JP3638596B1 - 光学式美容機器及びそのハンドピース及びそのフィルター - Google Patents

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Abstract

【目的】フィルターの脱落を確実に防止することができ、且つ、フィルターの装着状態を一見して判断することができる光学式美容機器及びそのハンドピース及びそのフィルターを提供すること。
【解決手段】フィルターFは、所定の波長の照射光をカットするフィルター本体3と、フィルター本体3を支持するフィルター支持体4とから構成する。フィルター支持体4は、フィルター本体3がハンドピースHに装着されたか否かを確認するための目印となるとともに、ハンドピースHに連結される連結片5,5を備える。連結片5,5は、ハンドピースHの上面に形成される突出片8に固定具9により固定される。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学式美容機器及びそのハンドピース及びそのフィルターに関し、更に詳しくは、脱毛・美顔その他の美容処理を行う際の安全性を高める技術に関する。
従来より、脱毛用の美容機器として、電気的手法により体毛をカットするもの、化学的手法により体毛を溶かすもの、光学的手法により体毛の組織を破壊するもの(以下、これを「光学式美容機器」という。)等が周知である。そのうち、光学式美容機器は、光源をパルス発光させ、その光を脱毛部分に照射して瞬間的に体毛の組織を破壊する。その一例が特許文献1に開示されている。換言すれば、光学式美容機器は、体毛を一瞬のうちに灰にするものであり、いわば「黒い物」に反応してそれを灰にするという点で、しみ・ソバカス対策その他の美顔用として有効である。
光学式美容機器は、大きく分けると、光源を所定の間隔でパルス発光させる制御を行う装置本体と、脱毛部分や美顔部分に光を直接照射するハンドピースとからなる。そして、照射中の光の波長を可視光領域を含む長波長側にするため(具体的には、400nmより長波長側にするため)、所定の波長の照射光をカットする仕組みを備える。
どの波長の光をカットするかは、脱毛か、美顔かといった美容用途によって決まる。石英ガラスの表面に波長を制限する着色成分を蒸着させたフィルターを光源の正面に設けることによって、所定の波長の照射光の透過を制限している。例えば、脱毛用には赤色のフィルターが、美顔用には黄色のフィルターが使用される。
このように美容目的に応じてフィルターを取り替えるため、従来においては、フィルターがハンドピースに着脱不能に装着されている場合には、ハンドピースを複数種類用意し、脱毛用・美顔用等、美容目的に応じて、これらを取り替える必要があった。
しかしながら、ハンドピースを複数種類用意して、取り替えることは、顧客を待たせるという問題があった。また、装置本体にハンドピースを複数取り付け可能な装置は、コストが高く、広い設置スペースが要るという問題があった。
そのため、異なる着色成分のフィルターを複数枚用意して、フィルターのみを交換して使用することが一般的である。
図8〜図9に、その従来のハンドピースh及びフィルターfを示す。図8は、(a)がフィルター装着前の外観を示した斜視図であり、図9は、フィルター装着後の外観を示した斜視図である。
フィルターfは、石英ガラス製のフィルター本体51と、高分子樹脂製のフィルター支持体52とからなり、フィルター本体51とフィルター支持体52とは接着材によって接着されている。同図に示したように、フィルターfは、フィルター挿入口53からフィルター装入溝54に装入され、また、フィルター支持体52がフィルター装入口53に狭持される。これにより、フィルターfがハンドピースhに装着される。
フィルター支持体52は、フィルター装入口53の対向する二つの壁面からフィルターfを厚さ方向に押しつぶす方向に力を受けて狭持される。これにより、フィルターfは、フィルター脱着方向への脱落が防止されている。従って、フィルターfは、フィルター支持体52がフィルター脱着方向に引っ張られても通常は抜けることはない。また、フィルターfの側縁は、フィルター装入溝54の対向壁54a,54b(図8(b)参照)により狭持又は把持されることによって係止される。これにより、フィルターfは、フィルター脱着方向に対して略垂直な方向への脱落が防止されている。
特開2001−286326
しかしながら、従来のフィルターfを従来のハンドピースhに装着して、ハンドピースを脱毛や美顔に使用すると、フィルターfがフィルター脱着方向に向かって抜け落ちる問題や、フィルターfがフィルター脱着方向にずれてフィルターfとハンドピースhとの間(図9の隙間g参照)から照射光が漏れるという問題が生じた。その原因を調べたところ、フィルター支持体52がハンドピースhの使用時の発熱により溶けたり、何度も着脱を繰り返すうちにフィルター支持体52が摩耗によってすり減ることがわかった。
顧客に対して脱毛・美顔処理を行っている最中にフィルターfが脱落すると、カットすべき高熱のパルス光が直接顧客の皮膚に照射される。そのパワーは、フィルター装着時の2倍に達し火傷につながるという問題があった。
また、フィルター支持体52が熱によって溶けると、脱落しないまでも、脱落しそうな状態となることがある。その場合、図9に示したようにフィルター本体の端側と、フィルター装入溝54との間に隙間gができる。作業者がそれに気付かないまま、顧客に対して脱毛・美顔処理を行えば、直接顧客の皮膚に部分的にカットすべき高熱のパルス光を照射することになり、やはり、火傷につながるという問題があった。
更に、従来のフィルターfは、表側と裏側とがあるが、その見分け方はフィルター支持体52に小さな穴が開いているか否かによるものであった。その形状による差異は、フィルターfをひっくり返してもハンドピースhに装入できる程度の差異であった。従って、作業者がフィルターfの表裏を間違えて取り付けるという問題があった。
更に、従来のフィルターfは、フィルター装入溝54の奥まで挿入されているかが分かりにくいという問題もあった。そのため、フィルターfがしっかりと装着されないまま(例えば、1mm程度の隙間gが開いたまま)、脱毛・美顔処理が行われる場合があり得るという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その第一の目的は、フィルターの脱落を確実に防止することができる光学式美容機器及びそのハンドピース及びそのフィルターを提供することにある。
本発明の第二の目的は、フィルターの装着状態を一見して判断することができる光学式美容機器及びそのハンドピース及びそのフィルターを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る脱毛・美顔その他の美容処理に用いる光学式美容機器のハンドピースのフィルターは、所定の波長の照射光をカットするフィルター本体と、前記フィルター本体を支持するフィルター支持体であって、前記フィルター本体が装入されるスリット孔と、当該フィルターを前記ハンドピースに装着したときに前記フィルター本体が前記照射光が漏れる隙間の無い状態で装着されたか否かを確認するための確認片と、前記ハンドピースに連結される連結片と、を備えたフィルター支持体と、を備えたことを要旨とするものである。
従って、フィルター支持体のスリット孔にフィルター本体が装入されたフィルターは、確認片を目印にして照射光が漏れる隙間の無い状態でハンドピースに装着され、連結片がハンドピースに連結される。
上記課題を解決するために、本発明に係る脱毛・美顔その他の美容処理に用いる光学式美容機器のハンドピースは、所定の波長の照射光をカットするフィルター本体と、前記フィルター本体を支持するフィルター支持体であって、前記フィルター本体が装入されるスリット孔と、当該フィルターを前記ハンドピースに装着したときに前記フィルター本体が前記照射光が漏れる隙間の無い状態で装着されたか否かを確認するための確認片と、前記ハンドピースに連結される連結片と、を備えたフィルター支持体と、を備えた着脱可能なフィルターと、光源の正面に設けられるフィルター装入溝と、前記フィルター装入溝に連通し、前記フィルター本体を装入するためのフィルター装入口と、前記フィルターを前記ハンドピースに装着したときに前記確認片又は前記連結片の少なくともいずれかの部分の形状、大きさ又は位置と、それぞれ略同等の形状、大きさ又は位置を呈する関係で形成される突出片と、を備えたことを要旨とするものである。
この場合に、前記突出片は、前記連結片に連結することができる。
従って、フィルター支持体のスリット孔にフィルター本体が装入されたフィルターは、フィルター装入口からフィルター装入溝に装入される。この際に、確認片又は連結片の少なくともいずれかの部分の形状、大きさ又は位置は、突出片の少なくともいずれかの部分の形状、大きさ又は位置と略同等の関係を呈する。従って、確認片又は連結片を目印にして照射光が漏れる隙間の無い状態でハンドピースに装着され、連結片がハンドピースに連結される。
また、上記課題を解決するために、光学式美容機器に本発明に係るフィルター又はハンドピースを備えるようにしてもよい。
本発明に係る光学式美容機器のハンドピースのフィルターによれば、フィルターのフィルター支持体がハンドピースに連結される連結片を備えたので、フィルターの脱落を確実に防止することができるという効果がある。また、フィルター本体が照射光が漏れる隙間の無い状態で装着されたか否かを確認するための確認片を設けたので、装着状態を一見して判断することができるという効果がある。
本発明に係る光学式美容機器のハンドピースによれば、フィルターのフィルター支持体がハンドピースに連結される連結片を備えたので、フィルターの脱落を確実に防止することができるという効果がある。また、フィルター本体が照射光が漏れる隙間の無い状態で装着されたか否かを確認するための確認片を設けるとともに、確認片又は連結片の少なくともいずれかの部分の形状、大きさ又は位置が、突出片の少なくともいずれかの部分の形状、大きさ又は位置と略同等の関係を呈するため、装着状態を一見して判断することができるという効果がある。これらを備えた光学式美容機器もまた同様の効果を奏する。
以上のことから、本発明に係る光学式美容機器及びそのハンドピース及びそのフィルターは、照射光が漏れる隙間に作業者が一見して気付くことができるため、安全性を高めることができる。
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための一実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る光学式美容機器Mの全体構成を示した概略図である。同図に示したように光学式美容機器Mは、フィルターFが装着され、発光体15を備えたハンドピースHと、装置本体Dとからなる。そして、ハンドピースHと装置本体Dとは、中空のジャバラ状の連結ホース18とその中に収容されるシールド電線19とによって互いに接続されている。
図2は、本発明の一実施形態に係る光学式美容機器MのハンドピースH及びそのフィルターFの外観を、(a)フィルター装着前と、(b)フィルター装着後に分けて示した斜視図、並びに、(c)フィルター装入溝11の斜視図を示したものである。
図1及び図2に示したように、ハンドピースHは、発光体15と図示しない回路基板等とを一体とした収容部材21とを備えた筐体14の正面に吸気用枠体13を取り付けるとともに、フィルター装入溝11にフィルターFを装入して、連結片5,5と突出片8とを固定具9により固定したものである。
装置本体Dは、パルス光の発生及びその制御を行うパルス信号発生部31、ハンドピースHの冷却を行う空冷ポンプ32、美容メニューの選択や各種設定を行うためのタッチパネル33、装置本体Dを起動させ脱毛・美顔その他の美容装置として機能させるためのプログラムを格納したROM34、顧客の美容処理の履歴を記憶したり、運転中の演算データを一時的に格納するためのRAM35、及び、ROM34からプログラムを読み出して装置各部と制御信号の授受を行って装置各部を制御するCPU36等を備える。また、図示を省略するが、装置本体Dは、更に、電源ユニット、電圧変換ユニット、冷却ファン等を備える。
かかる構成を備えた光学式美容機器Mにおいて、パルス信号発生部31は、電源から供給される電力を高圧電力に変換して、CPU36からの制御に従って1秒に1回20msecの長さのパルス信号を発生し、そのパルス信号は、ハンドピースHの発光体15に伝達される。そして、そのパルス信号は、ハンドピースHのスイッチ17のオンオフ操作に従って、発光体15を発光させ、フィルターFを透過したパルス光が被脱毛部位や被美顔部位に照射される。これにより、所望の美容処理が行われる。
また、この間、空冷ポンプ32は、ハンドピースHの正面に設けられる吸気用枠体13との隙間Gその他の筐体14の隙間から、美容処理で破壊された塵状の組織や高温の空気を吸引し、吸引した塵や空気を連結ホース18の中空部分を通して、空冷ポンプ32の図示しない排出口から排出し、又は、図示しない塵貯部に塵を貯める。これによって、被脱毛部位や被美顔部位での塵の残留、照射部位やハンドピースHの高温化が防止されている。
図2に示したように、フィルターFは、フィルター本体3と、フィルター支持体4とから構成される。フィルター本体3は、石英ガラス製であり、その形状が25mm×50mm×1mm程度の扁平な直方体である。フィルター本体3の片面には、用途に応じた波長の光を透過させるため、着色成分が蒸着されている。
具体的には、脱毛用には赤色の着色成分が蒸着され、600nm〜1200nmの波長の光を透過させるフィルター本体3が用いられる。また、美顔用には黄色の着色成分が蒸着され、530nm〜1200nmの波長の光を透過させるフィルター本体3が用いられる。そして、ニキビ肌用には青色の着色成分が蒸着され、400nm〜510nmの波長の光を透過させるフィルター本体3が用いられる。
図3は、フィルター支持体4の(a)正面図、(b)背面図、(c)上面図、(d)底面図、(e)左側面図、(f)右側面図である。また、図4は、ハンドピースHを(a)正面図、(b)左側面図、(c)上面図により示したものであり、図5は、ハンドピースHを(a)背面図、(b)右側面図、(c)底面図により示したものである。また、図6は、ハンドピースHの照射面側に設けられる吸気用枠体13を(a)正面図、(b)背面図、(c)上面図、(d)底面図、(e)左側面図、(f)右側面図により示したものである。
これらの図、並びに、図1及び図2において、フィルター支持体4は、高分子樹脂製の略直方体に、二つの連結片5,5が形成されている。フィルター支持体4は、略直方体の底面側(図3(d)参照)の長手方向中央部に突出形成される装入壁6の内面側に形成されたスリット孔7がフィルター本体3を収容保持する。また、フィルター支持体4は、連結片5,5のみならず、それ以外の部分も、フィルターFをハンドピースHに装着したときにフィルター本体3が照射光が漏れる隙間の無い状態で装着されたか否かを確認するための確認片として機能する。二つの連結片5,5は、ハンドピースHの筐体14の上面に突出して形成される突出片8と、固定具9によって連結される。これにより、フィルターFがハンドピースHから外れることがない。
上述のスリット孔7は、フィルター本体3の端側を狭持しながら収容できる程度の大きさ、すなわち、厚みがフィルター本体3の厚みと同等か稍々小さめ、長手方向がフィルター本体3の幅と同等か稍々大きめ、深さが2mm〜8mm程度の大きさである。これにより、フィルター本体3の端縁を装入して、逆さまにしてもフィルター本体3が脱落しない。実際にフィルター本体3をフィルター支持体4に装着するときには、接着材が併用される。
次に、二つの連結片5,5は、フィルター本体3がフィルター支持体4に装着されたとしたならばフィルター本体3の面方向とは垂直な方向に伸長する態様で、スリット孔7が形成される面に隣接する面上に形成される。また、二つの連結片5,5は、フィルターFがフィルター装入口10を介してフィルター装入溝11に装入され、ハンドピースHに装着されたとしたならば、突出片8をぴったりと狭持する形状・大きさ・位置関係を呈する態様で形成されている。更に、二つの連結片5,5には、スリット孔7の長手方向に平行な方向に円柱状の孔12(以下、「円柱状孔12」という。)が形成されている。
二つの連結片5,5は、フィルターFがハンドピースHに装着されると、ハンドピースHの上面(すなわち、筐体14の上面)に形成される突出片8に密着しながらその両脇に位置する。また、連結片5,5と突出片8との上端面・側壁面は、略同一平面を形成する。そして、二つの連結片5,5に形成された円柱状孔12,12は、ハンドピースHの突出片8の円柱状孔20と連繋して円柱状の空間を形成する位置関係を呈する。そして、フィルター本体3は、上記の位置関係を呈する場合にフィルター本体3がフィルター装入溝11の奥まで隙間無く装入された状態となる大きさとされる。
このように、連結片5,5と突出片8との上端面・側壁面が略同一平面を形成する、又は、連結片5の円柱状孔12と、突出片8の円柱状孔20とが連繋して一つの円柱状の空間を形成することで、フィルター本体3が照射光が漏れる隙間の無い状態でハンドピースHのフィルター装入溝11に装着されたか否かを確認することができる。
筐体14は、高分子樹脂材料を金型成形することによって製造される。筐体14は、二つの成形品を図4のI−I線のところで組み合わせたものである。筐体14のグリップ16は、脱毛・美顔その他の美容処理を作業者が行うときに手で握られるところである。そして、筐体14の表面の操作しやすい位置にスイッチ17が設けられる。
スイッチ17は、連結ホース18に通されるシールド電線19によって装置本体DのCPU36と接続される。スイッチ17の操作をCPU36が検出すると、CPU36は発光体15をパルス発光させるために必要な指令を装置各部に送出する。
フィルター装入口10は、筐体14の上面に幅方向にスリット状に形成された孔であり、フィルターFを着脱するための入り口又は出口となる孔である。フィルター装入口10は、フィルターFが装入されるフィルター装入溝11に連通している。フィルター装入溝11は、断面コ字状又はU字状の正面視が同じくコ字状の形状を有する。
突出片8は、フィルター装入口10の後ろ側に形成されており、フィルターFをハンドピースHに装着すると、連結片5,5の間に位置し、その高さ位置がフィルター支持体4と略同一となる。また、突出片8と、フィルター支持体4のうちフィルター装入口10より外部に露出する部分との関係は次のようになっている。すなわち、突出片8と連結片5,5とは、形状と縦・横・高さの大きさが略同一である。換言すれば、突出片8は、フィルターFをハンドピースHに装着するとフィルター支持体4の間に挟まれて連結片5,5と列立する。また、突出片8と、フィルター支持体4のうち連結片5,5以外の部分とは、高さが略同一である。
突出片8は、フィルター装入口10のスリット方向と同じ方向に円柱状の孔20(以下「円柱状孔20」とする。)が形成される。上述の円柱状孔12と、円柱状孔20とは、フィルターFがハンドピースHに装着されると一つの円柱状の空間を形成する。上述した連結片5,5は、円柱状孔12,20,12に固定具9を挿入することにより、突出片8に固定される。これにより、フィルターFがハンドピースHから外れることが防止される。
固定具9としては、図2に示したプラスチック製のジップロックを用いることができる。本実施形態では、ジップロックで輪を作りそれをつぶしたものを用いている。その一端をとめて環状にしたジップロックを、折り曲げてつぶしたものを円柱状孔12,20に装入すれば、輪になっている部分がプラスチックの弾力でその中で開こうとし、フィルター支持体4と突出片8とが固定される。針金状の金属線の周りをビニールなどで覆ったものを挿入して折り曲げて締着することもできる。
発光体15(図1、図4(a)参照)は、U字状のキセノンランプからなり、パルス信号発生部31(図1参照)からの制御信号を受けて20msecの長さで1秒毎に連続発光させることができる。照射されたパルス光は被脱毛部位や被美顔部位の黒い色に当たったときに熱変換されて、毛の毛根、シミ・ソバカスを一瞬のうちに破壊する。
発光体15の正面には透明無着色のガラス製の保護板22(図2参照)が設けられる。フィルターFが装着されると、保護板22とフィルター本体3とが稍々隙間をあけて重なる。また、発光体15の周囲(側面及び背面)にアルミニウム製の金属板が設けられるとともに、保護板22の正面側の内周面にもアルミニウム製の金属板23(図2及び図4(a)参照)が設けられる。金属板23は、発光体15やこれを発光させる回路基板を収容する高分子樹脂製の収容部材21が、発光体15による熱により焼けないようにするためである。また、発光体15そのものの表面に巻き付いている金属線24は、銅線であり、ランプを光らせるものである。
収容部材21は、筐体14の内部に配置されるものであり、発光体15、フィルター2、図示しない回路基板等を収容するものである。従って、収容部材21の上面には、フィルター装入口10の直下にこれに連通する態様で、フィルターFを装着するためのスリット状の挿入口が形成される。この挿入口を介してフィルター装入口10とフィルター装入溝11とが連通する。収容部材21の照射面側は開口しており、その開口部に発光体15が収容される。収容部材21の開口部端縁周囲には、吸気用枠体13の取付片26を嵌入するための孔40,40…(図2参照)が形成されている。また、この孔40,40…は、取付片26が嵌入されない部分は、吸気用の孔として機能する。
保護板22と、金属板23との間には、フィルターFを装入するための断面コ字状(断面U字状、断面L字状でもよい。)のフィルター装入溝11が形成される。フィルター装入溝11は、その入り口(又は出口)がフィルター装入口10に連通し、正面視では保護板22と略同一の形状を呈する。フィルター装入溝11は、断面コ字状の対向する壁面11a,11bがフィルターFの側縁を係止する。これにより、フィルターFの正面側への脱落が防止される。
吸気用枠体13は、その取付片26が、筐体14に収容される収容部材21の孔40に嵌入される。これによって、吸気用枠体13は、筐体14の照射面正面側に筐体14と稍々隙間を開けて取り付けられる。ハンドピースHと装置本体Dとを連結する連結ホース18の内部にはシールド電線19が通る以外は空洞になっている(図1(b)参照)。
連結ホース18は、空冷ポンプ32の吸気口に連結されている。空冷ポンプ32は、吸気用枠体13と筐体14との間に形成される隙間G、筐体14と収容部材21との間の隙間G、孔40から収容部材21の裏側へ抜ける隙間から連結ホース18を介して吸気を行い、これによって、パルス光によって高温になった空気と、大気中の塵を吸う。これにより、ハンドピースHの高熱化が抑えられ、被脱毛部位や被美顔部位の不快な臭いが機械内部のエアフィルターで脱臭される。
次に、光学式美容機器Mの動作について説明する。
作業者が用途(脱毛・美顔その他の美容処理)に応じたフィルターFを取り出す。フィルターFは、フィルター本体3の端側からフィルター装入口10を介してフィルター装入溝11に装入され、これによって、ハンドピースHに装着される。そして、作業者によりフィルター支持体4の下面が筐体14の上面に密着していること、及び、突出片8と連結片5,5とが密接して列立し、それらの高さ位置が略同一であることが確認される。この確認は目視と触感によって行うことができる。
そして、固定具9が円柱状孔12,20,12にこの順番で通されて、図1(b)に示したように折り曲げられる。これによって、フィルターFがハンドピースHに固定され、ここから外れなくなる。このとき、固定具9はフィルターFがぐらつかないようにするために挿入して装着され、フィルターFの脱落防止具として機能する。そのため、フィルターFはハンドピースHから作業者が知らないうちに抜け落ちることがない。また、フィルター支持体4が、熱で溶けたり、摩擦ですり減ることもない。更に、フィルターFの装着状態を突出片8と連結片5,5との上面高さの揃い具合によって簡単に確認することができるので、常にフィルターFの良好な装着状態を維持することができる。
次に、装置本体Dのスイッチがオンされると、タッチパネルに図7(a)のスタート画面が表示される。「START」ボタンと、「SERVICE」ボタンを選択して押下することができる。「START」ボタンが押されると、タッチパネルに同図(b)のスキンモード画面が表示される。ここでは、美容処理の種類と、肌質とを選択することができる。「赤色フィルター」が脱毛処理に対応し、「黄色フィルター」が美顔処理に対応し、「青色フィルター」がニキビ処理に対応する。美容処理の種類と肌質が選択された後、「NEXT」ボタンが押されると、CPU36は、押下された情報に応じて装置各部に制御命令を出す。装置各部ではCPU36の命令に従った処理や設定が行われる。
次に、タッチパネルに図7(c)の照射モード画面が表示される。ここでは、照射モードを選択することができる。照射モードとは、設定値のパワーで何回に分けて照射するかを示すものであり、「シングルパルス」ボタンが設定値のパワーで1回で照射する照射処理に対応し、「SET1」,「SET2」,「SET3」ボタンがそれぞれ設定値のパワーで3,4,5回に分けて照射される照射処理に対応する。また、「顧客照射回数」の欄はそのときの顧客の照射回数(累計ではない)が表示される。新たな顧客のときは押下によってリセットすることができる。同一顧客の美容処理の途中のときは、リセットしないでそのままにしておけばよい。ここで、いずれかのボタンが押されると、CPU36は、押下された情報に応じて装置各部に制御命令を出す。装置各部ではCPU36の命令に従った処理や設定が行われる。
そして、「START」ボタンが押されると、次の画面に切り替わる。
次に、タッチパネルに図7(d)の運転画面が表示される。スイッチ17を押下するとパルス光の照射ができる状態である。ここでは、「パワーUP」ボタンと、「パワーDOWN」ボタンを押下することによって照射パワーを設定することができる。具体的には、照射レベルを18〜40Jまで0.5J毎に変更することができる。このとき、「フィルター種類」の欄、「肌質」の欄、「照射方法」の欄には、図7(b)のスキンモード画面や、図7(c)の照射モード画面で設定した事項が表示される。そのため、これらを確認しながら作業を行うことができる。CPU36は、押下された数値に応じて装置各部に制御命令を出す。装置各部ではCPU36の命令に従った処理や設定が行われる。
また、図7(a)のスタート画面で、「SERVICE」ボタンが押されると、同図(e)のサービス画面が表示される。「照射総数」の欄には、光学式美容機器Mの使用を開始してから現時点までの照射総数が表示され、照射パワーに関係なく、照射した発数の合計が表示される。光学式美容機器MのフィルターFの交換時期は、照射総数約2万発であるが、照射総数を確認することによって、取り替え時期を知ることができる。「赤色照射総数」,「黄色照射総数」,「青色照射総数」の欄には、各色のフィルターFを用いたときの、光学式美容機器Mの使用を開始してから現時点までの照射総数が表示される。また、「明度調整」ボタンは、これを押下することによってタッチパネル33のコントラストを調整することができる。CPU36は、押下された情報に応じて装置各部に制御命令を出す。装置各部ではCPU36の命令に従った処理や設定が行われる。
装置本体Dが上記のようにして操作される前に、又は、操作される過程において、フィルターFは着脱可能にハンドピースHに装着されるが、突出片8と、連結片5,5との上面位置が略同一高さである。これらの高さを揃わせることを目印に装着することで、フィルターFは、奥まで隙間無く装入される。また、固定具9により、突出片8に連結片5,5が確実に取り付けられる。従って、作業者が知らないうちにフィルターFがハンドピースHから脱落することはない。
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に何ら限定されるものではない。上述した実施の形態においては、固定具9としてプラスチック製のジップロックそ用いたが、金属線をプラスチック樹脂で被覆したものを円柱状孔12,20,12に挿入し、折り曲げ固定してもよい。あるいは、紐状部材を挿入して締縛してもよい。更に、ネジを円柱状孔12,20,12に螺合させてもよい。ネジを螺合させる場合には、円柱状孔12,20,12の内周面にはネジ山が形成される。また、フィルター支持体4に設ける連結片5,5の形状は、三角柱状、円柱状等でもよい。
また、本実施形態においては、突出片8は、フィルター装入口10の後ろ側に形成しているが、前側に形成してもよい。この場合、フィルター支持体4の取り付け状態が、図2等に示したものの照射側と後ろ側とを逆にした態様となる。
本発明に係る光学式美容機器及びそのハンドピース及びそのフィルターは、美容機器の製造メーカーにおいて大量生産され、美容サロンにおいて使用することができる。
本発明の一実施形態に係る光学式美容機器Mの全体構成を示した概略図である。 本発明の一実施形態に係るハンドピースH及びそのフィルターFの外観を、(a)フィルター装着前と、(b)フィルター装着後に分けて示した斜視図、並びに、(c)フィルター装入溝11を示した斜視図である。 フィルター支持体4の(a)正面図、(b)背面図、(c)上面図、(d)底面図、(e)左側面図、(f)右側面図である。 本発明の一実施形態に係るハンドピースHの(a)正面図、(b)左側面図、(c)上面図である。 本発明の一実施形態に係るハンドピースHの(a)背面図、(b)右側面図、(c)底面図である。 吸気用枠体13の(a)正面図、(b)背面図、(c)上面図、(d)底面図、(e)左側面図、(f)右側面図である。 タッチパネル13の表示例を示した図である。 従来のハンドピースh及びそのフィルターfの外観を、(a)フィルター装着前の態様により示した斜視図、及び、(b)フィルター装入溝54を示した斜視図である。 従来のハンドピースh及びそのフィルターfの外観を、フィルター装着後の態様により示した斜視図である。
符号の説明
M 光学式美容機器
H ハンドピース
F フィルター
3 フィルター本体
4 フィルター支持体
5 連結片
6 フィルター挿入壁
7 スリット孔
8 突出片
9 固定具
10 フィルター装入口
11 フィルター装入溝

Claims (4)

  1. 脱毛・美顔その他の美容処理に用いる光学式美容機器のハンドピースのフィルターにおいて、
    所定の波長の照射光をカットするフィルター本体と、
    前記フィルター本体を支持するフィルター支持体であって、前記フィルター本体が装入されるスリット孔と、当該フィルターを前記ハンドピースに装着したときに前記フィルター本体が前記照射光が漏れる隙間の無い状態で装着されたか否かを確認するための確認片と、前記ハンドピースに連結される連結片と、を備えたフィルター支持体と、
    を備えたことを特徴とする光学式美容機器のハンドピースのフィルター。
  2. 脱毛・美顔その他の美容処理に用いる光学式美容機器のハンドピースにおいて、
    所定の波長の照射光をカットするフィルター本体と、前記フィルター本体を支持するフィルター支持体であって、前記フィルター本体が装入されるスリット孔と、当該フィルターを前記ハンドピースに装着したときに前記フィルター本体が前記照射光が漏れる隙間の無い状態で装着されたか否かを確認するための確認片と、前記ハンドピースに連結される連結片と、を備えたフィルター支持体と、を備えた着脱可能なフィルターと、
    光源の正面に設けられるフィルター装入溝と、
    前記フィルター装入溝に連通し、前記フィルター本体を装入するためのフィルター装入口と、
    前記フィルターを前記ハンドピースに装着したときに前記確認片又は前記連結片の少なくともいずれかの部分の形状、大きさ又は位置と、少なくともいずれかの部分がそれぞれ略同等の形状、大きさ又は位置を呈する関係で形成される突出片と、を備えたことを特徴とする光学式美容機器のハンドピース。
  3. 前記突出片は、前記連結片に連結されていることを特徴とする請求項2に記載の光学式美容機器のハンドピース。
  4. 請求項1に記載のフィルター又は請求項2若しくは3に記載のハンドピースを備えたことを特徴とする光学式美容機器。
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