JP3630692B2 - 多重送信システムおよび帯域制御方法 - Google Patents

多重送信システムおよび帯域制御方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、ATM伝送に関し、特に、それぞれのサービス品質を満たした伝送を行うATM伝送における帯域制御方法に関する。
背景技術
ATM伝送方法においては、遅延、セル廃棄率など、品質条件の異なるセルを出力伝送路に多重して伝送を行っている。このような伝送を行うには、多重処理の前段に品質クラスごとに複数のバッファを設ける必要がある。
品質条件の異なるパケットを同一のATMセルに多重搭載して伝送することも行っている。このような伝送を行うには、ATMセルへの多重処理の前段に品質クラスごとに複数のバッファを設ける必要がある。
1つのATMセルの中に複数のユーザからなるパケットを多重化して伝送するATM伝送技術も存在する。ATM Adaptation Layer type 2(AAL type 2)では、最大248ユーザを1つのバーチャル・チャネル(VC)コネクション上に多重して伝送することが可能である。このとき通常、品質クラスはユーザ・コネクション単位で要求されるため、VCコネクション内に複数の品質クラスを用意し、それぞれのユーザ・コネクションに適した品質で伝送することが要求される。
複数コネクションからなるパケットを、ATMセルへ多重搭載する装置構成については、例えば、本出願人による国際出願(国際公開番号WO97/23975、国際公開日1997年7月3日)「マイクロフレーム多重送信装置」(MULTIPLEX TRANSMITTER FOR MICRO−FRAME)等がある。これには、パケットが多重送信装置に入力すると品質クラスごとに複数のバッファに振り分けて入力させ、設定された順番に従ってバッファからパケットを取り出すことにより、それぞれの品質クラスに従った伝送を可能とすることが開示されている。
さて、品質クラスごとにバッファに分けられたセル/パケットは、それぞれのバッファからセル/パケットを取り出す速度により、それぞれの品質クラスに割り当てられる帯域が決定されている。しかしながら、品質クラスに設定された帯域が制限されているために、伝送路全体の帯域には余裕があるにも関わらず設定要求されたユーザ・コネクションが設定不可となる場合がある。
上述のように、遅延、セル廃棄率など、品質条件の異なるパケットを複数のバッファに分けて入力させ、ATMセルを多重化することにより、それぞれ品質の異なる伝送を可能とする装置構成は現在存在している。この構成によると、伝送路の帯域は品質クラスごとにそれぞれ割り当てられる。
通常、多重装置起動時には予測されるトラヒック特性により品質クラスごとの帯域比を決定し、決定した帯域比を実現できる取り出し速度でパケットあるいはセルを取り出す。しかしながら、実際のトラヒック特性を予測することは困難であり、伝送路全体としては空き帯域が存在するにも関わらず、品質クラスによっては伝送に必要な帯域が、割り当てられている帯域を上回る場合がある。このとき割り当てられている帯域では、コネクション設定が要求されてもサービス品質を満たした伝送を行うためにはコネクションを受け付けることができない。しかし、設定した帯域比を変更することができれば、遅延、セル廃棄率を小さく保ちつつ、サービス品質を満たした伝送が可能となり、より多くのコネクションを受け付けることが可能となる。
発明の開示
本発明の目的は、伝送路に多重化して出力する多重化装置における帯域変更の制御を提供することにより、実環境における種々の品質条件をもつサービスの不規則なトラヒック特性に対応した、効率的な伝送路の使用を実現することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、ATMセルを多重搭載して伝送する多重送信システムにおいて、品質クラスごとに異なるバッファを有し、複数コネクションからの送信内容をそれぞれ前記バッファに分けて入力し、前記バッファからの取り出し速度の比率は変更でき、前記取り出し速度の比率を変更することで、品質クラスごとに伝送路に割り当てる帯域の比率の変更を可能とすることを特徴とする。
前記複数コネクションからの送信内容として、ATMセルであり、パケットであることができる。パケットの場合は、バッファからパケットを取り出してATMセルに多重化して出力している。また、これらの組み合わせとして、構成することもできる。
新しいコネクションの設定が要求されたときに、品質クラスごとに伝送路に割り当てる帯域の比率を変更している。
さらに、通信中コネクションの解放が要求されたときも、品質クラスごとに伝送路に割り当てる帯域の比率を変更している。
新しいコネクションの設定が要求されたときには、コネクションの属する品質クラスに対して割り当てられている帯域を、新しいコネクションを追加した上で該品質クラスに必要となる帯域が上回った場合に、品質クラスごとに伝送路に割り当てる帯域の比率を変更することもできる。
また、品質クラスごとに監視されるパケット廃棄率が予め設定された値を超過した場合に、品質クラスごとに伝送路に割り当てる帯域の比率を変更することもできる。
このように多重化システムを構成することにより、効率的な伝送路の使用を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、バーチャルパス・コネクション、バーチャルチャネル・コネクション、および、ユーザ・コネクションの関係を示す図である。
図2は、品質クラスごとに要求される帯域である必要帯域および品質クラスごとに伝送路に実際に割り当てる割当帯域を比較した概念図である。
図3は、ATMセルを多重して伝送路に送信する、多重装置の構成を示すブロック図である。
図4は、パケットをATMセルに多重搭載して伝送路に送信する、多重装置の構成を示すブロック図である。
図5は、図3の多重化と、図4の多重化を同時に行った場合の多重化装置の構成を示すブロック図である。
図6は、図5における多重化装置を用いた場合の割当帯域を示した概念図である。
図7は、帯域管理制御部の処理と、取り出し部の処理に関するシーケンスを表した図である。
図8は、コネクション設定時の帯域変更制御の処理を示すフローチャートである。
図9は、コネクション解放時の帯域変更制御の処理を示すフローチャートである。
図10は、コネクション設定前/後の必要帯域と既に伝送路に割り当てられている帯域、および割当帯域変更処理後に割り当てられた帯域を示した図である。
図11は、他の実施例のコネクション設定時の他の帯域変更制御の処理を示すフローチャートである。
図12は、コネクション設定前/後の必要帯域と既に伝送路に割り当てられている帯域、および割当帯域変更処理後に割り当てられた帯域を示した図である。
図13は、第3の実施例のコネクション設定時のコネクション受付処理を示すフローチャートである。
図14は、帯域変更処理起動のためのセル廃棄率監視部〜帯域管理制御部の処理シーケンスを示した図である。
発明を実施するための最良の形態
本発明の実施例を図面を用いて説明する。
図1は、本発明で使用しているバーチャルパス・コネクション(VP)、バーチャルチャネル・コネクション(VC)、および、ユーザ・コネクションの関係を示す図である。物理伝送路上のバーチャルパス・コネクション中に、ATMセルによるバーチャルチャネル・コネクションが存在する。このバーチャルチャネル・コネクションがユーザ・コネクションを表すこともあるし、バーチャルチャネル・コネクションからなるATMセル上にユーザ・コネクションを形成するパケットを多重化して乗せて伝送こともできる。図1においてはバーチャルチャネル・コネクション上に複数のユーザ・コネクションが設定される場合を示している。本発明においては、このATMセルによるバーチャルチャネル・コネクションからなるユーザ・コネクションおよびATMセルに多重化しているパケットによるユーザ・コネクションそれぞれを、それぞれのレベルのサービス品質を満たすように動的に帯域制御している。以下に詳しく説明する。
図2は、品質クラスごとに要求される帯域である必要帯域および品質クラスごとに伝送路(バーチャルパス・コネクション、バーチャルチャネル・コネクション)に実際に割り当てる割当帯域を比較した概念図である。この図2に図示されている場合のように、各品質クラスごとに必要な帯域の総和であるB1〜Bmは、伝送路使用可能帯域より小さい時は、各伝送路に割り当てられた割当帯域は余裕があることになる。従って、この場合は、各伝送路への帯域割り当てを動的に制御することで、最適に帯域割り当てを行うことができる。以下で説明する多重化装置は、この最適帯域割り当てを実現しようとするものである。
図3は、異なるサービス品質を要求するコネクションを形成するATMセルを多重して伝送路(バーチャルパス・コネクション)に送信する多重装置100の構成例を示すブロック図である。
入力コネクション1〜n 101により多重装置100に入力したセルは、それぞれ品質条件をもっている。このパケットは、振り分け部102により品質クラスごとにバッファ104に振り分けられる。
バッファ104では、予め品質条件によりセルを出力するための共用待ち時間を設定している。このため、バッファ104に許容待ち時間を越えて存在するパケットは順次廃棄処理される。セル廃棄率監視部103では、バッファ104におけるセルの廃棄率を観測する機能を有する。帯域管理制御部150は、品質クラスごとに割り当てる帯域の比率から、バッファごとに最適な取り出し速度の比率を決定し、取り出し処理部105に取り出し情報を通知する。取り出し情報はどのバッファからセルを取り出すかを決定する情報である。取り出し処理部105は通知を受けた取り出し情報に従ってセルを取り出す。取り出されたATMセルは、送出部107から出力回線108へ送出される。
図4は、異なるユーザ・コネクションを形成するパケットをバーチャルチャネル・コネクションを形成するATMセルに多重搭載して送信する多重装置200の構成例を示すブロック図である。
入力ユーザ・コネクション1〜n 201により多重装置200に入力したパケットは、それぞれ品質条件をもっている。このパケットは、振り分け部202により品質クラスごとにバッファ204に振り分けられる。
バッファ204では、予め品質条件によりATMセルにパケットを多重処理するための共用待ち時間を設定している。このため、バッファ204に許容待ち時間を越えて存在するパケットは順次廃棄処理される。パケット廃棄率監視部203では、バッファ204におけるパケットの廃棄率を観測する機能を有する。帯域管理制御部250は、品質クラスごとに割り当てる帯域の比率から、バッファごとに最適な取り出し速度の比率を決定し、取り出し処理部205に取り出し情報を通知する。取り出し情報はどのバッファからパケットを取り出すかを決定する情報である。取り出し処理部205は通知を受けた取り出し情報に従ってパケットを取り出す。多重化処理部206で取り出したパケットをATMセルに多重化する。多重化されたATMセルは、送出部207から出力回線208へ送出される。
図5は、図3の多重化と、図4の多重化を同時に行った場合の多重化装置300の構成を示すブロック図である。図6は、図5における多重化装置を用いた場合の割当帯域を示した概念図である。図5で、図3および図4と同じ符号のものは、同様の機能を有する。
図5において、ユーザ・コネクション101は、ATMセルに対するコネクションを形成する。また、ユーザ・コネクション201からのパケットは、上述の図4で説明したように,振り分け部202、バッファ204、取り出し部205および多重処理部206によりATMセルに多重化される。パケットを多重化されたATMセルは、バッファ304のバッファm+1に格納される。バッファm+1に格納されたATMセルは、他のATMセルとともに、取り出し部107により、バッファ304から、割り当てられた帯域に応じた取り出し速度の比率により取り出される。取り出されたATMセルは、必要があれば多重処理部306により、他からのATMセルと多重化されて送出部307から出力回線308に出力される。
この場合、帯域管理制御部250は、各ユーザ・チャネルを図6におけるバーチャル・チャネル(VC)帯域で示したB1'〜Bm'となるように、バッファ204からのパケットの取り出しの速度比率を制御する。また、帯域管理制御部150は、バッファ304からのATMセルの取り出しの速度比率を、図6のバーチャルパス・コネクション(VP)帯域に示したように、X1〜Xm+1となるように制御する。
図5、図6ではパケットを多重するバーチャルチャネル・コネクションが1種類の場合を示したが、複数のバーチャルチャネル・コネクションにパケットを多重する構成もあり得る。このとき201〜206およびバッファ(m+1)はバーチャルチャネル・コネクションの数だけ用意される。
図7は、図3〜図5における帯域管理制御部150および250の処理と、取り出し部105および205の処理に関するシーケンスを表した図である。
図7において、帯域管理制御部150,250は、品質クラスごとに接続コネクションを管理しており(S302)、予め用意されている変換データあるいは変換アルゴリズムにより、品質クラスごとに必要な帯域(B1'〜Bm'、B1〜Bm)を決定し(S304)、決定された必要帯域を伝送路使用可能帯域に割り当てる。伝送路に実際に割り当てられた帯域である、割当帯域(X1〜Xm)は通常品質条件を満足するために、図2または図6に示したように必要帯域以上が設定される。割当帯域比は取り出し情報に変換する(S306)。多重装置の取り出し部105,205では帯域管理制御部150から通知される取り出し情報に従って取り出し処理する(S308)ことにより各品質クラスの帯域が保証される。帯域が保証されることにより、各コネクション、あるいはパケットの品質が保証されることになる。保証される帯域は、帯域管理制御部150,250により取り出し情報を変更することにより変更が可能となる。
帯域管理制御部150や250は多重装置の外部(例えば、ATM交換機等)にあっても良いし、多重装置の内部にあっても良い。また機能により多重装置の内部と外部に分けて配置される場合もある。図3〜5では、帯域管理制御部150および250が多重装置の外部に配備されている場合について示している。図3〜5における多重装置および帯域管理制御部150,250の各機能や処理は、コンピュータ(図示せず)により実現されている。
図3〜5に示した多重化装置100,200,および、300の構成において、帯域変更処理をどのような契機で行うかにより、色々な制御が可能である。以下の制御の例の説明において、その制御処理を説明する。これらの制御例の説明において、基本的な構成は図3〜図5である。
(制御例1)
図8〜図10は、帯域管理制御部150,250の帯域変更処理を、コネクション設定ごとに行っている制御例1の動作の説明を行うための図である。
図8は、コネクション設定時の帯域変更制御の処理を示す処理フローを示す図である。また、図9は、制御例1のコネクション解放時の帯域変更制御方式の処理を示す処理フローを示す図である。
また、図10は、制御例1のコネクション設定前/後の必要帯域と既に伝送路に割り当てられている帯域、および割当帯域変更処理後に割り当てられた帯域を示した図である。
図8において、コネクションの設定要求がある(S402)と、帯域管理制御部150は、現在設定中のコネクションに、設定要求されたコネクションを加えた上で伝送に必要な帯域である、伝送路必要総帯域を計算する。1コネクションあたりに必要な帯域(bx)は、最大速度、平均速度、最小速度、セル転送平均遅延、遅延ゆらぎ、セル廃棄率などの品質条件により決定される。品質クラスごとの必要帯域(B1〜Bm)の計算方法は、単に1コネクションあたりに必要な帯域の積み重ねでも良いし、複数コネクション接続時の統計多重効果を考慮に入れた、接続コネクションと必要帯域との変換データあるいは変換アルゴリズムにより求められるものでも良い。また、伝送路必要総帯域は、品質クラスごとに計算された必要帯域の総和により求められる。さて、計算された伝送路必要総帯域は、伝送路に割り当て可能な伝送路使用可能帯域と比較され(S404)、伝送路必要総帯域が伝送路使用可能帯域を越えなければ、品質クラスごとに割り当てられている帯域(X1〜Xm)を、コネクションを追加したときの最適な帯域比(X′1〜X′m)に変更し(S406)、要求されたコネクションの設定を行う(S408)。このとき、変更後の品質クラスごとの割当帯域は、必要帯域以上を設定することが可能であるので、設定されたコネクションおよび通信中コネクションのサービス品質を保証することが可能である。伝送路必要総帯域が割当可能帯域を越える場合、コネクションの設定を許可しない(S410)ことで通信中コネクションのサービス品質を保証する。
図9において、コネクション解放要求がある(S502)と、帯域管理制御部150は、コネクション解放があった伝送路を解放し、その伝送路に割り当てられていた帯域の再割り当てを行う(S506)。
図10は、図4と同様な様式で、図8の処理におけるコネクション設定前/後の必要帯域と既に伝送路に割り当てられている帯域、および割当帯域変更処理後に割り当てられた帯域を示した図である。
図10において、図8におけるコネクション設定要求が行われる(S402)と、図示されている現在の必要帯域B1,・・・,Bmは新しいコネクションを加えることでB′1,・・・,B′mに変更される。このため、図示されている伝送路に割り当てられている帯域X1,・・・,Xmを変更しようとする。このとき、要求されたコネクションを考慮した必要帯域が伝送路使用可能帯域より小さい場合に、割り当て帯域変更処理(S406)が起動される。そして、図示のような変更後の必要帯域により変更後の割当帯域が割り当てられる。
上記で説明した制御例1では、帯域変更処理をコネクション設定ごとに行っている。これにより、常に最適な割当帯域での伝送が可能であるが、さらに、帯域変更処理を一定のコネクション受付回数、あるいは一定周期ごとに行うことで処理負荷を軽減することができる。この場合、一時的に必要帯域が割当帯域を上回る可能性があるが、割り当てられた帯域に該品質のパケットをバッファから取り出すときに、対象パケットが存在しないときは、他品質のパケットを取り出す処理を行うことで、必ずしもサービス品質が劣化するとは限らない。
コネクション解放要求があると、コネクションを解放し、上記コネクション設定時と同様の計算方法により品質クラスごとの割当帯域を最適な帯域比に変更することにより、割当帯域の最適化をはかる。
(制御例2)
さて、設定要求のあったコネクションの品質クラスの必要帯域が、割当帯域を越えたときにだけ、帯域変更処理、もしくは伝送路必要総帯域の計算を行うことで、保証すべきサービス品質を保ちつつ、処理負荷を軽減することが可能となる。このように処理するのが制御例2である。以下、図11および図12を用いて、制御例2の説明を詳しく行う。
図11は制御例2のコネクション設定時の帯域変更制御方式の処理を示す処理フローである。図12は制御例2のコネクション設定前/後の必要帯域と既に伝送路に割り当てられている帯域、および割当帯域変更処理後に割り当てられた帯域を示した図である。
図11において、コネクションの設定要求がある(S702)と、帯域管理制御部は、設定要求されたコネクションを加えた上で該コネクションの品質クラスの必要帯域を計算する。1コネクションあたりに必要な帯域(bx)は、最大速度、平均速度、最小速度、セル転送平均遅延、遅延ゆらぎなどのコネクション設定時の申告値や、サービス種別により決定される、セル廃棄率、許容遅延などの品質条件により決定される。
品質クラスごとの必要帯域(B1〜Bm)の計算方法としては、常に1コネクションあたりに必要な帯域の積み重ねでも良いし、複数コネクション接続時の統計多重効果を考慮に入れた接続コネクションと必要帯域との変換データあるいは変換アルゴリズムにより求められるものでも良い。さて、計算された必要帯域(B′n)は、該品質クラス用に伝送路に割り当てられている割当帯域(Xn)と比較され(S704)、必要帯域が割当帯域を越えなければ、要求されたコネクションの設定を行う(S708)。このとき、各品質クラスごとの割当帯域は、必要帯域以上を設定されているので、設定されたコネクションおよび通信中コネクションのサービス品質が保証される。
必要帯域が割当帯域を越える場合、帯域管理制御部は各品質クラスの必要帯域を計算した上で伝送路必要総帯域を計算する。伝送路必要総帯域は、品質クラスごとに計算された必要帯域の総和により求められる。計算された伝送路必要総帯域は、伝送路に割り当て可能な伝送路使用可能帯域と比較され(S706)、伝送路必要総帯域が伝送路使用可能帯域を越えなければ、品質クラスごとに割り当てられている帯域(X1〜Xm)を、コネクションを追加したときの最適な帯域比(X′1〜X′m)に変更し(S710)、要求されたコネクションの設定を行う(S708)。このとき、変更後の品質クラスごとの割当帯域は、必要帯域以上を設定することが可能であるので、設定されたコネクションおよび通信中コネクションのサービス品質を保証することが可能である。伝送路必要総帯域が割当可能帯域を越える場合、コネクションの設定を許可しないことで通信中コネクションのサービス品質を保証する。
図12は、図10のように、制御例2のコネクション設定前/後の必要帯域と既に伝送路に割り当てられている帯域、および割当帯域変更処理後に割り当てられた帯域を示した図である。
図12において、例えば、品質クラスB1に対してコネクション設定要求が行われる(S702)とする。図示のように、B1に対しては必要帯域と割当帯域とがほぼ等しく余裕がない状況である。しかし、他の品質クラスを考慮すると余裕は十分にある。したがって、割当帯域変更処理(S710)が起動されて、図示のように、帯域割当が変更される。
このように、制御例2においては、設定要求のあったコネクションの品質クラスの必要帯域が、割当帯域を越えたときにだけ、帯域変更処理、もしくは伝送路必要総帯域の計算を行うことで、保証すべきサービス品質を保ちつつ、処理負荷を軽減することができる。
(制御例3)
制御例3においては、セル廃棄率監視部103,203により帯域変更が帯域管理制御部150,250に対して要求されたときにだけ、帯域管理制御部150,250は帯域変更処理を行う。このように処理することで、保証すべきサービス品質を保ちつつ、処理負荷を軽減することが可能となる。以下、図13および図14を用いて制御例3の詳しい説明を行う。
図13は、コネクション設定時のコネクション受付制御の処理を示す帯域管理制御部150,250の処理フローである。図14は制御例3の帯域変更処理起動のためのセル廃棄率監視部103,203および帯域管理制御部150,250の処理シーケンスを示した図である。
図13において、コネクションの設定要求があると、帯域管理制御部150,250は現在設定中のコネクションに、設定要求されたコネクションを加えた上で伝送に必要な帯域である、伝送路必要総帯域を計算する。1コネクションあたりに必要な帯域(bx)は、最大速度、平均速度、最小速度などのコネクション設定時の申告値や、サービス種別とセル廃棄率などの品質条件により決定される。品質クラスごとの必要帯域(B1〜Bm)の計算方法は、単に1コネクションあたりに必要な帯域の積み重ねでも良いし、複数コネクション接続時の統計多重効果を考慮に入れた接続コネクションと必要帯域との変換データあるいは変換アルゴリズムにより求められるものでも良い。また、伝送路必要総帯域は、品質クラスごとに計算された必要帯域の総和により求められる。さて、計算された伝送路必要総帯域は、伝送路に割り当て可能な伝送路使用可能帯域と比較され(S904)、伝送路必要総帯域が伝送路使用可能帯域を越えなければ、要求されたコネクションを設定を行う(S906)。伝送路必要総帯域が割当可能帯域を越える場合、コネクションの設定を許可しない(S908)ことで通信中コネクションのサービス品質を保証している。このコネクション設定要求時の処理では、帯域の割当変更は行わない。帯域の割当変更の処理については、図14で説明する。
さて、図14において、セル廃棄率監視部は常時バッファ内のパケット廃棄率を監視しており、パケット廃棄率があらかじめ設定されたしきい値を越えると帯域管理制御部に帯域変更要求を通知する(S1002)。しきい値はサービス品質に関連して規定される値であり、しきい値を、保証するサービス品質におけるパケット廃棄率以下の値にすることで、通信中コネクションのサービス品質を保証する。帯域変更要求を受け取った帯域管理制御部は、各品質クラスの必要帯域を計算し、品質クラスごとに割り当てられている帯域を、最適な帯域比に変更する(S1004)。
上記の説明のように、制御例3においては、セル廃棄率監視部により帯域変更が帯域管理制御部に対して要求されたときにだけ、帯域管理制御部は帯域変更処理を行っている。このため、保証すべきサービス品質を保ちつつ、処理負荷を軽減することが可能となる。
産業上の利用性
以上説明したように、本発明は、遅延、セル廃棄率など、品質条件の異なるセル/パケットを複数のバッファに分けて入力させ、ユーザ・コネクションの品質条件に従った伝送を可能とするATM伝送において、各品質クラスのバッファからセル/パケットを取り出す速度を変化させることにより、伝送路に割り当てる各品質クラスの帯域を変化させることを可能とし、実環境における種々の品質条件をもつサービスの不規則なトラヒック特性に対応することが可能となる。
また、ユーザ・コネクションの設定および解放時に割当帯域変更を行うことで、常に最適な帯域を割り当てることが可能であり、さらに設定コネクションの品質クラスに割り当てられている帯域を必要な帯域が上回ったときにだけ帯域変更を行うことで、各通信のサービス品質を満足しつつ、制御処理負荷を軽減することができる。また、実際のセル/パケット廃棄率を監視し、セル/パケット廃棄率が一定のしきい値を越えたときに帯域変更処理を行うことで、実トラヒックに従った、最低限の帯域変更処理を行えば良く、各通信のサービス品質を満足しつつ、帯域変更の制御処理負荷を軽減することができる。

Claims (10)

  1. ATMセルを多重伝送する多重送信システム において、
    複数のコネクションからのパケットをそれぞれ品質クラ スごとに異なるバッファに分けて入力し、
    前記バッファからパケットを取り出してATMセルに多重 化する際に、前記バッファからの取り出し速度の比率を 変更することで、品質クラスごとに伝送路に割り当てる 帯域の比率を変更可能とし、
    前記ATMセルをさらに他の複数のコネクションからのATM セルと多重化する際に、各ATMセルをそれぞれの品質ク ラスに対応したバッファに分けて入力し、
    前記品質クラスに対応したバッファからの取り出し速度 の比率を変更することで、品質クラスごとに伝送路に割 り当てる帯域の比率を変更可能とすることを特徴とする 多重送信システム。
  2. 請求項1記載の多重送信システムにおいて、
    新しいコネクションの設定が要求されたときに、品質クラスごとに伝送路に割り当てる帯域の比率を変更することを特徴とする多重送信システム。
  3. 請求項1記載の多重送信システムにおいて、
    通信中コネクションの解放が要求されたときに、品質クラスごとに伝送路に割り当てる帯域の比率を変更することを特徴とする多重送信システム。
  4. 請求項1記載の多重送信システムにおいて、
    新しいコネクションの設定が要求されたときに、該コネクションの属する品質クラスに対して割り当てられている帯域を、新しいコネクションを追加した上で該品質クラスに必要となる帯域が上回った場合に品質クラスごとに伝送路に割り当てる帯域の比率を変更することを特徴とする多重送信システム。
  5. 請求項1ないし4記載の多重送信システムにおいて、
    品質クラスごとに監視されるセル廃棄率が予め設定された値を超過した場合に、品質クラスごとに伝送路に割り当てる帯域の比率を変更することを特徴とする多重送信システム。
  6. ATMセルを多重搭載して伝送する多重送信 システムにおける帯域制御方法において、
    複数のコネクションからのパケットをそれぞれ品質クラ スごとに異なるバッファに分けて入力し、
    前記バッファからパケットを取り出してATMセルに多重 化する際に、前記バッファからの取り出し速度の比率を 変更することで、品質クラスごとに伝送路に割り当てる 帯域の比率を変更可能とし、
    前記ATMセルをさらに他の複数のコネクションからのATM セルと多重化する際に、各ATMセルをそれぞれの品質ク ラスに対応したバッファに分けて入力し、
    前記品質クラスに対応したバッファからの取り出し速度 の比率を変更することで、品質クラスごとに伝送路に割 り当てる帯域の比率を変更可能とすることを特徴とする 帯域制御方法。
  7. 請求項記載の帯域制御方法において、
    新しいコネクションの設定が要求されたときに、品質クラスごとに伝送路に割り当てる帯域の比率を変更することを特徴とする帯域制御方法。
  8. 請求項記載の帯域制御方法において、
    通信中コネクションの解放が要求されたときに、品質クラスごとに伝送路に割り当てる帯域の比率を変更することを特徴とする帯域制御方法。
  9. 請求項記載の帯域制御方法において、
    新しいコネクションの設定が要求されたときに、該コネクションの属する品質クラスに対して割り当てられている帯域を、新しいコネクションを追加した上で該品質クラスに必要となる帯域が上回った場合に品質クラスごとに伝送路に割り当てる帯域の比率を変更することを特徴とする帯域制御方法。
  10. 請求項6ないし9記載の帯域制御方法において、
    品質クラスごとに監視されるセル廃棄率が予め設定された値を超過した場合に、品質クラスごとに伝送路に割り当てる帯域の比率を変更することを特徴とするパケット帯域制御方法。
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