JP3637089B2 - 負イオン発生装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、レナード効果を利用して負イオンを発生させる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
雨、その他降水に関連して、水滴が分裂する場合に、付近の空気が電離される現象は、レナード(Lenard)効果として古くから知られている。レナードは、水滴が金属板に衝突して分裂する場合に、付近の空気中にイオンが発生し、且つ分裂した水滴の帯電量の総和は最初の水滴の電気量よりも多くなること、空気中に発生したイオンの電荷の総和と、分裂によって増した水滴の電気量とは相等しいことを実験的に見出したが、その後、シンプソン(Simpson)は、レナードの実験を繰返し、より精密な装置を用いて測定して、水滴が空気中で分裂するだけでレナードと同様な結果が起り得ること、空気中に発生したイオンは水滴の電荷の如何にかかわらず負イオンであること、水滴は分裂の際に発生したイオンと等量の正電荷を得ることを確かめてこれを報告している(気象電気学 畠山 久尚,川野 実 岩波書店 p26〜27参照)。
【0003】
電気の電離によって生ずる負イオンには、人,動物への効果のほか、脱臭,除塵,除菌促進効果,帯電防止効果があるとして最近にわかに負イオンに注目されるようになってきた。特に人,動物への効果に関しては、精神の鎮静作用,催眠作用,疲労防止,疲労回復作用,鎮痛作用,利尿作用,気管支喘息,慢性気管支炎,風邪の軽快化作用,爽快感効果,動物飼育成績向上化作用があることが実験的に実証されており、負イオンのこのような作用を利用するために負イオン発生装置を空調設備に利用する試みが現在盛んに行われている。負イオンを人工的に発生させる代表的な方法としては、従来よりコロナ放電を利用する方法が知られている。この方法は、コロナ放電によって発生した正負イオンのうち、正イオンを捕捉して負イオンを外部へ取出すというものである。しかし、この方法によるときには、副産物として人体に有害なオゾン,窒素酸化物などが発生するという欠点がある。この点、レナード効果によれば、水滴の分裂のみのため、有害成分の発生を伴わずに負イオンを発生させることができる。
【0004】
レナード効果を利用して負イオンを発生させる方法は、例えば特開平4−141179号公報(陰イオン製造方法及びその装置)に記載されている。この先行例に記載された方法は、要するに、微細水滴製造機にて水から微細水滴を発生させると同時に、この微細水滴に風速0.5〜50m/secで空気を吹き込み微細水滴混合空気とし、そのあと、この微細水滴混合空気を分離器に通して少なくとも粒径1μmより大きな微細水滴を分離して超微細水滴混合空気となし、該超微細水滴混合空気1m3中に陰イオン(負イオン)を1.25×109以上発生させるというものである。
【0005】
この先行例によれば、微細水滴の製造機に回転円板や羽根車を使用し、これに高圧水を噴射して水を微細水滴に分裂させている。この先行例では、また、微細水滴の製造機に超音波加湿器を用いる例も記載されているが、要するに水にエネルギーを与え、金属板に衝突させると、微細水滴に分裂し、付近の空気中に負イオンが発生するというレナード効果を忠実に再現したものであると思われる。
【0006】
一方気液分離を行う分離器には、サイクロンセパレータが用いられている。サイクロンセパレータは、風速を上げることによって分離性能を高め、粒径1μmのレベルで気液分離することが可能である。しかも、気液の分離器にサイクロンセパレータを使用すれば、サイクロンセパレータの胴部内壁に水流を噴付けて微細水滴に分裂させることができ、微細水滴の発生と気液の分離の機能を合わせて得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、サイクロンセパレータは、高圧気流の旋回流による遠心力作用を利用して気液分離を行うものであるために、気液分離のために高エネルギーが必要であり、高出力の送風機を要し、また、気液の遠心力分離のためにサイクロンの胴部にある程度の長さを確保しなければならない。このことは負イオン発生装置を小型化するうえに大きな制約となる。
【0008】
たしかに、サイクロンセパレータは、気液分離性能に優れ、気体中から水滴を分離して負イオンを取出す分離器として好適ではあるが、事務所や一般家庭の室内に設置する小型の負イオン発生装置にサイクロンセパレータを取込むことは必ずしも有効とは言えない。もっとも、気体中に含まれた微細水滴は、これを除去する必要はあるが、気液分離は、必ずしも遠心分離によらざるを得ないというものではない。
【0009】
本発明の目的は、特別に分離器を組み込むことなく、空気中に発生させた微細水滴を空気力輸送中に分離して負イオンを含む空気を供給する負イオン発生装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による負イオン発生装置においては、風胴と、水噴射装置と、送風機と、ドレインパンとを有する負イオン発生装置であって、風胴は、気体の出入口を下面に有し、入口より受入れた気体を一巡させて出口より外部へ送気するものであり、内部に渦流発生部を有し、渦流発生部は、風胴内を流動する気体の層流を妨げて渦流を発生させる部分であり、水噴射装置は、ノズルを有し、ノズルは、風胴内を流動する気体中に水を噴出するものであり、送風機は、風胴内に高速気流を生じさせ、気体中に発生した負イオンを空気力輸送するものであり、ドレインパンは、風胴の出口の下方に設置され、風胴内に生じた水滴を受入れて排除するとともに、風胴の出口より送出される気体を衝突反転させて気体中に含まれる水滴の気液分離面を形成し、前記風胴は、入口側流路と出口側流路とを有し、入口側流路と出口側流路とは風胴内で互いに連通し、入口側流路は、角型の内壁を有し、角型の隅部は、気体の渦流発生部を形成し、出口側流路は、気体の流れに滑らかな層流を形成する円弧状壁で囲まれているものである。
【0011】
また、風胴は、入口側流路と出口側流路とを有し、入口側流路と出口側流路とは風胴内で互いに連通し、
入口側流路は、角型の内壁を有し、角型の隅部は、気体の渦流発生部を形成し、
出口側流路は、気体の流れに滑らかな層流を形成する円弧状壁で囲まれているものである。
【0012】
また、風胴の出入口は、仕切板で隔離され、
仕切板は、風胴内を入口側流路と出口側流路とに区画し、気体の流動方向に沿って一定の角度姿勢で設置され、気体の流入側,流出側に対して気体の圧力損失を軽減させるものである。
【0014】
また、風胴内に配管を有し、
配管は、冷暖房用であり、冷水又は熱水を通して風胴中を流動する気体と熱交換させて送出気体の温度を調整するものである。
【0016】
【作用】
本発明においては、風胴内に流入した気体中に水が噴射され、水は、水滴に分裂して空気中に負イオンを発生し、気体が風胴内を折り返し流動する間に風胴の内壁に衝突を繰返し、渦流を生じて負イオンの発生が促進され、風胴より流出した気体は、ドレインパン又は、ドレインパン上に形成される水膜に衝突反転して気体中の水滴が分離除去され、負イオンを含む気体が機外に取り出される。
【0017】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図によって説明する。図3において、本発明装置は、風胴1と、水噴射装置2と、ドレインパン15との組合せを1ユニットUとし、その3ユニットU,U,Uと一基の送風機3を組合せて、ケーシング4に内蔵したものである。風胴1は、気体の流動路を形成するものであり、風胴1内は、図1のように仕切板5によって入口側流路6と出口側流路7とに区画されている。図1を拡大した図4において、仕切板5は垂直軸から一定角度傾斜した姿勢で風胴1内を入口側流路6と出口側流路7とに区画して気体の折り返し流路を形成するとともに、仕切板5の下端は、気体に備えたドレインの水溜め8内に挿入され、風胴1の下面に開口される入口9と出口10とを隔離している。
【0018】
仕切板5の傾斜方向は、入口側流路6に対しては上傾方向,出口側流路7に対しては下傾方向となるように傾き方向が設定され、15°〜25°の角度の傾斜姿勢となっている。入口側流路6を形成する風胴1の内壁の断面形状は角形であり、出口側流路7を形成する風胴内壁の断面形状は円弧状をなしている。
【0019】
さらに、入口側流路6を形成する風胴内壁の平坦な上面11aは、円弧状内壁にほぼ5°の角度で上傾し、垂直に立上る側壁11bに角度をなしてつなげている。また側壁11bの垂直面は、その下縁を45°の角度で一定の範囲を内側に折り返し、さらにその端末を前記仕切板5と直交する角度に折曲させ、これを仕切板5と向き合わせてその間に入口9を形成している。
【0020】
一方、出口側流路7を形成する風胴1の内壁12は一定の半径の円弧面につづき、その下縁を仕切板5と平行に延設し、端部を折曲して第1のエリミネータ16aとし、内壁の平行延長部分12aと、仕切板5との間に出口10を形成したものである。
【0021】
水噴射装置2は、風胴1を横切って円弧状内壁12の中心位置に設置された給水管13と、その周囲に装備したノズル14とからなるものである。給水管13は別途ポンプ(図示略)で汲み上げられた水をノズル14に送水するものであり、ノズル14は、給水管13の周面要所に装備され、風胴1内へ送入される空気の流れに逆らう方向に向けて水を噴出する噴出口を有するものである。実施例では、図2のように給水管13の軸方向,周方向に互いに位置をずらせて一定のピッチでノズル14を装備した例を示している。
【0022】
風胴1の下方には、ドレインパン15が配設され、その端部は上方に立上り、立上り端は内側に折曲して出口10から流出する気体の衝突面としての第2のエリミネータ16bを形成するほか、立上り部分の一部に下傾姿勢で第3のエリミネータ16cを付設している。ドレインパン15上には、堰17が突設され、入口9と出口10とを隔離する仕切板5の下端は、ドレインパン15の堰17の高さ以下に差し込まれ、風胴1の入口9の直下の位置で、水溜め8を形成し、堰17をあふれた水はドレインパン15を通して排水口18より排出される。また、堰17と仕切板5との間の隙間は、過大な空気圧を逃がすバイパス路にもなっている。
【0023】
図3において、送風機3は、ケーシング4の正面中央に設けた吸気窓19を通して外気を吸引し、各ユニットUを経由してケーシング4の送気窓20より外気中に送風するものであり、ケーシング4の上部に装備されている。
【0024】
なお、各ユニットUは、ケーシング4内に上,下3段に設置され、1基の送風機3を共用し、送風機3の吸引力を受けて各ユニットUには、吸気窓19からの外気が送り込まれる。
【0025】
実施例において、送風機3を起動すると、その吸引力によって、ケーシング4の吸気窓19より外気が吸引されて風胴1内を経由し、各ユニットUの風胴1内で発生した負イオンを空気力輸送し、送風機3内を経てケーシング4の送気窓20より負イオンを含む空気が外気中に送気される。
【0026】
本発明において、負イオンの発生メカニズムは次のとおりである。以下に図4を用いて負イオン発生メカニズムを説明する。送風機3の運転に先立ち、給水管13内へ水槽(図示略)内の水を高圧で送水し、各ノズル14より一斉に水を噴出させる。ノズル14から噴出した水は、給水管13の接線方向に飛散し、風胴1の内壁に衝突して分裂し、風胴1内は分裂した水滴で満たされ、大部分は風胴1の内壁を伝って落下する。
【0027】
風胴1の入口側流路6を伝って落下した水は、水溜め8内に充填され、堰17を溢れた水はドレインパン15を通して排水口18に排水され、水槽(図示略)に戻される。送風機3の運転を開始すると、外気は、風胴1の下部に開口された入口9よりユニットの風胴1内に吸引され、入口側流路6から出口側流路7の方向に流れ、各ノズル14から水は、気体の流れの方向に逆らって噴出されることになり、気体の運動エネルギーを受けて水滴の分裂が促進され、レナード効果,シンプソン理論に基づき、多量の負イオンが気体中に発生する。気体が風胴1の入口側流路6内に流入する際には、仕切板5の傾斜方向に沿って流れるために過大な圧力損失は生じないが、基本的には、流入気体は、最初仕切板5に衝突して入口側流路6内へ導入され、風胴1の内壁に次々と衝突を繰り返しつつ入口側流路6から出口側流路7に向かうことになる。特に、入口側流路6の風胴1の内壁は、角型のため、風胴内壁の各隅部で図4に示すように渦流を生じ、渦流中に水滴を渦流に巻き込み、その分裂が一層促進される。
【0028】
出口側流路7においても、流動する気体中に水噴射が引き続き行われ、噴射水は微細水滴に分裂しつつ負イオンを生じる。気体は、出口側流路7を流動中に風胴の内壁に衝突を繰返すが、実施例では基本的に層流をなし、渦流は生じない。しかし、気体が風胴1の内壁に衝突を繰返して流動する間に、いわゆるレナード現象により負イオンが発生し、同時に気体中に含まれる水滴は衝突により、風胴1の円弧状内壁12や仕切板5に付着して気体中から除去されることになる。出口10から下向きに流出した気体は、ドレインパン15に衝突して上向きに反転し、さらに反転後は、第2,第3のエリミネータ16b,16cに順次衝突して気体中に含まれる水滴が気液分離され、各ユニットUの風胴1内で発生した負イオンが空気力輸送されて送気窓20より外気中に送り出される。なお、風胴1の内壁や仕切板5に捕捉された水は、水膜を形成して風胴内壁や仕切板5を伝わりながらドレインパン15上に落下し、入口側流路6側に落下した水は堰止められ、水溜め8を形成して一定の水位を保ち、出口側流路7側よりドレインパン15上に落下した水は、そのまま排水口18を通って水槽(図示略)に戻り、循環を繰り返す。入口側流路6の直下に溜められた水溜め8内の水は、風胴1内に気体が流入する際に、その風圧で一部が吹き飛ばされ、これが微細水滴に分裂し、負イオンの発生効率を高める。
【0029】
入口側流路6を形成する風胴1の側壁と上面11とのなす5°の角度は、気体の衝突並びに渦流発生のために実験的に定められた角度である。本発明において、風胴1内で有効に負イオンを発生させ、さらに有効に気液分離を行うには気体の流速を少なくとも2m/sec以上に保ち、また、気体の空気量に対し、ノズルからの噴射水量を2.5倍以上に維持することが必要である。
【0030】
なお、本発明において、負イオンを発生する空調設備としての使用に備えて風胴1内、特に出口側流路7を形成する風胴1の円弧状内壁12に沿って図1のように冷却水又は熱水を循環させる配管21が付設されている。これによって、風胴1内に流入した気体は、配管21内の冷却水又は熱水と熱交換され、送出気体の温度を所望温度に制御できる。
【0031】
以上実施例では、3ユニットをケーシング内に組み込み、1基の送風機の吸引力を3ユニットに同時に作用させる例を示したが、ケーシング内に組み込むユニットの数は限定されるものではない。ケーシング内に1ユニットと1基の送風機とを組み込んで、装置を小型化することも勿論できる。さらに、ドレインパン15は、気液分離に重要な機能を果たすものであるが、ドレインパン15上の堰17は必ずしも必要ではない。要は、通常の使用時において、風胴1の入口9と出口10とが仕切板5で隔離され、風胴1の出口10から送出される気体をドレインパン15上に衝突反転させて気液分離を行うことである。風胴1の出口10の直下のドレインパン15内には水が溜められていてもよい。ドレインパンに水が溜められているときには気体は水面に衝突反転して気液分離される。渦流発生部は、実施例に限らず、風胴内に衝立などを設け気体の層流を乱すことによって形成できる。
【0032】
(実施例)以下に本発明の実施例を示す。以下に示す仕様の負イオン発生装置を用いてイオンの発生量を測定した。
【0033】
1.ケーシング
(1)寸法 巾(L)1550mm,奥行(W)550mm,高さ(H)1950mm
ユニットの数:3段
2.ユニットの仕様
(1)寸法(M)
◎風胴の寸法 直径(W)300mm×長さ(L)1500mm
(2)入口側流路
渦流発生部:側面と上面のなす角度 95°
風胴の長さ:1500(L)mm
◎入口開口部寸法:64(W)mm×1500(L)mm
◎出口開口部寸法:30(W)mm×1500(L)mm
◎仕切板傾斜角度:23°
◎水溜り及び底部寸法:60(W)mm×1500(L)mm×30(H)mm
◎水槽:500(W)mm×1500(L)mm×250(H)mm
(3)ノズル(ユニット当り)
3.送風機(3段稼動用)
動力:3φ×200V×60Hz×1.5HP
4.ポンプ(3段稼動用)
動力:3φ×200V×60Hz×2HP
【0034】
負イオンの測定には次の機器を使用した。
・風量測定:(株)日吉電機SS製熱線式風速計(AP−120)
・イオン測定(株)ダン化学製 イオンカウンター(87−1001A)
・温湿度計:(株)チノー製小型温湿度記録計(打点式)HN−U2 温湿度センサーHN−L18
【0035】
ノズルからの水の噴射ポンプ圧2.5kg/cm2で水槽内には、水道水を充填し、水を噴射し、送気窓でイオン量を測定したところ、以下の結果が得られた。
イオン量
負イオン量:70,000〜73,000個/cc
正イオン量:1,800〜2,200個/cc
ただし、
風量:52m3/min
入口風速:2.5m/sec
出口風速:3.0m/sec
温度:18℃
湿度:98%RH
【0036】
噴射ポンプ圧力の違いによる負イオンの発生量の変化の結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
表1は、風量を一定にした場合の噴射ポンプ圧力による負イオン発生量を示したが、L/G2.5以上になると負イオン発生量が50,000個/cc以上となった。
【0039】
◎冷暖房用配管
銅管(直径:15.88φmm,表面積:0.05m2/m)を風胴内に設置配置すると、負イオン発生量は約2割程度増加する。この現象は、銅管配置により、これが渦流発生部として機能し、流動気流に渦流が発生したことによるものと考えられる。
【0040】
参考までに風胴に直径300φmm,長さ600mmの円筒を用いたもの(図5)と、さらに図5の円筒内に高さ70mmの衝立を突出させたもの(図6)と、一辺が300mmで、長さ600mmの角管を用いたもの(図7)とをそれぞれ作り、これらを順に参考例1,参考例2,参考例3として送風機の排気口に得られた負イオン量を測定した。なお、入口と出口とを隔離する仕切板は垂直とした。
【0041】
実験結果は次のとおりである。
・送風機 1φ×100V×50Hz×130W
・ポンプ 1φ×100V×50Hz× 60W
・ノズル 0.8mmφ×18個(スパイラル状に配置)
・風胴の入口風速 5m/sec
・ポンプ圧力 2.5kg/cm2
測定結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
参考例1は、風胴が円形断面のため風胴内で気体は層流をなして流れ、風胴内での静圧は小さいが負イオン発生量が少ない。風胴が円形断面であっても、その内部に参考例2のように気体の円滑な流動を妨げる衝立を突設することによって渦流が生じ、負イオン発生量を増大できる。しかし、風胴内の静圧が増大する。これが参考例3のように角型の風胴を用いたときには負イオン量は飛躍的に増大するが、風胴内の静圧もあわせて増大することが分かった。
【0044】
参考例2のように風胴が円形断面であっても、風胴内に衝立を用いることによって、風胴内に送入された気体に渦流が生じて全体として乱流となり、この乱流が負イオンの発生に大きく寄与していることが分かる。参考例2,3のような渦流発生部を有するものも本発明の範囲に含まれるものである。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明によるときには、いわゆるレナード効果とともに風胴内を流動する気体に渦流を生じさせ、気体の渦流中で水を分裂させることにより多量の負イオンを発生させることができ、小動力で運転音が小さい負イオン発生装置を提供でき、風胴の下部に入口と出口を設け、風胴の断面を区画してその内部に気体をほぼ一周させるだけでよく、風胴内より下向きに吹き出した気体をドレインパンの板面又はドレインパン上の水面に衝突反転させて気液の分離を行わせるため、気液の分離にサイクロンセパレータのような格別の装置は不要であり、風胴の流入側流路の断面を角型,流出側流路の断面を円弧形とし、しかも、風胴の入口と出口とを区画する仕切板を傾斜姿勢で配置することにより、気体の流入時,流出時の圧力損失が小さく、また、主として流入側流路内で渦流を発生させるため、風胴内を流動中においても静圧が過大となることがなく、また、暖冷房用配管の組み込みが容易であり、小型で,静粛な室内設置型負イオン発生装置,空調設備を提供できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すユニットの断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】ケーシングに組み込まれた本発明の実施例を示す図である。
【図4】本発明による負イオン発生要領を示す図である。
【図5】参考例1の構成図である。
【図6】参考例2の構成図である。
【図7】参考例3の構成図である。
【符号の説明】
1 風胴
2 水噴射装置
3 送風機
4 ケーシング
5 仕切板
6 入口側流路
7 出口側流路
8 水溜め
9 入口
10 出口
11a 上面
11b 側壁
12 円弧状内壁
13 給水管
14 ノズル
15 ドレインパン
16a,16b,16c エリミネータ
17 堰
18 排水口
19 吸気窓
20 送気窓
21 配管
Claims (3)
- 風胴と、水噴射装置と、送風機と、ドレインパンとを有する負イオン発生装置であって、風胴は、気体の出入口を下面に有し、入口より受入れた気体を一巡させて出口より外部へ送気するものであり、内部に渦流発生部を有し、渦流発生部は、風胴内を流動する気体の層流を妨げて渦流を発生させる部分であり、水噴射装置は、ノズルを有し、ノズルは、風胴内を流動する気体中に水を噴出するものであり、送風機は、風胴内に高速気流を生じさせ、気体中に発生した負イオンを空気力輸送するものであり、ドレインパンは、風胴の出口の下方に設置され、風胴内に生じた水滴を受入れて排除するとともに、風胴の出口より送出される気体を衝突反転させて気体中に含まれる水滴の気液分離面を形成するものであり、前記風胴は、入口側流路と出口側流路とを有し、入口側流路と出口側流路とは風胴内で互いに連通し、入口側流路は、角型の内壁を有し、角型の隅部は、気体の渦流発生部を形成し、出口側流路は、気体の流れに滑らかな層流を形成する円弧状壁で囲まれていることを特徴とする負イオン発生装置。
- 風胴の出入口は、仕切板で隔離され、仕切板は、風胴内を入口側流路と出口側流路とに区画し、気体の流動方向に沿って一定の角度姿勢で設置され、気体の流入側,流出側に対して気体の圧力損失を軽減させるものであることを特徴とする請求項1に記載の負イオン発生装置。
- 風胴内に配管を有し、配管は、冷暖房用であり、冷水又は熱水を通して風胴中を流動する気体と熱交換させて送出気体の温度を調整するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の負イオン発生装置。
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