入した。1週間後に開胸して肺を摘出して観察したところ、内視鏡による観察が可能な程度の染色剤が残っており、染色が有効に行われていることがわかった。
【0011】
比較例1
生理的食塩水にメチレンブルーを10.0%となるように混合し、ウサギ(オス、10週令)の肺にシリンジ針を通して1.0ml注入した。翌日の尿が青く染まり、体外に染色剤が排出されていると推測された。24時間後に開胸して肺を摘出して観察したが、染色部位を確認できず染色を24時間保持することはできなかった。
【0012】
実施例2
アガロースを生理的食塩水に100mg/mlとなるように混合し、加熱により溶解した。ここにメチレンブルーを10.0%となるように混合し、ウサギ(オス、10週令)の肺にシリンジ針を通して1.0ml注入した。1週間後に開胸して肺を摘出して観察したところ、内視鏡による観察が可能な程度の染色剤が残っていた。
【0013】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は、染色剤と、拡散しにくく、かつ生体適合性を有する材料とからなる組織マーカーであり、退色を抑え、染色から手術までの間が1週間あいても染色剤が残っているため、肉眼で病巣を確認でき、確実に病理組織を採取することができる。これにより、多くの利点を有する内視鏡を用いた開腹、開胸を伴わない手術を確実に行うことができる。

Claims (3)

  1. 染色剤と、コラーゲン、ゼラチン、アガロース、フィブリノーゲン−トロンビン、多糖類−カルシウム塩、シアノアクリレート、およびそれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種の拡散しにくく、かつ生体適合性を有する材料とからなる内視鏡用組織マーカー。
  2. 拡散しにくく、かつ生体適合性を有する材料が、溶液あるいは分散液である請求項1記載の内視鏡用組織マーカー。
  3. 拡散しにくく、かつ生体適合性を有する材料に、造影剤を混合した請求項1記載の内視鏡用組織マーカー。
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