JP3636289B2 - 物流システムにおける物流装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、取引者の間で流通させる商品を含む物品及び該物品に付随する情報の管理に係り、特に取引先、物流センター及び発注者との間における発注から納品までの物流作業工程と各物品の情報の管理を一致させ、物流センターにて入庫即出荷を実行できるようにした物流システム及び物流装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より物流の作業は人手に依存するところが大きく、また個々の作業工程はその前後の工程と密接に関係しているため、一部の作業工程だけをコンピュータシステム化(以下、「システム化」という。)することが必ずしも効果的な結果を生み出すとはいい難く、かといって全作業工程をシステム化するには、多くの時間と経費を必要とするためシステム化の有効性が叫ばれてきたにも拘らず、実際には展開することが困難であった。
【0003】
これまで行われてきたシステム化には、例えば入庫した物品を効率よくピッキングするための倉庫のロケーションシステムや、無駄な在庫を置かなくするための在庫管理システムや、出荷時の配送用の車両を割り当てるためのスケジューリングシステム等があるが、これらの多くは人間が行う判断や作業をコンピュータに行わせることによってその作業工程の改善を図ろうとするものであった。
【0004】
また、全作業工程をシステム化した例としては「特開平08−258920」に記載されたが挙げられる。この例は、作業工程単位に端末装置を設置し各端末装置で各作業工程を管理・制御するとともに、各作業工程における入出力情報を1箇所の主制御装置において管理する物流システムを提示している。
【0005】
さらに従来は、例えば図15に示すように店舗と取引先が個々に取引を行う構成も見られた。この場合、店舗は取引先ごとに発注する発注作業と、それらの取引先から納品される度に検品する検品作業があった。反対に、取引先は店舗ごとに注文を受ける受注作業と、それらの店舗に個々に注文品を納品する納品作業があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術において以下のような問題があった。
【0007】
まず、前述したように、物流の作業は倉庫等で入庫から出荷までが一連の流れで進められている。そのため、初期の作業工程において検品漏れ等の作業ミスが発生すると、最後までそのミスが発覚せずに出荷されてしまったり、途中の工程で発覚したとしてもその対応に時間を要してしまうことがある。
【0008】
こういった人間の作業によって引き起こされる作業ミスを減らし、さらに効率的に作業を遂行するために導入されてきたのが作業工程の部分的なシステム化といえるが、システム化されない作業工程は、依然として人間の作業だけに任されている。例えば、検品作業では、入庫する物品はシステム化によって入庫一覧表の帳票出力が行われたとしても、検品作業としては人間が物品を確認しながら出力された帳票に記入し、作業が完了したら記入済みの帳票を次の作業工程に送るというように、そのほとんどは人間の判断と作業で遂行され、システム化による物品の管理は入庫する情報で止まっている。
【0009】
一方、入庫した物品はその後の検品作業によって検品が行われ、さらに後続する作業工程に進んで行く。従って、一旦作業ミスが発生してしまうと容易に解決しにくいトラブルに発展する可能性があり、システムが保持する情報だけで対応することは困難であり、結局のところ人手によって原因を追求し解決することになる。
【0010】
また、部分的にシステム化された作業工程では、物品に対応する情報の管理が帳票の形で保管されることが多く、物品自体は作業に関する情報を持たないため、物品のみが存在しても作業をすることはできない。
【0011】
さらにまた、作業工程を部分的にシステム化した場合は、その着眼点が倉庫等を保有する物流センター内に置かれ、関連する客体を含んだ包括的な効率化には及ばない。
【0012】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであって、倉庫等を所有する物流センターと関連する客体、例えば発注データを送信する店舗や発注データに基づく物品を納入する取引先とをネットワークで接続し、システム化することによって、物品及び物品に関する情報を一括管理し、関連する客体における作業を単純化した物流システム及び物流装置を提供することを目的としている。
【0013】
また、本発明は、物流センター内で処理される全作業工程をシステム化することにより物品の流れと物品に関する情報の流れを一致させ、該情報を管理することで人間の作業によるミスを軽減させる物流装置を提供することを目的としている。
【0014】
さらにまた、本発明は、物品自体に情報を持たせるようにラベルを貼り付けもしくは識別可能な物品のバーコードを活用し、その情報(物品)を直接入力することによって処理を行う物流装置を提供することを目的としている。
【0015】
また、本発明は、物流センター内の全作業工程をシステム化して個々の作業を少なくかつ簡単なものにし、作業員が作業に精通していなくてもむしろ未経験な作業者であっても、初日からとまどうことなく作業に従事する物流装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明の物流装置は、少なくとも一つの発注元からの物品の発注情報を受信し、集約して該当荷主へ発注する本部と、前記本部からの発注に対して前記荷主から発送された物品を受け取り、それぞれの発注元毎に分配して配送する物流センターとを含む物流システムにおける前記物流センターに設置され、前記荷主から前記物流センターに入庫される予定の物品の情報と実際に入庫された物品の情報と、前記本部から受信した発注データ及び物品関連データをデータベースで管理するサーバと、このサーバと無線通信を介して対話を行う可搬型端末装置とを具備する物流装置であって、前記サーバは、前記発注データ及び前記物品関連データを物流センタの作業工程において処理可能な形式に変換し前記物品を容積及び重量で大物、中物、小物の3つの取扱区分に分類して前記データベースに格納するデータ変換手段と、前記物流センターに入庫された前記物品を検品する際、前記物品に個別に付された物品識別情報をキーとして前記データベースを検索し、配送先と仕分けラベル情報を取得する入庫検品手段と、実際に入庫された物品の前記仕分けラベル情報及び前記可搬型端末装置から入力された数量値をキーとして前記データベースを検索し、入庫予定の物品の情報と照合することで、入庫された物品の数量を検品する数量検品手段と、前記数量検品手段により数量が確認された物品のうち、取扱区分の小物について前記発注元ごとに分配して配送するために、仕分けラベル情報、前記発注元ごとに付された配送先情報及び前記小物品を投入する器に付された器情報を関連づけて前記器ごとに管理する箱詰検品手段と、前記仕分けラベル情報または前記小物の前記配送先情報に基づいて前記データベースを検索し、配送先ごとに付された積込指示情報と照合する積込検品手段とを具備したことを特徴としている。
【0017】
この物流システムによれば、所定の運用のタイムスケジュールに基づいて本部において各店舗の発注データが集約され、取引先単位で発注が行われるので、これまでの取引先において各店舗へ個別に納品し対応していた作業が不要となり、作業の効率化を図ることができる。一方、物流センターにおいて各取引先からの物品が一旦集約され、各店舗からの発注データに応じて店舗単位で物品が取り揃えられて配送されるので、これまでの店舗において各取引先から納品(検品)に対応していた作業が不要となり、作業の簡素化を図ることができる。従って、本部及び物流センターという情報と物流を集中的に管理する部分を物流システムに組み込むことによって、これまで店舗や取引先で個別に対応しなければならなかった作業は1回に集約されるので、双方が効率よく作業を進めることができる。
【0019】
ここで「物品関連データ」とは、発注データに関する詳細情報をいい、例えば、発注した物品の単価や重量、カテゴリー(物品別区分)、物品を届ける届け先等を指し、発注データに合わせて本部で作成され、発注データとは別に物流センターに送信される。
【0020】
この物流装置によれば、物流センターに送信された発注データ及び物品関連データは、まず物流の作業工程で利用可能な形式に変換され、サーバ内のデータベースに更新される。そして物流センター内の各作業工程において物品に添付されたコードを入力し、該コードをキーとして更新したデータベースを検索しているので、作業工程ごとに物品(現物)がデータベース内の情報と照合される結果となり、故に物品の流れを発注データの流れと一致させることができる。
【0021】
この物流装置によれば、データ変換部において発注データは、物品関連データの容積と重量に基づいて「大物」、「中物」、「小物」の区分に分類され、この区分情報が付加される。これによって物品が物流センターに入庫した後の作業は、例えば物品は重いか軽いか、大きいか小さいかによって分類されるので、後続する作業を効率的に進めることができる。
【0022】
この物流装置によれば、サーバ内で保持される発注データにステータス等の情報や固有の情報を持たせることによって、物流の作業工程での物品の状態をリアルタイムで管理することができる。従って、入庫後、物品のロケーションを割り当てを行う必要がなくなる。
【0023】
請求項2記載の本発明の物流装置は、請求項1記載の物流装置において、前記入庫検品手段、前記数量検品手段、前記箱詰検品手段及び前記積込検品手段の処理の順に前記発注データ及び出荷指示データを編集処理し、前記数量検品手段及び前記箱詰検品手段による処理の完了を検知したことで前記積込検品手段の実行を可能とすることを特徴とする。
【0024】
この物流装置によれば、物品が積み込まれ出荷されるまでの作業工程、すなわち入庫検品、数量検品、箱詰検品を必要不可欠な工程とし、積み込み前に店舗単位でこれらの検品を終了しているか否かをステータス等から判断することによって、終了している場合のみ積込検品を実行可能とするので作業工程中におけるミスを防止することができる。
【0025】
請求項3記載の本発明の物流装置は、請求項1記載の物流装置において、前記入庫検品手段、前記数量検品手段、前記箱詰検品手段及び前記積込検品手段は、前記可搬型端末装置より入力された作業指示番号を前記サーバへ送信する手段を備え、前記サーバは、各検品手段より受信された作業指示番号をデータベースの情報と照合することで前記物品と前記物品に関するデータを管理する管理手段を具備することを特徴としている。
【0026】
この物流装置によれば、各作業工程では主として物品に添付されたキーとなる作業指示番号を入力することによって物品及び物品に関する情報の両方について処理を遂行することができるので、作業員が介入する作業は少なくなる。また作業ミスに対してはエラーメッセージを表示するため、作業ミスの発生頻度が軽減するとともに、たとえ発生したとしても即座に対応することができるようになる。
【0027】
請求項4記載の本発明の物流装置は、請求項1記載の物流装置において、前記サーバは、前記作業指示情報に基づいて各検品工程毎に物品に対する作業着手、作業完了などの作業進捗状況を管理する管理手段と、前記管理手段により作業が管理される中で、作業が未完了のものを対象に明細照会を行う手段と、明細照会の内容を所定形式で出力する出力手段とを具備したことを特徴としている。
【0028】
サーバにおいて、作業指示情報に基づいて各検品工程毎に物品に対する作業着手、作業完了などの作業進捗状況を管理し、作業が未完了のものを対象に明細照会を行い、明細照会の内容を所定形式で出力することで、物流センターにおける作業進捗状況と作業ミスの発生を発見することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0042】
図1は、店舗から発注データを送信する時点から該発注データに対応する物品が店舗に納入されるまでの物流システムの構成を示す機能図である。
【0043】
同図に示すように、本発明の物流システムは、ネットワーク(図示せず)を介して接続された少なくとも1箇所の店舗11、本部12、少なくとも1箇所の取引先13及び物流センター14より構成される。
【0044】
店舗11は、物品を注文する際に発注データを作成し本部12へ送信する。本部12は、運用手順として予め決められた時間内にそれぞれの店舗11から送信された発注データを集約し、取引先単位で発注する形式に編集した上で該当する取引先13にその発注データを送信する。さらに本部12は、物流センター14に対しても編集した発注データの総てを送信するとともに、発注した物品に関連するデータ(以下、「物品関連データ」という。)、例えば物品のサイズ、物量、取引先の名称などのデータも送信する。
【0045】
取引先13は、本部12から受信した発注データに基づいて物品を物流センター14に納入する。そして物流センター14は、本部13からの送信された発注データ及び物品関連データを受信し、自身のデータベース(図示せず)に格納しておき、他方、取引先13から物品が納入されると、物流センター14内の各作業工程においてデータベースに格納されたデータと個々の物品に添付された情報を照合することによってデータと物流を管理する。最終的に物流センター14では店舗単位に物品を揃え、店舗11に出荷するとともに、該出荷の実績を報告データとして本部12に送信する。
【0046】
次に、物流センター14内で発注データの処理を実行する物流装置について説明する。
【0047】
図2は、本部12から送信された発注データ及び物品関連データを物流の作業工程に沿って処理を実行する物流装置2の構成を示すブロック図である。
【0048】
同図に示すように、物流装置2は本部12からの発注データ及び物品関連データを受信する送受信部21、後述するサーバ201、データ変換部22、入庫検品部23、数量検品部24、箱詰検品部25及び積込検品部26とから構成される。
【0049】
送受信部21は、ネットワークを介して本部12との間でデータを送受信するインターフェースである。
【0050】
データ変換部22は、編集処理部221と受付処理部222とから構成され、送受信部21から送信された発注データ及び物品関連データを物流センターでの作業工程に対応できる形式に変換した結果を保持する。。
【0051】
入庫検品部23は、本部12から取引先13への発注データに基づき、取引先13から物流センター14に納品された物品に対し、データ変換部22にて更新されたデータベースにアクセスし照合した結果を保持する。。
【0052】
数量検品部24は、物品の数量についてサーバ201内のデータベースにアクセスし照合した結果を保持する。
【0053】
箱詰検品部25は、上記の数量検品を完了した「小物品」を対象とし、物品を箱詰めする際、関係づけられた配送すべき店舗と箱の情報に基づいて物品との照合した結果を保持する。
【0054】
積込検品部26は、「積込指示書」に基づいて「大物」、「中物」、「小物」の総ての物品を店舗単位で配送車両に積み込む際に、物品と配送ルートの照合した結果を保持する。
【0055】
次に、物流装置2が具備するサーバ201についてより詳しく説明する。
【0056】
図3は、サーバ201の内部構成を示す図である。
【0057】
同図に示すように、サーバ201にはファイルとデータベースが存在し、ファイルは入庫予定ファイル、出荷依頼ファイル(以上、発注データ)、品名情報ファイル、寄託者情報ファイル、荷届先情報ファイル及び運送計画情報ファイル (以上、物品関連データ)から構成される。これらはいずれも送受信部21を介して本部より送信される。そしてこれらのファイルに基づいてサーバ201内に存在するデータベースのテーブルが更新される。
【0058】
(1)送受信部21
送受信部21は、ネットワークを介して本部12との間でデータを送受信するインターフェースであり、予め本部12と物流センター14の間で決められたデータの送受信に関する運用時刻に到達すると、その時点までに本部12から送信された発注データ及び物品関連データをサーバ201に送信する。具体例として、発注データは前日23時59分まで、物品関連データは前日15時までに送受信部21で受信したデータを当日の受信データとしてサーバ201に送信するという運用形態が考えられる。
【0059】
(2)データ変換部22
データ変換部22は、送受信部21から送信された発注データ及び物品関連データを物流センターでの作業工程に対応できる形式に変換を行なったり、反対に本部12にデータを送信する場合、本部12で処理可能な形式に変換する。
【0060】
上述したように、データ変換部22は編集処理部221及び受付処理部222から構成され、編集処理部221は、送受信部21よりサーバ201で受信した入庫予定ファイル301及び出荷依頼ファイル302の内容を基に、図3に示すようにデータベースの入庫テーブル311、入庫明細テーブル312、出荷テーブル321及び出荷明細テーブル322を更新する。
【0061】
次に、図2及び図3で記した編集処理部221の変換処理動作について発注データを例に説明する。
【0062】
図4は、編集処理部221において入庫予定ファイル301及び出荷依頼ファイル302を変換する手順を示すフローチャートである。
【0063】
同図に示すように、編集処理部221はまず、送受信部21よりファイルが送信されているか否かを判断し(ステップ401)、送信されていれば該ファイルのうちここで実行される処理が未処理のファイルを抽出する(ステップ402)。
【0064】
続いて抽出した未処理のファイルに対し、該ファイルのヘッダー情報より入庫予定ファイルか出荷依頼ファイルかを示す情報種別を取得する(ステップ403)。そして情報種別を判断し(ステップ404)、入庫予定ファイル301である場合、該ファイルの注文番号が既にデータベースの入庫テーブル311及び入庫明細テーブル312に作成されているか否かをチェックする(ステップ405)。
【0065】
そこで既に存在していれば、そのファイルは重複したものであるとみなし、エラーデータを保存する入庫予定エラーテーブル(図示せず)に転送される(ステップ406)。
【0066】
一方、注文番号がデータベースの入庫テーブル311及び入庫明細テーブル312に存在しない場合は、さらに該ファイルの識別子に関して同じデータベース内の商品マスター331に存在するか否かをチェックする(ステップ407)。
【0067】
その結果、存在していれば該入庫予定ファイルで入庫テーブル311及入庫明細テーブル312を更新し、これらの編集処理が終了しているか否かを示す入庫テーブル311の処理済フラグを’0’(未処理)にする(ステップ408)。
【0068】
一方、該ファイルの識別子が商品マスター331に存在しなければ、該入庫予定ファイルで入庫テーブル311及び入庫明細テーブル312を更新し、入庫テーブル311の処理済フラグを’0’(商品未登録)にする(ステップ409)。
【0069】
また、ステップ404において情報種別が出荷依頼ファイル302である場合、入庫予定ファイル301の場合と同様に該ファイルの注文番号が既にデータベースの出荷テーブル321及び出荷明細テーブル322に作成されているか否かをチェックする(ステップ410)。そこで既に存在していれば、そのファイルは重複したものであるとみなし、エラーデータを保存する出荷依頼エラーテーブル(図示せず)に転送される(ステップ411)。
【0070】
一方、注文番号がデータベースの出荷テーブル321及び出荷明細テーブル322に存在しない場合は、さらに該ファイルの識別子に関して同じデータベース内の商品マスター331に存在するか否かをチェックする(ステップ412)。その結果、存在すれば該出荷依頼ファイルで出荷テーブル321及出荷明細テーブル322を更新し、上記処理が終了しているか否かを示す出荷テーブル321の処理済フラグを’0’(未処理)にする(ステップ413)。
【0071】
一方、該ファイルの識別子が商品マスター331に存在しなければ、該入庫予定ファイルで入庫テーブル311及入庫明細テーブル312を更新し、入庫テーブル311の処理済フラグを’2’(商品登録)にする(ステップ414)。データが終わりか否かを判断し(ステップ415)、終了するまで上記の処理、すなわちステップ402以降を繰り返す。
【0072】
ところで、物流業界におけるクロスドッキングの概念は、物流センターに過剰在庫を置かず、入庫した物品を速やかに店舗へ出荷する処理を指す。よって本発明の物流装置では、入庫予定ファイルをシステム上の一時的な仮想在庫として扱い、その在庫を出荷依頼ファイルへ引き当てるというしくみを持つ。
【0073】
また、受付処理部222は、編集処理部221で更新された入庫テーブル311及び出荷テーブル321を基に作業受付テーブル313、作業指示テーブル314、引当ロケテーブル315を更新する。
【0074】
なお、図3で示したデータベースのテーブルは本発明の中で利用される主要な一例を図示したのであって、この他にも図示しないロケーションマスターや工程クラステーブルなど複数のテーブルが存在する。
【0075】
次に、図2及び図3に記した受付処理部222の変換処理動作について発注データを例に説明する。
【0076】
図5は、受付処理部222において入庫予定ファイル301及び出荷依頼ファイル302を変換する手順を示すフローチャートである。
【0077】
同図に示すように、受付処理部222は、編集処理部221で処理された入庫テーブル311及び出荷テーブル321の処理済フラグが’0’(未処理)のものを抽出し(ステップ501)、抽出した未処理のファイルに対し、該ファイルのヘッダー情報の情報種別をキーとしてサーバ201内のデータベースの工程クラステーブル(図示せず)を検索し、処理すべき作業工程がコードとして保持された工程コードを取得する(ステップ502)。
【0078】
さらに取得した工程コードをキーとして工程テーブル(図示せず)を検索し、例えば入庫の情報種別で受信工程であれば在庫を増加させ、出荷の情報種別でピッキング工程であれば在庫を減少させるといった在庫を引き当て、在庫更新を行う(ステップ503)。
【0079】
そしてこの在庫更新が正しく引き当てられたか否かを判断し(ステップ504)、引き当てられなかった場合、このファイルをデータベースの配車例外テーブル(図示せず)に転送する(ステップ505)。
【0080】
一方、引き当てられた場合、この物品の出荷情報となる配車表積み付けを行うか否かを判断する(ステップ506)。
【0081】
そして積み付ける場合、店舗コードをキーとしてサーバ201内のデータベースの配車先マスタを検索し、配車のルート情報を取得し(ステップ507)、該ルート情報を配車表に更新する(ステップ508)。
【0082】
上述した編集処理部221及び受付処理部222が正常に処理された場合、データベースの引当ロケテーブル315のステータスを更新する。ステータスとは、処理されたデータがどの工程にあるかを示す識別子であって、この場合引当ロケテーブル315のステータスは入庫について’2’(クロスドッキング入り)、出荷について’1’(引当済)へ更新される。
【0083】
また、送受信部21から受信した物品関連データ、すなわち品名情報ファイル303、寄託者情報ファイル304、荷届先情報ファイル305及び運送計画情報ファイル306は、図3に示すようにサーバ内のデータベースに格納される。ここで、品名情報ファイル303から商品マスタ331が作成される際、商品マスタ331には物品の容量と重量を基準に物品を「大物」、「中物」、「小物」に分類し、記号化した「取扱区分」が追加される。
【0084】
(3)入庫検品部23
入庫検品部23は、本部12から取引先13への発注データに基づき、取引先13から物流センター14に納品された物品に対し、データ変換部22にて更新されたデータベースにアクセスし照合する。
【0085】
具体的には、入庫検品はバーコードリーダー等の可搬型の端末装置を用いて各々の物品に添付された物品の識別子を入力し、データベースに格納された物品の情報と照合する。ここでいう物品の識別子とは、通常JANコード等に見られるように個々の物品に添付され、物品を識別するための、13桁以内の文字列や識別可能なコードを指す。
【0086】
次に、入庫検品部23の検品処理動作について説明する。
【0087】
図6は、入庫検品部23における検品の手順を示すフローチャートである。
【0088】
同図に示すように、まず、物品の識別子をキーとしてサーバ201内のデータベースを検索し、一致するキーを持つテーブルの内容をサーバ201より回答として受け取り、CRT等の表示装置(図示せず)に表示する(ステップ601、602)。
【0089】
図7は、このように表示装置に表示される入庫検品入力画面の一例を示すものである。
【0090】
同図に示す例で説明すれば、入庫検品部23はステップ601の結果、キーとなる物品の識別子に関してデータベースに保持する情報を表示する。なお、伝票番号、取扱区分及び入庫数は画面上から表示値を変更することができ、例えば取扱区分が荷主商品マスター上では「大物品」に分類される物品であっても、現場の状況判断等により「中物品」として扱われる場合、作業員の直接入力によって取扱区分の変更が可能である。そして変更された値によってテーブルは更新される。
【0091】
続いて、入庫検品入力画面において1物品の入庫検品作業の「完了」が入力されたか否か判断し(ステップ603)、「完了」であれば、入庫テーブル311の注文番号をキーとして出荷テーブル321を検索し(ステップ604)、キーが一致する出荷テーブル321の内容を抽出し「仕分けラベル」としてプリンタ等の出力装置から出力する(ステップ605)とともに、引当ロケテーブル315のステータスを’9’(完了)へ更新する(ステップ606)。また、「完了」が入力されていなければ、次の物品の識別子を入力する。
【0092】
図8は、「仕分けラベル」の一例を示す。
【0093】
同図によれば、「仕分けラベル」には店舗番号、店舗名、作業指示番号、作業指示番号(バーコード)、数量及び取扱区分等が表示される。ここで、作業指示番号は、前述したデータ変換部22において出荷作業指示テーブルに連番で付番される13桁以内の数値であり、バーコードになりうるあらゆる数値で表される。また、「仕分けラベル」を出力の際に、出力装置としてカラープリンタを用いれば店舗別に異なる色のラベルを出力させることができるので、後続の作業でより物品を識別しやすくなる。
【0094】
(4)数量検品部24
数量検品部24では、物品の数量についてサーバ201内のデータベースにアクセスし照合する。
【0095】
具体的には、数量検品はバーコードリーダー等の可搬型の端末装置を用いて物品に貼り付けられた「仕分けラベル」(「大物」、「中物」は1品につき1枚、「小物」は1店舗につき1枚出力)の作業指示番号(バーコード)を入力した後、その物品の数量を該端末装置から入力し、データベースに格納された物品の情報と照合する。
【0096】
また、現場では数量検品を実行する前に小分けと仕分けという作業を通して検品の準備を整える。ます小分けにおいて、複数の同一物品が1つの包みにまとめられている状態を店舗単位に数量をまとめ直し、店舗単位で出力された「仕分けラベル」を貼り付ける。そして仕分けにおいて、同一店舗に配送する総ての「小物品」をまとめる。
【0097】
次に、数量検品部24の検品処理動作について説明する。
【0098】
図9は、数量検品部24における検品の手順を示すフローチャートである。
【0099】
同図に示すように、まず、物品に貼り付けられた「仕分けラベル」の作業指示番号(バーコード)をキーとしてサーバ201内の引当ロケテーブル315を検索する(ステップ901)。
【0100】
キーが一致したら該キーを持つテーブルに格納された物品の数値と、キー入力後引き続き入力された数値を照合する(ステップ902)。その結果、双方の数値が一致するか否かを判断し(ステップ903)、不一致であればエラーメッセージを返し、該端末装置に「数量が違います」のような内容を表示をする(ステップ904)。
【0101】
一方、一致すれば確認済のメッセージを返し、該端末装置に「数量確認OK」のような内容を表示する(ステップ905)。さらに引当ロケテーブル315のステータスを’5’(数量検品完了)に更新する。
【0102】
(5)箱詰検品部25
箱詰検品部25では、上述した数量検品を完了した「小物品」を対象とし、物品を箱詰めする際、関係づけられた配送すべき店舗と箱の情報に基づいて物品との照合を行う。
【0103】
まず、店舗と箱の関係づけについて説明する。
【0104】
例えば図10に示されるように、箱詰検品の際に用いられる箱には「箱ラベル」及び「店舗ラベル」が添付されており、これらのラベルに表示された管理番号(バーコード)101及び店舗番号(バーコード)102はそれぞれサーバ201内のユニットテーブル及び配送ユニットテーブル(ともに図示せす)に格納されている。
【0105】
図11は、入力された管理番号101及び店舗番号102によってサーバ201内のテーブル間が関係づけられる流れを示す概念図である。
【0106】
同図に示すように「箱ラベル」は、箱詰検品の際使用する箱を管理するために管理番号101を、「店舗ラベル」は、店舗を管理するために店舗番号102を持ち、店舗と箱の関係づけによって、ある店舗に配送すべき箱が定まる。
【0107】
つまり、箱詰検品部25は、バーコードリーダー等の可搬型の端末装置を用いて「箱ラベル」の管理番号101が入力されると、該管理番号をキーとしてサーバ201内のユニットテーブルを検索し、キーが一致するテーブルのユニット区分を取得しておく。同様に「店舗ラベル」の店舗番号102が入力されると、該店舗番号をキーとしてサーバ201内の配送ユニットテーブルを検索し、該テーブルのユニット受付番号の上4桁と一致するテーブルに、取得しておいたユニット区分及び管理番号で更新する。
【0108】
また、入力された店舗番号をキーとしてサーバ201内の配送先マスタ334を検索し、キーが一致するテーブルのルートを取得しておく。さらに該ルートをキーとしてサーバ201内の配車表テーブルを検索し、キーが一致するテーブルの配送受付番号を取得し、該配送受付番号を配送ユニットテーブルの配送受付番号に転送する。
【0109】
なお、「店舗ラベル」は、サーバ201内の配送ユニットテーブルから配送すべき店舗について出力され、例えば店舗名、店舗番号、店舗番号(バーコード)等の情報をラベルという形で表示している。また、「箱ラベル」は、箱を管理するためにサーバ201内のユニットテーブルにユニークに配番され格納された管理番号を、管理番号(バーコード)をラベルという形で出力され、箱そのものに貼り付けられる。
【0110】
また、箱詰検品では箱に貼り付けられた「箱ラベル」と、運用の中で箱を柔軟に使い回せるように着脱可能な「店舗ラベル」を使用し、これらは予め出力されている。また、箱としては折りたたみコンテナーやカゴ台車等が用いられる。
【0111】
次に、店舗と箱が関係づけられたデータベース利用した箱詰検品について説明する。
【0112】
図12は、箱詰検品部25における検品の手順を示すフローチャートである。
【0113】
同図に示すように、店舗番号102と管理番号101がデータベース上で関係付けられた後、該店舗番号の上4桁の値を取得しておく(ステップ1201)。
【0114】
続いて物品に貼り付けられた「仕分けラベル」の作業指示番号(バーコード)を入力し、該作業指示番号をキーとしてサーバ201内の作業受付テーブル313、作業指示テーブル314を検索し、取得した店舗番号の上4桁と一致する店舗番号が作業受付テーブル313に存在するか否かを判断する(ステップ1202〜1204)。
【0115】
そして見つからなければ、エラーメッセージを返し、該端末装置に「店舗が違う物品です」のような内容を表示をする(ステップ1205)。
【0116】
一方、見つかれば確認済のメッセージを返し、該端末装置に「箱詰確認OK」のような内容を表示し、入力した作業指示番号をキーとして引当ロケテーブル315のステータスを’6’(箱詰検品完了)に更新する(ステップ1206)。
【0117】
さらに入力した店舗番号でサーバ201内の作業指示テーブル314のユニット受付番号を更新する(ステップ1207)。
【0118】
なお、正常に箱詰検品が完了した場合のみ、次工程の積込検品部26にて使用する「積込指示書」を出力可能な状態にする。
【0119】
(6)積込検品部26
積込検品部26では、「積込指示書」に基づいて「大物」、「中物」、「小物」の総ての物品を店舗単位で配送車両に積み込む際に、物品と配送ルートの照合を行う。上述したように、「積込指示書」の出力は箱詰検品までが正常に完了していることを前提条件としているため、作業工程の途中で検品もれ等の作業ミスが発生していると「積込指示書」は出力されず、よって作業ミスが解決するまで積込検品に着手できない。「積込指示書」が出力されるまでの作業工程の進捗は、数量検品部24から管理されており、作業現場では例えば図13に示すような出荷作業照会画面が表示される。そこで数量検品部24または箱詰検品部25において「仕分けラベル」の作業管理番号が入力され、処理が実行されると該処理結果がリアルタイムで表示が更新される。具体的に例を挙げると、数量検品部24で作業指示番号が入力され、続いて入力された物品の数量値が正しい場合、図13(a)に示す「数量確認」の「完了」の値が1加算されて表示される。そして「予定」と「完了」の値が一致した状態を正常終了とする。正常終了にならない場合は、図13(a)の詳細情報として図13(b)に示すような「仕分けラベル」単位でまとめられた画面や未検品一覧(図示せず)等を表示させることによって未処理の物品(発注データ)を確認する。また箱詰検品部25でも数量検品部24と同様に作業管理番号が入力され、処理が実行されると出荷作業照会画面の表示が更新される。そして、箱詰めすべき予定数の総てが箱詰めされた状態を「箱詰確認」の正常終了とし、「積込指示書」が出力可能な状態であることを「積込指示」で表示し、この「積込指示書」が出力されて始めて作業工程は積込検品部26に進む。積込検品26でも数量検品部24と同様に作業管理番号または箱詰めされた物品については店舗番号が入力されると出荷作業照会画面の表示が更新される。
【0120】
なお、出荷作業照会画面は、「予定」と「完了」の値の動きと連動して変化する状況を色表示することによって、作業員に一目で進捗状況を通知することもできる。例えば、図13(a)にて、「方面」(ルート)単位に数量検品及び箱詰検品を完了した場合は黄色、「積込指示書」を出力した場合は青色、「積込指示書」を出力できない状態の場合は白色等で表示する。また図13(b)においても数量検品を完了した物品は紫色、未処理の物品は緑色、「予定」と「完了」の値が一致した場合は項目列を赤色というように作業員が認識しやすくするために状況を異なる色で表示する。
【0121】
図14は、「積込指示書」の一例を示す図である。
【0122】
同図に示すように、「積込指示書」はルート番号及び配送受付番号(バーコード)141によって、配送する店舗、品名、数量、箱数を表示したものである。
【0123】
図15は、積込検品部26における検品の手順を示すフローチャートである。
【0124】
同図に示すように、積込検品は、まず「積込指示書」を出力した後、バーコードリーダー等の可搬型の端末装置を用いて「積込指示書」の配送受付番号(バーコード)141を入力する(ステップ1501)。
【0125】
さらに「大物」及び「中物」の物品ついては「仕分けラベル」の作業指示番号を、また箱詰検品部25で箱詰めされた「小物」については「店舗ラベル」の店舗番号を入力する(ステップ1502)。ステップ1502で入力された値が作業指示番号か店舗番号かについて判断し(ステップ1503)、作業指示番号の場合、該作業指示番号をキーとしてサーバ201内の作業指示テーブル314を検索し、キーが一致するテーブルの配送受付番号を取得する(ステップ1504)。
【0126】
そしてステップ1501で入力された「積込指示書」の配送受付番号と照合し(ステップ1505)、一致していれば、該作業指示番号をキーとしてサーバ201内の引当ロケテーブル315を検索し、ステータスを’9’(積込検品完了)に更新する(ステップ1506)。
【0127】
一方、ステップ1505において不一致であれば、エラーメッセージを返し、該端末装置に「帳票にない物品です」のような内容を表示をする(ステップ1507)。
【0128】
また、ステップ1503において入力値が店舗番号と判断された場合、該店舗番号をキーとしてサーバ201内の配送ユニットテーブルを検索し、キーが一致するテーブルの配送受付番号を取得する(ステップ1508)。そしてステップ1501で入力された「積込指示書」の配送受付番号と照合し(ステップ1509)、一致していれば、該店舗番号をキーとしてサーバ201内の出荷作業指示テーブルを検索し、キーが一致するテーブルを基にさらに引当ロケテーブル315を検索し、一致するテーブルのステータスを’9’(積込検品完了)に更新する(ステップ1510)。
【0129】
一方、ステップ1509において不一致であれば、エラーメッセージを返し、該端末装置に「帳票にない物品です」のような内容を表示をする(ステップ1511)。
【0130】
積込検品を完了した後、積込み実績の報告として作業受付テーブル313、作業指示テーブル314及び引当ロケテーブル315より入庫テーブル311、入庫明細テーブル312、出荷テーブル321及び出荷明細テーブル322を編集し、さらに入庫報告ファイル307及び出荷報告ファイル308を作成し、送受信部21を介して本部12に送信する。
【0131】
上述したことからわかるように、本実施形態では物流センターにおける人手による作業をできる限り単純化する一方で、コンピュータシステムを利用して物品と作業工程の管理を実行している。これによって、作業自体に要する時間を短縮しクロスドッキングの考え方を実現しただけでなく、人手による作業ミスを発生させにくくし、作業精度の向上を果たしている。
【0132】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内で様々な変形・拡充が可能である。例えば、上述の数量検品部24の小分け及び仕分け作業は人手によって行われるとしたが、これに限らず自動仕分け装置を用いることも可能である。つまり、自動仕分け装置においてバーコードリーダーやOCR等によって物品の識別子、例えばJANコードが入力されると、数量検品部24は該識別子をキーとして該数量を管理し、さらにサーバ201内のデータベースを検索するので、ある物品が店舗単位で発注された数量分に分けられる。そして予め設定された自動仕分け装置のシュート(仕分け領域)の中で店舗に関するキーが一致するシュートに投入されて仕分けられる。これにより小分け・仕分け作業は、物品の識別子の入力のために所定の場所に物品を設置するのみとなるので、作業要員を削減することができる。また処理効率に関しても人手によるよりも大量に処理が可能である。さらに、この仕分け装置を応用し、店舗別の仕分けを細分化することもできる。つまり、同じ店舗に配送する「小物品」のうち、例えば同じ陳列棚で扱われる物品(物品の分類別)が同じ箱に箱詰めされるように仕分けるために入力値のキーを追加することも考えられる。これによって、配送先の店舗では、発注した物品を検品する必要がなくなっただけでなく、箱単位で陳列作業ができるので、効率よくしかもミスの少ない作業ができる。また、物流センターにとっては、店舗に対するサービスの向上にも繋がる。
【0133】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の物流システムによれば、個々の店舗から発注される発注データが集約されて取引先及び物流センターに送信されるので、取引先では個々の店舗から発注データを受けて納入するのではなく、発注のあった全店舗分の物品を一括して物流センターに納入すればよい。従って作業を簡潔にすることができる。そして店舗もまた発注した物品が各取引先から直接納入されるのではなく、物流センターからまとめて配送されるため、受け取りや確認作業を簡潔にすることができる。これにより、配送のための要員や車両を削減することができるので、配送費用の削減に繋がる。さらに積込検品が終了した後、入庫及び出荷に関する実績報告が送信されるので、物流センターでの過不足や取引先での在庫不足による発注に応じられなかった物品等を店舗や取引先で知ることができ、店舗への納入状況をより確実にすることができる。
【0134】
さらにまた、店舗ではこの実績報告を店舗に設置された端末装置を用いて送信された実績報告を画面表示させ、納入された物品の情報を見ることができる。
【0135】
また、本発明の物流装置は、物流センターに送信された発注データに基づいてサーバで保持するデータベースを更新し、各作業工程において入力された値をキーとしてこのデータベースを参照し、結果を出力するとともに作業工程を管理するデータベースのテーブルのステータスの値を更新するので、データベースで保持されている物品に関する情報と作業工程上の物品は並行して処理される。つまり物品の流れと物品に関する情報の流れが一致しているため、作業員による操作ミスや検品もれ等が生じると、物品と物品に関する情報が不一致となり、その結果が出力されるため、即座に誤りに対処することができる。さらに、箱詰検品の段階まで作業ミスがない、つまり物品の流れと物品に関する情報の流れが一致している店舗(店舗単位の発注データ)のみ積込検品に進むことができるので、誤った物品が店舗に配送される確率は非常に低い。
【0136】
さらにまた、物流センターでは作業員が物品に添付された識別子を入力することで作業を進めることができ、その進捗状況は画面に表示されるので、作業の繁雑さをなくし、加えて帳票が不要な作業環境を作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に用いられる物流システムの構成を示す図。
【図2】本発明の実施形態に用いられる物流装置2の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施形態に用いられるサーバの内部構成を示す図。
【図4】本発明の実施形態に用いられる入庫予定ファイル及び出荷依頼ファイルを変換する手順を示すフローチャート。
【図5】本発明の実施形態に用いられる入庫予定ファイル及び出荷依頼ファイルを変換する手順を示すフローチャート。
【図6】本発明の実施形態に用いられる入庫検品の手順を示すフローチャート。
【図7】本発明の実施形態に用いられる入庫検品入力画面の一例を示す図。
【図8】本発明の実施形態に用いられる「仕分けラベル」の図。
【図9】本発明の実施形態に用いられる数量検品の手順を示すフローチャート。
【図10】本発明の実施形態の箱詰検品に用いられる箱の側面図。
【図11】本発明の実施形態に用いられるテーブル間の関係づけを示す図。
【図12】本発明の実施形態に用いられる箱詰検品の手順を示すフローチャート。
【図13】本発明の実施形態に用いられる出荷作業照会画面の一例を示す図。
【図14】本発明の実施形態に用いられる「積込指示書」の図。
【図15】本発明の実施形態に用いられる積込検品の手順を示すフローチャート。
【図16】従来の物流システムを示す図。
【符号の説明】
2 ・・・物流装置
21 ・・・送受信部
22 ・・・データ変換部
23 ・・・入庫検品部
24 ・・・数量検品部
25 ・・・箱詰検品部
26 ・・・積込検品部
201 ・・・サーバ
221 ・・・編集処理部
222 ・・・受付処理部
301 ・・・入庫予定ファイル
302 ・・・出荷依頼ファイル
311 ・・・入庫テーブル
312 ・・・入庫明細テーブル
313 ・・・作業受付テーブル
314 ・・・作業指示テーブル
315 ・・・引当ロケテーブル
321 ・・・出荷テーブル
322 ・・・出荷明細テーブル
Claims (4)
- 少なくとも一つの発注元からの物品の発注情報を受信し、集約して該当荷主へ発注する本部と、前記本部からの発注に対して前記荷主から発送された物品を受け取り、それぞれの発注元毎に分配して配送する物流センターとを含む物流システムにおける前記物流センターに設置され、
前記荷主から前記物流センターに入庫される予定の物品の情報と実際に入庫された物品の情報と、前記本部から受信した発注データ及び物品関連データをデータベースで管理するサーバと、このサーバと無線通信を介して対話を行う可搬型端末装置とを具備する物流装置であって、
前記サーバは、
前記発注データ及び前記物品関連データを物流センタの作業工程において処理可能な形式に変換し前記物品を容積及び重量で大物、中物、小物の3つの取扱区分に分類して前記データベースに格納するデータ変換手段と、
前記物流センターに入庫された前記物品を検品する際、前記物品に個別に付された物品識別情報をキーとして前記データベースを検索し、配送先と仕分けラベル情報を取得する入庫検品手段と、
実際に入庫された物品の前記仕分けラベル情報及び前記可搬型端末装置から入力された数量値をキーとして前記データベースを検索し、入庫予定の物品の情報と照合することで、入庫された物品の数量を検品する数量検品手段と、
前記数量検品手段により数量が確認された物品のうち、取扱区分の小物について前記発注元ごとに分配して配送するために、仕分けラベル情報、前記発注元ごとに付された配送先情報及び前記小物品を投入する器に付された器情報を関連づけて前記器ごとに管理する箱詰検品手段と、
前記仕分けラベル情報または前記小物の前記配送先情報に基づいて前記データベースを検索し、配送先ごとに付された積込指示情報と照合する積込検品手段と
を具備することを特徴とする物流装置。 - 前記入庫検品手段、前記数量検品手段、前記箱詰検品手段及び前記積込検品手段の処理の順に前記発注データ及び出荷指示データを編集処理し、前記数量検品手段及び前記箱詰検品手段による処理の完了を検知したことで前記積込検品手段の実行を可能とすることを特徴とする請求項1記載の物流装置。
- 前記入庫検品手段、前記数量検品手段、前記箱詰検品手段及び前記積込検品手段は、
前記可搬型端末装置より入力された作業指示番号を前記サーバへ送信する手段を備え、
前記サーバは、
各検品手段より受信された作業指示番号をデータベースの情報と照合することで前記物品と前記物品に関するデータを管理する管理手段を具備することを特徴とする請求項1記載の物流装置。 - 前記サーバは、
前記作業指示情報に基づいて各検品工程毎に物品に対する作業着手、作業完了などの作業進捗状況を管理する管理手段と、
前記管理手段により作業が管理される中で、作業が未完了のものを対象に明細照会を行う手段と、
明細照会の内容を所定形式で出力する出力手段と
を具備したことを特徴とする請求項1記載の物流装置。
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