JP3637026B2 - アロエの佃煮 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アロエの佃煮、詳しくは、苦味が低減されたアロエの佃煮に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アロエには、体に有効な成分が多く含まれており、健康食品として広く知られている。一方、アロエには、アロエ独特の臭みや苦味があるため、そのままでは飲食に適さず、飲食に供するための各種の提案がなされている。
【0003】
例えば、特開平6−292548号公報には、アロエの葉汁100重量部に、蜂蜜50重量部および酢酸5〜10重量部を配合して、アロエ溶液を調製し、このアロエ溶液を、直接飲用したり、各種の食品に添加することが提案されている。
【0004】
また、例えば、特開平9−94057号公報には、アロエの葉100gを、酢45mL、醤油15mL、蜂蜜20g、塩3g、にんにく5g、鰹節2gおよび胡麻5gからなる調味料に漬けたアロエの漬物が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平6−292548号公報に記載のアロエ溶液には、やはりアロエ独特の臭みや苦味が残存するので、そのまま飲用するには不適である。
【0006】
また、特開平9−94057号公報に記載のアロエの漬物は、臭み除去材料としてにんにくを、また、苦味除去材料として蜂蜜を配合するため、苦味や臭みが低減されるものの、やはり臭みや苦味が多少残存するため、そのまま飲食するには限度がある。また、臭み除去材料(にんにくなど)および苦味除去材料(蜂蜜、鰹節など)を配合する必要があるため、味付けがほぼこれらにより決定されてしまい、各人の嗜好に合わせることができないという不具合がある。
【0007】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、臭みや苦味が著しく低減され、各人の嗜好にも合わせることができ、しかも、美味で体に良い、アロエの佃煮を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のアロエの佃煮は、酢に100日以上浸漬したアロエを調味料に配合して煮込むことにより得られることを特徴としている。
【0009】
また、本発明のアロエの佃煮は、浸漬時に、酢とともに甘味料を配合することが好ましい。
【0011】
また、本発明のアロエの佃煮は、前記調味料が、みりん、砂糖、醤油からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0012】
また、本発明のアロエの佃煮は、前記調味料とともに、わかめ、ちりめんじゃこ、昆布、胡麻、山椒および生姜からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加材料を配合して、煮込むことが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のアロエの佃煮は、酢に浸漬したアロエを、調味料を配合して煮込むことにより得ることができる。
【0014】
本発明に用いられるアロエは、特に限定されず、例えば、キダチアロエ、アロエ・ベラ、ケープアロエ、不夜城などが挙げられ、好ましくは、キダチアロエが用いられる。
【0015】
本発明において、アロエは、その葉が用いられ、例えば、生のアロエを水洗した後、葉の表面を簡単に払拭して、裁断機などで、例えば、その長さが3〜4.5cm程度、その幅が3〜5mm程度、その厚みが2〜3mm程度に千切りして用いられる。
【0016】
また、酢は、特に限定されず、例えば、醸造酢(例えば、九重酢など)、合成酢などの通常市販されている食酢が用いられる。
【0017】
そして、アロエを酢に浸漬するには、例えば、所定の容器に、上記のように裁断したアロエを投入して、そのアロエ100重量部に対して、酢を30〜60重量部、好ましくは、40〜50重量部の割合で加え、酢によってアロエが十分に浸されるようにする。なお、浸漬後は、蓋をして塵埃の侵入を防止しておく。
【0018】
また、この浸漬においては、酢とともに甘味料を配合することが好ましい。甘味料を配合することにより、酸味とともに甘味を加えて、より飲食し易くすることができる。甘味料としては、特に制限されないが、砂糖や蜂蜜が好ましく用いられる。砂糖としては、例えば、黒砂糖、赤砂糖、白下糖、粗糖、精製糖など、特に制限されないが、氷砂糖が好ましく用いられる。甘味料の配合割合は、例えば、氷砂糖を用いる場合には、アロエ100重量部に対して、10〜40重量部、好ましくは、20〜30重量部である。
【0019】
さらに、この浸漬においては、嗜好に応じて、例えば、焼酎、果実酒用リキュールなどの酒類を、適宜配合してもよく、その配合割合は、嗜好に応じて適宜決定すればよいが、例えば、アロエ100重量部に対して、5〜15重量部、好ましくは、6〜12重量部である。
【0020】
そして、アロエは、室温、すなわち、0〜35℃、好ましくは、5〜28℃で、100日以上、好ましくは、110〜120日間浸漬する。浸漬日数が100日未満であると、アロエ特有の臭みや苦味が残存する。また、甘味料を配合する場合には、甘味が不足する場合がある。
【0021】
なお、浸漬中は、アロエを浸漬した容器を、なるべく直射日光の当たらない涼しいところに設置しておくことが好ましい。
【0022】
次いで、上記の浸漬日数が経過した後にアロエ(葉肉部)を容器から取り出し、汁気を切った後に、そのアロエに調味料を配合して煮込む。
【0023】
アロエを煮込むには、例えば、容器から取り出したアロエを、鍋などに入れて、さらに嗜好に応じて、特に限定されないが、みりん、砂糖(好ましくは氷砂糖)、醤油などの調味料を、適当量加えて味付けし、その後、水の沸点(100℃)近傍で、1〜5時間、好ましくは、2〜3時間煮込めばよく、好ましくは、食する時にシャリ感がでる程度に煮込めばよい。
【0024】
また、この煮込みにおいては、調味料とともに、特に限定されないが、わかめ、ちりめんじゃこ、昆布、胡麻(好ましくは白胡麻)、山椒(好ましくは粒山椒)、生姜(好ましくは土生姜)などの添加材料を、適宜の大きさに刻んだ後に配合し、アロエをこれら添加材料とともに煮込めば、さらに、嗜好に応じて美味に食することができる。
【0025】
なお、アロエと添加材料との配合割合は、浸漬後の酢を含む状態のアロエ100重量部に対して、添加材料が、例えば、10〜50重量部、好ましくは、20〜40重量部である。
【0026】
このようにして得られるアロエの佃煮は、煮込むことによって、臭みや苦味がほとんど除去されるので、従来のように、にんにくなどの臭み除去材料や、蜂蜜、鰹節などの苦味除去材料を添加しなくてもよく、つまり、そのような臭み除去材料や苦味除去材料によって味が左右されることなく、調味料によって各自の嗜好に応じて、任意の味付けを実現することができる。そのため、このようなアロエの佃煮は、浸漬、調味料さらには添加材料によって、5つの食感(甘い、辛い、酸っぱい、塩っぽい、シャリ感)を実現して、美味で体に良い、健康食品として提供することができる。
【0027】
【実施例】
生のキダチアロエを水洗した後、簡単に払拭して、その葉を、裁断機によって、長さ3.5cm、幅4mm、厚さ2〜3mmに千切りした。
【0028】
千切りしたキダチアロエ4000gを、10L容器に投入し、さらに、この容器に、食酢1800mL、氷砂糖1000gおよび焼酎(アルコール度数35度)360mLを加えた後、酢によってキダチアロエが十分に浸される状態で、室温で110日間浸漬した。
【0029】
その後、容器からキダチアロエを取り出して、汁気を切った後、そのキダチアロエ1000gを鍋に入れ、これに、みりん20mL、氷砂糖100g、醤油180mLの調味料と、昆布330g、土生姜100gの添加材料とを加えて、2時間煮込み、その後、鍋の中で24時間煮含みすることによって、アロエの佃煮を得た。
【0030】
このようにして得られたアロエの佃煮を食したところ、臭みや苦味が全くなく美味に食することができた。
【0031】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のアロエの佃煮は、臭みや苦味がほとんど除去されており、5つの食感(甘い、辛い、酸っぱい、塩っぽい、シャリ感)を実現して、美味で体に良い、健康食品として提供することができる。また、佃煮であるため、酒肴にも好適であり、美味しく体質を整える健康食品として有用である。
Claims (4)
- 酢に100日以上浸漬したアロエを、調味料を配合して煮込むことにより得られることを特徴とする、アロエの佃煮。
- 浸漬時に、酢とともに甘味料を配合することを特徴とする、請求項1に記載のアロエの佃煮。
- 前記調味料が、みりん、砂糖、醤油からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1または2に記載のアロエの佃煮。
- 前記調味料とともに、わかめ、ちりめんじゃこ、昆布、胡麻、山椒および生姜からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加材料を配合して、煮込むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のアロエの佃煮。
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