JP3636689B2 - 箱の封緘機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、みかん等の出荷に際し、その梱包箱を自動的に封緘する封緘機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の封緘機として、特許第2978151号に示されたものが知られている。この封緘機は、図6に示すように、コンベヤ50の始端部上方にリング51を設け、その前後直近に接着剤吐出装置52を配置し、コンベヤ50の終端側へかけて、ローラー式のガイド53を設けた構成となっている。
【0003】
この封緘機を用いてみかんを梱包するには、開口縁に内フラップ2及び外フラップ3を備えた箱1にみかんを詰め、箱1を内フラップ2を予め折り曲げた状態でコンベヤ50の始端部に載せる。
【0004】
この状態において、内フラップ2はリング51で押さえられ、内フラップ2の表面に接着剤吐出装置52により接着剤が塗布される。
【0005】
続いて、箱1は、コンベヤ50の終端側へ移送されつつ、外フラップ3がガイド53により折り曲げられ、内フラップ2に押し付けられて接着される。
【0006】
ここで、接着剤吐出装置52は、図7に示すように、接着剤を貯留するタンク54の下部にニードル弁55とノズル56とを設けたのもであり、タンク54の内部はピストン57で加圧されている。
【0007】
このニードル弁55は、ソレノイド58により開閉され、ノズル56は、二股に分かれた流路59から内フラップ2の二箇所に向けて接着剤を吐出する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような封緘機において、内フラップ2に外フラップ3を強力に押し付けて確実に封緘するには、コンベヤ50とガイド53の間隔を狭くしなければならず、そのような狭小な間隔に箱1を送り込むには、大きな動力を要するという問題がある。また、このとき、ガイド53との摩擦により、箱1の天面に傷がつくこともある。
【0009】
また、みかんのサイズ差により生じるフラップ2,3の沈み込みや浮き上がりに対応するには、コンベヤ50とガイド53の間隔を調整しなければならず、この作業に多大な手間がかかるという問題もある。
【0010】
さらに、フラップ2,3を接着剤が硬化するまで押圧しつつ、次の箱1への接着剤塗布などを行うには、コンベヤ50とガイド53を延長する必要があり、封緘機の設置に大きなスペースを要するという問題もある。
【0011】
そのほか、接着剤吐出装置52においては、ノズル56の二股に分かれた流路59に接着剤が詰まりやすく、ノズル56は交換できないため、みかんの出荷時期が終わって長期間使用しなかった封緘機を次の出荷時期に使い始めるとき、硬化した接着剤の除去に手間がかかるという問題もある。
【0012】
そこで、この発明は、箱を傷つけることなく小動力で確実に封緘でき、収納物の容積に応じた調整が不要で、設置スペースをとらず、メンテナンスも容易な封緘機を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明に係る封緘機では、開口縁に内フラップ及び外フラップを備えた箱をコンベヤで移送しつつ、内フラップを折曲状態に保持して、その表面に接着剤を塗布し、外フラップをガイドに沿わせて折り曲げ、内フラップに押し付けて接着する箱の封緘機において、外フラップをスプリングで付勢された押圧板で軽く押さえつつ、箱をコンベヤの終端から排出し、箱が停止した状態で、押圧板をシリンダで強く押して、外フラップを内フラップに圧着することとしたのである。
【0014】
このように構成すると、コンベヤの終端部では、外フラップを押圧板で軽く押さえているだけなので、小さな動力で箱を移送でき、箱天面の傷つきも防止される。また、収納物の容積にかかわらず、フラップが一定の強さで押されて圧着されるので、調整の手間を要することなく、確実に封緘することができる。
【0015】
さらに、箱をコンベヤの終端から排出し、箱が停止した状態でフラップを接着するので、接着剤の硬化時間を確保するためにコンベヤを延長する必要もなく、コンパクトなものとすることができる。
【0016】
また、接着剤を貯留するタンクの下部に、接着剤の出止を切り換えるニードル弁ごとに、ノズルを着脱自在に取り付けると、流路に詰まった接着剤の除去等、ノズルのメンテナンスが容易になり、ノズルを開口径の異なるものに交換して、接着剤の吐出量を調整することもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0018】
図1及び図2に示すように、この封緘機では、基枠4の高さ方向中間部に箱1の移送台5が設けられ、移送台5にはコンベヤ6が備えられている。コンベヤ6は、チェーン7に箱1の後面を押すバー8を設けたものであり、移送台5の下方のモータ9で駆動される。
【0019】
コンベヤ6の始端側には、供給台10が揺動自在に設けられ、コンベヤ6の終端側には、排出台11が固定されている。基枠4の上部には上枠12が、両側部には一対の側枠13がそれぞれ設けられ、上枠12及び側枠13は、封緘する箱のサイズに応じ、アジャスタ14により位置調整されて固定される。
【0020】
コンベヤ6の始端部上方には、基端部が上枠12に軸支され、先端部にローラ15を備えたアーム16が設けられており、このアーム16は、上枠12に設けられたシリンダ17の駆動に伴い揺動する。
【0021】
アーム16の下流側には、上枠12から吊り下げられるように、上流側が跳ね上がった2本の押圧板18,19が設けられている。一方の押圧板18は、上枠12に設けられたシリンダ20の駆動に伴い上流側及び下流側へスライド可能とされ、他方の押圧板19は、上枠12に固定されている。
【0022】
コンベヤ6の中間部上方には、ホットメルト接着剤を貯留するタンク21が設けられ、このタンク21は上枠12に固定されている。タンク21には、シリンダ22で開閉するニードル弁23が2個横に並べて設けられ、各ニードル弁23の下方には、それぞれノズル24が取り付けられている。
【0023】
タンク21の側方からコンベヤ6の終端側に至る部分には、上枠12に吊下支持された一対のガイド25が設けられ、これらのガイド25は、コンベヤ6の終端側へかけて、徐々に高さが下がり、間隔が狭くなるように配置されている。
【0024】
コンベヤ6の終端側には、上枠12から後枠26が付設され、後枠26の下面には、上流側が跳ね上がり、下流側が二股に分かれた押圧板27が設けられている。押圧板27は、スプリング28で下方に付勢され、後枠26に設けられたシリンダ29のロッド30で押圧されるようになっている。
【0025】
上記のような封緘機を用いてみかんを梱包するには、みかんを収納した箱1を供給台10に載せ、コンベヤ6の始端部まで押し込む。そして、箱1が所定の位置まで押し込まれると、アーム16が揺動し、そのローラ15に押されて、後側の内フラップ2が折り曲げられる。
【0026】
次に、箱1は、コンベヤ6のバー8に後面を押されて下流側へ移動し、このとき押圧板18が上流側へスライドして、前側の内フラップ2が折り曲げられ、タンク21の下方へ送られる。
【0027】
ここで、ニードル弁23が開いて、ノズル24から噴出した接着剤が箱1の進行に伴い前側及び後側の内フラップ2に順次2箇所ずつ塗布される。
【0028】
続いて、箱1がさらに進行すると、両側の外フラップ3がガイド25に沿って折り曲げられ、スプリング28で付勢された押圧板27で軽く押さえられつつ、箱1がコンベヤ6の終端から排出され、排出台11に移載される。
【0029】
その後、箱1が停止した状態で、図3に示すように、押圧板27がシリンダ29のロッド30で強く押され、外フラップ3が内フラップ2に圧着される。
【0030】
そして、次の箱1が押圧板27の下方に進入する前に、シリンダ29のロッド30が上昇し、封緘された箱1が次の箱1により押し出される。
【0031】
このように、上記封緘機では、箱1が排出台11に移載される際、外フラップ3を押圧板27で軽く押さえているだけなので、小さな動力で箱1を移送でき、外フラップ3の傷つきも防止される。
【0032】
また、収納物の容積にかかわらず、フラップ2,3がシリンダ29のロッド30により一定の強さで押されて封緘されるので、みかんのサイズに応じて押圧力を調整する手間もかからない。
【0033】
さらに、箱1をコンベヤ6の終端から排出し、箱1が停止した状態でフラップ2,3を接着するので、連続して封緘作業を行う場合にも、接着剤の硬化時間を確保するためにコンベヤ6を延長する必要がなく、コンパクトなものとすることができる。
【0034】
なお、この封緘機では、コンベヤ6を間欠運転するインターバル調整用タイマを備えているため、気温等の変動に伴い接着剤の硬化時間が変化しても、コンベヤ6の運転間隔を変化させて、接着剤の硬化時間を確保することができる。
【0035】
ここで、ホットメルト接着剤を貯留するタンク21には、図4に示すように、本体31に接着剤を加熱溶融させるヒーター32が設けられ、本体31の外周は断熱カバー33で包囲されている。本体31の上部には、接着剤の投入口34及び加圧配管の接続口35が設けられている。
【0036】
そして、本体31の下部には、図5に示すように、ニードル弁23の弁体36が接離する弁座金具37が取り付けられ、この弁座金具37にノズル24がねじ込まれている。
【0037】
このように、ノズル24を各ニードル弁23に着脱自在に取り付けると、流路に詰まった接着剤の除去等、ノズル24のメンテナンスが容易になり、ノズル24を開口径の異なるものに交換して、接着剤の吐出量を調整することもできる。
【0038】
また、ニードル弁23の開閉部分からノズル24の開口端までの流路が短いため、ニードル弁23の閉止時に流路に残存する接着剤の量が少なくなり、接着剤の垂れによる汚れが防止される。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る封緘機では、外フラップを押圧板で軽く押さえた状態で、箱をコンベヤの終端へ移送して封緘するので、小さな動力で箱を移送でき、箱天面の傷つきも防止される。
【0040】
また、収納物の容積にかかわらず、外フラップと内フラップとがシリンダにより一定の強さで押されて圧着されるので、調整の手間を要することなく、確実に封緘することができる。
【0041】
さらに、箱をコンベヤの終端から排出し、箱が停止した状態でフラップを接着するので、接着剤の硬化時間を確保するためにコンベヤを延長する必要もなく、コンパクトなものとすることができる。
【0042】
また、接着剤を貯留するタンクの下部に、接着剤の出止を切り換えるニードル弁ごとに、ノズルを着脱自在に取り付けると、流路に詰まった接着剤の除去等、ノズルのメンテナンスが容易になり、ノズルを開口径の異なるものに交換して、接着剤の吐出量を調整することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る封緘機の正面図
【図2】同上の横断平面図
【図3】同上のフラップ圧着部の正面図
【図4】同上の接着剤タンクの正面図
【図5】同上のノズル取付部の拡大図
【図6】従来の封緘機の正面図
【図7】同上の接着剤吐出装置の拡大図
【符号の説明】
1 箱
2 内フラップ
3 外フラップ
6 コンベヤ
21 タンク
23 ニードル弁
24 ノズル
27 押圧板
28 スプリング
29 シリンダ

Claims (2)

  1. 開口縁に内フラップ及び外フラップを備えた箱をコンベヤで移送しつつ、内フラップを折曲状態に保持して、その表面に接着剤を塗布し、外フラップをガイドに沿わせて折り曲げ、内フラップに押し付けて接着する箱の封緘機において、コンベヤの終端側から排出台へ至る部分の上方に、上流側が跳ね上がり、下流側が二股に分かれた押圧板を設け、両側の外フラップをガイドに沿わせて折り曲げつつ、跳上部分から押圧板の下方へ箱を送り込み、外フラップをスプリングで付勢された押圧板で軽く押さえつつ、箱をコンベヤの終端から排出台へ排出し、箱が停止した状態で、両側の外フラップに対応する押圧板の二股部分それぞれシリンダで強く押して、外フラップを内フラップに圧着することを特徴とする箱の封緘機。
  2. 請求項1に記載の箱の封緘機において、接着剤を貯留するタンクの下部に、接着剤の出止を切り換えるニードル弁ごとに、ニードル弁の弁体が接離する弁座金具を取り付け、それぞれの弁座金具にノズルを着脱自在に取り付けたことを特徴とする箱の封緘機。
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