JP3646737B2 - Reactive polyarylene sulfide - Google Patents

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、エポキシ系シランカップリング剤との反応性に富むポリアリーレンスルフィド及びそれを含む樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のポリアリーレンスルフィド(以下では、PASと略すことがある)の製造法として、特公昭45‐3368号公報には、有機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させてPASを製造する方法が記載されている。しかし、該方法では高分子量のPASを製造することができなかった。
【0003】
従って、上記のような低分子量PASを熱酸化処理して架橋し、高分子量PASを製造することが行われていた。しかし、このような架橋PASは、衝撃強度等の機械的強度に劣り、更には、成形加工性にも劣るという欠点を有していた。
そこで、耐衝撃性等の機械的強度を改善するために、これまでにいくつかの方法が提案されている。
【0004】
特公昭52‐12240号公報には、高分子量のPASを製造するために酢酸ナトリウム、酢酸リチウム等のカルボン酸金属塩を共存させて重合を実施する方法が記載されている。しかし、上記化合物は高価であり、かつ該化合物を無公害に製品から分離、回収、処理を行うには、多大な付帯設備と技術と費用が必要であり、この面からも著しく不利であった。また、エポキシ系シランカップリング剤との反応性が十分ではなく、エポキシ系シランカップリング剤の添加による衝撃強度等の機械的強度の向上を十分に行うことはできなかった。
【0005】
特公平6‐39113号公報には、PAS、エポキシアルコキシシラン等のシラン化合物及び無機充填剤を配合した樹脂組成物が開示されている。しかしながら、PASとシラン化合物との反応性は十分ではなく、衝撃強度等の機械的強度向上効果も十分とは言えなかった。
【0006】
特開平6‐256517号公報には、所定のメルトフローレートを持ち、かつγ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.0%添加時において、所定の溶融粘度の上昇度を有するPASが開示されている。しかし、該PASの製造に際しては、アルカリ金属水酸化物を添加することが必要である。従って、PASの製造コストが増大して、工業化を図るためには大変不利である。また、上記化合物を無公害に製品から分離、回収処理を行うには、多大な付帯設備と技術と費用が必要であり、この面からも著しく不利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような高価な重合助剤を必要とせず、従って安価であり、かつエポキシ系シランカップリング剤との反応性に富み、従って該剤の少量の添加で衝撃強度等の機械的強度の十分な向上を達成し得る、新規なPASを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塩化メチレンによる抽出量が0.7重量%以下であり、溶融粘度V6 が20〜15000ポイズであり、かつ‐SX基(Xはアルカリ金属又は水素原子である)が15μmol/g以上であるポリアリーレンスルフィドである。
本発明のPASは、‐SX基が多い。従って、多くのエポキシ系シランカップリング剤と反応する。また、本発明のPASは塩化メチレンによる抽出量が少ない。従って、比較的分子量の小さいオリゴマーは殆ど存在せず、エポキシ系シランカップリング剤が無駄に消費されることがない。以上のことから、本発明のPASは、エポキシ系シランカップリング剤との反応性に富むと共に、該剤の少量の添加で高い機械的強度を得ることができるのである。
【0009】
本発明のPASは、塩化メチレンによる抽出量が0.7重量%以下、好ましくは0.6重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下である。上記範囲においては、PAS中に比較的分子量の低いオリゴマーが存在しないため好ましい。該抽出量が上記上限を超えては、エポキシ系シランカップリング剤による耐衝撃性等の機械的強度の改善効果が低くなり好ましくない。ここで、塩化メチレンによる抽出量は、以下のように求めた値である。PAS粉末4gを塩化メチレン80gに加え、4時間ソクスレー抽出を実施した後、室温まで冷却し、抽出後の塩化メチレン溶液を秤量ビンに移す。更に、上記の抽出に使用した容器を塩化メチレン合計60gを用いて、3回に分けて洗浄し、該洗浄液を回収後、上記秤量ビン中にまとめる。次に、約80℃に加熱して、該秤量ビン中の塩化メチレンを蒸発させて除去し、残渣を秤量することにより求める。
【0010】
本発明のPASは、‐SX基(Xはアルカリ金属又は水素原子である)が15μmol/g以上、好ましくは18〜35μmol/g、特に好ましくは20〜30mol/gである。該基が上記下限未満では、PASとエポキシ系シランカップリング剤との反応性が低下する。ここで、‐SX基の定量は下記の通りに実施した。PAS粉末を予め120℃で4時間乾燥した後、該PAS粉末20gをN‐メチル‐2‐ピロリドン150gに加えて、粉末凝集塊がなくなるように室温で30分間激しく攪拌混合する。次に、該スラリーを濾過した後、毎回約80℃の温水1リットルを用いて7回洗浄を繰り返す。得られた濾過ケーキを純水200g中に再度スラリー化し、次いで、1Nの塩酸を加えて該スラリーのpHを4.5に調整する。次に、25℃で30分間攪拌し、濾過した後、毎回約80℃の温水1リットルを用いて6回洗浄を繰り返す。得られた濾過ケーキを純水200g中に再度スラリー化し、次いで、1Nの水酸化ナトリウムにより滴定し、定量する。
【0011】
更に、本発明のPASは、溶融粘度V6 が20〜15000ポイズ、好ましくは100〜10000ポイズ、特に好ましくは400〜5000ポイズである。上記下限未満では、機械的強度等PAS本来の特性が得られず、またエポキシ系シランカップリング剤との反応性も十分ではなく、本発明の目的である機械的強度の向上を達成することができない。上記上限を越えては、成形加工性が低下するため好ましくない。ここで、溶融粘度V6 は、フローテスターを用いて、300℃、荷重20kgf/cm2 、L/D=10/1で6分間保持した後に測定した値である。
【0012】
本発明において、上記PASは、有機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させ、かつ反応中、反応缶の気相部分を冷却することにより反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを液相に還流せしめることにより製造したポリアリーレンスルフィド(イ)を、有機溶媒、次いで水で洗浄して得ることができる。
【0013】
ここで、上記のPAS(イ)は、特開平5‐222196号公報に記載の方法により製造することができる。
【0014】
この重合方法において、還流される液体は、水とアミド系溶媒の蒸気圧差の故に、液相バルクに比較して水含有率が高い。この水含有率の高い還流液は、反応溶液上部に水含有率の高い層を形成する。その結果、残存のアルカリ金属硫化物(例えばNa2 S)、ハロゲン化アルカリ金属(例えばNaCl)、オリゴマー等が、その層に多く含有されるようになる。従来法においては230℃以上の高温下で、生成したPASとNa2 S等の原料及び副生成物とが均一に混じりあった状態では、高分子量のPASが得られないばかりでなく、せっかく生成したPASの解重合も生じ、チオフェノールの副生成が認められる。しかし、本発明では、反応缶の気相部分を積極的に冷却して、水分に富む還流液を多量に液相上部に戻してやることによって上記の不都合な現象が回避でき、反応を阻害するような因子を真に効率良く除外でき、高分子量PASを得ることができるものと思われる。但し、本発明は上記現象による効果のみにより限定されるものではなく、気相部分を冷却することによって生じる種々の影響によって、高分子量のPASが得られるのである。
【0015】
この重合方法においては、従来法のように反応の途中で水を添加することを要しない。しかし、水を添加することを全く排除するものではない。但し、水を添加する操作を行えば、本発明の利点のいくつかは失われる。従って、好ましくは、重合反応系内の全水分量は反応の間中一定である。
【0016】
反応缶の気相部分の冷却は、外部冷却でも内部冷却でも可能であり、自体公知の冷却手段により行える。たとえば、反応缶内の上部に設置した内部コイルに冷媒体を流す方法、反応缶外部の上部に巻きつけた外部コイルまたはジャケットに冷媒体を流す方法、反応缶上部に設置したリフラックスコンデンサーを用いる方法、反応缶外部の上部に水をかける又は気体(空気、窒素等)を吹き付ける等の方法が考えられるが、結果的に缶内の還流量を増大させる効果があるものならば、いずれの方法を用いても良い。外気温度が比較的低いなら(たとえば常温)、反応缶上部に従来備えられている保温材を取外すことによって、適切な冷却を行うことも可能である。外部冷却の場合、反応缶壁面で凝縮した水/アミド系溶媒混合物は反応缶壁を伝わって液相中に入る。従って、該水分に富む混合物は、液相上部に溜り、そこの水分量を比較的高く保つ。内部冷却の場合には、冷却面で凝縮した混合物が同様に冷却装置表面又は反応缶壁を伝わって液相中に入る。
【0017】
一方、液相バルクの温度は、所定の一定温度に保たれ、あるいは所定の温度プロフィールに従ってコントロールされる。一定温度とする場合、 230〜275 ℃の温度で 0.1〜20時間反応を行うことが好ましい。より好ましくは、 240〜265 ℃の温度で1〜6時間である。より高い分子量のPASを得るには、2段階以上の反応温度プロフィールを用いることが好ましい。この2段階操作を行う場合、第1段階は 195〜240 ℃の温度で行うことが好ましい。温度が低いと反応速度が小さすぎ、実用的ではない。 240℃より高いと反応速度が速すぎて、十分に高分子量なPASが得られないのみならず、副反応速度が著しく増大する。第1段階の終了は、重合反応系内ジハロ芳香族化合物残存率が1モル%〜40モル%、且つ分子量が 3,000〜20,000の範囲内の時点で行うことが好ましい。より好ましくは、重合反応系内ジハロ芳香族化合物残存率が2モル%〜15モル%、且つ分子量が 5,000〜15,000の範囲である。残存率が40モル%を越えると、第2段階の反応で解重合など副反応が生じやすく、一方、1モル%未満では、最終的に高分子量PASを得難い。その後昇温して、最終段階の反応は、反応温度 240〜270 ℃の範囲で、1時間〜10時間行うことが好ましい。温度が低いと十分に高分子量化したPASを得ることができず、また 270℃より高い温度では解重合等の副反応が生じやすくなり、安定的に高分子量物を得難くなる。
【0018】
実際の操作としては、先ず不活性ガス雰囲気下で、アミド系溶媒中のアルカリ金属硫化物中の水分量が所定の量となるよう、必要に応じて脱水または水添加する。水分量は、好ましくは、アルカリ金属硫化物1モル当り0.5〜2.5モル、特に0.8〜1.2モルとする。2.5モルを超えては、反応速度が小さくなり、しかも反応終了後の濾液中にフェノール等の副生成物量が増大し、重合度も上がらない。0.5モル未満では、反応速度が速すぎ、十分な高分子量の物を得ることができないと共に、副反応等の好ましくない反応が生ずる。
【0019】
反応時の気相部分の冷却は、一定温度での1段反応の場合では、反応開始時から行うことが望ましいが、少なくとも 250℃以下の昇温途中から行わなければならない。多段階反応では、第1段階の反応から冷却を行うことが望ましいが、遅くとも第1段階反応の終了後の昇温途中から行うことが好ましい。冷却効果の度合いは、通常反応缶内圧力が最も適した指標である。圧力の絶対値については、反応缶の特性、攪拌状態、系内水分量、ジハロ芳香族化合物とアルカリ金属硫化物とのモル比等によって異なる。しかし、同一反応条件下で冷却しない場合に比べて、反応缶圧力が低下すれば、還流液量が増加して、反応溶液気液界面における温度が低下していることを意味しており、その相対的な低下の度合いが水分含有量の多い層と、そうでない層との分離の度合いを示していると考えられる。そこで、冷却は反応缶内圧が、冷却をしない場合と比較して低くなる程度に行うのが好ましい。冷却の程度は、都度の使用する装置、運転条件などに応じて、当業者が適宜設定できる。
【0020】
ここで使用する有機アミド系溶媒は、PAS重合のために知られており、たとえばN‐メチルピロリドン(NMP)、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド、N‐メチルカプロラクタム等、及びこれらの混合物を使用でき、NMPが好ましい。これらは全て、水よりも低い蒸気圧を持つ。
【0021】
アルカリ金属硫化物も公知であり、たとえば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム及びこれらの混合物である。これらの水和物及び水溶液であっても良い。又、これらにそれぞれ対応する水硫化物及び水和物を、それぞれに対応する水酸化物で中和して用いることができる。安価な硫化ナトリウムが好ましい。
【0022】
ジハロ芳香族化合物は、たとえば特公昭45‐3368号公報記載のものから選ぶことができるが、好ましくはp‐ジクロロベンゼンである。又、少量(20モル%以下)のジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン又はビフェニルのパラ、メタ又はオルトジハロ物を1種類以上用いて共重合体を得ることができる。例えば、m‐ジクロロベンゼン、o‐ジクロロベンゼン、p,p´‐ジクロロジフェニルエーテル、m,p´‐ジクロロジフェニルエーテル、m,m´‐ジクロロジフェニルエーテル、p,p´‐ジクロロジフェニルスルホン、m,p´‐ジクロロジフェニルスルホン、m,m´‐ジクロロジフェニルスルホン、p,p´‐ジクロロビフェニル、m,p´‐ジクロロビフェニル、m,m´‐ジクロロビフェニルである。
【0023】
PASの分子量をより大きくするために、例えば1,3,5‐トリクロロベンゼン、1,2,4‐トリクロロベンゼン等のポリハロ化合物を、パラ及びメタジハロ芳香族化合物の合計量に対して好ましくは5モル%以下の濃度で使用することもできる。
【0024】
また、他の少量添加物として、末端停止剤、修飾剤としてのモノハロ化物を併用することもできる。
【0025】
次に、有機溶媒でのPASの洗浄は、好ましくは以下の方法で行われる。即ち、上記工程で生成したPAS(イ)のスラリーを濾過した後、得られた濾過ケーキを有機溶媒に分散させる方法である。該洗浄により、PAS(イ)中に存在する比較的低分子量のオリゴマー成分を良好に除去し得るため好ましい。
【0026】
洗浄の一態様において、まず上記工程で生成したPAS(イ)のスラリーを濾過してPASケーキを得る。次いで、該PASケーキを、重量で好ましくは0.5〜10倍の有機溶媒中に投入して、好ましくは常温〜180℃で、好ましくは10分間〜10時間攪拌混合した後、濾過する。該攪拌混合及び濾過操作を好ましくは1〜10回繰り返す。該洗浄に使用する有機溶媒としては、上記PAS (イ)の製造工程の説明中に記載した有機アミド系溶媒、あるいはキシレン等が挙げられる。好ましくは有機アミド系溶媒が用いられる。該有機アミド系溶媒はPAS(イ)の製造工程で使用したものと同一であっても、異なっていても良い。該有機アミド系溶媒として、特に好ましくはN‐メチルピロリドンが使用される。
【0027】
引続く水洗浄は、公知の方法に従って行うことができる。しかし、好ましくは上記の有機溶媒で洗浄した後に得られた濾過ケーキを、水に分散させることにより行われる。例えば、上記の濾過ケーキを、重量で好ましくは1〜5倍の水中に投入して、好ましくは常温〜90℃で、好ましくは5分間〜10時間攪拌混合した後、濾過する。該攪拌混合及び濾過操作を好ましくは2〜10回繰り返すことにより、PASに付着した溶媒及び副生塩の除去を行って水洗浄を終了する。上記のようにして水洗浄を行うことにより、フィルターケーキに水を注ぐ洗浄方法に比べて少ない水量で効率的な洗浄が可能となる。また、本発明者は、従来から行われている乾燥による溶媒除去が、PASとエポキシ系シランカップリング剤との反応性を低下させていたことを見出した。しかし、本発明のように水洗浄による溶媒除去を用いれば、PASとエポキシ系シランカップリング剤との高い反応性を維持し得るのである。
【0028】
本発明においては、上記のようにして得られたPASに、更に酸処理を施すこともできる。該酸処理は、100℃以下の温度、好ましくは40〜80℃の温度で実施される。該温度が上記上限を超えると、酸処理後のPAS分子量が低下するため好ましくない。また、40℃未満では、残存している無機塩が析出してスラリーの流動性を低下させ、連続処理のプロセスを阻害するため好ましくない。該酸処理に使用する酸溶液の濃度は、好ましくは0.01〜5.0重量%である。また、該酸溶液のpHは、酸処理後において、好ましくは4.0〜5.0である。上記の濃度及びpHを採用することにより、被処理物であるPAS中の‐SY (Yはアルカリ金属を示す)末端の大部分を‐SH末端に転化することができると共に、プラント設備等の腐食を防止し得るため好ましい。該酸処理に要する時間は、上記酸処理温度及び酸溶液の濃度に依存するが、好ましくは5分間以上、特に好ましくは10分間以上である。上記未満では、PAS中の‐SY末端を‐SH末端に十分に転化できず好ましくない。上記酸処理には、例えば酢酸、ギ酸、シュウ酸、フタル酸、塩酸、リン酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、ホウ酸、炭酸等が使用され、酢酸が特に好ましい。該処理を施すことにより、PAS中の不純物であるアルカリ金属、例えばナトリウムを低減できる。従って、製品使用中のアルカリ金属、例えばナトリウム溶出及び電気絶縁性の劣化を抑制することができる。
【0029】
また、本発明は、
(A)上記本発明のPAS 100重量部、
(B)エポキシ系シランカップリング剤 0.01〜5.0重量部及び
(C)無機充填剤 0〜400重量部
を含むPAS樹脂組成物である。
【0030】
成分(B)エポキシ系シランカップリング剤の配合量は、成分(A)PAS100重量部に対して、その下限が0.01重量部、好ましくは0.05重量部、特に好ましくは0.1重量部であり、上限が5.0重量部、好ましくは3.0重量部、特に好ましくは2.0重量部である。成分(B)が上記下限未満では衝撃強度、引張強度等の機械的強度が低く、上記上限を超えては増粘による成形加工性の低下、機械的強度の低下、成形品の外観不良やコストアップの原因となり好ましくない。
【0031】
成分(C)無機充填剤の配合量は、成分(A)PAS100重量部に対して、上限が400重量部、好ましくは200重量部、特に好ましくは100重量部である。成分(C)が上記上限を超えては成形性が悪化し好ましくない。
【0032】
本発明における成分(B)エポキシ系シランカップリング剤としては、好ましくはγ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0033】
成分(C)無機充填剤は、慣用のものを使用することができる。例えば、シリカ、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、クレー、シリカアルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、窒化ケイ素、ガラス、ハイドロタルサイト、酸化ジルコニウム等の粒状、粉末状あるいは鱗片状のもの、又はガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、炭素繊維、マイカセラミック繊維、金属繊維等の繊維状のものを挙げることができる。これらの無機充填材は、夫々単独で、あるいは二種以上組合わせて用いることができる。
【0034】
更に、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、離型剤、着色剤等の添加剤を配合することもできる。
【0035】
以上のような各成分を混合する方法は、特に限定されるものではない。一般に広く使用されている方法、例えば各成分をヘンシェルミキサー等の混合機で混合する等の方法を用いることができる。
【0036】
本発明の樹脂組成物は通常押出機で溶融混練してペレット化した後、例えば射出成形あるいは圧縮成形して所望の形状に成形される。
【0037】
本発明のPAS樹脂組成物は、衝撃強度、引張強度等の機械的強度に優れ、電気・電子部品、自動車部品等として有用である。
【0038】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0039】
【実施例】
実施例中の各特性値は下記の如く測定した。
<エポキシ系シランカップリング剤との反応性>
反応性は増粘率αにより比較した。増粘率αは次式のように定義する。
【0040】
【数1】
α(%)={(VS −VB )/VB }×100
ここで、VB は、エポキシ系シランカップリング剤との反応前のPPSの溶融粘度V6 を示し、VS は、エポキシ系シランカップリング剤との反応後のPPSの溶融粘度V6 を示す。該溶融粘度V6 は、いずれも島津製作所製フローテスターCFT‐500Cを用いて300℃、荷重20kgf/cm2 、L/D=10/1で6分間保持した後に測定した粘度(ポイズ)である。反応後のPPSの溶融粘度VS は、表1に示す量(重量部)のPPSとエポキシ系シランカップリング剤とをブレンドした後、上記フローテスター中に装入して測定した。ここで、エポキシ系シランカップリング剤としては、γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(A187、商標、日本ユニカー株式会社製)を使用した。但し、表1中、*1については、β‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(A186、商標、日本ユニカー株式会社製)を使用した。
<耐衝撃性>
ASTM D256に準拠して、アイゾット衝撃強度を測定し評価した。
<引張強度及び引張破断伸度>
ASTM D638に準拠して測定した。
【0041】
【実施例1】
150リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(61.0重量%Na2 S)19.286kgとNMP45.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪拌しながら204℃まで昇温して、水4.157kgを留出させた(残存する水分量は硫化ソーダ1モル当り1.21モル)。その後、オートクレーブを密閉して180℃まで冷却し、パラジクロロベンゼン(以下ではp‐DCBと略すことがある)22.05kgとNMP18.0kgを仕込んだ。液温150℃で窒素ガスを用いて1kg/cm2 Gに加圧して昇温を開始した。液温215℃で5時間攪拌しつつ、オートクレーブ上部の外側に巻き付けたコイルに80℃の冷媒を流し冷却した。その後、昇温して、液温260℃で3時間攪拌しつつ反応を進め、次に降温させると共にオートクレーブ上部の冷却を止めた。オートクレーブ上部を冷却中、液温が下がらないように一定に保持した。
【0042】
その後、更に室温まで冷却して重合スラリー(S1)を得た。
【0043】
該重合スラリー(S1)の一部(4kg)を濾過した後、得られた濾過ケーキを未使用のNMP(2kg)中にスラリー化した。次いで、120℃で30分間攪拌し、濾過してNMPを除去し、次に濾過ケーキを約80℃の温水(重量で濾過ケーキの約2倍)中に投入して、約30分間十分に攪拌した後、濾過した。この水洗浄及び濾過の操作を7回繰り返した。その後、得られた濾過ケーキを120℃で6時間熱風循環乾燥機中で乾燥して白色粉末状のPPSを得た。得られたPPS(P‐1)のVB は1250ポイズであった。
【0044】
【実施例2】
重合実施例1で得た重合スラリー(S1)の一部(4kg)を濾過した後、得られた濾過ケーキを未使用のNMP(2kg)中にスラリー化した。次いで、120℃で30分間攪拌し、濾過してNMPを除去し、次に濾過ケーキを約80℃の温水(重量で濾過ケーキの約2倍)中に投入して、約30分間十分に攪拌した後、濾過した。この水洗浄及び濾過の操作を2回繰り返した。得られた濾過ケーキを純水中にスラリー化した後、該スラリーに酢酸を加えてpH5.0に調節して15分間攪拌を行い酸処理を施した。酸処理後、再び水洗浄を4回繰り返した。次に、得られた濾過ケーキを120℃で6時間熱風循環乾燥機中で乾燥して白色粉末状のPPSを得た。得られたPPS(P‐2)のVB は1110ポイズであった。
【0045】
【比較例1】
未使用のNMPによる洗浄を行わなかった以外は、実施例1と同じく実施した。得られたPPS(P‐3)のVB は1080ポイズであった。
【0046】
【比較例2】
実施例1で得た重合スラリー(S1)の一部(4kg)を濾過した後、そのケーキをエバポレーターで10torrの減圧下、200℃の油浴中でNMPが留出しなくなるまで、約1時間乾燥した。その後冷却し、約80℃の温水(重量で濾過ケーキの約2倍)中に投入して、約30分間十分に攪拌した後、濾過した。この水洗浄及び濾過の操作を7回繰り返した。その後、該濾過ケークを120℃で6時間熱風循環乾燥機中で乾燥し、茶褐色粉末状の製品を得た。得られたPPS(P‐4)のVB は1380ポイズであった。
【0047】
【比較例3】
重合助剤として酢酸ナトリウム三水塩8.0kgを添加し、p‐DCB22.612kgを仕込み、かつオートクレーブ上部の冷却を実施しなかった以外は重合実施例1と同一の条件で実施した。得られたPPS(P‐5)のVB は1470ポイズであった。
【0048】
以上の実施例及び比較例で製造した各PPSの性状を表1に示す。ここで、P‐2(実施例2)については、エポキシ系シランカップリング剤の添加量及び種類を変えて増粘率を測定した。
【0049】
【表1】

Figure 0003646737
P‐1及び2は、いずれも本発明のPPSである。エポキシ系シランカップリング剤の添加量が0.5重量部で、いずれも高い増粘率を示した。P‐2について、エポキシ系シランカップリング剤の添加量を0.8重量部に増加したものは、更に高い増粘率を示した。このように、本発明のPPSがエポキシ系シランカップリング剤との高い反応性を持つことが分かった。また、P‐2については、エポキシ系シランカップリング剤の種類を変えたものについても増粘率を測定した。各カップリング剤において、高い増粘率を示した。
【0050】
一方、P‐3は、未使用のNMPによる洗浄を行わずに製造したものである。塩化メチレン抽出量が多く、増粘率は著しく低い。P‐4は、未使用のNMPによる洗浄をせず、NMPの加熱乾燥、次に水洗浄を実施して製造したものである。塩化メチレン抽出量が多く、増粘率は著しく低い。P‐5は、オートクレーブ上部の冷却を実施せず製造したものである。得られたPPSの‐SX基量が少なく、増粘率は著しく低い。
【0051】
【実施例3〜6及び比較例4〜7】
表2に示す量(重量部)の各PPS、ガラスファイバー(CS 3J‐961S、商標、日東紡績株式会社製)及びエポキシ系シランカップリング剤を混合した後、20mmφの二軸異方向回転押出機を使用して、バレル設定温度320℃で混練し押出してペレットを作成した。得られたペレットからシリンダー設定温度320℃、金型温度130℃の条件にて射出成形して試験片を作成し、評価試験に供した。
【0052】
ここで、実施例3〜5及び比較例4〜6で使用したエポキシ系シランカップリング剤は、γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(A187、商標、日本ユニカー株式会社製)であり、実施例6で使用したエポキシ系シランカップリング剤は、β‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(A186、商標、日本ユニカー株式会社製)である。
【0053】
以上の結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
Figure 0003646737
実施例3〜6は、本発明の樹脂組成物である。その成形物は、いずれも高い衝撃強度、引張強度及び引張破断伸度を示した。
【0055】
一方、比較例4〜6は、夫々上記比較例1〜3で製造したPPSを使用した樹脂組成物である。その成形物はいずれも、衝撃強度、引張強度及び引張破断伸度において実施例3〜6のものより劣っていた。比較例7の樹脂組成物は、本発明のPPS(P‐1)を用いて、エポキシ系シランカップリング剤を添加しなかったものである。実施例3と比べて、衝撃強度、引張強度及び引張破断伸度は劣っていた。
【0056】
【発明の効果】
本発明は、高価な重合助剤を必要とせず、従って安価であり、かつエポキシ系シランカップリング剤との反応性に富み、従って該剤の少量の添加で衝撃強度等の機械的強度の十分な向上を達成し得る、新規なPASを提供する。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a polyarylene sulfide rich in reactivity with an epoxy-based silane coupling agent and a resin composition containing the same.
[0002]
[Prior art]
As a conventional method for producing polyarylene sulfide (hereinafter sometimes abbreviated as PAS), Japanese Patent Publication No. 45-3368 discloses a reaction between an alkali metal sulfide and a dihaloaromatic compound in an organic amide solvent. A method for producing PAS is described. However, this method could not produce a high molecular weight PAS.
[0003]
Accordingly, the low molecular weight PAS as described above has been subjected to thermal oxidation treatment to crosslink to produce a high molecular weight PAS. However, such a crosslinked PAS has the disadvantage that it is inferior in mechanical strength such as impact strength and further inferior in moldability.
Therefore, several methods have been proposed so far in order to improve mechanical strength such as impact resistance.
[0004]
Japanese Patent Publication No. 52-12240 describes a method for carrying out polymerization in the presence of a carboxylic acid metal salt such as sodium acetate or lithium acetate in order to produce a high molecular weight PAS. However, the above compound is expensive, and in order to separate, recover and process the compound from the product without pollution, a large amount of incidental equipment, technology and cost are required, which is also disadvantageous in this respect. . In addition, the reactivity with the epoxy silane coupling agent is not sufficient, and the mechanical strength such as impact strength due to the addition of the epoxy silane coupling agent cannot be sufficiently improved.
[0005]
Japanese Patent Publication No. 6-39113 discloses a resin composition containing a silane compound such as PAS and epoxyalkoxysilane and an inorganic filler. However, the reactivity between PAS and the silane compound is not sufficient, and it cannot be said that the effect of improving mechanical strength such as impact strength is sufficient.
[0006]
JP-A-6-256517 discloses a PAS having a predetermined melt flow rate and having a predetermined increase in melt viscosity when 1.0% of γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane is added. Yes. However, in the production of the PAS, it is necessary to add an alkali metal hydroxide. Therefore, the manufacturing cost of PAS increases, which is very disadvantageous for industrialization. Moreover, in order to separate and recover the above compounds from products without causing pollution, a large amount of incidental facilities, techniques and costs are required, which is also disadvantageous in this respect.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention does not require an expensive polymerization aid as described above, and is therefore inexpensive and highly reactive with an epoxy-based silane coupling agent. Therefore, a machine such as impact strength can be obtained by adding a small amount of the agent. An object of the present invention is to provide a novel PAS that can achieve a sufficient improvement in mechanical strength.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In the present invention, the amount of extraction with methylene chloride is 0.7% by weight or less, the melt viscosity V 6 is 20 to 15000 poise, and the —SX group (X is an alkali metal or a hydrogen atom) is 15 μmol / g. This is the above polyarylene sulfide.
The PAS of the present invention has many -SX groups. Therefore, it reacts with many epoxy silane coupling agents. Further, the PAS of the present invention has a small amount of extraction with methylene chloride. Therefore, there are almost no oligomers having a relatively small molecular weight, and the epoxy silane coupling agent is not wasted. From the above, the PAS of the present invention is rich in reactivity with the epoxy silane coupling agent, and can obtain high mechanical strength by adding a small amount of the agent.
[0009]
The PAS of the present invention has an extraction amount with methylene chloride of 0.7% by weight or less, preferably 0.6% by weight or less, particularly preferably 0.5% by weight or less. The above range is preferable because an oligomer having a relatively low molecular weight does not exist in PAS. If the extraction amount exceeds the above upper limit, the effect of improving mechanical strength such as impact resistance by the epoxy silane coupling agent is lowered, which is not preferable. Here, the extraction amount with methylene chloride is a value determined as follows. Add 4 g of PAS powder to 80 g of methylene chloride, perform Soxhlet extraction for 4 hours, cool to room temperature, and transfer the extracted methylene chloride solution to a weighing bottle. Further, the container used for the above extraction was washed in three portions with a total of 60 g of methylene chloride, and the washing solution was collected and collected in the weighing bottle. Next, the mixture is heated to about 80 ° C., the methylene chloride in the weighing bottle is evaporated and removed, and the residue is weighed.
[0010]
In the PAS of the present invention, the —SX group (X is an alkali metal or a hydrogen atom) is 15 μmol / g or more, preferably 18 to 35 μmol / g, particularly preferably 20 to 30 mol / g. When the group is less than the lower limit, the reactivity between the PAS and the epoxy silane coupling agent is lowered. Here, quantification of -SX group was performed as follows. After the PAS powder is dried at 120 ° C. for 4 hours in advance, 20 g of the PAS powder is added to 150 g of N-methyl-2-pyrrolidone, and the mixture is vigorously stirred and mixed at room temperature for 30 minutes so as to eliminate powder agglomerates. Next, after the slurry is filtered, washing is repeated 7 times using 1 liter of warm water of about 80 ° C. each time. The obtained filter cake is slurried again in 200 g of pure water, and then 1N hydrochloric acid is added to adjust the pH of the slurry to 4.5. Next, after stirring for 30 minutes at 25 ° C. and filtering, washing is repeated 6 times using 1 liter of warm water of about 80 ° C. each time. The obtained filter cake is slurried again in 200 g of pure water, then titrated with 1N sodium hydroxide and quantified.
[0011]
Furthermore, PAS of the present invention, the melt viscosity V 6 is 20 to 15,000 poises, preferably 100 to 10000 poises, particularly preferably 400 to 5,000 poise. If it is less than the above lower limit, the inherent properties of PAS such as mechanical strength cannot be obtained, and the reactivity with the epoxy silane coupling agent is not sufficient, and the improvement of mechanical strength, which is the object of the present invention, can be achieved. Can not. Exceeding the upper limit is not preferable because molding processability is lowered. Here, the melt viscosity V 6 is a value measured after holding for 6 minutes at 300 ° C., a load of 20 kgf / cm 2 , and L / D = 10/1 using a flow tester.
[0012]
In the present invention, the PAS reacts with an alkali metal sulfide and a dihaloaromatic compound in an organic amide solvent, and during the reaction, the gas phase portion of the reaction can is cooled to cool the gas phase in the reaction can. The polyarylene sulfide (i) produced by condensing a part and refluxing it to the liquid phase can be obtained by washing with an organic solvent and then with water.
[0013]
Here, the PAS (A) can be produced by the method described in JP-A-5-222196.
[0014]
In this polymerization method, the liquid to be refluxed has a higher water content than the liquid phase bulk due to the difference in vapor pressure between water and the amide solvent. This reflux solution with a high water content forms a layer with a high water content at the top of the reaction solution. As a result, the remaining alkali metal sulfide (for example, Na 2 S), alkali metal halide (for example, NaCl), oligomer, and the like are contained in a large amount in the layer. In the conventional method, not only high molecular weight PAS can be obtained but also generated at a high temperature of 230 ° C. or higher in a state where the generated PAS and raw materials such as Na 2 S and by-products are uniformly mixed. The depolymerization of the PAS also occurs, and a by-product of thiophenol is observed. However, in the present invention, the above-mentioned disadvantageous phenomenon can be avoided by actively cooling the gas phase portion of the reaction vessel and returning a large amount of moisture-rich reflux liquid to the upper part of the liquid phase, thereby inhibiting the reaction. It is considered that such a factor can be removed truly efficiently and a high molecular weight PAS can be obtained. However, the present invention is not limited only by the effect of the above phenomenon, and a high molecular weight PAS can be obtained by various influences caused by cooling the gas phase portion.
[0015]
In this polymerization method, it is not necessary to add water during the reaction unlike the conventional method. However, adding water is not completely excluded. However, if the operation of adding water is performed, some of the advantages of the present invention are lost. Therefore, preferably the total water content in the polymerization reaction system is constant throughout the reaction.
[0016]
Cooling of the gas phase portion of the reactor can be performed by external cooling or internal cooling, and can be performed by a cooling means known per se. For example, a method of flowing a coolant through an internal coil installed at the top of the reaction can, a method of flowing a coolant through an external coil or jacket wound around the top of the reaction can, and a reflux condenser installed at the top of the reaction can A method such as spraying water or blowing a gas (air, nitrogen, etc.) on the upper part outside the reaction can be considered, but any method is effective as long as it has the effect of increasing the reflux amount in the can as a result. May be used. If the outside air temperature is relatively low (for example, normal temperature), it is possible to perform appropriate cooling by removing the heat insulating material conventionally provided at the top of the reaction can. In the case of external cooling, the water / amide solvent mixture condensed on the wall surface of the reaction vessel passes through the wall of the reaction vessel and enters the liquid phase. Accordingly, the water-rich mixture accumulates at the top of the liquid phase and keeps the water content relatively high. In the case of internal cooling, the mixture condensed on the cooling surface likewise travels through the cooling device surface or the reaction vessel wall and enters the liquid phase.
[0017]
On the other hand, the temperature of the liquid phase bulk is kept at a predetermined constant temperature or controlled according to a predetermined temperature profile. When the temperature is constant, the reaction is preferably performed at 230 to 275 ° C. for 0.1 to 20 hours. More preferably, it is 1 to 6 hours at a temperature of 240 to 265 ° C. In order to obtain higher molecular weight PAS, it is preferred to use a reaction temperature profile of two or more stages. When performing this two-stage operation, the first stage is preferably carried out at a temperature of 195 to 240 ° C. If the temperature is low, the reaction rate is too low to be practical. When the temperature is higher than 240 ° C., the reaction rate is too high, and a sufficiently high molecular weight PAS cannot be obtained, and the side reaction rate is remarkably increased. The completion of the first stage is preferably performed when the residual ratio of the dihaloaromatic compound in the polymerization reaction system is 1 mol% to 40 mol% and the molecular weight is within the range of 3,000 to 20,000. More preferably, the residual ratio of the dihaloaromatic compound in the polymerization reaction system is in the range of 2 to 15 mol% and the molecular weight is in the range of 5,000 to 15,000. If the residual ratio exceeds 40 mol%, side reactions such as depolymerization are likely to occur in the second stage reaction, whereas if it is less than 1 mol%, it is difficult to finally obtain a high molecular weight PAS. Thereafter, the temperature is raised, and the final reaction is preferably carried out at a reaction temperature of 240 to 270 ° C. for 1 to 10 hours. If the temperature is low, a sufficiently high molecular weight PAS cannot be obtained, and if the temperature is higher than 270 ° C., side reactions such as depolymerization tend to occur, making it difficult to stably obtain a high molecular weight product.
[0018]
As an actual operation, first, dehydration or water addition is performed as necessary so that the amount of water in the alkali metal sulfide in the amide solvent becomes a predetermined amount under an inert gas atmosphere. The amount of water is preferably 0.5 to 2.5 mol, particularly 0.8 to 1.2 mol, per mol of alkali metal sulfide. If it exceeds 2.5 moles, the reaction rate decreases, and the amount of by-products such as phenol increases in the filtrate after completion of the reaction, and the degree of polymerization does not increase. When the amount is less than 0.5 mol, the reaction rate is too high to obtain a sufficiently high molecular weight product, and undesirable reactions such as side reactions occur.
[0019]
In the case of a one-stage reaction at a constant temperature, it is desirable to cool the gas phase portion during the reaction from the beginning of the reaction, but it must be performed at least during the temperature rise of 250 ° C. or less. In the multistage reaction, it is desirable to cool from the first stage reaction, but it is preferable to carry out from the middle of the temperature increase after the completion of the first stage reaction at the latest. The degree of cooling effect is usually the most suitable index for the pressure in the reaction vessel. The absolute value of the pressure varies depending on the characteristics of the reactor, the stirring state, the moisture content in the system, the molar ratio of the dihaloaromatic compound and the alkali metal sulfide, and the like. However, compared with the case where the reactor is not cooled under the same reaction conditions, if the reaction vessel pressure decreases, the amount of the reflux liquid increases, which means that the temperature at the reaction solution gas-liquid interface decreases. It is considered that the degree of relative decrease indicates the degree of separation between the layer having a high water content and the layer not having the moisture content. Therefore, the cooling is preferably performed to such an extent that the internal pressure of the reaction can becomes lower than that in the case where cooling is not performed. The degree of cooling can be appropriately set by those skilled in the art according to the equipment to be used and the operating conditions.
[0020]
The organic amide solvents used here are known for PAS polymerization, such as N-methylpyrrolidone (NMP), N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide, N-methylcaprolactam, and the like. Mixtures of these can be used, with NMP being preferred. These all have a lower vapor pressure than water.
[0021]
Alkali metal sulfides are also known, for example, lithium sulfide, sodium sulfide, potassium sulfide, rubidium sulfide, cesium sulfide and mixtures thereof. These hydrates and aqueous solutions may also be used. In addition, hydrosulfides and hydrates corresponding to these can be used after neutralizing with the corresponding hydroxides. Inexpensive sodium sulfide is preferred.
[0022]
The dihaloaromatic compound can be selected from, for example, those described in JP-B-45-3368, and is preferably p-dichlorobenzene. Further, a copolymer can be obtained by using one or more kinds of a small amount (20 mol% or less) of diphenyl ether, diphenyl sulfone or biphenyl para, meta or ortho dihalo compounds. For example, m-dichlorobenzene, o-dichlorobenzene, p, p'-dichlorodiphenyl ether, m, p'-dichlorodiphenyl ether, m, m'-dichlorodiphenyl ether, p, p'-dichlorodiphenyl sulfone, m, p'- Dichlorodiphenyl sulfone, m, m'-dichlorodiphenyl sulfone, p, p'-dichlorobiphenyl, m, p'-dichlorobiphenyl, m, m'-dichlorobiphenyl.
[0023]
In order to increase the molecular weight of PAS, a polyhalo compound such as 1,3,5-trichlorobenzene or 1,2,4-trichlorobenzene is preferably added in an amount of 5 moles relative to the total amount of para and metadihaloaromatic compounds. It can also be used at a concentration of less than%.
[0024]
In addition, as other small amount additives, a terminal terminator and a monohalide as a modifier can be used in combination.
[0025]
Next, the washing of PAS with an organic solvent is preferably performed by the following method. That is, after the PAS (I) slurry produced in the above step is filtered, the obtained filter cake is dispersed in an organic solvent. This washing is preferable because the oligomer component having a relatively low molecular weight present in PAS (A) can be satisfactorily removed.
[0026]
In one aspect of washing, first, the PAS (I) slurry produced in the above step is filtered to obtain a PAS cake. Next, the PAS cake is put into an organic solvent preferably 0.5 to 10 times by weight, and is preferably stirred at room temperature to 180 ° C., preferably 10 minutes to 10 hours, and then filtered. The stirring and mixing operation is preferably repeated 1 to 10 times. Examples of the organic solvent used for the washing include the organic amide solvents described in the description of the production process of PAS (A), xylene, and the like. An organic amide solvent is preferably used. The organic amide solvent may be the same as or different from that used in the production process of PAS (I). As the organic amide solvent, N-methylpyrrolidone is particularly preferably used.
[0027]
The subsequent water washing can be performed according to a known method. However, it is preferably carried out by dispersing the filter cake obtained after washing with the above organic solvent in water. For example, the above filter cake is poured into water preferably 1 to 5 times by weight, and is preferably stirred at room temperature to 90 ° C., preferably 5 minutes to 10 hours, and then filtered. The stirring and mixing operation and the filtration operation are preferably repeated 2 to 10 times to remove the solvent and by-product salt adhering to the PAS, and the water washing is completed. By performing water washing as described above, efficient washing can be performed with a small amount of water compared to a washing method in which water is poured into the filter cake. The present inventor has also found that the conventional solvent removal by drying has reduced the reactivity between PAS and the epoxy silane coupling agent. However, if solvent removal by water washing is used as in the present invention, high reactivity between PAS and the epoxy-based silane coupling agent can be maintained.
[0028]
In the present invention, the PAS obtained as described above can be further subjected to an acid treatment. The acid treatment is performed at a temperature of 100 ° C. or lower, preferably 40 to 80 ° C. If the temperature exceeds the above upper limit, the PAS molecular weight after acid treatment is lowered, which is not preferable. Moreover, if it is less than 40 degreeC, since the remaining inorganic salt precipitates, the fluidity | liquidity of a slurry will be reduced and the process of a continuous process will be inhibited, it is unpreferable. The concentration of the acid solution used for the acid treatment is preferably 0.01 to 5.0% by weight. The pH of the acid solution is preferably 4.0 to 5.0 after the acid treatment. By adopting the above concentration and pH, most of -SY (Y represents an alkali metal) end in PAS to be treated can be converted to -SH end, and corrosion of plant equipment etc. This is preferable. The time required for the acid treatment depends on the acid treatment temperature and the concentration of the acid solution, but is preferably 5 minutes or more, particularly preferably 10 minutes or more. If it is less than the above, it is not preferable because the -SY terminal in PAS cannot be sufficiently converted to the -SH terminal. For the acid treatment, for example, acetic acid, formic acid, oxalic acid, phthalic acid, hydrochloric acid, phosphoric acid, sulfuric acid, sulfurous acid, nitric acid, boric acid, carbonic acid and the like are used, and acetic acid is particularly preferable. By performing the treatment, alkali metals such as sodium, which are impurities in PAS, can be reduced. Therefore, alkali metal such as sodium elution and electrical insulation deterioration during product use can be suppressed.
[0029]
The present invention also provides:
(A) 100 parts by weight of the PAS of the present invention,
(B) It is a PAS resin composition containing 0.01 to 5.0 parts by weight of an epoxy silane coupling agent and (C) 0 to 400 parts by weight of an inorganic filler.
[0030]
The component (B) epoxy silane coupling agent is added in an amount of 0.01 parts by weight, preferably 0.05 parts by weight, particularly preferably 0.1 parts by weight, relative to 100 parts by weight of the component (A) PAS. The upper limit is 5.0 parts by weight, preferably 3.0 parts by weight, particularly preferably 2.0 parts by weight. If the component (B) is less than the above lower limit, the mechanical strength such as impact strength and tensile strength is low, and if it exceeds the above upper limit, the molding processability decreases due to thickening, the mechanical strength decreases, the appearance defect of the molded product and the cost. It causes an increase and is not preferable.
[0031]
The compounding amount of the component (C) inorganic filler is 400 parts by weight, preferably 200 parts by weight, particularly preferably 100 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the component (A) PAS. If the component (C) exceeds the above upper limit, the moldability deteriorates, which is not preferable.
[0032]
The component (B) epoxy silane coupling agent in the present invention is preferably γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropyltriethoxysilane, β- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltri Examples include methoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldiethoxysilane, and γ-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane.
[0033]
As the component (C) inorganic filler, conventional ones can be used. For example, silica, alumina, talc, mica, kaolin, clay, silica alumina, titanium oxide, calcium carbonate, calcium silicate, calcium phosphate, calcium sulfate, magnesium carbonate, magnesium oxide, magnesium phosphate, silicon nitride, glass, hydrotalcite Examples thereof include particulates such as zirconium oxide, powders or scales, and fibers such as glass fibers, potassium titanate fibers, carbon fibers, mica ceramic fibers, and metal fibers. These inorganic fillers can be used alone or in combination of two or more.
[0034]
Furthermore, additives such as antioxidants, heat stabilizers, lubricants, mold release agents, colorants and the like can be blended as necessary.
[0035]
The method for mixing the above components is not particularly limited. A generally used method such as a method of mixing each component with a mixer such as a Henschel mixer can be used.
[0036]
The resin composition of the present invention is usually melt-kneaded with an extruder and pelletized, and then formed into a desired shape by, for example, injection molding or compression molding.
[0037]
The PAS resin composition of the present invention is excellent in mechanical strength such as impact strength and tensile strength, and is useful as an electric / electronic component, an automotive component, or the like.
[0038]
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention still in detail, this invention is not limited by these Examples.
[0039]
【Example】
Each characteristic value in the examples was measured as follows.
<Reactivity with epoxy silane coupling agent>
The reactivity was compared by the thickening rate α. The thickening rate α is defined as follows:
[0040]
[Expression 1]
α (%) = {(V S −V B ) / V B } × 100
Here, V B represents the melt viscosity V 6 of PPS before the reaction with the epoxy silane coupling agent, and V S represents the melt viscosity V 6 of PPS after the reaction with the epoxy silane coupling agent. . The melt viscosity V 6 is a viscosity (poise) measured after holding for 6 minutes at 300 ° C. under a load of 20 kgf / cm 2 and L / D = 10/1 using a flow tester CFT-500C manufactured by Shimadzu Corporation. . The melt viscosity V S of PPS after the reaction was measured by blending the amount (parts by weight) of PPS and the epoxy silane coupling agent shown in Table 1 and then charging them in the flow tester. Here, γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane (A187, trademark, manufactured by Nihon Unicar Co., Ltd.) was used as the epoxy silane coupling agent. However, in Table 1, for * 1, β- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltrimethoxysilane (A186, trademark, manufactured by Nippon Unicar Co., Ltd.) was used.
<Impact resistance>
The Izod impact strength was measured and evaluated according to ASTM D256.
<Tensile strength and tensile elongation at break>
Measured according to ASTM D638.
[0041]
[Example 1]
In a 150 liter autoclave, 19.286 kg of flaky sodium sulfide (61.0 wt% Na 2 S) and 45.0 kg of NMP were charged. While stirring in a nitrogen stream, the temperature was raised to 204 ° C. to distill 4.157 kg of water (the amount of water remaining was 1.21 mol per mol of sodium sulfide). Thereafter, the autoclave was sealed and cooled to 180 ° C., and charged with 22.05 kg of paradichlorobenzene (hereinafter, sometimes abbreviated as p-DCB) and 18.0 kg of NMP. The temperature was increased by pressurizing to 1 kg / cm 2 G using nitrogen gas at a liquid temperature of 150 ° C. While stirring at a liquid temperature of 215 ° C. for 5 hours, an 80 ° C. refrigerant was passed through a coil wound around the outside of the upper part of the autoclave and cooled. Thereafter, the temperature was raised and the reaction was allowed to proceed with stirring at a liquid temperature of 260 ° C. for 3 hours. Next, the temperature was lowered and cooling of the upper part of the autoclave was stopped. The upper part of the autoclave was kept constant during cooling to prevent the liquid temperature from dropping.
[0042]
Thereafter, it was further cooled to room temperature to obtain a polymerization slurry (S1).
[0043]
A part (4 kg) of the polymerization slurry (S1) was filtered, and the obtained filter cake was slurried in unused NMP (2 kg). It is then stirred at 120 ° C. for 30 minutes, filtered to remove NMP, and then the filter cake is poured into warm water at about 80 ° C. (about twice the weight of the filter cake by weight) and stirred well for about 30 minutes And then filtered. This water washing and filtration operation was repeated 7 times. Thereafter, the obtained filter cake was dried in a hot air circulating dryer at 120 ° C. for 6 hours to obtain white powdery PPS. V B of the resulting PPS (P-1) was 1250 poise.
[0044]
[Example 2]
A part (4 kg) of the polymerization slurry (S1) obtained in Polymerization Example 1 was filtered, and the obtained filter cake was slurried in unused NMP (2 kg). It is then stirred at 120 ° C. for 30 minutes, filtered to remove NMP, and then the filter cake is poured into warm water at about 80 ° C. (about twice the weight of the filter cake by weight) and stirred well for about 30 minutes And then filtered. This water washing and filtration operation was repeated twice. The obtained filter cake was slurried in pure water, and then acetic acid was added to the slurry to adjust the pH to 5.0, followed by stirring for 15 minutes for acid treatment. After the acid treatment, washing with water was repeated four times. Next, the obtained filter cake was dried in a hot air circulating dryer at 120 ° C. for 6 hours to obtain white powdery PPS. V B of the obtained PPS (P-2) was 1110 poise.
[0045]
[Comparative Example 1]
The same procedure as in Example 1 was performed except that washing with unused NMP was not performed. The resulting PPS (P-3) had a V B of 1080 poise.
[0046]
[Comparative Example 2]
A part (4 kg) of the polymerization slurry (S1) obtained in Example 1 was filtered, and the cake was dried with an evaporator under a reduced pressure of 10 torr for about 1 hour until NMP was not distilled in a 200 ° C. oil bath. did. Thereafter, the mixture was cooled, poured into warm water at about 80 ° C. (about twice the weight of the filter cake by weight), sufficiently stirred for about 30 minutes, and then filtered. This water washing and filtration operation was repeated 7 times. Thereafter, the filter cake was dried in a hot air circulating dryer at 120 ° C. for 6 hours to obtain a brown powder product. V B of the resulting PPS (P-4) was 1380 poise.
[0047]
[Comparative Example 3]
Polymerization was carried out under the same conditions as in Polymerization Example 1 except that 8.0 kg of sodium acetate trihydrate was added, 22.612 kg of p-DCB was charged, and the upper part of the autoclave was not cooled. V B of the obtained PPS (P-5) was 1470 poise.
[0048]
Table 1 shows the properties of each PPS produced in the above Examples and Comparative Examples. Here, for P-2 (Example 2), the thickening rate was measured by changing the amount and type of the epoxy silane coupling agent.
[0049]
[Table 1]
Figure 0003646737
P-1 and 2 are both PPS of the present invention. The addition amount of the epoxy silane coupling agent was 0.5 parts by weight, and all showed high thickening rates. As for P-2, when the addition amount of the epoxy silane coupling agent was increased to 0.8 parts by weight, a higher thickening rate was exhibited. Thus, it was found that the PPS of the present invention has high reactivity with the epoxy silane coupling agent. Moreover, about P-2, the viscosity increase rate was measured also about what changed the kind of epoxy-type silane coupling agent. Each coupling agent showed a high viscosity increase rate.
[0050]
On the other hand, P-3 was produced without washing with unused NMP. The amount of methylene chloride extracted is large and the viscosity increase rate is extremely low. P-4 was produced by carrying out heat drying of NMP followed by water washing without washing with unused NMP. The amount of methylene chloride extracted is large and the viscosity increase rate is extremely low. P-5 was produced without cooling the upper part of the autoclave. The obtained PPS has a small amount of -SX groups, and the viscosity increase rate is extremely low.
[0051]
Examples 3 to 6 and Comparative Examples 4 to 7
After mixing each amount of PPS, glass fiber (CS 3J-961S, trademark, manufactured by Nitto Boseki Co., Ltd.) and an epoxy silane coupling agent in the amount (parts by weight) shown in Table 2, a 20-mmφ biaxial counter-rotating extruder Were used and kneaded at a barrel set temperature of 320 ° C. and extruded to produce pellets. A test piece was prepared from the obtained pellet by injection molding under the conditions of a cylinder set temperature of 320 ° C. and a mold temperature of 130 ° C., and subjected to an evaluation test.
[0052]
Here, the epoxy silane coupling agent used in Examples 3 to 5 and Comparative Examples 4 to 6 is γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane (A187, trademark, manufactured by Nihon Unicar Co., Ltd.). The epoxy-based silane coupling agent used in 6 is β- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltrimethoxysilane (A186, trademark, manufactured by Nihon Unicar Co., Ltd.).
[0053]
The results are shown in Table 2.
[0054]
[Table 2]
Figure 0003646737
Examples 3 to 6 are resin compositions of the present invention. All of the molded articles exhibited high impact strength, tensile strength and tensile elongation at break.
[0055]
On the other hand, Comparative Examples 4 to 6 are resin compositions using the PPS produced in Comparative Examples 1 to 3, respectively. All the molded products were inferior to those of Examples 3 to 6 in impact strength, tensile strength, and tensile elongation at break. The resin composition of Comparative Example 7 was obtained by using the PPS (P-1) of the present invention and not adding an epoxy silane coupling agent. Compared to Example 3, the impact strength, tensile strength, and tensile elongation at break were inferior.
[0056]
【The invention's effect】
The present invention does not require an expensive polymerization aid, is inexpensive, and has a high reactivity with an epoxy silane coupling agent. Therefore, the addition of a small amount of the agent has sufficient mechanical strength such as impact strength. A novel PAS that can achieve a significant improvement is provided.

Claims (6)

塩化メチレンによる抽出量が0.7重量%以下であり、溶融粘度V6 が20〜15000ポイズであり、かつ‐SX基(Xはアルカリ金属又は水素原子である)が15μmol/g以上であるポリアリーレンスルフィド。Polyethylene having an extraction amount by methylene chloride of 0.7% by weight or less, a melt viscosity V 6 of 20 to 15000 poise, and a —SX group (X is an alkali metal or a hydrogen atom) of 15 μmol / g or more. Arylene sulfide. 有機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させ、かつ反応中、反応缶の気相部分を冷却することにより反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを液相に還流せしめることにより製造したポリアリーレンスルフィド(イ)を、有機溶媒、次いで水で洗浄することを特徴とする請求項1記載のポリアリーレンスルフィドの製造法。In the organic amide solvent, the alkali metal sulfide and the dihaloaromatic compound are reacted, and during the reaction, the gas phase portion of the reaction vessel is cooled to condense a part of the gas phase in the reaction vessel. 2. The method for producing polyarylene sulfide according to claim 1, wherein the polyarylene sulfide (i) produced by refluxing to a liquid phase is washed with an organic solvent and then with water. 有機溶媒での洗浄を、ポリアリーレンスルフィド(イ)の製造工程で生成したスラリーを濾過した後、得られた濾過ケーキを有機溶媒に分散させることにより行う請求項2記載の製造法。The production method according to claim 2, wherein the washing with the organic solvent is performed by filtering the slurry produced in the production process of the polyarylene sulfide (a) and then dispersing the obtained filter cake in the organic solvent. 水洗浄を、有機溶媒で洗浄した後に得られた濾過ケーキを、水に分散させることにより行う請求項2又は3記載の製造法。The method according to claim 2 or 3, wherein the water washing is performed by dispersing the filter cake obtained after washing with an organic solvent in water. 有機溶媒が、有機アミド系溶媒である請求項2〜4のいずれか一つに記載の製造法。The production method according to any one of claims 2 to 4, wherein the organic solvent is an organic amide solvent. (A)請求項1記載のポリアリーレンスルフィド 100重量部、
(B)エポキシ系シランカップリング剤 0.01〜5.0重量部及び
(C)無機充填剤 0〜400重量部
を含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
(A) 100 parts by weight of the polyarylene sulfide according to claim 1,
(B) A polyarylene sulfide resin composition comprising 0.01 to 5.0 parts by weight of an epoxy silane coupling agent and 0 to 400 parts by weight of (C) an inorganic filler.
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