JP3644379B2 - 電子ドラム装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
本発明は、パッド体の打撃を検出し、その検出信号に基づいてドラム音を発生する電子ドラム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子ドラム装置では、装飾、あるいはナビゲート等のガイド機能やレッスン機能の実現等のため、LED等の光源で装置の一部を光らせるようにしたものがある。例えば、電子ドラム(特開平11−30983号公報)では、パッドの外周であるパッド枠に導光部を設け、導光部に略接する状態でLED等の光源を設けることで、パッド枠を光らせるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電子ドラム装置では、パッド枠の全体が光ってみえるようにするためには、光源を多数設ける必要があり、構成が複雑化し、コストも上昇する。また、打撃されるパッドに近接して多数の光源が配置されることから、故障が起こりやすく、耐久性も低い。また、視認される態様は光源の配置等で定まってしまい、設計上で自由な態様を設定することは困難であった。そのため、より装飾的な発光をさせる等、自由な発光態様を得る上で改善の余地があった。
【0004】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、耐久性や低コストを確保しつつ、簡単な構成で且つ所望の態様でパッド体の外周全体を光らせることができる電子ドラム装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1の電子ドラム装置は、パッド体の被打撃面に対する打撃を検出し、検出出力に応じて楽音信号を発生する電子ドラム装置であって、前記パッド体の下方に設けられ発光する光源部と、前記パッド体の下方に設けられ上方から外縁部が視認できる程度に延設された板状の導光体と、該導光体に設けられ前記光源部から発した光が入射する入射部と、前記導光体の外縁部上面に形成された放光面とを備え、前記光源部から発し前記導光体の前記入射部に入射した光を光ファイバの光伝搬原理を利用して前記導光体の前記外縁部へ放射状に導くと共に、前記外縁部に導かれた光の少なくとも一部を前記放光面から外部に放光させるようにしたことを特徴とする。
【0006】
この構成により、板状の導光体が、パッド体の下方に設けられ上方から外縁部が視認できる程度に延設されており、導光体の外縁部の上面には放光面が形成されている。光源部から発し導光体の入射部に入射した光は、光ファイバの光伝搬原理で導光体の外縁部へ放射状に導かれると共に、前記外縁部に導かれた光の少なくとも一部が放光面から外部に放光される。これにより、少数の光源で導光体の外縁部全体を光らせることができるので、構成が簡単で、耐久性が有り、故障も少なく、コストも低くすることができる。よって、耐久性や低コストを確保しつつ、簡単な構成で且つ所望の態様でパッド体の外周全体を光らせることができる。
【0007】
なお、前記放光面は、前記導光体の外縁部の一部を粗面処理して形成してもよい。
【0008】
同じ目的を達成するために本発明の請求項2の電子ドラム装置は、上記請求項1記載の構成において、前記入射部は、前記光源部に近接対向する対向面で構成され、該対向面から入射した光が、該入射した光の進行方向における前記対向面よりも前方に設けられた第1反射部で前記外縁部に向かって放射状に反射するようにしたことを特徴とする。
【0009】
この構成により、光源部が発光すると、光源部に近接対向する対向面から光が入射し、該入射した光の進行方向における前記対向面よりも前方に設けられた第1反射部で導光体の外縁部に向かって放射状に反射する。従って、導光体内部を通過する光の方向が規定され、入射光を導光体の外縁部へ放射状に効率よく導くことができる。
【0010】
同じ目的を達成するために本発明の請求項3の電子ドラム装置は、上記請求項1記載の構成において、前記入射部は、前記導光体に形成した穴の内面で構成され、前記光源部は、前記導光体の前記穴内近傍で発光するように配置されたことを特徴とする。
【0011】
この構成により、導光体に形成した穴内近傍で光源部が発光すると、前記穴の内面から光が入射し、導光体の外縁部へ放射状に導かれる。よって、構成をより簡単にすることができる。
【0012】
同じ目的を達成するために本発明の請求項4の電子ドラム装置は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の構成において、前記導光体の前記外縁部は前記パッド体の外周において上方に屈曲して形成されると共に、前記放光面は前記外縁部の上部に形成され、前記外縁部に導かれた光が、前記外縁部の下部に設けられた第2反射部で前記放光面に向かって反射するようにしたことを特徴とする。
【0013】
この構成により、導光体の外縁部はパッド体の外周において上方に屈曲し、その上部に放光面が形成されている。入射部から前記外縁部に導かれた光は、前記外縁部の下部に設けられた第2反射部で前記放光面に向かって反射し、前記放光面から放光される。よって、導光体の外縁部の上部が効率よく発光して視認されるようにすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電子ドラム装置の外観図である。
【0016】
本装置は、上ケース306上に複数(4個)のパッド体110を備える。パッド体110の外周にはパッド板兼導光体112の外縁部がみえている。後述するように、本装置では、例えばパッド体110を打撃することで、各パッド毎に割り当てた音色(スネアドラム、バスドラム、シンバル等)が電子的に発音されると共に、パッド板兼導光体112が環状に光ってみえるようになっている。
【0017】
本装置では、パッド板兼導光体112が完全な環状に光る。なお、複数のパッド体110及びパッド板兼導光体112の大きさは異なるものもあるが基本的構成はいずれも同様である。本装置にはさらに、液晶等で構成され各種情報を表示する表示部1、電源の入り切りを行うためのスライド型の電源スイッチ部2、パラメータ設定で用いる回転型のパラメータ設定用ロータリーエンコーダ3、音量やテンポ等の各種パラメータを設定するための機能スイッチ部4、及びドラム音等を発音するスピーカ部5が設けられている。
【0018】
図2は、本実施の形態におけるパッド体の平面図、図3は図1のC−C線に沿う部分断面図である。図4は、有膜弾性体の一部を切り取って斜め上方からみた部分斜視図である。なお、図2において表示したC−C線は、図1のものに対応している。
【0019】
パッド体110の下方には、有膜弾性体242及びセンサ支持体240が配設されている(図3)。有膜弾性体242は、弾性を有し振動を伝達しにくい合成樹脂(例えばポリプロピレン)等で構成される。
【0020】
図2、図4に示すように、有膜弾性体242は略円盤状に形成され、その半径方向略中央部は肉厚部242bとなっている。また、外周部は肉厚部242bよりもさらに肉厚の環状肉厚部242cとなっている。肉厚部242bから環状肉厚部242cまでの間は薄膜部242aとなっている。薄膜部242aの厚みは例えば0.3mm程度である。環状肉厚部242cは、ブリッジ体14と干渉しないように円周方向の該当3箇所において盗みが設けられている(図示せず)。また、環状肉厚部242cの外周面には、位置決め用溝M3が設けられている(図4)。この位置決め用溝M3は、上ケース306の、パッド体110が嵌合する大穴306bに設けた不図示の突起部と嵌合し、パッド体110の円周方向の位置を規定する。
【0021】
センサ支持体240は有膜弾性体242の下面に接着されている。センサ支持体240は剛性を有する板状部材で円盤状に形成され、その外縁部が有膜弾性体242の肉厚部242bの外周側近傍まで延びている。センサ支持体240の略中央下部にはセンサ部41が設けられている。センサ部41は、ピエゾ型圧電センサ等で構成され、ブリッジ体14及びセンサ支持体40を通じて伝わる打撃振動を検出する。
【0022】
センサ支持体240は有膜弾性体242と共にブリッジ体14によってパッド体110と結合されている(図3)。ブリッジ体14は、弾性を有する材料で円周方向に幅広の帯状に形成され、3箇所に等間隔に設けられる(図2)。ブリッジ体14の外周側の上端部14aはパッド板兼導光体112の外縁部下部に接着等で固着されている。ブリッジ体14は、その内周側の下端部14bとセンサ支持体240とで有膜弾性体242の肉厚部242bをサンドイッチする形で取り付けられている。下端部14bは、各ブリッジ体14につき2個のネジ13によってセンサ支持体240及び有膜弾性体242に固着されている。ブリッジ体14は、パッド体110の打撃による振動をセンサ支持体240に伝達する。ブリッジ体14は、上記のようにパッド体110の外縁下部近傍から延設され円周方向に幅広に形成されているので、パッド体110の周縁から回り込むように広い経路で打撃振動が伝わり、打撃位置によって出力が変動する「感度むら」が効果的に防止される。
【0023】
上ケース306は、パッド体110が嵌合する大穴306bを有し、大穴306bの内周面に保持部306aが延設されている。有膜弾性体242の環状肉厚部242cを保持部306a上に載せ、下方からネジ224で固着することで、有膜弾性体242が上ケース306に固定される。
【0024】
センサ支持体240の略中央部には、光源部70が設けられている(図3、図4)。有膜弾性体242の対応部分には穴が形成されており、光源部70はこの穴を貫通してセンサ支持体240に取り付けられている。光源部70は、リード線72を通すための切り欠きが設けられた筒体73とLED71とから構成される(図4)。LED71は発光して主に上方に向かって光を発する。
【0025】
図3に示すように、パッド体110は、パッド表皮体111及びパッド板兼導光体112で構成される。パッド表皮体111はゴム等の弾性体で構成され、その上面である打撃面111a(被打撃面)が叩打される。パッド板兼導光体112は、光を透過するポリカーボネート等の透明体で構成される。パッド板兼導光体112は、浅い皿状に形成され、外縁部が全周に亘って上方に屈曲している。パッド表皮体111は、パッド板兼導光体112の平坦な皿状部分に接着剤で固着されている。パッド板兼導光体112はパッド板としての機能を兼ねる。
【0026】
パッド板兼導光体112の略中央下面には、光入射部112a(入射部)が設けられている。光入射部112aは下方に突出し、光源部70と略同軸にパッド板兼導光体112と一体に形成されている。光入射部112aの下面(対向面)は光源部70の上面と正面で対向し、近接しており、LED71からの光が他に漏れにくくなっている。
【0027】
光入射部112aの上方であってパッド板兼導光体112の内部には、円錐状の第1反射部116が設けられる。第1反射部116は、例えば予めパッド板兼導光体112を上方から円錐状にくり抜き、その円錐面116aを高い面粗度に仕上げることで形成される。なお、くり抜いた円錐状部分に光を反射しやすい白色等の合成樹脂を埋め込んでもよい。または、鏡面状のアルミ板等の金属板で円錐面116aを覆うようにしてもよい。第1反射部116の先端は断面略直角となっており、LED71で発し光入射部112aから入射する光を水平方向に放射状に反射させる。なお、第1反射部116の円錐状部分とパッド表皮体111とのすきまに、アルミ板等を配設して反射効率を高めるようにしてもよい。
【0028】
パッド板兼導光体112の平坦部における上面及び下面は、いずれも高い面粗さに(鏡面のように)処理されている。従って、上面及び下面では光が反射しやすく、パッド板兼導光体112の内部を透過する光が所定角度以下で高面粗度の面に向かうときはほぼ全反射する。これにより、第1反射部116から放射状に放出された入射光は、いわゆる光ファイバの光伝搬原理でパッド板兼導光体112の外周方向に向かって水平に効率良く導光される。なお、パッド表皮体111の下面を光を反射しやすい白色系に塗ることにより、パッド板兼導光体112の上面における反射効果をより高めることができる。
【0029】
パッド板兼導光体112の外縁部下部は、全周に亘り上方に向かって拡径するように約45度にカットされ高い面粗度に仕上げられており、このカット面が第2反射部112dとなっている。また、パッド板兼導光体112の外縁部は、全周に亘りパッド表皮体111よりも張り出して上方に延び、上面が平坦な放光面112cとなっている。放光面112cは、面粗度を少し粗く(すりガラスのように)して形成されている。
【0030】
第1反射部116から放射状に放出された入射光は、第2反射部112dでほぼ全反射し、上方の放光面112cに向かう。放光面112cを粗面処理したことで、パッド板兼導光体112内部において放光面112cに向かう入射光は乱反射しやすくなり、一部が全反射することなく外部に漏れる。これにより、奏者からみると、放光面112cだけが光っているように見える。なお、粗面処理は、例えば、ビートブラスト法によりなされる。
【0031】
組み付け後の非打撃時には、有膜弾性体242の環状肉厚部242cの上面242caとパッド板兼導光体112の下面とは、僅かに離間している。すなわち、上ケース306とパッド体110とは非当接的関係になっている。一方、パッド体110の打撃時には両者が当接し、上ケース306とパッド体110とが当接的関係になって、環状肉厚部242cがストッパ的役割を果たすことで、パッド体110の過剰な変位が抑制される。パッド体110の外周部も導光体21とは僅かに離間している。
【0032】
結局、最終組み付け後の非打撃時には、パッド体110の外周部は有膜弾性体242の環状肉厚部242cとは実質的に離間状態となっている。従って、パッド体110、センサ部41、センサ支持体240等が、有膜弾性体242の薄膜部242aだけを介して上ケース306に結合され、上ケース306に対して浮設された形となっている。これにより、振動伝達に限っていえば、パッド体110、センサ部41、センサ支持体240等が、上ケース306から独立してあたかも宙に浮いているかのように作用する。すなわち、上ケース306からの衝撃や振動(例えば、他パッドの打撃や上ケース306自体の打撃によるもの)は薄膜部242aでほぼ吸収、遮断され、センサ部41への振動伝達が効果的に抑えられるので、構造的に飛び付きが防止される。
【0033】
また、打撃時には環状肉厚部242cによってパッド体110の過剰な変位が抑制される結果、破損や故障が防止されると共に、ドラム音源として不適な信号(超低周波数等)の発生が排除される。なお、上ケース306の振動が環状肉厚部242cを通じてパッド体110に伝わらない程度、すなわち上ケース306とパッド体110とが非当接的関係であれば、環状肉厚部242cの上面242caとパッド体110とは微接触していてもよい。
【0034】
楽音制御及び光源部70の発光制御は例えば次のようにしてなされる。
【0035】
4個のパッド体110における各センサ部41からの打撃検出信号は、不図示のCPUに入力され、成形され、音源指示信号として不図示の音源部に出力され、これをトリガとして、ドラム音が発生する。その際、光源部70が発光することで、打撃されたパッド体110の周りに位置する放光面112cも同時に光る。処理手順としては例えば、まず、初期化を行い、音色等楽音パラメータの(変更)設定処理を行って、パッド処理、すなわちパッド体110の打撃検出信号に基づき、上記設定された楽音の発生とLED71の発光処理とを行う。
【0036】
なお、光源部70の発光は打撃時に限ることなく、光鍵盤のように、練習用の打撃指示のために発光させてもよい。また、装飾として常時発光するようにしてもよいし、もぐらたたきのようなゲームができるように応用してもよい。
【0037】
本装置は次のようにして製造される。
【0038】
まず、上述したような手順でパッド体110、有膜弾性体242及びセンサ支持体240を組み付けたアッセンブリを作り、これを裏返す。次に、上ケース306を裏返した状態で、上ケース306の大穴306bにパッド体110が嵌合するように、また大穴306bに設けた不図示の突起部が有膜弾性体242の位置決め用溝M3に嵌合するように、上ケース306を配置する。そして、有膜弾性体242の環状肉厚部242cと保持部306aとをネジ224で固着する。
【0039】
本実施の形態によれば、光源部70のLED71から光入射部112aに入射された入射光を、第1反射部116から第2反射部112dまでの間、光ファイバの光伝搬原理を利用して放射状に導くと共に、第2反射部112dで反射させて放光面112cから適当に放光するようにしたので、パッド体110の全周に亘って切れ目なく光らせることができる。また、放光面112cを設ける態様で発光態様を異ならせることができるので、ドラム装置の機種等に合わせて装飾的な発光を実現することが容易である。さらに、最小限の発光体(本実施の形態では1個のLED71)で全体を光らせることができるので、構成が簡単でありコストを低減できるだけでなく、故障が少なく耐久性もある。よって、簡単な構成、最小限の光源でパッド体の周りを所望の態様で発光させることができる。
【0040】
また、パッド体110、有膜弾性体242及びセンサ支持体240等を組み付けたアッセンブリが、振動伝達を抑制し得る薄膜部242aでのみ上ケース306に浮設支持される。従って、振動伝達に関して上ケース306からの独立性を確保することができる。よって、他パッドの打撃や上ケース306自身の打撃に起因する飛び付きが防止される。さらに、ブリッジ体14は、パッド体10の外縁下部近傍から延設され円周方向に幅広に形成されているので、周縁から回り込むようにより広い経路で打撃振動が伝わり、「感度むら」が効果的に防止され、打撃位置に拘わらず均一な出力が得られる。
【0041】
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、装置の外観は第1の実施の形態と同様であるが内部構成が異なる。本実施の形態では、光源部70が振動検出体210の下方に配設される。パッド板兼導光体212は完全な環状に光る。
【0042】
図5は、本実施の形態に係る電子ドラム装置における振動検出体の平面図、図6は図5のD−D線に相当する線に沿う電子ドラム装置の部分断面図、図7は有膜弾性体の平面図である。
【0043】
振動検出体210は、パッド表皮体111、パッド板兼導光体212及びセンサ支持体340から構成される。振動検出体210の下方には、有膜弾性体342が配設されている(図6)。有膜弾性体342の材質は第1の実施の形態における有膜弾性体242と同様である。
【0044】
図7に示すように、有膜弾性体342は略円盤状に形成され、その半径方向略中央部までの間は肉厚のベース体342bとなっている。また、外周部はベース体342bよりもさらに肉厚の環状肉厚部342cとなっている。ベース体342bから環状肉厚部342cまでの間は薄膜部342aとなっている。薄膜部342aの厚みは例えば0.3mm程度である。環状肉厚部342cには、等間隔に4箇所に取り付け用穴342eが設けられている(図7)。
【0045】
有膜弾性体342の中央よりやや外周方向に外れた位置には、光源部70が設けられている(図6、図7)。光源部70はベース体342bの上面に取り付けられている。光源部70の位置が中央でないのは、センサ部41との近接配置を避け、配線を容易にするためである。光源部70の構成は第1の実施の形態と同様であり、LED71が主に上方に向かって光を発する。
【0046】
有膜弾性体342にはまた、円筒状のスタッド受け81が設けられる。スタッド受け81は、ベース体342bの中央よりやや外周方向に外れた位置に等間隔に3個設けられ、上方に突出しベース体342bと一体に形成される。ベース体342bにはさらに、センサ部41のリード線43及び光源部70のリード線72を通すための穴342dが形成されている。
【0047】
パッド板兼導光体212とセンサ支持体340とはスタッド213を通じて一体に形成されて構成され、例えばスライドコア金型による一体成形で製造される。スタッド213は、3箇所に等間隔に設けられ、パッド表皮体111の打撃振動をセンサ支持体340に伝える。なお、パッド板兼導光体212とセンサ支持体340とは別体に形成し、これらを別体のスタッドで結合するようにしてもよい。
【0048】
パッド表皮体111はゴム等の弾性体で構成され、その上面である打撃面111aが叩打される。パッド板兼導光体212等は、光を透過するポリカーボネート等の透明体で構成される。パッド板兼導光体212は、浅い皿状に形成され、外縁部が上方に屈曲している。パッド表皮体111は、パッド板兼導光体212の平坦な皿状部分に接着剤で固着されている。パッド板兼導光体212はパッド板としての機能を兼ねる。
【0049】
パッド板兼導光体212の下面には、光入射部212aが設けられている。光入射部212aは、パッド板兼導光体212の中心からやや外周方向に外れ、下方に突出し、光源部70と略同軸にパッド板兼導光体212と一体に形成されている。光入射部212aの下面は光源部70の上面と正面で対向し、近接しており、LED71からの光が他に漏れにくくなっている。
【0050】
光入射部212aの上方であってパッド板兼導光体212の内部には、円錐状の第1反射部116が設けられる。第1反射部116の構成、パッド板兼導光体212の平坦部における上面及び下面の面処理は第1の実施の形態と同様である。また、パッド板兼導光体212の外縁部も、第1の実施の形態におけるパッド板兼導光体112と同様に構成され、第2反射部112d及び放光面112cと同様の第2反射部212d及び放光面212cを有する。従って、光源部70からの入射光は、第1反射部116から放射状に放出され、第2反射部212dでほぼ全反射し、上方の放光面212cから外部に漏れる。これにより、第1の実施の形態と同様に、奏者からみると、放光面212cだけが光っているように見える。
【0051】
パッド板兼導光体212にはさらに、スタッド受け81に対応する3箇所に穴が形成され、これらの穴を貫通してスタッド83をスタッド受け81に嵌挿することで、パッド板兼導光体212がベース体342bに固定支持される。上記したパッド表皮体111とパッド板兼導光体212との接着はスタッド83の嵌挿後に行う。
【0052】
上ケース406は、振動検出体210が嵌合する大穴406bを有し、大穴406bの内周面に保持部406dが形成されている。有膜弾性体342の環状肉厚部342cを保持部406d上に載せ、有膜弾性体342の取り付け用穴342eを貫通してスタッド324を上方から嵌挿することで、有膜弾性体342が上ケース406に固定される。なお、その後、スタッド324乃至環状肉厚部342cの上面には、緩衝材82が接着される。
【0053】
上ケース406の底板部406aは、大穴406bを下方から塞ぐように形成されている。底板部406aには、センサ部41のリード線43及び光源部70のリード線72を通すための小穴406cが形成されている。
【0054】
なお、本実施の形態では、緩衝材82の上面82aが、第1の実施の形態における有膜弾性体242の環状肉厚部242cの上面242caと同様のストッパ的機能を果たし、振動検出体210の過剰な変位を抑制する。なお、楽音制御及び光源部70の発光制御は第1の実施の形態と同様である。
【0055】
本装置は次のようにして製造される。
【0056】
まず、有膜弾性体342の環状肉厚部342cを上ケース406の保持部406d上に載せ、スタッド324を嵌挿して有膜弾性体342を上ケース406に固定する。一方、センサ支持体340にセンサ部41を取り付ける。そして、有膜弾性体342にパッド板兼導光体212をスタッド83で取り付けた後、パッド表皮体111をパッド板兼導光体212に固着する。本実施の形態では、各部品を裏返すことなくすべて上方から組み付けできるので、作業効率がよい。
【0057】
本実施の形態によれば、光源部70、光入射部212a、第1反射部116、第2反射部212d及び放光面212cの作用により、パッド板兼導光体212の全周に亘って光らせることに関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0058】
また、振動検出体210、ベース体342bが、振動伝達を抑制し得る薄膜部342aでのみ上ケース406に浮設支持される。よって、飛び付きの発生防止に関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0059】
さらに、パッド体に相当するもの(パッド表皮体111及びパッド板兼導光体212)とセンサ支持体340とが結合したもの、すなわち振動検出体210を、打撃検出を担う「打撃検出系」とみなし、一方、上記パッド体に相当するものを保持するベース体342bが薄膜部342aで上ケース406に結合されたものを、飛び付き防止を担う「飛び付き防止系」とみなせば、両系は比較的分離独立したものとなる。従って、打撃検出特性の改善または飛び付き防止特性の改善を図る必要があるとき、他方の系に影響を与えることなく一方の系のみの設計変更をすることが可能となる。
【0060】
また、パッド板兼導光体212とセンサ支持体340とをスライドコア金型による一体成形等で形成できるので、構成が簡単であり、また、ロット間異態様、パッド間異態様はあり得ないから、部品点数を少なくすることができる。
【0061】
さらに、上ケース406の底板部406aで大穴406bを下方から塞ぐようにしたので、パッド下方に大きな穴がなく、気密性の高い構造にすることができる。上ケース406には、不図示の下ケースを結合することで、電子ドラム装置の筐体が構成されるが、筐体全体をスピーカボックスとして見た場合、電子回路を内蔵したとしても、気密性の高いスピーカボックスを構成することができ、音質向上に寄与する。
【0062】
(第3の実施の形態)
第1、第2の実施の形態では、光入射部112aの下面を光源部70の上面と近接対向させたが、LED71からの光が他に漏れにくいようにできれば、他の構成も考えられる。第3の実施の形態では、パッド体110及び光源部70以外の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0063】
図8は、第3の実施の形態に係る電子ドラム装置におけるパッド体110の中央近傍を示す部分断面図である。
【0064】
光入射部112aを下方に突出させ、その内部に穴75を設ける。そして、LED71を穴75内に挿入する。第1反射部116は設けない。
【0065】
LED71はパッド板兼導光体112の板厚方向における中央近傍までせり出しているので、LED71からの光は穴75の内面から直接パッド板兼導光体112に入射され、放射状に外周方向に導かれる。なお、LED71が挿入できれば穴75の形状は上記の形状に限られない。
【0066】
本実施の形態によれば、パッド板兼導光体212の全周に亘って光らせることに関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができ、しかも第1反射部116や筒体73等が不要になる結果、構成をより簡単にすることができる。
【0067】
なお、第1、第2、第3の実施の形態において、第2反射部112dの形状は45度のカット面に限らず、曲面でもよい。また、放光面112cは平坦面に限らず、曲面でもよい。
【0068】
図9は、パッド板兼導光体212の外縁部の他の形状の例を示す図である。
【0069】
例えば、同図(a)に示すように、第2反射部112dに相当する部分である曲面112eを高い面粗さで仕上げると共に、放光面112cを平坦で粗い面粗度で仕上げるという組み合わせにしてもよい。この場合は、放光面112cが光ってみえる。また、同図(b)に示すように、第2反射部112dに相当する部分である曲面112eを高い面粗さで仕上げると共に、放光面112cに相当する部分である曲面112fを外縁部上部に設け、曲面112fを粗い面粗度で仕上げるという組み合わせにしてもよい。この場合は、曲面112fが光ってみえる。なお、実験によれば、同図(a)の組み合わせが最も発光輝度が高かった。ただし、外縁部下部と外縁部上部との仕上げの組み合わせによって、放光面112cにおける放光の方向、明るさ、態様が変わるので、デザイン的な視点で機種や用途に合わせ、適当に組み合わせればよい。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に係る電子ドラム装置によれば、耐久性や低コストを確保しつつ、簡単な構成で且つ所望の態様でパッド体の外周全体を光らせることができる
本発明の請求項2に係る電子ドラム装置によれば、導光体内部を通過する光の方向を規定して、入射光を導光体の外縁部へ放射状に効率よく導くことができる。
【0071】
本発明の請求項3に係る電子ドラム装置によれば、構成をより簡単にすることができる。
【0072】
本発明の請求項4に係る電子ドラム装置によれば、導光体の外縁部の上部が効率よく発光して視認されるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る電子ドラム装置の外観図である。
【図2】 同形態におけるパッド体の平面図である。
【図3】 図1のC−C線に沿う部分断面図である。
【図4】 有膜弾性体を取り出して斜め上方からみた部分斜視図である。
【図5】 第2の実施の形態に係る電子ドラム装置における振動検出体の平面図である。
【図6】 図5のD−D線に相当する線に沿う電子ドラム装置の部分断面図である。
【図7】 有膜弾性体の平面図である。
【図8】 第3の実施の形態に係る電子ドラム装置におけるパッド体の中央近傍を示す部分断面図である。
【図9】 パッド板兼導光体の外縁部の他の形状の例を示す図である。
【符号の説明】
41 センサ部、 70 光源部、 71 LED、 110 パッド体、 111 パッド表皮体、 111a 打撃面(被打撃面)、 112 パッド板兼導光体、 112a 光入射部(入射部)、 112c 放光面、 112d第2反射部、 116 第1反射部、 242、342 有膜弾性体、 306、406 上ケース
Claims (4)
- パッド体の被打撃面に対する打撃を検出し、検出出力に応じて楽音信号を発生する電子ドラム装置であって、
前記パッド体の下方に設けられ発光する光源部と、
前記パッド体の下方に設けられ上方から外縁部が視認できる程度に延設された板状の導光体と、
該導光体に設けられ前記光源部から発した光が入射する入射部と、
前記導光体の外縁部上面に形成された放光面とを備え、
前記光源部から発し前記導光体の前記入射部に入射した光を光ファイバの光伝搬原理を利用して前記導光体の前記外縁部へ放射状に導くと共に、前記外縁部に導かれた光の少なくとも一部を前記放光面から外部に放光させるようにしたことを特徴とする電子ドラム装置。 - 前記入射部は、前記光源部に近接対向する対向面で構成され、該対向面から入射した光が、該入射した光の進行方向における前記対向面よりも前方に設けられた第1反射部で前記外縁部に向かって放射状に反射するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電子ドラム装置。
- 前記入射部は、前記導光体に形成した穴(75)の内面で構成され、前記光源部は、前記導光体の前記穴内近傍で発光するように配置されたことを特徴とする請求項1記載の電子ドラム装置。
- 前記導光体の前記外縁部は前記パッド体の外周において上方に屈曲して形成されると共に、前記放光面は前記外縁部の上部に形成され、前記外縁部に導かれた光が、前記外縁部の下部に設けられた第2反射部で前記放光面に向かって反射するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子ドラム装置。
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