JP3643556B2 - 強度異方性の無い高張力圧延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

強度異方性の無い高張力圧延鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高張力厚鋼板、さらに詳しくは引張り強さ700MPa以上で厚みが20〜200mm(ただし、30mm以下は除く)であり、強度部材として建築、土木、造船、橋梁、プラント、エネルギー生産設備、その他の構造物に使用される構造用鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】
構造部材の強度を高めて構造体重量を低減したり、組立の際の工数を低減する技術開発は従来より盛んであり、これらを目的として700MPa超級の引張り強さを有する、いわゆる高張力鋼板が開発されてきた。
近年では特に、地球環境および資源保護の観点から、高効率のエネルギー採取、変換技術が注目されており、水素、天然ガスあるいは原油の高圧輸送、貯蔵システムや、それらを電気エネルギーに変換した後の貯蔵技術としての揚水発電に関する技術開発が進んでいる。なお、本発明で表記する「高張力鋼」とは、上記したごとく、鋼板の引張り強さが引張方向によらず約700MPa 以上である鋼であり、請求項あるいは以下の本発明においては全て700MPa 以上の引張り強さを有する鋼に関する。
【0003】
これらの技術を可能ならしめる重要な技術要素は、溶接構造で構成される構造体を形成する高張力鋼板の開発と実用化である。したがって、上記技術開発と並行して高張力鋼板の開発研究が進められてきた。
例えば特開昭63−266023号公法、特開平2−133521号公法および特開平2−141528号公法にはそれぞれ、直接焼入れあるいは調質処理によって、焼入れ性の高い化学組成を有する鋼板から目的とする高張力鋼板を製造する技術についての開示がある。また、特開昭61−56268号公法には高靱性高張力鋼を製造する方法に関する技術の開示がある。
【0004】
しかし、これらの技術はいずれも材料の強度に言及してはいるものの、熱間圧延鋼板に特有の「強度異方性」に言及したものはなく、圧延後の鋼板を再度変態点以上の十分に高い温度に再加熱し、組織を逆変態させて二次再結晶を促進し、その後変態組織を得て得られる、いわゆる完全再結晶変態組織が有する「等方的な組織」が有する等方的な機械的特性を前提としているにすぎない。
【0005】
しかし現実的には制御圧延熱処理技術で代表されるような、加工変態組織に影響を受ける「異方性のある組織」を有する鋼板の生産は多く、これらの鋼板では圧延によって得られた非等方的な金属組織が有する強度異方性を有している。具体的には通常、圧延方向と垂直方向の鋼板面内、いわゆる幅方向の強度は圧延方向と平行な方向の強度と異なる場合がある。強度異方性が潜在すれば、例えば高強度方向と平行な方向の靱性は強度に応じて低下し、材質不均一の原因となり、また鋼板強度は多方向で確認する必要が生じることは自明である。さらに、この強度異方性が大きくなって材料の延性にも影響がある場合には、構造体制作時の冷間ないしは温間加工、例えば曲げ、延ばし、絞り変形などの際に不均一変形を生じる要因となり、鋼板加工上重要な問題となる。
すなわち、制御圧延熱処理などの金属組織が必然的に非等方的とならざるを得ない鋼種においては、金属組織を制御して等方的な機械的特性を有する鋼板を実現する技術が切望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとするところは、上記したような問題を解決した強度異方性の無い高張力圧延鋼板およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは制御圧延で異方性のある金属組織、具体的には圧延方向に結晶粒が延伸し、その結晶粒が等方的でなく、例えば長径と短径のアスペクト比が1.5以上となる場合に、鋼板の圧延方向強度(今後は便宜上L方向強度と呼称する)と幅方向強度(今後はC方向強度と呼称する)の比{L方向強度}/{C方向強度}を0.98以上とするためには、積極的に熱間圧延時の鋼板表面における圧延剪断歪みを鋼板の厚み方向位置で1/4間で導入し、制御すると、変態集合組織の配向が変化し、板厚方向中心位置と1/4位置で異なる集合組織を有する結果、板厚位置で強度異方性が連続的に変化し、これを詳細に制御することで、鋼板全体としての異方性が解消されることを見いだした。
【0007】
鋼板の異方性を解消するためには通常、圧延方向を一方向とせず、圧延時にL方向だけでなくC方向からも圧延することを用いる、いわゆる多方向圧延を採用する技術はあるが、本発明のように一方向からの圧延だけで強度異方性を解決した例は全くない。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の知見と圧延条件最適化のための実験によって本発明はなされたものであって、その骨子とするところは以下の通りである。
質量%で、
C :0.03〜0.25%,
Si:0.01〜0.80%,
Mn:0.20〜3.0%,
Cu:0.01〜1.0%,
Ni:1.29〜5.0%,
Cr:0.10〜1.0%,
Mo:0.10〜1.0%,
Al:0.005〜0.08%,
N :0.001〜0.01%
を含有し、さらに
Nb:0.01〜0.08%,
V :0.01〜0.08%,
Ti:0.01〜0.08%
の一種または2種以上を含有し、
P<0.03%,
S<0.01%,
O<0.01%にそれぞれ制限し、
残部が不可避的不純物およびFeよりなることを特徴とする化学成分を有し、板厚1/2位置に最も頻度高く観察される集合組織の主方位が{112}<110>および{225}<110>であり、板厚1/4あるいは3/4位置での集合組織の主方位がそれぞれ{110}<112>、あるいは{110}<225>であり、熱間圧延によって製造する鋼板の引張り特性で、板厚方向中心位置の板面における、圧延方向と平行な方向の引張強さおよび降伏耐力が、同一平面内で圧延方向と垂直な方向の引張強さおよび降伏耐力よりも、(圧延方向と平行な方向の強度/圧延方向と垂直な方向の強度) で示される比強度値、すなわち強度異方性で評価して、それぞれ0.98以下であり、かつ板厚方向で板厚の1/4あるいは3/4位置の板面における、圧延方向と平行な方向の引張強さおよび降伏耐力が、同一平面内で圧延方向と垂直な方向の引張強さおよび降伏耐力よりも同様に比強度値で1.02以上であり、全板厚での板幅方向と圧延方向の引張強さあるいは降伏耐力において、比強度値が0.98以上、1.02以下であり、鋼板の引張強さが試験片採取方向によらず700MPa以上であって、板厚20〜200mm(ただし、30mm以下は除く)であることを特徴とする、強度異方性の無い高張力圧延鋼板、およびさらに、実質的に鋼板組織における低温変態組織、すなわち750℃以上の温度から冷却の際に、剪断変形機構によってfcc構造の鋼あるいは鉄基合金からbcc構造の鋼あるいは鉄基合金へと、鉄のAr1 変態点以下で変態して生成した、マルテンサイトあるいはベトナイト構造の組織を有し、鋼板の引張強さが試験片採取方向によらず700MPa以上であって、板厚20〜200mm(ただし、30mm以下は除く)であることを特徴とする、強度異方性の無い高張力圧延鋼板、およびさらに、板厚方向で板厚中心の板面の、板厚方向から測定した{110}<110>〜{225}<110>の方位群のX線ランダム強度比が2.0以上の集合組織を有し、かつ板厚方向で板厚1/4あるいは3/4位置の板面における板厚方向から測定した集合組織が、板幅方向軸と90度の回転関係にある集合組織を有することを特徴とし、鋼板の引張強さが試験片採取方向によらず700MPa以上であって、板厚20〜200mm(ただし、30mm以下は除く)であることを特徴とする、強度異方性の無い高張力圧延鋼板、およびさらに、Bを0.0002%〜0.007%含有することで鋼板の至る所で均一な焼き入れ性を有し、鋼板の引張強さが試験片採取方向によらず700MPa以上であって、板厚20〜200mm(ただし、30mm以下は除く)であることを特徴とする、強度異方性の無い高張力圧延鋼板あるいはさらに上記の各鋼板を製造するために、圧延前予加熱温度を900〜1300℃とし、続いて熱間圧延温度を900℃から700℃の間で終了し、この時の圧下比を2.5以上とし、圧延終了後200秒以内に水冷して低温変態を促進することを特徴とする、強度異方性の無い高張力圧延鋼板の製造方法、あるいはさらに、少なくとも1回、鋼板を冷却後に再度加熱して500〜700℃の間で10分以上焼き戻すことで集合組織発達を促すことを特徴とする、強度異方性の無い高張力圧延鋼板の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明においては、高張力鋼板の板厚位置における金属結晶の集合組織を制御し、板厚方向で意図的に連続して変化させることが重要であり、そのためには鋼板の製造に制御圧延技術、すなわち圧延時の温度管理とその後の冷却条件が重要であり、かつ高張力を発揮させるための化学成分が必要となり、さらにこれらが達成されるための集合組織情報が不可欠である。
【0010】
最初に集合組織として必要な条件は、以下の通りに決定した。
板厚中心位置においては、制御圧延を適用して得られる剪断変形機構で変態した低温変態組織、具体的にはマルテンサイトあるいはベイナイトを主体とする組織であって、そのZ方向から測定した組織方位集積度が、{110}<110>〜{225}<110>の方位群のX線ランダム強度比が2.0以上となっている場合に、同時に板厚方向1/4位置においては板厚方向から測定した集合組織が、板幅方向軸と90度の回転関係にある集合組織を有することが必要である。
【0011】
板厚20〜200mm(ただし、30mm以下は除く)の範囲の高張力鋼板で上記条件を得るためには、鋼板の化学成分の規定が必要となる。以下に本発明における化学成分限定の理由を述べる。
Cは鋼材の強度確保に必要であり、特に低温変態組織の安定化に寄与して強度向上に寄与する。その効果は0.03質量%から発現し、0.25質量%超の添加では鋼材の靱性が低下することからその範囲を0.03質量%〜0.25質量%とした。
【0012】
Siは脱酸に必要な元素であり、同時に結晶粒内部を固溶強化する。脱酸の観点から0.01質量%が添加されている必要があり、粗大酸化物生成抑制の観点から上限を0.8質量%とした。
【0013】
Mnは同じく脱酸元素であってかつ鋼材の焼き入れ性を向上させる元素である。焼き入れ性向上には少なくとも0.2質量%が必要であり、3.0質量%超の添加では粗大な酸化物が多数生成し、かえって強度、靱性の低下を招くため、その範囲を0.2質量%〜3.0質量%に制限した。
【0014】
Ni、Cuもともに鋼材の焼入れ性向上に必要な元素である。Niは本発明鋼においては1.29%以上からその効果を発揮し、5.0%超では効果が飽和するとともに、鋼材のコストを上昇させること、加えてスラブの熱間割れを助長する場合があるので、その添加範囲を1.29〜5.0質量%とした。Cuは0.01%以上で焼き入れ性を向上させるが、1.0%超の添加では赤熱脆性の感受性が高まり、熱間圧延の製造性を阻害することから、その添加範囲を0.01〜1.0%とした。
【0015】
Cr、MoはA,A変態点を上げることで焼き入れ性を高める効果を有する。両元素とも0.1%以上で鋼材強度上昇に寄与し、1.0%超の添加では粗大な炭化物を生成するために鋼材の靱性が低下することから、その添加範囲を0.1〜1.0%に制限した。
【0016】
Alは主要な脱酸元素であり、0.005%以上の添加で溶鋼中酸素濃度を制御する事ができるようになり、0.08%超の添加ではアルミナ系のクラスターをスラブに発生させるため、その添加範囲を0.005〜0.08%とした。
【0017】
NはCと同様に鋼中の組織形成、強度確保に必要である。0.001%の添加で効果が発現し、0.01%超ではAlあるいはSiその他の元素と粗大窒化物を生成し、Bを含有する場合にはその焼き入れ性効果を低減するので、添加上限を0.01%に制限した。
【0018】
以上が本発明の基本成分であるが、発明鋼の強度靱性を圧延条件に対応して最適に発現すべく、さらにNb,Ti,Vの内1種または2種以上を単独にあるいは複合して添加することができる。
【0019】
Nb、V、Tiともに微細な炭窒化物生成元素であり、圧延温度によって異なる組成比のNb(C,N)、V(C,N)、Ti(C,N)を結晶粒内それぞれ析出して、γ粒組織の粗大化を防止し、あるいは正変態時にはこれらを核としたフェライト粒の生成を促進させて組織を微細化する効果を有する。さらに、これら析出物による析出強化作用も期待できる。それぞれ0.01%以上添加しないと効果が無く、0.08%超の添加では粗大な炭窒化物のクラスターを形成するために靱性が低下する事から、その添加範囲を0.01〜0.08%に制限した。
【0020】
なおP、S、Oは本鋼においては不純物として粒界に偏析、あるいは酸化物の生成を促進するため、それぞれ0.03%未満、0.01%未満、0.01%未満に制限した。
【0021】
以上が本発明の化学成分の概略であるが、本発明ではさらに、鋼中の硫化物形態制御を目的とするCa、Mg、Y、Ce、Laおよびその他の硫化物形態制御能ないしは微細酸化物として鋼中に一次脱酸生成物もしくは二次晶出して硫化物析出のための核として機能しうる希土類元素すなわちREMを含有する事ができ、また鋼板に生成する集合組織を先鋭化する目的で、特に鋼の焼き入れ性に影響を及ぼすZr、Ta、Hf、Coのうち、一種または二種以上を同時にあるいは別途添加することができる。
【0022】
Ca、Mg、Y、Ce、Laおよびその他のREMはいずれも700MPa以上の高張力鋼板では鋼材の靱性を確保すべく随時一般的に添加されている。本発明においてもこれら元素は同様の目的において有用であり、また最近の研究から硫化物の析出核として微細分散することで鋼中の粗大硫化物生成を防止する能力があることも判明した。それぞれ、0.0002%未満では効果が消失してしまう場合があり、0.05%を超えて添加する場合には酸化力が高い元素において耐火物の損耗と、還元混入する不純物元素が上昇し、強度靱性の観点から本発明鋼を工業化する上で好ましくないため、その添加範囲を0.0002%〜0.05%に限定した。また、別途あるいは併用して鋼板の焼入れ性を間接的に高める元素として、窒素と親和力の高いZr、Ta、Hfおよび組成的過冷却を促進して直接的に鋼材の焼入れ性を高める元素としてCoを含有することもできる。いずれも0.001 %未満では効果が無く、0.2 %を超えて添加する場合、Zr、Ta、Hfでは粗大な炭窒化物を生成して集合組織の発達をかえって妨げる場合があり、Coでは鋼材のコスト上昇が著しいことから添加範囲を0.001 〜0.2 %とした。
【0023】
上記の化学成分を有するスラブを、圧延前に900〜1300℃に予加熱し、続いて熱間圧延温度を900 ℃から700 ℃の間で、圧下比2.5以上を確保して終了し、圧延終了後200秒以内に水冷して低温変態を促進する。この熱間圧延温度は鋼板の化学成分によって固有の未再結晶圧延温度によって決定する。未再結晶圧延温度とは、圧延終了後、低温変態するまでの間にオーステナイト結晶粒が二次再結晶を開始できる上限温度のことである。これは通常700 〜900 ℃の間にあって、鋼板の1/4〜表層部分の温度が熱間圧延終了時に未再結晶温度よりも低く、かつ圧下比を2.5以上とする場合に、圧延による剪断歪み(圧延のロールと鋼板表層に生じる摩擦力に起因する歪み)が鋼板厚み位置1/4まで導入され、かつ当該部位の集合組織を、1/2位置の集合組織と比較してC方向軸まわりで90度の回転関係があるような方位を有するように制御することができることを新たに見いだした。
【0024】
さらに、上記したごとく異方性のある集合組織を積極的に導入し、かつ板厚方向で連続的に変化させることでむしろ鋼板として強度異方性を解消するためには、通常の焼き入れ−焼き戻し熱処理した等方的な組織などとは逆に、組織の集積度はむしろ高めることが必要である。この目的で圧延した鋼板を焼き戻すことは重要であり、フェライト粒の優先成長による集合組織の先鋭化が進行する。そのためには500 〜700 ℃の範囲で、鋼板を10分以上焼き戻しする事は重要であり、圧延条件と冷却条件制御だけでは集合組織の集積度が十分に高められない場合に本発明の効果を高める有効な手法となる。この場合、X線ランダム強度比が、焼戻さない場合に比較して1.5倍以上となることを実験的に見いだした。
【0025】
鋼板に導入される剪断歪みの大きさは、圧延温度、鋼材の弾性率、表面の粗度、鋼板表面の酸化スケールなどによって影響を受ける。従って、上記関係を満足するように影響因子をそれぞれ最適化し、目的とする集合組織を得ることが必要である。
【0026】
なお、上記集合組織を板厚方向各位置において連続的に変化させて制御し、かつ強度を700MPa以上とするためには鋼板の至る所で均一な焼き入れ性を確保して低温変態組織を制御する必要がある。このためにはBを含有することが重要であり、B添加の効果は0.0002質量%から発現し、0.007質量%超の添加では粗大な硼化物が析出して素材の靱性を著しく低下せしめ、ひいては材料特性の低下、あるいは製造製の低下、極端な場合には圧延後のスラブ割れなどを誘引する可能性があるため、その範囲を0.0002質量%〜0.007質量%に限定した。
【0027】
なお、本発明を実施するにあたり、熱間圧延に使用する圧延装置には特に制限を設けない。スタンド数、ワークロール形状、バックアップロール形状、間隔、圧延時のロール反力、ミル剛性にも特段の仕様は無い。熱間圧延で厚鋼板を製造する能力を有する圧延装置であれば全て本発明の効果を発現する事ができる。鋼板表面に導入する剪断歪み量の制御に圧延潤滑を用いることもできて、本発明の効果をさらに高める。
【0028】
鋼板の仕上げ温度管理には接触、非接触の温度測定装置を介して鋼板温度を監視して圧延を行うことが重要である。従って圧延温度を自動的に圧延条件にフィードバックできる機構、システム、作業体制が適用でき、また本発明の効果を高める。圧延終了後は、圧延後の組織の集積度を高めるために200秒以内に冷却を開始しなければならない。特に焼き入れ性を向上させる目的でBを添加する場合には重要であり、望ましくは100秒以内で冷却を開始する必要がある。理想的には0秒で冷却できれば変態集合組織はさらに発達しやすくなり、本発明の効果をさらに高める。
【0029】
圧延前の加熱方法にも制限がない。電気炉、ガス炉、抵抗炉、高周波加熱炉など、対象とする圧延材料の大きさに対応した各種加熱炉あるいは機構を選択すればよい。加熱時の雰囲気調整にも制限が無く、不活性雰囲気であっても大気雰囲気であっても本発明の効果に何ら影響を与えない。かえって本発明の効果を適用できる鋼種を拡大し、好適である。ただし、圧延時の圧下比は重要で、組織を完全に均質化するとともに、圧延後の変態集合組織を十分に発達させるためには2.5以上の圧下比が必要である。
【0030】
冷却方法については、水中、油中、その他有機物冷媒、あるいは金属の接触式冷却、さらには非接触の輻射冷却、さらには汽水(ミスト)冷却などを適宜使用して低温変態組織を適宜得ることが必要である。冷却速度と抜熱量を自在に制御できる、いわゆる制御冷却方式の適用などは、本発明の組織を適切に得る上では最も適しており、その冷却制御方式は、水量変化、帯域水量変化、水流噴射方向、噴射角度などを適宜調整して適用すればよい。
【0031】
本発明においては、金属組織の強度異方性を集合組織で規定している。まず、本発明鋼およびその製造方法において対象とする集合組織は変態集合組織であって、γ鉄からα鉄への剪断変形を伴う低温変態を経て形成されるものであるから、板厚中心部位ではこれら鋼材で安定となる{110}<110>〜{225}<110>集合組織が最も確立高く形成される。この方位群に含まれる主な方位は{110}<110>、{112}<110>、{220}<110>、{222}<110>、{225}<110>であり、この中でも頻度が高いのは{112}<110>、{225}<110>であることが実験的に見いだされた。これらのX線ランダム強度比は{110}極点図よりベクトル法で計算できる3次元集合組織や、{110}、{100}、{211}、{310}極点図のうち複数の極点図から級数展開で求めた3次元集合組織から求めることができる。
【0032】
たとえば後者の方法で結晶方位のX線ランダム強度比を求めるには、3次元集合組織のφ2=45゜断面における(110)[ 1−10] 、(112)[1−10]、(225)[1−10]の強度で代表して示し、その板厚方向変化を示せばよい。板厚方向変化は、各板厚位置で板面と平行な方向に切断して採取した薄板試験片の上記X線強度を比較して示すことで確認することができる。これらの他にEBSP法、ECP法も集合組織を得るには有効である。
【0033】
本発明の集合組織を制御した鋼板では板厚方向1/2位置において、{110}<110>〜{225}<110>集合組織のX線ランダム強度比が2.0以上でないと板厚方向1/2位置の強度異方性が十分に発現せず、板厚1/4位置あるいは3/4位置の集合組織の発達が強い場合には逆に鋼板全体としての強度異方性がでてしまうことから、板厚1/2位置の集合組織のX線ランダム強度比が2.0以上と規定した。
【0034】
また、上記の集合組織を板厚中心位置に有し、同時に表層部から板厚1/4あるいは3/4位置までの集合組織が、板厚1/2位置の集合組織とC方向軸まわりで90゜の回転関係になっていることが必要である。すなわち、板厚1/2位置に最も頻度高く観察される集合組織の主方位が{112}<110>および{225}<110>であり、板厚1/4あるいは3/4位置での集合組織の主方位がそれぞれ{110}<112>、あるいは{110}<225>である場合に、本発明に記載の特徴を有する鋼板が得られる。{112}<110>と{110}<112>、あるいは{225}<110>と{110}<225>はそれぞれ、C方向軸まわりで90゜の回転関係にある。
このとき、それぞれの板厚方向位置においてはL方向とC方向の強度異方性が逆転し、鋼板としての強度異方性が釣り合って解消されることを実験的に見いだした。
【0035】
以上のような集合組織の関係は、鋼板を完全再結晶域圧延や、圧延後に焼準し、あるいは焼入れなどさらに逆変態および正変態を経る工程で製造した鋼板には観察することができない。また、本発明に記載の工程を経ない通常圧延や制御圧延でも得ることはできない。さらには、組織がフェライトーパーライトなどの低温変態組織でない場合にもまた実現できない。
【0036】
なお、制御圧延の条件が変化した場合には、鋼板表層部のみに上記の集合組織の板厚方向変化が見いだされる場合もあり得るが、この場合には当然鋼板全体での強度異方性は均衡せず、結果として鋼板には強度異方性が残留してしまい、本発明に記載の鋼とはならない。
【0037】
【0038】
【実施例】
請求項1または請求項4に記載の化学成分を満たす鋼を、900〜1300℃の範囲で30分以上予熱し、通常の熱間圧延機で圧延して圧下比を2.5以上とし、圧延を700 〜900 ℃の間で終了し、その後150 秒以内に0.1 ℃/秒以上の冷却速度で制御冷却してマルテンサイトまたはベイナイト、あるいはそれらの混合組織を有する鋼板とした。鋼板厚みは20〜200mm(ただし、30mm以下は除く)であった。全ての鋼板は500 〜700℃において、全ての鋼片部位について10分以上保持するように焼き戻し処理を実施した。すなわち、製造方法は制御圧延、制御冷却、直接焼き入れおよび焼き戻しの工程を経ている。
【0039】
鋼板からは元厚まま、板幅200mmの全厚板状引張り試験片を、JIS14Bの規定に従って板面内からL方向(圧延方向と平行)およびC方向(圧延方向と垂直)からそれぞれ採取し、室温で引張り試験を実施した。この結果をもって強度異方性を、引張り強さ、および降伏耐力についてそれぞれ、(L方向強度) /(C方向強度)の比をとることで評価した。また、同様に集合組織の板厚方向位置による差異を、(110) 、(200)、(211) 、(310) 極点図を測定し、これらを用いて級数展開法により3次元集合組織を計算し、φ2=45゜断面における各結晶方位のX線ランダム強度比を求めた。
【0040】
表1〜表4には本発明鋼の化学成分の一部と製造条件、および強度異方性の指標である鋼板の(L方向強度) /(C方向強度) の比、さらには集合組織の指標となるX線ランダム強度比の測定結果を、板厚位置1/2および1/4について測定した結果を示した。
なお、全ての鋼板においては得られた材料の金属組織を200 倍の光学顕微鏡で観察したところ、ベイナイト〜マルテンサイトの低温変態組織であることが判った。
【0041】
表5〜表7には比較のために、従来技術で製造した、圧延鋼板の調査結果を示した。表5〜表7の従来鋼において、第53番鋼は板厚方向1/4t位置の比強度1、すなわち引張り強さの比で (L方向強度) /(C方向強度)の値が1.02未満となり、鋼板全厚の引張り強さの比強度に異方性が生じ、C方向強度が高く、比強度値が0.98未満となった例、第54番鋼は鋼板厚みが本発明鋼の下限に近く、圧下比が大きかったために鋼板中心部まで圧延剪断歪みが導入され、鋼板全厚でL方向に異方性の大きな鋼材となった例、第55番鋼は圧延終了温度が615℃と低く、このため焼入れが不十分となり組織が低温変態組織とならず、鋼板強度の低下を招いた例であり、鋼板強度異方性がどの板厚方向位置においても生じなかった。また、第56番鋼は圧下比が1.8と低く、このため板厚方向位置1/4tにおいて強度異方性が十分に発現せず、鋼板全厚での強度異方性が生じ例、第57番鋼では鋼板厚みが250mmと本発明鋼の上限値を超え、この結果鋼板中心部の焼入れ性が低下し、鋼板全体としては1/4t位置の強度異方性が支配的となり、結果的にL方向強度の高い、強度異方性を有する鋼板となった例、第58番鋼はC含有量が不足し、鋼板の焼き入れ性が不足した結果、強度が低下した例、第59番鋼は同様にNi含有量が低く、鋼板の焼き入れ性が不足し、強度が低下した例、第60番鋼はNb、Tiを過剰に添加したため、1/4t位置で集合組織が十分に発達せず、結果的にC方向強度の高い、強度異方性のある材料となった例である。
【0042】
【表1】
Figure 0003643556
【0043】
【表2】
Figure 0003643556
【0044】
【表3】
Figure 0003643556
【0045】
【表4】
Figure 0003643556
【0046】
【表5】
Figure 0003643556
【0047】
【表6】
Figure 0003643556
【0048】
【表7】
Figure 0003643556
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の問題を解決した強度異方性の無い高張力圧延鋼板およびその製造方法を提供することができる。

Claims (8)

  1. 質量%で、
    C :0.03〜0.25%,
    Si:0.01〜0.80%,
    Mn:0.20〜3.0%,
    Cu:0.01〜1.0%,
    Ni:1.29〜5.0%,
    Cr:0.10〜1.0%,
    Mo:0.10〜1.0%,
    Al:0.005〜0.08%,
    N :0.001〜0.01%
    を含有し、さらに
    Nb:0.01〜0.08%,
    V :0.01〜0.08%,
    Ti:0.01〜0.08%
    の一種または2種以上を含有し、
    P<0.03%,
    S<0.01%,
    O<0.01%にそれぞれ制限し、
    残部が不可避的不純物およびFeよりなることを特徴とする化学成分を有し、板厚1/2位置に最も頻度高く観察される集合組織の主方位が{112}<110>および{225}<110>であり、板厚1/4あるいは3/4位置での集合組織の主方位がそれぞれ{110}<112>、あるいは{110}<225>であり、熱間圧延によって製造する鋼板の引張り特性で、板厚方向中心位置の板面における、圧延方向と平行な方向の引張強さおよび降伏耐力が、同一平面内で圧延方向と垂直な方向の引張強さおよび降伏耐力よりも、(圧延方向と平行な方向の強度/圧延方向と垂直な方向の強度) で示される比強度値、すなわち強度異方性で評価して、それぞれ0.98以下であり、かつ板厚方向で板厚の1/4あるいは3/4位置の板面における、圧延方向と平行な方向の引張強さおよび降伏耐力が、同一平面内で圧延方向と垂直な方向の引張強さおよび降伏耐力よりも同様に比強度値で1.02以上であり、全板厚での板幅方向と圧延方向の引張強さあるいは降伏耐力において、比強度値が0.98以上、1.02以下であり、鋼板の引張強さが試験片採取方向によらず700MPa以上であって、板厚20〜200mm(ただし、30mm以下は除く)であることを特徴とする、強度異方性の無い高張力圧延鋼板。
  2. 請求項1に記載の鋼板であって、実質的に鋼板組織における低温変態組織、すなわち750℃以上の温度から冷却の際に、剪断変形機構によってfcc構造の鋼あるいは鉄基合金からbcc構造の鋼あるいは鉄基合金へと、鉄のAr1 変態点以下で変態して生成した、マルテンサイトあるいはベイナイト構造の組織を有し、鋼板の引張強さが試験片採取方向によらず700MPa以上であって、板厚20〜200mm(ただし、30mm以下は除く)であることを特徴とする、強度異方性の無い高張力圧延鋼板。
  3. 請求項1あるいは2に記載の鋼板であって、板厚方向で板厚中心の板面の、板厚方向から測定した{110}<110>〜{225}<110>の方位群のX線ランダム強度比が2.0以上の集合組織を有し、かつ板厚方向で板厚1/4あるいは3/4位置の板面における板厚方向から測定した集合組織が、板幅方向軸と90度の回転関係にある集合組織を有することを特徴とし、鋼板の引張強さが試験片採取方向によらず700MPa以上であって、板厚20〜200mm(ただし、30mm以下は除く)であることを特徴とする、強度異方性の無い高張力圧延鋼板。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の鋼板であって、さらにBを0.0002%〜0.007%含有することで鋼板の至る所で均一な焼き入れ性を有し、鋼板の引張強さが試験片採取方向によらず700MPa以上であって、板厚20〜200mm(ただし、30mm以下は除く)であることを特徴とする、強度異方性の無い高張力圧延鋼板。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の鋼に、さらにCa、Mg、Y、Ce、Laおよび硫化物形成能、あるいは微細酸化物として鋼中に分散析出しうるREMの一種または二種以上を、0.0002%〜0.05%の範囲で、単独であるいは併用して含有する事を特徴とする強度異方性の無い高張力圧延鋼板。
  6. 請求項1〜4の何れかあるいは請求項5に記載の鋼であって、さらにTa、Hf、Coのうち一種または二種以上を0.001%〜0.2%の範囲で、単独であるいは併用して含有することを特徴とする強度異方性の無い高張力圧延鋼板。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の鋼板の製造方法であって、圧延前予加熱温度を900〜1300℃とし、続いて熱間圧延温度を900℃から700℃の間で終了し、この時の圧下比を2.5以上とし、圧延終了後200秒以内に水冷して低温変態を促進することを特徴とする、強度異方性の無い高張力圧延鋼板の製造方法。
  8. 請求項7に記載の方法に加えて、少なくとも1回、鋼板を冷却後に再度加熱して500〜700℃の間で10分以上焼き戻すことで集合組織発達を促すことを特徴とする、強度異方性の無い高張力圧延鋼板の製造方法。
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