JP3637997B2 - ポンプ装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポンプをインバータ等の可変速手段を用いて所定の圧力で給水するようにしたポンプ装置に係り、特に需要先末端での給水圧力を一定に制御する推定末端圧力一定制御方式のポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポンプの回転速度により適切な目標圧力を逐一演算しながら、ポンプの速度制御をすることにより、高価な流量計を用いなくても、ポンプ吐出側の圧力を所定の目標圧力に制御するポンプ装置が知られている。係るポンプ装置では、配水管末端における需要者側において、所要の圧力、流量を得たいという要請があり、使用水量の変動に対しては、ポンプモータをインバータ等の可変速手段により駆動したターボポンプの回転速度を変化させることによって対応していた。ところがポンプ装置の需要先の末端圧力を使用水量のいかんにかかわらず一定に保つためには、配水管路の使用水量に応じた損失圧力を見込んでポンプの吐出圧力を定める必要がある。
【0003】
図3は、ポンプの運転特性図である。横軸が水量であり、縦軸が揚程であり、曲線Hzxはポンプ回転速度一定の運転特性である。ここで抵抗曲線Rは、ポンプから需要先末端迄の使用水量に応じた管路損失であり、使用水量の略二乗に比例する。従って、ポンプの吐出側の圧力を一定に制御するためには、圧力Pbが一定となるようにポンプの回転速度をHzaとHzbとの間で制御すればよいのであるが、推定末端圧力一定制御においては使用水量に応じた管路損失を見込む必要があるため、この損失を考慮してポンプ回転速度をHzoとHzbとの間で制御する必要がある。
【0004】
図4は、従来のポンプ装置の推定末端圧力一定制御方式のブロック図を示す。このポンプ装置は、ポンプ1と、このポンプの流入側及び吐出側に連結した給水管2と、この給水管のポンプ吐出側の給水圧力を検出する圧力検出器3とを備える。そして、このポンプ1はモータ4により駆動され、モータ4にはインバータ等の可変速手段5から所要の電圧及び周波数の電力が供給され、ポンプが可変速度で運転される。可変速手段5には、回転速度制御手段10から回転速度指令が与えられる。この回転速度指令はポンプ吐出側の実際圧力PVと、可変速手段からの実際の回転速度とに対応した目標圧力出力手段7Aからの目標圧力DVが比較されて、これらが一致するように回転速度が制御される。
【0005】
このように、従来の回転速度制御手段10には、ポンプの実際圧力信号PVと目標圧力信号DVが入力されて、これらが比較されていた。ポンプの吐出圧力信号PVが、例えば0〜1MPaの圧力値を0〜5V(DC)のアナログ信号として伝達する場合、損失圧力分は実揚程と比較すると一般にかなり小さく、たかだか0.1MPaとすると、そのアナログ信号の電圧変化は0〜0.5V(DC)程度と微少であった。またマイコン等により8ビットのデジタルデータとして信号を伝達する場合を考えると、分解能は1MPaを256(step)に分割すると、損失圧力分がたかだか0.1MPaとすると、その内の25(step)の分解能でしか制御できなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みて為されたもので、需要側末端水圧を良好な精度で制御することができる推定末端圧力一定制御方式のポンプ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のポンプ装置は、ポンプと、このポンプの吐出し側に連結した給水管と、この給水管に連結し該給水圧を表す吐出圧力信号PVを出力する圧力検出手段と、ポンプに連結しこれを駆動するモータと、モータを変速させる可変速手段と、ポンプの回転速度を検出して、該回転速度を表す回転速度信号Hzxを出力する回転速度検出手段と、ポンプの回転速度信号Hzxにより表される回転速度に対応する目標損失圧力DSVを出力する目標損失圧力出力手段と、基準圧力を設定し基準圧力信号PBを出力する基準圧力設定手段と、前記圧力検出信号PVと前記基準圧力信号PBの差圧信号DPVを出力する差圧信号出力手段と、前記目標損失圧力DSVに対して差圧信号DPVが一致するように、前記可変速手段へ速度信号MVを出力しポンプを速度制御する回転速度制御手段とを設けてなることを特徴とする。
【0008】
上述した本発明によれば、回転速度制御手段における実際圧力と目標圧力の比較の前段階で、実際圧力から実揚程分を差し引いた実際差圧圧力と、管路損失分のみに相当する目標損失圧力とを比較するようにしたため、損失圧力分の制御を比較器のフルレンジで行うことができる。これにより回転速度制御手段での回転速度の制御が容易となり、且つ精度の高い制御が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態のポンプ装置のブロック図を示す。ポンプ1と、このポンプの流入側と吐出側に連結した給水管2と、ポンプの吐出側の圧力を検出する圧力検出器3と、ポンプを駆動するモータ4と、モータ4に可変周波数/可変電圧を供給する可変速手段5とを備えたポンプ装置の構成は、従来の技術と同様である。
【0011】
この実施形態の制御装置は、ポンプの実揚程に相当する基準圧力の設定手段8と、この圧力PBとポンプ吐出側の圧力を検出する圧力検出器の出力信号PVとを比較してその差圧出力信号DPVを出力する差圧信号出力手段9とを備える。ここで基準圧力設定手段8は例えばボリュームを用いて出力電圧を設定する設定手段であり、差圧信号出力手段9は例えばアナログコンパレータである。回転速度検出手段6では、インバータ等の可変速手段5からモータに指令する実際の回転速度が検出され、Hzxとして出力される。目標損失圧力出力手段7は、入力される回転速度信号Hzxに対応した管路損失分に相当する圧力DSVを出力する手段である。回転速度制御手段10は、目標損失圧力信号DSVとポンプ吐出側の実際圧力から実揚程に相当する基準圧力を差し引いた差圧出力信号DPVとが一致するように可変速手段5へ速度信号MVを出力し、ポンプを速度制御する手段である。回転速度制御手段10は例えばPI制御回路である。本実施形態では、回転速度検出手段6、目標損失圧力出力手段7、回転速度制御手段10はそれぞれマイクロコンピュータ等を用いて演算で処理されている。
【0012】
図2は、本発明の推定末端圧力一定制御方式を従来技術と対比して説明するためのブロック図であり、(A)は従来方式を示し、(B)は本発明の方式を示す。即ち、従来の推定末端圧力一定制御方式が、ポンプの実際の吐出圧力PVとポンプの実際の回転速度から求められる実揚程分に管路損失圧力分を加えた目標圧力SVとを回転速度制御手段10で比較し、これが一致するように可変速手段5に回転速度指令MVを出力するものである。これによりポンプ回転速度は、実際の検出圧力と実揚程に所要の管路損失分が加えられた目標圧力とが一致するように制御される。
【0013】
これに対して本発明の方式では、圧力検出器の実際圧力PVと目標圧力とを比較するのに、目標圧力を実揚程に相当する基準圧力PBと目標損失圧力DSVとに分離し、圧力検出器で検出された実際圧力PVと実揚程に相当する基準圧力PBとの差圧DPVを差圧出力検出手段9で算定する。そしてこの差圧出力DPVと回転速度に対応した目標管路損失である目標損失圧力DSVとを回転速度制御手段10で比較し、これらが一致するように回転速度指令MVを出力する。このように、回転速度制御手段10が実際圧力と回転速度に対応した目標圧力とを比較して、これらが一致するように回転速度制御手段でポンプの回転速度を制御する点において共通するが、比較の対象が差圧圧力DPVと目標損失圧力DSVとである点で相違する。
【0014】
圧力検出手段3より出力されたポンプの実際吐出圧力信号PVは差圧信号出力手段9に入力され、圧力信号PVと基準圧力設定手段8より出力された基準圧力信号PBの差圧信号DPVを出力する。これは上述したようにポンプ吐出側の実際吐出圧力から、使用水量のいかんにかかわらず一定な実揚程に相当する圧力を差し引いた差圧圧力に相当する。
【0015】
一方、回転速度検出手段6よりポンプの回転速度信号Hzxは目標損失圧力出力手段7に入力される。回転速度検出手段6はインバータ等の可変速手段5の速度信号MVをマイコン内で読みとれば、別段特別の機器は必要ない。目標損失圧力出力手段7は、ポンプ回転速度、即ち使用水量に対応したポンプから需要側末端迄の管路損失に相当する損失圧力を演算により出力する手段である。
【0016】
目標損失圧力出力手段7では、例えば
K1=(PA−PB)/(HzO−HzB)
但し;
HzB;基準圧力PBにおける締め切り時の回転速度
HzO;最高回転速度(50Hz又は60Hz)
PA;Hz0におけるポンプ吐出圧力
PB;基準圧力(流量0における目標圧力)
なる演算式によって導かれた係数K1を算出する。そして、回転速度信号Hzxが入ったときの目標損失圧力DSVを、
DSV=K1*(Hzx−HzB)
にて、逐次演算するようになっている。
【0017】
出力された目標損失圧力DSVは、差圧信号出力手段より出力された差圧信号DPVと比較され、回転速度制御手段10でPI制御等により、差圧信号DPVが目標損失圧力信号DSVに一致するように速度制御される。
即ち、回転速度制御手段10は差圧信号DPVが目標損失圧力DSVよりも低い場合は速度信号MVを増速側に、差圧信号DPVが目標損失圧力DSVよりも高い場合は速度信号MVを減速側に、変化させる。
【0018】
速度信号MVは例えば、0〜10V(DC)の電圧信号であり、これを受けた可変速手段5、例えばインバータは0〜10Vをモータの速度信号0〜50Hzに変換し、モータを所定の回転速度に速度制御する。回転速度制御手段10と可変速手段5の間の信号の伝達は、アナログの0〜10V(DC)ではなくシリアル通信により伝えられるデジタルデータであってもよい。
【0019】
上記制御装置の構成によれば、差圧出力DPVが例えば0〜0.1MPaの圧力値を0〜5V(DC)のアナログ信号として伝送するようにフルレンジを設定しておけば、圧力検出器出力の実際圧力から実揚程に相当する圧力を差し引いた差圧圧力の変化が0〜0.1MPaである場合には電圧変化は0〜5V(DC)となり、従来の10倍の精度で制御ができる。
また差圧出力DPVをマイコン等により8ビットのデジタルデータとして伝送する場合を考えると、分解能は損失圧力0.1MPaを8ビットとして256ステップに分割できるため、従来の0〜1MPaをフルレンジとするのと比較して分解能を10倍に改善できる。実際にはマイナスへの振れを考慮する必要があるため±0.1MPaと設定することも考えられる。この場合でも分解能を5倍に改善できる。
【0020】
また、吐出圧力を一定に保ちたい時は、管路の損失圧力がないわけであるから、損失圧力分DSVが常に0となるように制御すればよい。この時には、回転速度制御手段10へ入力される差圧圧力DPVが0になるようにポンプ回転速度が制御される。
【0021】
尚、上記実施形態においては基準圧力設定手段8、差圧信号出力手段9とをアナログ回路で構成する例について説明したが、これらを全てマイクロコンピュータ等のデジタル回路で構成するようにしても勿論よい。この場合には、圧力検出器3のアナログ出力をデジタル出力に変換するA/D変換器等を設けることが必要である。
【0022】
また、上記実施形態のポンプ装置を、その流入側給水管を水道本管等に直結したいわゆる直結型のポンプ装置として用いることができる。この場合には、例えばポンプ流入側に圧力検出器を設け、ポンプ流入側圧力の変動に対応して目標損失圧力出力手段における回転速度の係数Hzo,Hzbを、演算により補正する等の処理が必要である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明はポンプ装置の推定末端圧力一定制御方式において、目標圧力を実揚程相当分と管路損失相当分とに分離して、管路損失相当分をポンプ吐出側実際圧力から実揚程相当分を差し引いた差圧圧力と比較するようにしたものである。従って、管路損失相当分に対する実際の差圧圧力との対比を大きなレンジで行うことができる。それ故、ポンプ装置のハード的な構成を殆ど変更することなく、容易に推定末端圧力一定制御の制御精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のポンプ装置の推定末端圧力一定制御のブロック図。
【図2】推定末端圧力一定制御方式の、(A)従来方式、(B)本発明の方式とを対比したブロック図。
【図3】ポンプの運転特性を示すQ(流量)/揚程(H)線図。
【図4】従来のポンプ装置の推定末端圧力一定制御のブロック図。
【符号の説明】
1 ポンプ
2 給水管
3 圧力検出器
4 モータ
5 可変速手段(インバータ)
6 回転速度検出手段
7 目標損失圧力出力手段
8 基準圧力設定手段
9 差圧信号出力手段
10 回転速度制御手段
【発明の属する技術分野】
本発明はポンプをインバータ等の可変速手段を用いて所定の圧力で給水するようにしたポンプ装置に係り、特に需要先末端での給水圧力を一定に制御する推定末端圧力一定制御方式のポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポンプの回転速度により適切な目標圧力を逐一演算しながら、ポンプの速度制御をすることにより、高価な流量計を用いなくても、ポンプ吐出側の圧力を所定の目標圧力に制御するポンプ装置が知られている。係るポンプ装置では、配水管末端における需要者側において、所要の圧力、流量を得たいという要請があり、使用水量の変動に対しては、ポンプモータをインバータ等の可変速手段により駆動したターボポンプの回転速度を変化させることによって対応していた。ところがポンプ装置の需要先の末端圧力を使用水量のいかんにかかわらず一定に保つためには、配水管路の使用水量に応じた損失圧力を見込んでポンプの吐出圧力を定める必要がある。
【0003】
図3は、ポンプの運転特性図である。横軸が水量であり、縦軸が揚程であり、曲線Hzxはポンプ回転速度一定の運転特性である。ここで抵抗曲線Rは、ポンプから需要先末端迄の使用水量に応じた管路損失であり、使用水量の略二乗に比例する。従って、ポンプの吐出側の圧力を一定に制御するためには、圧力Pbが一定となるようにポンプの回転速度をHzaとHzbとの間で制御すればよいのであるが、推定末端圧力一定制御においては使用水量に応じた管路損失を見込む必要があるため、この損失を考慮してポンプ回転速度をHzoとHzbとの間で制御する必要がある。
【0004】
図4は、従来のポンプ装置の推定末端圧力一定制御方式のブロック図を示す。このポンプ装置は、ポンプ1と、このポンプの流入側及び吐出側に連結した給水管2と、この給水管のポンプ吐出側の給水圧力を検出する圧力検出器3とを備える。そして、このポンプ1はモータ4により駆動され、モータ4にはインバータ等の可変速手段5から所要の電圧及び周波数の電力が供給され、ポンプが可変速度で運転される。可変速手段5には、回転速度制御手段10から回転速度指令が与えられる。この回転速度指令はポンプ吐出側の実際圧力PVと、可変速手段からの実際の回転速度とに対応した目標圧力出力手段7Aからの目標圧力DVが比較されて、これらが一致するように回転速度が制御される。
【0005】
このように、従来の回転速度制御手段10には、ポンプの実際圧力信号PVと目標圧力信号DVが入力されて、これらが比較されていた。ポンプの吐出圧力信号PVが、例えば0〜1MPaの圧力値を0〜5V(DC)のアナログ信号として伝達する場合、損失圧力分は実揚程と比較すると一般にかなり小さく、たかだか0.1MPaとすると、そのアナログ信号の電圧変化は0〜0.5V(DC)程度と微少であった。またマイコン等により8ビットのデジタルデータとして信号を伝達する場合を考えると、分解能は1MPaを256(step)に分割すると、損失圧力分がたかだか0.1MPaとすると、その内の25(step)の分解能でしか制御できなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みて為されたもので、需要側末端水圧を良好な精度で制御することができる推定末端圧力一定制御方式のポンプ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のポンプ装置は、ポンプと、このポンプの吐出し側に連結した給水管と、この給水管に連結し該給水圧を表す吐出圧力信号PVを出力する圧力検出手段と、ポンプに連結しこれを駆動するモータと、モータを変速させる可変速手段と、ポンプの回転速度を検出して、該回転速度を表す回転速度信号Hzxを出力する回転速度検出手段と、ポンプの回転速度信号Hzxにより表される回転速度に対応する目標損失圧力DSVを出力する目標損失圧力出力手段と、基準圧力を設定し基準圧力信号PBを出力する基準圧力設定手段と、前記圧力検出信号PVと前記基準圧力信号PBの差圧信号DPVを出力する差圧信号出力手段と、前記目標損失圧力DSVに対して差圧信号DPVが一致するように、前記可変速手段へ速度信号MVを出力しポンプを速度制御する回転速度制御手段とを設けてなることを特徴とする。
【0008】
上述した本発明によれば、回転速度制御手段における実際圧力と目標圧力の比較の前段階で、実際圧力から実揚程分を差し引いた実際差圧圧力と、管路損失分のみに相当する目標損失圧力とを比較するようにしたため、損失圧力分の制御を比較器のフルレンジで行うことができる。これにより回転速度制御手段での回転速度の制御が容易となり、且つ精度の高い制御が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態のポンプ装置のブロック図を示す。ポンプ1と、このポンプの流入側と吐出側に連結した給水管2と、ポンプの吐出側の圧力を検出する圧力検出器3と、ポンプを駆動するモータ4と、モータ4に可変周波数/可変電圧を供給する可変速手段5とを備えたポンプ装置の構成は、従来の技術と同様である。
【0011】
この実施形態の制御装置は、ポンプの実揚程に相当する基準圧力の設定手段8と、この圧力PBとポンプ吐出側の圧力を検出する圧力検出器の出力信号PVとを比較してその差圧出力信号DPVを出力する差圧信号出力手段9とを備える。ここで基準圧力設定手段8は例えばボリュームを用いて出力電圧を設定する設定手段であり、差圧信号出力手段9は例えばアナログコンパレータである。回転速度検出手段6では、インバータ等の可変速手段5からモータに指令する実際の回転速度が検出され、Hzxとして出力される。目標損失圧力出力手段7は、入力される回転速度信号Hzxに対応した管路損失分に相当する圧力DSVを出力する手段である。回転速度制御手段10は、目標損失圧力信号DSVとポンプ吐出側の実際圧力から実揚程に相当する基準圧力を差し引いた差圧出力信号DPVとが一致するように可変速手段5へ速度信号MVを出力し、ポンプを速度制御する手段である。回転速度制御手段10は例えばPI制御回路である。本実施形態では、回転速度検出手段6、目標損失圧力出力手段7、回転速度制御手段10はそれぞれマイクロコンピュータ等を用いて演算で処理されている。
【0012】
図2は、本発明の推定末端圧力一定制御方式を従来技術と対比して説明するためのブロック図であり、(A)は従来方式を示し、(B)は本発明の方式を示す。即ち、従来の推定末端圧力一定制御方式が、ポンプの実際の吐出圧力PVとポンプの実際の回転速度から求められる実揚程分に管路損失圧力分を加えた目標圧力SVとを回転速度制御手段10で比較し、これが一致するように可変速手段5に回転速度指令MVを出力するものである。これによりポンプ回転速度は、実際の検出圧力と実揚程に所要の管路損失分が加えられた目標圧力とが一致するように制御される。
【0013】
これに対して本発明の方式では、圧力検出器の実際圧力PVと目標圧力とを比較するのに、目標圧力を実揚程に相当する基準圧力PBと目標損失圧力DSVとに分離し、圧力検出器で検出された実際圧力PVと実揚程に相当する基準圧力PBとの差圧DPVを差圧出力検出手段9で算定する。そしてこの差圧出力DPVと回転速度に対応した目標管路損失である目標損失圧力DSVとを回転速度制御手段10で比較し、これらが一致するように回転速度指令MVを出力する。このように、回転速度制御手段10が実際圧力と回転速度に対応した目標圧力とを比較して、これらが一致するように回転速度制御手段でポンプの回転速度を制御する点において共通するが、比較の対象が差圧圧力DPVと目標損失圧力DSVとである点で相違する。
【0014】
圧力検出手段3より出力されたポンプの実際吐出圧力信号PVは差圧信号出力手段9に入力され、圧力信号PVと基準圧力設定手段8より出力された基準圧力信号PBの差圧信号DPVを出力する。これは上述したようにポンプ吐出側の実際吐出圧力から、使用水量のいかんにかかわらず一定な実揚程に相当する圧力を差し引いた差圧圧力に相当する。
【0015】
一方、回転速度検出手段6よりポンプの回転速度信号Hzxは目標損失圧力出力手段7に入力される。回転速度検出手段6はインバータ等の可変速手段5の速度信号MVをマイコン内で読みとれば、別段特別の機器は必要ない。目標損失圧力出力手段7は、ポンプ回転速度、即ち使用水量に対応したポンプから需要側末端迄の管路損失に相当する損失圧力を演算により出力する手段である。
【0016】
目標損失圧力出力手段7では、例えば
K1=(PA−PB)/(HzO−HzB)
但し;
HzB;基準圧力PBにおける締め切り時の回転速度
HzO;最高回転速度(50Hz又は60Hz)
PA;Hz0におけるポンプ吐出圧力
PB;基準圧力(流量0における目標圧力)
なる演算式によって導かれた係数K1を算出する。そして、回転速度信号Hzxが入ったときの目標損失圧力DSVを、
DSV=K1*(Hzx−HzB)
にて、逐次演算するようになっている。
【0017】
出力された目標損失圧力DSVは、差圧信号出力手段より出力された差圧信号DPVと比較され、回転速度制御手段10でPI制御等により、差圧信号DPVが目標損失圧力信号DSVに一致するように速度制御される。
即ち、回転速度制御手段10は差圧信号DPVが目標損失圧力DSVよりも低い場合は速度信号MVを増速側に、差圧信号DPVが目標損失圧力DSVよりも高い場合は速度信号MVを減速側に、変化させる。
【0018】
速度信号MVは例えば、0〜10V(DC)の電圧信号であり、これを受けた可変速手段5、例えばインバータは0〜10Vをモータの速度信号0〜50Hzに変換し、モータを所定の回転速度に速度制御する。回転速度制御手段10と可変速手段5の間の信号の伝達は、アナログの0〜10V(DC)ではなくシリアル通信により伝えられるデジタルデータであってもよい。
【0019】
上記制御装置の構成によれば、差圧出力DPVが例えば0〜0.1MPaの圧力値を0〜5V(DC)のアナログ信号として伝送するようにフルレンジを設定しておけば、圧力検出器出力の実際圧力から実揚程に相当する圧力を差し引いた差圧圧力の変化が0〜0.1MPaである場合には電圧変化は0〜5V(DC)となり、従来の10倍の精度で制御ができる。
また差圧出力DPVをマイコン等により8ビットのデジタルデータとして伝送する場合を考えると、分解能は損失圧力0.1MPaを8ビットとして256ステップに分割できるため、従来の0〜1MPaをフルレンジとするのと比較して分解能を10倍に改善できる。実際にはマイナスへの振れを考慮する必要があるため±0.1MPaと設定することも考えられる。この場合でも分解能を5倍に改善できる。
【0020】
また、吐出圧力を一定に保ちたい時は、管路の損失圧力がないわけであるから、損失圧力分DSVが常に0となるように制御すればよい。この時には、回転速度制御手段10へ入力される差圧圧力DPVが0になるようにポンプ回転速度が制御される。
【0021】
尚、上記実施形態においては基準圧力設定手段8、差圧信号出力手段9とをアナログ回路で構成する例について説明したが、これらを全てマイクロコンピュータ等のデジタル回路で構成するようにしても勿論よい。この場合には、圧力検出器3のアナログ出力をデジタル出力に変換するA/D変換器等を設けることが必要である。
【0022】
また、上記実施形態のポンプ装置を、その流入側給水管を水道本管等に直結したいわゆる直結型のポンプ装置として用いることができる。この場合には、例えばポンプ流入側に圧力検出器を設け、ポンプ流入側圧力の変動に対応して目標損失圧力出力手段における回転速度の係数Hzo,Hzbを、演算により補正する等の処理が必要である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明はポンプ装置の推定末端圧力一定制御方式において、目標圧力を実揚程相当分と管路損失相当分とに分離して、管路損失相当分をポンプ吐出側実際圧力から実揚程相当分を差し引いた差圧圧力と比較するようにしたものである。従って、管路損失相当分に対する実際の差圧圧力との対比を大きなレンジで行うことができる。それ故、ポンプ装置のハード的な構成を殆ど変更することなく、容易に推定末端圧力一定制御の制御精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のポンプ装置の推定末端圧力一定制御のブロック図。
【図2】推定末端圧力一定制御方式の、(A)従来方式、(B)本発明の方式とを対比したブロック図。
【図3】ポンプの運転特性を示すQ(流量)/揚程(H)線図。
【図4】従来のポンプ装置の推定末端圧力一定制御のブロック図。
【符号の説明】
1 ポンプ
2 給水管
3 圧力検出器
4 モータ
5 可変速手段(インバータ)
6 回転速度検出手段
7 目標損失圧力出力手段
8 基準圧力設定手段
9 差圧信号出力手段
10 回転速度制御手段
Claims (1)
- ポンプと、このポンプの吐出し側に連結した給水管と、この給水管に連結し該給水圧を表す吐出圧力信号PVを出力する圧力検出手段と、ポンプに連結しこれを駆動するモータと、モータを変速させる可変速手段と、ポンプの回転速度を検出して、該回転速度を表す回転速度信号Hzxを出力する回転速度検出手段と、ポンプの回転速度信号Hzxにより表される回転速度に対応する目標損失圧力DSVを出力する目標損失圧力出力手段と、基準圧力を設定し基準圧力信号PBを出力する基準圧力設定手段と、前記圧力検出信号PVと前記基準圧力信号PBの差圧信号DPVを出力する差圧信号出力手段と、前記目標損失圧力DSVに対して差圧信号DPVが一致するように、前記可変速手段へ速度信号MVを出力しポンプを速度制御する回転速度制御手段とを設けてなることを特徴とするポンプ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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