JP3641253B2 - 垂直同期信号発生装置及び映像信号処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像信号を扱う機器の信号処理に関し、特に映像信号の垂直同期信号の分離を安定して行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビやVTR(videotape recorder)などの映像信号の表示や記録再生を行う機器は、映像信号の帰線期間に重畳されている同期信号を基準にして信号処理を行っている。したがって、表示や記録再生を安定して行うためには、入力される映像信号の質に依存せず、常に安定した同期信号分離を行うことが必要である。例えば、特開平01−71280号公報には、分離された水平同期信号の安定化のために、分離された水平同期信号そのものを使わずに、自動周波数制御回路(AFC回路)で生成した同期過多又は同期欠落のない水平同期信号を使用すると、安定性が向上することが開示されている。
【0003】
また、垂直同期信号の安定化に関しても、同様にAFCを用いる例が特開平4−188960号公報に開示されている。図23は、このような従来の垂直同期信号発生装置の構成を示すブロック図である。
【0004】
図23を参照して説明する。同期信号分離回路91は、輝度信号を含む映像信号を入力とし、この映像信号から垂直同期信号を分離して、AFC回路92及び垂直同期信号検出回路93に出力する。AFC回路92とFvVCO回路94とは、フィードバックループを有するPLL(phase locked loop)を構成している。AFC回路92は、同期信号分離回路91で分離された垂直同期信号とFvVCO回路94の出力信号とを位相比較し、その結果得られた位相誤差をFvVCO回路94に出力する。FvVCO回路94は位相誤差に応じて発振周波数を変化させ、周波数が垂直周波数に等しい信号をセレクタ96に出力する。したがって、FvVCO回路94は、同期信号分離回路91で分離された垂直同期信号に同期過多又は同期欠落が存在していても、周波数が安定した信号を出力することができる。
【0005】
垂直同期信号検出回路93は、垂直同期信号の有無を検出し、その結果をセレクタ96に選択のための信号として出力する。FvOSC回路95は、フリーランで発振しており、その出力の周波数は垂直周波数で安定している。FvOSC回路95は、生成した信号をセレクタ96に出力している。セレクタ96は、垂直同期信号検出回路93の出力に基づき、FvVCO回路94及びFvOSC回路95の出力のうちの一方を選択し、垂直同期信号として出力する。
【0006】
すなわち、セレクタ96は、映像信号に垂直同期信号が存在することが垂直同期信号検出回路93によって検出された場合は、PLLで安定化したFvVCO回路94の出力を選択して出力し、垂直同期信号が検出されない場合は、フリーランで安定して発振するFvOSC回路95の出力を選択して出力する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような構成では、入力映像信号の垂直同期信号の有無に応じて、入力映像信号の垂直同期信号に同期した信号と、フリーランで発振する回路の信号とを切り換えるので、切り換え直後には垂直同期信号の間隔が不連続になり、同期乱れが発生する。
【0008】
またVTRのスチル再生のように、垂直同期信号は存在するが、その周期がフィールド毎に交互に変化するような映像信号が入力された場合には、セレクタ96はFvVCO回路94の出力を選択して出力する。この場合、PLLでは入力された映像信号の垂直同期信号の周波数が平均化されるので、FvVCO回路94の出力は、入力された映像信号の垂直同期信号とは同期がずれてしまう。
【0009】
本発明は、周期が安定した垂直同期信号を得ることができ、かつ、入力信号に含まれる垂直同期信号が2つの周期を交互に繰り返すものである場合においても、この入力信号に含まれる垂直同期信号に同期した垂直同期信号を得ることができる垂直同期信号発生装置を提供することを目的する。
【0010】
また、本発明は、入力信号に含まれる垂直同期信号が2つの周期を交互に繰り返すものである場合においても、映像信号のフレーム同期を常に安定してとることができる映像信号処理装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、入力信号に含まれる垂直同期信号が2つの周期を交互に繰り返すものである場合においても、完全に規格に準拠した標準映像データを得ることができる映像信号処理装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、入力信号の位相がずれた場合においても、入力信号に含まれる垂直同期信号への同期引き込みを素早く行って、周期が安定した垂直同期信号を得ることができる垂直同期信号発生装置を提供することを目的する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、請求項1の発明が講じた手段は、垂直同期信号発生装置として、入力された輝度信号の垂直同期信号を分離し、第1の垂直同期信号として出力する垂直同期信号分離回路と、前記第1の垂直同期信号を入力とし、前記第1の垂直同期信号の平均繰り返し周波数に相当する繰り返し周波数を有する第2の垂直同期信号を生成して出力する自動周波数制御回路と、前記第1の垂直同期信号が2つの周期を交互に繰り返すものであるか否かを検出し、その検出結果を判別信号として出力する垂直同期信号位相検出回路と、前記第1及び第2の垂直同期信号を入力とし、前記判別信号が、前記第1の垂直同期信号が2つの周期を交互に繰り返すものであることを示す場合には前記第1の垂直同期信号を選択し、その他の場合には前記第2の垂直同期信号を選択し、出力するセレクタとを備えたものである。
【0014】
請求項1の発明によると、周波数が安定し、パルスの欠落がない垂直同期信号を得ることができる。入力信号に含まれる第1の垂直同期信号が2つの周期を交互に繰り返すものである場合においては、第2の垂直同期信号ではなく、第1の垂直同期信号を選択するので、常に入力された輝度信号に同期した垂直同期信号を得ることができる。また、第1及び第2の垂直同期信号は同期しているので、選択する垂直同期信号を切り換える際にも同期が乱れない。
【0015】
また、請求項2の発明では、請求項1に記載の垂直同期信号発生装置において、前記自動周波数制御回路は、入力された値を累積加算するmビット(mは自然数)の積分回路と、前記積分回路の出力を前記第1の垂直同期信号のタイミングでサンプリングし、サンプル値と所定値との差分を出力する位相比較回路と、前記位相比較回路の出力のうち、低周波成分を通過させるローパスフィルタと、前記ローパスフィルタの出力と定数とを加算して前記積分回路に出力する加算回路と、前記積分回路の最上位ビットを微分し、得られたエッジのタイミングで前記第2の垂直同期信号を出力する微分回路とを備えたものである。
【0016】
また、請求項3の発明では、請求項1に記載の垂直同期信号発生装置において、前記垂直同期信号位相検出回路は、前記第1の垂直同期信号のタイミングでリセットされ、クロックのパルス数をカウントして得たカウント値を出力するV周期カウンタと、前記V周期カウンタの出力を前記第1の垂直同期信号のタイミングに応じてラッチして出力し、次にラッチを行うまで出力を保持する第1のホールド回路と、前記V周期カウンタの出力と前記第1のホールド回路の出力との差分を求めて出力する第1の減算回路と、前記第1の減算回路の出力の絶対値を求めて出力する第1の絶対値回路と、前記第1の絶対値回路の出力を前記第1の垂直同期信号のタイミングに応じてラッチして出力し、次にラッチを行うまで出力を保持する第2のホールド回路と、前記第1の絶対値回路の出力と前記第2のホールド回路の出力との差分を求めて出力する第2の減算回路と、前記第2の減算回路の出力の絶対値を求めて出力する第2の絶対値回路と、前記第1の絶対値回路の出力と第1の定数との比較を行い、その結果を出力する第1の比較回路と、前記第2の絶対値回路の出力と第2の定数との比較を行い、その結果を出力する第2の比較回路と、前記第1の比較回路の出力と前記第2の比較回路の出力との間で論理演算を行い、その結果を前記判別信号として出力する論理回路とを備えたものである。
【0017】
また、請求項4の発明は、映像信号処理装置として、請求項1に記載の垂直同期信号発生装置と、入力された輝度信号の水平同期信号を分離して出力する水平同期信号分離回路と、フレームメモリを有し、前記垂直同期信号発生装置の出力と、前記水平同期信号と、書き込みクロックとに基づいて、所定順の書き込みアドレスを生成し、入力された映像信号を前記書き込みアドレスに従って前記フレームメモリに書き込むとともに、読み出しクロックに基づいて、前記書き込みアドレスと同一順の読み出しアドレスを生成し、前記読み出しアドレスに従って前記フレームメモリから読み出しを行い、標準映像信号として出力するフレーム同期回路とを備え、前記フレーム同期回路は、前記書き込みアドレスが変化する速度と前記読み出しアドレスが変化する速度とが異なる場合において、前記フレームメモリから一のフレームの信号を読み出す際に、アドレスの追い越しに起因した、前記一のフレーム以外のフレームの信号の読み出しを行わないように、前記フレームメモリへの書き込み又は前記フレームメモリからの読み出しの制御を行うものである。
【0018】
請求項4の発明によると、請求項1に記載の垂直同期信号発生装置を用いるので、入力信号に含まれる垂直同期信号が2つの周期を交互に繰り返すものである場合においても、表示される映像信号がフィールド間でずれを生じず、常にフレーム同期の取れた映像信号を得ることができる。また、フレームメモリから一のフレームの信号を読み出す際に、アドレスの追い越しに起因した、前記一のフレーム以外のフレームの信号の読み出しを行わないようにするので、読み出されたフレームの中で画像が不連続になってしまうことを避けることができる。
【0019】
また、請求項5の発明では、請求項4に記載の映像信号処理装置において、前記フレーム同期回路は、前記フレームメモリを少なくとも2つ備え、かつ、前記垂直同期信号発生装置の出力と、前記水平同期信号と、書き込みクロックとに基づいて、前記2つのフレームメモリのうちから書き込みを行うフレームメモリを選択する書き込み選択信号と、選択したフレームメモリへの書き込みアドレスとを生成して出力する書き込み制御回路と、読み出しクロックをカウントし、得られたカウント値に従って前記2つのフレームメモリの読み出しアドレスを生成して出力する読み出し制御回路と、前記書き込みアドレス及び前記読み出しアドレスの変化の傾向に基づき、読み出しを行うフレームメモリを選択するSkip/Hold制御信号を生成して出力するSkip/Hold制御回路とを備え、前記書き込みアドレスに従って、入力された映像信号を前記書き込み選択信号によって選択されたフレームメモリに書き込むとともに、前記読み出しアドレスに従って、前記Skip/Hold制御信号に応じて選択されたフレームメモリから読み出しを行い、前記標準映像信号として出力するものである。
【0020】
また、請求項6の発明では、請求項4に記載の映像信号処理装置において、前記フレーム同期回路は、入力された映像信号を所定のライン数に相当する時間だけ遅延させて出力するラインメモリと、前記垂直同期信号発生装置の出力と、前記水平同期信号と、書き込みクロックとに基づいて、前記フレームメモリへの書き込みアドレスを生成して出力する書き込み制御回路と、読み出しクロックをカウントし、得られたカウント値に従って前記フレームメモリの読み出しアドレスを生成して出力する読み出し制御回路と、前記書き込みアドレスと前記読み出しアドレスとの差に基づき、前記入力された映像信号及び前記ラインメモリ出力のうちのいずれかを選択して前記フレームメモリに書き込むように制御するSkip/Hold制御信号を生成して出力するSkip/Hold制御回路とを備え、前記入力された映像信号及び前記ラインメモリの出力のうち、前記Skip/Hold制御信号に応じて選択されたものを前記書き込みアドレスに従って前記フレームメモリに書き込むとともに、前記読み出しアドレスに従って前記フレームメモリから読み出しを行い、前記標準映像信号として出力するものである。
【0021】
また、請求項7の発明は、請求項4に記載の映像信号処理装置において、前記フレーム同期回路が出力する前記標準映像信号の各ラインのデータに、スタートマーク、エンドマーク及びブランキング期間を表すデータ群を付加して出力するデータ多重回路を更に備えたものである。
【0022】
請求項7の発明によると、入力信号に含まれる垂直同期信号が2つの周期を交互に繰り返すものである場合においても、デジタル信号規格に完全に準拠した標準映像データを得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0030】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る垂直同期信号発生装置の構成を示すブロック図である。図1の垂直同期信号発生装置10は、垂直同期信号分離回路11と、自動周波数制御回路(以下では、AFC回路と称する)20と、垂直同期信号位相検出回路30と、セレクタ12とを備えている。
【0031】
図1の垂直同期信号発生装置10に入力される輝度信号は、NTSC(national television system committee)方式の映像信号から分離されたものであるとし、垂直同期信号分離回路11、AFC回路20、垂直同期信号位相検出回路30、及びセレクタ12には、周波数fsのクロックが入力されているものとする。
【0032】
垂直同期信号分離回路11は、入力された輝度信号にその垂直帰線期間において重畳された第1の垂直同期信号VSを分離し、AFC回路20、垂直同期信号位相検出回路30及びセレクタ12に出力する。AFC回路20は、PLL(phase locked loop)回路を備え、垂直同期信号VSにほぼ同期し、垂直同期信号VSの平均繰り返し周波数に相当する繰り返し周波数を有する第2の垂直同期信号AFCVSを生成し、セレクタ12に出力する。垂直同期信号位相検出回路30は、垂直同期信号VSの状態に応じた判別信号DSをセレクタ12に出力する。セレクタ12は、この判別信号DSに応じて、垂直同期信号VS及び垂直同期信号AFCVSのうちのいずれか1つを選択し、垂直同期信号GVSとして出力する。
【0033】
以下、このように構成された本発明の第1の実施形態に係る垂直同期信号発生装置10の動作について説明する。
【0034】
図2(a)は、奇数フィールドの場合に、垂直帰線期間における輝度信号の波形及び分離された同期信号のタイミングを示すグラフである。図2(b)は、偶数フィールドの場合に、垂直帰線期間における輝度信号の波形及び分離された同期信号のタイミングを示すグラフである。奇数フィールドでは第4ラインの始めから3ラインの期間、偶数フィールドでは第266ラインの中間から3ラインの期間は、垂直同期パルス期間である。垂直同期信号分離回路11は、このような垂直同期パルス期間を検出し、その開始タイミングにおいて垂直同期信号VSのパルスを出力する。
【0035】
図3は、図1のAFC回路20の構成の例を示すブロック図である。図3に示すように、AFC回路20は、位相比較回路21と、ローパスフィルタ(以下では、LPFと称する)22と、加算回路23と、積分回路24と、微分回路25とを備えている。
【0036】
ここで、D=2m(mは自然数)とする。位相比較回路21は、垂直同期信号VSのパルスのタイミングで積分回路24の出力Sをサンプリングし、例えばD/2からサンプル値を減じた結果をLPF22に出力する。LPF22は、例えば完全積分型のLPFであって、位相比較回路21の出力のうち、一定の周波数以下の成分だけを通過させ、加算回路23に出力する。
【0037】
加算回路23は、LPF22の出力と定数Xとを加算し、その結果を積分回路24に出力する。積分回路24は、ビット幅mビットの演算を行うことができるものであり、加算回路23の出力を累積加算し、その結果Sを位相比較回路21及び微分回路25に出力する。
【0038】
微分回路25は、積分回路24の出力SがD/2に達したときにパルスを垂直同期信号AFCVSとして出力する。微分回路25は、例えば、積分回路24の出力Sの最上位ビット(MSB)が“L”から“H”(“L”及び“H”は、それぞれ論理的な低電位及び高電位を表す)に変化するタイミングを検出し、そのタイミングでパルスを出力する。
【0039】
図4(a)は、垂直同期信号VSの周期が一定の期間Tである場合の、図1のAFC回路20の動作を示すタイミングチャートである。図4(b)は、垂直同期信号VSが2つの周期T,T’を交互に繰り返すものである場合の、図1のAFC回路20の動作を示すタイミングチャートである。
【0040】
図4(a)に示すように、垂直同期信号VSの周期をTとすると、積分回路24がそのカウント値を0から増加させてD−1に達し、再び0に戻るまでの期間がTとなるようにするためには、X=D/(fs×T)とすればよい。
【0041】
位相比較回路21は、積分回路24の出力Sを垂直同期信号VSのタイミングでサンプリングする。位相比較回路21は、サンプル値と値D/2との差分を誤差信号としてLPF22に出力する。例えば、初期状態において、サンプル値が値D/2に達していなかったとすると、誤差信号は正の値となる。
【0042】
LPF22は誤差信号を平滑化して加算回路23に出力し、加算回路23はLPF22出力に定数Xを加算して積分回路24に出力する。積分回路24は、保持している積分値に加算回路23の出力を加算して位相比較回路21に再び出力する。例えば、誤差信号が正の値の場合は、積分回路24の出力Sの増加が大きくなるので、出力SがD/2に達するタイミングが早まる。
【0043】
このように、AFC回路20はフィードバックループを有し、PLL回路として動作するので、積分回路24の出力Sは過渡応答を繰り返し、最終的には図4(a)のように、垂直同期信号VSと繰り返し周波数が一致し、かつ、位相が同期するようになる。
【0044】
垂直同期信号VSの周期が一定である場合は、垂直同期信号AFCVSは垂直同期信号VSに同期する。突発的に垂直同期信号VSのパルスが欠落した場合は、位相比較回路21は積分回路24の出力Sをサンプリングしないため、LPF22及び加算回路23の出力は変化しない。したがって、このような場合、微分回路25が出力する垂直同期信号AFCVSは、欠落した垂直同期信号VSのパルスを補ったものとなる。
【0045】
また、垂直同期信号VSの周期はほぼ一定であるが、ノイズ等の影響で垂直同期信号VSのタイミングが前後に変動を繰り返す場合は、その変動が数クロック分の小さいものであれば、位相比較回路21が求めるサンプル値のD/2からの誤差は非常に小さい。この誤差は、LPF22を通過しないので、積分回路24の入力には影響を与えない。したがって、垂直同期信号VSのタイミングが細かく変動する場合でも、垂直同期信号AFCVSは常に安定である。
【0046】
しかし、図4(b)に示すように、垂直同期信号VSが2つの周期T,T’を交互に繰り返すものである場合には(周期TとT’との差は走査線数ライン程度の期間に相当するものとする)、問題が生じる。すなわち、周期TとT’との差が、積分回路24が出力Sを2α増加させる期間に相当するものとすると、定常状態において、位相比較回路21のサンプル値はD/2+αとD/2−αとを交互に繰り返す。このため、LPF22が出力する誤差信号は平均化されてゼロとなる。その結果、微分回路25の出力である垂直同期信号AFCVSの平均繰り返し周波数は、垂直同期信号VSに一致する一方、垂直同期信号AFCVSのパルスの位置は、フィールド毎に交互に垂直同期信号VSのパルスの前後となることを繰り返す。
【0047】
したがって、垂直同期信号VSが2つの周期T,T’を交互に繰り返すものである場合には、AFC回路20の出力である垂直同期信号AFCVSを用いることはできないので、このような場合を検出する必要がある。
【0048】
図5は、図1の垂直同期信号位相検出回路30の構成の例を示すブロック図である。図5の垂直同期信号位相検出回路30は、V周期カウンタ31と、第1のホールド回路32と、第1の減算回路33と、第1の絶対値回路34と、第2のホールド回路35と、第2の減算回路36と、第2の絶対値回路37と、第1の比較回路41と、第2の比較回路42と、論理回路43とを備えている。
【0049】
V周期カウンタ31には、垂直同期信号VSと周波数fsのクロックCLとが入力されている。V周期カウンタ31は、クロックCLのパルスのカウントを行い続け、カウント値をホールド回路32及び減算回路33に出力する。また、V周期カウンタ31は、垂直同期信号VSのパルスが入力されると、カウント値を0にリセットし、カウント値がカウントすることができる最大の数に達したときは、カウントアップを停止する。ホールド回路32は、垂直同期信号VSのパルスが入力されると、クロックCLに同期してV周期カウンタ31の出力D1をラッチし、次に垂直同期信号VSのパルスが入力され、更にクロックCLのパルスが入力されるまでホールドする。ホールド回路32は、ホールドしている値を減算回路33に出力する。
【0050】
減算回路33は、V周期カウンタ31の出力D1からホールド回路32の出力D2を減算し、絶対値回路34に出力する。絶対値回路34は、減算回路33の出力D3の絶対値を求め、ホールド回路35、減算回路36、及び比較回路41に出力する。比較回路41は、絶対値回路34の出力D4と定数Aとの大小比較を行い、その結果Pを論理回路43に出力する。比較回路41の出力Pは、例えば、D4>Aの場合は“1”、その他の場合は“0”である。ホールド回路35は、垂直同期信号VSのパルスが入力されると、クロックCLに同期して絶対値回路34の出力D4をラッチし、次に垂直同期信号VSのパルスが入力され、更にクロックCLのパルスが入力されるまでホールドする。ホールド回路35は、ホールドしている値を減算回路36に出力する。
【0051】
減算回路36は、絶対値回路34の出力D4からホールド回路35の出力D5を減算し、絶対値回路37に出力する。絶対値回路37は、減算回路36の出力D6の絶対値を求め、比較回路42に出力する。比較回路42は、絶対値回路37の出力D7と定数Bとの大小比較を行い、その結果Qを論理回路43に出力する。比較回路42の出力Qは、例えば、D7>Bの場合は“1”、その他の場合は“0”である。論理回路43は、比較回路41の出力Pと比較回路42の出力Qとの間で論理演算を行い、得られた結果を判別信号DSとして出力する。
【0052】
図6は、垂直同期信号位相検出回路30の各構成要素が出力する値についての説明図である。図6を参照して、垂直同期信号位相検出回路30の動作を説明する。ここでは、一例として、クロック周波数(サンプリング周波数)fs=27MHzとし、走査線1ライン分の期間、及び1フィールド分の期間においてV周期カウンタ31が増加させるカウント値を、それぞれH=1716、V=450450とする。また、図4(a),(b)の期間T及びT’においてV周期カウンタ31が増加させるカウント値を、それぞれV、V+Hとし、V周期カウンタ31のビット数を19ビットとする。
【0053】
垂直同期信号VSが取りうる周期には、次のような4つの場合がある。ここで、比較回路41に入力される定数Aは0<A<Hを満たし、比較回路42に入力される定数Bは、0<B<219−V−1を満たすものとする。
【0054】
(1)垂直同期信号VSの周期が一定である場合
V周期カウンタの出力D1は一定値Vであるので、ホールド回路32の出力D2も一定値Vとなる。このため、減算回路33の出力D3、絶対値回路34の出力D4、ホールド回路35の出力D5、減算回路36の出力D6、及び絶対値回路37の出力D7は、全て0となる。したがって、P=Q=0となる。
【0055】
(2)垂直同期信号VSの周期はほぼ一定であるが、数クロックの揺れがある場合
D1は一定値Vから数クロック分の誤差α1を持ち、D2も同程度の誤差α2を持つ。D1とD2との差分である減算回路33の出力D3は、一定値Vに比べると微少であるので、D3≒0と考えてよい。このため、D4=D5=D6=D7≒0となる。したがって、P=Q=0となる。
【0056】
(3)垂直同期信号VSのパルスが欠落した場合
V周期カウンタ31にはリセットがかからないので、出力D1は219−1で停止している。ホールド回路32は1フィールド前の値を保持するので、D2=Vである。このため、D3=D4=219−V−1となる。一方、ホールド回路35はパルス欠落前の状態を保持しているので、D5=0となる。このため、D6=D7=219−V−1となる。したがって、P=Q=1となる。
【0057】
(4)垂直同期信号VSが2つの周期T,T’を交互に繰り返す場合
D1=V+H、D2=Vのとき、D3=Vとなり、D1=V、D2=V+Hのとき、D3=−Vとなるので、いずれのときもD4=Hとなる。このため、D5=Hとなり、D6=D7=0となる。したがって、P=1、Q=0となる。
【0058】
論理回路43は、比較回路41の出力Pと、比較回路42の出力Qを反転した信号との論理積を求め、判別信号DSとして出力する。すると、判別信号DSが“1”のとき、(4)の場合であることを検出することができる。
【0059】
セレクタ12は、垂直同期信号位相検出回路30が出力する判別信号DSが“0”である場合は垂直同期信号AFCVSを選択し、判別信号DSが“1”である場合、すなわち、垂直同期信号VSが2つの周期を交互に繰り返すものである場合は、垂直同期信号VSを選択し、垂直同期信号GVSとして出力する。
【0060】
このように、本実施形態に係る垂直同期信号発生装置は、通常は垂直同期信号AFCVSを出力し、垂直同期信号VSが2つの周期を交互に繰り返すことを検出すると、垂直同期信号AFCVSの代わりに垂直同期信号VSを出力する。このため、欠落や乱れがなく、常に入力映像信号の輝度信号と同期した垂直同期信号を得ることができる。
【0061】
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態に係る映像信号処理装置の構成を示すブロック図である。図7の映像信号処理装置は、図1を参照して説明した垂直同期信号発生装置10と、水平同期信号分離回路14と、フレーム同期回路50とを備えている。フレーム同期回路50は、書き込み制御回路51と、読み出し制御回路52と、Skip/Hold制御回路53と、フレームメモリ54,55と、セレクタ56とを備えている。
【0062】
垂直同期信号発生装置10及び水平同期信号分離回路14には、輝度信号が入力されている。垂直同期信号発生装置10は、第1の実施形態で説明したように、欠落や乱れがなく、常に入力映像信号の輝度信号と同期した垂直同期信号GVSを発生させて、書き込み制御回路51に出力する。水平同期信号分離回路14は、入力された輝度信号の水平帰線期間に重畳された水平同期信号HSを分離し、書き込み制御回路51に出力する。
【0063】
書き込み制御回路51は、垂直同期信号GVS、水平同期信号HS、及び書き込みクロックWCLに基づいて、フレームメモリ54,55への書き込みアドレスW_ADD、書き込み許可信号W_ENA、及び書き込み選択信号W_SELを生成する。書き込み制御回路51は、書き込み許可信号W_ENAが有効であるときに書き込みクロックWCLをカウントし、例えば、得られたカウント値を書き込みアドレスW_ADDとして用いる。書き込み制御回路51は、書き込みアドレスW_ADD及び書き込み選択信号W_SELをSkip/Hold制御回路53及びフレームメモリ54,55に出力し、書き込み許可信号W_ENAをフレームメモリ54,55に出力する。
【0064】
読み出し制御回路52には、読み出しクロックRCLが入力されている。読み出し制御回路52は、1フレーム周期毎に、読み出しクロックRCLのカウントを繰り返すフレームカウンタ(Fカウンタ、図示せず)と、1ライン周期毎に、読み出しクロックRCLのカウントを繰り返すラインカウンタ(Hカウンタ、図示せず)とを有している。Fカウンタ及びHカウンタは、それぞれのカウント値を出力している。
【0065】
読み出し制御回路52は、Hカウンタ出力が映像信号の有効期間に相当するときにのみ、読み出し許可信号R_ENAを有効にする。Fカウンタは、読み出し許可信号R_ENAが有効であるときにカウントを行う。読み出し制御回路52は、Fカウンタの出力を読み出しアドレスR_ADDとしてSkip/Hold制御回路53及びフレームメモリ54,55に出力し、読み出し許可信号R_ENAをフレームメモリ54,55に出力する。
【0066】
Skip/Hold制御回路53は、フレームメモリ54,55から1フレームの信号を読み出す際に、アドレスの追い越しに起因した、この1フレーム以外のフレームの信号の読み出しを行わないように、すなわち、読み出したフレームの中で画像が不連続にならないように、読み出しフレームを制御するSkip/Hold制御信号SHを生成し、セレクタ56に出力する。Skip/Hold制御回路53は、通常はフレームを読み出す毎にSkip/Hold制御信号SHのレベルを反転させる。
【0067】
フレームメモリ54,55には、映像信号が入力されている。フレームメモリ54,55は、それぞれ映像信号1フレーム分のデータを格納することができる。書き込み制御回路51は、フレームメモリ54,55に映像信号を1フレームずつ交互に書き込むように、書き込み選択信号W_SELを生成して出力する。書き込み許可信号W_ENAが有効であるとき、フレームメモリ54,55のうち、書き込み選択信号W_SELで選択されたものには、書き込みアドレスW_ADDに映像信号が書き込まれる。
【0068】
また、読み出し許可信号R_ENAが有効であるとき、フレームメモリ54,55は、読み出しアドレスR_ADDのデータをセレクタ56に出力する。セレクタ56は、Skip/Hold制御信号SHに従って、フレームメモリ54,55の出力のうち、いずれか一方を選択して、完全にフレーム同期が取れた標準映像信号として出力する。
【0069】
このように構成された映像信号処理装置の動作について、以下に説明する。
【0070】
図8(a)は、図7のフレーム同期回路50に入力される映像信号、垂直同期信号GVS、及び水平同期信号HSのタイミングの例を示すグラフである。図8(b)は、図7の書き込み制御回路51が出力する信号の例を示すグラフである。図8(c)は、図7の読み出し制御回路52が出力する信号の例を示すグラフである。
【0071】
図8(b),(c)において、書き込みアドレスW_ADD、読み出しアドレスR_ADD、Fカウンタ出力、及びHカウンタ出力については、縦軸がそれぞれの値を示している。また、映像信号のハッチングの入った長方形で示される期間は、映像信号の有効期間を表す。
【0072】
書き込み制御回路51は、垂直同期信号GVSを基準として、各フィールドの映像信号のスタートラインを検出し、水平同期信号HSに基づいて映像信号の有効期間を検出して、この有効期間のみフレームメモリへの書き込み許可信号W_ENAを有効に(ここでは例えば“H”に)する。また、フレーム同期回路50が2つのフレームメモリ54,55を備えているので、書き込み制御回路51は、書き込み選択信号W_SELを生成し、いずれのフレームメモリに書き込みを行うべきかを選択する。
【0073】
書き込み制御回路51は、フレームメモリ54,55への書き込みアドレスW_ADDを奇数フィールドの垂直同期信号GVSのタイミングで初期化し、書き込みクロックWCLが入力される毎に、書き込み許可信号W_ENAが有効な期間においてのみ順次増加させる。書き込みアドレスW_ADDは、ブランキング期間においては増加することなくホールドされるが、図8(b)では簡略化して直線として表示している。
【0074】
図8(c)において、読み出し制御回路52は、Hカウンタ出力が映像信号の有効期間に相当する時に、読み出し許可信号R_ENAを有効に(ここでは例えば“H”に)する。読み出し制御回路52は、フレームメモリからの読み出しアドレスR_ADDを読み出し許可信号R_ENAが有効な期間においてのみ順次増加させる。読み出しアドレスR_ADDは、ブランキング期間においては増加することなくホールドされるが、図8(c)では簡略化して直線として表示している。
【0075】
フレーム同期回路50においては、書き込み動作と読み出し動作とは独立して非同期に行われる。このため、書き込み動作が読み出し動作を追い越す場合、すなわち、まだ読み出しが行われていないアドレスに新たなデータを書き込もうとする場合と、読み出し動作が書き込み動作を追い越す場合、すなわち、まだ新たな書き込みが行われていないアドレスのデータを読み出そうとする場合とがある。
【0076】
図9(a)は、書き込み動作が読み出し動作を追い越す場合について、図7のSkip/Hold制御回路53の動作を説明するためのグラフである。書き込み制御回路51が、例えばフレームメモリ54に対してn番目(nは整数)のフレームの書き込みを終えるまでに、読み出し制御回路52は、同一のフレームメモリ54からn−2番目のフレームを既に読み出し終えている。同様に、書き込み制御回路51が、フレームメモリ55に対してn+1番目のフレームの書き込みを終えるまでに、読み出し制御回路52は、これと同一のフレームメモリ55からn−1番目のフレームを既に読み出し終えている。ところが、次のn番目のフレームを読み出す際に、書き込みアドレスW_ADDが読み出しアドレスR_ADDを追い越すとする。
【0077】
この場合、n番目のフレームを読み出そうとする動作が完了する前に、n+2番目のフレームの書き込みが完了してしまう。すると、このようなアドレスの追い越しが生じるまでは、n番目のフレームが読み出され、アドレスの追い越しが生じた後は、このフレームのデータに対して上書きされたn+2番目のフレームのデータが読み出される。このため、読み出されたフレームの中で画像が不連続になってしまう。
【0078】
Skip/Hold制御回路53は、書き込みアドレスW_ADD及び読み出しアドレスR_ADDの変化の傾向から、アドレスの追い越しが生じるか否かを予測する。例えば、書き込みアドレスW_ADDと読み出しアドレスR_ADDとの差をn−2番目及びn−1番目のフレームを読み出し終えた時に求める。そして、この差の変化から、n番目のフレームを読み出しているときに、書き込みアドレスW_ADDが読み出しアドレスR_ADDを追い越すか否かを予測することができる。
【0079】
Skip/Hold制御回路53は、n番目のフレームを読み出す際に、このフレームが格納されたフレームメモリに書き込みが行われ、かつ、アドレスの追い越しが生じることを予測した場合は、Skip/Hold制御信号SHのレベルを変化させない。すると、セレクタ56は、入力を切り替えないので、n番目のフレームを飛び越して、n+1番目のフレームを選択することになる(すなわち、スキップ(skip)する)。
【0080】
n+1番目のフレームは、n+2番目のフレームとは異なるフレームメモリに書き込まれているので、アドレスの追い越しが生じても問題はない。このように、n番目のフレームのデータを読み出し中に、このフレームのデータに上書きされたn+2番目のフレームのデータが読み出され、フレームの中で画像が不連続になってしまうことを防止することができる。
【0081】
図9(b)は、読み出し動作が書き込み動作を追い越す場合について、図7のSkip/Hold制御回路53の動作を説明するためのグラフである。読み出し制御回路52が、例えばフレームメモリ54からn番目のフレームを読み出し終えるまでに、書き込み制御回路51は、同一のフレームメモリ54に対してn番目のフレームを既に書き込み終えている。同様に、読み出し制御回路52が、フレームメモリ55からn+1番目のフレームを読み出し終えるまでに、書き込み制御回路51は、これと同一のフレームメモリ55に対してn+1番目のフレームを既に書き込み終えている。ところが、次のn+2番目のフレームを読み出す際に、読み出しアドレスR_ADDが書き込みアドレスW_ADDを追い越すとする。
【0082】
この場合、n+2番目のフレームの書き込みが完了する前に、n+2番目のフレームを読み出そうとする動作が完了してしまう。すると、このようなアドレスの追い越しが生じるまでは、n+2番目のフレームが読み出され、アドレスの追い越しが生じた後は、まだn+2番目のフレームのデータによって上書きされていないn番目のフレームのデータが読み出される。このため、読み出されたフレームの中で画像が不連続になってしまう。
【0083】
Skip/Hold制御回路53は、書き込みアドレスW_ADD及び読み出しアドレスR_ADDの変化の傾向から、アドレスの追い越しが生じるか否かを予測する。例えば、書き込みアドレスW_ADDと読み出しアドレスR_ADDとの差をn番目及びn+1番目のフレームを読み出し終えた時に求める。そして、この差の変化から、n+2番目のフレームを読み出しているときに、読み出しアドレスR_ADDが書き込みアドレスW_ADDを追い越すか否かを予測することができる。
【0084】
Skip/Hold制御回路53は、n+2番目のフレームを読み出す際に、このフレームが格納されたフレームメモリに書き込みが行われ、かつ、アドレスの追い越しが生じることを予測した場合は、Skip/Hold制御信号SHのレベルを変化させない。すると、セレクタ56は、入力を切り替えないので、n+2番目ではなく、n+1番目のフレームを再度選択することになる(すなわち、ホールド(hold)する)。
【0085】
n+1番目のフレームは、n+2番目のフレームとは異なるフレームメモリに書き込まれているので、アドレスの追い越しが生じても問題はない。このように、n+2番目のフレームのデータを読み出し中に、このフレームのデータによって上書きされる前のn番目のフレームのデータが読み出され、フレームの中で画像が不連続になってしまうことを防止することができる。
【0086】
このように、図7の映像信号処理装置によると、書き込みアドレスW_ADDが変化する速度と読み出しアドレスR_ADDが変化する速度とが異なる場合において、フレームメモリから1フレームの信号を読み出す際に、アドレスの追い越しに起因した、この1フレーム以外のフレームの信号の読み出しを行わないようにすることができる。したがって、読み出したフレームの中で画像が不連続にならないようにすることができる。
【0087】
図10(a)は、図7のフレームメモリ54及び55に格納される映像信号の書き込み状態を示す説明図である。ここでは、入力される映像信号はNTSC方式の信号であって、輝度信号(Y)と2つの色差信号(Cr,Cb)とが27MHzのクロックでY:Cr:Cb=4:2:2の割合で多重されているものとする。このとき、映像信号の1フレームは、標準的には水平方向に1716サンプル、垂直方向に525ラインのデータで構成されている。このうち、映像信号の有効期間のデータは、水平方向に1440サンプル、垂直方向に480ラインである。
【0088】
図7,図10(a)を参照して、フレームメモリ54及び55の動作を説明する。まず、書き込み選択信号W_SELにより、フレームメモリ54が書き込みメモリとして選択されているとする。映像信号の有効期間になると、書き込み制御回路51は、書き込み許可信号W_ENA信号を有効にし、書き込みアドレスW_ADDを順に増加させ、映像信号のデータをCr,Y,Cb,Yの順でフレームメモリ54に書き込んでいく。1440サンプル分のデータを書き込むと、書き込み制御回路51は、書き込み許可信号W_ENA信号を無効にし、書き込みアドレスW_ADDをホールド状態にする。
【0089】
水平帰線期間が過ぎて映像信号の次の有効期間になると、書き込み制御回路51は、書き込み許可信号W_ENAを再び有効にし、書き込みアドレスW_ADDを更新して書き込みを始める。そして、1フレーム分(1440×480サンプル)のデータの書き込みが終わると、書き込み制御回路51は、書き込み選択信号W_SELのレベルを変化させ、フレームメモリ55を書き込みメモリとして選択する。その後、フレームメモリ54の場合と同様に、映像信号の次のフレームのデータがフレームメモリ55に書き込まれる。
【0090】
読み出し制御回路52は、Hカウンタ出力に応じて読み出し許可信号R_ENAを有効にし、読み出しアドレスW_ADDを順に増加させて、映像信号のデータをCr,Y,Cb,Yの順に読み出す。
【0091】
ここで、図4(b)に示すように、垂直同期信号VSが2つの周期T,T’を交互に繰り返すものである場合について説明する。図10(b)は、図1の垂直同期信号発生装置10に代えて、図23の従来の垂直同期信号発生装置を用いた場合の、映像信号処理装置が出力する映像を示す説明図である。図10(c)は、図7の映像信号処理装置が出力する映像を示す説明図である。
【0092】
図23の従来の垂直同期信号発生装置が出力する垂直同期信号を用いる場合、書き込み制御回路51は、周期がほぼ一定の垂直同期信号を基準として映像信号の有効期間の開始位置を求め、書き込み許可信号W_ENAを生成し、映像信号のデータをフレームメモリに書き込む。このため、奇数フィールドと偶数フィールドとで書き込まれるアドレスが数ライン分ずれてしまい、そのまま読み出すと、図10(b)に示すように上下にずれた映像が交互に表示される。
【0093】
これに対し、本実施形態に係る映像信号処理装置では、このような場合、垂直同期信号発生装置10は、垂直同期信号AFCVSの代わりに垂直同期信号VSを選択して垂直同期信号GVSとして出力する。このため、奇数フィールド、偶数フィールドのいずれにおいても映像信号の有効期間の開始位置を正しく求めることができ、図10(c)のように、フィールド間でずれがなく、常にフレーム同期の取れた映像信号を得ることができる。
【0094】
なお、書き込みクロックWCLと読み出しクロックRCLとは、独立した異なるクロックであってもよいし、同一のクロックであってもよい。
【0095】
(第2の実施形態の変形例)
図11は、第2の実施形態の変形例に係る映像信号処理装置の構成を示すブロック図である。図11の映像信号処理装置は、図7の映像信号処理装置において、フレーム同期回路50に代えてフレーム同期回路60を備えたものである。垂直同期信号発生装置10及び水平同期信号分離回路14については、図7の映像信号処理装置と同様なので、説明を省略する。図11のフレーム同期回路60は、書き込み制御回路61と、読み出し制御回路62と、Skip/Hold制御回路63と、フレームメモリ64と、ラインメモリ65と、セレクタ66とを備えている。
【0096】
書き込み制御回路61は、書き込み選択信号W_SELを生成しない点の他は、書き込み制御回路51とほぼ同様のものである。書き込み制御回路61は、垂直同期信号GVS、水平同期信号HS、及び書き込みクロックWCLに基づいて、フレームメモリ64への書き込みアドレスW_ADD、及び書き込み許可信号W_ENAを生成する。書き込み制御回路61は、書き込みアドレスW_ADDをSkip/Hold制御回路63に出力し、書き込み許可信号W_ENAをフレームメモリ64に出力する。
【0097】
読み出し制御回路62には、読み出しクロックRCLが入力されている。読み出し制御回路62は、読み出し制御回路52と同様のものであり、Fカウンタの出力を読み出しアドレスR_ADDとしてSkip/Hold制御回路63及びフレームメモリ64に出力し、読み出し許可信号R_ENAをフレームメモリ64に出力する。
【0098】
Skip/Hold制御回路63は、フレームメモリ64から1フレームの信号を読み出す際に、アドレスの追い越しに起因した、この1フレーム以外のフレームの信号の読み出しを行わないように、すなわち、読み出したフレームの中で画像が不連続にならないように、フレームメモリ64への入力を制御するSkip/Hold制御信号SHを生成し、セレクタ66に出力する。
【0099】
ラインメモリ65には、映像信号が入力されている。ラインメモリ65は、例えば映像信号の20ライン分のデータ(映像信号の有効期間以外も含む)を格納することができ、先に入力された信号を先に出力するFIFOバッファとして動作する。言い換えると、ラインメモリ65は、入力された映像信号を20ラインに相当する時間だけ遅延させてセレクタ66に出力する。また、セレクタ66には、映像信号が直接入力されている。なお、ラインメモリ65の容量は、20ライン分には限られない。
【0100】
セレクタ66は、Skip/Hold制御信号SHに従って、映像信号及びラインメモリ65の出力のうちのいずれか一方を選択して、フレームメモリ64に出力する。ここでは、セレクタ66は、Skip/Hold制御信号SHが“L”のときは映像信号を選択し、“H”のときはラインメモリ65の出力を選択するものとする。
【0101】
フレームメモリ64は、書き込み許可信号W_ENAが有効であるとき、書き込みアドレスW_ADDにセレクタ66の出力を格納する。また、読み出し許可信号R_ENAが有効であるとき、フレームメモリ64は、読み出しアドレスR_ADDのデータを読み出し、標準映像信号として出力する。
【0102】
図12(a)は、書き込み動作が読み出し動作を追い越す場合について、図11のSkip/Hold制御回路63の動作を説明するためのグラフである。図12(b)は、読み出し動作が書き込み動作を追い越す場合について、図11のSkip/Hold制御回路63の動作を説明するためのグラフである。フレーム同期回路60においても、書き込み動作と読み出し動作とは互いに非同期に行われる。
【0103】
図13は、図11のフレーム同期回路60における処理の流れを示すフローチャートである。図12(a),(b)及び図13を参照して、フレーム同期回路60の動作について説明する。
【0104】
まず、ステップS20では、Skip/Hold制御回路63はFlag=0とし、書き込み制御回路61は書き込みアドレスW_ADD=0とする。ステップS21では、書き込み制御回路61は、書き込み許可信号W_ENAをアクティブにし、セレクタ66の出力がフレームメモリ64の書き込みアドレスW_ADDに書き込まれる(SH=0であるとする)。ステップS22において、書き込み制御回路61は、書き込みアドレスW_ADDを1だけ増加させる。
【0105】
ステップS23では、Skip/Hold制御回路63は、Flag=1であるか否かを判断する。Flag=1である場合はステップS31に進み、それ以外の場合はステップS24に進む。ステップS24では、Skip/Hold制御回路63は、書き込みアドレスW_ADD=MAX+1であるか否かを判断する。この式を満たす場合はステップS25に進み、それ以外の場合はステップS21に戻る。ここで、MAXは、書き込みアドレスW_ADDが通常取り得る最大の値であって、例えばNTSC方式の信号の場合には、MAX=1716×525である。
【0106】
図12(a),(b)において、MAX−20数ラインよりも大きいアドレスの領域は、映像信号の有効期間外に相当するので、この領域のデータはフレームメモリ64には書き込まれない。
【0107】
ステップS25では、Skip/Hold制御回路63は、書き込みアドレスW_ADD=0とする。ステップS26では、Skip/Hold制御回路63は、読み出しアドレスR_ADDが、20ライン未満又はMAX−20ラインより大きいという条件を満たすか否かを判断する。20ラインのアドレスとは、例えばNTSC方式の信号の場合には、1716×20である。ここで、20ラインとしたのは、ラインメモリ65の容量が20ライン分であるからである。条件を満たす場合はステップS27に進み、満たさない場合はステップS21に戻る。
【0108】
ステップS27では、Skip/Hold制御回路63は、Flag=1とし、ステップS21に戻る。Flag=1である場合は、書き込みアドレスW_ADDと読み出しアドレスR_ADDとの差が小さく、書き込み動作が読み出し動作を追い越したり、読み出し動作が書き込み動作を追い越す可能性が高いことを示す。
【0109】
ステップS31では、Skip/Hold制御回路63は、Skip/Hold制御信号SH=0(すなわち、“L”)であるか否かを判断する。SH=0である場合、すなわち、セレクタ66が映像信号を選択している場合はステップS32に進み、それ以外の場合はステップS35に進む。ステップS32では、Skip/Hold制御回路63は、書き込みアドレスW_ADD=MAXであるか否かを判断する。この式を満たす場合はステップS33に進み、それ以外の場合はステップS21に戻る。
【0110】
Skip/Hold制御回路63は、ステップS33では、書き込みアドレスW_ADD=MAX−20ラインとし、ステップS34では、Flag=0,SH=1(すなわち、“H”)とし、ステップS21に戻る。すなわち、セレクタ66がラインメモリ65の出力を選択するようにする。ラインメモリ65の出力は、映像信号よりも20ライン分遅れているので、書き込みアドレスW_ADDが20ライン分小さくなるようにしている(図12(a)におけるフレームn+3の書き込み終了時、及び図12(b)におけるフレームn+5の書き込み終了時参照)。
【0111】
ステップS35では、Skip/Hold制御回路63は、書き込みアドレスW_ADD=MAX−20ラインであるか否かを判断する。この式を満たす場合はステップS36に進み、その他の場合はステップS21に戻る。Skip/Hold制御回路63は、ステップS36では、書き込みアドレスW_ADD=0とし、ステップS37では、Flag=0,SH=0とし、ステップS21に戻る。すなわち、セレクタ66が映像信号を選択するようにする。映像信号は、ラインメモリ65の出力よりも20ライン進んでいるので、書き込みアドレスW_ADD=0としている。これは、書き込みアドレスW_ADDを20ライン進めるのに等しい(図12(a)におけるフレームn+6の書き込み終了時、及び図12(b)におけるフレームn+2の書き込み終了時参照)。MAX−20ラインよりも大きいアドレスの領域は、映像信号の有効期間外に相当するので、この領域のデータはフレームメモリ64には書き込まれないものである。したがって、書き込みアドレスW_ADD=0としても表示には影響しない。
【0112】
図12(a)のように、読み出しアドレスR_ADDよりも書き込みアドレスW_ADDの増加する速度の方が速い場合は、書き込みアドレスW_ADDを20ライン分進めたとき(フレームn+6の書き込み終了時)、書き込みアドレスW_ADDが読み出しアドレスR_ADDを追い越す。すると、フレームメモリ64からはフレームn+7が読み出される(フレームn+6がスキップ(skip)される)。
【0113】
図12(b)のように、書き込みアドレスW_ADDよりも読み出しアドレスR_ADDの増加する速度の方が速い場合は、書き込みアドレスW_ADDを20ライン分小さくしたとき(フレームn+5の書き込み終了時)、読み出しアドレスR_ADDが書き込みアドレスW_ADDを追い越す。すると、フレームメモリ64からはフレームn+5が再び読み出される(フレームn+5がホールド(hold)される)。
【0114】
このように、図11の映像信号処理装置によると、書き込みアドレスW_ADDが変化する速度と読み出しアドレスR_ADDが変化する速度とが異なり、アドレスの追い越しが生じる場合において、フレームメモリ64から1フレームの信号を読み出す際に、アドレスの追い越しに起因した、この1フレーム以外のフレームの信号の読み出しを行わないようにすることができる。したがって、読み出したフレームの中で画像が不連続にならないようにすることができる。
【0115】
なお、図11の映像信号処理装置では、映像信号及びラインメモリ65の出力のうちのいずれかを選択してフレームメモリ64に書き込むようにしているが、フレームメモリ64の出力をラインメモリの入力とし、フレームメモリ64の出力及びラインメモリの出力のうちのいずれかを選択して標準映像信号として出力するようにしてもよい。この場合は、Skip/Hold制御回路において、書き込みアドレスW_ADDではなく、読み出しアドレスR_ADDを同様に制御するようにすればよい。
【0116】
また、第2の実施形態、及び第2の実施形態の変形例においては、書き込みアドレスW_ADD及び読み出しアドレスR_ADDは、0から順に増加して、最大値に達すると0に戻るように変化するとして説明したが、書き込みアドレスW_ADD及び読み出しアドレスR_ADDのいずれもが同様の順に変化するのであれば、これ以外の順で変化してもよい。例えば、最大値から順に減少して、0に達すると最大値に戻るように変化させてもよい。
【0117】
(第3の実施形態)
図14は、本発明の第3の実施形態に係る映像信号処理装置の構成を示すブロック図である。図14の映像信号処理装置は、垂直同期信号発生装置10と、水平同期信号分離回路14と、フレーム同期回路50と、データ多重回路100とを備えている。垂直同期信号発生装置10は、第1の実施形態において、水平同期信号分離回路14及びフレーム同期回路50は、第2の実施形態において説明したものと同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0118】
データ多重回路100には、フレーム同期回路50の出力である標準映像信号、Hカウンタ出力、及びFカウンタ出力が入力されるとともに、読み出しクロックRCLが入力されている。データ多重回路100は、フレーム同期回路50の出力である標準映像信号に、デジタル映像信号規格で規定されるデータ群を付加し、完全に規格準拠した標準映像データを出力する。
【0119】
ここでは、フレーム同期回路50の出力である標準映像信号は、NTSC方式の信号であって、輝度信号Yと2つの色差信号Cr,Cbとが27MHzの読み出しクロックでY:Cr:Cb=4:2:2の割合で多重されているものとする。輝度信号Yと2つの色差信号Cr,Cbとは、それぞれ8ビットのデータである。このとき、映像信号の1フレームは、水平方向に1716サンプル、垂直方向に525ラインで構成されている。このうち、映像信号の有効期間のデータは、水平方向に1440サンプル、垂直方向に480ラインである。
【0120】
また、図14の映像信号処理装置が出力する標準映像データは、例として、デジタル映像信号規格Rec.ITU−R BT.656−2(以下では、Rec.656と称する)に準拠するものとする。
【0121】
図15(a)は、デジタル映像信号規格Rec.656における1ライン分1716個のデータを示す説明図である。1ラインは、先頭からエンドマークデータ(EAV)4T、ブランキングデータ268T、スタートマークデータ(SAV)4T、有効画像データ1440Tの期間を有している(Tは27MHzでサンプリングを行う場合のサンプリング周期を表す)。ブランキングデータは、輝度信号としては10h(hは16進表示を表す)、色差信号としては80hである。垂直帰線期間においては、有効画像データも80h(色差)と10h(輝度)との繰り返しである。
【0122】
図15(b)は、デジタル映像信号規格Rec.656におけるEAV及びSAVについての説明図である。EAVとSAVはラインによってデータが異なっており、NTSC方式では1〜525ラインについて、図15(b)に示すようなデータが適用される。
【0123】
Fカウンタは、垂直方向のライン番号1から525までを巡回してカウントし、Hカウンタは、水平方向のデータ番号1から1716までを巡回してカウントする。フレーム同期回路50が出力する標準映像信号は、Fカウンタ出力とHカウンタ出力に完全に同期している。データ多重回路100は、Fカウンタ出力とHカウンタ出力とをデコードし、例えばEAV、SAV及びブランキングデータの期間はROM(read-only memory)テーブルに格納された固定値を選択し、有効画像期間は標準映像信号を選択して出力する。
【0124】
このように、図14の映像信号処理回路によれば、デジタル映像信号規格に完全に準拠した標準映像データを極めて簡単な回路構成で得ることができる。
【0125】
なお、図7のフレーム同期回路50に代えて図11のフレーム同期回路60を用いてもよい。
【0126】
(第4の実施形態)
図16は、本発明の第4の実施形態に係る垂直同期信号発生装置の構成を示すブロック図である。図16の垂直同期信号発生装置110は、垂直同期信号分離回路11と、AFC回路120と、垂直同期信号位相検出回路130と、セレクタ12とを備えている。
【0127】
図16の垂直同期信号発生装置110に入力される輝度信号は、NTSC方式の映像信号から分離されたものであるとし、垂直同期信号分離回路11、AFC回路120、垂直同期信号位相検出回路130、及びセレクタ12には、周波数fsのクロックが入力されているものとする。
【0128】
垂直同期信号分離回路11は、入力された輝度信号にその垂直帰線期間において重畳された第1の垂直同期信号VSを分離し、AFC回路120、垂直同期信号位相検出回路130及びセレクタ12に出力する。AFC回路120は、PLL回路を備えており、垂直同期信号VSにほぼ同期し、垂直同期信号VSの平均繰り返し周波数に相当する繰り返し周波数を有する第2の垂直同期信号AFCVS2を生成し、セレクタ12に出力する。垂直同期信号位相検出回路130は、垂直同期信号VSの状態に応じた判別信号DS2をセレクタ12に出力する。セレクタ12は、この判別信号DS2に応じて、垂直同期信号VS及び垂直同期信号AFCVS2のうちのいずれか1つを選択し、垂直同期信号GVS2として出力する。
【0129】
図17は、図16のAFC回路120の構成の例を示すブロック図である。図17に示すように、AFC回路120は、位相比較回路21と、LPF22,122と、加算回路23と、積分回路24と、微分回路25と、セレクタ(フィルタセレクタ)126とを備えている。
【0130】
位相比較回路21は、図3を参照して説明したものであり、垂直同期信号VSのパルスのタイミングで積分回路24の出力Sをサンプリングし、例えば値D/2からサンプル値を減じた結果を位相誤差信号PEとしてLPF22,122及び垂直同期信号位相検出回路130に出力する。
【0131】
LPF22,122は、例えば完全積分型のLPFである。LPF22は、位相比較回路21の出力のうち、一定の周波数以下の成分だけを通過させ、セレクタ126に出力する。LPF122は、位相比較回路21の出力のうち、LPF22よりも高い一定の周波数以下の成分だけを通過させ、セレクタ126に出力する。すなわち、LPF122の方がLPF22よりも過渡応答が速い。
【0132】
セレクタ126には、判別信号DS2が制御信号として入力されている。セレクタ126は、判別信号DS2に従って、LPF22の出力とLPF122の出力とのうちのいずれかを選択して、加算回路23に出力する。加算回路23、積分回路24、及び微分回路25は、図3を参照して説明したものと同様のものであるので、これらについての詳細な説明は省略する。微分回路25は、得られた垂直同期信号AFCVS2をセレクタ12に出力する。
【0133】
電源投入時、シーン切り替え時、入力される映像信号の切り替え時等のように、垂直同期信号VSの位相と垂直同期信号AFCVS2の位相との差が大きくなった場合には、セレクタ126は、判別信号DS2に従ってLPF22よりも過渡応答が速いLPF122の出力を選択して、垂直同期信号AFCVS2の位相が垂直同期信号VSの位相に素早く近づくようにすることが望ましい。
【0134】
しかし、垂直同期信号VSの周期はほぼ一定であるが、ノイズ等の影響で垂直同期信号VSのタイミングが前後に変動を繰り返す場合等には、その変動が数クロック程度の小さいものであっても、位相比較回路21が出力する位相誤差信号PEは、LPF122を通過して積分回路24に入力される。したがって、垂直同期信号AFCVS2は安定しなくなる。このような場合には、セレクタ126は、判別信号DS2に従って、LPF122よりも過渡応答が遅いLPF22の出力を選択して、垂直同期信号AFCVS2に対する安定した同期引き込みを行う必要がある。
【0135】
セレクタ126がこのような選択を行うためには、垂直同期信号AFCVS2がロックアウト状態又はロックイン状態であることを示す判別信号DS2を、垂直同期信号位相検出回路130が出力するようにすればよい。
【0136】
ここで、ロックアウト状態とは、垂直同期信号VSの位相と垂直同期信号AFCVS2の位相とがずれた状態であること示すものであり、所定の長さの期間において位相誤差信号PEが所定のロックアウトレベル以上である場合を指すものとする。また、ロックイン状態とは、垂直同期信号VSの位相と垂直同期信号AFCVS2の位相とがずれた状態ではないこと示すものであり、所定の長さの期間において位相誤差信号PEが所定のロックインレベル(例えば1Hに相当する値)以下である場合を指すものとする。
【0137】
図18は、図16の垂直同期信号位相検出回路130の構成の例を示すブロック図である。図18に示すように、垂直同期信号位相検出回路130は、絶対値回路131と、ホールド回路132と、ロックアウト比較回路133と、ロックアウトカウンタ134と、ロックアウト判別回路135と、ロックイン比較回路136と、ロックインカウンタ137と、ロックイン判別回路138と、論理回路139とを備えている。
【0138】
絶対値回路131には、位相比較回路21が出力する位相誤差信号PEが入力されている。また、ホールド回路132と、ロックアウトカウンタ134と、ロックインカウンタ137とには、垂直同期信号VSと周波数fsのクロックCLとが入力されている。
【0139】
絶対値回路131は、位相誤差信号PEの絶対値Zを求め、ホールド回路132に出力する。ホールド回路132は、垂直同期信号VSのパルスが入力されると、クロックCLに同期して絶対値回路131の出力Zをラッチし、垂直同期信号VSの次のパルスが入力され、更にクロックCLのパルスが入力されるまでホールドする。ホールド回路132は、ホールドしている値Y1をロックアウト比較回路133と、ロックイン比較回路136とに出力する。
【0140】
ロックアウト比較回路133は、ホールド回路132の出力Y1と定数Eとの比較を行い、その結果をロックアウトカウンタ134に出力する。ロックアウト比較回路133の出力は、例えば、Y1≧Eの場合は“1”、その他の場合は“0”である。
【0141】
ロックアウトカウンタ134は、垂直同期信号VSのパルスが入力されると、ロックアウト比較回路133の出力が“1”(Y1≧E)の場合には、クロックCLに同期してカウントアップし、垂直同期信号VSの次のパルスが入力され、更にクロックCLのパルスが入力されるまでホールドする。ロックアウトカウンタ134は、そのカウント値Y2がカウントすることができる最大の数に達したときには、カウントアップを停止する。また、ロックアウトカウンタ134は、垂直同期信号VSのパルスが入力され、ロックアウト比較回路133の出力が“0”(Y1<E)の場合には、クロックCLに同期してカウント値を“0”にリセットする。ロックアウトカウンタ134は、カウント値Y2をロックアウト判別回路135に出力する。
【0142】
ロックアウト判別回路135は、ロックアウトカウンタ134のカウント値Y2と定数Fとの比較を行う。ロックアウト判別回路135は、例えば、Y2≧Fの場合は“1”、その他の場合は“0”であるロックアウト信号を比較結果として求める。更に、ロックアウト判別回路135は、ロックアウト信号を微分し、そのパルスの前縁のタイミングを示すロックアウト微分パルスY3を生成して論理回路139に出力する。
【0143】
ロックイン比較回路136は、ホールド回路132の出力Y1と定数Gとの比較を行い、その結果をロックインカウンタ137に出力する。ロックイン比較回路136の出力は、例えば、Y1≦Gの場合は“1”、その他の場合は“0”である。
【0144】
ロックインカウンタ137は、垂直同期信号VSのパルスが入力されると、ロックイン比較回路136の出力が“1”(Y1≦G)の場合には、クロックCLに同期してカウントアップし、垂直同期信号VSの次のパルスが入力され、更にクロックCLのパルスが入力されるまでホールドする。ロックインカウンタ137は、そのカウント値Y4がカウントすることができる最大の数に達したときには、カウントアップを停止する。また、ロックインカウンタ137は、垂直同期信号VSのパルスが入力され、ロックイン比較回路136の出力が“0”(Y1>G)の場合には、クロックCLに同期してカウント値を“0”にリセットする。ロックインカウンタ137は、カウント値Y4をロックイン判別回路138に出力する。
【0145】
ロックイン判別回路138は、ロックインカウンタ137のカウント値Y4と定数Jとの比較を行う。ロックイン判別回路138は、例えば、Y4≧Jの場合は“1”、その他の場合は“0”であるロックイン信号を比較結果として求める。更に、ロックイン判別回路138は、ロックイン信号を微分し、そのパルスの前縁のタイミングを示すロックイン微分パルスY5を生成して論理回路139に出力する。
【0146】
論理回路139は、ロックアウト判別回路135の出力Y3とロックイン判別回路138の出力Y5との間で論理演算を行い、得られた結果を判別信号DS2として出力する。すなわち、論理回路139は、ロックアウト判別回路135からロックアウト微分パルスY3が入力されると“1”を、ロックイン判別回路138からロックイン微分パルスY5が入力されると“0”を判別信号DS2として出力する。例えば、論理回路139は、セットリセットフリップフロップであって、ロックアウト微分パルスY3によってセットされ、ロックイン微分パルスY5によってリセットされるものである。
【0147】
図19は、垂直同期信号VSの位相が大きくずれた場合における、垂直同期信号位相検出回路130によるロックアウト微分パルスの生成について示すタイミングチャートである。図20は、垂直同期信号VSにノイズが加わった場合における垂直同期信号位相検出回路130の動作を示すタイミングチャートである。図17〜図20を参照して、垂直同期信号位相検出回路130の動作を説明する。
【0148】
本実施形態では、一例として、クロック周波数(サンプリング周波数)fs=27MHz、定常状態の垂直同期信号VSの周期をT、位相が大きくずれたときの垂直同期信号VSの間隔をT”、定数Fを“2”とする。また、AFC回路120は定常状態にあるとし、AFC回路120が出力する垂直同期信号AFCVS2の周期もTであるとする。ロックアウトカウンタ134のカウント値Y2は“0”であるとし、セレクタ126は、過渡応答が遅いLPF22の出力を選択しているとする。
【0149】
AFC回路120が出力する位相誤差信号PEが例えば36ビットの幅を有しているとすると、絶対値回路131の出力Zは−235〜+235−1の範囲の値を取り得る。この場合には、定数E,Gの値を、それぞれ、例えば09c000000h,04e000000hとする。
【0150】
図19のように、電源投入、シーン切り換え等があったために、垂直同期信号VSの間隔が一時的にT”になった場合について説明する。この場合、位相比較回路21は、垂直同期信号VSと垂直同期信号AFCVS2との間の位相差である位相誤差信号PEを求めて出力する。
【0151】
絶対値回路131は、位相誤差信号PEの絶対値Zを求めてホールド回路132に出力する。ホールド回路132は、絶対値回路131の出力Zを垂直同期信号VSのタイミングでラッチし、ホールドして出力する(値Y1)。
【0152】
ロックアウト比較回路133は、ホールド回路132の出力Y1がロックアウトレベルEよりも大きいので、“1”をロックアウトカウンタ134に出力する。ロックアウトカウンタ134は、ロックアウト比較回路133の出力が“1”であるので、垂直同期信号VSのパルスが入力されるとカウントアップを行い、“1”を出力する。
【0153】
AFC回路120は、位相誤差信号PEに応じて垂直同期信号AFCVS2のタイミングを垂直同期信号VSのタイミングに近づけるので、位相誤差信号PEの絶対値は次第に小さくなる。しかし、垂直同期信号VSの次のパルスが入力されたときにもY1≧Eであるとすると、ロックアウトカウンタ134は、更にカウントアップを行い、“2”をカウント値Y2としてロックアウト判別回路135に出力する。ロックアウトカウンタ134は、カウント値Y2が例えば“2”になると、それ以上のカウントアップは行わない。
【0154】
カウント値Y2が定数Fの値と等しい“2”であるので、ロックアウト判別回路135は、ロックアウト状態であると判別し、ロックアウト信号を“1”にする。ロックアウト信号が“0”から“1”になったので、ロックアウト判別回路135は、ロックアウト微分パルスY3を論理回路139に出力し、論理回路139は、判別信号DS2を“1”にして出力する。すると、セレクタ126は、過渡応答が速いLPF122の出力を選択するので、AFC回路120の応答が速くなり、絶対値回路131が出力する絶対値Zの変化が速くなる。
【0155】
その後、Y1<Eになると、ロックアウト比較回路133の出力が“0”になるので、ロックアウトカウンタ134は、カウント値Y2を“0”にリセットする。ロックアウト判別回路135は、ロックアウト状態ではないと判別し、ロックアウト信号を“0”にする。ホールド回路132の出力Y1は“0”に向かって減少を続ける。
【0156】
このように、ロックアウト状態を検出するとAFC回路120の応答が速くなるようにするので、垂直同期信号AFCVS2のタイミングが素早く垂直同期信号VSのタイミングに一致するようになる。
【0157】
図20のように、垂直同期信号VSにノイズが加わり、垂直同期信号VSの位相が瞬間的に大きくずれた場合について説明する。この場合、ホールド回路122の出力Y1は、瞬間的に大きい値になる。しかし、ノイズ部分を除くと定常状態と変わりはなく、垂直同期信号VSの周期はTであるので、AFC回路120が出力する垂直同期信号AFCVS2のタイミングはあまり変化せず、位相誤差信号PEは素早く“0”に収束する。
【0158】
ロックアウトカウンタ134は、カウントアップしてカウント値Y2を“1”とするが、その後、Y1<Eになるので、リセットされる。したがって、ロックアウト判別回路135は、ロックアウト状態であることを検出せず、ロックアウト信号を変化させないので、ロックアウト微分パルスY3も発生しない。垂直同期信号発生装置110は、垂直同期信号AFCVS2を選択して垂直同期信号GVS2として出力し続けるので、垂直同期信号GVS2はノイズの影響をほとんど受けない。
【0159】
もし、定数Fの値を“1”とすると、垂直同期信号VSにノイズがのった場合、ロックアウト判別回路135はロックアウト状態であると判別してしまうので、垂直同期信号発生装置110は、ノイズが加わった垂直同期信号VSを選択して垂直同期信号GVS2として出力することになる。ノイズの影響を受けないようにするため、定数Fは“2”以上にする必要がある。
【0160】
図21は、垂直同期信号VSの位相が大きくずれた場合における、垂直同期信号位相検出回路130によるロックイン微分パルスの生成について示すタイミングチャートである。ここでは、一例として、定数Jが“7”であるとする。図19の場合と同様に、垂直同期信号VSの間隔が一時的にT”になった場合について説明する。ホールド回路132の出力Y1は、図19の場合と同じである。
【0161】
ロックインカウンタ137のカウント値は“7”であるとする。垂直同期信号VSの間隔がT”になり、ホールド回路132の出力Y1がロックインレベルG以上になると、ロックイン比較回路136は、“0”をロックインカウンタ137に出力する。ロックインカウンタ137は、ロックイン比較回路136の出力が“0”であるので、リセットを行い、“0”をカウント値Y4として出力する。カウント値Y4が定数Jの値“7”よりも小さいので、ロックイン判別回路138は、ロックイン状態ではないことを検出し、ロックイン信号を“0”にする。
【0162】
AFC回路120は、位相誤差信号PEに応じて垂直同期信号AFCVS2のタイミングを垂直同期信号VSのタイミングに近づけるので、位相誤差信号PEの絶対値は次第に小さくなる。Y1<Gになると、ロックインカウンタ137は、垂直同期信号VSのパルスが入力される毎にカウントアップを行い、カウント値Y4をロックイン判別回路138に出力する。ロックインカウンタ137は、カウント値Y4が例えば“7”になると、それ以上のカウントアップは行わない。
【0163】
カウント値Y4が定数Jの値と等しい“7”であるので、ロックイン判別回路138は、ロックイン状態であることを検出し、ロックイン信号を“1”にする。ロックイン信号が“0”から“1”になったので、ロックイン判別回路138は、ロックイン微分パルスY5を論理回路139に出力し、論理回路139は、判別信号DS2を“0”にして出力する。すると、セレクタ126は、過渡応答が遅いLPF22の出力を選択するので、AFC回路120の動作が安定する。判別信号DS2が“0”となるので、図16のセレクタ12は、AFC回路120が出力する垂直同期信号AFCVS2を選択し、これを垂直同期信号GVS2として出力する。
【0164】
このように、ロックイン状態を検出すると過渡応答が遅いLPF22を用いるようにするので、垂直同期信号AFCVS2を安定させることができる。
【0165】
図22は、図18の論理回路139の動作を示すタイミングチャートである。いま、垂直同期信号VSの位相が大きくずれたとし、位相誤差信号PEが大きい状態が続くと、ロックアウト判別回路135はロックアウト状態であると判別してロックアウト微分パルスY3を出力し、論理回路139は判別信号DS2を“1”にする。垂直同期信号発生装置110のセレクタ12は、判別信号DS2が“1”であるので、垂直同期信号VSを選択し、垂直同期信号GVS2として出力する。したがって、入力される輝度信号との間に位相のずれがない垂直同期信号GVS2が得られる。
【0166】
AFC回路120のセレクタ126は、判別信号DS2が“1”であるので、過渡応答が速いLPF122の出力を選択する。このため、垂直同期信号AFCVS2の位相は急速に垂直同期信号VSの位相に近づき、位相誤差信号PEが小さくなる。
【0167】
位相誤差信号PEが小さい状態が続くと、ロックイン判別回路138はロックイン微分パルスY5を出力し、論理回路139は判別信号DS2を“0”にする。垂直同期信号発生装置110のセレクタ12は、判別信号DS2が“0”であるので、垂直同期信号AFCVS2を選択し、垂直同期信号GVS2として出力する。このとき、垂直同期信号AFCVS2と垂直同期信号VSとの位相差は非常に小さいので、セレクタ12の切り替え時に垂直同期信号GVS2は乱れない。
【0168】
AFC回路120のセレクタ126は、判別信号DS2が“0”であるので、過渡応答が遅いLPF22の出力を選択する。このため、垂直同期信号GVS2として、周期が安定した垂直同期信号AFCVS2が出力される。
【0169】
このように、本実施形態に係る垂直同期信号発生装置は、通常時には垂直同期信号AFCVSを出力し、電源投入時や、シーン切り替え時等において、垂直同期信号VSと垂直同期信号AFCVS2との間の位相ずれ検出すると、垂直同期信号AFCVSに代えて垂直同期信号VSを出力する。このため、通常時には周波数が安定し、パルスの欠落がない垂直同期信号を得ることができる。また、垂直同期信号VSの位相と垂直同期信号AFCVS2の位相とがずれた状態である場合には、過渡応答が速いLPFを用いるようにするので、垂直同期信号AFCVS2に対する同期引き込みを素早く行うことができる。
【0170】
以上の実施形態においては、映像信号はNTSC方式のものであるとして説明したが、その他の方式の映像信号についても同様に本発明を適用することができる。
【0171】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、周期が安定した垂直同期信号を得ることができる。また、入力信号に含まれる垂直同期信号が2つの周期を交互に繰り返すものである場合や、入力される垂直同期信号の位相が急にずれた場合にも、常にフレーム同期の取れた映像信号を得ることができるので、デジタル信号規格に完全に準拠した標準映像データを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る垂直同期信号発生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は、奇数フィールドの場合に、垂直帰線期間における輝度信号の波形及び分離された同期信号のタイミングを示すグラフである。(b)は、偶数フィールドの場合に、垂直帰線期間における輝度信号の波形及び分離された同期信号のタイミングを示すグラフである。
【図3】図1のAFC回路の構成の例を示すブロック図である。
【図4】(a)は、垂直同期信号VSの周期が一定の期間Tである場合の、図1のAFC回路の動作を示すタイミングチャートである。(b)は、垂直同期信号VSが2つの周期T,T’を交互に繰り返すものである場合の、図1のAFC回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】図1の垂直同期信号位相検出回路の構成の例を示すブロック図である。
【図6】垂直同期信号位相検出回路の各構成要素が出力する値についての説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る映像信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【図8】(a)は、図7のフレーム同期回路に入力される映像信号、垂直同期信号GVS、及び水平同期信号HSのタイミングの例を示すグラフである。(b)は、図7の書き込み制御回路が出力する信号の例を示すグラフである。(c)は、図7の読み出し制御回路が出力する信号の例を示すグラフである。
【図9】(a)は、書き込み動作が読み出し動作を追い越す場合について、図7のSkip/Hold制御回路の動作を説明するためのグラフである。(b)は、読み出し動作が書き込み動作を追い越す場合について、図7のSkip/Hold制御回路の動作を説明するためのグラフである。
【図10】(a)は、図7のフレームメモリに格納される映像信号の書き込み状態を示す説明図である。(b)は、図1の垂直同期信号発生装置に代えて、図23の従来の垂直同期信号発生装置を用いた場合の、映像信号処理装置が出力する映像を示す説明図である。(c)は、図7の映像信号処理装置が出力する映像を示す説明図である。
【図11】第2の実施形態の変形例に係る映像信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【図12】(a)は、書き込み動作が読み出し動作を追い越す場合について、図11のSkip/Hold制御回路の動作を説明するためのグラフである。(b)は、読み出し動作が書き込み動作を追い越す場合について、図11のSkip/Hold制御回路の動作を説明するためのグラフである。
【図13】図11のフレーム同期回路における処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る映像信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【図15】(a)は、デジタル映像信号規格Rec.656における1ライン分1716個のデータを示す説明図である。(b)は、デジタル映像信号規格Rec.656におけるEAV及びSAVについての説明図である。
【図16】本発明の第4の実施形態に係る垂直同期信号発生装置の構成を示すブロック図である。
【図17】図16のAFC回路の構成の例を示すブロック図である。
【図18】図16の垂直同期信号位相検出回路の構成の例を示すブロック図である。
【図19】垂直同期信号VSの位相が大きくずれた場合における、垂直同期信号位相検出回路によるロックアウト微分パルスの生成について示すタイミングチャートである。
【図20】垂直同期信号VSにノイズが加わった場合における垂直同期信号位相検出回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図21】垂直同期信号VSの位相が大きくずれた場合における、垂直同期信号位相検出回路によるロックイン微分パルスの生成について示すタイミングチャートである。
【図22】図18の論理回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図23】従来の垂直同期信号発生装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10,110 垂直同期信号発生装置
11 垂直同期信号分離回路
12 セレクタ
14 水平同期信号分離回路
20,120 自動周波数制御回路(AFC回路)
21 位相比較回路
22,122 ローパスフィルタ(LPF)
23 加算回路
24 積分回路
25 微分回路
30,130 垂直同期信号位相検出回路
31 V周期カウンタ
32 第1のホールド回路
33 第1の減算回路
34 第1の絶対値回路
35 第2のホールド回路
36 第2の減算回路
37 第2の絶対値回路
41 第1の比較回路
42 第2の比較回路
43,139 論理回路
50,60 フレーム同期回路
51,61 書き込み制御回路
52,62 読み出し制御回路
53,63 Skip/Hold制御回路
54,55,64 フレームメモリ
56,66 セレクタ
65 ラインメモリ
100 データ多重回路
126 セレクタ(フィルタセレクタ)
131 絶対値回路
132 ホールド回路
133 ロックアウト比較回路
134 ロックアウトカウンタ
135 ロックアウト判別回路
136 ロックイン比較回路
137 ロックインカウンタ
138 ロックイン判別回路
VS 第1の垂直同期信号
AFCVS,AFCVS2 第2の垂直同期信号
CL クロック
WCL 書き込みクロック
RCL 読み出しクロック
SH Skip/Hold制御信号
DS,DS2 判別信号

Claims (7)

  1. 入力された輝度信号の垂直同期信号を分離し、第1の垂直同期信号として出力する垂直同期信号分離回路と、
    前記第1の垂直同期信号を入力とし、前記第1の垂直同期信号の平均繰り返し周波数に相当する繰り返し周波数を有する第2の垂直同期信号を生成して出力する自動周波数制御回路と、
    前記第1の垂直同期信号が2つの周期を交互に繰り返すものであるか否かを検出し、その検出結果を判別信号として出力する垂直同期信号位相検出回路と、
    前記第1及び第2の垂直同期信号を入力とし、前記判別信号が、前記第1の垂直同期信号が2つの周期を交互に繰り返すものであることを示す場合には前記第1の垂直同期信号を選択し、その他の場合には前記第2の垂直同期信号を選択し、出力するセレクタとを備えた
    垂直同期信号発生装置。
  2. 請求項1に記載の垂直同期信号発生装置において、
    前記自動周波数制御回路は、
    入力された値を累積加算するmビット(mは自然数)の積分回路と、
    前記積分回路の出力を前記第1の垂直同期信号のタイミングでサンプリングし、サンプル値と所定値との差分を出力する位相比較回路と、
    前記位相比較回路の出力のうち、低周波成分を通過させるローパスフィルタと、
    前記ローパスフィルタの出力と定数とを加算して前記積分回路に出力する加算回路と、
    前記積分回路の最上位ビットを微分し、得られたエッジのタイミングで前記第2の垂直同期信号を出力する微分回路とを備えるものである
    ことを特徴とする垂直同期信号発生装置。
  3. 請求項1に記載の垂直同期信号発生装置において、
    前記垂直同期信号位相検出回路は、
    前記第1の垂直同期信号のタイミングでリセットされ、クロックのパルス数をカウントして得たカウント値を出力するV周期カウンタと、
    前記V周期カウンタの出力を前記第1の垂直同期信号のタイミングに応じてラッチして出力し、次にラッチを行うまで出力を保持する第1のホールド回路と、
    前記V周期カウンタの出力と前記第1のホールド回路の出力との差分を求めて出力する第1の減算回路と、
    前記第1の減算回路の出力の絶対値を求めて出力する第1の絶対値回路と、
    前記第1の絶対値回路の出力を前記第1の垂直同期信号のタイミングに応じてラッチして出力し、次にラッチを行うまで出力を保持する第2のホールド回路と、
    前記第1の絶対値回路の出力と前記第2のホールド回路の出力との差分を求めて出力する第2の減算回路と、
    前記第2の減算回路の出力の絶対値を求めて出力する第2の絶対値回路と、
    前記第1の絶対値回路の出力と第1の定数との比較を行い、その結果を出力する第1の比較回路と、
    前記第2の絶対値回路の出力と第2の定数との比較を行い、その結果を出力する第2の比較回路と、
    前記第1の比較回路の出力と前記第2の比較回路の出力との間で論理演算を行い、その結果を前記判別信号として出力する論理回路とを備えるものである
    ことを特徴とする垂直同期信号発生装置。
  4. 請求項1に記載の垂直同期信号発生装置と、
    入力された輝度信号の水平同期信号を分離して出力する水平同期信号分離回路と、
    フレームメモリを有し、前記垂直同期信号発生装置の出力と、前記水平同期信号と、書き込みクロックとに基づいて、所定順の書き込みアドレスを生成し、入力された映像信号を前記書き込みアドレスに従って前記フレームメモリに書き込むとともに、読み出しクロックに基づいて、前記書き込みアドレスと同一順の読み出しアドレスを生成し、前記読み出しアドレスに従って前記フレームメモリから読み出しを行い、標準映像信号として出力するフレーム同期回路とを備え、
    前記フレーム同期回路は、
    前記書き込みアドレスが変化する速度と前記読み出しアドレスが変化する速度とが異なる場合において、前記フレームメモリから一のフレームの信号を読み出す際に、アドレスの追い越しに起因した、前記一のフレーム以外のフレームの信号の読み出しを行わないように、前記フレームメモリへの書き込み又は前記フレームメモリからの読み出しの制御を行うものである
    ことを特徴とする映像信号処理装置。
  5. 請求項4に記載の映像信号処理装置において、
    前記フレーム同期回路は、
    前記フレームメモリを少なくとも2つ備え、かつ、
    前記垂直同期信号発生装置の出力と、前記水平同期信号と、書き込みクロックとに基づいて、前記2つのフレームメモリのうちから書き込みを行うフレームメモリを選択する書き込み選択信号と、選択したフレームメモリへの書き込みアドレスとを生成して出力する書き込み制御回路と、
    読み出しクロックをカウントし、得られたカウント値に従って前記2つのフレームメモリの読み出しアドレスを生成して出力する読み出し制御回路と、
    前記書き込みアドレス及び前記読み出しアドレスの変化の傾向に基づき、読み出しを行うフレームメモリを選択するSkip/Hold制御信号を生成して出力するSkip/Hold制御回路とを備え、
    前記書き込みアドレスに従って、入力された映像信号を前記書き込み選択信号によって選択されたフレームメモリに書き込むとともに、前記読み出しアドレスに従って、前記Skip/Hold制御信号に応じて選択されたフレームメモリから読み出しを行い、前記標準映像信号として出力するものである
    ことを特徴とする映像信号処理装置。
  6. 請求項4に記載の映像信号処理装置において、
    前記フレーム同期回路は、
    入力された映像信号を所定のライン数に相当する時間だけ遅延させて出力するラインメモリと、
    前記垂直同期信号発生装置の出力と、前記水平同期信号と、書き込みクロックとに基づいて、前記フレームメモリへの書き込みアドレスを生成して出力する書き込み制御回路と、
    読み出しクロックをカウントし、得られたカウント値に従って前記フレームメモリの読み出しアドレスを生成して出力する読み出し制御回路と、
    前記書き込みアドレスと前記読み出しアドレスとの差に基づき、前記入力された映像信号及び前記ラインメモリ出力のうちのいずれかを選択して前記フレームメモリに書き込むように制御するSkip/Hold制御信号を生成して出力するSkip/Hold制御回路とを備え、
    前記入力された映像信号及び前記ラインメモリの出力のうち、前記Skip/Hold制御信号に応じて選択されたものを前記書き込みアドレスに従って前記フレームメモリに書き込むとともに、前記読み出しアドレスに従って前記フレームメモリから読み出しを行い、前記標準映像信号として出力するものである
    ことを特徴とする映像信号処理装置。
  7. 請求項4に記載の映像信号処理装置において、
    前記フレーム同期回路が出力する前記標準映像信号の各ラインのデータに、スタートマーク、エンドマーク及びブランキング期間を表すデータ群を付加して出力するデータ多重回路を更に備えた
    ことを特徴とする映像信号処理装置。
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