JP3642604B2 - Scroll compressor - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、たとえば空気調和機の冷凍サイクルを構成する圧縮機として用いられるスクロール式圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、空気調和機の冷凍サイクルを構成する圧縮機においては、通常のロータリ式圧縮機と比較して、運動騒音が極めて低く、かつ吸込弁や吐出弁など不要で部品点数が少なくてすみ、しかも圧縮性能のよいスクロール式圧縮機が多用される傾向にある。
【0003】
この種のスクロール式圧縮機は、密閉ケース内に、回転軸の一端側に電動機部、他端側に圧縮機部を連結してなる電動圧縮機本体を収容している。
上記圧縮機構部は、固定スクロールと旋回スクロールとからなり、各スクロールの渦巻状の翼部相互を噛合させ、これら翼部と各スクロールの鏡板部とで圧縮空間を形成する。
【0004】
上記回転軸の回転にともなって旋回スクロールが旋回運動し、圧縮空間に被圧縮ガスである低圧のガス冷媒を吸込み、圧縮空間の容積減少により、圧縮して吐出するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで問題は、旋回スクロールと掛合するクランク部を備えた回転軸と、この回転軸を軸受具を介して枢支する枢支手段とのクリアランス(隙間)の関係である。
【0006】
すなわち、上記枢支手段である支持フレームは孔加工された軸受孔部を備え、ここに軸受具が嵌め込まれる。この軸受具に切削加工された回転軸が嵌挿され、軸受具を介して回転軸が支持フレームに枢支される。
【0007】
上記支持フレームと回転軸は、それぞれの加工精度を高く保持しているが、それでもある程度のバラツキが生じることは避けられない。そして、軸受具自体においても、ラジアル方向にクリアランスを有する。
【0008】
実際の組立て完成品として、これら支持フレームと回転軸の加工バラツキと軸受具の隙間の組み合わせで、互いに異なる現象で回転軸の傾きが生じ、このクランク部に掛合する旋回スクロールの傾きにつながる不具合となる。
【0009】
そこで、実公平4−55272号公報が提案されている。このスクロール圧縮機では、旋回軸受および上下主軸受のうち、少なくとも上主軸受を円筒コロ軸受とし、この円筒コロ軸受の軸受隙間を旋回軸受隙間より小さくしたことが特徴であり、旋回スクロールの傾きをより少なくすることを目的としている。
【0010】
しかるに、ここで開示されているスクロール圧縮機においては、回転軸(駆動軸)の最上端に備えられるクランク軸部およびこのクランク軸部と連設される回転軸上部のみを枢支する構成で、いわゆる片持ち構造となっている。
【0011】
一方、回転軸の下部には電動機のロータが嵌着され、さらに回転軸下端部は下方に延出されて、密閉容器の底部に形成された油溜めに浸漬されており、全長としてはかなり長いものである。
【0012】
このように従来のスクロール圧縮機は、回転軸の一端部のみの枢支で、他端部の枢支がない。したがって、完全確実に回転軸の傾きをなくして安定運転をなすまでには至らない。
【0013】
そしてこの圧縮機では、回転軸の軸方向を垂直方向に向けた、いわゆる縦形のものであり、回転軸の自由端におけるふれ回りの発生が比較的少なくてすむ。しかるに、圧縮機の据付けスペースの点で有利な横置き形(回転軸ほかの軸方向が水平方向になる)では、自由端側に電動機のロータが嵌着される。このロータは重量が大であり、停止時ばかりでなく回転時にも重力の影響を受けることから、信頼性を保持する意味で何らかの処置が必要となる。
【0014】
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、回転軸の一端側において2つの軸受手段を介して枢支し、他端側においても枢支することを前提として、各軸受に対する荷重配分を改善し、回転軸の安定した回転による旋回スクロールの傾きを防止し、圧縮性能および信頼性の向上を図れるスクロール式圧縮機を提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するため手段】
上記目的を満足するため、本発明のスクロール式圧縮機は、翼部を備えた固定スクロールと、この固定スクロールの翼部と噛合する翼部を備え、これらの間に圧縮空間を形成する旋回スクロールと、この旋回スクロールと回転自在に掛合するクランク部を備え、このクランク部と一体に主軸部が連設される回転軸と、この回転軸の主軸部を回転自在に枢支する枢支手段と、この枢支手段によって枢支された回転軸を回転駆動する駆動手段とを具備し、旋回スクロールを旋回運動させて圧縮空間に被圧縮ガスを吸込み、圧縮して吐出するスクロール式圧縮機において、
上記枢支手段は、回転軸の主軸部一端を、第1の軸受具であるコロ軸受および第2の軸受具であるすべり軸受を介して枢支する主軸受と、主軸部他端を、第3の軸受具を介して枢支する副軸受とからなり、上記第3の軸受具に対して、第1の軸受具は第2の軸受具よりも遠い位置に設けられ、第1の軸受具と回転軸とのクリアランスをCa,第2の軸受具と回転軸とのクリアランスをCbとしたとき、Ca<Cbの関係に設定した。
【0016】
そして、請求項1記載の上記第2の軸受具と回転軸とのクリアランスをCb,第3の軸受具と回転軸とのクリアランスをCcとしたとき、Cb>Ccの関係に設定した。
【0017】
また、上記駆動手段は、回転軸に嵌着されるロータと、このロータの外周に狭小の間隙を存して配置されるステータとからなる電動機であり、上記第1の軸受具と回転軸とのクリアランスをCaとしたとき、Ca<75μm の関係に設定した。
【0018】
また、上記固定スクロールと、旋回スクロール、回転軸、枢支手段および駆動手段はその軸方向が全て水平に向けられ、圧縮機として横置き形である。
【0019】
【作用】
本発明によれば、運転時の圧縮荷重を、主軸受に備えた第1の軸受具であるコロ軸受と、第3の軸受具を備えた副軸受とで受けるため、回転軸の傾きを最小として、ロックの発生がない。
【0020】
また、回転軸が傾いても、電動機のモータギャップを適正に保持でき、起動不良がない。
また、回転軸や、他の構成部品に重力が作用するが、上記設定により重力の影響を最小に抑制する。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を、図面にもとづいて説明する。
図1は、横置き型のスクロール式圧縮機を示す。図中1は、水平方向に長い密閉ケースである。この密閉ケース1内の、図において右側部に主軸受である支持フレーム2が設けられる。左側部にはスティ20が取着固定され、このスティの延出端部に副軸受21が取付けボルト22を介して取付け固定される。
【0022】
上記支持フレーム2および副軸受21ともに、その軸方向が水平方向に向けられる。そして、支持フレーム2は後述する第1の軸受具Aと第2の軸受具Bを介して、かつ副軸受21は後述する第3の軸受具Cを介して、水平方向に延出される回転軸3を回転自在に枢支している。
【0023】
上記回転軸3の上記支持フレーム2側には、圧縮機構部4が連結され、他の位置にはステータ5とロータ6とからなる電動機部7が設けられる。
上記圧縮機構部4は、上記支持フレーム2にオルダムリング10を介して旋回自在に支持される旋回スクロール11と、この旋回スクロール11と噛合する固定スクロール12とから構成される。上記オルダムリング10は、旋回スクロール11の自転を規制し、旋回運動のみ行わせる。
【0024】
上記回転軸3は、上記ロータ6が嵌着されるとともに各軸受具A,B,Cに枢支される部位を主軸部3aと呼び、この主軸部の図において右側端部にバランサ部3bが設けられ、さらに主軸部と偏心して一体にクランク部3cが設けられている。そしてこのクランク部3cに、上記旋回スクロール11に一体に設けられるボス部11cが回転自在に係合する。
【0025】
上記旋回スクロール11は、ボス部11cを備えた鏡板部11aと、この鏡板部11aの上面側に一体に突設される渦巻状の翼部11bとからなる。
上記固定スクロール12は、鏡板部12aと、この鏡板部12aの下面側に一体に突設され旋回スクロール11の翼部11bと噛合する渦巻状の翼部12bとからなる。
【0026】
これら旋回,固定スクロール11,12の鏡板部11a,12aと翼部11b,12bとで、一対の圧縮空間aが形成され、周端部側から被圧縮ガスである冷媒ガスを取り込んで、中心部側に移動するとともにその容積を縮小させ、圧縮作用を行えるようになっている。
【0027】
上記固定スクロール鏡板部12aの中央部には、上記圧縮空間aの渦巻き中心と連通するよう吐出ポート13が貫通して設けられる。上記鏡板部12a端面にはバルブカバー14が取着され、吐出ポート13に対向する密閉空間である高圧吐出室15を形成している。
【0028】
上記高圧吐出室15には、図示しない吐出管が接続される。この吐出管は、密閉ケース1を貫通して外部に延出され、ここでは図示しない冷凍サイクルの凝縮器に連通する。
【0029】
また、密閉ケース1の図において上部中央には吸込管16が接続され、ケース1内部空間と連通する。上記吸込管16は、ここでは図示しない冷凍サイクルの蒸発器と連通する。
【0030】
上記副軸受21には、容積形の給油ポンプ17が設けられる。この給油ポンプ17から油吸上げ管18が延出され、この端部に取着されるフィルタ18aは、密閉ケース1内底部に形成される油溜り部19の潤滑油に浸漬する。
【0031】
つぎに、上記軸受具について詳述する。
回転軸3における主軸部3aの最も右側部位であるバランサ部3bと隣接する部位に挿嵌される上記第1の軸受具Aは、コロ軸受である。
【0032】
上記第2の軸受具Bは、第1の軸受具Aを基準にしてバランサ部3bとは反対側の部位に備えられていて、鉛青銅軸受とも呼ばれるすべり軸受である。上記副軸受21に備えられる第3の軸受具Cは、ボール軸受である。
【0033】
回転軸3および支持フレーム2と副軸受21の加工精度条件から、各軸受A,B,Cと回転軸3との間に生じるクリアランス(隙間)は、以下のような条件に設定される。
【0034】
図2に示すように、コロ軸受Aと回転軸3との間のクリアランスをCa,すべり軸受Bと回転軸3との間のクリアランスをCb,ボール軸受Cと回転軸3との間のクリアランスをCcとしたとき、
(1) Ca < Cb
(2) Cb > Cc
(3) Cb < 75μm
である。
【0035】
しかして、電動機部7に通電して圧縮機構部4を駆動すると、蒸発器で蒸発した低圧の冷媒ガスが、吸込管16を介して密閉ケース1内に導入され、内部空間に充満する。
【0036】
この冷媒ガスは、旋回スクロール11と固定スクロール12とで形成される圧縮空間aの外周部に吸込まれる。そして、旋回スクロール11の旋回運動にともなって徐々に中心部に移送され、空間容量が減少することにより圧縮される。
【0037】
所定圧まで上昇したところで、高圧の冷媒ガスは吐出ポート13からバルブカバー14内の高圧吐出室15へ吐出され、充満する。さらに、高圧吐出室15と連通する吐出管を介して外部の凝縮器に導かれる。
【0038】
この凝縮器で高圧の冷媒ガスは凝縮して液冷媒に変ってから、断熱膨張をなし、さらに蒸発器に導かれて蒸発し、被空調室に対する冷房作用をなす。蒸発冷媒は再び圧縮機の吸込管16から吸込まれ、上述のサイクルを循環する。
【0039】
図3に示すように、上記旋回スクロール11の旋回運動にともなって、この旋回スクロールと係合する回転軸3のクランク部3cが圧縮荷重Fを受けるとき、回転軸は各軸受具A〜Cとのクリアランスの範囲内で移動する。
【0040】
このクリアランスが先に説明したように、コロ軸受Aと回転軸3との間のクリアランスをCa,すべり軸受Bと回転軸3との間のクリアランスをCb,ボール軸受Cと回転軸3との間のクリアランスをCcとしたとき、(1)Ca<Cb、(2)Cb>Ccであるから、回転軸3にかかった圧縮荷重Fをコロ軸受Aとボール軸受Cとで受ける。
【0041】
換言すれば、回転軸3はコロ軸受Aとボール軸受Cとのクリアランスの範囲内で圧縮荷重を受けて軸移動をなし、すべり軸受Bには圧縮荷重が及ばない。しかも、コロ軸受Aとボール軸受Cは回転軸3に対して最大限長く離間した距離で枢支することになるので、回転軸の傾きがなくなって安定した運転を得る。
【0042】
また回転軸3が最大の圧縮荷重を受けて回転軸3が傾いても、(3)Cb<75μm の条件により、ステータ5とロータ6との隙間であるモータギャップを、0.20mm以上確保できる。すなわち、どのような条件下にあっても、常にモータギャップを適正に保持でき、起動不良を防止する。
【0043】
以上の理由により、ロータ6のふれ回りを最大限抑制でき、磁力の発生が安定して、回転トルクの減少を防止する。たとえば、駆動トルクが圧縮機構部4における圧縮荷重やスラスト荷重より小さくなると駆動不良となり、またロータ6のふれ回りが大きくなると振動も大になるが、先に述べた設定から起動不良を防止でき、ロータのふれ回りもない。
【0044】
なお、回転軸3を主軸受である支持フレーム2において第1の軸受具であるコロ軸受Aと、第2の軸受具であるすべり軸受Bで枢支することと、副軸受21において第3の軸受具であるボール軸受Cで枢支することを前提として、これら軸受A,B,Cの回転軸3に対するクリアランスの設定は、第1条件として、
Ca<Cbと限定した。
【0045】
しかしながら、実際のクリアランスには、上記(1)の条件のほか、Ca=Cb、Ca>Cbの関係が残されている。
Ca=Cbの場合は(1)の条件に近いので許容されるが、Ca>Cbである条件の設定は全く許容されない。
【0046】
Ca>Cbの場合は、図4に示すように、回転軸3が圧縮荷重Fを受けた状態で軸移動すると、コロ軸受Aには接触せず、すべり軸受Bに接触してしまう。すべり軸受Bは鉛青銅板である薄板を軸に巻装したものであるから,大きな圧縮荷重を受けると回転軸3を枢支することができずにロックに至り易い。
【0047】
図5(A)は、本発明のクリアランス条件Ca<Cbを具体的に表し、同図(B)は先のクリアランス条件Ca>Cbを具体的に表す。
同図(A)における実測値をもって説明すると、回転軸3にかかる圧縮荷重Fを100%としたときに各軸受に荷重がかかる割合は、コロ軸受Aでは122%となるが、すべり軸受では0%、ボール軸受では22%である。
【0048】
これに対して同図(B)のCa>Cbの条件下では、回転軸3にかかる圧縮荷重Fを100%としたときに各軸受に荷重がかかる割合は、コロ軸受Aでは0%、すべり軸受Bでは137%、ボール軸受Cでは37%である。
【0049】
すなわち、Ca>Cbの条件下では、コロ軸受Aで荷重を受けることがなく、そのほとんどをすべり軸受Bで受ける。しかも、このときのすべり軸受Bは、本発明の設定条件(Ca<Cb)におけるコロ軸受Aが受ける荷重よりも大きな荷重を受け、単品での信頼性が低いことから、回転軸3のロックに至り易い。
【0050】
また、回転軸3を水平にして、いわゆる横置き形とした。上記回転軸3は、軸方向に沿って重量の大である電動機部7のロータ6が嵌着されているところから、その重力の影響を受ける。
【0051】
しかしながら本発明では、回転軸3は上記ロータ6嵌着部の一側部を第1の軸受具Aと第2の軸受具Bを介して支持フレーム2に枢支されているとともに他側部を第3の軸受具Cを介して副軸受21に枢支される。
【0052】
すなわち、本発明のスクロール式圧縮機は横置き形であり、ロータ6の重量全てが回転軸3にかかり重力が影響するが、上記構造を採用したので、いかなる状況にあっても回転軸3がロックすることなく、安定した作動をなす。
【0053】
なお、上記実施例のスクロール式圧縮機は、空気調和機の冷凍サイクルを構成するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、他の被圧縮ガスを圧縮する圧縮機として使用できる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、第1の軸受具と回転軸とのクリアランスをCa,第2の軸受具と回転軸とのクリアランスをCbとしたとき、 Ca<Cbの関係に設定したから、運転時の圧縮荷重を第1の軸受具であるコロ軸受と、第3の軸受具である副軸受とで受けることになり、回転軸の傾きを最小としてロックを確実に防止でき、信頼性の向上を図れる効果を奏する。
【0055】
そして、第2の軸受具と回転軸とのクリアランスをCb,副軸受に備えられる第3の軸受具と回転軸とのクリアランスをCcとしたとき、Cb>Ccの関係に設定したから、運転時の圧縮荷重を運転時の圧縮荷重を第1の軸受具であるコロ軸受と第3の軸受具である副軸受とで受けるため、回転軸の傾きを最小としてロックを確実に防止でき、信頼性の向上を図れる効果を奏する。
【0056】
また、駆動手段をロータとステータとからなる電動機とし、第1の軸受具と回転軸とのクリアランスをCaとしたとき、Ca<75μm の関係に設定したから、回転軸が傾いても、モータギャップを適正に保持でき、起動不良がなく、信頼性の向上を図れる効果を奏する。
【0057】
また、固定スクロールと、旋回スクロール、回転軸、枢支手段および駆動手段の軸方向を全て水平に向け、圧縮機として横置き形としたから、回転軸を水平にすることにより、この回転軸と他の部品に重力が作用するが、重力の影響を最小限に抑制して円滑な回転を保持し、信頼性の向上を図れる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、横置き形のスクロール式圧縮機の縦断面図。
【図2】同実施例の、回転軸に対する各軸受具の関係を模式的に表す図。
【図3】同実施例の、回転軸が圧縮荷重を受けた状態の関係を模式的に表す図。
【図4】本発明と異なる条件下での、回転軸が圧縮荷重を受けた状態の関係を模式的に表す図。
【図5】(A)は、本発明の各軸受にかかる荷重を説明する図。
(B)は、本発明とは異なる条件下での各軸受にかかる荷重を説明する図。
【符号の説明】
12…固定スクロール、11…旋回スクロール、3c…クランク部、3a…主軸部、3…回転軸、A…第1の軸受具(コロ軸受)、B…第2の軸受具(すべり軸受)、2…主軸受(支持フレーム)、C…第3の軸受具(ボール軸受)、21…副軸受、5…ステータ、6…ロータ、7…電動機部。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a scroll compressor used as a compressor constituting a refrigeration cycle of an air conditioner, for example.
[0002]
[Prior art]
For example, in a compressor that constitutes a refrigeration cycle of an air conditioner, motion noise is extremely low compared to a normal rotary compressor, and there is no need for a suction valve or a discharge valve, and the number of parts can be reduced. Scroll compressors with good compression performance tend to be used frequently.
[0003]
This type of scroll compressor accommodates an electric compressor body in which a motor part is connected to one end of a rotating shaft and a compressor part is connected to the other end in a sealed case.
The compression mechanism section includes a fixed scroll and a turning scroll, and meshes the spiral wings of the scrolls, and forms a compression space between the wings and the end plate of each scroll.
[0004]
The orbiting scroll orbits in accordance with the rotation of the rotating shaft, sucks low-pressure gas refrigerant, which is a gas to be compressed, into the compression space, and compresses and discharges the compressed space by reducing the volume of the compression space.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The problem here is the relationship between the clearance (gap) between the rotating shaft provided with the crank portion that engages with the orbiting scroll and the pivoting means that pivotally supports the rotating shaft via a bearing tool.
[0006]
That is, the support frame that is the pivotal support means includes a bearing hole portion in which a hole is machined, and a bearing tool is fitted therein. A rotary shaft cut into the bearing tool is inserted and the rotary shaft is pivotally supported by the support frame via the bearing tool.
[0007]
Although the support frame and the rotating shaft maintain high processing accuracy, it is inevitable that variations still occur to some extent. The bearing tool itself also has a clearance in the radial direction.
[0008]
As an actual assembled product, the combination of the processing variation of the support frame, the rotating shaft, and the clearance between the bearings causes the rotating shaft to tilt due to different phenomena, leading to the tilt of the orbiting scroll that engages with this crank part. Become.
[0009]
Therefore, Japanese Utility Model Publication No. 4-55272 has been proposed. The scroll compressor is characterized in that at least the upper main bearing of the orbiting bearing and the upper and lower main bearings is a cylindrical roller bearing, and the bearing gap of the cylindrical roller bearing is smaller than the orbiting bearing gap. The goal is to make it less.
[0010]
However, in the scroll compressor disclosed here, the crankshaft portion provided at the uppermost end of the rotary shaft (drive shaft) and the configuration that pivotally supports only the upper portion of the rotary shaft connected to the crankshaft portion, It has a so-called cantilever structure.
[0011]
On the other hand, the rotor of the electric motor is fitted to the lower part of the rotating shaft, and the lower end of the rotating shaft extends downward and is immersed in an oil sump formed at the bottom of the sealed container. It is.
[0012]
As described above, the conventional scroll compressor is pivotally supported only at one end portion of the rotating shaft, and is not pivoted at the other end portion. Therefore, it is not possible to completely and reliably eliminate the tilt of the rotating shaft to achieve stable operation.
[0013]
This compressor is a so-called vertical type in which the axial direction of the rotating shaft is oriented in the vertical direction, and the occurrence of whirling at the free end of the rotating shaft is relatively small . However, in the horizontal type (which is advantageous in terms of installation space of the compressor) (axial direction other than the rotating shaft is horizontal), the rotor of the electric motor is fitted on the free end side. Since this rotor is heavy and is affected by gravity not only at the time of stopping but also at the time of rotation, some kind of treatment is required to maintain reliability.
[0014]
The present invention has been made paying attention to the above circumstances, and the purpose thereof is based on the premise that the rotary shaft is pivotally supported through two bearing means on one end side and is also pivoted on the other end side. Thus, it is an object of the present invention to provide a scroll compressor that improves load distribution to each bearing, prevents tilting of the orbiting scroll due to stable rotation of the rotating shaft, and improves compression performance and reliability.
[0015]
[Means for solving the problems]
In order to satisfy the above object, a scroll compressor according to the present invention includes a fixed scroll provided with wings, a wing that meshes with the wings of the fixed scroll, and a orbiting scroll that forms a compression space therebetween. A rotating shaft that includes a crank portion that is rotatably engaged with the orbiting scroll, the main shaft portion being provided integrally with the crank portion, and a pivoting means that rotatably supports the main shaft portion of the rotating shaft. A scroll type compressor that includes a drive unit that rotationally drives a rotary shaft that is pivotally supported by the pivotal support unit, and orbits the orbiting scroll to suck and compress and discharge the compressed gas into the compression space.
The pivot means includes a main bearing that pivots one end of the main shaft portion of the rotating shaft via a roller bearing as a first bearing tool and a slide bearing as a second bearing tool, and the other end of the main shaft portion. The first bearing tool is provided at a position farther than the second bearing tool with respect to the third bearing tool, and the second bearing tool pivotally supports the first bearing tool. And Ca <Cb, where Ca is the clearance between the rotary shaft and the rotary shaft, and Cb is the clearance between the second bearing tool and the rotary shaft .
[0016]
Further , when the clearance between the second bearing tool and the rotary shaft according to claim 1 is Cb, and the clearance between the third bearing tool and the rotary shaft is Cc, the relationship of Cb> Cc is set.
[0017]
Further, the driving means is an electric motor including a rotor fitted to the rotating shaft and a stator arranged with a narrow gap on the outer periphery of the rotor, and the first bearing tool and the rotating shaft When the clearance of Ca is Ca, a relationship of Ca <75 μm is set.
[0018]
Further, the fixed scroll , the orbiting scroll, the rotating shaft, the pivot support means and the drive means are all horizontally oriented in the axial direction, and are horizontally installed as a compressor .
[0019]
[Action]
According to the present invention , since the compressive load during operation is received by the roller bearing which is the first bearing tool provided in the main bearing and the sub-bearing provided with the third bearing tool, the inclination of the rotating shaft is minimized. There is no lock occurrence.
[0020]
Moreover , even if the rotating shaft is tilted, the motor gap of the electric motor can be properly maintained, and there is no starting failure.
Moreover , although gravity acts on a rotating shaft and other components, the influence of gravity is suppressed to the minimum by the above setting.
[0021]
【Example】
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 shows a horizontal scroll compressor. In the figure, reference numeral 1 denotes a sealed case that is long in the horizontal direction. A
[0022]
The axial direction of both the
[0023]
A compression mechanism unit 4 is connected to the
The compression mechanism unit 4 includes a turning scroll 11 that is turnably supported on the
[0024]
In the
[0025]
The orbiting scroll 11 includes an end plate portion 11a provided with a boss portion 11c, and a spiral wing portion 11b that projects integrally on the upper surface side of the end plate portion 11a.
The fixed scroll 12 includes an end plate portion 12 a and a spiral wing portion 12 b that protrudes integrally on the lower surface side of the end plate portion 12 a and meshes with the wing portion 11 b of the orbiting scroll 11.
[0026]
A pair of compression spaces a is formed by the end plate portions 11a and 12a and the wing portions 11b and 12b of the orbiting and fixed scrolls 11 and 12, and a refrigerant gas that is a compressed gas is taken in from the peripheral end side, and the center portion While moving to the side, the volume is reduced, and the compression action can be performed.
[0027]
A
[0028]
A discharge pipe (not shown) is connected to the high pressure discharge chamber 15. The discharge pipe extends through the sealed case 1 and communicates with a condenser of a refrigeration cycle (not shown).
[0029]
Further, in the figure of the sealed case 1, a
[0030]
The
[0031]
Next, the bearing tool will be described in detail.
The said 1st bearing tool A inserted in the site | part adjacent to the
[0032]
The second bearing tool B is a sliding bearing which is provided at a portion opposite to the
[0033]
From the processing accuracy conditions of the
[0034]
As shown in FIG. 2, the clearance between the roller bearing A and the
(1) Ca <Cb
(2) Cb> Cc
(3) Cb <75 μm
It is.
[0035]
Thus, when the
[0036]
This refrigerant gas is sucked into the outer periphery of the compression space a formed by the orbiting scroll 11 and the fixed scroll 12. Then, as the orbiting scroll 11 turns orbits, it is gradually transferred to the center and compressed by reducing the space capacity.
[0037]
When the pressure rises to a predetermined pressure, the high-pressure refrigerant gas is discharged from the
[0038]
In this condenser, the high-pressure refrigerant gas is condensed and converted into a liquid refrigerant, and then adiabatic expansion is performed. Further, the refrigerant is led to the evaporator and evaporated, and the air-conditioned room is cooled. The evaporative refrigerant is again sucked from the
[0039]
As shown in FIG. 3, when the crank
[0040]
As described above, the clearance between the roller bearing A and the
[0041]
In other words, the
[0042]
Even if the
[0043]
For the above reasons, the whirling of the rotor 6 can be suppressed to the maximum, the generation of magnetic force is stabilized, and the reduction of the rotational torque is prevented. For example, if the drive torque is smaller than the compression load or thrust load in the compression mechanism section 4, the drive will be defective, and if the whirling of the rotor 6 becomes large, the vibration will also increase, but starting failure can be prevented from the setting described above. There is no contact with the rotor.
[0044]
The
Limited to Ca <Cb.
[0045]
However, in the actual clearance, in addition to the above condition (1), the relationship of Ca = Cb and Ca> Cb remains.
In the case of Ca = Cb, it is allowed because it is close to the condition of (1), but setting of the condition of Ca> Cb is not allowed at all.
[0046]
In the case of Ca> Cb, as shown in FIG. 4, when the
[0047]
5A specifically shows the clearance condition Ca <Cb of the present invention, and FIG. 5B specifically shows the previous clearance condition Ca> Cb.
Explaining with the actually measured values in FIG. 6A, the ratio of the load applied to each bearing is 122% in the roller bearing A when the compression load F applied to the
[0048]
On the other hand, under the condition of Ca> Cb in FIG. 5B, when the compressive load F applied to the
[0049]
That is, under the condition of Ca> Cb, the roller bearing A does not receive a load and most of it is received by the slide bearing B. Moreover, the slide bearing B at this time receives a load larger than the load received by the roller bearing A under the setting condition (Ca <Cb) of the present invention, and the reliability of the single product is low, so that the
[0050]
Further, the
[0051]
However, in the present invention, the
[0052]
That is, the scroll type compressor of the present invention is a horizontal type, and the entire weight of the rotor 6 is applied to the
[0053]
In addition, although the scroll compressor of the said Example demonstrated as what comprises the refrigerating cycle of an air conditioner, it is not limited to this, It can be used as a compressor which compresses other to-be-compressed gas.
[0054]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, when the clearance between the first bearing tool and the rotating shaft is Ca and the clearance between the second bearing tool and the rotating shaft is Cb, the relationship Ca <Cb is set. Therefore, the compression load during operation is received by the roller bearing, which is the first bearing tool, and the auxiliary bearing, which is the third bearing tool. The effect which can aim at the improvement of property is produced.
[0055]
Since the clearance between the second bearing tool and the rotating shaft is Cb, and the clearance between the third bearing tool provided on the auxiliary bearing and the rotating shaft is Cc, the relationship Cb> Cc is set. Because the compression load during operation is received by the roller bearing as the first bearing tool and the secondary bearing as the third bearing tool, the tilt of the rotating shaft can be minimized and the lock can be reliably prevented. The effect which can aim at improvement of is produced.
[0056]
Further , when the driving means is an electric motor composed of a rotor and a stator, and the clearance between the first bearing tool and the rotating shaft is Ca, the relationship Ca <75 μm is set. Therefore, even if the rotating shaft is inclined, the motor gap Can be maintained properly, there is no start-up failure, and the reliability can be improved.
[0057]
In addition , since the fixed scroll, the orbiting scroll, the rotating shaft, the pivoting means, and the driving means are all oriented horizontally and the compressor is placed horizontally, the rotating shaft is made horizontal so that the rotating shaft Although gravity acts on other parts, the influence of gravity is suppressed to the minimum, smooth rotation is maintained, and the effect of improving the reliability is achieved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of a horizontal scroll compressor according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram schematically illustrating a relationship of each bearing tool with respect to a rotation shaft in the embodiment.
FIG. 3 is a diagram schematically illustrating a relationship in a state where the rotation shaft receives a compressive load in the embodiment.
FIG. 4 is a diagram schematically showing a relationship in a state where a rotating shaft receives a compressive load under conditions different from those of the present invention.
FIG. 5A is a diagram for explaining a load applied to each bearing of the present invention.
(B) is a figure explaining the load concerning each bearing on the conditions different from this invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 12 ... Fixed scroll, 11 ... Orbiting scroll, 3c ... Crank part, 3a ... Main shaft part, 3 ... Rotating shaft, A ... 1st bearing tool (roller bearing), B ... 2nd bearing tool (slide bearing), 2 ... main bearing (support frame), C ... third bearing tool (ball bearing), 21 ... sub-bearing, 5 ... stator, 6 ... rotor, 7 ... motor part.
Claims (3)
この固定スクロールの翼部と噛合する翼部を備え、これらの間に圧縮空間を形成する旋回スクロールと、
この旋回スクロールと回転自在に掛合するクランク部を備え、このクランク部と一体に主軸部が連設される回転軸と、
この回転軸の主軸部を回転自在に枢支する枢支手段と、
この枢支手段によって枢支された回転軸を回転駆動する駆動手段とを具備し、旋回スクロールを旋回運動させて圧縮空間に被圧縮ガスを吸込み、圧縮して吐出するスクロール式圧縮機において、
上記枢支手段は、
回転軸の主軸部一端を、第1の軸受具であるコロ軸受および第2の軸受具であるすべり軸受を介して枢支する主軸受と、
主軸部他端を、第3の軸受具を介して枢支する副軸受とからなり、
上記第3の軸受具に対して、第1の軸受具は第2の軸受具よりも遠い位置に設けられ、
第1の軸受具と回転軸とのクリアランスをCa,第2の軸受具と回転軸とのクリアランスをCb、第3の軸受具と回転軸とのクリアランスをCcとしたとき、
Ca < Cb
Cb > Cc
の関係に設定したことを特徴とする流体圧縮機。A fixed scroll with wings;
A orbiting scroll having a wing portion meshing with the wing portion of the fixed scroll, and forming a compression space therebetween,
A rotating shaft having a crank portion rotatably engaged with the orbiting scroll, the main shaft portion being provided continuously with the crank portion;
Pivoting means for pivotally supporting the main shaft portion of the rotating shaft;
A scroll type compressor that includes a driving unit that rotationally drives a rotary shaft pivotally supported by the pivotal support unit, and orbits the orbiting scroll to suck in the compressed gas into the compression space and compresses and discharges the compressed gas.
The pivot means is
A main bearing that pivotally supports one end of the main shaft portion of the rotating shaft via a roller bearing as a first bearing tool and a slide bearing as a second bearing tool;
It consists of a secondary bearing that pivotally supports the other end of the main shaft part via a third bearing tool,
The first bearing tool is provided at a position farther than the second bearing tool with respect to the third bearing tool,
When the clearance between the first bearing tool and the rotating shaft is Ca, the clearance between the second bearing tool and the rotating shaft is Cb , and the clearance between the third bearing tool and the rotating shaft is Cc ,
Ca <Cb
Cb> Cc
A fluid compressor characterized by being set to a relationship of
上記第1の軸受具と回転軸とのクリアランスをCaとしたとき、
Ca < 75μm の関係に設定したことを特徴とする請求項1記載の流体圧縮機。The driving means is an electric motor including a rotor fitted on a rotating shaft and a stator arranged with a narrow gap on the outer periphery of the rotor,
When the clearance between the first bearing tool and the rotating shaft is Ca,
2. The fluid compressor according to claim 1, wherein a relationship of Ca <75 [mu] m is set.
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