JP3634518B2 - 変倍式双眼鏡における連動部材の位置規制構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、変倍機構を備えた変倍式双眼鏡に関し、特に左右のレンズの移動を同期させるための連動部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、焦点調整機構と視度差調整機構、及び変倍機構を備えた変倍式双眼鏡が知られている。変倍機構は、左右の望遠光学系の夫々所定のレンズを光軸方向に移動させるよう構成されており、各望遠光学系には当該所定のレンズを駆動するためのカム等の駆動部材が設けられている。
【0003】
また、近年、左右の接眼部の間隔を観察者の眼幅に合わせて調整できるように、左右の望遠光学系が、両望遠光学系の中間に位置する揺動軸を中心に揺動するよう構成された、所謂眼幅調整可能な双眼鏡が提案されている。
【0004】
左右の望遠光学系が眼幅調整に伴って揺動するため、変倍機構は、左右の望遠光学系の夫々所定のレンズを連動して移動させるために、左右の上記駆動部材を糸状の連動部材により連動すると共に、変倍用の操作つまみを右側の望遠光学系に備えていた。即ち、操作つまみにより右側の駆動部材が回動されると、糸等の連動部材を介して左側の駆動部材が回動するよう構成されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成では、糸状の連動部材が駆動環に対して斜行した際に、連動部材のスムースな運動が妨げられるという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記の如き事情に鑑み、連動部材の駆動環に対する斜行を防止することができる連動部材の位置規制構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の変倍双眼鏡における連動部材の位置規制構造は、左右の望遠光学系に夫々設けられた駆動環の回転により所定のレンズを光軸方向に移動するよう構成された変倍式双眼鏡において、両望遠光学系の駆動環を連動して駆動する連動部材の、双眼鏡本体に対する光軸方向の位置を規制するよう構成されたものである。また、当該望遠光学系には、連動部材の被写体側に隣接して押え部材を設けることもできる。
【0008】
また、駆動環の外周面には所定の長さの光軸に垂直な端面が周方向に沿って形成され、押さえ部材は連動部材の位置を規制すると共に端面に当接して駆動環の光軸方向の位置を規制するよう構成しても良い。双眼鏡には、連動部材の移動をガイドする複数のローラ部材が配置されており、押え部材は複数のローラ部材を光軸方向に押えるよう構成しても良い。
【0009】
【実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の変倍式双眼鏡の斜視図である。図1に示すように、双眼鏡10には、左右1対の望遠光学系10L、10Rと、前フレーム20が設けられている。また、双眼鏡10の上部には、焦点調整つまみ183,視度差調整つまみ184及び変倍操作つまみ50が並んで配置されている。なお、以下の説明では被写体側を「前方」、観察者側を「後方」と呼ぶ。
【0010】
図2は、図1の双眼鏡10の分解斜視図である。
図2に示すように、望遠光学系10L(10R)は、前鏡筒13(14)、中間鏡筒15(16)、及び後鏡筒31(32)を有している。前鏡筒13(14)は、前フレーム20に設けられた左右一対のボア201(202)に嵌合することにより、回転可能に支持される。前鏡筒13(14)の後方には中間鏡筒15(16)が固定され、中間鏡筒15(16)の後方には後鏡筒31(32)が固定される。
【0011】
後鏡筒31(32)は、前鏡筒13(14)に対して、中心軸が所定量偏心するよう配置されている。また、前鏡筒13(14)の回転に伴って後鏡筒31(32)が揺動しうるよう、後鏡筒31(32)は後フレーム25によって支持されている。
【0012】
図3は、双眼鏡10の内部構成を示す平面図である。図3に示すように、前鏡筒13(14)は、第1レンズ132(142)を収容している。第1レンズ132(142)は、第1レンズ枠131(141)に保持されており、この第1レンズ枠131(141)は前鏡筒13(14)内で移動可能に支持されている。
【0013】
中間鏡筒15(16)には、2つのプリズム151,152(161,162)が設けられている。両プリズム151,152(161、162)、互いの稜線が直角になるよう配置され、所謂ポロプリズム正立系となっている。これにより、第1レンズ132(142)を透過して倒立となった像は反転して正立となる。
【0014】
後鏡筒31(32)は、第2レンズ112(122)と第3レンズ113(123)を収容している。第2レンズ112(122)と第3レンズ113(123)は、夫々第2,第3レンズ枠81,91(82,92)に保持されている。この第2,第3レンズ枠81,91(82,92)は、後鏡筒31(32)により移動可能に設けられている。
【0015】
第1レンズ132(142)と第2レンズ112(122)は対物光学系を構成し、第3レンズ113(123)と第4レンズ114(124)は接眼光学系を構成している。また、上記対物光学系により像が形成される位置には、視野を規定するための視野環17b(18b)が設けられている。
【0016】
なお、以下の説明において、単に「光軸方向」と言った場合、第1レンズ132(142)の光軸、及び第2レンズ112(122)から第4レンズ114(124)の光軸に平行な方向を指すものとする。
【0017】
本実施形態の双眼鏡10は、対物光学系の一部である第2レンズ112(122)と、接眼光学系の一部である第3レンズ113(123)を、夫々光軸方向に移動させることによって、変倍を行うよう構成されている。
【0018】
図4は、第2及び第3レンズ112,113の移動範囲を示す、双眼鏡10の側断面図である。図4において、第2及び第3レンズ112,113の光軸の上側には望遠状態における両レンズ112,113の位置を示し、当該光軸の下側には広角状態における位置を示す。
【0019】
図2において、前フレーム20と前鏡筒13,14及び中間鏡筒15,16は前ユニット200を形成し、後フレーム25と後鏡筒31,32は後ユニット100を形成している。この前ユニット200に後ユニット100を組み付けることによって双眼鏡10が組み立てられる。
【0020】
前鏡筒13(14)の外周には、ショルダー部133(143)が形成され、当該ショルダー部133(143)はボア201(202)の内縁部に当接する。これにより、前鏡筒13(14)の前フレーム25に対する軸方向の位置決めが行われる。
後鏡筒31(32)は、中間鏡筒15(16)の後端面15a(16a)に当接する端面31a(32a)を有し、この当接によって、中間鏡筒15(16)に対する後鏡筒31(32)の軸方向の位置決めが成される。
【0021】
後フレーム31(32)の上記の端面31a(32a)には、位置決めピン31b(32b)が形成され、この位置決めピン31b(32b)が、中間鏡筒15(16)の後端面15a(16a)に形成された孔15b(16b)に嵌挿される。かくして、中間鏡筒15(16)に対する後フレーム31(32)の上記軸方向に直交する面内の位置決めが成される。
【0022】
さらに、後フレーム31,32には、前フレーム20に向けて延びるガイドバー311,312が突出形成されている。前フレーム200の後端には、ガイドバー311,312が係合する孔153,163が形成され、後フレーム100を前フレーム200に組み付ける際の案内となる。
【0023】
また、中間鏡筒15,16の互いに対向する外周上には、中間鏡筒15,16(及びその後方に取り付けられる後鏡筒31,32)を連動して揺動させるための、互いに係合するセクタギア154,164が形成されている。
【0024】
図5は、後ユニット100の分解斜視図である。後鏡筒31,32の後端面には、中間鏡筒15,16の揺動中心、即ち第1レンズ13,14の光軸に対応する位置に、揺動軸321,322(図中点線で示す)が後方に向けて突出形成されている。
【0025】
後フレーム25には、後鏡筒31,32の揺動軸321,322を夫々貫通させるための貫通孔251,252が形成されている。また、揺動軸321,322の先端にはねじ孔321a,322aが形成されている。
そして、後フレーム25の貫通孔251,252に揺動軸321,322を貫通させ、揺動軸321,322のねじ孔321a,322aにビス321b,322bを固定することによって、後鏡筒31,32は後フレーム25に揺動可能に支持される。
【0026】
かくして、中間鏡筒15,16を取り付けた左右の前鏡筒13,14を前フレーム20に挿入することにより前ユニット200が一体として組み立てられる。また、左右の後鏡筒31,32の揺動軸321,322を後フレーム25の孔251、252に嵌挿して固定することにより後ユニット100が一体として組み立てられる。つまり、前ユニット200と後ユニット100は、夫々予め組み立てて保管しておくことができ、組み立て時には、前ユニット200に後ユニット100を組み付けることによって双眼鏡10となる。
【0027】
ここで、図2に示すように、左右の望遠光学系10L,10Rの各レンズの中で、第1レンズ132,142だけが前ユニット200に属し、第2レンズ112,122、第3レンズ113,123及び第4レンズ114,124(いずれも図3)は後ユニット100に属する。そこで、本実施形態では、前鏡筒13,14の光軸方向の位置にずれがあった場合でも、前ユニット200に後ユニット100を組み付けると、前ユニット200に属する第1レンズ132,142と、後ユニット100に属する第2レンズ112,122(図3)との距離が左右で同じになるよう構成されている。
【0028】
つまり、図5において、後鏡筒31,32が後フレーム25に対して光軸方向に所定量の余裕を残した状態で保持されるよう、揺動軸321,322の長さが設定されている。従って、図2に示すように前ユニット200に後ユニット100を組み付けると、後鏡筒31,32の光軸方向の位置は夫々中間鏡筒15,16の光軸方向の位置にならう。かくして、第1レンズ132,142と、第2レンズ112,122(図3)との距離が左右で同じになる。
【0029】
次に、後鏡筒31,32には、第2レンズ112,122と第3レンズ113,123(図3)を光軸方向に移動駆動するための機構について説明する。
図5に示すように、後鏡筒31,32には、第2レンズ112,122と第3レンズ113,123(図3)を光軸方向に移動駆動するためのカム環61,62、及び第2レンズ112,122と第3レンズ113,123を光軸方向に移動可能に保持するためのガイド環71,72が挿入されている。
【0030】
図6は、左側のカム環61の斜視図である。図6に示すように、カム環61は、筒部612と、筒部612の一端面に形成された弧状壁617と、弧状壁617の軸方向端面から延出する延出壁611と、からよりなっている。
弧状壁617と延出壁611は、円筒部612の外周面に沿った弧を形成している。また、延出壁611の(弧の中心からの)外径は、弧状壁617よりも所定量小さく、弧状壁612の端面にショルダー面617aが形成される。
【0031】
円筒部612における、端面618から軸方向に所定長さの部分は、後述のベルト部材を巻き付けるための巻付部619となっている。巻付部619の外径は、円筒部612の他の部分よりも僅かに小さく設定されている。これにより、巻付部619の外面と後鏡筒31の内面との間に、図3に示すクリアランスCが形成される。
【0032】
また、後述のベルト部材を係止するため、巻付部619には平行な2本のスリット615,616が形成されている。スリット615,616はさらに弧状壁617のショルダー面617aまで延びている。
【0033】
延出壁611には、第2レンズ112を移動するための第1カム溝613が形成されている。また、円筒部612には、第3レンズ122を移動するための2本の第2カム溝614,614が形成されている。
【0034】
図7(A),(B)は、左側のガイド環71を示す斜視図及び側断面図である。ガイド環71は、円筒部712と、円筒部712の端面から延びる弧状壁711と、円筒部712のもう一方の端面に形成されたフランジ部715と、を有して構成されている。フランジ部715には、ガイド環71の位置を微調整(後述)するための一対の外周ギア716が形成されている。
【0035】
弧状壁711の内面には、軸方向に延びるガイド溝717が、周方向に90゜間隔で3本形成される。3本のうち中央のガイド溝717には、当該溝に沿って延びる長孔713が形成されている。また、筒部712の内面には、軸方向に延びるガイド溝718が周方向に90゜間隔で4本形成され、4本のうち対向する2本のガイド溝718には、当該溝に沿って延びる長孔714が形成されている。
【0036】
図8は、左右のカム環61,62、ガイド環71,72、第2レンズ枠81,82及び第3レンズ枠91,92を示す分解斜視図である。図8に示すように、ガイド環71,72は左右対称に構成されており、カム環61,62は左右同様に構成されている。
【0037】
図8に示すように、第2レンズ枠81(82)の外周上には、軸方向に延びるスライダ811(821)が周方向に90゜間隔で4本形成されている。当該スライダ811(812)には、夫々ねじ穴812(822)が形成されており、カムフォロア813(823)がねじ込み可能となっている。同様に、第3レンズ枠91(92)の外周上には、軸方向に延びるスライダ911(921)が周方向に90゜間隔で4本形成されている。当該スライダ911(921)には、夫々ねじ穴912(922)が形成されており、カムフォロア913(923)がねじ込み可能となっている。
【0038】
第2レンズ枠81のスライダ811をガイド環71のガイド溝717(図7)に係合させることにより、第2レンズ枠81はガイド環71に光軸方向に摺動可能に保持される。同様に、第3レンズ枠91のスライダ911をガイド環71のガイド溝718(図7)に係合させることにより、第3レンズ枠91はガイド環71に光軸方向に摺動可能に保持される。
【0039】
第2レンズ枠81の4本のスライダ811のうち、1本だけが長孔713(図7)の形成されたガイド溝717(図7)に係合する。この1本のスライダ811のねじ穴812にはカムフォロア813が固定され、当該カムフォロア813が長孔713(図7)を貫通して、カム環61のカム溝613に係合する。
【0040】
同様に、4本のスライダ911のうち長孔714の形成されたガイド溝718(図7)に係合したスライダ911のねじ穴912にはカムフォロア913が固定され、当該カムフォロア913が長孔714を貫通して、カム環61のカム溝614に係合する。
【0041】
このように構成されているため、カム環61が回動すると、第2レンズ枠81のカムフォロア813と第3レンズ枠91のカムフォロア913が、カム環61のカム溝613,614に沿って摺動すると共に、第2レンズ枠81のスライダ811と第3レンズ枠91のスライダ911がガイド環71のガイド溝717,718に沿って摺動する。即ち、左側の第2,第3レンズ枠81,91は、カム環61の回転によって、ガイド環71内を軸方向に移動する。同様に、右側の第2,第3レンズ枠82,92は、カム環62の回転によって、ガイド環72内を軸方向に移動する。
【0042】
ここで、カムフォロア813,913の径は、長孔713(図7),714の幅より所定量小さく設定されている。従って、ガイド溝717(図7),718とスライダ811,911が夫々係合した状態で、カムフォロア813,913が、長孔713,714の側面には接触しない。つまり、第2,第3レンズ枠は、カム溝と接する部位と、ガイド溝に接する部位とを別々に備えている。また、スライダ811,911は、レンズ枠81,91自体の補強部材ともなるため、カム環61の回動に過度の力が加わった場合等の、レンズ枠81,91の破損が防止される。
【0043】
なお、本実施形態では、ガイド環71,72を固定し、カム環61,62を回動するよう構成されているが、カム環61,62を固定してガイド環を回動させることも可能である。
【0044】
ここで、スライダ811,911及びガイド溝717,718(図7)は、等間隔で形成されているため、左側の第2,第3レンズ枠81,91のガイド環71に対する(周方向の)取付角度は、周方向に90゜間隔で変えられる。同様に、右側の第2,第3レンズ枠82,92のガイド環72に対する(周方向の)取付角度は、周方向に90゜間隔で変えられる。
【0045】
従って、双眼鏡10の組立後、レンズの組み付け誤差等の原因によって、視野の範囲(視野枠により制限される範囲)が左右で異なる、所謂視野食い違い現象が発生した場合には、左右の第2レンズ枠81,82、あるいは第3レンズ枠91,92のガイド環71、72への取り付けの方向を変えることによって、左右の視野を補正することが可能となる。
【0046】
次に、左右のカム環61,62を連動して回転駆動するための構成について説明する。
図9は、後ユニット100を示す斜視図である。なお、後鏡筒31,32は点線で示す。図9(A)に示すように、後ユニット100には、左右のカム環61,62を連動させるため、ベルト部材40(連動部材)が設けられている。このベルト部材40は、カム環61,62に形成された巻付部619(図6),629に沿って巻き付けられる。また、後フレーム25には、ベルト部材40を駆動操作するための変倍操作つまみ50が設けられている。
【0047】
ベルト部材40の形状を図10に示す。図10(A)に示すように、ベルト部材40の両端の所定長さの部分40aは、曲率半径R1を持つよう構成されている。この曲率半径R1は、カム環61,62の巻付部619,629の外径と同じく設定されている。ベルト部材40は、カム環61,62に巻き付けられるに充分な柔軟性を有すると共に、長さ方向の「押し」と「引っ張り」による荷重を伝達できるだけの靱性を持つ金属板等が用いられる。本実施形態では、ニッケル−クロム−モリブデン合金の一種である、三菱マテリアル株式会社製ハステロイC−22を使用する。
【0048】
ベルト部材40の両端は、上記の曲率半径R1の仮想中心に向けて屈曲され、係止端41を形成している。また、係止端41から所定間隔を置いて、略四角形の部分を一辺を残して切断し、前記の一辺で折り曲げて作られた係止爪42が設けられている。係止端41と係止爪42の間隔については後述する。
また、ベルト部材40の長さ方向中央部には、ベルト部材40を駆動操作するための連結部43が形成されている。
【0049】
図11は、ベルト部材40と後鏡筒31、32を前方から見た正面図である。なお、ガイド環71,72及び各レンズ枠は省略する。図11に示すように、ベルト部材40の一方の係止端41aと係止爪42aは、左側のカム環61に形成されたスリット615,616に係合し、他方の係止端41bと係止爪42bは、右側のカム環62に形成されたスリット625,626に係合している。
【0050】
カム環61,62の巻付部619,629と後鏡筒31,32の内面との間には、ベルト部材40を通すための上記のクリアランスC(図3)が設けられている。また、後鏡筒31,32には、巻付部619,629との間でベルト部材40をガイドするそれぞれ4つずつのローラからなる押えローラ群313,323が設けられている。
【0051】
ベルト部材40を、(眼幅調整時の)揺動中心で保持するため、左右の後鏡筒31,32には、第1支持ローラ対314,324が夫々設けられている。この第1支持ローラ対314,324は、夫々のローラ対の中間314a,324aが上記の揺動中心(図5における揺動軸321,322)に相当するように配置されている。
【0052】
また、第1支持ローラ対314,324の夫々に隣接して、第2支持ローラ対315,325が設けられている。第1支持ローラ対314,324、及び第2支持ローラ対315,325のローラ間のクリアランスは、カム環61,62の巻付部619,629と後鏡筒31,32の内面のクリアランスC(図3)、及び巻付部619,629と押えローラ群313,323の間のクリアランスよりも僅かに大きく設定されている。
【0053】
このように構成されているため、ベルト部材40が後述の操作部材によって観察者から見て例えば左方向(図11では右方向)に駆動されると、ベルト部材40は左側のカム環61を押して図中時計回りに回動させると共に、右側のカム環62を引いて図中時計回りに回動させる。このようにして、ベルト部材40のにより左右のカム環61,62が連動して回動する。
【0054】
そして、後鏡筒31,32が、図11及び図12に示すよう揺動すると、ベルト部材40は後鏡筒31,32の揺動軸に相当する箇所314a,324aを中心として緩やかに曲げられる。この時、後鏡筒31,32の揺動が、ベルト部材40がカム環61,62を回動させることは無い。
【0055】
なお、ベルト部材40の係止端41の折り曲げた角の外側の部分に相当する摺接部44は所定の曲率を有しているため、ベルト部材40が移動した際に摺接部44が後鏡筒31,32の内面に引っかかること無く、後鏡筒31,32の内面に沿ってスムースに摺接移動する。
【0056】
ここで、ベルト部材40の、係止端41と係止爪42の間隔は、スリット615とスリット616の間隔、スリット625とスリット626の間隔よりも所定量短く設定されている。また、ベルト部材40をカム環61,62に巻き付けると、図10(b)に示すように、係止端41と係止爪42の先端が狭まった状態になる。
【0057】
従って、ベルト部材40の一方の係止端41と係止爪42をスリット615,616に係合させ、他方の係止端41と係止爪42をスリット625,626に係合させると、係止端41と係止爪42には、間に挟まっているものをクランプする。そのため、係止端41,41がスリット615,625の溝から外れることなく確実にカム環61,62に係止される。
【0058】
なお、カム環61のスリット615,616は、夫々係止端41aと係止爪42aを挿入するために、図6に示すようにショルダー面617aに向けて開口している。また当該開口には、係止端41aと係止爪42aを挿入しやすいように、曲率を持たせてある。そのため、ベルト部材40をカム環61に取り付けるときには、略光軸方向に係止端41aと係止爪42aを夫々スリット615,616に挿入しながら連動部材を取り付けることができる。
【0059】
ここで。後鏡筒31、32には、ベルト部材40を光軸方向に係止するために、図11中一点鎖線で示す押え板33,34が設けられている。図11において、押え板33,34は、ベルト部材40及びカム環61,62の端面618,628の正面(前方)に位置しており、後鏡筒31,32に設けられた支柱317,327により固定されている。押え板33,34は、ベルト部材40を後鏡筒31,32に対し、光軸方向に係止するものである。
【0060】
また、カム環61,62は、端面618,628が押え板33,34に当接した状態で取り付けられて、光軸方向に移動しないよう位置を規制されている。このように、ベルト部材40とカム環61,62は、押え板33,34により、後鏡筒31,32に対して光軸方向に位置規制される。
【0061】
なお、図6に示すように、カム環61,62の巻付部619,629の光軸方向の長さTは、端面618,628からベルト部材40の幅よりも所定の余裕分だけ長く設定されている。即ち、ベルト部材40は巻付部619,629に光軸方向に所定の余裕を持って巻き付けられている。
【0062】
ここで、上述の通り、左右の前鏡筒14,15の光軸方向の位置にずれがある場合には、左右の後鏡筒31,32の光軸方向の位置は夫々左右の前鏡筒14,15にならう。この時、ベルト部材40が、カム環61,62に対して斜行して巻き付けられると、ベルト部材40は周辺の壁に当たってスムーズに移動できなくなる可能性がある。しかし、ベルト部材40が、光軸方向に所定の余裕を持って巻き付けられているため、仮に双眼鏡組付時に斜行していたとしても、ベルト部材40を数回駆動することにより、斜行を解消することができる。
【0063】
次に、変倍操作つまみ50によるベルト部材40の駆動操作について説明する。図9に示すように、変倍操作つまみ50には、後フレーム25の摺動面55を摺動するスライド部材53が連動している。さらに、スライド部材53には、ベルト部材40の固定部位43が固定されている。
【0064】
図13は、変倍操作つまみ50を含む操作部を示す分解斜視図である。変倍操作つまみ50は、後フレーム25に設けられた円筒部50aにより回転可能に保持されている。また、変倍操作つまみ50には、下端に突起52を持つアーム51が突出形成され、当該突起52は、スライド部材53に形成された鉛直方向に延びる溝54に摺動可能に係合している。
【0065】
また、スライド部材55の摺動を案内するため、スライド部材53の移動経路の前方にはガイドプレート56が設けられている。従って、変倍操作つまみ50を回転操作すると、スライド部材53が案内面55上を摺動する。そして、スライド部材53の移動により、図9(A)(B)に示すようにベルト部材40が移動し、カム環61,62が回転する。
【0066】
このように、ベルト部材40は、柔軟性を持つと共に、引っ張りと押しの両方向において加えられた力を伝達することのできる素材で形成されているため、簡単な構成でカム環61,62を同期駆動することができる。さらに、ベルト部材40自体が光軸方向に短いため、双眼鏡10をそれだけコンパクトにすることができる。
【0067】
次に、焦点調節機構、及び視度調整機構について説明する。
図14は、双眼鏡10を一部を切り欠いて示す平面図である。図14に示すように、双眼鏡10の上部には、変倍操作つまみ50と、焦点調整つまみ183、視度差調整つまみ184が、同一軸線上に配置されている。本実施形態の双眼鏡は、対物光学系の最前のレンズである第1レンズ132,142(図3)を移動して焦点調整及び視度差調整を行うよう構成されている。
【0068】
図15は、第1レンズ132,142(図3)を保持する第1レンズ枠131,141を移動するための機構を示す分解斜視図である。
焦点調整つまみ183の回転を、第1レンズ枠131,141の軸方向移動に変換するため、第1駆動部181が設けられている。また、視度差調整つまみ184(図14)の回転を、右側の第1レンズ枠131の軸方向移動に変換するために第2駆動部182が設けられている。
【0069】
第1駆動部181は、焦点調整つまみ183の内側に形成された雌ねじ183aに係合する中空のねじ部181aと、ヘッド部181bとにより構成されている。また、ヘッド部181bには、下方に向けて延び、第1レンズ枠131に係合する左アーム185と、軸方向に延びる案内条191が形成されている。また、左アーム185には、当該アーム185を軸方向に案内するスライド部197が形成されている。
【0070】
第2駆動部182は、第1駆動部181の内部を貫通するロッド182aと、ヘッド部182cとにより構成されている。ロッド182aの回転をヘッド部182cが軸方向移動に変換するため、ヘッド部182cには雌ねじ182dが形成され、当該雌ねじ182dにロッド182aの先端に形成されたねじ182bが係合する。ヘッド部182cには、下方に向けて延び、第1レンズ枠141に係合する右アーム186が形成されている。また、右アーム186には、当該アーム186を軸方向に案内するスライド部198が形成されている。
【0071】
また、視度差調整つまみ184(図14)の回転を第2駆動部に伝達するため、第2駆動部の後方には駆動軸187が設けられている。駆動軸187は、スプライン軸187aと軸部187bよりなっている、スプライン軸187aがロッド182aにの内部に形成されたスプライン溝182eに係合している。
【0072】
第2駆動部182のスプライン溝182eと、駆動軸187のスプライン軸187aとの係合のため、第1駆動部181の光軸方向の移動に伴って第2駆動部182が光軸方向に移動しても、駆動軸187と第2駆動部182とは回転方向に連動している。なお、視度差調整つまみ184(図14)と駆動軸187との係合関係については後述する。
【0073】
図16は、図14における双眼鏡10のXVI−XVI断面図である。調節機構180と第1レンズ鏡筒132、142を示す双眼鏡10の断面図である。前フレーム20には、第1駆動部の案内条191を軸方向に案内するためのレール192、及び左右のアーム185,186のスライド部197,198を軸方向に案内するためのレール195,196が形成されている。
【0074】
左右のアーム185,186は、上部カバー180に設けられた位置規制部材193,194によって、鉛直方向に位置規制されている。また、左右のアーム185,186と第1レンズ枠131,141との間には、コイルバネ190が設けられ、このコイルバネ190により第1レンズ枠131,141が下方に付勢され、前鏡筒13,14内で鉛直方向に位置規制されている。
【0075】
このように構成されているため、図15に示す焦点調整つまみ183を回転操作すると、第1駆動部181が光軸方向に移動し、左アーム185と右アーム186が軸方向に移動する。そして、両アーム185,186の移動によって、左右の第1レンズ枠131,141が光軸方向に移動し、焦点調整が行われる。
【0076】
また、視度調整つまみ184(図14)を回転操作すると、駆動軸187を介して第2駆動部182のねじ部182bが回動し、ヘッド部182cが光軸方向に移動するため、右アーム186だけが光軸方向に移動する。即ち、右の第1レンズ枠141が光軸方向に移動し、左右の視度差調整が行われる。
【0077】
なお、図13に示すように、視度調整つまみ184により駆動される駆動軸187は、変倍操作つまみ50を保持する円柱部50aの内部を貫通して前方の第2駆動部182(図15)に係合するため、変倍操作つまみ50と視度差調整つまみ184の動作が干渉することはない。
【0078】
ここで、視度調整つまみ184(図14)は、未使用時には、誤操作を防ぐため変倍操作つまみ50の中に押し込むことができ、使用時には後方(観察者側)に突出し得るよう構成されている。視度差調整つまみ184をリトラクトさせるための構成について説明する。
【0079】
図13に示すように、視度差調整つまみ184は、駆動軸187に対して回転方向には係合し軸方向に移動可能に設けられたキャップ部184bに固定されている。駆動軸187の軸部187aには平坦面が形成されており、当該平坦面にはカム溝188が設けられている。キャップ部184bには、一端をカム溝に係合させた係止ばね189が設けられている。
【0080】
カム溝188の形状及び深さは、夫々図17(A)及び(B)に示すように設定されている。視度調整つまみ184(図14)を一度押し込むと、係止ばね189の先端はカム溝188に沿って188a,188b,188c,188dの順に移動し、係止ばね189の先端がカム溝188の前端部188dに至った後、押圧を解除すると、リターンばね191(図14)の作用で視度調整つまみ184は後方側に戻り、係止ばね189の先端が188eに達したところで係止される。
【0081】
視度調整つまみ184(図14)を再度押し込むと、係止ばね189の先端は係合溝188の188eから188fに移動し、その後押圧を解除すると、リターンばね191(図14)の作用で188g,188hの順に移動し、188aに達する。即ち、視度調整つまみ184は、押し込む毎に、押し込み位置と突出位置(操作可能位置)との間で交互に係止される。
視度調整つまみ184(図14)は、押し込まれている状態では、変倍操作つまみ50(図14)の内部に位置するため、未使用時に誤って操作されることを防ぐことができる。
【0082】
次に、変倍のためのレンズの移動基準位置を微調整する機構について説明する。
図18及び図19は、右側の後鏡筒31の後方側(観察者側)を示す斜視図及び側断面図である。図18(B)に示すように、後鏡筒31の内面には所定の幅を持つ一対の凹部314が形成されている。
【0083】
図19に示すようにカム環61とガイド環71を後鏡筒31に組み付けると、図18(A)に示すように、ガイド環71のセクタフランジ部715が後鏡筒31に形成された凹部314に係合する。これにより、ガイド環71と後鏡筒31に対する周方向の大まかな位置決めが成される。
【0084】
凹部314の周方向の幅Hは、セクタフランジ715の幅よりも所定マージンM(調整しろ)だけ広く形成されている。そして、後鏡筒31の、セクタギア716に対応する箇所には、開口315が設けられている。
【0085】
セクタギア716を、開口315からウォームギア等を使用した専用の治具で操作することによって、後鏡筒31内でガイド環71を周方向に(上記所定マージンM内で)回動させることができる。即ち、カム61に対するガイド環71の周方向の相対位置が微調整できる。これにより、カム環61の回動角度に対する第2,第3レンズ枠81,92(図8)の移動基準位置を調整することができる。
【0086】
同様に、右側のガイド環72の周方向の位置が微調整することにより、右側のカム環62の回動角度に対する第2,第3レンズ枠82,92(図8)の移動基準位置を調整することができる。即ち、本実施形態の双眼鏡10によれば、第2,第3レンズの移動基準位置を左右独立に調整することができる。
【0087】
なお、後鏡筒31の外周には、目当て環37が光軸方向に移動可能に設けられている。この目当て環37には、点線で示す目当てラバー39が取り付けられている。また、目当て環37には、後鏡筒31の開口315に対応する位置に開口378が形成され、この開口378は目当てラバー39によって覆い隠されている。かくして、セクタギア716が誤って操作されることが防止される。
【0088】
図19に示すように、カム環61とガイド環71は、第4レンズ114を保持するための第4レンズ枠35を後鏡筒31に取り付けることによって、光軸方向に固定される。即ち、ガイド環71を挿入されたカム環61を後鏡筒31に嵌入した後、後鏡筒31の内面に形成されたねじ部316に第4レンズ枠35のねじ部351を係合させることにより、ガイド環71とカム環61は光軸方向に固定される。即ち、第4レンズ枠35は、第2,第3レンズ112,113の位置を規制する機能を有する。
【0089】
次に、目当て環の係止構造について説明する。図20は、目当て環37及び後鏡筒31を示す斜視図である。図20に示すように、後鏡筒31の外周に目当て環37を嵌挿させ、後鏡筒31の後端部に形成されたねじ部316に接眼レンズ枠35のねじ部351を係合させることによって、目当て環37と接眼レンズ枠35は後鏡筒31に固定される。なお、接眼レンズ枠35は、後鏡筒31よりも大径のフランジ部353を有しており、目当て環37が後鏡筒31から外れないためのストッパーとなる。
【0090】
図21は、目当て環37の後鏡筒31に対する係止構造を示す側断面図である。目当て環37を後鏡筒31に対してスライド可能に係止するために、目当て環37には凸部371、372が並設けられ、後鏡筒31には3つの凹部321、323、325が並設されている。また、図20に示すように、凹部321、323、325のそれぞれの間には、後鏡筒31の外周面に対しては凹部となり、且つ凹部321、323、325に対しては凸部となる第二凹部322、324が形成されている。
【0091】
図22は、目当て環37の凸部371、372と、後鏡筒31の凹部321〜325とを示す平面図である。なお、目当て環37は後鏡筒31から外した状態で示す。凹部321、323、325および第二凹部322、324は、鏡筒の周方向における長さがほぼ等しい四角形状に形成されている。また、目当て環37の寸法は、図21(A)に示すように、凸部371、372と凹部323、325が夫々係合し得るよう設定されている。
【0092】
図21(A)に示す状態から目当て環37を後方に引くと、目当て環37の弾性変形により、凸部371、372が第2凹部322、324を乗り越えてスライドする。そして、図21(B)に示すように、凸部371、372と凹部321、323が夫々係合した状態で、目当て環37が後鏡筒31に係止される。そして、この状態で、凸部371の一端が接眼レンズ枠35のフランジ部353に当接する。前述のように、フランジ部353の外径は、凸部371が弾性変形により乗り越えることはできない程度に設定されている。即ち、このフランジ部353が、目当て環37が外れないためのストッパーとなる。
【0093】
なお、第2凹部322、324とその周方向に隣接する後鏡筒31の表面との間の段差は、凸部331、332が乗り越えられない程度に設定されているため、凹部321、323、325と第二凹部322、324とは、凸部371、372を光軸方向にガイドするガイド溝320として機能する。
【0094】
なお、眼鏡を掛けた観察者の場合には、図21(A)のように、目当て環37を押し込んだ状態で使用し、眼鏡を掛けていない観察者の場合には、図21(B)のように、目当て環37を引っぱり出した状態で使用する。眼鏡を掛けた観察者が双眼鏡を覗くと、眼鏡レンズの中央部は接眼レンズ枠35に向けて突出した状態となる。そして、前述のとおり、接眼レンズ枠35の、観察者に対向する端面352は、観察者が眼鏡を掛けたまま覗いても、眼鏡が当たらないような曲率半径R2を持つ凹面として形成されている。本実施形態では、接眼面352の曲率半径R1は100mmに設定されている。
【0095】
図23は、図21に点線で示す左側の目当てラバー39を示す断面図である。図23に示すように、目当てラバー39の後方側(図中右側)の端面392は、第4レンズ114(図示せず)の光軸0から所定の距離Tだけ離れた中心Xからの所定の曲率R3で形成されている。また、右側の目当てラバーはこれと対称に形成される。このように、曲率の中心を光軸からずらすことによって、目当てラバーは観察者の両眼を充分に覆うことができ、目の外側からの外光の侵入を防ぐことができる。
【0096】
図24は、目当て環の係止構造の他の例を示す側断面図である。図24(A)に示すように、後鏡筒31の外周には凸部41,42が形成され、目当て環37には開口361,362,363が形成されている。
【0097】
図25は、目当て環37の開口361,362,363と、後鏡筒31の外周の凸部341,342とを示す平面図である。なお、目当て環37は後鏡筒31から外した状態で示す。開口361,362,363と凸部341,342の夫々の幅と長さは、開口361,362,363のうちの二つと凸部341,342が係合し得るよう設定される。
【0098】
開口361,362,363は、軸方向に延びる溝360内に形成されている。また、目当て環37の内周には軸方向の段差367が形成されている。
従って、図24(A)に示すように、凸部341,342と開口361,362が夫々係合した状態で、目当て環37が後鏡筒31に係止される。そして、この状態から目当て環37を後方に引くと、目当て環37の弾性変形により、開口361,362が凸部341,342を乗り越えてスライドする。そして、図22(b)に示すように、凸部341、342と開口362,363が夫々係合した状態で、目当て環37が後鏡筒31に係止される。
【0099】
この時、目当て環37の段差部367が接眼レンズ枠35のフランジ部353に当接するため、目当て環37はこれ以上図中右側に向かってスライドすることはできない。これにより、段差部367は、目当て環37が外れないためのストッパーとなる。また、凸部341、342は周方向に溝360に係合しており、溝360が凸部341、342を光軸方向に案内するガイド溝となっている。
【0100】
最後に、この発明の特徴部分と実施形態との対応関係について説明する。
図11に示すように、本実施形態の双眼鏡10によれば、ベルト部材40の前方(被写体側)に設けられた押え板33、34により、ベルト部材40を後鏡筒31、32に対して光軸方向に位置規制することによって、ベルト部材40の斜行を防止することが可能となる。また、押さえ板33,34に、カム環61,62の端面618,628をさらに当接させることにより、後鏡筒31、32に対してカム環61,62を光軸方向に位置規制することもできる。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の変倍式双眼鏡における連動部材の位置規制構造によれば、押え部材によって連動部材を双眼鏡に対し光軸方向に位置規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の変倍式双眼鏡を示す斜視図である。
【図2】図1の双眼鏡の分解斜視図である。
【図3】図1の双眼鏡の内部構成を示す平面図である。
【図4】図1の双眼鏡の側断面図である。
【図5】後ユニットの分解斜視図である。
【図6】カム環の斜視図である。
【図7】ガイド環の側面図及び斜視図である。
【図8】カム環、ガイド環及び第2、第3レンズ枠を示す斜視図である。
【図9】後ユニットを示す斜視図である。
【図10】ベルト部材の正面図及び斜視図である。
【図11】後鏡筒にベルト部材を取り付けた状態を示す正面図である。
【図12】後鏡筒にベルト部材を取り付けた状態を示す正面図である。
【図13】変倍操作つまみの取付構造を示す分解斜視図である。
【図14】双眼鏡を一部を切り欠いて示す平面図である。
【図15】焦点及び視度差調節機構を示す斜視図である。
【図16】図14の線分XVI−XVIについての双眼鏡の断面図である。
【図17】カム溝の形状を示す平面図及び深さを示す概略図である。
【図18】後鏡筒の後方側を示す斜視図である。
【図19】後鏡筒の後方側を示す側断面図である。
【図20】目当て機構を示す斜視図である。
【図21】目当て機構を示す側断面図である。
【図22】目当て機構を示す平面図である。
【図23】目当てゴムの断面図である。
【図24】目当て機構の他の例を示す側断面図である。
【図25】目当て機構を示す平面図である。
【符号の説明】
10 双眼鏡
13,14 前鏡筒
15,16 中間鏡筒
20 対物側フレーム
25 後フレーム
31,32 後鏡筒
35,36 第4レンズ枠
37 目当て環
40 ベルト部材
41 係止端
42 係止爪
50 変倍操作つまみ
53 スライド部材
61,62 カム環
71,72 ガイド環
81,82 第2レンズ枠
91,92 第3レンズ枠
100 後ユニット
112,122 第2レンズ
113,123 第3レンズ
132,142 第1レンズ
114,124 第4レンズ
131,141 第1レンズ枠
181 第1駆動部
182 第2駆動部
183 焦点調整つまみ
184 視度差調整つまみ
200 前ユニット
320 溝
321,323,325 凹部
371,372 凸部
Claims (2)
- 左右の望遠光学系に夫々設けられた駆動環の回転により、所定のレンズを光軸方向に移動するよう構成された変倍式双眼鏡において、
前記望遠光学系には、前記両望遠光学系の駆動環を連動して駆動する連動部材の前記双眼鏡に対する光軸方向の位置を規制する、前記連動部材の被写体側に隣接して設けられた押え部材が設けられ、
前記駆動環の外周面には、所定の長さの光軸に垂直な端面が周方向に沿って形成され、
前記押え部材は前記連動部材の位置を規制すると共に前記端面に当接して前記駆動環の光軸方向の位置を規制するよう構成された、変倍式双眼鏡における連動部材の位置規制構造。 - 前記双眼鏡には、前記連動部材の移動をガイドする複数のローラ部材が配置されており、前記押え部材は前記複数のローラ部材を光軸方向に押えるよう構成されていること、を特徴とする請求項1に記載の変倍式双眼鏡における連動部材の位置規制構造。
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