JP3646002B2 - 転写装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター、FAXなどの画像形成装置並びに該画像形成装置に採用することができる転写装置に係り、詳しくは、感光体等の像担持体に形成したトナー像を中間転写体あるいは転写材担持体上の転写材に転写する転写装置及び該装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンター、FAXなどの画像形成装置に用いられる転写方法及び装置として、転写バイアス電圧を印加した転写部材を、ベルト状の転写材担持体や中間転写体に接触させることにより、該転写材担持体等に転写電荷を付与するものが各種提案されている。
【0003】
この種の転写装置として、例えば特開平7−13440号公報には、転写ベルト(転写材担持体)に転写バイアス電圧を印加する電極(転写部材)を複数備えたものが記載されている。この複数の電極を設けることにより、万一転写ベルトに抵抗値の高い部分があっても白抜け等の異常画像が発生しないようにしている。
【0004】
また、特開平8−152789号公報には、転写ベルト(転写材担持体)に接触する転写バイアス電極(転写部材)を少なくとも2層構造とし、この転写バイアス電極の転写ベルトと接触する表面層の体積固有抵抗(体積抵抗率)を、隣接する下側の層の体積固有抵抗より高くしたものが記載されている。この所定構造の転写バイアス電極を用いることにより、転写ベルトの欠陥部によって生じる異常リーク(放電)を抑え、該リークによる小さな画像抜け等の異常画像の発生を防止している。
【0005】
また、特開平9−73239号公報には、像担持体とバイアス印加電極(転写部材)との最短距離をLp(mm)とし、該バイアス印加電極に印加される最大電圧をV(kV)としたとき、Lp≧aVおよびa=1mm/kVなる関係が成立するように構成したものが記載されている。この所定の関係により、転写ベルトから像担持体への異常放電を防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特開平7−13440号公報記載の装置では、像担持体と転写ベルトとの間の異常リーク(放電)を防止するという観点で構成されていないため、該リークによる異常画像が発生するおそれがあった。
【0007】
また、上記特開平8−152789号公報や特開平9−73239号公報に記載されているような上記異常リーク(放電)を防止するための構成を採用したとしても、転写を含む画像形成プロセスの速度が早くなると、転写に必要な単位面積あたりの転写電荷密度を確保することが難しくなり、転写不良が発生するおそれがあった。この転写電荷密度を確保するためには転写に寄与する転写電流を上げる必要があり、必然的に転写部材に印加する転写バイアス電圧が上昇してしまうことになる。この転写バイアス電圧の上昇という傾向は、転写ベルト(転写材担持体)の電気抵抗が高めのときに顕著となる。このように転写バイアス電圧が上昇する場合、上記異常リーク(放電)の危険性が増加するおそれがあった。また、電圧リミッタなどの保護回路を備えた装置で所定の転写電流を確保するための転写バイアス電圧が上記保護回路の限界値以上になると、転写電流を確保できず転写不良になったりするおそれがあった。
【0008】
なお、上記異常リーク(放電)や上記転写不良は、感光体からベルト状の転写材担持体上の転写材にトナー像を転写する場合だけでなく、感光体から中間転写体にトナー像を転写する場合や、中間転写体からベルト状の転写材担持体上の転写材にトナー像を転写する場合にも発生し得るものである。
【0009】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、複数の転写部材を設けることで転写材担持体や中間転写体に部分的な異常が発生したり転写部材の一つに異常が発生したりする場合でも転写不良を防止できるとともに、転写を含む画像形成プロセスの速度を高めた場合でも転写バイアス電圧を高くすることなく所定の転写電流を確保し且つ異常リーク(放電)の発生を防止することができる転写方法及び装置並びに画像形成装置を提供することである。
【0018】
【発明の属する技術分野】
上記目的を達成するために、請求項の発明は、像担持体との間に転写材を挾持しながら一方向に駆動されるベルト状の転写材担持体と、該転写材担持体に接触して転写電荷を付与する複数の転写部材と、各転写部材に転写バイアス電圧を印加する電源とを備え、該像担持体上のトナー像を該転写材に転写する転写装置であって、該複数の転写部材のうち該像担持体と該転写材担持体との間に形成される転写ニップ部に最も近い最近接転写部材の該転写バイアス電圧の印加点と該転写材担持体との接触点との間の電気抵抗を、他の転写部材の該転写バイアス電圧の印加点と該転写材担持体との接触点との間の電気抵抗よりも大きくし、上記最近接転写部材に、中抵抗ブラシを用いたことを特徴とするものである。
【0019】
この請求項の転写装置では、上記転写部材を複数設けることにより、転写材担持体に部分的な異常が発生したり転写部材の一つに異常が発生したりする場合でも、転写材担持体の異常が発生した部分に接触していない転写部材や異常が発生していない転写部材で該転写材担持体に転写電荷を付与し、転写不良を防止することができる。
そして、上記最近接転写部材の転写バイアス電圧の印加点と転写材担持体との接触点との間の電気抵抗が、他の転写部材の該電気抵抗よりも大きいため、異常リーク(放電)が発生しやすい該最近接転写部材と像担持体との間の電圧の値を小さくして該異常リーク(放電)の発生を防止し、且つ該他の転写部材から転写ニップ部への転写電荷の付与量を、所定の転写電流を確保できる程度まで増加させることができる。
更に、転写ニップ部に近い最近接転写部材として中抵抗ブラシを用いることにより、転写材担持体の場所による厚さのバラツキがあっても最近接転写部材及び転写材担持体を弱い接触圧で完全に密着させることができる。
【0020】
請求項の発明は、請求項の転写装置において、上記電源から上記最近接転写部材を経由して上記転写ニップ部に至る経路の電気抵抗の総和Aが、該電源から上記他の転写部材のうち該最近接転写部材に最も近い転写部材を経由して該転写ニップ部に至る経路の電気抵抗の総和Bよりも小さくなるように、各転写部材の電気抵抗及び位置並びに上記転写材担持体の電気抵抗を設定したことを特徴とするものである。
【0021】
この請求項の転写装置では、上記最近接転写部材を経由した経路aの上記電気抵抗の総和Aが、上記他の転写部材を経由した経路の上記電気抵抗の総和Bよりも小さいため、転写に必要な所定の転写電荷が、主に上記転写ニップ部に最も近い該最近接転写部材を経由して供給され、所定の転写電流を更に確保しやすくなるとともに、該最近接転写部材に印加する転写バイアス電圧を低くすることができる。そして、異常リーク(放電)が発生しやすい該最近接転写部材と像担持体との間の電位差が小さくなり、該異常リーク(放電)の発生を更に抑えることができる。
【0022】
請求項の発明は、請求項の転写装置において、上記最近接転写部材を、上記転写ニップ部の直下または該転写ニップ部よりも上記転写材担持体の移動方向下流側に配置し、上記他の転写部材を、該最近接転写部材よりも該移動方向下流側に配置したことを特徴とするものである。
【0023】
この請求項の転写装置では、各転写部材による転写電荷の付与を上記所定の位置で行うことにより、上記転写ニップ部の転写材担持体移動方向上流側における像担持体からのトナー飛翔を抑え、ラインの太りや文字などのにじみ、シャープ性の劣化といわれる画像劣化を防止することができる。
【0028】
請求項の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項の転写装置において、上記最近接転写部材の抵抗率が、上記転写材担持体の抵抗率よりも小さいことを特徴とするものである。
【0029】
この請求項の転写装置では、上記最近接転写部材の抵抗率が転写材担持体の抵抗率よりも小さいため、所定の転写電流を供給するために該最近接転写部材に印加する転写バイアス電圧が低下し、上記異常リーク(放電)をより確実に防止することができる。
【0030】
請求項の発明は、上記最近接転写部材として芯金の周りに被覆層が形成されたものを用い、上記転写材担持体として基層と表面層とにより構成されたベルトを用いた請求項の転写装置であって、該最近接転写部材の被覆層の抵抗率が、該転写材担持体の基層の抵抗率よりも小さいことを特徴とするものである。
【0031】
この請求項の転写装置では、最近接転写部材として芯金の周りに被覆層が形成されたものを用い、転写材担持体として基層と表面層とにより構成されたベルトを用いた場合において、該最近接転写部材の被覆層の抵抗率が該転写材担持体の基層の抵抗率よりも小さいため、所定の転写電流を供給するために該最近接転写部材に印加する転写バイアス電圧が下り、上記異常リーク(放電)をより確実に防止することができる。
【0032】
請求項の発明は、請求項の転写装置において、上記最近接転写部材の被覆層の体積抵抗率が1×10〜5×10Ωcmであり、該転写材担持体の基層の表面抵抗率が1×10〜5×10Ω/□であることを特徴とするものである。
【0033】
この請求項の転写装置では、上記最近接転写部材の被覆層の体積抵抗率及び上記転写材担持体の基層の表面抵抗率がそれぞれ上記所定の範囲内にあるため、所定の転写電流を供給するために該最近接転写部材に印加する転写バイアス電圧が下がり、上記異常リーク(放電)をより確実に防止することができる。
【0034】
請求項の発明は、像担持体に接触しながら一方向に駆動されるベルト状の中間転写体と、該中間転写体に接触して転写電荷を付与する複数の転写部材と、各転写部材に転写バイアス電圧を印加する電源とを備え、該像担持体上のトナー像を該中間転写体に転写する転写装置であって、該複数の転写部材のうち該像担持体と該中間転写体との間に形成される転写ニップ部に最も近い最近接転写部材の該転写バイアス電圧の印加点と該中間転写体との接触点との間の電気抵抗が、他の転写部材の該転写バイアス電圧の印加点と該中間転写体との接触点との間の電気抵抗よりも大きく、上記最近接転写部材に、中抵抗ブラシを用いたことを特徴とするものである。
【0035】
この請求項の転写装置では、上記転写部材を複数設けることにより、中間転写体に部分的な異常が発生したり転写部材の一つに異常が発生したりする場合でも、中間転写体の異常が発生した部分に接触していない転写部材や異常が発生していない転写部材で該中間転写体に転写電荷を付与し、転写不良を防止することができる。
そして、上記最近接転写部材の転写バイアス電圧の印加点と中間転写体との接触点との間の電気抵抗が、他の転写部材の該電気抵抗よりも大きいため、異常リーク(放電)が発生しやすい該最近接転写部材と像担持体との間の電位差の上昇を抑え該異常リーク(放電)の発生を防止し、且つ該他の転写部材から転写ニップ部への転写電荷の付与量を、所定の転写電流を確保できる程度まで増加させることができる。
更に、転写ニップ部に近い最近接転写部材として中抵抗ブラシを用いることにより、中間転写体の場所による厚さのバラツキがあっても最近接転写部材及び中間転写体を弱い接触圧で完全に密着させることができる。
【0036】
請求項の発明は、請求項の転写装置において、上記電源から上記最近接転写部材を経由して上記転写ニップ部に至る経路の電気抵抗の総和Aが、該電源から上記他の転写部材のうち該最近接転写部材に最も近い転写部材を経由して該転写ニップ部に至る経路の電気抵抗の総和Bよりも小さくなるように、各転写部材の電気抵抗及び位置並びに上記中間転写体の電気抵抗を設定したことを特徴とするものである。
【0037】
この請求項の転写装置では、上記最近接転写部材を経由した経路aの上記電気抵抗の総和Aが、上記他の転写部材を経由した経路の上記電気抵抗の総和Bよりも小さいため、転写に必要な所定の転写電荷が、主に上記転写ニップ部に最も近い該最近接転写部材を経由して供給され、所定の転写電流を更に確保しやすくなるとともに、該最近接転写部材に印加する転写バイアス電圧を低くすることができる。そして、異常リーク(放電)が発生しやすい該最近接転写部材と像担持体との間の電位差が小さくなり、該異常リーク(放電)の発生を更に抑えることができる。
【0038】
請求項の発明は、請求項の転写装置において、上記最近接転写部材を、上記転写ニップ部の直下または該転写ニップ部よりも上記中間転写体の移動方向下流側に配置し、上記他の転写部材を、該最近接転写部材よりも該移動方向下流側に配置したことを特徴とするものである。
【0039】
この請求項の転写装置では、各転写部材による転写電荷の付与を上記所定の位置で行うことにより、上記転写ニップ部の中間転写体移動方向上流側における像担持体からのトナー飛翔を抑え、ラインの太りや文字などのにじみ、シャープ性の劣化といわれる画像劣化を防止することができる。
【0044】
請求項1の発明は、請求項7乃至9のいずれか1項の転写装置において、上記最近接転写部材の抵抗率が、上記中間転写体の抵抗率よりも小さいことを特徴とするものである。
【0045】
この請求項1の転写装置では、上記最近接転写部材の抵抗率が中間転写体の抵抗率よりも小さいため、所定の転写電流を供給するために該最近接転写部材に印加する転写バイアス電圧が低下し、上記異常リーク(放電)をより確実に防止することができる。
【0046】
請求項1の発明は、上記最近接転写部材として芯金の周りに被覆層が形成されたものを用い、上記中間転写体として基層と表面層とにより構成されたベルトを用いた請求項10の転写装置であって、該最近接転写部材の被覆層の抵抗率が、該中間転写体の基層の抵抗率よりも小さいことを特徴とするものである。
【0047】
この請求項1の転写装置では、最近接転写部材として芯金の周りに被覆層が形成されたものを用い、中間転写体として基層と表面層とにより構成されたベルトを用いた場合に、該最近接転写部材の被覆層の抵抗率が該中間転写体の基層の抵抗率よりも小さいことにより、所定の転写電流を供給するために該最近接転写部材に印加する転写バイアス電圧が下り、上記異常リーク(放電)をより確実に防止することができる。
【0048】
請求項12の発明は、請求項1の転写装置において、上記最近接転写部材の被覆層の体積抵抗率が1×10〜5×10Ωcmであり、該中間転写体の基層の表面抵抗率が1×10〜5×10Ω/□であることを特徴とするものである。
【0049】
この請求項12の転写装置では、上記最近接転写部材の被覆層の体積抵抗率及び上記中間転写体の基層の表面抵抗率がそれぞれ上記所定の範囲内にあることにより、所定の転写電流を供給するために該最近接転写部材に印加する転写バイアス電圧が下がり、上記異常リーク(放電)をより確実に防止することができる。
【0050】
請求項13の発明は、上記像担持体上の潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体上の潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、該像担持体上のトナー像をベルト状の転写材担持体に担持された転写材に転写する転写材用転写装置とを備えた画像形成装置であって、該転写材用転写装置として請求項1乃至6のいずれか1項の転写装置を用いたことを特徴とするものである。
【0051】
この請求項13の画像形成装置では、転写材用転写装置に上記転写部材を複数設けることにより、転写材担持体に部分的な異常が発生したり転写部材の一つに異常が発生したりする場合でも、該転写材担持体の異常が発生した部分に接触していない転写部材や異常が発生していない転写部材で該転写材担持体に転写電荷を付与し、転写不良を防止することができる。
そして、上記最近接転写部材の転写バイアス電圧の印加点と転写材担持体との接触点との間の電気抵抗が、他の転写部材の該電気抵抗よりも大きいため、異常リーク(放電)が発生しやすい該最近接転写部材と像担持体との間の電位差の上昇を抑え該異常リーク(放電)の発生を防止し、且つ該他の転写部材から転写ニップ部への転写電荷の付与量を、所定の転写電流を確保できる程度まで増加させることができる。
更に、転写ニップ部に近い最近接転写部材として中抵抗ブラシを用いることにより、転写材担持体の場所による厚さのバラツキがあっても最近接転写部材及び転写材担持体を弱い接触圧で完全に密着させることができる。
【0052】
請求項14の発明は、上記像担持体上の潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体上の潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、該像担持体上のトナー像をベルト状の中間転写体に転写する中間転写体用転写装置とを備えた画像形成装置であって、該中間転写体用転写装置として請求項7乃至12のいずれか1項の転写装置を用いたことを特徴とするものである。
【0053】
この請求項14の画像形成装置では、中間転写体用転写装置に上記転写部材を複数設けることにより、中間転写体に部分的な異常が発生したり転写部材の一つに異常が発生したりする場合でも、該中間転写体の異常が発生した部分に接触していない転写部材や異常が発生していない転写部材で該中間転写体に転写電荷を付与し、転写不良を防止することができる。
そして、上記最近接転写部材の転写バイアス電圧の印加点と中間転写体との接触点との間の電気抵抗が、他の転写部材の該電気抵抗よりも大きいため、異常リーク(放電)が発生しやすい該最近接転写部材と像担持体との間の電位差の上昇を抑え該異常リーク(放電)の発生を防止し、且つ該他の転写部材から転写ニップ部への転写電荷の付与量を、所定の転写電流を確保できる程度まで増加させることができる。
更に、転写ニップ部に近い最近接転写部材として中抵抗ブラシを用いることにより、中間転写体の場所による厚さのバラツキがあっても最近接転写部材及び中間転写体を弱い接触圧で完全に密着させることができる。
【0054】
請求項15の発明は、上記像担持体上の潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体上の潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、該像担持体上のトナー像をベルト状の中間転写体に転写する中間転写体用転写装置と、該中間転写体上のトナー像をベルト状の転写材担持体に担持された転写材に転写する転写材用転写装置とを備えた画像形成装置であって、該転写材用転写装置として請求項1乃至6のいずれか1項の転写装置を用い、該中間転写体用転写装置として請求項7乃至12のいずれか1項の転写装置を用いたことを特徴とするものである。
【0055】
この請求項15の画像形成装置では、転写材用転写装置及び中間転写体用転写装置に上記転写部材を複数設けることにより、転写材担持体及び中間転写体に部分的な異常が発生したり転写部材の一つに異常が発生したりする場合でも、各転写装置において転写不良を防止することができる。
そして、各転写装置において、上記最近接転写部材の電気抵抗と他の転写部材の電気抵抗との大小関係を規定することにより、異常リーク(放電)の発生を防止し、且つ該他の転写部材から転写ニップ部への転写電荷の付与量を、所定の転写電流を確保できる程度まで増加させることができる。
更に、転写ニップ部に近い最近接転写部材として中抵抗ブラシを用いることにより、転写材担持体の場所による厚さのバラツキがあっても最近接転写部材及び転写材担持体を弱い接触圧で完全に密着させることができ、中間転写体の場所による厚さのバラツキがあっても最近接転写部材及び中間転写体を弱い接触圧で完全に密着させることができる。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
〔実施形態1〕
図1は第1の実施形態に係る転写装置(転写材用転写装置)の概略構成図である。この転写装置は、ベルト状の転写材担持体としての転写ベルト11、駆動ローラ12、従動ローラ13、2つの転写部材としての印加ローラ(電極)14,15及び高圧電源17を有し、複写機、プリンタ等の画像形成装置に用いられる。
【0057】
転写ベルト11は、無端移動するベルト材であり、弾性を有するゴム部材からなる中抵抗部材により構成されている。この転写ベルト11は、支持部材としての駆動ローラ12及び従動ローラ13に掛け渡されている。駆動ローラ12は芯金が金属で、その外周にゴム材料が巻かれた構成になっており、電気的にはフロート状態になっている。従動ローラ13は金属部材により構成され、フィードバックローラとしての機能も有している。転写ベルト11の表面は、フッ素系の材質で形成されており、表面摩擦係数が低く、クリーニングを安定して行うことができる。フッ素系の材料としてはポリフッ化ビニリデン,4フッ化エチレンなどが挙げられる。この材料を分散材と共に用いて転写ベルト11の表面を5〜15μm程度の厚さで被覆している。この転写ベルト11の被覆層の表面抵抗率(JISK6911)は1×1010Ω/□〜1×1012Ω/□である。また、この被覆層の内側の基層の材質には、クロロプレンゴム,EPDMゴム,エピクロルヒドリンゴムなどのゴム材料あるいはそれらのブレンド材料が使われ、必要に応じてカーボン、金属酸化物などの導電材などをブレンドして抵抗値を制御する。この基層の表面抵抗率(JISK6911)としては、1×107Ω/□〜5×109Ω/□が適当である。
【0058】
上記印加ローラ15は、SUSなどの金属部材により構成された金属ローラであり、転写ベルト11と像担持体としてのドラム状の感光体18との間の転写ニップ部よりベルト移動方向下流側で転写ベルト11の裏面に接触している。そして、この印加ローラ15は、転写ニップ部を安定して確保するため、駆動ローラ12及び従動ローラ13に掛け渡された転写ベルト11を途中で支持している。本実施形態では、転写ニップ部の出口から20mm下流(=転写ニップ部の中心からは25mm下流)に印加ローラ15を設けている。
【0059】
上記転写ニップ部に最も近接する最近接転写部材としての印加ローラ14は、印加ローラ15と同様に転写ベルト11の裏面に軽く接触し、その接触位置は転写ニップ部と印加ローラ15の間に設定している。更に印加ローラ14は、芯金の周りに中抵抗部材により構成された被覆層を有している。この被覆層の材質としては、ウレタンゴム、シリコンゴム、EPDMゴムなどのゴム材料、ウレタン樹脂などのソリッドまたは発泡体のものが使われ、これらの中にカーボンなどの導電材などをブレンドして抵抗値を制御している。実際には、被覆層の体積抵抗率は1×105Ωcm〜5×107Ωcm、厚さは0.5〜4.0mm程度、硬度はアスカCで50°以下が適当である。
【0060】
上記構成の転写装置を用いることができる画像形成装置では、感光体18は周知のように図示しない帯電装置により均一に帯電された後、同じく図示しない露光装置により画像露光を受けて静電潜像が形成される。すなわり、帯電装置と露光装置とにより潜像形成手段が構成される。この感光体18上の静電潜像は、現像手段としての現像装置により現像されてトナー像になった後、転写位置に到達する。この感光体18は転写位置で転写ベルト11と接触する。駆動ローラ12には図示しない駆動源により図中矢印方向の回転力が伝達される。この駆動ローラ12の外周面と転写ベルト11の裏面がゴム面同士で摩擦係数が高いために、駆動ローラ12の回転力がスリップすることなく転写ベルト11に伝達され、転写ベルト11が図中矢印方向に回転する。従動ローラ13は転写ベルト11の動きに連動してつれ回りする。
【0061】
電源17は、印加ローラ14,15の両方へ並列に転写バイアス電圧を印加し、かつ、電流制御部にて電源17から印加ローラ14,15を介して転写ベルト11へ供給する電流I1と、転写ベルト11から感光体18に流れずに従動ローラ13を介してフィードバックされる電流I2とを比較してその差分(I1−I2)が一定値Kとなるように電源の出力を制御している。この制御により、転写ベルト11から感光体18へ流れる電流を一定値(実質K)として常に安定した転写条件で、転写ベルト11で搬送される図示しない転写材としての転写紙上にトナー像の転写を行なう。
【0062】
ここで、上記印加ローラ15の位置(転写ニップ部出口から20mm下流)はそのままにし、表1の条件下で印加ローラ14の転写ニップ部と印加ローラ15の間の設置位置と、印加ローラ14の抵抗値を変化させ、リークの有無を調べた。また、転写ベルト11(基層)表面抵抗率=1×109 Ω/□の場合については、所定の転写電流に設定したときの転写バイアス電圧も測定した。その結果を表2〜表5に示す。この表2〜表5中の「○」及び「×」はそれぞれ、「異常リークなし」及び「異常リーク有り」を示している。
【0063】
【表1】
Figure 0003646002
【0064】
【表2】
Figure 0003646002
【0065】
【表3】
Figure 0003646002
【0066】
【表4】
Figure 0003646002
【0067】
【表5】
Figure 0003646002
【0068】
表4の結果から、印加ローラ14の条件によって、印加ローラ14がない場合に比べて印加電圧(転写バイアス電圧)を下げることができ、異常リーク(放電も防止することができた。これは印加ローラ14の中抵抗の被覆層がリーク防止の保護層として寄与していることによると考えられる。また、印加ローラ14への印加電圧が下がるということは、転写電流の経路として電源17から印加ローラ14と転写ベルト11を経由して転写ニップ部に至る経路aと、電源17から印加ローラ15及び転写ベルト11を経由して転写ニップ部に至る経路bとを比べた場合に、印加ローラ14を通る経路aの総抵抗Aが経路bの総抵抗Bよりも相対的に低いことによる効果である。したがって、この関係を維持するように、転写ベルト11の抵抗、印加ローラ14の抵抗及び設置位置を規定することが必要である。
【0069】
また、表4の結果から印加ローラ14の体積抵抗率が高く、転写ベルト11の抵抗率と近い条件(1×108Ωcm)では印加電圧を下げる効果が小さいことがわかる。このことから、少なくとも印加ローラ14の体積固有抵抗は転写ベルト11の基層の表面抵抗率より小さくすることが必要であるといえる。また、表2〜表5の結果から、異常リークの発生しない抵抗率の範囲は、少なくとも転写ベルト11の基層の表面抵抗率1×107Ω/□〜5×109Ω/□に対して、印加ローラ14の被覆層の体積抵抗率が1×105Ωcm〜5×107Ωcmにあることが望ましいことがわかる。
【0070】
更に、金属ローラからなる印加ローラ15で転写ニップ部を安定して確保しているため、転写ニップ部に近い印加ローラ14は転写ベルト11の裏面に軽く接触していればよく、転写ニップ部の接触圧が強い時に生じるトナー同士の凝集による白抜け画像の発生も防止することができる。
【0071】
また更に、印加ローラ15はバイアス電極としての機能は有しているので、転写バイアス電圧を印加するバイアス電極が複数あることの効果も維持できる。すなわち、転写ベルト11に部分的な異常が発生したり印加ローラの一つに異常が発生したりする場合でも、転写ベルト11の異常が発生した部分に接触しているローラ以外の印加ローラや異常が発生したローラ以外の印加ローラで転写ベルト11に転写電荷を付与し、転写不良を防止することができる。
【0072】
なお、上記表1の比較例として、印加ローラ14がなく印加ローラ15のみを設けた場合についても同様な条件で測定を行ったところ、印加電圧は10kV以上となり、異常リーク(放電)が発生した。
(以下、余白)
【0073】
以上、本実施形態によれば、複数の転写部材(印加ローラ14、15)を設けることにより、転写ベルト11に部分的な異常が発生したり印加ローラの一つに異常が発生したりする場合でも、転写ベルト11の異常が発生した部分に接触していない印加ローラや異常が発生していない印加ローラで転写ベルト11に転写電荷を付与し、転写不良を防止することができる。
そして、上記最近接転写部材である印加ローラ14の転写バイアス電圧の印加点と転写ベルト11との接触点との間の電気抵抗が、他の転写部材である印加ローラ15の同区間の電気抵抗よりも大きいため、異常リーク(放電)が発生しやすい印加ローラ14と感光体18との間の電位差の上昇を抑え異常リーク(放電)の発生を防止し、且つ印加ローラ15から転写ニップ部への転写電荷の付与量を、所定の転写電流を確保できる程度まで増加させることができる。
【0074】
また、本実施形態によれば、電源17から印加ローラ14を経由して転写ニップ部に至る経路aの電気抵抗の総和Aが、印加ローラ15を経由した経路bの電気抵抗の総和Bよりも小さいため、転写に必要な所定の転写電荷が、主に転写ニップ部に最も近い印加ローラ14を経由して供給され、所定の転写電流を更に確保しやすくなるとともに、該印加ローラ14に印加する転写バイアス電圧を低くすることができる。そして、異常リーク(放電)が発生しやすい印加ローラ14と感光体18との間の電位差が小さくなり、異常リーク(放電)の発生を更に抑えることができる。
【0075】
また、本実施形態によれば、各印加ローラ14,15による転写電荷の付与を転写ニップ部のベルト移動方向下流側で行うことにより、転写ニップ部のベルト移動方向上流側における感光体18から転写ベルト11側へのトナー飛翔を抑え、ラインの太りや文字などのにじみ、シャープ性の劣化といわれる画像劣化を防止することができる。
【0076】
なお、上記実施形態では、印加ローラ15として金属ローラを用いたが、印加ローラ14の抵抗率より低い抵抗率のものであれば、中抵抗の被覆層を有するローラでも同様な効果を得ることができる。但し、印加ローラ15はベルト支持の機能もあるため、被覆層の硬度は印加ローラ14より高くしておくのが好ましい。また、ローラでなく転写ベルト11に摺動する固定部材を、印加ローラ15の代わりに用いてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、転写ニップ部に近い転写部材としてローラ形状の印加ローラ14を用いているが、図2に示すように中抵抗のブラシ19を印加ローラ14の代わりに用いてもよい。このブラシ19の材質は、アクリル、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンなどの主材にカーボンなどの導電材などをブレンドした繊維が一般的である。この導電材の種類とブレンド量によって抵抗値を調整している。ブラシ繊維は金属などのホルダーに接着または挟み込んで、更に必要に応じて抜け防止の編み込み処理を施して、転写ベルト11の裏面に接触するように、転写ニップ部と印加ローラ15の間に設ける。そして、ブラシ密度とブラシ原糸の太さとブラシ長によって転写ベルト11への接触圧をコントロールすることができる。実際には、ブラシ材質の体積抵抗率が1×105Ωcm〜5×107Ωcmで、ブラシ自由長が3.0〜12.0mm程度が適当である。このように転写ニップ部に近い転写部材として中抵抗のブラシ19を用いることにより、上記実施形態と同様な効果を得ることができると同時に、ブラシ特有の効果として、転写ベルト11の場所によるわずかな厚みの差を吸収でき、弱い接触圧で完全な密着性を保持できる。さらに、ローラ形状のものに比べてコストダウンが可能となる。
【0078】
また、上記実施形態では、2つの転写部材としての印加ローラを設けた装置について説明したが、本発明は、3つ以上の印加ローラを設けた場合にも適用できる。例えば、図3に示すように、印加ローラ14のベルト移動方向下流側に2つの印加ローラ15a,15bを設置し、合計3つの印加ローラを設けた場合にも本発明は適用することができる。
【0079】
〔実施形態2〕
図4は、本発明の第2の実施形態に係る中間転写体用転写装置を備えたカラー画像形成装置の概略構成図である。この画像形成装置は、像担持体としてのドラム状の感光体20の周囲に設けられた図示しない帯電装置や露光装置等からなる潜像形成手段、それぞれ異なる色のトナーを収容した複数の現像器からなる図示しないカラー現像装置、感光体20上のトナー像が転写されるベルト状の中間転写体としての中間転写ベルト21、感光体20から中間転写ベルト21にトナー像を転写するための中間転写体用転写装置としての一次転写装置、中間転写ベルト21上のトナー像を転写紙28に転写する転写材転写装置としての二次転写装置などを備えている。この画像形成装置では、感光体20に形成されたトナー像が中間転写ベルト21に複数回転写され、カラーの重ねトナー像が形成される。この重ねトナー像が二次転写装置で転写紙28に一括転写されることにより、フルカラー画像を形成することができる。
【0080】
上記中間転写ベルト21は、複数の支持ローラ22,23,24,25などに掛け渡され、無端移動するように回転駆動されている。これらの支持ローラのうち支持ローラ22及び25は、中間転写ベルト21の一部を感光体20の表面に押し当てて転写ニップ部を形成している。この転写ニップ部のベルト移動方向下流側には、中間転写ベルト21の裏面から、転写バイアス電圧が印加された転写部材としての印加ローラ25を接触させている。また、支持ローラ25(以下、このローラも「印加ローラ」という。)は金属ローラで構成され、転写バイアス電圧が印加された転写部材として兼用されている。この2つの印加ローラ22及び26により、中間転写ベルト21に所定の転写電荷を付与して感光体20上のトナー像を中間転写ベルト21に転写する一次転写装置を構成している。この印加ローラ22及び26には、電源27により所定の転写バイアス電圧が印加される。
【0081】
上記支持ローラ24は、二次転写部材としての紙転写ローラ29との間に中間転写ベルト21及び転写紙28を挾持するように該紙転写ローラ29に対向配置した転写対向ローラとして兼用されている。紙転写ローラ29には、図示しない電源により、転写紙28への二次転写に必要な所定の転写バイアス電圧が印加されている。
【0082】
上記一次転写装置において、転写ニップ部に最も近い最近接転写部材である印加ローラ26の転写バイアス電圧の印加点と中間転写ベルト21との接触点との間の電気抵抗が、下流側の印加ローラ22の転写バイアス電圧の印加点と中間転写ベルト21との接触点との間の電気抵抗よりも大きくなるように、各印加ローラが構成されている。
【0083】
また、電源27から印加ローラ26を経由して転写ニップ部に至る経路の電気抵抗の総和Aが、電源27から下流側の印加ローラ22を経由して転写ニップ部に至る経路の電気抵抗の総和Bよりも小さくなるように、各印加ローラの電気抵抗及び配設位置並びに中間転写ベルト21の電気抵抗を設定している。
【0084】
また、上記印加ローラ26は、芯金の周りに被覆層が形成されたものであり、上記中間転写ベルト21は基層と表面層とにより構成されたベルトである。そして、印加ローラ26の被覆層の抵抗率が中間転写ベルト21の基層の抵抗率よりも小さくなるように構成されている。より具体的には、印加ローラ26の被覆層の体積抵抗率が1×105〜5×107Ωcmであり、中間転写ベルト21の基層の表面抵抗率が1×107〜5×109Ω/□であることが望ましい。
【0085】
以上、本実施形態によれば、上記第1の実施形態と同様に、複数の印加ローラ22、26を設けることで中間転写ベルト21に部分的な異常が発生したり印加ローラの一つに異常が発生したりする場合でも転写不良を防止できる。しかも、転写を含む画像形成プロセスの速度を高めた場合でも転写バイアス電圧を高くすることなく所定の転写電流を確保し且つ異常リーク(放電)の発生を防止することができる。
【0086】
なお、本実施形態では、二次転写装置を転写対向ローラ24と紙転写ローラ29で転写紙28を挾持するように構成しているが、この二次転写装置として上記第1の実施形態で説明したような転写ベルトを用いた転写材用転写装置を採用してもよい。この場合には、二次転写部において、転写ベルトに部分的な異常が発生したり印加ローラの一つに異常が発生したりする場合でも転写不良を防止でき、しかも、紙転写を含む画像形成プロセスの速度を高めた場合でも転写バイアス電圧を高くすることなく所定の転写電流を確保し且つ異常リーク(放電)の発生を防止することができる。
【0087】
また、上記各実施形態では、特定の構造及び材料を用いた場合について例示しているが、本発明は、これらの構造等に限定されることなく、各請求項における条件を満足するものであればよく、同様な効果を得ることができるものである。
【0088】
【発明の効果】
請求項の発明によれば、複数の転写部材を設けることで転写材担持体に部分的な異常が発生したり転写部材の一つに異常が発生したりする場合でも転写不良を防止できる。しかも、転写を含む画像形成プロセスの速度を高めた場合でも転写バイアス電圧を高くすることなく所定の転写電流を確保し且つ異常リーク(放電)の発生を防止することができる。更に、転写材担持体の場所による厚さのバラツキがあっても最近接転写部材及び転写材担持体を弱い接触圧で完全に密着させることができるという効果がある。
【0089】
請求項の発明によれば、複数の転写部材を設けることで中間転写体に部分的な異常が発生したり転写部材の一つに異常が発生したりする場合でも転写不良を防止できる。しかも、転写を含む画像形成プロセスの速度を高めた場合でも転写バイアス電圧を高くすることなく所定の転写電流を確保し且つ異常リーク(放電)の発生を防止することができる。更に、中間転写体の場所による厚さのバラツキがあっても最近接転写部材及び中間転写体を弱い接触圧で完全に密着させることができるという効果がある。
【0090】
請求項2及び8の発明によれば、所定の転写電流を更に確保しやすくなるとともに、最近接転写部材に印加する転写バイアス電圧を低くすることができる。しかも、異常リーク(放電)の発生を更に抑えることができるという効果がある。
【0091】
請求項3及び9の発明によれば、ラインの太りや文字などのにじみ、シャープ性の劣化といわれる画像劣化を防止することができるという効果がある。
【0094】
請求項4及び10の発明によれば、所定の転写電流を供給するために最近接転写部材に印加する転写バイアス電圧を低下させ、異常リーク(放電)をより確実に防止することができるという効果がある。
【0095】
請求項の発明によれば、最近接転写部材として芯金の周りに被覆層が形成されたものを用い、転写材担持体として基層と表面層とにより構成されたベルトを用いた場合において、異常リーク(放電)をより確実に防止することができるという効果がある。
【0096】
請求項の発明によれば、最近接転写部材の被覆層の体積抵抗率及び転写材担持体の基層の表面抵抗率をそれぞれ所定の範囲内にすることにより、異常リーク(放電)をより確実に防止することができるという効果がある。
【0098】
請求項1の発明によれば、最近接転写部材として芯金の周りに被覆層が形成されたものを用い、中間転写体として基層と表面層とにより構成されたベルトを用いた場合において、異常リーク(放電)をより確実に防止することができるという効果がある。
【0099】
請求項12の発明によれば、最近接転写部材の被覆層の体積抵抗率及び中間転写体の基層の表面抵抗率をそれぞれ所定の範囲内にすることにより、異常リーク(放電)をより確実に防止することができるという効果がある。
【0100】
請求項13の発明によれば、画像形成プロセスの速度を高めた場合でも、転写材用転写装置において転写不良や異常リーク(放電)を伴うことなく転写材担持体上の転写材にトナー像を転写し、高品質の画像を形成することができるという効果がある。
【0101】
請求項14の発明によれば、画像形成プロセスの速度を高めた場合でも、中間転写体用転写装置において転写不良や異常リーク(放電)を伴うことなく中間転写体上にトナー像を転写し、高品質の画像を形成することができるという効果がある。
【0102】
請求項15の発明によれば、画像形成プロセスの速度を高めた場合でも、転写材用転写装置において転写不良や異常リーク(放電)を伴うことなく転写材担持体上の転写材にトナー像を転写するとともに、中間転写体用転写装置において転写不良及び異常リーク(放電)を伴うことなく中間転写体上にトナー像を転写し、高品質の画像を形成することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る転写装置の概略構成図。
【図2】中抵抗ブラシを備えた変形例に係る転写装置の概略構成図。
【図3】3つの印加ローラを備えた変形例に係る転写装置の概略構成図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る転写装置を備えた画像形成装置の概略構成図。
【符号の説明】
11 転写ベルト(転写材担持体)
12 駆動ローラ
13 従動ローラ
14 印加ローラ(最近接転写部材)
15 印加ローラ(転写部材)
17 電源
18 感光体(像担持体)
19 中抵抗のブラシ(最近接転写部材)
20 感光体
21 中間転写ベルト(中間転写体)
22 印加ローラ(転写部材)
23,25 支持ローラ
24 二次転写対向ローラ
26 印加ローラ(最近接転写部材)
27 電源
28 転写紙(転写材)
29 紙転写ローラ

Claims (15)

  1. 担持体との間に転写材を挾持しながら一方向に駆動されるベルト状の転写材担持体と、該転写材担持体に接触して転写電荷を付与する複数の転写部材と、各転写部材に転写バイアス電圧を印加する電源とを備え、該像担持体上のトナー像を該転写材に転写する転写装置であって、
    該複数の転写部材のうち該像担持体と該転写材担持体との間に形成される転写ニップ部に最も近い最近接転写部材の該転写バイアス電圧の印加点と該転写材担持体との接触点との間の電気抵抗を、他の転写部材の該転写バイアス電圧の印加点と該転写材担持体との接触点との間の電気抵抗よりも大きくし
    上記最近接転写部材に、中抵抗ブラシを用いたことを特徴とする転写装置。
  2. 請求項の転写装置において、
    上記電源から上記最近接転写部材を経由して上記転写ニップ部に至る経路の電気抵抗の総和Aが、該電源から上記他の転写部材のうち該最近接転写部材に最も近い転写部材を経由して該転写ニップ部に至る経路の電気抵抗の総和Bよりも小さくなるように、各転写部材の電気抵抗及び位置並びに上記転写材担持体の電気抵抗を設定したことを特徴とする転写装置。
  3. 請求項の転写装置において、
    上記最近接転写部材を、上記転写ニップ部の直下または該転写ニップ部よりも上記転写材担持体の移動方向下流側に配置し、
    上記他の転写部材を、該最近接転写部材よりも該移動方向下流側に配置したことを特徴とする転写装置
  4. 求項1乃至3のいずれか1項の転写装置において、
    上記最近接転写部材の抵抗率が、上記転写材担持体の抵抗率よりも小さいことを特徴とする転写装置。
  5. 上記最近接転写部材として芯金の周りに被覆層が形成されたものを用い、上記転写材担持体として基層と表面層とにより構成されたベルトを用いた請求項の転写装置であって、
    該最近接転写部材の被覆層の抵抗率が、該転写材担持体の基層の抵抗率よりも小さいことを特徴とする転写装置。
  6. 請求項の転写装置において、
    上記最近接転写部材の被覆層の体積抵抗率が1×10〜5×10Ωcmであり、該転写材担持体の基層の表面抵抗率が1×10〜5×10Ω/□であることを特徴とする転写装置
  7. 担持体に接触しながら一方向に駆動されるベルト状の中間転写体と、該中間転写体に接触して転写電荷を付与する複数の転写部材と、各転写部材に転写バイアス電圧を印加する電源とを備え、該像担持体上のトナー像を該中間転写体に転写する転写装置であって、
    該複数の転写部材のうち該像担持体と該中間転写体との間に形成される転写ニップ部に最も近い最近接転写部材の該転写バイアス電圧の印加点と該中間転写体との接触点との間の電気抵抗が、他の転写部材の該転写バイアス電圧の印加点と該中間転写体との接触点との間の電気抵抗よりも大きく、
    上記最近接転写部材に、中抵抗ブラシを用いたことを特徴とする転写装置。
  8. 請求項の転写装置において、
    上記電源から上記最近接転写部材を経由して上記転写ニップ部に至る経路の電気抵抗の総和Aが、該電源から上記他の転写部材のうち該最近接転写部材に最も近い転写部材を経由して該転写ニップ部に至る経路の電気抵抗の総和Bよりも小さくなるように、各転写部材の電気抵抗及び位置並びに上記中間転写体の電気抵抗を設定したことを特徴とする転写装置。
  9. 請求項の転写装置において、
    上記最近接転写部材を、上記転写ニップ部の直下または該転写ニップ部よりも上記中間転写体の移動方向下流側に配置し、
    上記他の転写部材を、該最近接転写部材よりも該移動方向下流側に配置したことを特徴とする転写装置。
  10. 請求項7乃至9のいずれか1項の転写装置において、
    上記最近接転写部材の抵抗率が、上記中間転写体の抵抗率よりも小さいことを特徴とする転写装置。
  11. 上記最近接転写部材として芯金の周りに被覆層が形成されたものを用い、上記中間転写体として基層と表面層とにより構成されたベルトを用いた請求項10の転写装置であって、
    該最近接転写部材の被覆層の抵抗率が、該中間転写体の基層の抵抗率よりも小さいことを特徴とする転写装置。
  12. 請求項1の転写装置において、
    上記最近接転写部材の被覆層の体積抵抗率が1×10〜5×10Ωcmであり、該中間転写体の基層の表面抵抗率が1×10〜5×10Ω/□であることを特徴とする転写装置。
  13. 上記像担持体上の潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体上の潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、該像担持体上のトナー像をベルト状の転写材担持体に担持された転写材に転写する転写材用転写装置とを備えた画像形成装置であって、
    該転写材用転写装置として請求項1乃至6のいずれか1項の転写装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  14. 上記像担持体上の潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体上の潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、該像担持体上のトナー像をベルト状の中間転写体に転写する中間転写体用転写装置とを備えた画像形成装置であって、
    該中間転写体用転写装置として請求項7乃至12のいずれか1項の転写装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  15. 上記像担持体上の潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体上の潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、該像担持体上のトナー像をベルト状の中間転写体に転写する中間転写体用転写装置と、該中間転写体上のトナー像をベルト状の転写材担持体に担持された転写材に転写する転写材用転写装置とを備えた画像形成装置であって、
    該転写材用転写装置として請求項1乃至6のいずれか1項の転写装置を用い、該中間転写体用転写装置として請求項7乃至12のいずれか1項の転写装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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