JP3631937B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタが印字を行う際、プリントヘッドから印刷面に向けて噴射されたインクのうち印刷に使用されない余剰インクは、再びインクタンクに戻すためインク回収用のガターによって回収される。この際、インクとともに空気も回収されてしまうために、回収されたインクがインクタンクに噴出されるときに泡立ってしまう。この泡がインクタンク内で堆積してしまうと、インクタンクからその泡が漏れ出てしまう。
【0003】
そこで、従来はこの課題を解決するために、インクタンク内にできた泡が堆積するよりも速く泡が自然消滅するように、消泡性の優れたインクを使用するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、インクジェットプリンタには多種多様の用途が求められるようになり、そのインクも、水性インクや油性インク、又は固体インクなど種々のものがある。これら各用途用のインクの性質を生かそうとすると、消泡性が劣ってしまうことが多かった。
このために、各特殊用途のインクを使用すると、インクタンク内で泡が堆積してしまい、インクタンクから漏れ出てしまうことになっていた。
【0005】
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、回収されてインクタンクに戻されたインクが泡立って漏れ出てしまうことのないインクジェットプリンタを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項1に記載のインクジェットプリンタは、前記の目的を有効に達成するために、インクを貯留するインクタンクと、このインクタンクから供給される前記インクを印刷面に向けて噴射させるプリントヘッドと、このプリントヘッドから噴射されたインクのうち印刷に使用されないインクを回収し前記インクタンクに戻すインク回収手段とを備えているインクジェットプリンタにおいて、インク回収手段が、回収時のインクを泡立たせないようにインクタンクに戻す泡立ち防止手段を備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載のインクジェットプリンタは、請求項1に記載の構成に加えて、泡立ち防止手段が、回収したインクをインクタンクに霧状に噴出させる霧噴出機構を備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載のインクジェットプリンタは、請求項2に記載の構成に加えて、霧噴出機構が、回収したインクに気体を供給して加圧する気体供給装置を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載のインクジェットプリンタは、請求項2又は3に記載の構成に加えて、霧噴出機構が、インク回収手段のインクタンクへの送出口が細められてなる霧噴出口を備えていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るインクジェットプリンタの実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態に係るインクジェットプリンタの概略の構成を示す説明図である。
【0011】
図中、符号1は、本実施の形態に係るインクジェットプリンタを全体的に示す。
インクジェットプリンタ1は、インクを貯留するインクタンク2と、このインクタンク2から供給される前記インクを印刷面に向けて噴射させるプリントヘッド3と、このプリントヘッド3から噴射されたインクのうち印刷に使用されないインクを回収し前記インクタンク2に戻すインク回収手段4とを備えている。
【0012】
さらに、インクジェットプリンタ1は、前記の他に、インクの溶剤を貯留する溶剤タンク5や、粘度コントロール機能を有するメインタンク6、及びフィルタ7、さらには各位置においてインクを送るポンプ8A,8B,8Cや、プリントヘッド3に供給するインクの量を調節するレギュレータ9を備えている。
【0013】
プリントヘッド3は、ノズル31と、ピエゾ振動子32と、ノズルプレート33と、帯電電極34と、検知電極35と、偏向電極36とを備えた、ピエゾ式のプリントヘッドである。
前記ノズル31から噴射されたインクは、帯電電極34で帯電されて滴状になり、偏向電極36により、印字に必要なインク滴のみが飛行軌道の修正を受け印刷面に向けて飛び出す。
また、印字に無関係なインク滴は、そのまま正確にインク回収手段4に命中し、回収される。
【0014】
インク回収手段4は、前記ノズル31から噴射されたインクのうち、印字に無関係な、飛行軌道の修正を受けないインクが正確に命中するように、一端部41が前記ノズル31に対向して配設されている。
そして、インク回収手段4は、その他端部42がポンプ8Aを介してインクタンク2に連結されており、回収時のインクを泡立たせないようにインクタンク2に戻す泡立ち防止手段を備えている。
【0015】
泡立ち防止手段は、本実施例において具体的には、回収したインクをインクタンク2に霧状に噴出させる霧噴出機構を備えることにより構成されている。より具体的には、霧噴出機構は、後述する気体供給装置10及び霧噴出口44から構成されている。
【0016】
気体供給装置10は、インク回収手段4の、ポンプ8Aとインクタンク2との間に設けられており、回収したインクに外気(気体)を供給して加圧するようになっている。このように気体供給装置10が、回収されたインクに外気を圧入することにより、インクをインクタンク2に霧状に噴出させるようになっている。
【0017】
また、霧噴出口44は、インク回収手段4の他端部42の、インクタンク2への送出口43の内径が小さくなるように細められて構成されており、これにより回収されたインクがインクタンク2に霧状に噴出されるようになっている。
【0018】
前記のようにして構成されているインクジェットプリンタ1は、プリントヘッド3のノズル31から噴射されたインクのうち、印字に無関係な、飛行軌道の修正を受けないインクを、インク回収手段4に回収する。このインク回収手段4に回収されたインクは、ポンプ8Aによりインクタンク2側へ送られ、気体供給装置10によって外気が供給されることにより加圧されるとともに、霧噴出口44によって、インクタンク2内に霧状に噴出される。このようにして、インクタンク2に戻されたインクは、再びメインタンク6やフィルタ7を介してノズル31に送られて再利用される。
【0019】
このようにして構成されたインクジェットプリンタ1によれば、回収されてインクタンク2に戻されるインクに、気体供給装置10によって圧力が加えられるとともに、霧噴出口44によってインクタンク2への送出口43におけるインクに加えられる圧力が高められることにより、インクタンク2内に向けて確実に霧状にされて噴出される。
【0020】
これによって、消泡性に優れたインクを使用せずとも、あらゆるインクの使用において、回収されたインクがインクタンク2に戻される際に、泡が発生し堆積してインクタンクから泡が漏れ出すといったことがなくなる。
【0021】
なお、本発明に係るインクジェットプリンタ1は、前記のような構成に限定されるものではなく、以下のような構成であってもよい。
すなわち、霧噴出機構は、前記のように、気体供給装置10及び霧噴出口44から構成されていることに限定されるものでなく、気体供給装置10又は霧噴出口44のどちらか一方を備えてなる構成であってもよい。
【0022】
さらには、これら気体供給装置10や霧噴出口44を備えていることに限定されるものでもなく、回収されたインクをインクタンク2に霧状に噴出させるように構成されていればよく、例えば、ポンプ8Aに気体供給装置10のような気体を圧入させて霧を噴出させる機能を備えさせた構成であってもよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係るインクジェットプリンタは、インクを貯留するインクタンクと、このインクタンクから供給される前記インクを印刷面に向けて噴射させるプリントヘッドと、このプリントヘッドから噴射されたインクのうち印刷に使用されない余剰インクを回収し前記インクタンクに戻すインク回収手段とを備えているインクジェットプリンタにおいて、インク回収手段が、回収時のインクを泡立たせないようにインクタンクに戻す泡立ち防止手段を備えているため、消泡性の優れたインクに限らずあらゆるインクの使用時において、インクタンクに泡が堆積することがなく、従ってインクタンクから泡が漏れ出すことがない。
【0024】
請求項2に係るインクジェットプリンタは、泡立ち防止手段が、回収したインクをインクタンクに霧状に噴出させる霧噴出機構を備えているため、消泡性に優れていないインクであっても確実に泡立たせないようにインクタンクに戻す。従って、インクタンクに泡が堆積することがなく、インクタンクから泡が漏れ出すことがない。
【0025】
請求項3に係るインクジェットプリンタは、霧噴出機構が、回収したインクに気体を供給して加圧する気体供給装置を備えているため、インクタンクに戻されるインクに加えられる圧力が高まり、インクタンクに噴出される際、確実に霧状にされて噴出される。従って、インクタンクで泡立つことがなく、インクタンクから泡が漏れ出すことがない。
【0026】
請求項4に係るインクジェットプリンタは、霧噴出機構が、インク回収手段のインクタンクへの送出口が細められてなる霧噴出口を備えているため、インク回収手段のインクタンクへの送出口におけるインクに加えられる圧力が高まり、インクタンク内に向けて確実に霧状にされて噴出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係るインクジェットプリンタの概略の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1:インクジェットプリンタ
2:インクタンク
3:プリントヘッド
4:ガター(インク回収手段)
43:送出口
44:霧噴出口
10:気体供給装置

Claims (4)

  1. インクを貯留するインクタンクと、このインクタンクから供給される前記インクを印刷面に向けて噴射させるプリントヘッドと、このプリントヘッドから噴射されたインクのうち印刷に使用されないインクを回収し前記インクタンクに戻すインク回収手段とを備えているインクジェットプリンタにおいて、
    インク回収手段が、回収時のインクを泡立たせないようにインクタンクに戻す泡立ち防止手段を備えていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 泡立ち防止手段が、回収したインクをインクタンクに霧状に噴出させる霧噴出機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 霧噴出機構が、回収したインクに気体を供給して加圧する気体供給装置を備えていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 霧噴出機構が、インク回収手段のインクタンクへの送出口が細められてなる霧噴出口を備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載のインクジェットプリンタ。
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