JP3635796B2 - 金属蒸気放電灯 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は発光管バルブとして透光性セラミックを使用した金属蒸気放電灯に関する。
【0002】
【従来の技術】
透光性アルミナ管はアルカリ金属に対して安定であるという特性を生かして高圧ナトリウムランプの発光管に使用されている。近年この透光性アルミナ管を金属ハロゲン化物を封入したメタルハライドランプの発光管に使用する試みが盛んになされている。メタルハライドランプにアルミナ管を使用する目的としては、従来メタルハライドランプで一般に発光管に使われている石英ガラスより、封入物である金属ハロゲン化物に対して、化学的、熱的に安定であるからである。
【0003】
従来の石英製メタルハライドランプでは、封入物と石英ガラスとの化学反応によって寿命が抑制されるという問題があったが、石英ガラスより封入物に対して化学的により安定なアルミナ管を用いることで寿命特性の向上が期待できる。また石英ガラスより使用限界温度が高いという特徴を生かしたランプの高効率化設計の実現や、石英ガラス製発光管では反応性が大であるために事実上封入出来ないアルカリ金属の封入が可能であるといった利点がある。
【0004】
セラミック製メタルハライドランプの発光管封止構造としては、図1や図2のような構造が知られている。図1においてセラミック発光管1はアルミナ棒状体の表面に導電膜5を設けその一端に電極固定用の穴を開けた円柱状体の金属コーティングディスク2と封着材6によって気密封止した構造になっている。図2は他の例でセラミック発光管1とアルミナとタングステンまたはモリブデンとの混合物からなりその一端に電極固定用の穴を開けた円柱状体の導通性サ−メットエンドディスク7とは封着材6によって気密封止した構造になっている。いずれの例でも封着材としてはアルミナ、酸化カルシウムなどを主成分としたものや、アルミナ、酸化ケイ素などを主成分とした金属酸化物の混合物からなるガラス封着材が使われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の図1及び図2の構造では発光管とエンドディスクは金属酸化物の混合物からなるガラス封着材によって気密封止されていた。
【0006】
ところで封着材には下記のような特性が求められる。
【0007】
(1)アルミナ管と良くなじむこと
(2)エンドディスクと良くなじむこと
(3)ランプ点灯時の高温に耐えること
(4)熱膨張率がアルミナ管のそれに近似していること
(5)融点が適当であること
(6)高温においてアルカリ金属及び金属ハロゲン化物と反応しないこと
しかしながら、セラミック製の発光管を用い、金属ハロゲン化物やアルカリ金属を封入する金属蒸気放電灯に使用できる、このような特性を完全に満足する封着材は知られていなかった。従来から使用されているガラス封着材には次のような欠点があった。
【0008】
(1)高圧ナトリウムランプで一般的に用いられる酸化カルシウムのようなアルカリ土類金属の酸化物を含んだガラス封着材は金属ハロゲン化物と高温で反応する。
【0009】
(2)セラミック発光管を用い、ハロゲン化物を封入するいわゆるセラミックメタルハライドランプに一般的に用いられる酸化珪素を含んだガラス封着剤はアルカリ金属と高温で反応する。
【0010】
(3)酸化珪素を含んだガラス封着材は特に沃化スカンジウムのような金属ハロゲン化物と高温で反応する。
【0011】
このように従来はセラミック発光管の封着材として、高温で金属ハロゲン化物とアルカリ金属に耐え得るものがなかったため、セラミック製の発光管を用いたメタルハライドランプの実用化が困難であった。
【0012】
本発明の目的は、セラミックからなる発光管に金属ハロゲン化物又はアルカリ金属を封入した金属蒸気放電灯において、封着材と封入物との反応を実質的に防止した、寿命の優れた金属蒸気放電灯を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にかかる金属蒸気放電灯は透光性セラミックからなる発光管の両端開口部と電極を備えた電極支持体とを封着材で気密に封止し、該発光管の内部に金属ハロゲン化物と水銀、不活性ガスを封入した金属蒸気放電灯において、前記封着材は珪素を主体とすることを特徴とした金属蒸気放電灯。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明金属蒸気放電灯は、透光性セラミックからなる発光管の両端開口部と電極を備えた柱状の電極支持体とを気密に封止するための封着材として、珪素を主体とする封着材を用いる。このようにすることにより、セラミックからなる発光管に金属ハロゲン化物又はアルカリ金属を封入した金属蒸気放電灯において、封着材と封入物との反応を実質的に防止した、寿命の優れた金属蒸気放電灯を提供することができる。
【0015】
【実施例】
以下本発明を実施例に基づいて説明する。本発明にかかる発光管の構造は、基本的には図1及び図2に示す従来の発光管構造と同じである。図において1は透光性アルミナからなるセラミック発光管、2はアルミナ棒状体の表面に白金の導電膜5をコーティングし、その一端に電極固定用の穴を開けた円柱状体の金属コーティングディスク、3はタングステンよりなる電極である。電極3の極芯はエンドディスクに埋め込み固定されている。エンドディスクの発光管内側に面してアルミナセラミック製の絶縁板4が取り付けられている。エンドディスク2と発光管端部開口部とは封着材6によって気密に封止されている。
【0016】
次に図1により250Wのメタルハライドランプ発光管について更に詳しく説明する。セラミック発光管1は内径16mm、長さ約40mmで両端部は細く絞られている。電極の極芯径は0.5mmで、先端部にはタングステンコイルが取り付けてある。このような構造の発光管内には約30トールのアルゴンガスと封入物質が封入されている。封入物質としては水銀20mgと金属ハロゲン化物としての沃化ディスプロシウム4mg、沃化タリウム2mg及び金属ナトリウム0.1mgが封入されている。
【0017】
図3は本発明にかかるランプ完成品の一実施例である。石英からなる外管8内に発光管1が組み込まれ、外管内は高真空に保たれている。また外管内を長期にわたって高真空に保つため、Al−Zrゲッター9が取り付けられている。このような構成で下記に示す封着材の比較試験を行った。
【0018】
封着材1
Al2 O3 46.0重量パーセント
CaO 42.0重量パーセント
Y2 O3 3.0重量パーセント
SrO 9.0重量パーセント
封着材2
Al2 O3 21.7重量パーセント
SiO2 26.0重量パーセント
Dy2 O3 52.3重量パーセント
封着材3
Si 99.9重量パーセント
封着材のみ1,2,3と変えて他の仕様は同じとしたランプ各10灯を製作し、250Wでの初期特性を測定したところ、次の値が得られた。特性値は10灯の平均値で示す。
【0019】
封着材種類 1 2 3
全光束:lm 21,500 22,600 22,800
効率:lm/W 86 90.4 91.2
平均演色評価数: 82 84 85
色温度:K 3,773 4,171 4,058
次にこれらのランプの中から各3灯を選び、点灯試験を実施したところ、約2,000時間経過後の各ランプの特性は次のようであった。特性値は3灯の平均値で示す。
【0020】
封着材種類 1 2 3
全光束:lm 10,700 16,500 22,300
効率:lm/W 42.8 66 89.2
平均演色評価数: 34 77 74
色温度:K 3,075 4,942 4,176
これらの結果から次のことが分かった。
【0021】
▲1▼封着材1は沃化ディスプロシウムと反応し、点灯時間とともにディスプロシウムの発光が減少する。
【0022】
▲2▼封着材2は金属ナトリウムと反応し、短時間でナトリウムの発光が減少する。
【0023】
▲3▼封着材3は約2,000時間点灯後もディスプロシウムとナトリウムの発光がほとんど変化しない。
【0024】
ここで封着材にSiを用いることの利点をまとめると次の通りである。
【0025】
(1)アルミナ管となじみが良い。
【0026】
(2)エンドディスク(サーメットあるいは金属)とのなじみが良い。
【0027】
(3)ランプ点灯時の高温に耐える。
【0028】
(4)熱膨張率がアルミナ管のそれに近似しているので、ランプ点滅による熱サ
イクルでクラック等が発生しない。
【0029】
珪素 :7.3×10-6/℃
アルミナ:6.7×10-6/℃
(5)融点(1,414℃)が適当である。
【0030】
(6)高温においてアルカリ金属及び金属ハロゲン化物と実質的に反応しない。
【0031】
すなわち、前述した封着剤が有すべき特性をほぼ満足していることが分かった。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、発光管の気密封止に珪素を使用するので、シール部の耐久性が優れ、ランプの寿命特性が優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属コ−ティングディスクを用いた、セラミック製高圧蒸気放電灯の封止構造図
【図2】サ−メットディスクを用いた、セラミック製高圧蒸気放電灯の封止構造図
【図3】本発明にかかる金属蒸気放電灯の断面図
【符号の説明】
1 セラミック発光管
2 金属コーティングディスク
3 電極
4 絶縁板
5 導電膜
6 封着材
7 サーメットディスク
8 外管
9 ゲッター
Claims (1)
- 透光性セラミックからなる発光管の両端開口部と電極を備えた柱状の電極支持体とを封着材で気密に封止し、該発光管の内部に金属ハロゲン化物と水銀、不活性ガスを封入した金属蒸気放電灯において、前記封着材は珪素を主体とすることを特徴とした金属蒸気放電灯。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21659796A JP3635796B2 (ja) | 1996-07-29 | 1996-07-29 | 金属蒸気放電灯 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21659796A JP3635796B2 (ja) | 1996-07-29 | 1996-07-29 | 金属蒸気放電灯 |
Publications (2)
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JPH1050263A JPH1050263A (ja) | 1998-02-20 |
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ID=16690922
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP21659796A Expired - Fee Related JP3635796B2 (ja) | 1996-07-29 | 1996-07-29 | 金属蒸気放電灯 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3635796B2 (ja) |
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1996
- 1996-07-29 JP JP21659796A patent/JP3635796B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1050263A (ja) | 1998-02-20 |
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