JP3642611B2 - ポリッシング方法および装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はポリッシング方法及び装置に係り、特に、半導体ウエハ等のポリッシング対象物を平坦且つ鏡面状に研磨するポリッシング方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスの高集積化が進むにつれて回路の配線が微細化し、配線間距離もより狭くなりつつある。特に0.5μ以下の光リソグラフィの場合、焦点深度が浅くなるためステッパの結像面の平坦度を必要とする。
そこで、半導体ウエハの表面を平坦化することが必要となるが、この平坦化法の1手段としてポリッシング装置により研磨することが行われている。
【0003】
従来、この種のポリッシング装置は、各々独立した回転数で回転するターンテーブルとトップリングとを有し、トップリングが一定の圧力をターンテーブルに与え、ターンテーブル上の砥液を含んだ研磨布とトップリングとの間にポリッシング対象物を介在させて該ポリッシング対象物の表面を平坦且つ鏡面に研磨している。
上述したポリッシング装置のトップリングのウエハ保持面は従来、平坦な面に形成して、該面にポリッシング対象物を保持して研磨していた。
【0004】
このようなポリッシング装置において、ポリッシング速度は、機械的研磨という観点からは、研磨布とウエハの相対速度、押圧力、研磨布上のスラリー(研磨砥液)の量、研磨布の使用時間等が影響することが知られている。すなわち、これらの要素をウエハの研磨面全面で等しくすることで、均一な研磨面を得ることができる。
これら研磨速度に影響する要素のうち、ターンテーブルとトップリングの回転を同一回転数且つ同一方向とすることでウエハ研磨面の研磨布に対する相対速度を同一とすることができることが理論的に示されている。
【0005】
さらに、押圧力をウエハ全面で均一にする手段として、トップリングをセラミック等の硬質の材料を用いることが知られている。又、特開平6−91522号公報に開示されているように、トップリングにダイヤフラムを備え、流体圧をかけてウエハ全面の押圧力を均等にすることが知られている。又、USP4,373,991号公報に開示されているように、トップリング下端面に形成した通気孔から流体圧を供給しつつ研磨すること等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のポリッシング方法においては、回転するターンテーブル上の研磨布に液体状のスラリーを流下するため、スラリーに遠心力が働き、研磨布上のスラリーの量を均一に保つことは困難である。このような研磨布上のスラリー量の不均一性のほか、ポリッシングに用いる砥粒の大きさ、砥粒を希釈する液体の性質等によって、研磨面の削れ方が異なるが、その削れ方から推測される研磨面の均一性に影響する要因が考えられる。
【0007】
シリカ系の砥粒をアルカリ液に希釈したスラリーを用いる場合、研磨作用は研磨面にアルカリ液が侵入し、アルカリによって腐食した研磨面を砥粒で削り落としていると考えられている。このスラリーを用いてポリッシングした研磨面は、概してウエハの外周部が多く削られる傾向がある。
【0008】
セリウム系の砥粒を水に希釈したスラリーを用いる場合、セリウム系の砥粒がシリカ系の砥粒より粒径が大きいこと、また、液体に腐食作用がないことから、機械的な研磨作用のみによって研磨していると考えられている。この場合、研磨面は中心部が多く削れる傾向を示す。
【0009】
このような現象は、本来ポリッシング対象物を平坦且つ鏡面状に研磨することを目的とするポリッシング装置には望ましくないことではあるが、避けられない問題点である。
【0010】
本発明は上述の事情に鑑み為されたもので、研磨布上のスラリー分布の不均一性や、化学的機械的研磨作用の不均一性によらずポリッシング対象物の研磨面を均一に研磨することができるポリッシング方法および装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明のポリッシング方法は、半導体ウエハの表面を平坦に研磨するポリッシング方法において、半導体ウエハの裏面に所定量の液体を供給する液体供給工程と、前記液体供給工程後、裏面に所定量の液体が供給された半導体ウエハを、半導体ウエハの外周部に接触する凹球面状の保持面を有し回転運動するトップリングに保持する保持工程と、トップリングシリンダによりトップリングに保持した半導体ウエハの表面をターンテーブルに押圧して研磨する研磨工程とを備え、前記トップリングは前記凹球面状の保持面に連通する孔を備え、前記研磨工程中に該孔から前記凹球面状の保持面と半導体ウエハとで形成される空間に気体を供給して半導体ウエハを押圧することを特徴とするものである。
【0012】
本発明のポリッシング装置は、半導体ウエハの表面を平坦に研磨するポリッシング装置において、ターンテーブルと、半導体ウエハの裏面に液体を供給するための液体供給装置と、外周部が半導体ウエハと接する凹球面状の保持面と、前記保持面に連通する孔を有し、前記液体供給装置によって半導体ウエハに液体を供給した後に半導体ウエハを保持して回転運動するトップリングと、前記トップリングをターンテーブルに対して押圧させるためのトップリングシリンダと、前記トップリングの孔に連結され、前記押圧時に前記凹球面状の保持面と半導体ウエハにて形成された空間に前記孔から空気を供給して半導体ウエハを押圧する空気供給装置とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
本発明によれば、トップリングは半導体ウエハを保持する凹球面に形成した保持面を有し、半導体ウエハを該凹球面に保持させて研磨する。そして、研磨前に前記半導体ウエハの裏面に所定量の水等の液体を供給した後に前記凹球面に保持させる。そして、トップリング保持面に連通する孔から圧縮空気等の気体を供給して研磨する。
【0014】
さらに、半導体ウエハの裏面に所定量の水等の液体を供給する前に、トップリングの半導体ウエハを保持する保持面と半導体ウエハの裏面とを洗浄し、乾燥させ、そこに所定量の液体を供給する。従って、トップリングの凹球面と概ね平坦な半導体ウエハとの間に空間が形成され、研磨するときに半導体ウエハがトップリング保持面の形状に拘束されずに研磨される。そして、研磨前に前記半導体ウエハの裏面に所定量の液体を供給した後に半導体ウエハを前記凹球面に保持させて研磨すると、トップリングの凹球面と半導体ウエハとは、これらの外周部で接し、この空間に液体を存在させることにより、半導体ウエハの中央部分の押圧力を外周部分の押圧力に対して任意に調整することができると考えられる。
【0015】
さらに、研磨中に圧縮空気等の気体を供給することにより、前記空間に水等の液体に加えて気体を存在させることにより、半導体ウエハの中央部分の押圧力を外周部分の押圧力に対してさらに正確に調整することができる。
本発明のポリッシング方法の一態様は、前記液体供給工程の前に、前記トップリングの保持面と半導体ウエハの裏面とを洗浄する工程と乾燥させる工程の少なくとも一方を更に含むことを特徴とする。
本発明のポリッシング装置の一態様は、前記保持面は前記トップリングの下面に取り付けられたバッキング材の下面に形成されていることを特徴とする。
本発明のポリッシング装置の一態様は、前記半導体ウエハの裏面に液体を供給する前に、前記トップリングの保持面と半導体ウエハの裏面とを洗浄する洗浄装置および乾燥させるための乾燥装置の少なくとも一方を更に備えたことを特徴とする。
【0016】
【実施例】
以下、本発明に係るポリッシング方法及び装置の第1実施例を図1及び図2に基づいて説明する。図1は本発明のポリッシング装置のトップリング部を示す図であり、半導体ウエハを保持した状態のトップリング及びウエハを示す縦断面図である。図2はポリッシング装置の概略図である。
ポリッシング装置のトップリング部は、トップリング駆動軸1と、トップリング3と、これらトップリング駆動軸1とトップリング3との間に介装された球ベアリング2とから構成されている。
【0017】
前記トップリング駆動軸1の下端面中央部には球ベアリング2が摺接する凹球面1aが形成されている。トップリング3はトップリング上部3−1とトップリング下部3−2とで構成されている。トップリング上部3−1の上面中心部には球ベアリング2が摺接する凹球面3−1aが形成され、トップリング下部3−2の外周部にはガイドリング5が取付けられている。
【0018】
トップリング下部3−2には下面に開口する多数の通気孔3−2aが形成されている。トップリング上部3−1には該通気孔3−2aに連通する溝3−1bが形成されており、溝3−1bはトップリング上部3−1に形成された孔3−1cに連通している。この孔3−1cはフレキシブルチューブ9でトップリング駆動軸1の中心部に設けられた孔1bに連通されている。
【0019】
前記トップリング駆動軸1にはフランジ部1cが一体に設けられており、フランジ部1cの外周には複数のトルク伝達ピン7が設けられている。また、トップリング3のトップリング上部3−1の上面にはトルク伝達ピン7に対応して、複数のトルク伝達ピン8が設けられている。
【0020】
本実施例のトップリングは、トップリング3のウエハ保持面4が高低差12μmの凹球面に形成されており、この凹球面内にポリッシング対象物であるウエハ6を保持する。尚、6インチ程度のウエハを研磨する場合には、凹球面の高低差は1〜50μm程度が望ましい。また、ガイドリング5の下端面はトップリング下端面の最低部、すなわち、最外周部より突出しており、ウエハ6を保持したときにウエハの研磨面がガイドリングより僅かに突出するようになっている。このガイドリング5により研磨中にウエハ6がトップリング外に飛び出すことを防止している。
【0021】
ウエハ裏面は平坦であるため、トップリング3がウエハ6を保持すると、ウエハ裏面6Aと凹球面状のウエハ保持面4とにより空間10が形成される。すなわち、ウエハ6の外周部のみがトップリング下端面と接触するため、ウエハ中心部は裏面6Aをトップリングのウエハ保持面4によって拘束されずにウエハ6の弾性変化の範囲内でへこむことができる。
【0022】
図2は図1に示すポリッシング部を用いたポリッシング装置の全体構成を示す図である。図2において、符号20はターンテーブルであり、ターンテーブル20は軸21を中心に回転できるようになっている。ターンテーブル20の外周部には研磨砥液等の飛散を防ぐためのターンテーブルリング22が設けられている。また、ターンテーブル20の上面には研磨布23が張られている。
【0023】
ターンテーブル20の上部には前述のように構成されたトップリング部が配置されている。トップリング駆動軸1の上部にはトップリングシリンダ11が設けられており、トップリング3はトップリングシリンダ11により、ターンテーブル20に対して一定の圧力で押圧されている。符号12はトップリング駆動モータで、歯車15、歯車16、歯車17を介してトップリング駆動軸1に回転トルクを与えている。またターンテーブル20の上方には研磨砥液ノズル18が設置されており、研磨砥液ノズル18によってターンテーブル20の研磨布23上に研磨砥液Qが供給できるようになっている。
【0024】
本実施例のポリッシング装置は、ウエハ裏面に供給する水の量を一定にするために、図2に示す水量供給制御装置13を装備しており、これにより研磨前にウエハ裏面に任意の量の水滴が供給される。図2に示すように、ポリッシング装置は、ターンテーブル20に隣接して、ウエハ6をトップリング3へ保持させるためのプッシャー24を備え、このプッシャー24の上方に図中Y方向へ移動可能な水量供給制御装置13が配設されている。プッシャー24は図中Z方向に移動可能になっている。
【0025】
研磨すべきウエハ6は、搬送ロボット等により研磨面を下に向けてプッシャー24上に載置され、水量供給制御装置13がウエハ上方へ移動して、ウエハ裏面6Aへ所定量の水を供給する。水量供給制御装置13がウエハ上から退避した後に、トップリング3が図示しない移動機構により、ウエハ上へ移動し、ウエハ6を載置したプッシャー24がトップリング3へウエハ6を押し付けることにより、ウエハ6をトップリング3のウエハ保持面4へ保持する。
【0026】
本実施例のポリッシング装置は、図1に示すように、トップリング3の通気孔3−2aに空気を供給する空気供給装置14を備え、圧力が調整可能な空気を孔1b,チューブ9,孔3−1c,溝3−1b及び通気孔3−2aを介して密閉空間10に供給できるようになっている。
【0027】
上記構成のポリッシング装置において、水量供給制御装置13によってウエハ裏面6Aに所定量の水を供給した後に、トップリング3のウエハ保持面4にウエハ6を保持させ、ターンテーブル20上面の研磨布23上にトップリングシリンダ11により圧力を加えて加圧する。この時、ターンテーブル20とトップリング3とは同一回転数で同方向に回転している。一方、研磨砥液ノズル18から研磨布23上に研磨砥液Qを流すことにより、研磨布23に研磨砥液Qが保持され、ウエハ6の研磨される面(下面)に研磨砥液Qが侵入した状態でポリッシングが行われる。
【0028】
ここで、上記動作と同時に圧縮空気が空気供給装置14からトップリングシャフト1内に形成した孔1b及びフレキシブルチューブ9を介してトップリング3の通気孔3−2aへ供給され、ウエハ裏面を押圧する。なお、トップリングシャフト1の押圧力と供給する空気圧はほぼ同程度の圧力であること或いは供給する空気圧がトップリングシャフト1の押圧力よりも小さいことが望ましい。
【0029】
また、ウエハ裏面6Aと凹球面状のウエハ保持面4との間に塵埃(粒子)等が挟まると、その部分に応力が集中するため、他の部分より過剰に研磨され、斑点状の研磨むらが生じる。このため、本実施例のポリッシング装置は洗浄装置及び乾燥装置(図示しない)を備えている。そして、ウエハをトップリングに装填する前に、トップリング3のウエハ保持面4とウエハ裏面6Aとの洗浄及び又は乾燥を行なう。洗浄は例えば純水の噴射及びブラシ又はスポンジによるスクラブを行なってもよい。乾燥は高純度N2 ガス又はクリーンエアの吹き付け、或いは赤外線の照射により行ってもよい。また、この洗浄及び又は乾燥により研磨前にウエハに供給する水の量を常に一定にすることができる。
【0030】
上述のようにポリッシング装置を構成することにより、以下に述べる研磨作用が生じていると考えられる。実際には、トップリングに形成した凹球面の高低差が1〜50μmと微小であること、研磨中のウエハの挙動を正確に測定することは困難であるため、実験結果より得られた作用の推測を述べる。
【0031】
トップリング保持面を凹球面に形成し、該保持面に概ね平坦なウエハを保持させるため、ウエハと凹球面は両者の外周部で接し、その間に空間が形成され、ウエハ中心部はその弾性変化の範囲内でへこむことができる。研磨時はウエハの研磨面が弾性体である研磨布から押圧される。この時、ウエハ外周部はトップリングによって剛体支持されるが、中心部は支持されないためトップリング側にへこむ。その曲率は、一つにはウエハ裏面に供給された水の量及び空間内の空気の量によって変化することが考えられる。また、ウエハ裏面に供給した水の表面張力によってウエハが凹球面に吸着され、介在する水の量により曲率が変化することが考えられる。このように考えると、ポリッシング前に供給する水の量によって研磨時のウエハの曲率を制御でき、この曲率によって研磨作用の中心部と外周部の差異を補償し、研磨の均一性を向上させていると考えられる。
【0032】
さらに、トップリングに形成した通気孔から圧縮空気を供給することにより、ウエハ中心部の裏面を押圧するため、上述の水の供給だけでなく、圧縮空気の押圧力によっても曲率を制御できると考えられる。この方法は、圧縮空気の押圧力を研磨中にも変化させることが可能であるため、研磨中にも曲率の制御を行うことができる。
【0033】
図3は本発明の第2実施例のポリッシング装置を示す。本図はウエハを保持した状態のトップリング及びウエハを示す縦断面図である。
本実施例のトップリング3は、ウエハ保持面4が凹球面となっていることは第1実施例と同様であるが、通気孔及びこれに接続した空気供給装置を備えていない。このため、ウエハ裏面6Aに水滴を供給後、トップリング3にウエハ6を装填しポリッシングする。
【0034】
トップリングの保持面に通気孔を形成しない点を除いて、本実施例のポリッシング方法は第一実施例と共通である。したがって、推測される研磨作用も第一実施例と同様である。本実施例のポリッシング装置によれば、トップリング内の通気孔及び該通気孔に接続する配管系及び空気供給装置を必要としないので、より簡便な装置構成とすることができる。
【0035】
図4は本発明の第3実施例のポリッシング装置を示す図である。本実施例のトップリング3は下面に凹球面を有している。弾性材からなるバッキング材25がトップリング3の凹球面状の下面に取り付けられている。バッキング材は一定の厚さを有しているため、トップリング3はバッキング材25の凹球面状の下面によって形成されたウエハ保持面26を有している。凹球面の高低差は図1に示す実施例と同様である。その他の構成は図1に示す実施例と同様である。
【0036】
本実施例によれば、バッキング材25がトップリング3の下面に設けられているため、トップリングに保持される水の量を多くすることができるとともにウエハ6の裏面6Aに接触する水を均一に分散できる。また、弾性材からなるバッキング材25を用いることにより、ウエハ6の外周部とバッキング材25のウエハ保持面26との間のシール効果が高まる。
【0037】
図5は本発明の第4実施例のポリッシング装置を示す図である。本実施例のトップリング3は図3のトップリングと同様に通気孔と空気供給装置を備えていない。本実施例のトップリング3は下面に凹球面を有している。弾性材からなるバッキン材25がトップリング3の凹球面状の下面に取り付けられている。バッキング材は一定の厚さを有しているため、トップリング3はバッキング材25の凹球面状の下面によって形成されたウエハ保持面26を有している。凹球面の高低差は図3に示す実施例と同様である。その他の構成は図3に示す実施例と同様である。
【0038】
尚、ウエハ裏面6Aに供給される液体は、本実施例では水であるが、水以外の液体を用いても勿論よい。また保持面4または26とウエハ裏面6A間の密閉空間10に供給される気体は、本実施例では空気であるが、N2 ガス等の他の気体を用いてもよいことは、勿論のことである。更に、密閉空間10に供給される圧力媒体として、気体に替えて液体の流体を使用することも可能である。又、凹球面の高さも、ポリッシング対象物の大きさ、材質等により適宜選択されることが望ましい。又、凹球面とは、厳密な意味での真球面の一部ということではなく、外周が円形の凹状部であれば足り、本発明の作用効果を得られる。
本実施例ではウエハ裏面6Aに液体を供給する前に、ウエハ保持面4または26とウエハ裏面6Aの洗浄と乾燥を行っているが、場合によっては処理時間の短縮等の目的で、洗浄と乾燥のいずれか一方のみとすることも可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、下記に列挙する優れた効果が得られる。
(1)研磨中にポリッシング対象物の中心部をへこませることができるので、研磨布の不均一性の影響を補償(補正)でき、平坦度が向上する。
(2)ポリッシング対象物の裏面に供給する水等の液体の量を調整し、常に同一の液体量を供給することで、ポリッシング対象物ごとの平坦度の再現性を得ることができる。
(3)ポリッシング対象物の裏面に圧縮空気等の気体圧を供給し、ポリッシング対象物の中心部の裏面を押圧して、研磨中のポリッシング対象物の曲率を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のウエハを保持した状態のトップリング部を示す縦断面図である。
【図2】ポリッシング装置のポリッシング部の概略図である。
【図3】本発明の第2実施例のウエハを保持した状態のトップリング部を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第3実施例のウエハを保持した状態のトップリング部を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第4実施例のウエハを保持した状態のトップリング部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 トップリング駆動軸
2 球ベアリング
3 トップリング
4 ウエハ保持面(凹球面)
6 ウエハ
10 密閉空間
13 水量供給制御装置
14 空気供給装置
18 研磨砥液ノズル
20 ターンテーブル
23 研磨布
25 バッキング材
26 ウエハ保持面
Claims (5)
- 半導体ウエハの表面を平坦に研磨するポリッシング方法において、
半導体ウエハの裏面に所定量の液体を供給する液体供給工程と、
前記液体供給工程後、裏面に所定量の液体が供給された半導体ウエハを、半導体ウエハの外周部に接触する凹球面状の保持面を有し回転運動するトップリングに保持する保持工程と、
トップリングシリンダによりトップリングに保持した半導体ウエハの表面をターンテーブルに押圧して研磨する研磨工程とを備え、
前記トップリングは前記凹球面状の保持面に連通する孔を備え、前記研磨工程中に該孔から前記凹球面状の保持面と半導体ウエハとで形成される空間に気体を供給して半導体ウエハを押圧することを特徴とするポリッシング方法。 - 前記液体供給工程の前に、前記トップリングの保持面と半導体ウエハの裏面とを洗浄する工程と乾燥させる工程の少なくとも一方を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のポリッシング方法。
- 半導体ウエハの表面を平坦に研磨するポリッシング装置において、
ターンテーブルと、
半導体ウエハの裏面に液体を供給するための液体供給装置と、
外周部が半導体ウエハと接する凹球面状の保持面と、前記保持面に連通する孔を有し、前記液体供給装置によって半導体ウエハに液体を供給した後に半導体ウエハを保持して回転運動するトップリングと、
前記トップリングをターンテーブルに対して押圧させるためのトップリングシリンダと、
前記トップリングの孔に連結され、前記押圧時に前記凹球面状の保持面と半導体ウエハにて形成された空間に前記孔から空気を供給して半導体ウエハを押圧する空気供給装置とを備えたことを特徴とするポリッシング装置。 - 前記保持面は前記トップリングの下面に取り付けられたバッキング材の下面に形成されていることを特徴とする請求項3記載のポリッシング装置。
- 前記半導体ウエハの裏面に液体を供給する前に、前記トップリングの保持面と半導体ウエハの裏面とを洗浄する洗浄装置および乾燥させるための乾燥装置の少なくとも一方を更に備えたことを特徴とする請求項3または4記載のポリッシング装置。
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