JP3637656B2 - 物品真偽判別装置、物品の真偽判別方法および偽造防止物品 - Google Patents
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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、紙幣、有価証券等の真偽判別に用いて好適な物品真偽判別装置、物品の真偽判別方法および偽造防止物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、紙幣、パスポート、クレジットカード、債券、免許証など(以下、偽造防止物品という)の偽造や変造が問題になっており、これらの物品の真正さをチェックする各種の技術が提案されている。
その一つとして、所定の分布パターンで偽造防止物品に金属ファイバを含ませておき、その分布パターンに基づいて紙幣等の真偽を判別する技術が知られている(特表昭63−501250,特開平6−87288,特開平6−79991)。これらの技術によれば、マイクロ波を伝搬する導波管に対して、この導波管を横切るようにスリットが形成される。そして、このスリットに偽造防止物品が挿入され、マイクロ波の透過率が測定される。もし偽造防止物品が正当なものであれば透過率は上記分布パターンに応じて変動する筈であり、かかる透過率の変動が得られたか否かに基づいて偽造防止物品の真偽が判定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した技術においては、何れも所定の分布パターンを形成するために金属ファイバが用いられている。しかし、金属ファイバは入手容易なものであるから、偽造品が簡単に製造されてしまうという問題があった。例えば、特表昭63−501250においては、金属ファイバとして長さ「0.5〜1.5mm」、直径「2〜25μm」のものが用いられているが、これ以外の寸法を有する金属ファイバを用いた場合であっても同様のマイクロ波反射特性を容易に得ることができる。
【0004】
この理由は、本発明者らが検討したところでは、マイクロ波反射特性は金属ファイバの長さに依存する傾向が強く、太さが異なったとしてもマイクロ波反射特性に大きな変動は見られないからである。また、偽造品に用いる金属ファイバの長さ、あるいは材質が真正品のものと相違したとしても、一定面積あたりの金属ファイバの含有率を適宜設定することにより、真正品と同様のマイクロ波反射特性を得ることができる。
【0005】
このように、従来のものにおいては、真正品と同様の特性を有する偽造品を製作することは容易であり、偽造防止物品の真偽を正確に判別することは困難である。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、偽造防止物品の真偽を正確に判別できる物品真偽判別装置、物品の真偽判別方法および偽造防止物品を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1記載の物品真偽判別装置にあっては、被検査物に光を放射する光源と、前記被検査物に向かって電磁波を放射する電磁波発生手段と、前記電磁波発生手段から放射され前記被検査物によって反射、散乱または透過された電磁波を受信し、該受信した電磁波の受信レベルを出力する電磁波受信手段と、前記光源を点灯または消灯状態に適宜設定する点滅制御手段と、前記被検査物に対して前記光源による光および前記電磁波発生手段による電磁波を同時に放射した場合に前記電磁波受信手段により出力される受信レベルと、前記被検査物に対して前記電磁波発生手段による電磁波のみを放射した場合に前記電磁波受信手段により出力される受信レベルとに基づいて、前記被検査物の真偽を判定する判定手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2記載の構成にあっては、請求項1記載の物品真偽判別装置において、前記被検査物は光半導体を含有させた物品であることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3記載の構成にあっては、請求項2記載の物品真偽判別装置において、前記光半導体は、前記光源によって光が照射されると、その導電率が上昇する性質を有し、前記判定手段は、該性質に基づいて前記被検査物の真偽を判定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4記載の物品真偽判別装置にあっては、光半導体を含有させた被検査物に光を放射する光源と、前記被検査物に向かって電磁波を放射する電磁波発生手段と、前記被検査物に対して前記光源による光および前記電磁波発生手段による電磁波を同時に放射した場合に前記電磁波受信手段により出力される受信レベルと、前記被検査物に対して前記電磁波発生手段による電磁波のみを放射した場合に前記電磁波受信手段により出力される受信レベルとに基づいて、前記被検査物の真偽を判定する判定手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5記載の物品の真偽判別方法にあっては、光半導体を含有させた被検査物に対して光を放射し、この光を放射した際に前記被検査物に向かって電磁波を放射し、前記被検査物によって前記電磁波を反射、散乱または透過させ、反射、散乱または透過された電磁波を受信し、前記光および前記電磁波を同時に放射した際に受信した電磁波の受信レベルを第1の受信レベルとして出力し、該第1の受信レベルに基づいて、前記被検査物の真偽を判定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6記載の方法にあっては、請求項5記載の物品の真偽判別方法において、光の放射を禁止しつつ前記被検査物に向かって電磁波を放射し、前記被検査物によって前記電磁波を反射、散乱または透過させ、反射、散乱または透過された電磁波を受信し、前記光の放射を禁止した際に受信した電磁波の受信レベルを第2の受信レベルとして出力し、該第1および第2の受信レベルに基づいて、前記被検査物の真偽を判定することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
A.実施形態の構成
以下、図1を参照してこの発明の一実施形態について説明する。
図において1は偽造防止物品(紙幣、クレジットカード等)であり、搬送ローラ2,2,……によって、図上左右方向に搬送される。これら搬送ローラ2,2,……は、モータ3によって駆動される。4は送信部であり、所定周波数のマイクロ波を発生させる。このマイクロ波はフィードフォーン5を介して偽造防止物品1に放射される。6は光源であり、電球または半導体レーザ等によって構成される。
【0015】
次に、8は受信部であり、偽造防止物品1によって反射または散乱されたマイクロ波をフィードフォーン7を介して受信する。受信部8の内部において9はマイクロ波増幅器であり、フィードフォーン7を介して受信したマイクロ波を増幅し、第1混合器11に供給する。10は第1局部発振器であり、所定の周波数のキャリアを第1混合器11に供給する。これにより、第1混合器11に供給されたマイクロ波の周波数は第1中間周波数に変換される。12は第1中間周波増幅器であり、第1中間周波数に変換された信号を増幅する。
【0016】
14は第2局部発振器、13は第2混合器であり、第1中間周波数に変換された信号をさらに第2中間周波数に変換する。この第2中間周波数の信号は、検波回路16を介して検波され、低周波増幅器17を介して増幅された後、検波信号S1 として出力される。従って、検波信号S1 のレベルは、受信部8に入力されたマイクロ波のRFレベルに比例する値になる。18はA/Dコンバータであり、検波信号S1 をデジタル信号に変換して出力する。
【0017】
次に、19はCPUであり、ROM25に格納された制御プログラムに基づいて他の構成要素を制御する。26はRAMであり、上記制御プログラムで用いられる各種変数等を記憶する。20は光源インターフェース回路であり、CPU19の制御の下、光源6を点灯または消灯させる。21はモータ・インターフェース回路であり、CPU19の制御の下、モータ3を駆動する。22は受信インターフェース回路であり、18を介して受信した検波信号S1 を適宜CPU19に供給する。23は表示インターフェース回路であり、CPU19の制御の下、表示部24に各種の情報を表示させる。
【0018】
次に、本実施形態に適用される偽造防止物品1の物理的構成について説明する。偽造防止物品1は、適宜な方法で光半導体を含有させた物品である。例えば、光半導体の粒子を樹脂内に分散したクレジットカード、光半導体をコーティングした書類、または、光半導体を含有するインクを用いて印刷した有価証券等が該当する。光半導体とは、その吸収する波長の光が照射されると励起状態になり、導電率が上昇する物質のことであり、これにマイクロ波と光とを同時に照射すると、マイクロ波の反射波のレベルが増大する。
【0019】
本実施形態はこの性質を利用したものである。すなわち、商取引等の際に偽造防止物品1にマイクロ波を放射し、マイクロ波および光を同時に放射した場合と、マイクロ波のみを放射した場合とにおける反射波のレベルを比較することにより、偽造防止物品1に光半導体が含まれているか否かを判別することができる。偽造防止物品1に光半導体が含まれていなれば、これは偽物であるから、商取引等を停止するのである。
【0020】
偽造防止物品1に用いられる光半導体としては、無機半導体、有機半導体の何れも使用することができ、判別に使用される光源に対応する分光感度を有していればよい。無機半導体としては、複写機用無機感光体に使用されている材料が各種適用可能であり、具体的には次のような物質が挙げられる。
【0021】
(1)Se,TeなどのVI族、およびその化合物半導体。
(2)Si,Ge,SnなどのIV族、およびその化合物半導体。
(3)GaAs,InPなどのIII−V族、およびその化合物半導体。
(4)ZnO,ZnSe,CdS、などのII−VI族、およびその化合物半導体。
これらは、結晶、非結晶の何れも適用可能である。
【0022】
有機半導体としては、いわゆるOPC(有機感光体)に適用できるものが各種適用可能であり、具体的には次のような化合物が挙げられる。
(1)モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、テトラゾ顔料等のアゾ系顔料。
(2)ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミド等のペリレン系顔料、
(3)アントラキノン誘導体、アントアントロン誘導体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導体、ビオラントロン誘導体、イソビオラントロン誘導体等の多環キノン系顔料。
(4)インジゴ誘導体、チオインジゴ誘導体等のインジゴ系顔料。
(5)銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニン等の金属フタロシアニン顔料。
(6)ジフェニルメタン顔料、トリフェニルメタン顔料、キサンテン顔料、アクリジン顔料等のカルボニウム系顔料。
(7)アジン顔料、オキサジン顔料、チアジン顔料等のキノンイミン系顔料。
【0023】
(8)シアニン顔料、アゾメチン顔料等のメチン系顔料。
(9)キノリン系顔料。
(10)ベンゾキノン、およびナフトキノン系顔料。
(11)ナフタルイミド系顔料。
(12)ビスベンゾイミダゾール誘導体等のペリノン系顔料。
(13)アズレニウム系顔料。
(14)スクエアリウム系顔料。
(15)ピリリウム/チアピリリウム系染料とポリカーボネート化合物から形成される共晶錯体。
(16)ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基等の電子受容性置換基を有する電子受容性化合物と、アミノ基、フェニル基、アルキル基、複素環基等の電子供与性置換基を有する電子供与性化合物との電荷移動錯体。
【0024】
これらの中でも、アゾ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、およびフタロシアニン顔料は、光導電性や耐候性が優れているため特に好ましい。これらは有色性色材でもあるため、塗料やインクとして使用する際には、所望の色を有するものを選択すればよい。使用する際には、光導電性を有していない色材と併用してもよい。これらを塗料やインクにする場合は適宜なバインダー樹脂に分散されるが、カードの場合はベースとなるプラスチック材料に直に分散してもよい(分散比率はバインダー樹脂、またはベースプラスチック材料に対して5〜100重量%が好ましい)。
【0025】
B.実施形態の動作
次に、本実施形態の動作を図2を参照し説明する。
まず、偽造防止物品1が所定の挿入口(図示せず)にセットされると、同図に示す処理が開始される。図において処理がステップSP1に進むと、CPU19によってモータ3が駆動され、搬送ローラ2,2,……によって偽造防止物品1が正方向(図1において左方向)に搬送される。また、この際に送信部4、フィードフォーン5を順次介して偽造防止物品1にマイクロ波が放射される。なお、この時点では光源6は消灯状態にされる。
【0026】
次に、処理がステップSP2に進むと、検波信号S1 は所定値La 以下であるか否かが判定される。ここで、偽造防止物品1は、光源6の消灯時には所定値La 以下の検波信号S1 が得られる程度のマイクロ波反射率を有し、光源6の点灯時には所定値Lb(但しLa<Lb)以上の検波信号S1 が得られる程度のマイクロ波反射率を有する。従って、偽造防止物品1が正当なものであれば、検波信号S1 は所定値La 以下になるから「YES」と判定され、処理がステップSP3に進む。
【0027】
次に、ステップSP3においては光源6が点灯される。そして、ステップSP4においては、モータ3の回転方向が逆転され、偽造防止物品1が逆方向(図1において右方向)に搬送される。そして、処理がステップSP5に進むと、検波信号S1 は所定値Lb 以上であるか否かが判定される。この時点では、光源6が点灯されているから、偽造防止物品1内の光半導体が励起状態になっている。従って、検波信号S1 は所定値Lb 以上になるから「YES」と判定され処理がステップSP6に進む。
【0028】
ステップSP6においては、正当な偽造防止物品1に対応する処理が行われる。この処理の内容は、偽造防止物品1の用途に応じて種々異なる。例えば、偽造防止物品1がクレジットカードであれば金銭取引が行われる。次に、処理がステップSP8に進むと、偽造防止物品1が排出され、光源6が消灯される。なお、上記一連の処理における検波信号S1 の波形を図6の特性L3 に示す。この図においては、上記ステップSP3が実行された(光源6が点灯された)時刻をt1 としている。
【0029】
一方、挿入口に偽造品がセットされた場合の動作を説明する。まず、樹脂や紙などに金属ファイバを散布して偽造品を製造した場合、検波信号S1 は図6の特性L1 ,L2のようになる。これらの特性では、ステップSP2またはSP5の何れかにおいて必ず「NO」と判定され、処理がステップSP7に進む。ここでは偽造品に対応した処理(例えば商取引を停止する、ブザーを鳴らす等)が行われ、ステップSP8を介して偽造品が排出される。
【0030】
また、樹脂や紙などに光半導体を散布して偽造品を製造することは、以下の理由により、一般的にはきわめて困難である。
▲1▼まず、光半導体には多数の種類があるが、光源6の放射光の波長に対して励起されるものを選択しなければ意味をなさない。従って、偽造者は光源6の波長または光半導体の組成を予め知っておく必要がある。
▲2▼また、真正品に用いられている光半導体の組成が偽造者に漏れたとしても、その組成を有する光半導体を実際に製造するためには大規模な設備が必要になる。
▲3▼また、偽造者は、適切な濃度で光半導体を偽造品に散布する必要がある。すなわち、光半導体の濃度が薄い場合、または濃い場合は、検波信号S1 の波形は特性L3 を上下にシフトしたような形になり、ステップSP2またはSP5で「NO」と判定されるからである。
【0031】
以上のように本実施形態によれば、光源6の点灯時および消灯時の双方における検波信号S1 に基づいて、偽造防止物品1の真偽が判定される。従って、偽造品を製造することはきわめて困難になり、その判定結果はきわめて正確なものになる。
【0032】
C.変形例
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
▲1▼上記実施形態において、送信部4、フィードフォーン5、光源6、フィードフォーン7および受信部8は、図3に示すように変形してもよい。図において30はラットレース回路であり、送信部4と受信部8と無反射終端抵抗器31とフィードフォーン32とが接続されている。
送信部4から出力されたマイクロ波は、その「1/2」が無反射終端抵抗器31に吸収され、残り「1/2」がフィードフォーン32を介して偽造防止物品1に放射される。そして、偽造防止物品1で反射または散乱されたマイクロ波がフィードフォーン32を介してラットレース回路30に入射すると、その「1/2」は無反射終端抵抗器31に吸収され、残り「1/2」が受信部8に受信される。
【0033】
▲2▼偽造防止物品1が光を透過する紙幣等であれば、図4に示すように、偽造防止物品1の下方に光源6を設け、ここから光を放射するようにしてもよい。
【0034】
▲3▼上記実施形態においては光源6の点灯/消灯状態を切り換え、モータ3の回転方向を適宜逆転させることによって偽造防止物品1の真偽を判定した。しかし、マイクロ波の送受信部を二系統設け、搬送方向を一方向に固定し、光源6を常時点灯させてもよい。その一例を図5に示す。
図において搬送ローラ2,2,……は偽造防止物品1を一方向(図上で右方向)にのみ搬送する。33はフィードフォーンであり、その上部には図3に示す回路と同様のものが設けられている(但し光源6は設けられていない)。従って、この部分においては、光が偽造防止物品1に放射されない場合における検波信号S1 が得られる。
【0035】
また、フィードフォーン32の開口部には光源6が設けられ、この光源6は常に点灯状態に設定される。また、フィードフォーン32の上部には図3に示す回路と同様のものが設けられている。従って、この部分においては、光が放射された場合の検波信号S1 が得られる。
かかる構成においては複数の偽造防止物品1を連続して搬送することができるから、多数の偽造防止物品を短時間で検査しなければならない場合に用いると特に好適である。
【0036】
▲4▼また、上記実施形態では偽造防止物品1によって反射または散乱されたマイクロ波を受信部8で受信したが、偽造防止物品1を透過したマイクロ波を受信するように構成してもよい。その一例を図7に示す。図において送信部4から出力されたマイクロ波は、エルボー34、導波管35を順次介して受信部8に供給される。ここで、導波管35にはスリット36が形成され、ここに偽造防止物品1が適宜挿入される。また、エルボー34には、偽造防止物品1に光を放射する光源6が埋め込まれている。
【0037】
▲5▼上記実施形態にあっては電磁波の一例としてマイクロ波を用いたが、電磁波はマイクロ波に限定されないことは言うまでもない。
【0038】
▲6▼上記実施形態および各変形例において、偽造防止物品1に散布する光半導体をバーコード状に形成しておき、このバーコードに対応した検波信号S1 が得られるか否かに基づいて偽造防止物品1の真偽を判定してもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、マイクロ波および光を同時に放射した場合と、マイクロ波のみを放射した場合の両状態における反射波の受信レベルに基づいて、被検査物の真偽を判定するから、被検査物の偽造が困難になり、偽造防止物品の真偽を正確に判別できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】 一実施形態の制御プログラムのフローチャートである。
【図3】 一実施形態の変形例の要部の断面図である。
【図4】 一実施形態の変形例の要部の断面図である。
【図5】 一実施形態の変形例の要部の断面図である。
【図6】 検波信号S1の波形図である。
【図7】 一実施形態の変形例の要部の断面図である。
【符号の説明】
1 偽造防止物品(被検査物)
4 送信部(電磁波発生手段)
5 フィードフォーン(電磁波発生手段)
6 光源
7 フィードフォーン(電磁波受信手段)
8 受信部(電磁波受信手段)
19 CPU(判定手段)
【発明の属する技術分野】
この発明は、紙幣、有価証券等の真偽判別に用いて好適な物品真偽判別装置、物品の真偽判別方法および偽造防止物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、紙幣、パスポート、クレジットカード、債券、免許証など(以下、偽造防止物品という)の偽造や変造が問題になっており、これらの物品の真正さをチェックする各種の技術が提案されている。
その一つとして、所定の分布パターンで偽造防止物品に金属ファイバを含ませておき、その分布パターンに基づいて紙幣等の真偽を判別する技術が知られている(特表昭63−501250,特開平6−87288,特開平6−79991)。これらの技術によれば、マイクロ波を伝搬する導波管に対して、この導波管を横切るようにスリットが形成される。そして、このスリットに偽造防止物品が挿入され、マイクロ波の透過率が測定される。もし偽造防止物品が正当なものであれば透過率は上記分布パターンに応じて変動する筈であり、かかる透過率の変動が得られたか否かに基づいて偽造防止物品の真偽が判定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した技術においては、何れも所定の分布パターンを形成するために金属ファイバが用いられている。しかし、金属ファイバは入手容易なものであるから、偽造品が簡単に製造されてしまうという問題があった。例えば、特表昭63−501250においては、金属ファイバとして長さ「0.5〜1.5mm」、直径「2〜25μm」のものが用いられているが、これ以外の寸法を有する金属ファイバを用いた場合であっても同様のマイクロ波反射特性を容易に得ることができる。
【0004】
この理由は、本発明者らが検討したところでは、マイクロ波反射特性は金属ファイバの長さに依存する傾向が強く、太さが異なったとしてもマイクロ波反射特性に大きな変動は見られないからである。また、偽造品に用いる金属ファイバの長さ、あるいは材質が真正品のものと相違したとしても、一定面積あたりの金属ファイバの含有率を適宜設定することにより、真正品と同様のマイクロ波反射特性を得ることができる。
【0005】
このように、従来のものにおいては、真正品と同様の特性を有する偽造品を製作することは容易であり、偽造防止物品の真偽を正確に判別することは困難である。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、偽造防止物品の真偽を正確に判別できる物品真偽判別装置、物品の真偽判別方法および偽造防止物品を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1記載の物品真偽判別装置にあっては、被検査物に光を放射する光源と、前記被検査物に向かって電磁波を放射する電磁波発生手段と、前記電磁波発生手段から放射され前記被検査物によって反射、散乱または透過された電磁波を受信し、該受信した電磁波の受信レベルを出力する電磁波受信手段と、前記光源を点灯または消灯状態に適宜設定する点滅制御手段と、前記被検査物に対して前記光源による光および前記電磁波発生手段による電磁波を同時に放射した場合に前記電磁波受信手段により出力される受信レベルと、前記被検査物に対して前記電磁波発生手段による電磁波のみを放射した場合に前記電磁波受信手段により出力される受信レベルとに基づいて、前記被検査物の真偽を判定する判定手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2記載の構成にあっては、請求項1記載の物品真偽判別装置において、前記被検査物は光半導体を含有させた物品であることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3記載の構成にあっては、請求項2記載の物品真偽判別装置において、前記光半導体は、前記光源によって光が照射されると、その導電率が上昇する性質を有し、前記判定手段は、該性質に基づいて前記被検査物の真偽を判定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4記載の物品真偽判別装置にあっては、光半導体を含有させた被検査物に光を放射する光源と、前記被検査物に向かって電磁波を放射する電磁波発生手段と、前記被検査物に対して前記光源による光および前記電磁波発生手段による電磁波を同時に放射した場合に前記電磁波受信手段により出力される受信レベルと、前記被検査物に対して前記電磁波発生手段による電磁波のみを放射した場合に前記電磁波受信手段により出力される受信レベルとに基づいて、前記被検査物の真偽を判定する判定手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5記載の物品の真偽判別方法にあっては、光半導体を含有させた被検査物に対して光を放射し、この光を放射した際に前記被検査物に向かって電磁波を放射し、前記被検査物によって前記電磁波を反射、散乱または透過させ、反射、散乱または透過された電磁波を受信し、前記光および前記電磁波を同時に放射した際に受信した電磁波の受信レベルを第1の受信レベルとして出力し、該第1の受信レベルに基づいて、前記被検査物の真偽を判定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6記載の方法にあっては、請求項5記載の物品の真偽判別方法において、光の放射を禁止しつつ前記被検査物に向かって電磁波を放射し、前記被検査物によって前記電磁波を反射、散乱または透過させ、反射、散乱または透過された電磁波を受信し、前記光の放射を禁止した際に受信した電磁波の受信レベルを第2の受信レベルとして出力し、該第1および第2の受信レベルに基づいて、前記被検査物の真偽を判定することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
A.実施形態の構成
以下、図1を参照してこの発明の一実施形態について説明する。
図において1は偽造防止物品(紙幣、クレジットカード等)であり、搬送ローラ2,2,……によって、図上左右方向に搬送される。これら搬送ローラ2,2,……は、モータ3によって駆動される。4は送信部であり、所定周波数のマイクロ波を発生させる。このマイクロ波はフィードフォーン5を介して偽造防止物品1に放射される。6は光源であり、電球または半導体レーザ等によって構成される。
【0015】
次に、8は受信部であり、偽造防止物品1によって反射または散乱されたマイクロ波をフィードフォーン7を介して受信する。受信部8の内部において9はマイクロ波増幅器であり、フィードフォーン7を介して受信したマイクロ波を増幅し、第1混合器11に供給する。10は第1局部発振器であり、所定の周波数のキャリアを第1混合器11に供給する。これにより、第1混合器11に供給されたマイクロ波の周波数は第1中間周波数に変換される。12は第1中間周波増幅器であり、第1中間周波数に変換された信号を増幅する。
【0016】
14は第2局部発振器、13は第2混合器であり、第1中間周波数に変換された信号をさらに第2中間周波数に変換する。この第2中間周波数の信号は、検波回路16を介して検波され、低周波増幅器17を介して増幅された後、検波信号S1 として出力される。従って、検波信号S1 のレベルは、受信部8に入力されたマイクロ波のRFレベルに比例する値になる。18はA/Dコンバータであり、検波信号S1 をデジタル信号に変換して出力する。
【0017】
次に、19はCPUであり、ROM25に格納された制御プログラムに基づいて他の構成要素を制御する。26はRAMであり、上記制御プログラムで用いられる各種変数等を記憶する。20は光源インターフェース回路であり、CPU19の制御の下、光源6を点灯または消灯させる。21はモータ・インターフェース回路であり、CPU19の制御の下、モータ3を駆動する。22は受信インターフェース回路であり、18を介して受信した検波信号S1 を適宜CPU19に供給する。23は表示インターフェース回路であり、CPU19の制御の下、表示部24に各種の情報を表示させる。
【0018】
次に、本実施形態に適用される偽造防止物品1の物理的構成について説明する。偽造防止物品1は、適宜な方法で光半導体を含有させた物品である。例えば、光半導体の粒子を樹脂内に分散したクレジットカード、光半導体をコーティングした書類、または、光半導体を含有するインクを用いて印刷した有価証券等が該当する。光半導体とは、その吸収する波長の光が照射されると励起状態になり、導電率が上昇する物質のことであり、これにマイクロ波と光とを同時に照射すると、マイクロ波の反射波のレベルが増大する。
【0019】
本実施形態はこの性質を利用したものである。すなわち、商取引等の際に偽造防止物品1にマイクロ波を放射し、マイクロ波および光を同時に放射した場合と、マイクロ波のみを放射した場合とにおける反射波のレベルを比較することにより、偽造防止物品1に光半導体が含まれているか否かを判別することができる。偽造防止物品1に光半導体が含まれていなれば、これは偽物であるから、商取引等を停止するのである。
【0020】
偽造防止物品1に用いられる光半導体としては、無機半導体、有機半導体の何れも使用することができ、判別に使用される光源に対応する分光感度を有していればよい。無機半導体としては、複写機用無機感光体に使用されている材料が各種適用可能であり、具体的には次のような物質が挙げられる。
【0021】
(1)Se,TeなどのVI族、およびその化合物半導体。
(2)Si,Ge,SnなどのIV族、およびその化合物半導体。
(3)GaAs,InPなどのIII−V族、およびその化合物半導体。
(4)ZnO,ZnSe,CdS、などのII−VI族、およびその化合物半導体。
これらは、結晶、非結晶の何れも適用可能である。
【0022】
有機半導体としては、いわゆるOPC(有機感光体)に適用できるものが各種適用可能であり、具体的には次のような化合物が挙げられる。
(1)モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、テトラゾ顔料等のアゾ系顔料。
(2)ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミド等のペリレン系顔料、
(3)アントラキノン誘導体、アントアントロン誘導体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導体、ビオラントロン誘導体、イソビオラントロン誘導体等の多環キノン系顔料。
(4)インジゴ誘導体、チオインジゴ誘導体等のインジゴ系顔料。
(5)銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニン等の金属フタロシアニン顔料。
(6)ジフェニルメタン顔料、トリフェニルメタン顔料、キサンテン顔料、アクリジン顔料等のカルボニウム系顔料。
(7)アジン顔料、オキサジン顔料、チアジン顔料等のキノンイミン系顔料。
【0023】
(8)シアニン顔料、アゾメチン顔料等のメチン系顔料。
(9)キノリン系顔料。
(10)ベンゾキノン、およびナフトキノン系顔料。
(11)ナフタルイミド系顔料。
(12)ビスベンゾイミダゾール誘導体等のペリノン系顔料。
(13)アズレニウム系顔料。
(14)スクエアリウム系顔料。
(15)ピリリウム/チアピリリウム系染料とポリカーボネート化合物から形成される共晶錯体。
(16)ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基等の電子受容性置換基を有する電子受容性化合物と、アミノ基、フェニル基、アルキル基、複素環基等の電子供与性置換基を有する電子供与性化合物との電荷移動錯体。
【0024】
これらの中でも、アゾ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、およびフタロシアニン顔料は、光導電性や耐候性が優れているため特に好ましい。これらは有色性色材でもあるため、塗料やインクとして使用する際には、所望の色を有するものを選択すればよい。使用する際には、光導電性を有していない色材と併用してもよい。これらを塗料やインクにする場合は適宜なバインダー樹脂に分散されるが、カードの場合はベースとなるプラスチック材料に直に分散してもよい(分散比率はバインダー樹脂、またはベースプラスチック材料に対して5〜100重量%が好ましい)。
【0025】
B.実施形態の動作
次に、本実施形態の動作を図2を参照し説明する。
まず、偽造防止物品1が所定の挿入口(図示せず)にセットされると、同図に示す処理が開始される。図において処理がステップSP1に進むと、CPU19によってモータ3が駆動され、搬送ローラ2,2,……によって偽造防止物品1が正方向(図1において左方向)に搬送される。また、この際に送信部4、フィードフォーン5を順次介して偽造防止物品1にマイクロ波が放射される。なお、この時点では光源6は消灯状態にされる。
【0026】
次に、処理がステップSP2に進むと、検波信号S1 は所定値La 以下であるか否かが判定される。ここで、偽造防止物品1は、光源6の消灯時には所定値La 以下の検波信号S1 が得られる程度のマイクロ波反射率を有し、光源6の点灯時には所定値Lb(但しLa<Lb)以上の検波信号S1 が得られる程度のマイクロ波反射率を有する。従って、偽造防止物品1が正当なものであれば、検波信号S1 は所定値La 以下になるから「YES」と判定され、処理がステップSP3に進む。
【0027】
次に、ステップSP3においては光源6が点灯される。そして、ステップSP4においては、モータ3の回転方向が逆転され、偽造防止物品1が逆方向(図1において右方向)に搬送される。そして、処理がステップSP5に進むと、検波信号S1 は所定値Lb 以上であるか否かが判定される。この時点では、光源6が点灯されているから、偽造防止物品1内の光半導体が励起状態になっている。従って、検波信号S1 は所定値Lb 以上になるから「YES」と判定され処理がステップSP6に進む。
【0028】
ステップSP6においては、正当な偽造防止物品1に対応する処理が行われる。この処理の内容は、偽造防止物品1の用途に応じて種々異なる。例えば、偽造防止物品1がクレジットカードであれば金銭取引が行われる。次に、処理がステップSP8に進むと、偽造防止物品1が排出され、光源6が消灯される。なお、上記一連の処理における検波信号S1 の波形を図6の特性L3 に示す。この図においては、上記ステップSP3が実行された(光源6が点灯された)時刻をt1 としている。
【0029】
一方、挿入口に偽造品がセットされた場合の動作を説明する。まず、樹脂や紙などに金属ファイバを散布して偽造品を製造した場合、検波信号S1 は図6の特性L1 ,L2のようになる。これらの特性では、ステップSP2またはSP5の何れかにおいて必ず「NO」と判定され、処理がステップSP7に進む。ここでは偽造品に対応した処理(例えば商取引を停止する、ブザーを鳴らす等)が行われ、ステップSP8を介して偽造品が排出される。
【0030】
また、樹脂や紙などに光半導体を散布して偽造品を製造することは、以下の理由により、一般的にはきわめて困難である。
▲1▼まず、光半導体には多数の種類があるが、光源6の放射光の波長に対して励起されるものを選択しなければ意味をなさない。従って、偽造者は光源6の波長または光半導体の組成を予め知っておく必要がある。
▲2▼また、真正品に用いられている光半導体の組成が偽造者に漏れたとしても、その組成を有する光半導体を実際に製造するためには大規模な設備が必要になる。
▲3▼また、偽造者は、適切な濃度で光半導体を偽造品に散布する必要がある。すなわち、光半導体の濃度が薄い場合、または濃い場合は、検波信号S1 の波形は特性L3 を上下にシフトしたような形になり、ステップSP2またはSP5で「NO」と判定されるからである。
【0031】
以上のように本実施形態によれば、光源6の点灯時および消灯時の双方における検波信号S1 に基づいて、偽造防止物品1の真偽が判定される。従って、偽造品を製造することはきわめて困難になり、その判定結果はきわめて正確なものになる。
【0032】
C.変形例
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
▲1▼上記実施形態において、送信部4、フィードフォーン5、光源6、フィードフォーン7および受信部8は、図3に示すように変形してもよい。図において30はラットレース回路であり、送信部4と受信部8と無反射終端抵抗器31とフィードフォーン32とが接続されている。
送信部4から出力されたマイクロ波は、その「1/2」が無反射終端抵抗器31に吸収され、残り「1/2」がフィードフォーン32を介して偽造防止物品1に放射される。そして、偽造防止物品1で反射または散乱されたマイクロ波がフィードフォーン32を介してラットレース回路30に入射すると、その「1/2」は無反射終端抵抗器31に吸収され、残り「1/2」が受信部8に受信される。
【0033】
▲2▼偽造防止物品1が光を透過する紙幣等であれば、図4に示すように、偽造防止物品1の下方に光源6を設け、ここから光を放射するようにしてもよい。
【0034】
▲3▼上記実施形態においては光源6の点灯/消灯状態を切り換え、モータ3の回転方向を適宜逆転させることによって偽造防止物品1の真偽を判定した。しかし、マイクロ波の送受信部を二系統設け、搬送方向を一方向に固定し、光源6を常時点灯させてもよい。その一例を図5に示す。
図において搬送ローラ2,2,……は偽造防止物品1を一方向(図上で右方向)にのみ搬送する。33はフィードフォーンであり、その上部には図3に示す回路と同様のものが設けられている(但し光源6は設けられていない)。従って、この部分においては、光が偽造防止物品1に放射されない場合における検波信号S1 が得られる。
【0035】
また、フィードフォーン32の開口部には光源6が設けられ、この光源6は常に点灯状態に設定される。また、フィードフォーン32の上部には図3に示す回路と同様のものが設けられている。従って、この部分においては、光が放射された場合の検波信号S1 が得られる。
かかる構成においては複数の偽造防止物品1を連続して搬送することができるから、多数の偽造防止物品を短時間で検査しなければならない場合に用いると特に好適である。
【0036】
▲4▼また、上記実施形態では偽造防止物品1によって反射または散乱されたマイクロ波を受信部8で受信したが、偽造防止物品1を透過したマイクロ波を受信するように構成してもよい。その一例を図7に示す。図において送信部4から出力されたマイクロ波は、エルボー34、導波管35を順次介して受信部8に供給される。ここで、導波管35にはスリット36が形成され、ここに偽造防止物品1が適宜挿入される。また、エルボー34には、偽造防止物品1に光を放射する光源6が埋め込まれている。
【0037】
▲5▼上記実施形態にあっては電磁波の一例としてマイクロ波を用いたが、電磁波はマイクロ波に限定されないことは言うまでもない。
【0038】
▲6▼上記実施形態および各変形例において、偽造防止物品1に散布する光半導体をバーコード状に形成しておき、このバーコードに対応した検波信号S1 が得られるか否かに基づいて偽造防止物品1の真偽を判定してもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、マイクロ波および光を同時に放射した場合と、マイクロ波のみを放射した場合の両状態における反射波の受信レベルに基づいて、被検査物の真偽を判定するから、被検査物の偽造が困難になり、偽造防止物品の真偽を正確に判別できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】 一実施形態の制御プログラムのフローチャートである。
【図3】 一実施形態の変形例の要部の断面図である。
【図4】 一実施形態の変形例の要部の断面図である。
【図5】 一実施形態の変形例の要部の断面図である。
【図6】 検波信号S1の波形図である。
【図7】 一実施形態の変形例の要部の断面図である。
【符号の説明】
1 偽造防止物品(被検査物)
4 送信部(電磁波発生手段)
5 フィードフォーン(電磁波発生手段)
6 光源
7 フィードフォーン(電磁波受信手段)
8 受信部(電磁波受信手段)
19 CPU(判定手段)
Claims (6)
- 被検査物に光を放射する光源と、
前記被検査物に向かって電磁波を放射する電磁波発生手段と、
前記電磁波発生手段から放射され前記被検査物によって反射、散乱または透過された電磁波を受信し、該受信した電磁波の受信レベルを出力する電磁波受信手段と、
前記被検査物に対して前記光源による光および前記電磁波発生手段による電磁波を同時に放射した場合に前記電磁波受信手段により出力される受信レベルと、前記被検査物に対して前記電磁波発生手段による電磁波のみを放射した場合に前記電磁波受信手段により出力される受信レベルとに基づいて、前記被検査物の真偽を判定する判定手段と
を具備することを特徴とする物品真偽判別装置。 - 前記被検査物は、光半導体を含有させた物品であることを特徴とする請求項1記載の物品真偽判別装置。
- 前記光半導体は、前記光源によって光が照射されると、その導電率が上昇する性質を有し、
前記判定手段は、該性質に基づいて前記被検査物の真偽を判定することを特徴とする請求項2記載の物品真偽判別装置。 - 光半導体を含有させた被検査物に光を放射する光源と、
前記被検査物に向かって電磁波を放射する電磁波発生手段と、
前記電磁波発生手段から放射され前記被検査物によって反射、散乱または透過された電磁波を受信し、該受信した電磁波の受信レベルを出力する電磁波受信手段と、
前記被検査物に対して前記光源による光および前記電磁波発生手段による電磁波を同時に放射した場合に前記電磁波受信手段により出力される受信レベルと、前記被検査物に対して前記電磁波発生手段による電磁波のみを放射した場合に前記電磁波受信手段により出力される受信レベルとに基づいて、前記被検査物の真偽を判定する判定手段と
を具備することを特徴とする物品真偽判別装置。 - 光半導体を含有させた被検査物に対して光を放射し、
この光を放射した際に前記被検査物に向かって電磁波を放射し、
前記被検査物によって前記電磁波を反射、散乱または透過させ、
反射、散乱または透過された電磁波を受信し、
前記光および前記電磁波を同時に放射した際に受信した電磁波の受信レベルを第1の受信レベルとして出力し、
該第1の受信レベルに基づいて、前記被検査物の真偽を判定することを特徴とする物品の真偽判別方法。 - 光の放射を禁止しつつ前記被検査物に向かって電磁波を放射し、
前記被検査物によって前記電磁波を反射、散乱または透過させ、
反射、散乱または透過された電磁波を受信し、
前記光の放射を禁止した際に受信した電磁波の受信レベルを第2の受信レベルとして出力し、
該第1および第2の受信レベルに基づいて、前記被検査物の真偽を判定することを特徴とする請求項5記載の物品の真偽判別方法。
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