JP3635874B2 - ネジ穴の有効径計測方法および装置 - Google Patents

ネジ穴の有効径計測方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネジ穴の有効径を計測する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明に係る先行例として、例えば特開平6−323835号公報がある。この先行例においては、ネジ穴内へ測定子を挿入し、この測定子の先端部に備えたエアー噴出口とネジ穴の内周面との間の距離を一定に保持し、前記エアー噴出口からエアーを噴出し乍ら測定子を軸方向に移動しつつエアーの背圧を電圧に変換して検出し、ネジ穴のネジ山に対応して検出される電圧のピーク値の平均値を演算する。次に、測定子を180°反転し、同様にネジ穴の内周面との距離を一定に保持して同様の測定を行って電圧のピーク値の平均値を演算している。
【0003】
そして、上記2回の測定データの平均値と予めメモリに格納されている検出電圧と有効径との関係を示すデータとに基いてネジ穴の有効径を演算しているものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記先行例において、測定子とネジ穴の内周面との間の距離を一定に設定するには、測定子をネジ穴の軸心位置に位置決めした後、測定子に備えたエアー噴出口からエアーを噴出しつつ径方向に移動し、エアーの背圧が所定値になったときにネジ穴の内周面と測定子との間の距離が一定になったものとしている。
【0005】
したがって、例えば測定子に備えたエアー噴出口がネジ穴のネジ山に常に対応するものとは必ず、ネジ穴の内周面と測定子との間の距離が常に所望の一定距離にならないことがある。よって、計測の安定性の向上を図る上において問題がある。
【0006】
また、ネジ穴の有効径を計測する方法として、前記先行例における測定子を軸方向に移動して検出される電圧変化のピーク値および最小値に基いて山径、谷径を演算し、この山径と谷径とに基いて有効径を演算することも考えられる。しかし、測定子とネジ穴の谷との間の距離が大きくなるので、場合によっては限界検出距離を越えることとなり、谷径を正確に計測できないことがあり、延ては有効径を演算できないことがある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述のごとき従来の問題に鑑みて、請求項1に係る発明は、互いに直交するX,Y,Z軸方向へ移動可能に設けた測定子をネジ穴に挿入し、ネジ穴におけるネジ山から前記測定子に備えたエアー噴出口までの距離を一定寸法に保持し、上記エアー噴出口からネジ穴の内周面へエアーを噴出しながら測定子を軸方向に移動してエアーの背圧を検出し、複数箇所のネジ山に対応した検出値のピーク値を平均化する(a)工程と、前記測定子のエアー噴出口が反対方向を指向するように測定子を半回転すると共に測定子におけるエアー噴出口からネジ穴におけるネジ山までの距離を前記一定寸法に保持し、上記エアー噴出口からエアーを噴出しつつ測定子を軸方向に移動してエアーの背圧を検出し、複数箇所のネジ山に対応した検出値のピーク値を平均化する(b)工程と、エアーの背圧とエアー噴出口からネジ穴の有効径までの関係を示す関係式又は関係データと前記(a)工程および(b)工程において求めた平均値の合計値とに基いてネジ穴の有効径を演算するネジ穴の有効径計測方法において、ネジ穴のネジ山から測定子におけるエアー噴出口までの距離を一定寸法に保持するとき、予め求めたネジ穴の中心位置から測定子を径方向に移動してネジ穴のネジ山に接触せしめ、この接触した位置から測定子を前記中心位置方向へ前記一定寸法だけ戻すことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に係る発明は、ネジ穴の下穴径を測定する(a)工程と、互いに直交するX,Y,Z軸方向へ移動可能に設けた測定子をネジ穴に挿入した状態で、ネジ穴におけるネジ山から前記測定子に備えたエアー噴出口までの距離を一定寸法に保持し、上記エアー噴出口からネジ穴の内周面へエアーを噴出しながら測定子を軸方向に移動してエアーの背圧を検出し、複数箇所のネジ山に対応した検出値のピーク値を平均化する(b)工程と、前記測定子のエアー噴出口が反対方向を指向するように測定子を半回転すると共に測定子におけるエアー噴出口からネジ穴におけるネジ山までの距離を前記一定寸法に保持し、上記エアー噴出口からエアーを噴出しつつ測定子を軸方向に移動してエアーの背圧を検出し、複数箇所のネジ山に対応した検出値のピーク値を平均化する(c)工程と、各ネジ径の下穴径の大きさ毎に求めたエアー背圧とエアー噴出口からネジ穴の有効径までの関係を示す関係式又は関係データと前記(a)工程において求めた下穴径と前記(b)工程および(c)工程において求めた平均値の合計値とに基いてネジ穴の有効径を演算する(d)工程とを有することを特徴とするものである。そして、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の発明において、前記エアーの背圧とエアー噴出口からネジ穴の有効径までの関係を示す関係式又は関係データは、各ネジ径の下穴径の大,中,小毎に求めたことを特徴とするものである。また、請求項4に係る発明は、請求項1,2又は3に記載の発明において、測定子におけるエアー噴出口は、ネジ穴におけるネジピッチの1/2ピッチより大きく1ピッチより小さい径のエアー噴出口を使用することを特徴とするものである。
【0009】
請求項5に係る発明は、長手方向に対して直交する方向へエアーを噴出するエアー噴出口を先端部に備えた測定子を、X,Y,Z軸方向へ移動可能かつ長手方向の軸心回りに回転可能に支持した測定子支持移動機構と、測定子のX,Y,Z軸方向の移動位置を検出する移動位置検出装置と、前記エアー噴出口からエアーを噴出したときの背圧を電圧に変換する圧力電圧変換器と、この圧力電圧変換器の出力電圧とネジ穴の有効径との関係を示す関係式又は関係データを予め格納してあるメモリと、前記測定子をネジ穴に挿入しネジ穴におけるネジ山とエアー噴出口との間隔寸法を一定寸法に保持して軸方向に移動したときに複数のネジ山に対応して検出した前記圧力電圧変換機器の出力電圧のピーク値を平均化した第1の平均電圧と前記測定子を半回転し同様にして検出した圧力電圧変換器の出力電圧のピーク値を平均化した第2の平均電圧との合計値と、前記メモリに格納した関係式又は関係データとに基いてネジ穴の有効径を演算する演算処理装置とを備え、前記測定子は円柱形状の測定子本体の先端部に球面状接触体を一体に備え、この球面状接触体の周面にエアー噴出口を備えた構成であることを特徴とするものである。
【0010】
請求項6に係る発明は、長手方向に対して直交する方向へエアーを噴出するエアー噴出口を先端部に備えた測定子を、X,Y,Z軸方向へ移動可能かつ長手方向の軸心回りに回転可能に支持した測定子支持移動機構と、測定子のX,Y,Z軸方向の移動位置を検出する移動位置検出装置と、前記エアー噴出口からエアーを噴出したときの背圧を電圧に変換する圧力電圧変換器と、この圧力電圧変換器の出力電圧とネジ穴の有効径との関係を示す関係式又は関係データを予め格納してあるメモリと、前記測定子をネジ穴に挿入しネジ穴におけるネジ山とエアー噴出口との間隔寸法を一定寸法に保持して軸方向に移動したときに複数のネジ山に対応して検出した前記圧力電圧変換機器の出力電圧のピーク値を平均化した第1の平均電圧と前記測定子を半回転し同様にして検出した圧力電圧変換器の出力電圧のピーク値を平均化した第2の平均電圧との合計値と、前記メモリに格納した関係式又は関係データとに基いてネジ穴の有効径を演算する演算処理装置とを備え、前記測定子は円柱形状の測定子本体の先端部付近にエアー噴出口を備え、このエアー噴出口を囲繞してエアー逃げ溝を形成した構成であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項7に係る発明は、長手方向に対して直交する方向へエアーを噴出するエアー噴出口を先端部に備えた測定子を、X,Y,Z軸方向へ移動可能かつ長手方向の軸心回りに回転可能に支持した測定子支持移動機構と、測定子のX,Y,Z軸方向の移動位置を検出する移動位置検出装置と、前記エアー噴出口からエアーを噴出したときの背圧を電圧に変換する圧力電圧変換器と、各ネジ径の下穴径の大きさ毎に求めた圧力電圧変換器の出力電圧とネジ穴の有効径との関係を示す関係式又は関係データを予め格納してあるメモリと、前記測定子をネジ穴に挿入して測定子をネジ山の複数箇所に接触させ移動位置検出装置にて検出した接触位置に基づいて算出した下穴径と、ネジ穴におけるネジ山とエアー噴出口との間隔寸法を一定寸法に保持して軸方向に移動したときに複数のネジ山に対応して検出した前記圧力電圧変換機器の出力電圧のピーク値を平均化した第1の平均電圧と前記測定子を半回転し同様にして検出した圧力電圧変換器の出力電圧のピーク値を平均化した第2の平均電圧との合計値と、前記メモリに格納した関係式又は関係データとに基いてネジ穴の有効径を演算する演算処理装置と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0012】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の発明において、圧力電圧変換器の出力電圧とネジ穴の有効径との関係を示す関係式又は関係データは、各ネジ径の下穴径の大,中,小毎に求めたものであることを特徴とするものである。そして、請求項9に係る発明は、請求項5〜8のいずれかに記載の発明において、測定子におけるエアー噴出口は、ネジ穴におけるネジピッチの1/2ピッチより大きく1ピッチより小さい径のエアー噴出口であることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の効果】
請求項1に係る発明は、互いに直交するX,Y,Z軸方向へ移動可能に設けた測定子をネジ穴に挿入し、ネジ穴におけるネジ山から前記測定子に備えたエアー噴出口までの距離を一定寸法に保持し、上記エアー噴出口からネジ穴の内周面へエアーを噴出しながら測定子を軸方向に移動してエアーの背圧を検出し、複数箇所のネジ山に対応した検出値のピーク値を平均化する(a)工程と、前記測定子のエアー噴出口が反対方向を指向するように測定子を半回転すると共に測定子におけるエアー噴出口からネジ穴におけるネジ山までの距離を前記一定寸法に保持し、上記エアー噴出口からエアーを噴出しつつ測定子を軸方向に移動してエアーの背圧を検出し、複数箇所のネジ山に対応した検出値のピーク値を平均化する(b)工程と、エアーの背圧とエアー噴出口からネジ穴の有効径までの関係を示す関係式又は関係データと前記(a)工程および(b)工程において求めた平均値の合計値とに基いてネジ穴の有効径を演算するネジ穴の有効径計測方法において、ネジ穴のネジ山から測定子におけるエアー噴出口までの距離を一定寸法に保持するとき、予め求めたネジ穴の中心位置から測定子を半径方向に移動してネジ穴のネジ山に接触せしめ、この接触した位置から測定子を前記中心位置方向へ前記一定寸法だけ戻すものであるから、ネジ穴におけるネジ山から測定子のエアー噴出口までの距離の一定寸法をネジ穴径に拘りなく常に一定に設定することができる。よって、ネジ穴径毎に上記一定寸法を変更する煩しさがないと共に、上記一定寸法を小さくして計測精度の向上を図ることができる。
【0014】
請求項2に係る発明は、ネジ穴の下穴径を測定する(a)工程と、互いに直交するX,Y,Z軸方向へ移動可能に設けた測定子をネジ穴に挿入した状態で、ネジ穴におけるネジ山から前記測定子に備えたエアー噴出口までの距離を一定寸法に保持し、上記エアー噴出口からネジ穴の内周面へエアーを噴出しながら測定子を軸方向に移動してエアーの背圧を検出し、複数箇所のネジ山に対応した検出値のピーク値を平均化する(b)工程と、前記測定子のエアー噴出口が反対方向を指向するように測定子を半回転すると共に測定子におけるエアー噴出口からネジ穴におけるネジ山までの距離を前記一定寸法に保持し、上記エアー噴出口からエアーを噴出しつつ測定子を軸方向に移動してエアーの背圧を検出し、複数箇所のネジ山に対応した検出値のピーク値を平均化する(c)工程と、各ネジ径の下穴径の大きさ毎に求めたエアー背圧とエアー噴出口からネジ穴の有効径までの関係を示す関係式又は関係データと前記(a)工程において求めた下穴径と前記(b)工程および(c)工程において求めた平均値の合計値とに基いてネジ穴の有効径を演算する(d)工程とを有するネジ穴の有効径測定方法であるから、測定子のエアー噴出口からネジ穴のネジ山までの距離の一定寸法を小さくして計測することができ、計測精度の向上を図ることができる。また、1回目の計測による平均値と測定子を半回転した後の2回目の計測による平均値の合計値を用いてネジ穴の有効径を演算するものであるから、ネジ穴の下穴径の中心と有効径の中心とが僅かにずれているような場合があっても、上記ずれをキャンセルして計測できることになる。そして、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の発明において、前記エアーの背圧とエアー噴出口からネジ穴の有効径までの関係を示す関係式又は関係データは、各ネジ径の下穴径の大,中,小毎に求めたことを特徴とするものであり、請求項4に係る発明は、請求項1,2又は3に記載の発明において、測定子におけるエアー噴出口は、ネジ穴におけるネジピッチの1/2ピッチより大きく1ピッチより小さい径のエアー噴出口を使用することを特徴とするものである。
【0015】
請求項5に係る発明は、長手方向に対して直交する方向へエアーを噴出するエアー噴出口を先端部に備えた測定子を、X,Y,Z軸方向へ移動可能かつ長手方向の軸心回りに回転可能に支持した測定子支持移動機構と、測定子のX,Y,Z軸方向の移動位置を検出する移動位置検出装置と、前記エアー噴出口からエアーを噴出したときの背圧を電圧に変換する圧力電圧変換器と、この圧力電圧変換器の出力電圧とネジ穴の有効径との関係を示す関係式又は関係データを予め格納してあるメモリと、前記測定子をネジ穴に挿入しネジ穴におけるネジ山とエアー噴出口との間隔寸法を一定寸法に保持して軸方向に移動したときに複数のネジ山に対応して検出した前記圧力電圧変換機器の出力電圧のピーク値を平均化した第1の平均電圧と前記測定子を半回転し同様にして検出した圧力電圧変換器の出力電圧のピーク値を平均化した第2の平均電圧との合計値と、前記メモリに格納した関係式又は関係データとに基いてネジ穴の有効径を演算する演算処理装置とを備え、前記測定子は円柱形状の測定子本体の先端部に球面状接触体を一体に備え、この球面状接触体の周面にエアー噴出口を備えた構成であるから、エアー噴出口から噴出されたエアーを周囲に均等的に逃すことができ、測定状態の安定化を図ることができる。
【0016】
請求項6に係る発明は、長手方向に対して直交する方向へエアーを噴出するエアー噴出口を先端部に備えた測定子を、X,Y,Z軸方向へ移動可能かつ長手方向の軸心回りに回転可能に支持した測定子支持移動機構と、測定子のX,Y,Z軸方向の移動位置を検出する移動位置検出装置と、前記エアー噴出口からエアーを噴出したときの背圧を電圧に変換する圧力電圧変換器と、この圧力電圧変換器の出力電圧とネジ穴の有効径との関係を示す関係式又は関係データを予め格納してあるメモリと、前記測定子をネジ穴に挿入しネジ穴におけるネジ山とエアー噴出口との間隔寸法を一定寸法に保持して軸方向に移動したときに複数のネジ山に対応して検出した前記圧力電圧変換機器の出力電圧のピーク値を平均化した第1の平均電圧と前記測定子を半回転し同様にして検出した圧力電圧変換器の出力電圧のピーク値を平均化した第2の平均電圧との合計値と、前記メモリに格納した関係式又は関係データとに基いてネジ穴の有効径を演算する演算処理装置とを備え、前記測定子は円柱形状の測定子本体の先端部付近にエアー噴出口を備え、このエアー噴出口を囲繞してエアー逃げ溝を形成した構成であるから、エアー噴出口から噴出されたエアーをエアー逃げ溝へ均等的に逃すことができ、測定状態の安定化を図ることができる。
【0017】
請求項7に係る発明は、長手方向に対して直交する方向へエアーを噴出するエアー噴出口を先端部に備えた測定子を、X,Y,Z軸方向へ移動可能かつ長手方向の軸心回りに回転可能に支持した測定子支持移動機構と、測定子のX,Y,Z軸方向の移動位置を検出する移動位置検出装置と、前記エアー噴出口からエアーを噴出したときの背圧を電圧に変換する圧力電圧変換器と、各ネジ径の下穴径の大きさ毎に求めた圧力電圧変換器の出力電圧とネジ穴の有効径との関係を示す関係式又は関係データを予め格納してあるメモリと、前記測定子をネジ穴に挿入して測定子をネジ山の複数箇所に接触させ移動位置検出装置にて検出した接触位置に基づいて算出した下穴径と、ネジ穴におけるネジ山とエアー噴出口との間隔寸法を一定寸法に保持して軸方向に移動したときに複数のネジ山に対応して検出した前記圧力電圧変換機器の出力電圧のピーク値を平均化した第1の平均電圧と前記測定子を半回転し同様にして検出した圧力電圧変換器の出力電圧のピーク値を平均化した第2の平均電圧との合計値と、前記メモリに格納した関係式又は関係データとに基いてネジ穴の有効径を演算する演算処理装置と、を備えてなるものであるから、ネジ穴の中心と有効径の中心とが僅かにずれているような場合であっても、上記ずれをキャンセルして計測できることにより、計測精度の向上を図ることができる。
【0018】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の発明において、圧力電圧変換器の出力電圧とネジ穴の有効径との関係を示す関係式又は関係データは、各ネジ径の下穴径の大,中,小毎に求めたものであることを特徴とするものである。そして、請求項9に係る発明は、請求項5〜8のいずれかに記載の発明において、測定子におけるエアー噴出口は、ネジ穴におけるネジピッチの1/2ピッチより大きく1ピッチより小さい径のエアー噴出口であるから、エアーの背圧の変化量が小さすぎることや、ネジ穴の谷部、山部の変化をとらえられなくなるようなことがなく、精度の良い計測を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1を参照するに、本発明の実施の形態例に係るネジ穴の有効径計測装置1は、長手方向に対して直交する方向へエアーを噴出するエアー噴出口3Aを先端部に備えた測定子3を備えると共に、上記測定子3を互いに直交するX,Y,Z軸方向へ移動可能かつ長手方向の軸心回りに回転可能に支持した測定子支持移動機構5を備えている。
【0020】
上記測定子支持移動機構5は、例えば三次元測定装置においてプローブを支持する構成と同様の構成であって公知の構成であるから、上記測定子支持移動機構5の詳細についての説明は省略する。
【0021】
前記測定子3は、一種のエアーマイクロメータを構成するものであって、円柱形状の測定子本体7の先端部に球面状接触体9を一体に備えた構成であり、この球面状接触体9の球面状をなす外周面に前記エアー噴出口3Aが形成してある。上記球面状接触体9は、本例においては球体の対向する部分を適宜に切り落として球帯形状に形成してある。
【0022】
したがって、エアー供給源(図示省略)から供給される一定圧のエアーを前記エアー噴出口3Aから被測定物へエアーを噴出し、エアーの背圧を検出することによって被測定物とエアー噴出口3Aとの間の間隔寸法を検出するとき、エアー噴出口3Aから噴出されたエアーはエアー噴出口3Aの周囲に均等的に逃げることになり、必要以上の背圧の上昇を抑制でき、計測精度の向上を図ることをできるものである。
【0023】
また、前記測定子3には、球面状の前記接触体9がワークWに接触したことを検出するためのタッチセンサ11が設けてあると共に、前記エアー噴出口3Aからエアーを噴出したときのエアーの背圧を電圧に変換する圧力電圧変換器13が適宜に接続してある。前記タッチセンサ11は、測定子3がワークWに接触したときに例えば電流回路が形成されることを検出する構成である。
【0024】
前記タッチセンサ11および圧力電圧変換器13は演算処理装置15の1例としてのパソコンに電気的に接続してある。さらに上記演算処理装置15には、前記測定子支持移動機構5によって測定子3をX,Y,Z軸方向へ移動したときの移動位置を検出するための3軸方向の複数のマグネスケール等のリニアスケールあるいはロータリーエンコーダ等よりなる移動位置検出装置17が接続してあると共に、前記測定子支持移動機構5を制御して前記測定子3の移動動作を制御するNC装置19が接続してある。
【0025】
さらに前記演算処理装置15はメモリ21を備えており、このメモリ21には、前記圧力電圧変換器13の出力電圧とネジ穴における有効径との関係を示す関係式又は関係データが格納してある。
【0026】
以上のごとき構成において、ワークWに形成されたネジ穴SHの有効径を計測するには、次のごとく行う。
【0027】
先ず、図3に示すように、基準ネジ穴に対して下穴径が大、中、小でかつ各下穴径に対して有効径が大、中、小の基準となる9種類のマスターリングを使用して圧力電圧変換器3の出力電圧と有効径との関係を示す関係データを作成する。
【0028】
すなわち、例えば位置決め治具等を使用して正確に位置決めしたマスターリングにおけるネジ穴内に前記測定子3を挿入し、測定子3における接触体9に形成したエアー噴出口3A側をネジ穴のネジ山に接触せしめた後、ネジ穴の中心位置方向へ離反せしめて上記ネジ山とエアー噴出口3Aとの間の距離を所望の一定寸法に保持する。そして、エアー噴出口3Aからエアーを噴出しつつ測定子3を軸方向に移動し、そのときのエアーの背圧を電圧に変換して得られる圧力電圧変換器13の出力電圧は図4に示すようになる。
【0029】
図4においてのピーク値A1,A2,A3,…はネジ穴のネジ山のピッチに対応して得られる。このピーク値A1,A2,A3,…を平均して一方の平均電圧を求める。
【0030】
次に、エアー噴出口3Aを反対方向に指向すべく測定子3を180°回転し、ネジ穴の他方のネジ山に接触せしめた後に前述と同様に他方のネジ山とエアー噴出口3Aとの間の距離を前記一定寸法に保持し、前述と同様にしてピーク値を平均して他方の平均電圧を求める。そして、一方の平均電圧と他方の平均電圧との和と有効径との関係を各マスターリング毎にプロットすると、図5に示すデータが得られる。
【0031】
図5において、線Aは下穴径が小の場合における出力電圧の合計値と有効径の合計値との関係を示し、線B、線Cはそれぞれ下穴径が中、大の場合における出力電圧の合計値と有効径の合計値との関係を示すものである。上記有効径の合計値は、一方の平均電圧を測定したときにおけるエアー噴出口3Aからネジ穴の有効径距離までの寸法と、他方の平均電圧を測定したときにおけるエアー噴出口3Aから有効径距離までの寸法との合計値を示すものである。
【0032】
図5に示すごときデータは、例えばM6,M8等のように各ネジ径毎に予め求められて前記メモリ21に出力電圧とネジ穴の有効径との関係を示す関係式又は関係データとして、予め格納されているものである。なお、上記関係式又は関係データのメモリ21への格納時期は、ネジ穴の計測前であれば何時でも良いものである。
【0033】
ワークWにおけるネジ穴SHの有効径を計測するには、図2に示すように、測定子3に対向して位置決めしたワークW方向へ測定子3を移動せしめてワークWの基準面に接触体9を接触せしめ、この接触位置を検出装置17によって検出し、演算処理装置15に備えたメモリに一時的に格納する。
【0034】
次に、測定子3を僅かに戻した後、ネジ穴SH内に適宜に挿入し、測定子3の接触体9をネジ穴SHにおけるネジ山の複数箇所に接触せしめ、その接触位置に基いてネジ穴SHの軸心位置及び下穴径を演算処理装置15において演算して求め、この軸心位置及び下穴径をメモリに一時的に格納する。この際、下穴径の大、中、小を判別する。
【0035】
その後、求めた上記軸心位置に測定子3を位置決めし、エアー噴出口3A側がネジ穴SHのネジ山に接触するように移動し、接触体9が上記ネジ山に接触した後に測定子3を前記軸心位置方向へ一定寸法(一定距離)だけ戻し位置決めする。そして、エアー噴出口3Aから一定圧のエアーを噴出し乍ら測定子3をネジ穴SHの深さ方向へ移動し、エアーの背圧の変化を圧力電圧変換器13によって電圧として検出すると共に位置検出装置17によって測定子3の移動位置を検出し、かつ前記電圧のピーク値の平均値を求める。この際、出力電圧の変化状態が小さくなる位置を検出することにより、ネジ穴SHの有効深さを検出することができる。
【0036】
測定子3における接触体9が有効ネジ深さに相当する位置に達した後、測定子3をネジ穴SHの軸心位置に戻すと共にエアー噴出口3Aが反対方向を指向するように測定子3を180°回転する。そして、前記接触体9をネジ穴SHの反対側のネジ山に接触せしめた後、上記ネジ山とエアー噴出口3Aとの間隔が前記一定寸法となるように測定子3を中心位置方向へ戻して位置決めする。その後、エアー噴出口3Aから一定圧のエアーを噴出し乍らネジ穴SHの入口方向へ戻しつつエアーの背圧を圧力電圧変換器13により電圧として検出すると共に移動位置を検出し、かつ前記電圧のピーク値の平均値を求める。
【0037】
そして、前回の電圧の平均値と今回の平均値との合計値と、メモリ21に格納してある電圧と有効径との関係を示す関係式又は図5に示すごとき関係データとに基いてネジ穴SHの有効径の合計値(図6のa+b)を演算し、かつ1回目の電圧の平均値を求める際の測定子3の位置から2回目の電圧の平均値を求める際の測定子3の位置までの移動距離(図6のc)を加算することによってネジ穴SHの有効径を求めることができる。
【0038】
ところで、ネジ穴の有効径を測定するとき、測定子3のエアー噴出口3Aから噴出されるエアーの背圧は、上記エアー噴出口3Aの径と被測定物との間の距離によって決まる表面積によって変化する。したがって、図7(1),(2)に示すように、測定子3におけるエアー噴出口3Aが同径で、ネジ穴のネジ山SMからエアー噴出口3Aまでの距離Lが等しい条件の場合であっても、有効径が小の場合[図7(1)]と有効径が大の場合[図7(2)]によって表面積SA,SBの大きさが異なり、背圧が異なる。すなわち、有効径小の場合における表面積SAの方が有効径大の場合における表面積SBより小さいので背圧は大きくなる。
【0039】
したがって、測定子3のエアー噴出口3Aから噴出されるエアーの背圧を検出することによってネジ穴の有効径を検出することができるものである。
【0040】
図7(1),(2)より理解されるように、測定子3におけるエアー噴出口3Aの径を小さくすると、例えば図7(3),(4)に示すように、表面積SA,SBの変化量が小さくなり感度が低下すると共に、エアー噴出口3Aからの検出距離も小さくなるものである。逆に、エアー噴出口3Aの径を大きくすると、ネジ穴における山部と谷部とを含んだ態様でもって背圧を検出することとなり、山部と谷部との変化をとらえることが難しくなるので、エアー噴出口3Aを必要以上に大きくすることは望ましいものではない。
【0041】
そこで、ネジ穴におけるネジ山のピッチと測定子3に備えたエアー噴出口3Aの径とが計測精度に影響することを考慮して試験を行った。
【0042】
図8(1)は、ネジ穴としてM6×1.0の場合で、測定子3の接触体9の径が3.8φ、エアー噴出口3Aの径が1.0φ、エアー噴出口3Aからネジ山までの寸法が0.1mmの条件のときの圧力電圧変換器13の出力電圧とネジ穴深さとの関係を示し、図8(2)は出力電圧の合計値と有効径距離の合計値との関係を示すものである。
【0043】
図8(1)より明らかなように、前記条件においては、ネジ山のピッチとエアー噴出口3Aの径とが等しく、ネジ穴における山部と谷部との電圧差が小さく、不安定なデータである。
【0044】
そこで、エアー噴出口3Aの径を0.6φとしてネジ山のピッチの約1/2にし、その他の条件は前記条件と同一にして試験を行ったところ、図9(1),(2)に示すデータが得られた。図9(1)より明らかなように、このデータにおいてはネジ穴の山部と谷部との電圧差が大きく、安定したデータである。しかし、図9(2)と図8(2)との比較より明らかなように、図9(2)の方が線の傾斜が緩くなり感度が低下していることがわかる。よって、ネジ山のピッチに比較してエアー噴出口3Aの径を小さくすると、感度が低下することがわかる。
【0045】
次に、図8(1),(2)のデータを得たときと同一の測定子3を使用し、かつエアー噴出口3Aからネジ山までの寸法を同一の0.1mmに保持し、M12×1.75のネジ穴の場合について同様の計測を行ったところ、図10(1),(2)に示すデータが得られた。この場合、エアー噴出口3Aの径はネジ山のピッチの1/2より僅かに大きなものであり、山部と谷部との電圧差が大きく安定したデータである。
【0046】
ここで、エアー噴出口3Aの径を0.6φとして図10(1),(2)のデータを得たときと同一条件で同様の計測を行ったところ、図11(1),(2)のデータが得られた。この図11(1)においては安定したデータではあるが有効径部付近では限界検出距離を越えており、また図11(2)より明らかなように感度が低下するので、ネジ山のピッチに比較してエアー噴出口3Aの径が小さすぎることは望ましくないことがわかる。
【0047】
すなわち、図8〜図11のデータを勘案すると、エアー噴出口3Aの径は、ネジ穴のピッチとの関係においては1/2ピッチよりは大きく、1ピッチよりは小さいことが望ましいことがわかる。
【0048】
図12は測定子の第2例を示すものである。この第2例に示す測定子23は円柱形状をなしており、先端部付近にエアー噴出口23Aを備えている。そして、エアー噴出口23Aを囲繞するエアー逃し溝25が形成してあり、このエアー逃し溝25は、測定穴深さよりも長く軸方向に形成した溝27と接続してある。なお、本例においては、エアー噴出口23Aとエアー逃し溝25Aとの間のランド部29を矩形状にて例示してあるが、ランド部29は図12(3)に示すように円形状に形成することが望ましい。ランド部29を円形状にすると、エアー噴出口23Aからエアー逃し溝25Aまでの距離が一定になりより安定するようになる。
【0049】
上記構成によれば、エアー噴出口23Aから噴出されたエアーがエアー逃し溝25に均等的に流出されるので、エアーの背圧を必要以上に上昇せしめるようなことがないものである。また、エアーが溝27に沿って流出するので、ネジ穴が袋穴の場合であってもエアーの干渉を生じることがなく何等の問題なしに高精度の計測を行うことができるものである。
【0050】
以上のごとき説明より理解されるように、本例によれば、ネジ穴SHのネジ山に測定子3を接触せしめた後に、ネジ穴SHの中心方向へ測定子3を戻してエアー噴出口3Aとネジ穴SHのネジ山との間の間隙寸法を一定に保持するものであるから、精度の良い間隙寸法に維持でき、ネジ穴SHの有効径の計測精度の向上を図ることができるものである。
【0051】
また、測定子3におけるエアー噴出口3Aはネジ穴の1/2ピッチより大きく1ピッチより小さい径であるから、感度を低下することなく安定したデータを得ることができ、良好な計測を行うことができる。
【0052】
さらに、ネジ穴SHの有効径の計測時には、測定子3におけるエアー噴出口3Aが反対方向を指向するように半回転することによって計測した2箇所の平均電圧の合計値によって有効径を求めているので、ネジ穴における下穴の中心位置と有効径の中心位置とが僅かにずれている場合であっても、上記ずれをキャンセルできることとなり、1箇所の計測の場合に比較してより正確な計測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有効径計測装置を概念的に示した説明図である。
【図2】ネジ穴の有効径を計測する工程を示した説明図である。
【図3】マスターリングの一覧を示す説明図である。
【図4】ネジ穴深さ方向と圧力電圧変換器の出力とを示す説明図である。
【図5】出力電圧の合計値と有効径距離の合計値との関係を示す説明図である。
【図6】ネジ穴の有効径の求め方を示す説明図である。
【図7】測定子におけるエアー噴出口の径とネジ穴のピッチとの関係を示す説明図である。
【図8】ネジ穴のピッチとエアー噴出口の径との関係による検出データの変化を示す説明図である。
【図9】ネジ穴のピッチとエアー噴出口の径との関係による検出データの変化を示す説明図である。
【図10】ネジ穴のピッチとエアー噴出口の径との関係による検出データの変化を示す説明図である。
【図11】ネジ穴のピッチとエアー噴出口の径との関係による検出データの変化を示す説明図である。
【図12】測定子の第2例を示す説明図である。
【符号の説明】
3,23 測定子
3A,23A 噴出口
5 測定子支持移動機構
7 測定子本体
9 球面状接触体
13 圧力電圧変換器
15 演算処理装置
17 移動位置検出装置
25 エアー逃し溝

Claims (9)

  1. 互いに直交するX,Y,Z軸方向へ移動可能に設けた測定子をネジ穴に挿入し、ネジ穴におけるネジ山から前記測定子に備えたエアー噴出口までの距離を一定寸法に保持し、上記エアー噴出口からネジ穴の内周面へエアーを噴出しながら測定子を軸方向に移動してエアーの背圧を検出し、複数箇所のネジ山に対応した検出値のピーク値を平均化する(a)工程と、前記測定子のエアー噴出口が反対方向を指向するように測定子を半回転すると共に測定子におけるエアー噴出口からネジ穴におけるネジ山までの距離を前記一定寸法に保持し、上記エアー噴出口からエアーを噴出しつつ測定子を軸方向に移動してエアーの背圧を検出し、複数箇所のネジ山に対応した検出値のピーク値を平均化する(b)工程と、エアーの背圧とエアー噴出口からネジ穴の有効径までの関係を示す関係式又は関係データと前記(a)工程および(b)工程において求めた平均値の合計値とに基いてネジ穴の有効径を演算するネジ穴の有効径計測方法において、ネジ穴のネジ山から測定子におけるエアー噴出口までの距離を一定寸法に保持するとき、予め求めたネジ穴の中心位置から測定子を径方向に移動してネジ穴のネジ山に接触せしめ、この接触した位置から測定子を前記中心位置方向へ前記一定寸法だけ戻すことを特徴とするネジ穴の有効径計測方法。
  2. ネジ穴の下穴径を測定する(a)工程と、互いに直交するX,Y,Z軸方向へ移動可能に設けた測定子をネジ穴に挿入した状態で、ネジ穴におけるネジ山から前記測定子に備えたエアー噴出口までの距離を一定寸法に保持し、上記エアー噴出口からネジ穴の内周面へエアーを噴出しながら測定子を軸方向に移動してエアーの背圧を検出し、複数箇所のネジ山に対応した検出値のピーク値を平均化する(b)工程と、前記測定子のエアー噴出口が反対方向を指向するように測定子を半回転すると共に測定子におけるエアー噴出口からネジ穴におけるネジ山までの距離を前記一定寸法に保持し、上記エアー噴出口からエアーを噴出しつつ測定子を軸方向に移動してエアーの背圧を検出し、複数箇所のネジ山に対応した検出値のピーク値を平均化する(c)工程と、各ネジ径の下穴径の大きさ毎に求めたエアー背圧とエアー噴出口からネジ穴の有効径までの関係を示す関係式又は関係データと前記(a)工程において求めた下穴径と前記(b)工程および(c)工程において求めた平均値の合計値とに基いてネジ穴の有効径を演算する(d)工程とを有することを特徴とするネジ穴の有効径計測方法。
  3. 請求項2に記載の発明において、前記エアーの背圧とエアー噴出口からネジ穴の有効径までの関係を示す関係式又は関係データは、各ネジ径の下穴径の大,中,小毎に求めたことを特徴とするネジ穴の有効径計測方法。
  4. 請求項1,2又は3に記載の発明において、測定子におけるエアー噴出口は、ネジ穴におけるネジピッチの1/2ピッチより大きく1ピッチより小さい径のエアー噴出口を使用することを特徴とするネジ穴の有効径計測方法。
  5. 長手方向に対して直交する方向へエアーを噴出するエアー噴出口を先端部に備えた測定子を、X,Y,Z軸方向へ移動可能かつ長手方向の軸心回りに回転可能に支持した測定子支持移動機構と、測定子のX,Y,Z軸方向の移動位置を検出する移動位置検出装置と、前記エアー噴出口からエアーを噴出したときの背圧を電圧に変換する圧力電圧変換器と、この圧力電圧変換器の出力電圧とネジ穴の有効径との関係を示す関係式又は関係データを予め格納してあるメモリと、前記測定子をネジ穴に挿入しネジ穴におけるネジ山とエアー噴出口との間隔寸法を一定寸法に保持して軸方向に移動したときに複数のネジ山に対応して検出した前記圧力電圧変換機器の出力電圧のピーク値を平均化した第1の平均電圧と前記測定子を半回転し同様にして検出した圧力電圧変換器の出力電圧のピーク値を平均化した第2の平均電圧との合計値と、前記メモリに格納した関係式又は関係データとに基いてネジ穴の有効径を演算する演算処理装置とを備え、前記測定子は円柱形状の測定子本体の先端部に球面状接触体を一体に備え、この球面状接触体の周面にエアー噴出口を備えた構成であることを特徴とするネジ穴の有効径計測装置。
  6. 長手方向に対して直交する方向へエアーを噴出するエアー噴出口を先端部に備えた測定子を、X,Y,Z軸方向へ移動可能かつ長手方向の軸心回りに回転可能 に支持した測定子支持移動機構と、測定子のX,Y,Z軸方向の移動位置を検出する移動位置検出装置と、前記エアー噴出口からエアーを噴出したときの背圧を電圧に変換する圧力電圧変換器と、この圧力電圧変換器の出力電圧とネジ穴の有効径との関係を示す関係式又は関係データを予め格納してあるメモリと、前記測定子をネジ穴に挿入しネジ穴におけるネジ山とエアー噴出口との間隔寸法を一定寸法に保持して軸方向に移動したときに複数のネジ山に対応して検出した前記圧力電圧変換機器の出力電圧のピーク値を平均化した第1の平均電圧と前記測定子を半回転し同様にして検出した圧力電圧変換器の出力電圧のピーク値を平均化した第2の平均電圧との合計値と、前記メモリに格納した関係式又は関係データとに基いてネジ穴の有効径を演算する演算処理装置とを備え、前記測定子は円柱形状の測定子本体の先端部付近にエアー噴出口を備え、このエアー噴出口を囲繞してエアー逃げ溝を形成した構成であることを特徴とするネジ穴の有効径計測装置。
  7. 長手方向に対して直交する方向へエアーを噴出するエアー噴出口を先端部に備えた測定子を、X,Y,Z軸方向へ移動可能かつ長手方向の軸心回りに回転可能に支持した測定子支持移動機構と、測定子のX,Y,Z軸方向の移動位置を検出する移動位置検出装置と、前記エアー噴出口からエアーを噴出したときの背圧を電圧に変換する圧力電圧変換器と、各ネジ径の下穴径の大きさ毎に求めた圧力電圧変換器の出力電圧とネジ穴の有効径との関係を示す関係式又は関係データを予め格納してあるメモリと、前記測定子をネジ穴に挿入して測定子をネジ山の複数箇所に接触させ移動位置検出装置にて検出した接触位置に基づいて算出した下穴径と、ネジ穴におけるネジ山とエアー噴出口との間隔寸法を一定寸法に保持して軸方向に移動したときに複数のネジ山に対応して検出した前記圧力電圧変換機器の出力電圧のピーク値を平均化した第1の平均電圧と前記測定子を半回転し同様にして検出した圧力電圧変換器の出力電圧のピーク値を平均化した第2の平均電圧との合計値と、前記メモリに格納した関係式又は関係データとに基いてネジ穴の有効径を演算する演算処理装置と、を備えてなることを特徴とするネジ穴の有効径計測装置。
  8. 請求項7に記載の発明において、圧力電圧変換器の出力電圧とネジ穴の有効径との関係を示す関係式又は関係データは、各ネジ径の下穴径の大,中,小毎に求めたものであることを特徴とするネジ穴の有効径計測装置。
  9. 請求項5〜8のいずれかに記載の発明において、測定子におけるエアー噴出口は、ネジ穴におけるネジピッチの1/2ピッチより大きく1ピッチより小さい径のエアー噴出口であることを特徴とするネジ穴の有効径計測装置。
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