JP3634327B2 - 光波長分散空間干渉断層画像化装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体、特に不均一な構造を持つ媒質に光ビームを照射し、その被検体の表面もしくは内部から反射した光を利用して、その被検体の光画像計測を行う光波長分散空間干渉断層画像化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光断層画像化技術の中で、広帯域なスペクトル幅を持つ光源の時間領域の低コヒーレンス性(空間領域で短い可干渉距離とも表現する)に着目して、干渉計において、例えば、人体や生体組織のような不均一な構成物質の内部からの反射光波をμmオーダの距離分解能で検出する光コヒーレンス断層画像化法が注目されている〔例えば、丹野直弘、‘光学’、28巻3号、116(1999)参照〕。
【0003】
光コヒーレンス断層画像化法は、例えば、マイケルソン干渉計において低コヒーレンス光源からの光ビームを半透明鏡によって2分割する。一方の光ビームを鏡に照射してその反射光を参照光とし、他方を被測定物体に照射して物体の深層からの後方散乱光を信号光とする。光源の低コヒーレンス性により、信号光と参照光の光路長差が光源のμmオーダのコヒーレント長以内で、かつ参照光波と位相相関のある成分、すなわちコヒーレントな信号光成分のみが選択的に参照光波と干渉し合う。それゆえに鏡の位置を光軸上にスキャン(Z−スキャン)して参照光路長を変化させることで反射光プロファイルを検出することができる。さらに、入射光ビームの横方向走査によって2次元断層画像化を行うことができる。
【0004】
しかし、上記のような2次元断層画像計測方法は、Z−スキャンおよび光ビームの横方向走査を要するため、計測時間の短縮に限界がある。画像計測の更なる高速化のためには、信号光を空間的に並列検出する測定方法が有効と思われる。その方法の1つとして、軸外し干渉計を用いた低コヒーレンス干渉法が挙げられる。
【0005】
図4に示す軸外し干渉計において、平面波の信号光と平面波の参照光がセンサアレイ113の検出面の中心位置Oに対し、それぞれ左側と右側からセンサアレイ113の検出面へ入射するとすると、検出面で検出される光強度は次のように算出される。
【0006】
I(λ,z)=(1/2)Er 2 +(1/2)ES 2 +Er ES ×cos〔(2π/λ)(Δl−2zsinθ)〕 …(1)
ここで、ES とEr はそれぞれ信号光と参照光の振幅、λは光の波長、Δlは両光波間の光路長差である。スペクトル広がりをもつ光源の場合、式(1)を光源の波長分布について積分すればよく、ここでは計算の便宜上、光源の波長分布関数を中心λ0 、幅2Δλのtop−hat型とすると、干渉成分は次のように求められる。
【0007】
i(z)=Er ES sinc〔(πΔλ/λ0 2 )(Δl−2zsinθ)〕cos〔(2π/λ0 )(Δl−2zsinθ)〕 …(2)
式(2)は、周期λ0 /sinθの正弦関数で変調されたsinc関数を表し、sinc関数のピーク(Δl−2zsinθ=0)が光路長差Δlに対応している。すなわち、被検体内部からの反射光波は検出面において参照光波と局所的に干渉し、検出面の横方向は被検体の深さ方向に対応することになる。
【0008】
しかし、式(2)で表される光干渉測定では、干渉縞の間隔が狭く、それを検出するために高い空間分解能のセンサアレイ113が必要である。また、干渉縞の包絡線の検出は、通常フーリエ変換などのデータ演算処理を要する。このような光検出およびデータ演算処理方法は光断層画像計測への応用にとって大変煩瑣であるといえる。それを克服するために、最近、波長分散イメージング法による光コヒーレンス断層画像計測方法が報告されている〔E.Umetsu,K.P.Chan,N.Tanno,“Optical Review”,Vol.9,70(2002)参照〕。
【0009】
図5にその測定原理を示す。
【0010】
図5においては、図4に示す検出面に例えば回折格子111のような波長分散素子(格子常数d)を置き、それぞれ左側と右側から信号光と参照光を入射する。入射角θに対して一次回折光の出射角βは次のように与えられる。
【0011】
sinβ+sinθ=λ/d …(3)
そこで、θが次式で与えられるθ0 になるように設置すると、
θ0 =sin−1(λ0 /d) …(4)
中心波長成分は角度β=0で出射される一方、それ以外の波長成分は、β=〔(λ−λ0 )/λ0 〕sinθ0 の角度で出射される。このように、光干渉の空間周波数は回折格子111によってゼロに近づくようダウンシフトされる。
【0012】
さらに、図5に示すようにレンズ112を用いて回折格子111からの1次回折光をセンサアレイ(CCDカメラ)113の面上に結像させると、式(2)と同様な分析方法で干渉成分は次のように求められる。
【0013】
i(z)=Er ES sinc{πΔλ/λ0 2 〔Δl+(2zsinθ0 )/M〕}cos〔(2π/λ0 )Δl〕 …(5)
ここで、Mは結像の倍率である。式(5)は式(2)で表される空間干渉信号を復調した形であることから、干渉信号の包絡線を直接に検出できることを意味する。また、そのピーク位置を検出することで信号光の反射点の深さを特定することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
式(5)で表される波長分散イメージング法を用いた空間干渉法において、入射角がθ=θ0 +Δθに変動すると、中心波長λ0 の一次回折光の出射角はβ=0でなくなり、次のようになる。
【0015】
sinβ=−Δθ√〔1−(λ0 /d)2 〕 …(6)
その結果、検出面における干渉光は再び正弦関数〔周期Λ=Mλ0 /(2sinβ)〕で変調され、次のようになる。
【0016】
i(z)=Er ES sinc{πΔλ/λ0 2 〔Δl+(2zsinθ/M)〕}cos{2π/λ0 〔Δl+(2zsinβ/M)〕} …(7)
例えば、λ0 =800nm、Δλ=30nmのSLD(スーパールミネセントダイオード)低コヒーレンス光源とd=1.67μmの回折格子(600本/mm)を用いた測定では、θ=28.6°でβ=0となるが、Δθ=2°の変動分でβ=−1.8°となる。式(6)から、空間干渉信号は複数の干渉縞を持つことが分かる。
【0017】
上記の説明から明らかなように、例えば回折格子111のような波長分散素子を用いた光コヒーレンス断層画像化測定は、参照光および信号光の回折格子111への入射角θを正確に調節する必要がある。図6に示したような従来の計測装置では、鏡107と鏡110を用いて信号光と参照光の入射角をそれぞれ調節しているため、構成が複雑となり、装置の小型化に難点がある。
【0018】
図6において、101はSLD(スーパールミネセントダイオード)光源、102,103,112はレンズ、104は第1のビームスプリッタBS1、105は第2のビームスプリッタBS2、106は被検体、107,109,110は鏡、108はプリズム、111は回折格子、113はCCDカメラ(センサアレイ)である。
【0019】
本発明は、上記状況に鑑みて、レンズの結像特性と屈折媒質の屈折特性を利用して、波長分散素子への光波の入射角を簡便な構成で自由にかつ微細に調節することができる光波長分散空間干渉断層画像化装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕光波長分散空間干渉断層画像化装置において、低コヒーレンス光源と、この光源から出射した光ビームをビーム径の拡大した平行ビームに変換する第1のレンズと、前記平行ビームを収束する第2のレンズと、その収束光ビームを、信号光と参照光に二分するビームスプリッタと、前記信号光が入射する被検体と、この被検体から反射してくる信号光が前記ビームスプリッタを経由して入射する第3のレンズと、前記参照光が入射する反射プリズムと、この反射プリズムからの反射光の一部が前記ビームスプリッタに反射されて入射する前記第3のレンズの中心位置を、前記信号光ビームの光軸と参照光ビームの光軸の中間位置に設置し、前記第3のレンズを通過した参照光と信号光が第3のレンズの中心位置に対してそれぞれ反対方向から入射する前記第3のレンズの背後に配置される屈折媒体と、この屈折媒体によって屈折して出射する参照光ビームと信号光ビームが面上にて交差するように配置される波長分散素子と、この波長分散素子によって回折されて出射する参照光と信号光の一次回折光を結像レンズを介して結像させる撮像装置とを具備することを特徴とする。
【0021】
〔2〕上記〔1〕記載の光波長分散空間干渉断層画像化装置において、前記反射プリズムは横(X軸)走査を可能にすることを特徴とする。
【0022】
〔3〕上記〔1〕記載の光波長分散空間干渉断層画像化装置において、前記屈折媒体はバイプリズムであることを特徴とする。
【0023】
〔4〕上記〔1〕記載の光波長分散空間干渉断層画像化装置において、前記波長分散素子は回折格子であることを特徴とする。
【0024】
〔5〕上記〔1〕記載の光波長分散空間干渉断層画像化装置において、前記撮像装置はCCDカメラであることを特徴とする。
【0025】
〔6〕上記〔1〕記載の光波長分散空間干渉断層画像化装置において、前記被検体は不均一な構造をもつ媒質であることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明の第1実施例を示す光コヒーレンス断層画像計測装置の構成図である。
【0028】
この図において、1は低コヒーレンス光源、2,3,7,10はレンズL1〜L4、4はビームスプリッタBS、5は被検体、6は反射プリズムRP、8はバイプリズムBP(屈折媒体)、9は回折格子(波長分散素子)、11はセンサアレイ(撮像装置)である。
【0029】
図1に示すように、広いスペクトル幅をもつ低コヒーレンス光源1から出射した光ビームは、レンズL1(2)によってビーム径の拡大した平行ビームに変換される。その平行ビームはレンズL2(3)によって収束されて、例えばマイケルソン干渉計へ入射する。干渉計に入射した収束光ビームは、ビームスプリッタBS(4)によって信号光と参照光に二分される。
【0030】
参照光と分かれた信号光は、例えば不均一な構成物質からなる被検体5へ入射し、その被検体5から反射してくる信号光はビームスプリッタBS(4)を経由してレンズL3(7)へ伝搬する。一方、参照光は反射プリズムRP(6)に入射し、その反射光の一部はビームスプリッタBS(4)に反射されてレンズL3(7)へ伝搬する。
【0031】
図1は軸外しの光干渉計の原理に基づいて構成されているが、本発明は、次のような機構を光干渉計に備えることにより、従来の軸外しの光干渉計と異なる特徴をもつ空間干渉断層画像化装置を提供する。
【0032】
ここでは、参照光と信号光の両光ビームの光軸間隔を自由に調節できるように反射プリズムRP(6)の横方向(X軸方向)スキャン機構を設けるとともに、レンズL3(7)の中心位置を信号光ビームの光軸と参照光ビームの光軸の中間位置に設置する。レンズL3(7)を通過した参照光と信号光はレンズL3(7)の中心位置に対してそれぞれ反対側に位置し、例えばバイプリズムBP(8)のような屈折媒体へ入射する。バイプリズムBP(8)によって屈折されて出射する参照光ビームと信号光ビームが回折格子(9)の面上にて交差するように回折格子(9)を配置し、その回折格子(9)によって回折されて出射する参照光と信号光の一次回折光を、結像レンズL4(10)で、例えばCCD(charge−coupled device)カメラのようなセンサアレイ(11)の面上に結像させる。
【0033】
以下に本発明による光断層画像測定の原理を説明する。
【0034】
図2は、図1に示す軸外し干渉計において、レンズL3(7)の結像性質とバイプリズムBP(8)の屈折性質による信号光ビームと参照光ビームの伝搬の様子を示すものである。
【0035】
レンズL3(7)から見た信号光と参照光は、それぞれ、被検体(5)の表面もしくは内部にある点Sと、反射プリズムRP(6)の内部にある点Rからの球面波と見なすことができる。本発明によれば、点Sと点RはレンズL3(7)の中心軸に対して左右対称の位置にあり、両点間の距離は2rである。また、点Sと点Rは図2に示すようにレンズL3(7)の物体面にあるとすると、レンズL3(7)を透過した信号光と参照光はそれぞれ出射角−αとαをもつ。このαは次式で求められる。
【0036】
α=r/f …(8)
ここで、fはレンズL3(7)の焦点距離であり、この式(8)から、αの値はrに比例していることが分かる。従って、図1に示すように、少なくとも反射プリズムRP(6)またはレンズL3(7)の一方を光軸と垂直する方向にスキャンしてrを変化させることにより、αを調節することができる。しかし、αの有効値はレンズの開口数に制限されており、式(4)で与えられるθ0 に近づくことは一般的に困難である。例えば、r=3mm、f=25mmとすると、α=7°と算出される。一方、前出の例のように、λ0 =800nmのSLD光源とd=1.67μmの回折格子(600本/mm)を用いた装置構成では、θ0 =28.6°と算出されている。
【0037】
本発明は、レンズL3(7)の使用だけでは波長分散イメージング法による光コヒーレンス断層画像化法で要求される回折格子(9)への光波の入射角を満たすのに不十分であることを熟知した上、レンズL3(7)の背後に例えばバイプリズムBP(8)のような屈折媒質を配置することで、回折格子(9)への光波の入射角を変化させる。
【0038】
図2に示すように、信号光と参照光はそれぞれ入射角−αとαでバイプリズムBP(8)に入射すると、バイプリズムBP(8)によって屈折してそれぞれ角度−βとβで出射する。βは、バイプリズムBP(8)の屈折率をnとし、バイプリズム角をφとすると、次式で求められる。
【0039】
θ=sin−1{nsin〔φ+sin−1(sinα/n)〕}−φ …(9)
例えば、前出α=7°の装置構成では、n=1.5、φ=30°のバイプリズムBP(8)を選定すると、θ=28.6°と算出され、λ0 =800nmとd=1.67μmの光波長分散イメージングでβ=0の計測条件を創出するθ0 に等しいことが分かる。
【0040】
なお、本発明は、式(8)で示されるように、rを変化させることでαを微調することが特徴であることから、式(9)で与えられる角度θの微調も可能であることが明白である。従って、式(6)で表されるβ≠0の計測条件を創出して式(7)で表される空間干渉縞を発生させることも容易である。β<θであることから、その周期は式(2)で表される従来の測定で観察される干渉縞の周期より長くなり、干渉縞を検出するための空間分解能に対する要求度が低くなる利点がある。このように空間周波数がダウンシフトした干渉縞の包絡線検出は、例えばフーリエ変換などの従来方法を用いて行うことができる。
(実施例)
図3は本発明による図1の光計測装置に低コヒーレンス光源として連続出力のSLDを用いた実施例を示す図面である。
【0041】
低コヒーレンス光源の可干渉距離Lcは光源の波長広がりΔλに逆比例してLc≒λ2 /Δλと表すことができる。市販されている近赤外域SLDの場合、Lc≒50μm、また発光ダイオード(LED)の場合、Lc≒10μm程度である。
【0042】
さらに、図3の実施例はレンズL2(23)及びレンズL3(27)に円柱レンズを用いることにより、下記のような2次元光断層画像計測を可能にすることを特徴とする。
【0043】
SLD光源21からの出力光はレンズL1(22)によって平行ビームに変換され、円柱レンズL2(23)に入射する。円柱レンズL2(23)は光波を一方向だけに収束するので、干渉計に入射する光ビームは光伝搬方向と垂直する横方向(y−)上に線状に絞られる。このような線状に絞られた入射光はビームスプリッタBS(24)によって信号光と参照光に分割され、それぞれ被検体(25)と反射プリズムRP(26)に伝搬する。
【0044】
被検体(25)から反射してくる信号光の一部はビームスプリッタBS(24)を透過し、円柱レンズL3(27)によって集光される。一方、反射プリズムRP(26)から反射してくる参照光の一部はビームスプリッタBS(24)によって90°反射された後、円柱レンズL3(27)によって集光される。集光された信号光及び参照光は円柱レンズL3(27)の一方向のみの発散性質により平行ビームに変換され、バイプリズムBP(28)を介して回折格子(29)へ伝送される。
【0045】
回折格子(29)から出射する1次回折光は焦点距離それぞれf1 とf2 のレンズL4,L5(31,33)によって、例えばCCDカメラのような2次元センサアレイ(34)にて検出面上に結像される。CCDカメラ(34)のz−方向上で検出される光干渉信号は本発明による測定原理から被検体(25)の深さ情報に対応していることが明白である。
【0046】
一方、CCDカメラ(34)のy−方向は信号光の横方向(y−)に位置対応している。従って、本実施例は被検体(25)への入射光を線状に絞り、また干渉光を2次元センサアレイ(34)で検出することにより、被検体(25)に関する深さ並びに横方向の情報を同時に取得することができる。
【0047】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0048】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、光波長分散空間干渉断層画像化装置において、レンズの結像特性と屈折媒質(バイプリズム)の屈折特性を利用して、波長分散素子(回折格子)への光波の入射角を簡便な構成で自由にかつ微細に調節することができる。
【0049】
これより、空間周波数が必ずしもゼロであることを必要としない空間干渉断層画像化装置が実現される。なお、入射角の微調は反射プリズムの横方向スキャンで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す光コヒーレンス断層画像計測装置の構成図である。
【図2】図1に示す軸外し干渉計において、レンズL3の結像性質とバイプリズムBPの屈折性質による信号光ビームと参照光ビームの伝搬様子を示す図である。
【図3】本発明による図1の光計測装置に低コヒーレンス光源として連続出力のSLDを用いた実施例を示す図である。
【図4】従来の軸外し干渉計における信号光波と参照光波のセンサアレイ検出面への入射状態を示す図である。
【図5】波長分散方式を用いた軸外し干渉計における信号光波と参照光波の回折格子への入射状態を示す図である。
【図6】従来の波長分散方式を用いた光コヒーレンス断層画像計測装置の測定原理の説明図である。
【符号の説明】
1 低コヒーレンス光源
2,3,7,10 レンズL1〜L4
4,24 ビームスプリッタBS
5,25 被検体
6,26 反射プリズムRP
8,28 屈折媒体(バイプリズムBP)
9,29 波長分散素子(回折格子)
11 撮像装置(センサアレイ)
21 SLD光源
22 光レンズL1
23 円柱レンズL2
27 円柱レンズL3
31,33 レンズL4,L5
32 開口
34 撮像装置(CCDカメラのような2次元センサアレイ)
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体、特に不均一な構造を持つ媒質に光ビームを照射し、その被検体の表面もしくは内部から反射した光を利用して、その被検体の光画像計測を行う光波長分散空間干渉断層画像化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光断層画像化技術の中で、広帯域なスペクトル幅を持つ光源の時間領域の低コヒーレンス性(空間領域で短い可干渉距離とも表現する)に着目して、干渉計において、例えば、人体や生体組織のような不均一な構成物質の内部からの反射光波をμmオーダの距離分解能で検出する光コヒーレンス断層画像化法が注目されている〔例えば、丹野直弘、‘光学’、28巻3号、116(1999)参照〕。
【0003】
光コヒーレンス断層画像化法は、例えば、マイケルソン干渉計において低コヒーレンス光源からの光ビームを半透明鏡によって2分割する。一方の光ビームを鏡に照射してその反射光を参照光とし、他方を被測定物体に照射して物体の深層からの後方散乱光を信号光とする。光源の低コヒーレンス性により、信号光と参照光の光路長差が光源のμmオーダのコヒーレント長以内で、かつ参照光波と位相相関のある成分、すなわちコヒーレントな信号光成分のみが選択的に参照光波と干渉し合う。それゆえに鏡の位置を光軸上にスキャン(Z−スキャン)して参照光路長を変化させることで反射光プロファイルを検出することができる。さらに、入射光ビームの横方向走査によって2次元断層画像化を行うことができる。
【0004】
しかし、上記のような2次元断層画像計測方法は、Z−スキャンおよび光ビームの横方向走査を要するため、計測時間の短縮に限界がある。画像計測の更なる高速化のためには、信号光を空間的に並列検出する測定方法が有効と思われる。その方法の1つとして、軸外し干渉計を用いた低コヒーレンス干渉法が挙げられる。
【0005】
図4に示す軸外し干渉計において、平面波の信号光と平面波の参照光がセンサアレイ113の検出面の中心位置Oに対し、それぞれ左側と右側からセンサアレイ113の検出面へ入射するとすると、検出面で検出される光強度は次のように算出される。
【0006】
I(λ,z)=(1/2)Er 2 +(1/2)ES 2 +Er ES ×cos〔(2π/λ)(Δl−2zsinθ)〕 …(1)
ここで、ES とEr はそれぞれ信号光と参照光の振幅、λは光の波長、Δlは両光波間の光路長差である。スペクトル広がりをもつ光源の場合、式(1)を光源の波長分布について積分すればよく、ここでは計算の便宜上、光源の波長分布関数を中心λ0 、幅2Δλのtop−hat型とすると、干渉成分は次のように求められる。
【0007】
i(z)=Er ES sinc〔(πΔλ/λ0 2 )(Δl−2zsinθ)〕cos〔(2π/λ0 )(Δl−2zsinθ)〕 …(2)
式(2)は、周期λ0 /sinθの正弦関数で変調されたsinc関数を表し、sinc関数のピーク(Δl−2zsinθ=0)が光路長差Δlに対応している。すなわち、被検体内部からの反射光波は検出面において参照光波と局所的に干渉し、検出面の横方向は被検体の深さ方向に対応することになる。
【0008】
しかし、式(2)で表される光干渉測定では、干渉縞の間隔が狭く、それを検出するために高い空間分解能のセンサアレイ113が必要である。また、干渉縞の包絡線の検出は、通常フーリエ変換などのデータ演算処理を要する。このような光検出およびデータ演算処理方法は光断層画像計測への応用にとって大変煩瑣であるといえる。それを克服するために、最近、波長分散イメージング法による光コヒーレンス断層画像計測方法が報告されている〔E.Umetsu,K.P.Chan,N.Tanno,“Optical Review”,Vol.9,70(2002)参照〕。
【0009】
図5にその測定原理を示す。
【0010】
図5においては、図4に示す検出面に例えば回折格子111のような波長分散素子(格子常数d)を置き、それぞれ左側と右側から信号光と参照光を入射する。入射角θに対して一次回折光の出射角βは次のように与えられる。
【0011】
sinβ+sinθ=λ/d …(3)
そこで、θが次式で与えられるθ0 になるように設置すると、
θ0 =sin−1(λ0 /d) …(4)
中心波長成分は角度β=0で出射される一方、それ以外の波長成分は、β=〔(λ−λ0 )/λ0 〕sinθ0 の角度で出射される。このように、光干渉の空間周波数は回折格子111によってゼロに近づくようダウンシフトされる。
【0012】
さらに、図5に示すようにレンズ112を用いて回折格子111からの1次回折光をセンサアレイ(CCDカメラ)113の面上に結像させると、式(2)と同様な分析方法で干渉成分は次のように求められる。
【0013】
i(z)=Er ES sinc{πΔλ/λ0 2 〔Δl+(2zsinθ0 )/M〕}cos〔(2π/λ0 )Δl〕 …(5)
ここで、Mは結像の倍率である。式(5)は式(2)で表される空間干渉信号を復調した形であることから、干渉信号の包絡線を直接に検出できることを意味する。また、そのピーク位置を検出することで信号光の反射点の深さを特定することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
式(5)で表される波長分散イメージング法を用いた空間干渉法において、入射角がθ=θ0 +Δθに変動すると、中心波長λ0 の一次回折光の出射角はβ=0でなくなり、次のようになる。
【0015】
sinβ=−Δθ√〔1−(λ0 /d)2 〕 …(6)
その結果、検出面における干渉光は再び正弦関数〔周期Λ=Mλ0 /(2sinβ)〕で変調され、次のようになる。
【0016】
i(z)=Er ES sinc{πΔλ/λ0 2 〔Δl+(2zsinθ/M)〕}cos{2π/λ0 〔Δl+(2zsinβ/M)〕} …(7)
例えば、λ0 =800nm、Δλ=30nmのSLD(スーパールミネセントダイオード)低コヒーレンス光源とd=1.67μmの回折格子(600本/mm)を用いた測定では、θ=28.6°でβ=0となるが、Δθ=2°の変動分でβ=−1.8°となる。式(6)から、空間干渉信号は複数の干渉縞を持つことが分かる。
【0017】
上記の説明から明らかなように、例えば回折格子111のような波長分散素子を用いた光コヒーレンス断層画像化測定は、参照光および信号光の回折格子111への入射角θを正確に調節する必要がある。図6に示したような従来の計測装置では、鏡107と鏡110を用いて信号光と参照光の入射角をそれぞれ調節しているため、構成が複雑となり、装置の小型化に難点がある。
【0018】
図6において、101はSLD(スーパールミネセントダイオード)光源、102,103,112はレンズ、104は第1のビームスプリッタBS1、105は第2のビームスプリッタBS2、106は被検体、107,109,110は鏡、108はプリズム、111は回折格子、113はCCDカメラ(センサアレイ)である。
【0019】
本発明は、上記状況に鑑みて、レンズの結像特性と屈折媒質の屈折特性を利用して、波長分散素子への光波の入射角を簡便な構成で自由にかつ微細に調節することができる光波長分散空間干渉断層画像化装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕光波長分散空間干渉断層画像化装置において、低コヒーレンス光源と、この光源から出射した光ビームをビーム径の拡大した平行ビームに変換する第1のレンズと、前記平行ビームを収束する第2のレンズと、その収束光ビームを、信号光と参照光に二分するビームスプリッタと、前記信号光が入射する被検体と、この被検体から反射してくる信号光が前記ビームスプリッタを経由して入射する第3のレンズと、前記参照光が入射する反射プリズムと、この反射プリズムからの反射光の一部が前記ビームスプリッタに反射されて入射する前記第3のレンズの中心位置を、前記信号光ビームの光軸と参照光ビームの光軸の中間位置に設置し、前記第3のレンズを通過した参照光と信号光が第3のレンズの中心位置に対してそれぞれ反対方向から入射する前記第3のレンズの背後に配置される屈折媒体と、この屈折媒体によって屈折して出射する参照光ビームと信号光ビームが面上にて交差するように配置される波長分散素子と、この波長分散素子によって回折されて出射する参照光と信号光の一次回折光を結像レンズを介して結像させる撮像装置とを具備することを特徴とする。
【0021】
〔2〕上記〔1〕記載の光波長分散空間干渉断層画像化装置において、前記反射プリズムは横(X軸)走査を可能にすることを特徴とする。
【0022】
〔3〕上記〔1〕記載の光波長分散空間干渉断層画像化装置において、前記屈折媒体はバイプリズムであることを特徴とする。
【0023】
〔4〕上記〔1〕記載の光波長分散空間干渉断層画像化装置において、前記波長分散素子は回折格子であることを特徴とする。
【0024】
〔5〕上記〔1〕記載の光波長分散空間干渉断層画像化装置において、前記撮像装置はCCDカメラであることを特徴とする。
【0025】
〔6〕上記〔1〕記載の光波長分散空間干渉断層画像化装置において、前記被検体は不均一な構造をもつ媒質であることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明の第1実施例を示す光コヒーレンス断層画像計測装置の構成図である。
【0028】
この図において、1は低コヒーレンス光源、2,3,7,10はレンズL1〜L4、4はビームスプリッタBS、5は被検体、6は反射プリズムRP、8はバイプリズムBP(屈折媒体)、9は回折格子(波長分散素子)、11はセンサアレイ(撮像装置)である。
【0029】
図1に示すように、広いスペクトル幅をもつ低コヒーレンス光源1から出射した光ビームは、レンズL1(2)によってビーム径の拡大した平行ビームに変換される。その平行ビームはレンズL2(3)によって収束されて、例えばマイケルソン干渉計へ入射する。干渉計に入射した収束光ビームは、ビームスプリッタBS(4)によって信号光と参照光に二分される。
【0030】
参照光と分かれた信号光は、例えば不均一な構成物質からなる被検体5へ入射し、その被検体5から反射してくる信号光はビームスプリッタBS(4)を経由してレンズL3(7)へ伝搬する。一方、参照光は反射プリズムRP(6)に入射し、その反射光の一部はビームスプリッタBS(4)に反射されてレンズL3(7)へ伝搬する。
【0031】
図1は軸外しの光干渉計の原理に基づいて構成されているが、本発明は、次のような機構を光干渉計に備えることにより、従来の軸外しの光干渉計と異なる特徴をもつ空間干渉断層画像化装置を提供する。
【0032】
ここでは、参照光と信号光の両光ビームの光軸間隔を自由に調節できるように反射プリズムRP(6)の横方向(X軸方向)スキャン機構を設けるとともに、レンズL3(7)の中心位置を信号光ビームの光軸と参照光ビームの光軸の中間位置に設置する。レンズL3(7)を通過した参照光と信号光はレンズL3(7)の中心位置に対してそれぞれ反対側に位置し、例えばバイプリズムBP(8)のような屈折媒体へ入射する。バイプリズムBP(8)によって屈折されて出射する参照光ビームと信号光ビームが回折格子(9)の面上にて交差するように回折格子(9)を配置し、その回折格子(9)によって回折されて出射する参照光と信号光の一次回折光を、結像レンズL4(10)で、例えばCCD(charge−coupled device)カメラのようなセンサアレイ(11)の面上に結像させる。
【0033】
以下に本発明による光断層画像測定の原理を説明する。
【0034】
図2は、図1に示す軸外し干渉計において、レンズL3(7)の結像性質とバイプリズムBP(8)の屈折性質による信号光ビームと参照光ビームの伝搬の様子を示すものである。
【0035】
レンズL3(7)から見た信号光と参照光は、それぞれ、被検体(5)の表面もしくは内部にある点Sと、反射プリズムRP(6)の内部にある点Rからの球面波と見なすことができる。本発明によれば、点Sと点RはレンズL3(7)の中心軸に対して左右対称の位置にあり、両点間の距離は2rである。また、点Sと点Rは図2に示すようにレンズL3(7)の物体面にあるとすると、レンズL3(7)を透過した信号光と参照光はそれぞれ出射角−αとαをもつ。このαは次式で求められる。
【0036】
α=r/f …(8)
ここで、fはレンズL3(7)の焦点距離であり、この式(8)から、αの値はrに比例していることが分かる。従って、図1に示すように、少なくとも反射プリズムRP(6)またはレンズL3(7)の一方を光軸と垂直する方向にスキャンしてrを変化させることにより、αを調節することができる。しかし、αの有効値はレンズの開口数に制限されており、式(4)で与えられるθ0 に近づくことは一般的に困難である。例えば、r=3mm、f=25mmとすると、α=7°と算出される。一方、前出の例のように、λ0 =800nmのSLD光源とd=1.67μmの回折格子(600本/mm)を用いた装置構成では、θ0 =28.6°と算出されている。
【0037】
本発明は、レンズL3(7)の使用だけでは波長分散イメージング法による光コヒーレンス断層画像化法で要求される回折格子(9)への光波の入射角を満たすのに不十分であることを熟知した上、レンズL3(7)の背後に例えばバイプリズムBP(8)のような屈折媒質を配置することで、回折格子(9)への光波の入射角を変化させる。
【0038】
図2に示すように、信号光と参照光はそれぞれ入射角−αとαでバイプリズムBP(8)に入射すると、バイプリズムBP(8)によって屈折してそれぞれ角度−βとβで出射する。βは、バイプリズムBP(8)の屈折率をnとし、バイプリズム角をφとすると、次式で求められる。
【0039】
θ=sin−1{nsin〔φ+sin−1(sinα/n)〕}−φ …(9)
例えば、前出α=7°の装置構成では、n=1.5、φ=30°のバイプリズムBP(8)を選定すると、θ=28.6°と算出され、λ0 =800nmとd=1.67μmの光波長分散イメージングでβ=0の計測条件を創出するθ0 に等しいことが分かる。
【0040】
なお、本発明は、式(8)で示されるように、rを変化させることでαを微調することが特徴であることから、式(9)で与えられる角度θの微調も可能であることが明白である。従って、式(6)で表されるβ≠0の計測条件を創出して式(7)で表される空間干渉縞を発生させることも容易である。β<θであることから、その周期は式(2)で表される従来の測定で観察される干渉縞の周期より長くなり、干渉縞を検出するための空間分解能に対する要求度が低くなる利点がある。このように空間周波数がダウンシフトした干渉縞の包絡線検出は、例えばフーリエ変換などの従来方法を用いて行うことができる。
(実施例)
図3は本発明による図1の光計測装置に低コヒーレンス光源として連続出力のSLDを用いた実施例を示す図面である。
【0041】
低コヒーレンス光源の可干渉距離Lcは光源の波長広がりΔλに逆比例してLc≒λ2 /Δλと表すことができる。市販されている近赤外域SLDの場合、Lc≒50μm、また発光ダイオード(LED)の場合、Lc≒10μm程度である。
【0042】
さらに、図3の実施例はレンズL2(23)及びレンズL3(27)に円柱レンズを用いることにより、下記のような2次元光断層画像計測を可能にすることを特徴とする。
【0043】
SLD光源21からの出力光はレンズL1(22)によって平行ビームに変換され、円柱レンズL2(23)に入射する。円柱レンズL2(23)は光波を一方向だけに収束するので、干渉計に入射する光ビームは光伝搬方向と垂直する横方向(y−)上に線状に絞られる。このような線状に絞られた入射光はビームスプリッタBS(24)によって信号光と参照光に分割され、それぞれ被検体(25)と反射プリズムRP(26)に伝搬する。
【0044】
被検体(25)から反射してくる信号光の一部はビームスプリッタBS(24)を透過し、円柱レンズL3(27)によって集光される。一方、反射プリズムRP(26)から反射してくる参照光の一部はビームスプリッタBS(24)によって90°反射された後、円柱レンズL3(27)によって集光される。集光された信号光及び参照光は円柱レンズL3(27)の一方向のみの発散性質により平行ビームに変換され、バイプリズムBP(28)を介して回折格子(29)へ伝送される。
【0045】
回折格子(29)から出射する1次回折光は焦点距離それぞれf1 とf2 のレンズL4,L5(31,33)によって、例えばCCDカメラのような2次元センサアレイ(34)にて検出面上に結像される。CCDカメラ(34)のz−方向上で検出される光干渉信号は本発明による測定原理から被検体(25)の深さ情報に対応していることが明白である。
【0046】
一方、CCDカメラ(34)のy−方向は信号光の横方向(y−)に位置対応している。従って、本実施例は被検体(25)への入射光を線状に絞り、また干渉光を2次元センサアレイ(34)で検出することにより、被検体(25)に関する深さ並びに横方向の情報を同時に取得することができる。
【0047】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0048】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、光波長分散空間干渉断層画像化装置において、レンズの結像特性と屈折媒質(バイプリズム)の屈折特性を利用して、波長分散素子(回折格子)への光波の入射角を簡便な構成で自由にかつ微細に調節することができる。
【0049】
これより、空間周波数が必ずしもゼロであることを必要としない空間干渉断層画像化装置が実現される。なお、入射角の微調は反射プリズムの横方向スキャンで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す光コヒーレンス断層画像計測装置の構成図である。
【図2】図1に示す軸外し干渉計において、レンズL3の結像性質とバイプリズムBPの屈折性質による信号光ビームと参照光ビームの伝搬様子を示す図である。
【図3】本発明による図1の光計測装置に低コヒーレンス光源として連続出力のSLDを用いた実施例を示す図である。
【図4】従来の軸外し干渉計における信号光波と参照光波のセンサアレイ検出面への入射状態を示す図である。
【図5】波長分散方式を用いた軸外し干渉計における信号光波と参照光波の回折格子への入射状態を示す図である。
【図6】従来の波長分散方式を用いた光コヒーレンス断層画像計測装置の測定原理の説明図である。
【符号の説明】
1 低コヒーレンス光源
2,3,7,10 レンズL1〜L4
4,24 ビームスプリッタBS
5,25 被検体
6,26 反射プリズムRP
8,28 屈折媒体(バイプリズムBP)
9,29 波長分散素子(回折格子)
11 撮像装置(センサアレイ)
21 SLD光源
22 光レンズL1
23 円柱レンズL2
27 円柱レンズL3
31,33 レンズL4,L5
32 開口
34 撮像装置(CCDカメラのような2次元センサアレイ)
Claims (6)
- (a)低コヒーレンス光源と、
(b)該光源から出射した光ビームをビーム径の拡大した平行ビームに変換する第1のレンズと、
(c)前記平行ビームを収束する第2のレンズと、
(d)その収束光ビームを、信号光と参照光に二分するビームスプリッタと、
(e)前記信号光が入射する被検体と、
(f)該被検体から反射してくる信号光が前記ビームスプリッタを経由して入射する第3のレンズと、
(g)前記参照光が入射する反射プリズムと、
(h)該反射プリズムからの反射光の一部が前記ビームスプリッタに反射されて入射する前記第3のレンズの中心位置を、前記信号光ビームの光軸と参照光ビームの光軸の中間位置に設置し、前記第3のレンズを通過した参照光と信号光が第3のレンズの中心位置に対してそれぞれ反対方向から入射する前記第3のレンズの背後に配置される屈折媒体と、
(i)該屈折媒体によって屈折して出射する参照光ビームと信号光ビームが面上にて交差するように配置される波長分散素子と、
(j)該波長分散素子によって回折されて出射する参照光と信号光の一次回折光を結像レンズを介して結像させる撮像装置とを具備することを特徴とする光波長分散空間干渉断層画像化装置。 - 請求項1記載の光波長分散空間干渉断層画像化装置において、前記反射プリズムは横(X軸)走査を可能にすることを特徴とする光波長分散空間干渉断層画像化装置。
- 請求項1記載の光波長分散空間干渉断層画像化装置において、前記屈折媒体はバイプリズムであることを特徴とする光波長分散空間干渉断層画像化装置。
- 請求項1記載の光波長分散空間干渉断層画像化装置において、前記波長分散素子は回折格子であることを特徴とする光波長分散空間干渉断層画像化装置。
- 請求項1記載の光波長分散空間干渉断層画像化装置において、前記撮像装置はCCDカメラであることを特徴とする光波長分散空間干渉断層画像化装置。
- 請求項1記載の光波長分散空間干渉断層画像化装置において、前記被検体は不均一な構造をもつ媒質であることを特徴とする光波長分散空間干渉断層画像化装置。
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