JP2927238B2 - Ａｔｍ通信網における通信帯域割当てシステム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はＡＴＭ（Asynchrono
us Transfer Mode）通信網における通信帯域割当てシス
テムに関し、特にＡＴＭ送信セルを仮想通信路へ送出す
るために当該仮想通信路に対して通信帯域を割当てるよ
うにしたＡＴＭ通信網における通信帯域割当て方式に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のＡＴＭ通信網における通
信帯域割当て方式では、送信されるＡＴＭセルの最大速
度または平均速度等に合わせて一定の帯域を割当てる様
になっている。

【０００３】かかるＡＴＭ通信網の通信帯域割当て時に
は、半二重通信で使用される送信要求信号がオフ（非ア
クティブ）の場合にも、通信路に帯域が割当てられてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この様に、従来のＡＴ
Ｍ通信網における通信帯域割当て方式では、半二重通信
で使用される送信要求信号がオフの場合にも、通信路に
帯域が割当てられているために、その帯域はＡＴＭセル
を送信していない場合にも、占有状態となっており、よ
ってその帯域を他の通信路が利用できず、帯域利用効率
が低下するという問題がある。

【０００５】そこで、本発明はかかる従来技術の問題点
を解消するためになされたものであって、その目的とす
るところは、半二重通信における送信要求信号に応じて
通信路に割当てられる帯域を変更制御することにより、
回線の利用効率の向上を図ったＡＴＭ通信網における通
信帯域割当てシステムを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明による通信帯域割
当てシステムは、ＡＴＭ送信セルを仮想通信路へ送出時
にこの仮想通信路に対して通信帯域を割当てるようにし
た半二重通信のＡＴＭ通信網における通信帯域割当てシ
ステムであって、前記半二重通信における送信要求信号
に応じてこの送信要求信号に対応した仮想通信路に対し
て通信帯域を割当て制御する帯域管理手段と、この通信
帯域割当て情報に従って前記仮想通信路を通るセルの廃
棄可能状態を示す情報を制御するセルロス情報制御手段
と、このセルロス情報に応じて対応セルの前記仮想通信
路への通過制御を行なう通過制御手段とを含むことを特
徴とする。

【０００７】そして、前記送信要求信号のアクティブ期
間の終端を遅延せしめて一定時間引き伸ばす遅延手段を
有し、この遅延出力に応じて前記帯域管理手段は通信帯
域割当て制御をなすようにしたことを特徴とする。

【０００８】また、前記帯域管理手段は前記通信要求信
号または前記遅延出力のアクティブの期間のみ前記通信
帯域を割当てるよう構成されており、前記セルロス情報
制御手段は、この期間以外の前記仮想通信路のセルを廃
棄するようにしたことを特徴する。

【０００９】本発明による他の通信帯域割当てシステム
は、半二重通信のＡＴＭ通信網における通信帯域割当て
システムであって、入力される送信データをＡＴＭセル
に変換するセル化手段と、前記セルの前記半二重通信に
おける送信要求信号に応じて対応する仮想通信路に対し
て通信帯域を割当てる帯域管理手段と、この帯域管理手
段による割当て帯域を越えるＡＴＭセルに対してセル廃
棄情報を付加する情報付加手段と、このセル廃棄情報が
付加されたＡＴＭセルの前記仮想通信路への通過禁止を
行なう通過制御手段とを含むことを特徴とする。

【００１０】そして、前記帯域管理手段は、前記送信要
求信号がアクティブの期間のみ通信帯域を割当て、前記
情報付加手段は、前記送信要求信号がアクティブの期間
経過後のＡＴＭセルに対して前記セル廃棄情報を付加す
るよう構成されていることを特徴とする。

【００１１】また、前記送信要求信号のアクティブ期間
の終端を遅延せしめて一定時間引き伸ばす遅延手段を有
し、この遅延出力を前記帯域管理手段へ供給するように
したことを特徴とする。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明の作用について述べる。Ａ
ＴＭセル送信要求信号がアクティブになると、それに応
答して帯域管理部はその送信要求信号に対応する仮想通
信路（ＶＰ；Ｖｉｒｔｕａｌ Ｐａｓｓ）に対して入力
の通信速度に応じた帯域を割当て、送信要求信号が非ア
クティブになると割当てを解除する。これにより、送信
要求信号がアクティブになっている期間の入力に対して
のみ帯域が割当てられることになる。

【００１３】各仮想通信路毎にセル有効無効を示す情報
を付加制御するセルロスプライオリティ制御部を設け、
この制御部により、その仮想通信路に割当てられた帯域
を超えるセル入力があると、この帯域を超えたセルに対
してヘッダ部のセル廃棄可能状態を示す情報用のビット
（セルロスプライオリティビット）をオンとする。これ
により、帯域を超えた分のセルは他のセルに対して優先
的に廃棄可能となる。

【００１４】よって、送信要求信号が非アクティブにな
っている入力に対応する仮想通信路上の入力セルは全て
セルプライオリティビットがオンとなっているので、こ
れ等セルは廃棄され、他の通信に対して通信帯域を明け
渡すことができる。

【００１５】以下に本発明の実施例について図面を用い
て説明する。

【００１６】図１は本発明の一実施例のブロック図であ
る。図１を参照すると、送信信号入力やＳＤ１〜ＳＤｎ
に入力された送信信号は、セル化部１１〜１ｎでデータ
セルのペイロードに格納される（ｎは２以上の整数）。
セル化部１１〜１ｎはセルのペイロードにデータを全て
格納し終わると、セルのヘッダに必要な情報を設定して
出力する。

【００１７】帯域管理部１は送信信号入力ＳＤ１〜ＳＤ
ｎの夫々に対応する仮想通信路（ＶＣ）に割当てられる
帯域を管理しており、各送信信号入力ＳＤ１〜ＳＤｎに
対応する送信要求信号ＲＳ１〜ＲＳｎの状態（オン／オ
フまたはアクティブ／非アクティブ）に応じて、対応す
る仮想通信路に割当てられる帯域を変化させる。

【００１８】セルロスプライオリティ制御部２１〜２ｎ
は、セル化部１１〜１ｎから送られてくるセルのヘッダ
部にあるセルロスプライオリティビットを１または０に
設定することによって、セルのセルロスプライオリティ
を決定し、セルを次のセル多重化部２へ送る。セルロス
プライオリティ制御部２１〜２ｎは帯域管理部１から夫
々の制御する各仮想通信路に割当てられた帯域情報を受
けて、割当てられた帯域を超えるセル入力に対して、セ
ルロスプライオリティビットを１に設定する。

【００１９】セル多重化部２は各仮想通信路に対応する
セルプライオリティ制御部２１〜２ｎから送られてくる
各セルを一本の物理回線出力上に多重化して送出する。
この時、回線容量を超えるセル入力があった場合には、
セルロスプライオリティビットが１であるセルから優先
的に廃棄を行う。

【００２０】次に、本発明の一実施例の動作について図
２のタイミングチャートを参照して説明する。図におい
て、ＶＣ１，ＶＣ２は夫々図１のセルプライオリティ制
御部２１，２２の出力のセルの様子を示す。各セルの中
の数字は、そのセルに設定されたセルロスプライオリテ
ィビットの値である。

【００２１】帯域管理部１は送信要求信号がオフである
送信入力に対応する仮想通信路には帯域を割当てず（つ
まり帯域０）、送信要求信号がオンである送信入力に対
応する仮想通信路には各送信信号のデータ速度及びトラ
ヒック特性に応じて予め決められている帯域を割当て
る。

【００２２】この結果、送信要求信号がオフになってい
る間にセルロスプライオリティ制御部に入力されるセル
は、全て帯域を超えているものと見なされ、セルロスプ
ライオリティビットは１に設定される。

【００２３】一方、送信要求信号がオンになっている間
にセルロスプライオリティ制御部に入力されるセルは、
割当てられた帯域内のデータ量であれば、セルロスプラ
イオリティビットが０に設定される。以上により、図２
のＶＣ１やＶＣ２に示すようなセル出力が得られる。

【００２４】尚、このセルロスプライオリティビット
は、セルヘッダ部の空きビットを用いることができるも
のである。

【００２５】図３は本発明の他の実施例のブロック図で
あり、図１と同等部分は同一符号にて示している。図３
において、各送信要求信号ＲＳ１〜ＲＳｎは夫々対応し
て設けられた送信要求信号遅延部３１〜３ｎへ入力さ
れ、図４のタイムチャートに示す如く、送信要求信号の
終端を一定持間ｔD だけ引伸ばして帯域管理部１へ供給
する機能を有する。

【００２６】他の構成については、図１のそれと同一で
あって、その説明は省略する。

【００２７】送信要求信号入力ＲＳ１〜ＲＳｎは送信要
求信号遅延部３１〜３ｎに入力され、送信要求信号のオ
ンからオフへの変化は遅延されて帯域管理部１に伝えら
れる。この様子を図４に示す。

【００２８】送信要求信号入力ＲＳ１のオンからオフへ
の変化がｔD だけ遅延されて帯域管理部１に入力される
ため、図４のＡ，Ｂで示される仮想通信路ＶＣ１上のセ
ルは、セルロスプライオリティビットが０に設定される
ことになる。

【００２９】遅延を行わなかった場合、これ等のセル
Ａ，ＢはＲＳ１がオフの状態で送出されることになるた
め、セルロスプライオリティビットは１に設定されるこ
とになる。

【００３０】しかし、これ等のセルＡ，ＢはＲＳ１がオ
ンの間に入力されたデータをペイロードに含んでおり、
セルロスプライオリティビットを１に設定してしまう
と、セル廃棄に伴ってデータが失われてしまう可能性が
ある。

【００３１】そこで、遅延時間ｔD を１つのセルの組立
てに要する時間より長くすることにより、送信要求信号
がオンの間に入力されたデータをペイロードに含むセル
のセルロスプライオリティビットが０に設定されること
が保証され、データの損失を防ぐことができる。

【００３２】

【発明の効果】第１の効果は、回線の利用効率が向上す
ることである。その理由は、半二重通信において送信要
求信号がオフである仮想通信路に対して帯域を割当てな
いため、他の通信路がその分の帯域を利用できるからで
ある。

【００３３】第２の効果は、送信要求信号がオンからオ
フに変化した時、送信データの損失を防止できる。その
理由は、送信要求信号のオンからオフの変化を遅延させ
ることにより、送信データを含むセルのセルロスプライ
オリティビットが０になることを保証するからである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す構成図である。

【図２】本発明の実施例の説明のタイムチャートであ
る。

【図３】本発明の他の実施例を示す構成図である。

【図４】本発明の他の実施例の説明のタイムチャートで
ある。

【符号の説明】

１ 帯域管理部 ２ セル多重化部 １１〜１ｎ セル化部 ２１〜２ｎ セルロスプライオリティ制御部 ３１〜３ｎ 送信要求信号遅延部

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＡＴＭ送信セルを仮想通信路へ送出時に
   この仮想通信路に対して通信帯域を割当てるようにした
   半二重通信のＡＴＭ通信網における通信帯域割当てシス
   テムであって、前記半二重通信における送信要求信号に
   応じてこの送信要求信号に対応した仮想通信路に対して
   通信帯域を割当て制御する帯域管理手段と、この通信帯
   域割当て情報に従って前記仮想通信路を通るセルの廃棄
   可能状態を示す情報を制御するセルロス情報制御手段
   と、このセルロス情報に応じて対応セルの前記仮想通信
   路への通過制御を行なう通過制御手段とを含むことを特
   徴とする通信帯域割当てシステム。
2. 【請求項２】 前記送信要求信号のアクティブ期間の終
   端を遅延せしめて一定時間引き伸ばす遅延手段を有し、
   この遅延出力に応じて前記帯域管理手段は通信帯域割当
   て制御をなすようにしたことを特徴とする請求項１記載
   の通信帯域割当てシステム。
3. 【請求項３】 前記帯域管理手段は前記通信要求信号ま
   たは前記遅延出力のアクティブの期間のみ前記通信帯域
   を割当てるよう構成されており、前記セルロス情報制御
   手段は、この期間以外の前記仮想通信路のセルを廃棄す
   るようにしたことを特徴する請求項１または２記載の通
   信帯域割当てシステム。
4. 【請求項４】 半二重通信のＡＴＭ通信網における通信
   帯域割当てシステムであって、入力される送信データを
   ＡＴＭセルに変換するセル化手段と、前記セルの前記半
   二重通信における送信要求信号に応じて対応する仮想通
   信路に対して通信帯域を割当てる帯域管理手段と、この
   帯域管理手段による割当て帯域を越えるＡＴＭセルに対
   してセル廃棄情報を付加する情報付加手段と、このセル
   廃棄情報が付加されたＡＴＭセルの前記仮想通信路への
   通過禁止を行なう通過制御手段とを含むことを特徴とす
   る通信帯域割当てシステム。
5. 【請求項５】 前記帯域管理手段は、前記送信要求信号
   がアクティブの期間のみ通信帯域を割当て、前記情報付
   加手段は、前記送信要求信号がアクティブの期間経過後
   のＡＴＭセルに対して前記セル廃棄情報を付加するよう
   構成されていることを特徴とする請求項４記載の通信帯
   域割当てシステム。
6. 【請求項６】 前記送信要求信号のアクティブ期間の終
   端を遅延せしめて一定時間引き伸ばす遅延手段を有し、
   この遅延出力を前記帯域管理手段へ供給するようにした
   ことを特徴とする請求項５記載の通信帯域割当てシステ
   ム。