JP3636828B2 - 揚水器 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、パーコレータとして使用するに好適な揚水器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、湯を循環させてコーヒーを沸かす装置としてパーコレータが知られており、これは、加熱装置上に載置されるポットの上部内に配置され、コーヒー粒を収容する容器底部に多数の細孔を設けたフィルター容器と、ポットの下部内に配置されるラッパ状の集泡管と、同集泡管と前記フィルター容器とを連通する揚水管とからなる揚水器を備えており、ポット内の水を加熱することにより、揚水管内を介して沸騰水をフィルター容器に供給可能に構成したものである。
【0003】
かかる構成により、沸騰した湯を揚水管からフィルター容器内のコーヒー粒を通してポットへ戻すという循環を行い、コーヒー液を得るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した揚水器は、集泡管、揚水管、フィルター容器ともアルミニウム等の金属で形成されているものが殆どであり、以下のような課題を残していた。
【0005】
すなわち、ポット内の水を加熱沸騰させると、沸騰水は集泡管内から揚水管を通って揚水されるが、集泡管が金属製であると熱伝導率が高く、断熱性がないので、熱源に近接し、集泡管により小容積に区画されて沸騰し易い条件下にあるにもかかわらず、集泡管内の水に加えられた熱は集泡管を介して集泡管外の水へ逃げてしまい、集泡管内の沸騰効率を低下させていた。
【0006】
しかも、ポットの材質は、内部が見えるようにガラス製とするか、あるいは、強度の面で優れている金属製とすることが一般的であるが、かかる材質では、ポット自体の断熱性が低いので、水から伝わった熱をポット側壁から外気へ大量に放出し、ますます熱効率を低下させていた。
【0007】
また、できあがったコーヒーをポットからカップへ移したりする場合に、揚水器を取り出さなければならないが、揚水器全体も高温となるので、取り扱う場合に火傷するおそれがあるという問題もあった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明は、ポットの下部内に配置される錐状の集泡管と、同集泡管に連通連結して垂直上方に伸延する揚水管とからなり、ポット内の水を加熱することにより、揚水管内を介して沸騰水を揚水可能に構成すると共に、少なくとも前記集泡管を耐熱性を有し、かつ、熱伝導率の低い材料で形成している。
【0009】
かかる構成により、集泡管内の水が集中的に加熱されることになって沸騰効率が向上し、沸騰水の揚水開始を早めることができる。
【0010】
また、本発明は、ポットの上部内に配置された成分抽出用材料収容容器と、ポットの下部内に配置された錐状の集泡管と、同集泡管と前記成分抽出用材料収容容器とを連通する揚水管とからなり、ポット内の水を加熱することにより、揚水管内を介して沸騰水を成分抽出用材料収容容器に供給可能に構成すると共に、耐熱性を有し、かつ、熱伝導率の低い材料で形成したことにも特徴を有する。
【0011】
したがって、成分抽出用材料収容容器にコーヒー粒、漢方薬や健康茶等を収容した場合、沸騰水の循環が効率的に行われることになり、目的とする煮出し液の抽出を早めることができ、しかも、煮出し液をカップ等に移す際に揚水器を取出す場合も、同揚水器は熱伝導率が低いので、火傷するような高温になることがなく安全である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の揚水器は、ポットの下部内に配置される錐状の集泡管と、同集泡管に連通連結して垂直上方に伸延する揚水管とからなり、ポット内の水を加熱することにより、揚水管内を介して沸騰水を揚水可能に構成すると共に、少なくとも前記集泡管を耐熱性を有し、かつ、熱伝導率の低い材料で形成したものである。
【0013】
また、漢方薬や健康茶等を煮出す煮出し器、あるいは、パーコレータやドリップ式のコーヒーメーカー等に好適に用いることができるように、以下の構成とすることもできる。
【0014】
すなわち、ポットの上部内に配置された成分抽出用材料収容容器と、ポットの下部内に配置された錐状の集泡管と、同集泡管と前記成分抽出用材料収容容器とを連通する揚水管とからなり、ポット内の水を加熱することにより、揚水管内を介して沸騰水を成分抽出用材料収容容器に供給可能に構成し、これを、耐熱性を有し、かつ、熱伝導率の低い材料で形成するものである。
【0015】
かかる構成とすることにより、集泡管が断熱材として機能し、同集泡管内の水に加えられる熱が同管外に逃げることがなく、集泡管内が集中的に加熱されることになって沸騰効率が向上し、沸騰水の揚水開始を早めることができるので、目的とする煮出し液の抽出を早めることができる。
【0016】
ところで、上記集泡管の大径開口部は、ポットに銜えられる熱を効率よく集泡管内の水に伝えることができるように、ポット底壁の集泡管載置用面部と略同面積とすることが好ましく、さらに、前記大径開口部を、ポット内の水を加熱する熱源を覆うことのできる大きさに形成すれば、熱源のサイズが小さくても熱の有効利用を図れ、効率よく集泡管内の水を沸騰させることができる。
【0017】
また、耐熱性を有し、かつ、熱伝導率の低い材料としては、ポリサルフォン樹脂を用いることが好ましい。
【0018】
ポリサルフォン樹脂は、強靱で高い強度を有する熱可塑性樹脂であり、耐熱性及び耐スチーム性がきわめて優れている。
【0019】
また、射出成形や押出成形に使用できるので加工経済性もよく、さらに、透明若しくは淡色な材料であるが、多様な色に着色も可能であり、その軽量性や前記した優れた特性とあいまって広範囲に使用可能な材料として知られている。
【0020】
特に、従来のような金属製のものと異なり、揚水器は軽量となるので、錐状に形成された集泡管が浮きやすくなり、同集泡管外の比較的低温の湯が下部から集泡管内に流入しやすくなるので全体の加熱時間を短縮することができる。
【0021】
さらに、適度な弾力性を有するので、金属製のものと異なり、衝撃等で変形することもない。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1に、本発明に係る揚水器Cを具備する煮出し器Aを示している。
【0024】
煮出し器Aは、被煮出し物として、例えばウーロン茶、ルイボス茶、ギムネマ茶、杜仲茶、アシタ葉茶及びハバナ茶などを収納した健康茶パック23を本発明に係る揚水器Cを用いて熱湯で煎じて飲用に供するものであり、マイコン制御式の加熱台1と、同加熱台1上に別体で載置されるとともに、揚水器Cを収容する湯沸かし用のポット2とを備えている。
【0025】
図1に示すように、加熱台1には、外装ケーシング3の中央部から一端部にかけて平面視して円形のポット載置口3aが形成されている。同ポット載置口3aは、下部の耐熱樹脂からなる火傷防止用の円筒状の遮熱ガード4と、上部筒5により形成されており、遮熱ガード4の上部に、環状の保持金具6を介して加熱板7が配置されている。
【0026】
加熱板7の下方には、サーモスタット8付きのランプホルダ9によって保持されたハロゲンランプ10が配置されている。同ハロゲンランプ10は加熱手段及び発光体として機能する近赤外線発光のランプである。
【0027】
また、前記加熱板7を本実施例では透明としているが、有色のものを使用して前記ハロゲンランプ10のカラーフィルターとして機能させることもできる。
【0028】
ハロゲンランプ10の下方には、反射板11が、反射板取付け部材12を介して遮熱ガード4の下部にビス止めされている。
【0029】
上部筒5の内周面には、載置されたポット2の温度を検出する温度センサ13が取付けられ、また、外装ケーシング3の他端部の下部内には、基盤14、電源ソケット15を有し、温度センサ13からの温度検出信号に基づき加熱温度を調整する制御部16が設けられている。
【0030】
外装ケーシング3の他端部上には、図4に示すような操作ボタンが配置された表示部を有する操作パネル18が取付けられている。同操作パネル18には、スタート・取消ボタン18a、5分の煎じ時間を設定する第1の設定ボタン18b、10分の煎じ時間を設定する第2の設定ボタン18c、30分の煎じ時間を設定する第3の設定ボタン18d及び保温ボタン18eが配設されており、またその他にも操作パネル18には、赤色のLEDランプであるON・OFF確認ランプ18a′、橙色の第1の設定確認ランプ18b′、橙色の第2の設定確認ランプ18c′及び橙色の第3の設定確認ランプ18d′、及び緑色の保温確認ランプ18e′が配設されている。
【0031】
スタート・取消ボタン18aによるON・OFF時に、短いアラームが鳴ると共に、赤色のLEDランプのON・OFF確認ランプ18a′が点灯したり、消灯したりすることにより、煮出し器Aによる加熱の開始と取消とを知らせる。
【0032】
また、橙色の第1の設定確認ランプ18b′、第2の設定確認ランプ18c′及び第3の設定確認ランプ18d′は、それぞれ被煮出し物(ここでは健康茶)の煎じ時間に合わせて、第1〜第3の設定ボタン18b、18c、18dの何れかを押すことで5分、10分、30分という煎じ時間を設定した際に点灯し、煎じ完了時にON・OFF確認ランプ18a′が点滅しながらアラームが短い音で10秒間鳴り続けた後に、この第1の設定確認ランプ18b′と共に消灯する。
【0033】
そして、緑色の保温確認ランプ18e′は、煮出し完了後に制御部16により自動的に保温状態となったり、使用者が保温ボタン18eを押した際に点灯する。
【0034】
なお、温度センサ13がポット2の異常高温状態や、経時的温度変化のない状態を検出することで発見される、水不足やポット2なしの異常時には、スタート・取消ボタン18aがOFFとなるようにしている。なお、図1において17は温度ヒューズである。
【0035】
次に、図2及び図3を参照してポット2を説明する。
【0036】
ポット2は、上部の対向位置に注ぎ口19及び把手20が配設された耐熱ガラス製の透明な円筒状ポットであり、中央上部にガラス製の内視ドーム21が設けられた外蓋22が取付けられている。外蓋22の内面には、煮出し中に浮上する被煮出し物としての健康茶パック23を上方から押さえることのできる円筒皿状の上フィルタ24が設けられている。
【0037】
ポット2内には、ポット下部に配置される錐状、すなわち、ここでは下向きラッパ状とした大口径の集泡管25と、ポット上部に配置される成分抽出用材料収容容器として、健康茶パック23内の健康茶を煮出す煮出し皿26と、これら集泡管25及び煮出し皿26を連結して、ポット2の下部内でハロゲンランプ10により沸騰された水を煮出し皿26へ供給して前記健康茶パック23を浸漬させる揚水管27とからなる揚水器Cが配設されている。また、前記集泡管25の下縁部には、90°毎にポット2下部と集泡管25内との間で水が出入りする4個の切欠部25aが形成されている。
【0038】
上記揚水器Cが本発明の要部をなすもので、同揚水器Cを、耐熱性を有し、かつ、熱伝導率の低い材料で形成したことに特徴がある。
【0039】
本実施例では、揚水器Cを、軽量であり、熱伝導率が低く断熱性が良好で、かつ、耐熱温度が149〜171℃であって、さらに無機酸、アルカリ、塩類溶液への耐薬品性が良好なポリサルフォン樹脂により一体成形している。
【0040】
このように、本実施例では、少なくとも集泡管25が熱伝導率が低く断熱性を有するポリサルフォン樹脂により成形されているので、ポット2下部内の水を、沸騰する集泡管25内部の高温水と、煮出し皿26側から落下してきた低温の煎じ液(煮出し液)とに熱遮断でき、集泡管25内の水に加えられる熱が同集泡管25外に逃げることがないので、集泡管25内が集中的に加熱されることになって沸騰効率が向上し、沸騰水の揚水開始を早めることができる。
【0041】
特に、上記したように、集泡管25は錐状に形成されているが、その下部をなす大径開口部25bは、ポット2底壁の集泡管載置用面部2bと略同面積としており、さらに、本実施例では、前記大径開口部25bを、ポット2内の水を加熱する熱源であるハロゲンランプ10を覆うことのできる大きさに形成している。
【0042】
したがって、ハロゲンランプ10からの熱を、集泡管25の内部の水の加熱に効率良く利用することができる。
【0043】
しかも、ポリサルフォン樹脂の比重は1.2程度であるので、金属製のものに比べてはるかに軽量であり(例えばアルミニウムの比重は2.7である。)、浮き上がりやすくなっているので、同集泡管25内に比べて比較的に低温となる外部の湯を集泡管25内に導入しやすいことからも全体の沸騰時間を短縮することができ、加熱効率が良好となる。
【0044】
さらに、ポリサルフォン樹脂は、加工性が良好で所望する形状への成形が容易であり、また、適度な弾力性を有するので、金属製等と異なり、衝撃等によって変形するおそれもない。
【0045】
また、揚水管27は、この管27内で上昇する沸騰水の対流を起こしながら、同揚水管27の上端に形成した排水口27aから煮出し皿26へ沸騰水を上昇させて供給し貯溜させることのできる太さに調整された管体であり、具体的には、揚水管27の内径を5〜20mm、好ましくは10〜15mmとしている。なお、本実施例では10mmとしている。
【0046】
このような範囲に設定したのは、揚水管27の内径が5mm未満の場合、揚水管27が細くなりすぎて、煮出し皿26への沸騰水の上昇速度が速くなり、揚水管27内を上昇中の沸騰水の一部が集泡管25へ戻る管内対流が生じることなく煮出し皿26へ供給され、これにより健康茶パック23の煎じが十分にできなくなってしまい、また20mmを超えた場合には、揚水管27が太くなりすぎて、ポット下部で加熱された気泡を含む沸騰水を、集泡管25によって揚水管27の流入口27bへ集めても、気泡を含む沸騰水の上昇力では揚水管27を昇りきれずに、健康茶パック23を煮出せなくなるためである。
【0047】
煮出し皿26は、下部が緩やかなラッパ状となった皿部材であり、その中央部の底面が、揚水管27の上端に形成した前記排水口27aに面を揃えて連通連結されている。
【0048】
また、煮出し皿26の底部には、健康茶パック23の載置部材となり、パック入りされていない健康茶などの被煮出し物のこし網ともなる下フィルタ28が取付けられている。すなわち、健康茶パック23は、上、下フィルタ24、28間の空間に収納されている。
【0049】
また、煮出し皿26の上部周面には、所定角度毎に煮出し水をポット2の下部に戻す複数個のオーバーフロー部29が形成されており、煮出し皿26の上端部には、ポット2の上周縁に載置されるフランジ26aが形成されている。
【0050】
ところで、本実施例では、前記揚水器Cを半透明な乳白色としており、透明なポット2及び水を透過した前記ハロゲンランプ10からの光を四方に拡散する中空状光拡散体aとしても機能するようにしている。
【0051】
ここで、本実施例の煮出し器Aの使用方法を説明する。
【0052】
先ず、加熱台1のポット載置口3aから加熱板7上に、集泡管25、揚水管27及び煮出し皿26を収納したポット2を載置する。次に、外蓋22を開けて、健康茶パック23を煮出し皿26の下フィルタ28上に載置する。外蓋22を閉めると、健康茶パック23が上、下フィルタ24、28の空間に配置される。
【0053】
それから、図4に示す第1〜3の設定ボタン18b、18c、18dのうち何れか一つを、健康茶パック23内の健康茶の煎じ時間に合わせて押す(通常の健康茶の場合は、5分間の第1の設定ボタン18bとなる)。これにより、橙色の第1〜3の設定確認ランプ18b′、18c′、18d′の何れかが点灯する(通常は第1の設定確認ランプ18b′である)。
【0054】
次に、加熱台1のスタート・取消ボタン18aを押すと、短いアラームが鳴ると共に、赤色のLEDランプのON・OFF確認ランプ18a′が点灯して、制御部16によりハロゲンランプ10に通電されてポット2の下部内に溜まった水の加熱が開始されると共に、同ハロゲンランプ10の発光により、上記した中空状光拡散体をなす乳白色の部材25〜27が光を四方に拡散し、全体的にぼんやりとした幻想的な発光色を現出する(図2)。
【0055】
この加熱時において、集泡管25が熱伝導率の低いポリサルフォン樹脂により形成されているので断熱材として機能し、集泡管25内の水に加わる熱が集泡管25の外部に逃げることがなく、沸騰効率が向上して揚水開始が早まる。しかも、断熱材として機能する集泡管25の外部にはぬるい水による断熱層が形成されることになので、ガラス製で断熱性のないポット2から熱が外気へ逃げることも防止でき、ポット2内の水全体の沸騰も早まる。
【0056】
図3に示すように、やがてポット2内の水が沸騰してくると、気泡を含む沸騰水は、下向きラッパ状の集泡管25により中央上部へ集められて揚水管27を上昇し、煮出し皿26へと供給される。
【0057】
また、揚水管27の内径は、10mmと、コーヒーなどを煮出すパーコレータの揚水管の内径より大きくなっているので、集泡管25により集められた沸騰水の上昇力ではパーコレータの細い揚水管のように勢い良く煮出し皿26へ上昇できず、この揚水管27中で、沸騰水の一部が集泡管25へと戻る管内対流を起こしながら、徐々に沸騰水の水位が表面積の大きな煮出し皿26へと上がって行く。煮出し皿26内では外気によりとろ火温度まで温度低下されたり、下がり過ぎた場合には揚水管27からの沸騰水の上昇により再び昇温されたりと、このとろ火温度が常に維持されるので、その結果、少量ずつ煮出し皿26へ上昇してきた沸騰水が貯溜されて煮出し皿26内の健康茶パック23が十分浸漬され、所定時間だけじっくりと煮出される。
【0058】
その際、オーバーフローした煎じ水は、オーバーフロー部29からポット下部内へ落下する一方、また一部の煎じ水は、揚水管27の管内での沸騰水の対流に乗じて揚水管27を下ってポット下部内を煎じ水に変えていく。
【0059】
そして、前記したように、煎じ中におけるポット2内の水は、図2に示すように、加熱台1の下部に収納されたハロゲンランプ10により下方からライトアップされているので、使用者は、透明なポット2を通して、半透明な乳白色の集泡管25により集められた多数個の気泡を含む沸騰水が、揚水管27から煮出し皿26へ揚水されて健康茶パック23を煮出している様子を楽しみながら確実に視認することができる。特に、上昇する大小多数個の気泡は、雲のような白い幻影となって輝き、その動きや大きさがはっきりと確認できると共に、使用者の心を和ませることができる。
【0060】
煎じ完了時には、ON・OFF確認ランプ18a′が点滅しながらアラームが短い音で10秒間鳴り続けた後、この確認ランプ18a′は第1の設定確認ランプ18b′と共に消灯する。
【0061】
そして、煎じ完了後に緑色の保温確認ランプ18e′が、マイコン制御部16により自動的に点灯して、所定温度まで温度低下した後、飲み頃の80°前後に保温される。
【0062】
なお、適時において、使用者が保温ボタン18eを押して、保温状態とすることもできる。また、温度センサ13がポット2の異常高温状態や、経時的温度変化のない状態を検出することで発見される、水不足やポットなしの異常時には、スタート・取消ボタン18aがOFFとなるようになっている。
【0063】
その後、外蓋22を開けて収納されている揚水器Cを取出し、把手20を握ってポット2を傾け、注ぎ口19から湯飲み等へ煎じ液を注いでそれを飲む。このときに、揚水器Cは断熱性を有するので高温とはなっておらず、誤って火傷したりするおそれもなく安全である。
【0064】
このように、本実施例の煮出し器Aでは、耐熱性を有し、かつ、熱伝導率の低い材料、すなわち、ポリサルフォン樹脂で形成した揚水器Cを具備しているので、沸騰効率が向上し、健康茶パック23の煮出しを早め、出来上がり時間を短縮することができる。
【0065】
しかも、本実施例では、揚水管27の上端部に形成した排水口27aを、煮出し皿26の底面と連通連結しているので、比較的高温の揚水を煮出し皿26内に供給できると共に、比較的揚水管27の長さが短くなるので、これによっても健康茶パック23の煮出しを短時間で開始することができる。
【0066】
ところで、本実施例では、揚水器Cを集泡管25、煮出し皿26、揚水管27とが一体成形されたものとして説明したが、煮出し皿26を別体として構成することもでき、この場合も同等な効果を奏する。
【0067】
また、図5に示すように、ポット2は、その底壁の集泡管載置用面部2bに凸部2cを形成したものを用いることもできる。
【0068】
この場合、集泡管25の大径開口部25bの径を前記凸部2cの径に対応させておくこととし、揚水器Cをポット2内に収容載置する際にその位置決めが容易となる。さらに、図5に示すように、この場合の加熱台1に前記凸部2cの裏側に形成される凹部2dに対応する凸状ヒータ部Hを設けることができ、ポット2を加熱台1に保持しながら載置することができるとともに、凸状ヒータ部Hが直接的に集泡管25内の水を加熱するので熱効率が向上する。
【0069】
なお、本実施例では揚水器Cを煮出し器Aに適用して説明したが、その他、パーコレータ、ドリップ式のコーヒーメーカー等にも当然適用することができるものである。
【0070】
また、上記してきた実施例では、集泡管25をラッパ状として説明したが、例えば、図6に示した断面側面形状や図7に示した大径開口部25bの形状のものも考えられ、錐状であれば全て含むものである。
【0071】
すなわち、図6(a)は傘状としたもの、(b)は端縁から緩やかに凸状に立ち上がり、その後、漸次凹状となって揚水管27に連設したもの、(c)は椀状としたもの、(d)は端縁から垂直に立ち上がり筒状としたものに、(a)で示した傘状のものを連設したものである。
【0072】
また、図7(a)は角形としたもの、(b)は本実施例でも採用した円形としたもの、(c)は周縁を波形状としたもの、(d)は長円形としたもの、(e)は集泡管25の側面に複数の凹部25cを形成したものである。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0074】
▲1▼ 請求項1記載の本発明では、ポットの下部内に配置されるラッパ状の集泡管と、同集泡管に連通連結して垂直上方に伸延する上昇管とからなり、ポット内の水を加熱することにより、上昇管内を介して沸騰水を揚水可能に構成すると共に、少なくとも前記集泡管を耐熱性を有し、かつ、熱伝導率の低い材料で形成したこととしたので、加熱時には、集泡管が断熱材として機能し、集泡管内の水に加わる熱が集泡管の外部に逃げることがなく、集泡管内の水が集中的に加熱されることになって沸騰効率が向上し、沸騰水の揚水開始を早めることができる。また、断熱材として機能する集泡管の外部にはぬるい水による断熱層が形成されることになので、ポット周壁から熱が外気へ逃げることも防止でき、ポット内の水全体の沸騰を早めることができる。
【0075】
▲2▼ 請求項2記載の本発明では、ポットの上部内に配置された成分抽出用材料収容容器と、ポットの下部内に配置されたラッパ状の集泡管と、同集泡管と前記成分抽出用材料収容容器とを連通する上昇管とからなり、ポット内の水を加熱することにより、上昇管内を介して沸騰水を成分抽出用材料収容容器に供給可能に構成すると共に、耐熱性を有し、かつ、熱伝導率の低い材料で形成したこととしたので、煮出し器、湯沸かし器、コーヒーメーカー等に広く適用することができると共に、上記▲1▼の効果により沸騰水の循環が効率的に行われることになり、目的とする煮出し液の抽出を短時間で行うことができ、しかも、煮出し液をカップ等に移す際に揚水器を取出す場合も、同揚水器は熱伝導率が低いので、火傷するような高温になることがなく安全である。
【0076】
▲3▼ 請求項3記載の本発明では、集泡管の大径開口部は、ポット底壁の集泡管載置用面部と略同面積であることとしたので、ポットに加えらえる熱の殆どを直接的に集泡管内の水に伝えることができ熱効率が向上する。
【0077】
▲4▼ 請求項4記載の本発明では、集泡管の大径開口部を、ポット内の水を加熱する熱源を覆うことのできる大きさに形成したことにより、熱源のサイズが小さくとも熱源からの熱を集泡管内の水の加熱に有効利用することができる。
【0078】
▲5▼ 請求項5記載の本発明では、耐熱性を有し、かつ、熱伝導率の低い材料として、ポリサルフォン樹脂を用いたこととしたので、金属製のものに比べてはるかに軽量であり、揚水器が浮き上がりやすくなっているので、上記集泡管内に比べて比較的に低温となる外部の湯を集泡管内に導入しやすいことから、全体の沸騰時間を短縮することができ、加熱効率が良好となる。さらに、ポリサルフォン樹脂は、加工性が良好で所望する形状への成形が容易であり、また、適度な弾力性を有するので、金属製等と異なり、衝撃等によって変形するおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る揚水器を具備する煮出し器の説明図である。
【図2】ポットの拡大断面図である。
【図3】沸騰状態を示す説明図である。
【図4】加熱装置の操作パネルの拡大正面図である。
【図5】ポット及び加熱台の一形態を示す説明図である。
【図6】集泡管の側面視による形状の一形態を示す説明図である。
【図7】集泡管の大径開口部の形状を示す説明図である。
【符合の説明】
C 揚水器
25 集泡管
26 煮出し皿
27 揚水管

Claims (5)

  1. ポットの下部内に配置される錐状の集泡管と、同集泡管に連通連結して垂直上方に伸延する揚水管とからなり、ポット内の水を加熱することにより、揚水管内を介して沸騰水を揚水可能に構成すると共に、少なくとも前記集泡管を耐熱性を有し、かつ、熱伝導率の低い材料で形成したことを特徴とする揚水器。
  2. ポットの上部内に配置された成分抽出用材料収容容器と、ポットの下部内に配置された錐状の集泡管と、同集泡管と前記成分抽出用材料収容容器とを連通する揚水管とからなり、ポット内の水を加熱することにより、揚水管内を介して沸騰水を成分抽出用材料収容容器に供給可能に構成すると共に、耐熱性を有し、かつ、熱伝導率の低い材料で形成したことを特徴とする揚水器。
  3. 上記集泡管の大径開口部は、ポット底壁の集泡管載置用面部と略同面積であることを特徴とする請求項1または2に記載の揚水器。
  4. 上記集泡管の大径開口部を、ポット内の水を加熱する熱源を覆うことのできる大きさに形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の揚水器。
  5. 耐熱性を有し、かつ、熱伝導率の低い材料として、ポリサルフォン樹脂を用いたことを特徴とする請求項1または2に記載の揚水器。
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