JPH09189839A - 変倍式双眼鏡における連動部材 - Google Patents

変倍式双眼鏡における連動部材

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JPH09189839A
JPH09189839A JP24271296A JP24271296A JPH09189839A JP H09189839 A JPH09189839 A JP H09189839A JP 24271296 A JP24271296 A JP 24271296A JP 24271296 A JP24271296 A JP 24271296A JP H09189839 A JPH09189839 A JP H09189839A
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JP
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interlocking member
lens
variable power
view
ring
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JP24271296A
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English (en)
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Koji Funatsu
剛治 舩津
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で、左右のレンズを連動させる変
倍式双眼鏡における連動部材を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 変倍光学系をそれぞれ備えた一対の望遠
光学系を有し、各望遠光学系に設けられた駆動環の回動
により変倍光学系を駆動する変倍式双眼鏡において用い
られるものであって、一対の望遠光学系のそれぞれの駆
動環を連動して回動させるためのベルト形状の靱性を有
する部材であり、連動部材の長手方向の両端部がそれぞ
れ前記一対の駆動環の外周面に係止されており、連動部
材が長手方向に移動させられると、一対の駆動環の一方
を、その外周を周方向に押すことにより回動させ、他方
の駆動環を、その外周を周方向に沿って引くことにより
回動させる構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変倍機構を備えた
変倍式双眼鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、焦点調整機構と視度差調整機
構、及び変倍機構を備えた変倍式双眼鏡が知られてい
る。変倍機構は、左右の望遠光学系の夫々所定のレンズ
を光軸方向に移動させるよう構成されており、各望遠光
学系には当該所定のレンズを駆動するためのカム等の駆
動部材が設けられている。
【0003】また、近年、左右の接眼部の間隔を観察者
の眼幅に合わせて調整できるように、左右の望遠光学系
が、両望遠光学系の中間に位置する揺動軸を中心に揺動
するよう構成された、所謂眼幅調整可能な双眼鏡が提案
されている。
【0004】左右の望遠光学系が眼幅調整に伴って揺動
するため、変倍機構は、左右の望遠光学系の夫々所定の
レンズを連動して移動させるために、左右の上記駆動部
材を糸状の連動部材により連動すると共に、変倍用の操
作つまみを右側の望遠光学系に備えていた。即ち、操作
つまみにより右側の駆動部材が回動されると、糸等の連
動部材を介して左側の駆動部材が回動するよう構成され
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、糸状の
部材を駆動するには、プーリなどの構成部品がさらに必
要になり、構成が複雑になるという問題点があった。
【0006】本発明は、上記の如き事情に鑑み、簡単な
構成で左右の望遠光学系のレンズを連動させることがで
きる連動部材を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに両望遠光学系の駆動環を連動して回動させるために
設けられた連動部材であって、該連動部材はベルト形状
の靱性を有する部材であり、連動部材の長手方向の両端
部がそれぞれ一対の駆動環の外周面に係止されており、
連動部材が長手方向に移動させられると、一対の駆動環
の一方を、その外周を周方向に押すことにより回動さ
せ、他方の駆動環を、その外周を周方向に沿って引くこ
とにより回動させることを特徴とするものである。
【0008】また、本発明の変倍式双眼鏡における連動
部材は、双眼鏡は連動部材を移動させるための操作部を
有し、該操作部は連動部材の両係止部の間の部位と連結
されているよう構成しても良い。さらに、係止部は連動
部材の長さ方向両端部のそれぞれに屈曲形成された係止
端と係止端から所定の距離を置いて形成された係止爪と
を有する構成も可能である。また、係止端の屈曲部分は
所定の曲率を有するよう構成しても良い。そして、連動
部材は金属板、特にニッケルとクロムとモリブデンの合
金で形成しても良い。
【0009】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1は、本実施形態の変倍式双眼鏡の斜
視図である。図1に示すように、双眼鏡10には、左右
1対の望遠光学系10L、10Rと、前フレーム20が
設けられている。また、双眼鏡10の上部には、焦点調
整つまみ183,視度差調整つまみ184及び変倍操作
つまみ50が並んで配置されている。なお、以下の説明
では被写体側を「前方」、観察者側を「後方」と呼ぶ。
【0010】図2は、図1の双眼鏡10の分解斜視図で
ある。図2に示すように、望遠光学系10L(10R)
は、前鏡筒13(14)、中間鏡筒15(16)、及び
後鏡筒31(32)を有している。前鏡筒13(14)
は、前フレーム20に設けられた左右一対のボア201
(202)に嵌合することにより、回転可能に支持され
る。前鏡筒13(14)の後方には中間鏡筒15(1
6)が固定され、中間鏡筒15(16)の後方には後鏡
筒31(32)が固定される。
【0011】後鏡筒31(32)は、前鏡筒13(1
4)に対して、中心軸が所定量偏心するよう配置されて
いる。また、前鏡筒13(14)の回転に伴って後鏡筒
31(32)が揺動しうるよう、後鏡筒31(32)は
後フレーム25によって支持されている。
【0012】図3は、双眼鏡10の内部構成を示す平面
図である。図3に示すように、前鏡筒13(14)は、
第1レンズ132(142)を収容している。第1レン
ズ132(142)は、第1レンズ枠131(141)
に保持されており、この第1レンズ枠131(141)
は前鏡筒13(14)内で移動可能に支持されている。
【0013】中間鏡筒15(16)には、2つのプリズ
ム151,152(161,162)が設けられてい
る。両プリズム151,152(161、162)、互
いの稜線が直角になるよう配置され、所謂ポロプリズム
正立系となっている。これにより、第1レンズ132
(142)を透過して倒立となった像は反転して正立と
なる。
【0014】後鏡筒31(32)は、第2レンズ112
(122)と第3レンズ113(123)を収容してい
る。第2レンズ112(122)と第3レンズ113
(123)は、夫々第2,第3レンズ枠81,91(8
2,92)に保持されている。この第2,第3レンズ枠
81,91(82,92)は、後鏡筒31(32)によ
り移動可能に設けられている。
【0015】第1レンズ132(142)と第2レンズ
112(122)は対物光学系を構成し、第3レンズ1
13(123)と第4レンズ114(124)は接眼光
学系を構成している。また、上記対物光学系により像が
形成される位置には、視野を規定するための視野環17
b(18b)が設けられている。
【0016】なお、以下の説明において、単に「光軸方
向」と言った場合、第1レンズ132(142)の光
軸、及び第2レンズ112(122)から第4レンズ1
14(124)の光軸に平行な方向を指すものとする。
【0017】本実施形態の双眼鏡10は、対物光学系の
一部である第2レンズ112(122)と、接眼光学系
の一部である第3レンズ113(123)を、夫々光軸
方向に移動させることによって、変倍を行うよう構成さ
れている。
【0018】図4は、第2及び第3レンズ112,11
3の移動範囲を示す、双眼鏡10の側断面図である。図
4において、第2及び第3レンズ112,113の光軸
の上側には望遠状態における両レンズ112,113の
位置を示し、当該光軸の下側には広角状態における位置
を示す。
【0019】図2において、前フレーム20と前鏡筒1
3,14及び中間鏡筒15,16は前ユニット200を
形成し、後フレーム25と後鏡筒31,32は後ユニッ
ト100を形成している。この前ユニット200に後ユ
ニット100を組み付けることによって双眼鏡10が組
み立てられる。
【0020】前鏡筒13(14)の外周には、ショルダ
ー部133(143)が形成され、当該ショルダー部1
33(143)はボア201(202)の内縁部に当接
する。これにより、前鏡筒13(14)の前フレーム2
5に対する軸方向の位置決めが行われる。後鏡筒31
(32)は、中間鏡筒15(16)の後端面15a(1
6a)に当接する端面31a(32a)を有し、この当
接によって、中間鏡筒15(16)に対する後鏡筒31
(32)の軸方向の位置決めが成される。
【0021】後フレーム31(32)の上記の端面31
a(32a)には、位置決めピン31b(32b)が形
成され、この位置決めピン31b(32b)が、中間鏡
筒15(16)の後端面15a(16a)に形成された
孔15b(16b)に嵌挿される。かくして、中間鏡筒
15(16)に対する後フレーム31(32)の上記軸
方向に直交する面内の位置決めが成される。
【0022】さらに、後フレーム31,32には、前フ
レーム20に向けて延びるガイドバー311,312が
突出形成されている。前フレーム200の後端には、ガ
イドバー311,312が係合する孔153,163が
形成され、後フレーム100を前フレーム200に組み
付ける際の案内となる。
【0023】また、中間鏡筒15,16の互いに対向す
る外周上には、中間鏡筒15,16(及びその後方に取
り付けられる後鏡筒31,32)を連動して揺動させる
ための、互いに係合するセクタギア154,164が形
成されている。
【0024】図5は、後ユニット100の分解斜視図で
ある。後鏡筒31,32の後端面には、中間鏡筒15,
16の揺動中心、即ち第1レンズ13,14の光軸に対
応する位置に、揺動軸321,322(図中点線で示
す)が後方に向けて突出形成されている。
【0025】後フレーム25には、後鏡筒31,32の
揺動軸321,322を夫々貫通させるための貫通孔2
51,252が形成されている。また、揺動軸321,
322の先端にはねじ孔321a,322aが形成され
ている。そして、後フレーム25の貫通孔251,25
2に揺動軸321,322を貫通させ、揺動軸321,
322のねじ孔321a,322aにビス321b,3
22bを固定することによって、後鏡筒31,32は後
フレーム25に揺動可能に支持される。
【0026】かくして、中間鏡筒15,16を取り付け
た左右の前鏡筒13,14を前フレーム20に挿入する
ことにより前ユニット200が一体として組み立てられ
る。また、左右の後鏡筒31,32の揺動軸321,3
22を後フレーム25の孔251、252に嵌挿して固
定することにより後ユニット100が一体として組み立
てられる。つまり、前ユニット200と後ユニット10
0は、夫々予め組み立てて保管しておくことができ、組
み立て時には、前ユニット200に後ユニット100を
組み付けることによって双眼鏡10となる。
【0027】ここで、図2に示すように、左右の望遠光
学系10L,10Rの各レンズの中で、第1レンズ13
2,142だけが前ユニット200に属し、第2レンズ
112,122、第3レンズ113,123及び第4レ
ンズ114,124(いずれも図3)は後ユニット10
0に属する。そこで、本実施形態では、前鏡筒13,1
4の光軸方向の位置にずれがあった場合でも、前ユニッ
ト200に後ユニット100を組み付けると、前ユニッ
ト200に属する第1レンズ132,142と、後ユニ
ット100に属する第2レンズ112,122(図3)
との距離が左右で同じになるよう構成されている。
【0028】つまり、図5において、後鏡筒31,32
が後フレーム25に対して光軸方向に所定量の余裕を残
した状態で保持されるよう、揺動軸321,322の長
さが設定されている。従って、図2に示すように前ユニ
ット200に後ユニット100を組み付けると、後鏡筒
31,32の光軸方向の位置は夫々中間鏡筒15,16
の光軸方向の位置にならう。かくして、第1レンズ13
2,142と、第2レンズ112,122(図3)との
距離が左右で同じになる。
【0029】次に、後鏡筒31,32には、第2レンズ
112,122と第3レンズ113,123(図3)を
光軸方向に移動駆動するための機構について説明する。
図5に示すように、後鏡筒31,32には、第2レンズ
112,122と第3レンズ113,123(図3)を
光軸方向に移動駆動するためのカム環61,62、及び
第2レンズ112,122と第3レンズ113,123
を光軸方向に移動可能に保持するためのガイド環71,
72が挿入されている。
【0030】図6は、左側のカム環61の斜視図であ
る。図6に示すように、カム環61は、筒部612と、
筒部612の一端面に形成された弧状壁617と、弧状
壁617の軸方向端面から延出する延出壁611と、か
らよりなっている。弧状壁617と延出壁611は、円
筒部612の外周面に沿った弧を形成している。また、
延出壁611の(弧の中心からの)外径は、弧状壁61
7よりも所定量小さく、弧状壁612の端面にショルダ
ー面617aが形成される。
【0031】円筒部612における、端面618から軸
方向に所定長さの部分は、後述のベルト部材を巻き付け
るための巻付部619となっている。巻付部619の外
径は、円筒部612の他の部分よりも僅かに小さく設定
されている。これにより、巻付部619の外面と後鏡筒
31の内面との間に、図3に示すクリアランスCが形成
される。
【0032】また、後述のベルト部材を係止するため、
巻付部619には平行な2本のスリット615,616
が形成されている。スリット615,616はさらに弧
状壁617のショルダー面617aまで延びている。
【0033】延出壁611には、第2レンズ112を移
動するための第1カム溝613が形成されている。ま
た、円筒部612には、第3レンズ122を移動するた
めの2本の第2カム溝614,614が形成されてい
る。
【0034】図7(A),(B)は、左側のガイド環7
1を示す斜視図及び側断面図である。ガイド環71は、
円筒部712と、円筒部712の端面から延びる弧状壁
711と、円筒部712のもう一方の端面に形成された
フランジ部715と、を有して構成されている。フラン
ジ部715には、ガイド環71の位置を微調整(後述)
するための一対の外周ギア716が形成されている。
【0035】弧状壁711の内面には、軸方向に延びる
ガイド溝717が、周方向に90゜間隔で3本形成され
る。3本のうち中央のガイド溝717には、当該溝に沿
って延びる長孔713が形成されている。また、筒部7
12の内面には、軸方向に延びるガイド溝718が周方
向に90゜間隔で4本形成され、4本のうち対向する2
本のガイド溝718には、当該溝に沿って延びる長孔7
14が形成されている。
【0036】図8は、左右のカム環61,62、ガイド
環71,72、第2レンズ枠81,82及び第3レンズ
枠91,92を示す分解斜視図である。図8に示すよう
に、ガイド環71,72は左右対称に構成されており、
カム環61,62は左右同様に構成されている。
【0037】図8に示すように、第2レンズ枠81(8
2)の外周上には、軸方向に延びるスライダ811(8
21)が周方向に90゜間隔で4本形成されている。当
該スライダ811(812)には、夫々ねじ穴812
(822)が形成されており、カムフォロア813(8
23)がねじ込み可能となっている。同様に、第3レン
ズ枠91(92)の外周上には、軸方向に延びるスライ
ダ911(921)が周方向に90゜間隔で4本形成さ
れている。当該スライダ911(921)には、夫々ね
じ穴912(922)が形成されており、カムフォロア
913(923)がねじ込み可能となっている。
【0038】第2レンズ枠81のスライダ811をガイ
ド環71のガイド溝717(図7)に係合させることに
より、第2レンズ枠81はガイド環71に光軸方向に摺
動可能に保持される。同様に、第3レンズ枠91のスラ
イダ911をガイド環71のガイド溝718(図7)に
係合させることにより、第3レンズ枠91はガイド環7
1に光軸方向に摺動可能に保持される。
【0039】第2レンズ枠81の4本のスライダ811
のうち、1本だけが長孔713(図7)の形成されたガ
イド溝717(図7)に係合する。この1本のスライダ
811のねじ穴812にはカムフォロア813が固定さ
れ、当該カムフォロア813が長孔713(図7)を貫
通して、カム環61のカム溝613に係合する。
【0040】同様に、4本のスライダ911のうち長孔
714の形成されたガイド溝718(図7)に係合した
スライダ911のねじ穴912にはカムフォロア913
が固定され、当該カムフォロア913が長孔714を貫
通して、カム環61のカム溝614に係合する。
【0041】このように構成されているため、カム環6
1が回動すると、第2レンズ枠81のカムフォロア81
3と第3レンズ枠91のカムフォロア913が、カム環
61のカム溝613,614に沿って摺動すると共に、
第2レンズ枠81のスライダ811と第3レンズ枠91
のスライダ911がガイド環71のガイド溝717,7
18に沿って摺動する。即ち、左側の第2,第3レンズ
枠81,91は、カム環61の回転によって、ガイド環
71内を軸方向に移動する。同様に、右側の第2,第3
レンズ枠82,92は、カム環62の回転によって、ガ
イド環72内を軸方向に移動する。
【0042】ここで、カムフォロア813,913の径
は、長孔713(図7),714の幅より所定量小さく
設定されている。従って、ガイド溝717(図7),7
18とスライダ811,911が夫々係合した状態で、
カムフォロア813,913が、長孔713,714の
側面には接触しない。つまり、第2,第3レンズ枠は、
カム溝と接する部位と、ガイド溝に接する部位とを別々
に備えている。また、スライダ811,911は、レン
ズ枠81,91自体の補強部材ともなるため、カム環6
1の回動に過度の力が加わった場合等の、レンズ枠8
1,91の破損が防止される。
【0043】なお、本実施形態では、ガイド環71,7
2を固定し、カム環61,62を回動するよう構成され
ているが、カム環61,62を固定してガイド環を回動
させることも可能である。
【0044】ここで、スライダ811,911及びガイ
ド溝717,718(図7)は、等間隔で形成されてい
るため、左側の第2,第3レンズ枠81,91のガイド
環71に対する(周方向の)取付角度は、周方向に90
゜間隔で変えられる。同様に、右側の第2,第3レンズ
枠82,92のガイド環72に対する(周方向の)取付
角度は、周方向に90゜間隔で変えられる。
【0045】従って、双眼鏡10の組立後、レンズの組
み付け誤差等の原因によって、視野の範囲(視野枠によ
り制限される範囲)が左右で異なる、所謂視野食い違い
現象が発生した場合には、左右の第2レンズ枠81,8
2、あるいは第3レンズ枠91,92のガイド環71、
72への取り付けの方向を変えることによって、左右の
視野を補正することが可能となる。
【0046】次に、左右のカム環61,62を連動して
回転駆動するための構成について説明する。図9は、後
ユニット100を示す斜視図である。なお、後鏡筒3
1,32は点線で示す。図9(A)に示すように、後ユ
ニット100には、左右のカム環61,62を連動させ
るため、ベルト部材40(連動部材)が設けられてい
る。このベルト部材40は、カム環61,62に形成さ
れた巻付部619(図6),629に沿って巻き付けら
れる。また、後フレーム25には、ベルト部材40を駆
動操作するための変倍操作つまみ50が設けられてい
る。
【0047】ベルト部材40の形状を図10に示す。図
10(A)に示すように、ベルト部材40の両端の所定
長さの部分40aは、曲率半径R1を持つよう構成され
ている。この曲率半径R1は、カム環61,62の巻き
付け部617,627の外径と同じく設定されている。
ベルト部材40は、カム環61,62に巻き付けられる
に充分な柔軟性を有すると共に、長さ方向の「押し」と
「引っ張り」による荷重を伝達できるだけの靱性を持つ
金属板等が用いられる。本実施形態では、ニッケル−ク
ロム−モリブデン合金の一種である、三菱マテリアル株
式会社製ハステロイC−22を使用する。
【0048】ベルト部材40の両端は、上記の曲率半径
R1の仮想中心に向けて屈曲され、係止端41を形成し
ている。また、係止端41から所定間隔を置いて、略四
角形の部分を一辺を残して切断し、前記の一辺で折り曲
げて作られた係止爪42が設けられている。係止端41
と係止爪42の間隔については後述する。また、ベルト
部材40の長さ方向中央部には、ベルト部材40を駆動
操作するための連結部43が形成されている。
【0049】図11は、ベルト部材40と後鏡筒31、
32を前方から見た正面図である。なお、ガイド環7
1,72及び各レンズ枠は省略する。図11に示すよう
に、ベルト部材40の一方の係止端41aと係止爪42
aは、左側のカム環61に形成されたスリット615,
616に係合し、他方の係止端41bと係止爪42b
は、右側のカム環62に形成されたスリット625,6
26に係合している。
【0050】カム環61,62の巻付部619,629
と後鏡筒31,32の内面との間には、ベルト部材40
を通すための上記のクリアランスC(図3)が設けられ
ている。また、後鏡筒31,32には、巻付部619,
629との間でベルト部材40をガイドするそれぞれ4
つずつのローラからなる押えローラ群313,323が
設けられている。
【0051】ベルト部材40を、(眼幅調整時の)揺動
中心で保持するため、左右の後鏡筒31,32には、第
1支持ローラ対314,324が夫々設けられている。
この第1支持ローラ対314,324は、夫々のローラ
対の中間314a,324aが上記の揺動中心(図5に
おける揺動軸321,322)に相当するように配置さ
れている。
【0052】また、第1支持ローラ対314,324の
夫々に隣接して、第2支持ローラ対315,325が設
けられている。第1支持ローラ対314,324、及び
第2支持ローラ対315,325のローラ間のクリアラ
ンスは、カム環61,62の巻付部619,629と後
鏡筒31,32の内面のクリアランスC(図3)、及び
巻付部619,629と押えローラ群313,323の
間のクリアランスよりも僅かに大きく設定されている。
【0053】このように構成されているため、ベルト部
材40が後述の操作部材によって観察者から見て例えば
左方向(図11では右方向)に駆動されると、ベルト部
材40は左側のカム環61を押して図中時計回りに回動
させると共に、右側のカム環62を引いて図中時計回り
に回動させる。このようにして、ベルト部材40のによ
り左右のカム環61,62が連動して回動する。
【0054】そして、後鏡筒31,32が、図11及び
図12に示すよう揺動すると、ベルト部材40は後鏡筒
31,32の揺動軸に相当する箇所314a,324a
を中心として緩やかに曲げられる。この時、後鏡筒3
1,32の揺動が、ベルト部材40がカム環61,62
を回動させることは無い。
【0055】なお、ベルト部材40の係止端41の折り
曲げた角の外側の部分に相当する摺接部44は所定の曲
率を有しているため、ベルト部材40が移動した際に摺
接部44が後鏡筒31,32の内面に引っかかること無
く、後鏡筒31,32の内面に沿ってスムースに摺接移
動する。
【0056】ここで、ベルト部材40の、係止端41と
係止爪42の間隔は、スリット615とスリット616
の間隔、スリット625とスリット626の間隔よりも
所定量短く設定されている。また、ベルト部材40をカ
ム環61,62に巻き付けると、図10(b)に示すよ
うに、係止端41と係止爪42の先端が狭まった状態に
なる。
【0057】従って、ベルト部材40の一方の係止端4
1と係止爪42をスリット615,616に係合させ、
他方の係止端41と係止爪42をスリット625,62
6に係合させると、係止端41と係止爪42には、間に
挟まっているものをクランプする。そのため、係止端4
1,41がスリット615,625の溝から外れること
なく確実にカム環61,62に係止される。
【0058】なお、カム環61のスリット615,61
6は、夫々係止端41aと係止爪42aを挿入するため
に、図6に示すようにショルダー面617aに向けて開
口している。また当該開口には、係止端41aと係止爪
42aを挿入しやすいように、曲率を持たせてある。そ
のため、ベルト部材40をカム環61に取り付けるとき
には、略光軸方向に係止端41aと係止爪42aを夫々
スリット615,616に挿入しながら連動部材を取り
付けることができる。
【0059】ここで。後鏡筒31、32には、ベルト部
材40を光軸方向に係止するために、図11中一点鎖線
で示す押え板33,34が設けられている。図11にお
いて、押え板33,34は、ベルト部材40及びカム環
61,62の端面618,628の正面(前方)に位置
しており、後鏡筒31,32に設けられた支柱317,
327により固定されている。押え板33,34は、ベ
ルト部材40を後鏡筒31,32に対し、光軸方向に係
止するものである。
【0060】また、カム環61,62は、端面618,
628が押え板33,34に当接した状態で取り付けら
れて、光軸方向に移動しないよう位置を規制されてい
る。このように、ベルト部材40とカム環61,62
は、押え板33,34により、後鏡筒31,32に対し
て光軸方向に位置規制される。
【0061】なお、図6に示すように、カム環61,6
2の巻付部619、629の光軸方向の長さTは、端面
618,628からベルト部材40の幅よりも所定の余
裕分だけ長く設定されている。即ち、ベルト部材40は
巻付部619,629に光軸方向に所定の余裕を持って
巻き付けられている。
【0062】ここで、上述の通り、左右の前鏡筒14,
15の光軸方向の位置にずれがある場合には、左右の後
鏡筒31,32の光軸方向の位置は夫々左右の前鏡筒1
4,15にならう。この時、ベルト部材40が、カム環
61,62に対して斜行して巻き付けられると、ベルト
部材40は周辺の壁に当たってスムーズに移動できなく
なる可能性がある。しかし、ベルト部材40が、光軸方
向に所定の余裕を持って巻き付けられているため、仮に
双眼鏡組付時に斜行していたとしても、ベルト部材40
を数回駆動することにより、斜行を解消することができ
る。
【0063】次に、変倍操作つまみ50によるベルト部
材40の駆動操作について説明する。図9に示すよう
に、変倍操作つまみ50には、後フレーム25の摺動面
55を摺動するスライド部材53が連動している。さら
に、スライド部材53には、ベルト部材40の固定部位
43が固定されている。
【0064】図13は、変倍操作つまみ50を含む操作
部を示す分解斜視図である。変倍操作つまみ50は、後
フレーム25に設けられた円筒部50aにより回転可能
に保持されている。また、変倍操作つまみ50には、下
端に突起52を持つアーム51が突出形成され、当該突
起52は、スライド部材53に形成された鉛直方向に延
びる溝54に摺動可能に係合している。
【0065】また、スライド部材55の摺動を案内する
ため、スライド部材53の移動経路の前方にはガイドプ
レート56が設けられている。従って、変倍操作つまみ
50を回転操作すると、スライド部材53が案内面55
上を摺動する。そして、スライド部材53の移動によ
り、図9(A)(B)に示すようにベルト部材40が移
動し、カム環61,62が回転する。
【0066】このように、ベルト部材40は、柔軟性を
持つと共に、引っ張りと押しの両方向において加えられ
た力を伝達することのできる素材で形成されているた
め、簡単な構成でカム環61,62を同期駆動すること
ができる。さらに、ベルト部材40自体が光軸方向に短
いため、双眼鏡10をそれだけコンパクトにすることが
できる。
【0067】次に、焦点調節機構、及び視度調整機構に
ついて説明する。図14は、双眼鏡10を一部を切り欠
いて示す平面図である。図14に示すように、双眼鏡1
0の上部には、変倍操作つまみ50と、焦点調整つまみ
183、視度差調整つまみ184が、同一軸線上に配置
されている。本実施形態の双眼鏡は、対物光学系の最前
のレンズである第1レンズ132,142(図3)を移
動して焦点調整及び視度差調整を行うよう構成されてい
る。
【0068】図15は、第1レンズ132,142(図
3)を保持する第1レンズ枠131,141を移動する
ための機構を示す分解斜視図である。焦点調整つまみ1
83の回転を、第1レンズ枠131,141の軸方向移
動に変換するため、第1駆動部181が設けられてい
る。また、視度差調整つまみ184(図14)の回転
を、右側の第1レンズ枠131の軸方向移動に変換する
ために第2駆動部182が設けられている。
【0069】第1駆動部181は、焦点調整つまみ18
3の内側に形成された雌ねじ183aに係合する中空の
ねじ部181aと、ヘッド部181bとにより構成され
ている。また、ヘッド部181bには、下方に向けて延
び、第1レンズ枠131に係合する左アーム185と、
軸方向に延びる案内条191が形成されている。また、
左アーム185には、当該アーム185を軸方向に案内
するスライド部197が形成されている。
【0070】第2駆動部182は、第1駆動部181の
内部を貫通するロッド182aと、ヘッド部182cと
により構成されている。ロッド182aの回転をヘッド
部182cが軸方向移動に変換するため、ヘッド部18
2cには雌ねじ182dが形成され、当該雌ねじ182
dにロッド182aの先端に形成されたねじ182bが
係合する。ヘッド部182cには、下方に向けて延び、
第1レンズ枠141に係合する右アーム186が形成さ
れている。また、右アーム186には、当該アーム18
6を軸方向に案内するスライド部198が形成されてい
る。
【0071】また、視度差調整つまみ184(図14)
の回転を第2駆動部に伝達するため、第2駆動部の後方
には駆動軸187が設けられている。駆動軸187は、
スプライン軸187aと軸部187bよりなっている、
スプライン軸187aがロッド182aにの内部に形成
されたスプライン溝182eに係合している。
【0072】第2駆動部182のスプライン溝182e
と、駆動軸187のスプライン軸187aとの係合のた
め、第1駆動部181の光軸方向の移動に伴って第2駆
動部182が光軸方向に移動しても、駆動軸187と第
2駆動部182とは回転方向に連動している。なお、視
度差調整つまみ184(図14)と駆動軸187との係
合関係については後述する。
【0073】図16は、図14における双眼鏡10のXV
I−XVI断面図である。調節機構180と第1レンズ鏡筒
132、142を示す双眼鏡10の断面図である。前フ
レーム20には、第1駆動部の案内条191を軸方向に
案内するためのレール192、及び左右のアーム18
5,186のスライド部197,198を軸方向に案内
するためのレール195,196が形成されている。
【0074】左右のアーム185,186は、上部カバ
ー180に設けられた位置規制部材193,194によ
って、鉛直方向に位置規制されている。また、左右のア
ーム185,186と第1レンズ枠131,141との
間には、コイルバネ190が設けられ、このコイルバネ
190により第1レンズ枠131,141が下方に付勢
され、前鏡筒13,14内で鉛直方向に位置規制されて
いる。
【0075】このように構成されているため、図15に
示す焦点調整つまみ183を回転操作すると、第1駆動
部181が光軸方向に移動し、左アーム185と右アー
ム186が軸方向に移動する。そして、両アーム18
5,186の移動によって、左右の第1レンズ枠13
1,141が光軸方向に移動し、焦点調整が行われる。
【0076】また、視度調整つまみ184(図14)を
回転操作すると、駆動軸187を介して第2駆動部18
2のねじ部182bが回動し、ヘッド部182cが光軸
方向に移動するため、右アーム186だけが光軸方向に
移動する。即ち、右の第1レンズ枠141が光軸方向に
移動し、左右の視度差調整が行われる。
【0077】なお、図13に示すように、視度調整つま
み184により駆動される駆動軸187は、変倍操作つ
まみ50を保持する円柱部50aの内部を貫通して前方
の第2駆動部182(図15)に係合するため、変倍操
作つまみ50と視度差調整つまみ184の動作が干渉す
ることはない。
【0078】ここで、視度調整つまみ184(図14)
は、未使用時には、誤操作を防ぐため変倍操作つまみ5
0の中に押し込むことができ、使用時には後方(観察者
側)に突出し得るよう構成されている。視度差調整つま
み184をリトラクトさせるための構成について説明す
る。
【0079】図13に示すように、視度差調整つまみ1
84は、駆動軸187に対して回転方向には係合し軸方
向に移動可能に設けられたキャップ部184bに固定さ
れている。駆動軸187の軸部187aには平坦面が形
成されており、当該平坦面にはカム溝188が設けられ
ている。キャップ部184bには、一端をカム溝に係合
させた係止ばね189が設けられている。
【0080】カム溝188の形状及び深さは、夫々図1
7(A)及び(B)に示すように設定されている。視度
調整つまみ184(図14)を一度押し込むと、係止ば
ね189の先端はカム溝188に沿って188a,18
8b,188c,188dの順に移動し、係止ばね18
9の先端がカム溝188の前端部188dに至った後、
押圧を解除すると、リターンばね191(図14)の作
用で視度調整つまみ184は後方側に戻り、係止ばね1
89の先端が188eに達したところで係止される。
【0081】視度調整つまみ184(図14)を再度押
し込むと、係止ばね189の先端は係合溝188の18
8eから188fに移動し、その後押圧を解除すると、
リターンばね191(図14)の作用で188g,18
8hの順に移動し、188aに達する。即ち、視度調整
つまみ184は、押し込む毎に、押し込み位置と突出位
置(操作可能位置)との間で交互に係止される。視度調
整つまみ184(図14)は、押し込まれている状態で
は、変倍操作つまみ50(図14)の内部に位置するた
め、未使用時に誤って操作されることを防ぐことができ
る。
【0082】次に、変倍のためのレンズの移動基準位置
を微調整する機構について説明する。図18及び図19
は、右側の後鏡筒31の後方側(観察者側)を示す斜視
図及び側断面図である。図18(B)に示すように、後
鏡筒31の内面には所定の幅を持つ一対の凹部314が
形成されている。
【0083】図19に示すようにカム環61とガイド環
71を後鏡筒31に組み付けると、図18(A)に示す
ように、ガイド環71のセクタフランジ部715が後鏡
筒31に形成された凹部314に係合する。これによ
り、ガイド環71と後鏡筒31に対する周方向の大まか
な位置決めが成される。
【0084】凹部314の周方向の幅Hは、セクタフラ
ンジ715の幅よりも所定マージンM(調整しろ)だけ
広く形成されている。そして、後鏡筒31の、セクタギ
ア716に対応する箇所には、開口315が設けられて
いる。
【0085】セクタギア716を、開口315からウォ
ームギア等を使用した専用の治具で操作することによっ
て、後鏡筒31内でガイド環71を周方向に(上記所定
マージンM内で)回動させることができる。即ち、カム
61に対するガイド環71の周方向の相対位置が微調整
できる。これにより、カム環61の回動角度に対する第
2,第3レンズ枠81,92(図8)の移動基準位置を
調整することができる。
【0086】同様に、右側のガイド環72の周方向の位
置が微調整することにより、右側のカム環62の回動角
度に対する第2,第3レンズ枠82,92(図8)の移
動基準位置を調整することができる。即ち、本実施形態
の双眼鏡10によれば、第2,第3レンズの移動基準位
置を左右独立に調整することができる。
【0087】なお、後鏡筒31の外周には、目当て環3
7が光軸方向に移動可能に設けられている。この目当て
環37には、点線で示す目当てラバー39が取り付けら
れている。また、目当て環37には、後鏡筒31の開口
315に対応する位置に開口378が形成され、この開
口378は目当てラバー39によって覆い隠されてい
る。かくして、セクタギア716が誤って操作されるこ
とが防止される。
【0088】図19に示すように、カム環61とガイド
環71は、第4レンズ114を保持するための第4レン
ズ枠35を後鏡筒31に取り付けることによって、光軸
方向に固定される。即ち、ガイド環71を挿入されたカ
ム環61を後鏡筒31に嵌入した後、後鏡筒31の内面
に形成されたねじ部316に第4レンズ枠35のねじ部
351を係合させることにより、ガイド環71とカム環
61は光軸方向に固定される。即ち、第4レンズ枠35
は、第2,第3レンズ112,113の位置を規制する
機能を有する。
【0089】次に、目当て環の係止構造について説明す
る。図20は、目当て環37及び後鏡筒31を示す斜視
図である。図20に示すように、後鏡筒31の外周に目
当て環37を嵌挿させ、後鏡筒31の後端部に形成され
たねじ部316に接眼レンズ枠35のねじ部351を係
合させることによって、目当て環37と接眼レンズ枠3
5は後鏡筒31に固定される。なお、接眼レンズ枠35
は、後鏡筒31よりも大径のフランジ部353を有して
おり、目当て環37が後鏡筒31から外れないためのス
トッパーとなる。
【0090】図21は、目当て環37の後鏡筒31に対
する係止構造を示す側断面図である。目当て環37を後
鏡筒31に対してスライド可能に係止するために、目当
て環37には凸部371、372が並設けられ、後鏡筒
31には3つの凹部321、323、325が並設され
ている。また、図20に示すように、凹部321、32
3、325のそれぞれの間には、後鏡筒31の外周面に
対しては凹部となり、且つ凹部321、323、325
に対しては凸部となる第二凹部322、324が形成さ
れている。
【0091】図22は、目当て環37の凸部371、3
72と、後鏡筒31の凹部321〜325とを示す平面
図である。なお、目当て環37は後鏡筒31から外した
状態で示す。凹部321、323、325および第二凹
部322、324は、鏡筒の周方向における長さがほぼ
等しい四角形状に形成されている。また、目当て環37
の寸法は、図21(A)に示すように、凸部371、3
72と凹部323、325が夫々係合し得るよう設定さ
れている。
【0092】図21(A)に示す状態から目当て環37
を後方に引くと、目当て環37の弾性変形により、凸部
371、372が第2凹部322、324を乗り越えて
スライドする。そして、図21(B)に示すように、凸
部371、372と凹部321、323が夫々係合した
状態で、目当て環37が後鏡筒31に係止される。そし
て、この状態で、凸部371の一端が接眼レンズ枠35
のフランジ部353に当接する。前述のように、フラン
ジ部353の外径は、凸部371が弾性変形により乗り
越えることはできない程度に設定されている。即ち、こ
のフランジ部353が、目当て環37が外れないための
ストッパーとなる。
【0093】なお、第2凹部322、324とその周方
向に隣接する後鏡筒31の表面との間の段差は、凸部3
31、332が乗り越えられない程度に設定されている
ため、凹部321、323、325と第二凹部322、
324とは、凸部371、372を光軸方向にガイドす
るガイド溝320として機能する。
【0094】なお、眼鏡を掛けた観察者の場合には、図
21(A)のように、目当て環37を押し込んだ状態で
使用し、眼鏡を掛けていない観察者の場合には、図21
(B)のように、目当て環37を引っぱり出した状態で
使用する。眼鏡を掛けた観察者が双眼鏡を覗くと、眼鏡
レンズの中央部は接眼レンズ枠35に向けて突出した状
態となる。そして、前述のとおり、接眼レンズ枠35
の、観察者に対向する端面352は、観察者が眼鏡を掛
けたまま覗いても、眼鏡が当たらないような曲率半径R
2を持つ凹面として形成されている。本実施形態では、
接眼面352の曲率半径R1は100mmに設定されて
いる。
【0095】図23は、図21に点線で示す左側の目当
てラバー39を示す断面図である。図23に示すよう
に、目当てラバー39の後方側(図中右側)の端面39
2は、第4レンズ114(図示せず)の光軸0から所定
の距離Tだけ離れた中心Xからの所定の曲率R3で形成
されている。また、右側の目当てラバーはこれと対称に
形成される。このように、曲率の中心を光軸からずらす
ことによって、目当てラバーは観察者の両眼を充分に覆
うことができ、目の外側からの外光の侵入を防ぐことが
できる。
【0096】図24は、目当て環の係止構造の他の例を
示す側断面図である。図24(A)に示すように、後鏡
筒31の外周には凸部41,42が形成され、目当て環
37には開口361,362,363が形成されてい
る。
【0097】図25は、目当て環37の開口361,3
62,363と、後鏡筒31の外周の凸部341,34
2とを示す平面図である。なお、目当て環37は後鏡筒
31から外した状態で示す。開口361,362,36
3と凸部341,342の夫々の幅と長さは、開口36
1,362,363のうちの二つと凸部341,342
が係合し得るよう設定される。
【0098】開口361,362,363は、軸方向に
延びる溝360内に形成されている。また、目当て環3
7の内周には軸方向の段差367が形成されている。従
って、図24(A)に示すように、凸部341,342
と開口361,362が夫々係合した状態で、目当て環
37が後鏡筒31に係止される。そして、この状態から
目当て環37を後方に引くと、目当て環37の弾性変形
により、開口361,362が凸部341,342を乗
り越えてスライドする。そして、図22(b)に示すよ
うに、凸部341、342と開口362,363が夫々
係合した状態で、目当て環37が後鏡筒31に係止され
る。
【0099】この時、目当て環37の段差部367が接
眼レンズ枠35のフランジ部353に当接するため、目
当て環37はこれ以上図中右側に向かってスライドする
ことはできない。これにより、段差部367は、目当て
環37が外れないためのストッパーとなる。また、凸部
341、342は周方向に溝360に係合しており、溝
360が凸部341、342を光軸方向に案内するガイ
ド溝となっている。
【0100】最後に、この発明の特徴部分と実施形態と
の対応関係について説明する。図9に示すように、本実
施形態の双眼鏡10によれば、左右のカム環61,62
が、ベルト部材40によって連動される。また、ベルト
部材は、その両端部がそれぞれ左右のカム環61,62
の外周面に係止されており、ベルト部材が長手方向に移
動させられると、一方のカム環をその外周を周方向に押
すことにより回動させ、他方のカム環をその外周を周方
向に沿って引くことにより回動させる。従って、プーリ
等の部品が不要となるため構成が簡単になり、部品点数
を減らすことができる。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の変倍式双
眼鏡における連動部材によれば、左右の望遠光学系の所
定のレンズを移動させるための左右の駆動環をベルト状
の連動部材によって連動するよう構成されているため、
プーリ等の部品が不要となって構成が簡単になり、部品
点数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の変倍式双眼鏡を示す斜視図である。
【図2】図1の双眼鏡の分解斜視図である。
【図3】図1の双眼鏡の内部構成を示す平面図である。
【図4】図1の双眼鏡の側断面図である。
【図5】後ユニットの分解斜視図である。
【図6】カム環の斜視図である。
【図7】ガイド環の側面図及び斜視図である。
【図8】カム環、ガイド環及び第2、第3レンズ枠を示
す斜視図である。
【図10】ベルト部材の正面図及び斜視図である。
【図11】後鏡筒にベルト部材を取り付けた状態を示す
正面図である。
【図12】後鏡筒にベルト部材を取り付けた状態を示す
正面図である。
【図13】変倍操作つまみの取付構造を示す分解斜視図
である。
【図14】双眼鏡を一部を切り欠いて示す平面図であ
る。
【図15】焦点及び視度差調節機構を示す斜視図であ
る。
【図16】図14の線分XVI−XVIについての双眼鏡の断
面図である。
【図17】カム溝の形状を示す平面図及び深さを示す概
略図である。
【図18】後鏡筒の後方側を示す斜視図である。
【図19】後鏡筒の後方側を示す側断面図である。
【図20】目当て機構を示す斜視図である。
【図21】目当て機構を示す側断面図である。
【図22】目当て機構を示す平面図である。
【図23】目当てゴムの断面図である。
【図24】目当て機構の他の例を示す側断面図である。
【図25】目当て機構を示す平面図である。
【符号の説明】
10 双眼鏡 13,14 前鏡筒 15,16 中間鏡筒 20 対物側フレーム 25 後フレーム 31,32 後鏡筒 35,36 第4レンズ枠 37 目当て環 40 ベルト部材 41 係止端 42 係止爪 50 変倍操作つまみ 53 スライド部材 61,62 カム環 71,72 ガイド環 81,82 第2レンズ枠 91,92 第3レンズ枠 100 後ユニット 112,122 第2レンズ 113,123 第3レンズ 132,142 第1レンズ 114,124 第4レンズ 131,141 第1レンズ枠 181 第1駆動部 182 第2駆動部 183 焦点調整つまみ 184 視度差調整つまみ 200 前ユニット 320 溝 321,323,325 凹部 371,372 凸部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の変倍式双眼鏡を示す斜視図である。
【図2】図1の双眼鏡の分解斜視図である。
【図3】図1の双眼鏡の内部構成を示す平面図である。
【図4】図1の双眼鏡の側断面図である。
【図5】後ユニットの分解斜視図である。
【図6】カム環の斜視図である。
【図7】ガイド環の側面図及び斜視図である。
【図8】カム環、ガイド環及び第2、第3レンズ枠を示
す斜視図である。
【図9】後ユニットを示す斜視図である。
【図10】ベルト部材の正面図及び斜視図である。
【図11】後鏡筒にベルト部材を取り付けた状態を示す
正面図である。
【図12】後鏡筒にベルト部材を取り付けた状態を示す
正面図である。
【図13】変倍操作つまみの取付構造を示す分解斜視図
である。
【図14】双眼鏡を一部を切り欠いて示す平面図であ
る。
【図15】焦点及び視度差調節機構を示す斜視図であ
る。
【図16】図14の線分XVI−XVIについての双眼
鏡の断面図である。
【図17】カム溝の形状を示す平面図及び深さを示す概
略図である。
【図18】後鏡筒の後方側を示す斜視図である。
【図19】後鏡筒の後方側を示す側断面図である。
【図20】目当て機構を示す斜視図である。
【図21】目当て機構を示す側断面図である。
【図22】目当て機構を示す平面図である。
【図23】目当てゴムの断面図である。
【図24】目当て機構の他の例を示す側断面図である。
【図25】目当て機構を示す平面図である。
【符号の説明】 10 双眼鏡 13,14 前鏡筒 15,16 中間鏡筒 20 対物側フレーム 25 後フレーム 31,32 後鏡筒 35,36 第4レンズ枠 37 目当て環 40 ベルト部材 41 係止端 42 係止爪 50 変倍操作つまみ 53 スライド部材 61,62 カム環 71,72 ガイド環 81,82 第2レンズ枠 91,92 第3レンズ枠 100 後ユニット 112,122 第2レンズ 113,123 第3レンズ 132,142 第1レンズ 114,124 第4レンズ 131,141 第1レンズ枠 181 第1駆動部 182 第2駆動部 183 焦点調整つまみ 184 視度差調整つまみ 200 前ユニット 320 溝 321,323,325 凹部 371,372 凸部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の望遠光学系の所定のレンズを夫々
    移動させるための駆動環を各望遠光学系に備えた双眼鏡
    において、前記両望遠光学系の駆動環を連動して回動さ
    せるために設けられた連動部材であって、 該連動部材はベルト形状の靱性を有する部材であり、前
    記連動部材の長手方向の両端部がそれぞれ前記一対の駆
    動環の外周面に係止されており、前記連動部材が前記長
    手方向に移動させられると、前記一対の駆動環の一方
    を、その外周を周方向に押すことにより回動させ、他方
    の駆動環を、その外周を周方向に沿って引くことにより
    回動させること、を特徴とする変倍式双眼鏡における連
    動部材。
  2. 【請求項2】 前記連動部材の長さ方向両端に、夫々の
    前記駆動環に係止される係止部を有すること、を特徴と
    する請求項1に記載の変倍式双眼鏡における連動部材。
  3. 【請求項3】 前記双眼鏡は前記連動部材を移動させる
    ための操作部を有し、該操作部は前記連動部材の前記両
    係止部の間の部位と連結されていること、を特徴とする
    請求項2に記載の変倍式双眼鏡における連動部材。
  4. 【請求項4】 前記係止部は前記連動部材の長さ方向両
    端部のそれぞれに屈曲形成された係止端と前記係止端か
    ら所定の距離を置いて形成された係止爪とを有するこ
    と、を特徴とする請求項2または3に記載の変倍式双眼
    鏡における連動部材。
  5. 【請求項5】 前記係止端の屈曲部分は所定の曲率を有
    すること、を特徴とする請求項4に記載の変倍式双眼鏡
    における連動部材。
  6. 【請求項6】 前記連動部材は金属板であること、を特
    徴とする請求項1から5のいずれかに記載の変倍式双眼
    鏡における連動部材。
  7. 【請求項7】 前記金属板は、ニッケルとクロムとモリ
    ブデンの合金で形成されていること、を特徴とする請求
    項1から6のいずれかに記載の変倍式双眼鏡における連
    動部材。
JP24271296A 1995-08-24 1996-08-26 変倍式双眼鏡における連動部材 Pending JPH09189839A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6335826B1 (en) 1998-12-08 2002-01-01 Minolta Co., Ltd. Interconnection of zoom operating member and zoom drive member
JP2010026410A (ja) * 2008-07-24 2010-02-04 Sony Corp 表示装置

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US6335826B1 (en) 1998-12-08 2002-01-01 Minolta Co., Ltd. Interconnection of zoom operating member and zoom drive member
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