JP3630633B2 - 線管材の巻入れ方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、線管材の巻入れ方法並びに線管材の巻入れ装置に係り、特に、内面溝付伝熱管の中間加工品等として連続生産される長尺な線管材を、レシービングバスケット内に、ループ状形態をもって、より有利に巻き入れ得る線管材の巻入れ方法と、かかる方法を実施する際に、好適に使用可能な線管材の巻入れ装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、冷凍機や空調機器等における蒸発器や凝縮器等の熱交換器用の伝熱管の一種として、管内面に所定の溝が形成されてなる、所謂内面溝付伝熱管が用いられているが、この内面溝付伝熱管は、一般に、先ず、連続する1本の長尺な素管に対して、転造機や抽伸機等の加工機を用いた縮径を伴う展伸加工を連続的に行なって線管材を得、その後、別の工程により、かかる線管材の内面に所定の溝を形成しつつ、該線管材を所望の長さに切断することによって、製造されている。
【0003】
そして、よく知られているように、そのような内面溝付伝熱管の中間加工品たる線管材は、通常、全長が6000〜10000mにも達する極めて長尺な長さをもって生産されることとなる。そのため、従来では、転造機や抽伸機等の加工機から連続供給される線管材が、軸心回りに回転する有底円筒状のレシービングバスケット内に投入されて、巻回されることにより、かかるレシービングバスケット内に、該線管材からなる多数のループが形成されるように、巻き入れられて、一旦、収納され、そして、別の加工現場等において、レシービングバスケット内から、軸方向に真っ直ぐに延びる直管形態を呈するように、高速で巻き戻されて、使用されているのである。
【0004】
ところで、上述の如く、連続供給される長尺な線管材をレシービングバスケット内に巻き入れる際に、巻き入れられた線管材からなる多数のループが、径方向に大きな位置バラツキをもって乱雑に巻き入れられる場合にあっては、線管材のレシービングバスケット内への収納効率が悪化してしまう。そして、そうなると、生産される線管材の全てをレシービングバスケット内に収納せしめる間に、線管材で満杯となったレシービングバスケットと別の空のレシービングバスケットとを何度も交換する必要が生じ、その作業に多大な労力が要されるばかりでなく、レシービングバスケットを交換する際には、線管材の生産工程を停止させなければならないため、線管材の生産効率が著しく低下せしめられることとなるのである。
【0005】
しかも、線管材がレシービングバスケット内に乱雑に巻き入れられていると、レシービングバスケット内から線管材を高速で巻き戻す際に、レシービングバスケット内での線管材の互いの接触等により、線管材の表面に擦り傷等が発生して、最終的に得られる内面溝付伝熱管の表面品質の低下が惹起されることとなり、また、場合によっては線管材が途中で切断されて、内面溝付伝熱管の生産効率に対しても、極めて大きな悪影響を及ぼすことさえもあるのである。
【0006】
それ故、従来では、線管材のレシービングバスケット内への巻入れの際に、例えば、オペレータが、線管材のレシービングバスケット内への巻入れ状態(収納状態)を目視しながら、レシービングバスケットの回転速度を手動で変更して、線管材の投入位置を調整することにより、線管材をレシービングバスケット内に整然と巻き入れる作業を行なう方法や、そのようなオペレータの手動操作をソフトウェア化し、このソフトウェアに基づいて、線管材の巻入れ状態に応じたレシービングバスケットの回転速度の制御を自動で行なうようにした方法等が、採用されている。
【0007】
しかしながら、それら従来の線管材の巻入れ方法は、何れも、レシービングバスケットの内部空間を径方向において隣り合う複数の領域に区分けして、径方向の最も外側に位置する領域内に、線管材をレシービングバスケットの所望の高さ位置にまで一挙に巻き入れた後、それと同様にして、その内側の領域内に、順次、線管材を巻き入れるようにしたものであるため、例えば、線管材を径方向の外側に位置する領域内に巻き入れる際に、巻き入れられた線管材の高さが次第に高くなると、かかる線管材にて構成されるループの幾つかが、該外側領域の内側の領域側に崩れ落ちたり、はみ出したりすることがあり、そうなった場合には、外側領域内に巻き入れられた線管材からなるループと内側領域内に巻き入れられた線管材とからなるループとが入り組んで、レシービングバスケット内への線管材の整然とした収納が、最早困難となってしまうのである。
【0008】
従って、単に、レシービングバスケット内を径方向に複数の領域に区分けして、その外側から順に線管材を巻き入れるだけの従来の線管材の巻入れ方法によっては、線管材のレシービングバスケット内への収納効率の向上を、安定的に且つ十分に図ることが、到底出来なかったのである。
【0009】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、連続供給される線管材を、レシービングバスケット内に、より整然と巻き入れることが出来、以てレシービングバスケット内への線管材の収納効率の更なる向上を安定的且つ十分に図り得る線管材の巻入れ方法を提供することにある。また、本発明にあっては、線管材のレシービングバスケット内への収納効率の向上を可能ならしめる線管材の巻入れ装置を提供することをも、解決課題とするものである。
【0010】
【解決手段】
そして、かかる課題の解決のために、本発明にあっては、軸心回りに回転する有底円筒状のレシービングバスケット内に、連続的に供給される線管材を投入して、巻回せしめることにより、該レシービングバスケット内に、該線管材からなる多数のループが形成されるように、該線管材を巻き入れる方法において、前記レシービングバスケット内に巻き入れられる線管材からなる前記ループの複数にて構成される小ブロックを、該複数のループの平均径が異なるものを含んで複数個形成する一方、それら複数個の小ブロックのうち、該複数のループの平均径が小さなもの程、該レシービングバスケットの径方向の内方に位置するように、該複数個の小ブロックを、該レシービングバスケットの径方向に必要な個数だけ配置しながら、該レシービングバスケットの高さ方向に順次積み上げるようにしたことを特徴とする線管材の巻入れ方法を、その要旨とするものである。
【0011】
要するに、このような本発明に従う線管材の巻入れ方法は、先ず、レシービングバスケットの底面上に、1段目として、線管材のループの複数にて構成される小ブロックを、必要な個数だけ、レシービングバスケットの径方向に並べて配置した後、それらレシービングバスケットの底面に配置された1段目の小ブロックの上に、2段目の小ブロックを、1段目と同様な配置形態で配置し、更に必要に応じて、1段乃至は複数段の小ブロックを、2段目の小ブロックの上に、1段目や2段目の小ブロックと同様な配置形態で、順次、積み上げ、それによって、線管材を、レシービングバスケット内の所定位置に、所望の高さにまで巻き入れるようにしたものである。
【0012】
つまり、かかる本発明手法にあっては、レシービングバスケット内を径方向に複数の領域に区分けして、径方向の外側に位置する領域に、線管材を所望の高さにまで一挙に巻き入れた後、それと同様にして、その内側の領域内に、順次、線管材を巻き入れるようにした従来手法、換言すれば、レシービングバスケット内に巻き入れられる、比較的に大量の線管材からなるループの多数にて構成された、高さの高いブロックを形成する一方、単に、それらをレシービングバスケットの径方向に並べながら、レシービングバスケット内の所定位置に配置する従来手法とは、レシービングバスケット内に形成される線管材のブロックのレシービングバスケット内への配置形態において大きく異なるのであり、そのために、かかる線管材のブロックの一つ一つの大きさを、従来手法を採用する場合に比して、十分に小さく為し得たのである。
【0013】
それ故、本発明手法では、そのような線管材の小ブロックを、レシービングバスケットの径方向の所定位置に配置する際や、その高さ方向に積み上げる際の何れに際しても、小ブロックを構成する線管材からなるループの幾つかが、小ブロックの高さが高すぎるために、所定位置以外の位置にはみ出したり、或いは崩れ落ちたりするようなことが、有利に防止され得ることとなったのである。
【0014】
従って、かくの如き本発明に従う線管材の巻入れ方法によれば、連続供給される線管材を、レシービングバスケット内に、より整然と安定して巻き入れることが出来、以て、レシービングバスケット内への線管材の収納効率の更なる向上を十分に図ることが可能となるのである。そして、その結果として、線管材の生産工程の停止を伴うレシービングバスケットの交換回数を可及的に減少せしめ得て、線管材の生産効率を、極めて効果的に高めることも出来るのである。
【0015】
しかも、かかる本発明に従う線管材の巻入れ方法においては、連続供給される線管材を、レシービングバスケット内に、より整然と安定して巻き入れることが出来るため、レシービングバスケット内から線管材を高速で巻き戻す際において、線管材の表面に擦り傷等が生じたり、線管材が切断したりするようなことを効果的に防止することが可能となり、それによって、線管材から生産される最終製品の品質と生産効率の向上が、何れも有利に達成され得ることとなるのである。
【0016】
なお、このような本発明に従う有利な態様の一つのよれば、前記レシービングバスケットが、底部に対して外側筒壁部と内側筒壁部とが同軸的に立設されてなる有底円筒形状を有して構成されると共に、該レシービングバスケットの径方向における前記複数個の小ブロックの配置形態が、前記複数のループの平均径が最も大きな小ブロックを、該レシービングバスケットの該外側筒壁部に接触させて位置せしめる一方、該複数のループの平均径が最も小さな小ブロックを、該レシービングバスケットの該内側筒壁部から、径方向外方に離隔させて位置せしめた形態とされる。
【0017】
この本発明手法においては、複数のループの平均径が最大の小ブロックが、レシービングバスケットの外側筒壁部に接触せしめられて配置されるようになっているところから、レシービングバスケットの径方向における最も外側に位置せしめられる小ブロックが、かかる外側筒壁部に沿って、その高さ方向に高精度に位置決めされ得ると共に、それらの小ブロックを構成する線管材のループの崩れ等が、該外側筒壁部にて良好に阻止され得のであり、また、それによって、それらレシービングバスケットの径方向における最も外側に位置せしめられる小ブロックの内側に位置する小ブロックも、かかる外側に位置する小ブロックにて、高精度の位置決めとループの崩れ防止が効果的に実現され得、それらの結果として、線管材のレシービングバスケット内への巻入れが、より一層整然と行なわれ得ることとなるのである。
【0018】
また、かかる本発明手法にあっては、複数のループの平均径が最小の小ブロックが、レシービングバスケットの内側筒壁部から径方向に離隔して配置されるようになっているため、複数のループの平均径が最小の小ブロックを構成する線管材と該平均径が最大の小ブロックを構成する線管材のループの径のバラツキが可及的に小さく為され得る。
【0019】
それ故、このような本発明手法を採用すれば、レシービングバスケット内から線管材を高速で巻き戻す際に、レシービングバスケット内に巻き入れられた線管材のループの径のバラツキに応じて該線管材の巻戻し速度を増減する速度調節に掛かる労力負担が有利に軽減され得、それによって、線管材から加工される製品の生産性の向上が効果的に図られ得るのである。
【0020】
また、複数のループの平均径が最大の小ブロックとそれが最小の小ブロックとが上述の如く位置せしめられるような形態をもって、複数個の小ブロックがレシービングバスケット内に配置される場合には、好ましくは、前記複数のループの平均径が最も大きな小ブロックを構成する該複数のループの最大径と、前記複数のループの平均径が最も小さな小ブロックを構成する該複数のループの最小径との差:mと、前記レシービングバスケットの径:dとの比:m/dが、2/15<m/d<1/5とされることとなる。これによって、複数のループの平均径が最大の小ブロックを構成する線管材と該平均径が最小の小ブロックを構成する線管材のループの径のバラツキが、より効果的に小さく為され得、以てレシービングバスケット内から線管材を高速で巻き戻す際における巻戻し速度の調節が、より有利に簡素化され得て、線管材から加工される製品の生産性が、更に一層効果的に高められ得ることとなるのである。
【0021】
さらに、本発明に従う望ましい他の態様の一つによれば、前記複数の小ブロックのそれぞれを構成する前記複数のループの最大径と最小径との差:nと、前記レシービングバスケットの径:dとの比:n/dが、1/15<n/d<1/10となるように、前記複数個の小ブロックを形成しつつ、前記線管材が該レシービングバスケット内に巻き入れられることとなる。このような構成を有する本発明手法にあっては、小ブロック一つ一つの大きさのコンパクト化が確実に達成され得るのであり、それによって、小ブロックを構成する線管材の乱れがより有利に抑制され得、以て線管材のレシービングバスケット内への巻入れが、更に一層整然と行なわれ得るのである。
【0022】
更にまた、本発明に従う別の有利な態様の一つによれば、前記レシービングバスケットの径方向における前記線管材の該レシービングバスケット内への投入位置を検出し、該検出される線管材の投入位置が、該レシービングバスケット内に巻き入れられた該線管材の巻入れ長さに応じて変更される目標位置と一致するように、該レシービングバスケットの回転速度を増減せしめて、該レシービングバスケットの径方向における該線管材の投入位置を制御しつつ、該線管材を該レシービングバスケット内に投入して、巻回せしめることにより、前記レシービングバスケット内に巻き入れられる線管材からなるループの複数にて構成される前記小ブロックを、該線管材の投入位置に応じて該複数のループの平均径が異なるものを含んで複数個形成する一方、それら複数個の小ブロックのうち、該線管材の投入位置が該レシービングバスケットの径方向の内方とされて、該複数のループの平均径が小さくされたもの程、該レシービングバスケットの径方向の内方に位置するように、該複数個の小ブロックを、該レシービングバスケットの径方向に必要な個数だけ配置しながら、該レシービングバスケットの高さ方向に順次積み上げるように構成される。
【0023】
このような本発明手法によれば、連続供給される線管材のレシービングバスケット内への巻入れが、より整然と安定して行なわれ得るばかりでなく、そのような巻入れ作業の自動化による省力化が有利に達成され得るのであり、それによって、線管材の生産効率乃至は生産性が、更に一層効果的に高められ得ることとなるのである。
【0024】
また、本発明にあっては、前記線管材の巻入れ方法に係る課題を解決するために、軸心回りに回転する有底円筒状のレシービングバスケット内に、連続的に供給される線管材を投入して、巻回せしめることにより、該レシービングバスケット内に、該線管材からなる多数のループが形成されるように、該線管材を巻き入れる方法において、前記レシービングバスケットの径方向における前記線管材の該レシービングバスケット内への投入位置を検出し、該検出される線管材の投入位置が、予め定められた目標位置と一致するように、該レシービングバスケットの回転速度を増減せしめて、該レシービングバスケットの径方向における該線管材の投入位置を制御しつつ、該線管材を該レシービングバスケット内に投入するようにしたことを特徴とする線管材の巻入れ方法をも、その要旨とするものである。
【0025】
かかる本発明に従う線管材の巻入れ方法にあっては、線管材を目標とする投入位置において、レシービングバスケット内に、より確実に巻き入れることが出来、それによって、線管材がレシービングバスケット内に乱雑に収納されることを有利に防止することが可能となる。また、線管材のレシービングバスケット内への巻入れ作業の自動化による省力化も有利に達成され得、以て線管材の生産性の向上が効果的に図られ得ることとなるのである。
【0026】
そして、本発明にあっては、前述せる如き別の技術的課題の解決のために、軸心回りに回転駆動せしめられる有底円筒状のレシービングバスケットを有し、連続的に供給される線管材を、回転状態の該レシービングバスケット内に投入して、巻回せしめることにより、該レシービングバスケット内に、該線管材からなる多数のループが形成されるように、該線管材を巻き入れる装置において、前記レシービングバスケットの径方向における前記線管材の該レシービングバスケット内への投入位置を検出する検出手段と、該検出手段にて検出される該線管材の投入位置が、予め定められた目標位置と一致するように、該レシービングバスケットの回転速度を増減せしめることによって、該レシービングバスケットの径方向における該線管材の投入位置を制御する制御手段とを含んで構成したことを特徴とする線管材の巻入れ装置を、その要旨とするものである。
【0027】
かくの如き本発明に従う線管材の巻入れ装置にあっては、レシービングバスケットの径方向における線管材の投入位置が、目標とする位置に、自動的に制御され得ることとなり、それによって、線管材が、最適な投入位置において、レシービングバスケット内に確実に投入され得、以て線管材のレシービングバスケット内への整然とした巻入れが安定的に、しかも労力負担を伴うことなく実現され得ることとなるのである。
【0028】
従って、このような本発明に従う線管材の巻入れ装置を用いれば、線管材のレシービングバスケット内への収納効率が、省力化を達成しつつ、より十分に高められ得るのである。
【0029】
なお、かかる本発明に従う線管材の巻入れ装置の好ましい態様の一つによれば、前記制御手段が、前記予め定められた目標位置を、前記レシービングバスケット内に巻き入れられた前記線管材の巻入れ長さに応じて変更する変更部を有して構成され、前記レシービングバスケットの径方向における前記線管材の投入位置が、該線管材の巻入れ長さに応じた目標位置と一致するように、制御されるように構成される。
【0030】
かくの如き構成を有する本発明装置を用いれば、例えば、レシービングバスケットの径方向における線管材の目標投入位置が変更部によって変更されるまでの長さ分の線管材にて、前述せる如き本発明手法における小ブロックを容易に形成することが出来、また、線管材の目標投入位置を考慮することによって、それら形成される線管材の小ブロックを、前記本発明手法における小ブロックの配置形態で、レシービングバスケット内に配置することも可能となる。
【0031】
従って、このような本発明に従う線管材の巻入れ装置を用いれば、前述せる如き本発明に従う線管材の巻入れ方法が極めて有利に且つ容易に実現することが出来るのであり、それによって、レシービングバスケット内への線管材の収納効率が十分に且つ安定的に高められ得るのである。そして、その結果として、線管材の生産効率乃至は生産性の向上が、更に一層効果的に達成され得ることとなるのである。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明に係る線管材の巻入れ装置と線管材の巻入れ方法の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0033】
先ず、図1には、本発明に従う線管材の巻入れ方法を有利に実現可能な、本発明に従う構造を有する線管材の巻入れ装置の一例が、ブロック図を一部含んで概略的に示されている。かかる図1において、10は、レシービングバスケットであり、全体として、上方に向かって開口する有底円筒形状を有して、成っている。また、このレシービングバスケット10にあっては、底部の外周縁部と内周部とに、同一高さの外側筒壁部12と内側筒壁部14とが、径方向に所定間隔を隔てて、同軸的に立設されており、それら外側筒壁部12の内周面と内側筒壁部14の外周面との間の内側空間が、線管材16が収納される収納空間とされている。なお、このレシービングバスケット10内に収納される線管材16は、1本の長尺な金属製素管を、図示しない公知の転造機にて転造加工することにより、内面溝付伝熱管の中間加工品として、10000m程度の極めて長い長さをもって生産されて、転造機から連続的に供給されるものである。
【0034】
そして、このようなレシービングバスケット10の下方には、レシービングモータ18が配置されており、このレシービングモータ18の駆動軸(図示せず)が、公知の減速機20を介して、レシービングバスケット10の底部に一体回転可能に連結されている。これによって、レシービングバスケット10が、レシービングモータ18の回転駆動に伴って、軸心回りに回転せしめられるようになっている。
【0035】
一方、かかるレシービングバスケット10の外側筒壁部12の真上には、長手矩形の平板形状を呈し、線管材16を長さ方向に案内するガイドテーブル22が、配置されている。また、このガイドテーブル22の長さ方向の一端部には、ガイドテーブル22にて案内された線管材16をレシービングバスケット10内に送り出すガイドローラ24が、取り付けられている。そして、かかるガイドテーブル22が、ガイドローラ24の取付側端部が下側に位置するように、比較的に緩やかな角度で下傾し、且つ長さ方向に延びる中心線の延長線が前記外側筒壁部12の内周面に沿って延びるように位置せしめられた状態で、レシービングバスケット10とは別の位置固定の部材(図示せず)に固設されている。
【0036】
かくして、図示しない転造機から連続供給される線管材16が、ガイドテーブル22にて案内されつつ、ガイドローラ24にて送り出されて、前記レシービングモータ18により回転駆動せしめられるレシービングバスケット10内に投入されるようになっている。そして、図2に示される如く、このレシービングバスケット10内に投入された線管材16が、レシービングバスケット10の回転に伴って巻回せしめられることにより、該レシービングバスケット10内に、投入された線管材16からなる多数のループ25が形成されるように巻き入れられて、収納されるようになっているのである。
【0037】
また、図1及び図2に示されるように、本実施形態の巻入れ装置には、レシービングバスケット10内への線管材16の投入位置を検出する検出手段としての材料位置検出センサ26と、この材料位置検出センサ26にて検出される検出位置に基づいて、レシービングバスケット10内への線管材16の投入位置を制御する制御手段としてのコントローラ28が、設けられている。
【0038】
すなわち、材料位置検出センサ26は、レシービングバスケット10の外側筒壁部12の上方に設けられた前記ガイドテーブル22の近傍において、レシービングバスケット10の中心軸に向けて、水平に配されていると共に、ガイドテーブル22に案内されて、ガイドローラ24から送り出された線管材16が、それら材料位置検出センサ26とレシービングバスケット10の中心軸との間を通過して、レシービングバスケット10内に投入されるように位置せしめられている。そして、かかる材料位置検出センサ26にあっては、従来から公知の構造により、該センサ26から、レシービングバスケット10内への投入位置における線管材16までの距離が測定され、また、この測定値に基づいて、レシービングバスケット10の径方向における線管材16の該レシービングバスケット10内への投入位置が検出され得るようになっているのである。
【0039】
一方、コントローラ28は、図1においてブロック線図で示される如き基本構成を有しており、材料位置検出センサ26によって検出される線管材16の投入位置が、レシービングバスケット10内に巻き入れられた線管材16の巻入れ長さに応じて種々変更される目標位置と一致するように、レシービングバスケット10の回転速度を増減せしめることによって、レシービングバスケット10の径方向における線管材16のレシービングバスケット10内への投入位置を制御し得るようになっている。
【0040】
より詳細には、コントローラ28は、変更部30と第一乃至第四補償部32〜38と操作部40とを有して、構成されている。そして、それらのコントローラ28の構成要素のうち、変更部30には、線管材16の巻入れ長さに応じて定められた前記線管材16の目標位置として、レシービングバスケット10内への投入位置での線管材16と材料位置検出センサ26との間の距離が、線管材16の所定の巻入れ長さにそれぞれ対応して、予め幾つか定められて記憶させられている。また、この変更部30には、図示しない転造機に設けられた公知の検出装置から、そこで検出された線管材16の送り出し長さが、レシービングバスケット10内への線管材16の巻入れ長さとして、入力されるようになっている。そして、かかる変更部30において、入力される線管材16の巻入れ長さに応じて、目標位置が変更され、この変更された目標位置が、該変更部30から第一乃至第四補償部32〜38に対して出力されるようになっているのである。
【0041】
また、目標位置が入力される四つの補償部32〜38のうち、第一補償部32と第二補償部34と第三補償部36は、何れも、目標位置が変更された際に、制御量たる線管材16の投入位置の行き過ぎ量を可及的に小さく為すために、各補償部32〜36に入力される目標位置に対して、それぞれ所定の補償(補正)を行なうように構成されている。
【0042】
つまり、第一補償部32では、目標位置の変更により、レシービングモータ18の回転速度を増減せしめる際に生ずる該レシービングモータ18のステップ応答の遅れが、該レシービングモータ18の特性に基づいて、入力される目標位置に対して補正(補償)されるようになっている。
【0043】
また、第二補償部34では、目標位置の変更に伴う線管材16の投入位置の変更時に生ずるむだ時間の補償が行なわれる一方、第三補償部36では、目標位置が変更せしめられた際に、図示しない転造機からの線管材16の送り速度と、レシービングバスケット10の回転による線管材16の巻取り速度との差異によって生ずる、線管材16の投入位置のレシービングバスケット10の径方向への変動(振れ)に対する補償が行なわれるようになっている。これら第二及び第三補償部34,36での目標位置に対する補償は、予め行なわれた各種の実験により求められた演算式等に基づいて実施されることとなる。
【0044】
なお、第四補償部38では、第一補償部32から出力された目標位置と材料位置検出センサ26にて検出される線管材16の投入位置との偏差に対する比例・積分補償が行なわれるようになっている。
【0045】
一方、操作部40では、線管材16の巻入れ長さに応じて変更され、且つ第一乃至第四補償部32〜38にて所定の補償が行なわれた目標位置と、材料位置検出センサ26にて検出された線管材16の投入位置との偏差が、レシービングモータ18の回転速度に変換されて、かかる偏差に対応したレシービングモータ18の回転速度の増減指令が出力されるようになっている。
【0046】
つまり、線管材16の巻入れ長さに応じた目標位置の変更時に、材料位置検出センサ26で測定された線管材16と材料位置検出センサ26との間の距離が、その目標値よりも大きい場合、換言すれば、線管材16の投入位置が、目標位置よりも、レシービングバスケット10の径方向の内側である場合には、レシービングモータ18に対して、材料位置検出センサ26による測定値と目標値との差に応じた増速指令が出力されるようになっている。また、その反対に、材料位置検出センサ26による線管材16と材料位置検出センサ26との間の測定距離が、その目標値よりも小さい場合、つまり、線管材16の投入位置が、目標位置よりも、レシービングバスケット10の径方向の外側である場合には、レシービングモータ18に対して、材料位置検出センサ26による測定値と目標値との差に応じた減速指令が出力されるようになっているのである。
【0047】
そして、操作部40から出力されたレシービングモータ18の回転速度の増減指令に対して、該レシービングモータ18の速度基準が加えられて、材料位置検出センサ26にて検出される線管材16の投入位置がレシービングバスケット10内に巻き入れられた線管材16の巻入れ長さに応じて種々変更される目標位置と一致するように、レシービングバスケット10を回転せしめるためのレシービングモータ18に対する回転速度指令が、該レシービングモータ18に出力されるようになっているのである。
【0048】
かくして、本実施形態の巻入れ装置にあっては、レシービングバスケット10内に巻き入れられた線管材16の巻入れ長さに応じて、レシービングバスケット10の回転速度が増減せしめられ、以て、連続供給される線管材16が、その巻入れ長さに応じた、レシービングバスケット10の径方向における所望の位置において、レシービングバスケット10内に投入され得るようになっているのである。
【0049】
次に、本発明手法に従って、線管材をレシービングバスケット内に巻き入れる方法の一実施形態について、詳述することとする。
【0050】
本実施形態では、連続供給される、全長が4000m程度の線管材16の全てをレシービングバスケット10内に巻き入れる方法として、図3に示されるように、レシービングバスケット10内に投入された線管材16からなる前記ループ25の複数にて構成される小ブロック42を、該複数のループ25の平均径が互いに異なる2種類において、合計3個形成する一方、それら3個の小ブロック42を、レシービングバスケット10の底面上に、その径方向に2個並べて配置した後、その上に1個積み上げて、配置する方法が採用されるが、このような方法は、具体的には、例えば、上述の如き構造を有する巻入れ装置を用いて、以下に示す手順に従って、その作業が進められることとなる。
【0051】
すなわち、先ず、前記巻入れ装置におけるコントローラ28の変更部30に、線管材16の巻入れ長さに応じた目標位置を記憶させるのであるが、ここでは、線管材16のレシービングバスケット10内への巻入れ長さ(実際には、この巻入れ長さは、前述の如く、転造機から送り出される線管材16の長さとなる。)が約1000mに達する毎に、線管材16の投入位置の目標位置が、レシービングバスケット10の径方向外側の外側目標位置:A(図2において、実線で示される線管材16が投入される位置)と、レシービングバスケット10の径方向内側の内側目標位置:B(図2において、二点鎖線で示される線管材16が投入される位置)との間で、交互に変更せしめられるように、記憶させる。
【0052】
次いで、図示しない転造機から連続供給される線管材16を、ガイドテーブル22とガイドロール24にて案内しつつ、レシービングモータ18により、所定の速度で回転せしめられているレシービングバスケット10内に投入する。その際、線管材16のレシービングバスケット10内への巻入れ長さが約1000mに達するまでは、レシービングバスケット10の径方向における線管材16の投入位置が前記外側目標位置:Aとなるように、材料位置検出センサ26とコントローラ28とによって、線管材16の投入位置を制御する。つまり、線管材16の巻入れ長さが0〜約1000mとされている間は、材料位置検出センサ26にて検出される線管材16の投入位置が外側目標位置:Aからずれないように、レシービングモータ18の回転速度を増減せしめて、線管材16の投入位置を制御するのである。
【0053】
これによって、約1000m分の線管材16を、外側目標位置:Aにおいて、レシービングバスケット10内に投入して、巻き入れる。そして、図3に示される如く、レシービングバスケット10内に巻き入れられる、先端から約1000mの長さ位置までの線管材16からなる複数のループ25aにて、レシービングバスケット10内に積み上げられる複数の小ブロック42のうち、1段目において、外側筒壁部12の内周面に接触せしめられて、レシービングバスケット10の径方向外側に配置される、複数のループ25の平均径の大きな小ブロック42aを形成するのである。
【0054】
このとき、レシービングバスケット10内に巻き入れられる線管材16にて形成される小ブロック42aの幅、つまり、小ブロック42aを構成する複数のループ25aの最大径と最小径との差:nが、レシービングバスケット10の径:dに対して、それらの比率:n/dにおいて1/10を僅かに下回る値さとされていることによって、かかる小ブロック42aの高さも比較的に低くされて、該小ブロック42a全体の大きさが、比較的にコンパクトな大きさとされている。また、上述の如く、そのような小ブロック42aが、レシービングバスケット10において、外側筒壁部12の内周面に接触せしめられて、配置されていることによって、かかる小ブロック42aにおいては、それを構成する複数のループ25aの崩れ等が阻止されるようになっており、以てそれら複数のループ25aの径方向への大きな位置ずれの発生が防止され得るようになっている。
【0055】
なお、この小ブロック42aだけでなく、その他の2個の小ブロック42b,42cにあっても、その大きさが、特に限定されるものではなく、レシービングバスケット10内への線管材16の巻入れ長さ等に応じて適宜に変更され得るところではあるが、各小ブロック42を構成する複数のループ25のそれぞれのものにおける径方向への大きな位置ずれの発生等を防止する上で、前述せる比率:n/dが1/15<n/d<1/10の範囲内とされていることが、望ましい。
【0056】
そして、線管材16の巻入れ長さがおよそ1000mを越えた時点で、レシービングバスケット10の径方向における線管材16の投入位置の目標位置を、それまでの外側目標位置:Aから内側目標位置:Bに変更し、コントローラ28によって、線管材16の投入位置が内側目標位置:Bと一致するように、レシービングモータ18を減速させて、該線管材16の投入位置を制御する。なお、ここで、目標位置が外側目標位置:Aから内側目標位置:Bに変更される際には、コントローラ28の前記第一乃至第三補償部32〜36によって、線管材16の投入位置の行き過ぎ量が可及的に小さくされることとなる。また、かくして線管材16の投入位置が内側目標位置:Bに変更された後においても、この線管材16の投入位置を内側目標位置:Bと一致させるためのコントローラ28による制御は、線管材16の巻入れ長さが約2000mに達するまで継続せしめられる。
【0057】
このようにして、前記小ブロック42aを形成する約1000m分の線管材16に引き続いて、それとは別の約1000m分の線管材16をレシービングバスケット10内に、内側目標位置:Bと一致した位置において投入して、巻き入れる。そして、このレシービングバスケット10内に巻き入れたおよそ1000m分の線管材16からなり、且つレシービングバスケット10内に積み上げられる複数の小ブロック42のうち、1段目においてレシービングバスケット10の径方向外側に配置された小ブロック42aを構成する複数のループ25aよりも平均径の小さな複数のループ25bにて、該小ブロック42aよりも径の小さな小ブロック42bを形成すると共に、かかる小ブロック42bを、該1段目の径方向外側に配置された前記小ブロック42aの内側に、レシービングバスケット10の内側筒壁部14から所定距離だけ離隔させて、配置するのである。
【0058】
なお、ここでは、レシービングバスケット10内の1段目に配置された前記2個の小ブロック42a,42bのうち、径方向内側に配置された、径の小さな小ブロック42bが、内側筒壁部14から離隔せしめられて、配置されていることに加えて、かかる径の小さな小ブロック42bを構成する複数のループ25bの最小径と、その外側に配置された、径の大きな小ブロック42aを構成する複数のループ25aの最大径との差:mが、レシービングバスケット10の径:dに対して、それらの比率:m/dにおいて1/5を僅かに下回る値とされていることによって、径の大きな小ブロック42aを構成するループ25aの径と、径の小さな小ブロック42bを構成するループ25bの径のバラツキが、可及的に小さく為されている。
【0059】
尤も、このレシービングバスケット10内において、その径方向に並べて配置される複数の小ブロック42における前記比率:m/dの値は、何等これに限定されるものではなく、小ブロック42の1個1個の大きさや、レシービングバスケット10の径方向における配置個数等によって種々変更され得るものであるが、各小ブロック42を構成する複数のループ25の径のバラツキを抑える上で、かかる比率:m/dの値が、好ましくは、2/15<m/d<1/5の範囲内とされることとなる。
【0060】
その後、線管材16の巻入れ長さがおよそ2000mを越えた時点で、線管材16の投入位置の目標位置を、それまでの内側目標位置:Bから、再び、外側目標位置:Aに変更し、コントローラ28によって、線管材16の投入位置が外側目標位置:Aと一致するように、レシービングモータ18を増速させて、該線管材16の投入位置を制御する。なお、ここでの目標位置の変更時にも、コントローラ28の前記第一乃至第三補償部32〜36によって、線管材16の投入位置の行き過ぎ量が可及的に小さくされることとなる。また、かかる目標位置の変更後における線管材16の投入位置の制御は、線管材16の供給が終了するまで継続せしめられる。
【0061】
これによって、前記小ブロック42bを形成する約1000m分の線管材16に引き続いて、残りの約2000m分の線管材16を、外側目標位置:Aと一致した位置において投入して、レシービングバスケット10内に巻き入れる。そして、このレシービングバスケット10内に巻き入れた約2000m分の線管材16からなり、且つレシービングバスケット10内において、前記1段目の径方向外側に配置された小ブロック42aを構成する複数のループ25aと略同一の平均径を有する複数のループ25cにて、該小ブロック42aと略同一の径を有する小ブロック42cを形成すると共に、かかる小ブロック42cを、レシービングバスケット10の外側筒壁部12の内周面に接触して位置せしめた状態で、1段目の径方向外側に配置された小ブロック42aの上に積み上げるのである。
【0062】
かくして、本実施形態においては、レシービングバスケット10内に投入される線管材16からなる複数のループ25にて構成される、コンパクトな大きさの小ブロック42を3個形成する一方、それら3個の小ブロック42a〜42cのうち、先ず、2個の小ブロック42a,42bを、レシービングバスケット10の底面上に、1段目として、径方向に並べて配置した後、この1段目の小ブロック42a,42bのうち、径方向外側に位置する小ブロック42aの上に、2段目の小ブロック42cを積み上げることによって、図示しない転造機から連続供給される線管材16の全てを、回転状態下のレシービングバスケット10内に巻き入れるようにしたのである。
【0063】
それ故、かかる本実施形態にあっては、例えば、線管材16を、その全長にわたって同じ位置で、レシービングバスケット10内に投入する場合や、単に、投入長さに応じて、投入位置を径方向内側に漸次変更させるだけの場合とは異なり、投入される線管材16からなる複数のループ25が、径方向に大きな位置ずれを起こすことなく重ね合わされて、全ての線管材16が、整然と、安定して、巻入れられ得るのである。
【0064】
従って、このような本実施形態によれば、レシービングバスケット10内への線管材16の収納効率が、十分に且つ安定的に高められ得るのである。そして、その結果として、線管材16の生産工程中において、該工程の停止を伴うレシービングバスケットの交換回数を可及的に減少せしめることが可能となり、以て線管材16の生産効率の向上を、極めて効果的に達成することが出来るのである。
【0065】
また、かかる本実施形態においては、連続供給される線管材16を、レシービングバスケット10内に、より整然と安定して巻き入れること出来るため、例えば、線管材16の内面への溝付け工程等を行なうために、該線管材16をレシービングバスケット10内から高速で巻き戻す際において、線管材16が整然と巻き戻され得て、線管材16の表面への擦り傷や切断等の発生が効果的に防止され得る。
【0066】
しかも、本実施形態にあっては、レシービングバスケット10内の径方向に並んで配置された小ブロック42のうち、径の小さな小ブロック42bが内側筒壁部14から離隔せしめられて配置されていると共に、かかる径の小さな小ブロック42bを構成する複数のループ25bの最小径と、該径の小さな小ブロック42bの外側に配置された、径の大きな小ブロック42a,42cを構成する複数のループ25a,25cの最大径との差:mとレシービングバスケット10の径:dとの比率:m/dが1/5を僅かに下回る値とされていることによって、径の大きな小ブロック42a,42cを構成するループ25a,25cの径と、径の小さな小ブロック42bを構成するループ25bの径のバラツキが、可及的に小さく為されているところから、レシービングバスケット10内に巻き入れられた線管材16を高速で巻き戻す際に、線管材16の巻戻し速度を大きく変化させる必要がなく、それによって、かかる巻戻し速度の調節が、有利に簡素化され得るのである。
【0067】
それ故、かくの如き本実施形態によれば、線管材16から加工される内面溝付伝熱管等の最終製品の品質と生産効率乃至は生産性の向上も、極めて有利に達成され得ることとなるのである。
【0068】
また、本実施形態においては、線管材16のレシービングバスケット10内への投入位置が、線管材16の巻入れ長さに応じて変更せしめられる目標位置と一致するように、材料位置検出センサ26とコントローラと28との組合わせにて、レシービングバスケット10の回転速度が調節されることにより、自動的に制御されて、線管材16が、前述せる如き特別な配置形態をもって、レシービングバスケット10内に巻き入れられるようになっているところから、例えば、オペレータの目視等により、所定の目標位置において、線管材16が投入され得るようにレシービングバスケット10の回転速度を調節する場合に比して、連続供給される線管材16のレシービングバスケット10内への巻入れが、所定の配置形態をもって、より整然と安定して行なわれ得るのであり、また、そのような巻入れ作業の自動化による省力化が有利に達成され得るのである。そして、その結果として、線管材16の生産効率乃至は生産性が、更に一層効果的に高められ得ることとなるのである。
【0069】
ところで、前述せる如き実施形態では、レシービングバスケット10内に投入された線管材16からなる前記ループ25の複数にて構成される小ブロック42を、該複数のループ25の平均径が互いに異なる2種類において3個形成する一方、それら3個の小ブロック42を、レシービングバスケット10の底面上に、その径方向に2個並べた後、その上の2段目に1個積み上げて配置することによって、連続供給される線管材16の全てが、レシービングバスケット10内に巻き入れられて、収納されるようになっていたが、それらレシービングバスケット10内に形成される小ブロック42の総個数や積上げ段数、更には各段毎の配置個数等は、何等これに限定されるものではなく、連続供給される線管材16の全長やレシービングバスケット10の大きさ等によって、適宜に変更されるものである。
【0070】
また、前記本実施形態では、1本の長尺な素管を公知の転造機にて転造加工することにより得られる線管材を、レシービングバスケット内に巻き入れるための装置と、それを用いた線管材の巻入れ方法に対して、本発明を適用したものの具体例を示したが、本発明は、1本の長尺な素管を所定の抽伸機にて抽伸加工することにより得られる線管材の巻入れ装置やかかる線管材の巻入れ方法等、連続供給される線管材の巻入れ装置やかかる線管材の巻入れ方法の何れに対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。
【0071】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。また、その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0072】
因みに、かかる本発明に従う線管材の巻入れ方式の効果を確認するために、本発明者が行なった実験について、以下に示す。
【0073】
すなわち、先ず、図1に示される如き構造とされた、外径が3mのレシービングバスケットを有する巻入れ装置と、公知の転造機とを準備した。次に、準備された転造機にて、1本の長尺な素管を転造加工して、管外径が9.52mmの線管材を、転造機から35m/分の速度で連続供給する一方で、軸心回りに回転せしめられているレシービングバスケット内に投入した。そして、このような線管材のレシービングバスケット内への投入状態下で、120秒間だけ、材料位置検出センサにて、レシービングバスケットの径方向における線管材の投入位置を検出しつつ、かかる線管材の投入位置が外側目標位置:A(図2参照)に一致するように、コントローラにて、線管材の投入位置を制御した。
【0074】
その結果、コントローラによる線管材の投入位置の制御が行なわれていないときには、線管材の投入位置が、レシービングバスケットの径方向において60mm程度変動した。これに対して、かかる制御が行なわれている間は、レシービングバスケットの径方向における線管材の投入位置の変動が、20mm程度に抑制された。このことから、コントローラによる線管材の投入位置の制御を行なうことによって、レシービングバスケットの径方向における線管材の投入位置の変動が、効果的に抑制されることが、明確に認識され得る。
【0075】
また、所定長さの線管材の全てを、前述の如きレシービングバスケット内への投入位置の制御を何等行なわないで、レシービングバスケット内に巻き入れて、収納した。更に、それとは別に、同一の全長を有する線管材の全てを、前述の如きレシービングバスケット内への投入位置の制御を行ないつつ、レシービングバスケット内に巻き入れた。その後、投入位置の制御を行なわないで、レシービングバスケット内に巻き入れた線管材にて構成される複数のループの径方向への位置ずれと、該制御を行ないつつ、レシービングバスケット内に巻き入れた線管材にて構成される複数のループの径方向への位置ずれを、それぞれ調べた。
【0076】
その結果、投入位置の制御を行なわないで、線管材をレシービングバスケットに巻き入れた際には、複数のループの径方向への位置ずれが最大で約350mm程度であった。これに対して、投入位置を制御しつつ、線管材をレシービングバスケットに巻き入れた際には、複数のループの径方向への位置ずれを、最大で約100mm程度に抑えられていた。これによって、かかる制御を行なうことで、線管材をレシービングバスケット内に整然と巻入れ可能となることが、容易に認識され得るのである。
【0077】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に従う線管材の巻入れ方法によれば、連続供給される線管材を、レシービングバスケット内に、より整然と安定して巻き入れることが出来、以て、レシービングバスケット内への線管材の収納効率の更なる向上を十分に図ることが可能となるのである。そして、その結果として、線管材の生産工程の停止を伴うレシービングバスケットの交換回数を可及的に減少せしめ得て、線管材の生産効率を、極めて効果的に高めることも出来るのである。
【0078】
また、本発明に従う線管材の巻入れ装置を用いれば、レシービングバスケット内への線管材の収納効率が、省力化を達成しつつ、より十分に高められ得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う構造を有する線管材の巻入れ装置の一例を示す、一部ブロック線図を含む概略説明図である。
【図2】図1に示された線管材の巻入れ装置の上面説明図である。
【図3】本発明手法に従って、巻入れ装置のレシービングバスケット内に巻き入れられて、収納された線管材の収納状態を示す、該巻入れ装置の要部拡大断面説明図である。
【符号の説明】
10 レシービングバスケット 12 外側筒壁部
14 内側筒壁部 16 線管材
18 レシービングモータ 25 ループ
26 材料位置検出センサ 28 コントローラ
42 小ブロック

Claims (5)

  1. 軸心回りに回転する有底円筒状のレシービングバスケット内に、連続的に供給される線管材を投入して、巻回せしめることにより、該レシービングバスケット内に、該線管材からなる多数のループが形成されるように、該線管材を巻き入れる方法であって、
    前記レシービングバスケット内に巻き入れられる線管材からなる前記ループの複数にて構成される小ブロックを、該複数のループの平均径が異なるものを含んで複数個形成する一方、それら複数個の小ブロックのうち、該複数のループの平均径が小さなもの程、該レシービングバスケットの径方向の内方に位置するように、該複数個の小ブロックを、該レシービングバスケットの径方向に必要な個数だけ配置しながら、該レシービングバスケットの高さ方向に順次積み上げるようにしたことを特徴とする線管材の巻入れ方法。
  2. 前記レシービングバスケットが、底部に対して外側筒壁部と内側筒壁部とが同軸的に立設されてなる有底円筒形状を有して構成されると共に、該レシービングバスケットの径方向における前記複数個の小ブロックの配置形態が、前記複数のループの平均径が最も大きな小ブロックを、該レシービングバスケットの該外側筒壁部に接触させて位置せしめる一方、該複数のループの平均径が最も小さな小ブロックを、該レシービングバスケットの該内側筒壁部から、径方向外方に離隔させて位置せしめた形態とされている請求項1に記載の線管材の巻入れ方法。
  3. 前記複数のループの平均径が最も大きな小ブロックを構成する該複数のループの最大径と、前記複数のループの平均径が最も小さな小ブロックを構成する該複数のループの最小径との差:mと、前記レシービングバスケットの径:dとの比:m/dが、2/15<m/d<1/5となるように、前記複数個の小ブロックを、該レシービングバスケットの径方向に必要な個数だけ配置するようにした請求項2に記載の線管材の巻入れ方法。
  4. 前記複数の小ブロックのそれぞれを構成する前記複数のループの最大径と最小径との差:nと、前記レシービングバスケットの径:dとの比:n/dが、1/15<n/d<1/10となるように、前記複数個の小ブロックを形成しつつ、前記線管材を該レシービングバスケット内に巻き入れようにした請求項1乃至請求項3の何れかに記載の線管材の巻入れ方法。
  5. 前記レシービングバスケットの径方向における前記線管材の該レシービングバスケット内への投入位置を検出し、該検出される線管材の投入位置が、該レシービングバスケット内に巻き入れられた該線管材の巻入れ長さに応じて変更される目標位置と一致するように、該レシービングバスケットの回転速度を増減せしめて、該レシービングバスケットの径方向における該線管材の投入位置を制御しつつ、該線管材を該レシービングバスケット内に投入して、巻回せしめることにより、前記レシービングバスケット内に巻き入れられる線管材からなるループの複数にて構成される前記小ブロックを、該線管材の投入位置に応じて該複数のループの平均径が異なるものを含んで複数個形成する一方、それら複数個の小ブロックのうち、該線管材の投入位置が該レシービングバスケットの径方向の内方とされて、該複数のループの平均径が小さくされたもの程、該レシービングバスケットの径方向の内方に位置するように、該複数個の小ブロックを、該レシービングバスケットの径方向に必要な個数だけ配置しながら、該レシービングバスケットの高さ方向に順次積み上げるようにした請求項1乃至請求項4の何れかに記載の線管材の巻入れ方法。
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