JP3629560B2 - 土壌溶液サンプリング装置 - Google Patents

土壌溶液サンプリング装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土壌分析に関し、特に土壌分析を行うために土壌から土壌溶液を採取するサンプリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、土は固相部分と間隙部分とから成る。固相部分は種々の鉱物質と土壌有機物とで構成され、間隙部分にはガスと土壌水分が含まれる。この土壌中の水分は土壌溶液と呼ばれ、種々の物質が溶解している。
【0003】
作物等の生物生産では、土壌構成を把握し、透水性や保水性、酸素や二酸化炭素、あるいは肥料分を適当な状態に維持する必要があり、また、環境保全では、土壌中の水分、熱、塩分等の環境を改善して、緑化および土壌の修復を行う必要がある。このような土壌の維持、修復においては、採取した土壌を分析して土壌の性質を測定する必要がある。
【0004】
従来の土壌分析では、試料土壌をサンプリングする方法として、採土によるサンプリング及び土壌溶液によるサンプリングが知られている。採土による分析では、観察位置を定めて土壌断面を形成し、試料採取用円筒のサンプラー及び採土器、検土杖、ルートオーガー等の種々の器具を用いて、目的の深さの土壌を採土してサンプリングを行い、サンプリングした土壌に対して水あるいは酸等で抽出を行い、その抽出物を分析して土壌中に含まれる成分の分析を行う。また、土壌溶液による分析では、観察位置に吸引装置を目的の深さに挿入し、吸引によって該深さ部分の土壌から土壌溶液をサンプリングし、その土壌溶液に含まれる水容性成分の分析を行う。
【0005】
なお、採取した土壌の化学的性質を求める分析方法としては、硝酸―過塩素酸分解や熱塩酸浸出法等による各種元素組成の定量分析や、鉄、アルミニウム、マンガン等の遊離酸化物あるいは活性酸化物の測定や、有機物含量や全炭素含量の測定や、全窒素や無機態窒素の定量測定や、腐植の分析や、陽イオン交換容量、交換性陽イオンの測定や、pH,Ehの測定、交換酸度,加水酸度の測定や、リン酸吸収力の測定や、第一鉄の定量測定等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の採土による土壌サンプリングは、観察位置を掘り下げて土壌断面を形成し、土壌を取り出してしまうため、土壌や作物を破壊するという問題点がある。また、土壌はひとたび撹乱されると以前と同じ構造に戻すことができず、以前に受けた作用や現象を履歴するため、同一地点でサンプリングを行っても同じ結果を得ることはできず再現性が得られないという問題点がある。さらに、採土の作業には、時間と手間がかかるという問題点もある。
【0007】
また、従来の土壌溶液によるサンプリングは、目的の深さの土壌に含まれる土壌水分を吸引することによって採取を行うため、土壌の含水量が少ない場合には土壌溶液を吸引することができず、サンプリングが不可能であるという問題点がある。また、サンプリングが可能な含水量であっても、一般に含水量はサンプリング位置やサンプリング時間によって異なるため、このサンプリングで採取される土壌溶液中の各成分の濃度が異なり、得られる分析結果にばらつきが生じ、分析結果の比較が困難であるとい問題点がある。
【0008】
そこで、本発明は前記した従来の土壌溶液サンプリング装置の持つ問題点を解決し、土壌を撹乱することなく、また、土壌の含水量にかかわらず所定の条件で土壌溶液のサンプリングを行うことができる土壌溶液サンプリング装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、土壌中に含まれる水分である土壌溶液を吸引することによって土壌を撹乱することなくサンプリングを行うものであり、土壌の含水量が少なく土壌溶液の吸引が困難な場合であっても、土壌に水分を供給することによって土壌溶液のサンプリングを可能とし、また、サンプリングの位置や時刻が異なる等によって土壌の含水量が異なる場合であっても、土壌に水分を供給することによって所定の含水量の条件で土壌溶液のサンプリングを行うことができる。
【0010】
また、本発明は、土壌の含水量を測定し、その測定した含水量に基づいて土壌溶液のサンプリングを行うものであり、これによって、所定の含水量の条件で土壌溶液のサンプリングを行うことができる。
【0011】
上記のサンプリングを行うために、本発明の土壌溶液サンプリング装置は、土壌に注水を行う注水手段及び土壌中の含水量を測定する含水量測定手段の少なくともいずれか一方と、土壌中から土壌溶液を吸引する吸引手段とを備え、この吸引手段によって土壌溶液をサンプリングを行う。
【0012】
本発明の土壌溶液サンプリング装置において、注水手段と含水量測定手段と吸引手段とを用いた構成では、含水量測定手段で測定した含水量が所定値に達していない場合には、注水手段によって土壌に水分を供給して土壌の含水量を増加させ、この含水量の変化を含水量測定手段でモニターし、所定の含水量に達したことを検出し、吸引手段によって所定の含水量に調整された土壌溶液を吸引してサンプリングを行う。これによって、含水量が少なく乾燥した土壌であっても、土壌溶液の吸引を行うことができ、また、土壌の含水量が異なる場合であっても、所定の含水量の条件で土壌溶液のサンプリングを行うことができる。
【0013】
また、本発明の土壌溶液サンプリング装置において、含水量測定手段と吸引手段とを用いた構成では、含水量測定手段によって土壌中の含水量をモニターし、該含水量が所定の値となったときに吸引手段によって土壌溶液のサンプリングを行う。これによって、含水量が所定の値よりも少ない場合であっても、潅水や降雨等によって含水量が所定値になったときにサンプリングを行うことができる。
【0014】
さらに、本発明の土壌溶液サンプリング装置において、注水手段と吸引手段とを用いた構成では、吸引手段によるサンプリングが可能となる程度まで注水手段によって土壌中に水分を供給する。これによって、含水量が少なく乾燥した土壌であっても、土壌溶液の吸引を行うことができる。
【0015】
従って、本発明の第1の実施態様は、注水手段と含水量測定手段と吸引手段とを構成要素とするものであり、本発明の第2の実施態様は、注水手段と含水量測定手段と吸引手段の動作を制御装置によって制御するものであり、本発明の第3の実施態様は、含水量測定手段と吸引手段とを構成要素とするものであり、本発明の第4の実施態様は、注水手段と吸引手段とを構成要素とするものである。
【0016】
また、本発明の第5の実施態様は、注水手段の土壌中の注水口を、吸引手段の土壌溶液吸引口から所定距離だけ離して設置するものであり、該注水口は土壌溶液吸引口の位置に対して上方、下方、あるいは同じ深さに設置することができる。これによって、注水手段から注水された水分は土壌を浸透し、吸引手段の吸引口付近の土壌の含水量を上昇させ、土壌溶液のサンプリングを可能とする。また、注水口を吸引手段の吸引口の近傍に設ける構成とすることができ、この構成によれば、注水後すぐに吸引を行うことができる。
【0017】
本発明の第6の実施態様は、注水手段によって注水を開始した後、所定時間が経過した後に、吸引手段による土壌溶液の吸引を開始するものである。これによれば、注水した水分が吸引手段の吸引口に到達するに要する時間をあらかじめ予測し設定することにより、含水量を測定する含水量測定手段を用いることなく吸引手段の動作制御を行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施の形態について、図1の本発明の土壌溶液サンプリング装置の一構成例を説明する概略ブロック線図を用いて説明する。なお、図に示す構成例は注水手段と含水量測定手段と吸引手段とを構成要素とし、これらの要素を制御装置で制御する例を示している。
【0019】
図1に示す土壌溶液サンプリング装置1は、土壌7に注水を行う注水装置2と、土壌中から土壌溶液を吸引してサンプリングを行う吸引手段としてのサンプリング装置3と、土壌中の含水量を測定する含水量測定装置4を供え、さらに、これらの注水装置2,サンプリング装置3,含水量測定装置4を制御する制御装置5を備える。
【0020】
サンプリング装置3は、土壌中に埋め込まれる部分と、該土壌内部分から土壌溶液を吸引によって採取するための吸引部分とを備える。土壌中に埋め込まれる部分は、パイプ状の挿入部本体33の先端にサンプリングフィルタ34を備えた構成であり、接合部32によって土壌外の吸引部分と接合している。サンプリングフィルタ34は土壌の固相部分は通さず水分のみを通過する部材で形成され、例えば多孔状の素材を用いることができる。サンプリングフィルタ34で吸引された土壌溶液6は、吸引管31を通って吸引部分に送られ、サンプリングが行われる。吸引部分は、周知の吸引装置を用いることができ、サンプリングフィルタ34の部分より減圧することによって土壌溶液6の吸引を行う。
【0021】
注水装置2は、水分を放出する注水部分と、土壌内に水を供給するための土壌外に設けられる供給部分とを備える。注水部分は土壌中に埋め込む構成とすることも、あるいは土壌外に設置する構成とすることもできる。図1に示す構成例の注水装置2は、先端に水を放出する注水口26を備え、接合部32により供給部分と接合している。注水口26は、挿入部本体33のサンプリングフィルタ34に対して、上方、下方、あるいは同じ深さに設けることができ、土壌7に注水27を放出し、土壌の含水量を上昇させる。供給部分は、注水23を貯水しておく注水容器21と、注水23を加圧して送り出すための加圧器22と、注水の流れを制御するためのバルブ24とを備える。加圧器22で加圧された注水23は、バルブ24及び注水管25を通って注水口26から土壌7内に放水される。なお、上記した注水装置2の構成は一例であり、その他の注水を土壌中7に供給する機能を備えた装置であれば使用することができる。
【0022】
含水量測定装置4は、土壌中に埋め込まれるセンサー部分と、センサー部分からの信号を受けて含水量を測定する測定部分とを備える。センサー部分は、含水量を電気抵抗により検出する形式の一般にpFセンサー41として知られる含水量センサーを用いることができ、設置位置近傍の土壌の含水量を求める。
【0023】
制御装置5は、前記した注水装置2,サンプリング装置3,含水量測定装置4と接続される。制御装置5は、注水装置2に対して制御信号を送信して土壌7内への注水の制御を行うとともに、サンプリング装置3に制御信号を送信して土壌7から土壌溶液の吸引を行う。また、制御装置5は、含水量測定装置4で得られる含水量に関する信号を受け、該含水量に応じて、サンプリング装置3及び注水装置2の制御を行う。
【0024】
次に、土壌溶液サンプリング装置1の動作について、図2〜図9を用いて説明する。なお、図2,3,4は第1の動作を説明するためのフローチャート及び各パラメータの時間変化の図であり、図5,6,7は第2の動作を説明するためのフローチャート及び各パラメータの時間変化の図であり、図8,9は第3の動作を説明するためのフローチャート及び各パラメータの時間変化の図である。
【0025】
以下、図2,3,4を用いて、第1の動作について説明する。第1の動作は、予め設定された注水パターンで注水を行い、含水量が設定値に達した時点でサンプリングを開始するものである。
【0026】
制御装置5は、含水量測定装置4で求めた含水量を設定量と比較し、サンプリングに適した値であるか否かの判定を行う(ステップS1)。前記判定において、含水量が設定値以下である場合には、土壌溶液はサンプリング装置3による吸引が不可能であると判定して、注水装置2に注水開始の制御信号を送り、注水装置2による土壌内への注水を開始する。注水量の制御は、注水装置2の加圧器22あるいはバルブ24を制御することにより行うことができる(ステップS2)。
【0027】
含水量が設定値以上あるいは前記ステップS2による注水によって含水量が設定値を越えた場合には、制御装置5はサンプリングが可能であると判定して、サンプリング装置3にサンプリング開始の制御信号を送信して、サンプリングを開始する(ステップS3)。
【0028】
土壌溶液のサンプリング処理が完了すると(ステップS4)、土壌溶液サンプリング装置の動作を停止する(ステップS5)。
【0029】
前記ステップS4のサンプリング処理の完了は種々の方法によって判定することができる。例えば、サンプリング装置3による土壌溶液の吸引時間を計時して、所定時間の経過によってサンプリング処理の完了を判定したり、また、サンプリング装置3で吸引した土壌溶液の量を測定し、所定容量の到達によってサンプリング処理の完了を判定することができる。
【0030】
図3は、注水初期において多くの注水量を供給し、徐々に注水量を減少させる注水パターンを示している。図3(a)は設定注水パターンを示し、図3(b)は含水量測定装置が測定した土壌中の含水量の変化を示し、図3(c),(d)はサンプリングのタイミングを示している。
【0031】
図3(a)に示す注水のパターンで注水装置から土壌中に注水を行うと、注水27が注水口26からpFセンサー41付近まで到達するまでの遅れ時間の経過の後、含水量が増加する。制御装置3は含水量を監視し、含水量がサンプリングを行う設定範囲に達すると(図3(b))、サンプリングを開始する。サンプリング開始時は、図3(c)に示すように含水量が設定範囲に達した時点とすることも、あるいは図3(d)に示すように含水量が設定範囲に達して所定の時間δtが経過した時点とすることもできる。図3(d)に示す時点でサンプリングを開始する場合には、土壌の含水量が吸引可能な状態となった後、土壌中の成分が水分中にしみ出るまでの充分な時間を得ることができる。制御装置3は、予め設定した所定時間T1だけ行ったり、あるいは所定の吸引量となるまで吸引動作を行うことによって、サンプリングを完了する(図3(c),(d))。
【0032】
図3(a)に示す注水パターンでは、注水初期に注水量を多くすることによって、pFセンサー41付近の含水量が設定値に達するまでの時間を短縮することができ、また、注水後期に注水量を減少させることによって、サンプリング中の含水量の変化を少なくして、安定した測定条件を得ることができる。
【0033】
図4は、一定の注水量を供給する注水パターンの場合を示している。図4(a)は設定注水パターンを示し、図4(b)は含水量測定装置が測定した土壌中の含水量の変化を示し、図4(c),(d)はサンプリングのタイミングを示している。
【0034】
図4(a)に示す注水のパターンで注水装置から土壌中に注水を行うと、注水が到達する送れ時間の経過の後に含水量が増加し(図4(b))、含水量が設定範囲に達すると、その到達時点あるいは所定の経過時間δtの後にサンプリングを開始する(図4(c))。
【0035】
図4(a)に示す注水パターンでは、一定水量の注水を行うため、注水装置による注水量の制御を行う必要がなく、また、このときの注水量を多くすることによって、pFセンサー41付近の含水量が設定値に達するまでの時間を短縮することができる。
【0036】
次に、図5,6,7を用いて、第2の動作について説明する。第2の動作は、予め設定された注水パターンで注水を行い、注水開始後所定の時間が経過した時点でサンプリングを開始するものであり、図1において、含水量測定装置を省略した構成に適用することができる。
【0037】
制御装置5は、注水装置2に注水開始の制御信号を送り、注水装置2による土壌内への注水を開始する。注水量の制御は、注水装置2の加圧器22あるいはバルブ24を制御することにより行うことができる(ステップS11)。注水後、水の浸透によって、pFセンサー41付近の含水量がサンプリングに適した値となる時間を予め推定しておき、該所定時間が経過した時点で、含水量が設定値を越えて、サンプリングが可能であると推定し(ステップS12)、制御装置5はサンプリング装置3にサンプリング開始の制御信号を送信して、サンプリングを開始する(ステップS13)。
【0038】
サンプリング装置3による土壌溶液の吸引時間を計時し、該吸引時間が所定時間に達したか否かの判定、あるいは、サンプリング装置3で吸引した土壌溶液の量を測定し、吸引量が所定容量に到達したか否かによってサンプリング処理の完了を判定すると(ステップS14)、土壌溶液サンプリング装置の動作を停止する(ステップS15)。
【0039】
図6は図3と同様に、注水初期において多くの注水量を供給し、徐々に注水量を減少させる注水パターンの場合を示している。図6(a)は設定注水パターンを示し、図6(b)はサンプリングのタイミングを示している。
【0040】
図6(a)に示す注水のパターンで注水装置から土壌中に注水を行うと、遅れ時間の経過の後に含水量が増加する。注水を開始した後、所定時間T2が経過した時点で、制御装置3はサンプリングを開始する。制御装置3は、吸引動作を所定時間T1行ったり、あるいは所定の吸引量まで吸引して、サンプリングを行う(図6(b))。
【0041】
図6(a)に示す注水パターンでは、図3(a)の注水パターンと同様に、測定開始後サンプリングを開始するまでの時間を短縮することができ、また、安定した測定条件を得ることができる。
【0042】
また、図7は、図4と同様に一定の注水量を供給する注水パターンの場合を示している。図7(a)は設定注水パターンを示し、図7(b)はサンプリングのタイミングを示している。
【0043】
図7(a)に示す注水のパターンで注水装置から土壌中に注水を行うと、遅れ時間の経過の後に含水量が増加する。注水を開始した後、所定時間T2’が経過した時点で、制御装置3はサンプリングを開始する。制御装置3は、所定時間T1’の吸引動作、あるいは所定量への吸引動作を行うことによって、サンプリングを行う(図7(b))。
【0044】
図7(a)に示す注水パターンでは、図4(a)に示す注水パターンと同様に、注水装置による注水量の制御を行う必要がなく、また、含水量の増加に要する時間を短縮することができる。
【0045】
次に、図8,9を用いて、第3の動作について説明する。第3の動作は、含水量に応じて注水パターンを調整しながら注水を行い、含水量が設定値に達した時点でサンプリングを開始するものである。
【0046】
制御装置5は、含水量測定装置4で求めた含水量がを設定値と比較し、含水量がサンプリングに適した値であるか否かの判定を行う(ステップS21)。前記判定において、含水量が設定値以下である場合には、土壌溶液はサンプリング装置3による吸引が不可能であると判定して、注水装置2に注水開始の制御信号を送り、注水装置2による土壌内への注水を開始する。注水量の制御は、注水装置2の加圧器22あるいはバルブ24を制御することにより行うことができる(ステップS22)。
【0047】
注水を開始した後、測定した含水量に応じて加圧器22あるいはバルブ24を制御して、注水量を調整する。図9(a)は注水量を示し、図9(b)は含水量を示している(ステップS23)。
【0048】
含水量が設定値以上あるいは前記ステップS23による注水によって含水量が設定値を越えた場合には、制御装置5はサンプリングが可能であると判定して、サンプリング装置3にサンプリング開始の制御信号を送信して、サンプリングを開始する(ステップS24)。
【0049】
サンプリング装置3による土壌溶液の吸引時間を計時し、該吸引時間が所定時間に達したか否かの判定、あるいは、サンプリング装置3で吸引した土壌溶液の量を測定し、吸引量が所定容量に到達したか否かによってサンプリング処理の完了を判定すると(ステップS25)、土壌溶液サンプリング装置の動作を停止する(ステップS26)。
【0050】
図9に示す注水パターンでは、含水量に応じて注水量を制御することによって、pFセンサー41付近の含水量が設定値に達するまでの時間を短縮することができ、また、注水後期に注水量を減少させることによって、サンプリング中の含水量の変化を少なくして、安定した測定条件を得ることができる。
【0051】
また、図10,11は本発明の土壌溶液サンプリング装置の他の構成例を示す図である。図10に示す構成例は、注水装置の注水口28を、サンプリングフィルタ33の近傍に設置するものであり、図11に示す構成例は、注水装置の注水管25及び注水口29を挿入部本体33から分離して設けるものである。
【0052】
次に、本発明の土壌溶液サンプリング装置のさらに別の構成例について、図12〜図14を用いて説明する。
【0053】
図12に示す構成例は、前記図1で示した構成例において、制御装置による制御を行わずに各構成要素を独立して動作可能とするものである。この構成例によれば、含水量測定装置4をモニターして、測定される含水量に応じて注水装置2あるいはサンプリング装置3の始動,停止を行い、サンプリングを行うことができる。
【0054】
図13に示す構成例は、注水装置を設置せずに、サンプリング装置3と含水量測定装置4で構成するものであり、サンプリング装置3と含水量測定装置4は独立した装置によって構成する。この構成によれば、サンプリング装置3と含水量測定装置4は、別個の独立した装置を用いることができ、また、含水量が所定の値よりも少ない場合であっても、潅水や降雨等によって含水量が所定値になったときにサンプリングを行うことができる。
【0055】
図14に示す構成例は、含水量測定装置を設置せずに、サンプリング装置3と注水装置2で構成するものであり、サンプリング装置3と注水装置2は独立した装置によって構成する。この構成によれば、サンプリング装置3と注水装置2は、別個の独立した装置を用いることができ、サンプリングが可能となる程度まで注水手段によって土壌中に水分を供給する。これによって、含水量が少なく乾燥した土壌であっても、土壌溶液の吸引を行うことができる。
【0056】
また、図14において、注水装置2の注水口26は、図中の符号26aで示すように土壌7の表面よりも上方とするも、また図中の符号26bで示すように土壌7内とするもでき、また、土壌内において、サンプリングフィルタ34に対して上方、下方あるいは同深さとすることができ、土壌の性質等の測定条件に応じて定めることができる。なお、この注水口26の設定位置は、図14に示す構成に限らず前記した他の構成例にも適用することができる。
【0057】
本発明の土壌溶液サンプリング装置は、耕地や測定領域の所定の位置に挿入部本体を恒常的に埋設しておき、注水装置,サンプリング装置,含水量測定装置を含む一つの測定部分を接合部を介して分離可能に接続することによって、多数地点での土壌溶液のサンプリングを行うことができる。
【0058】
また、本発明の土壌溶液サンプリング装置は、挿入部本体と測定部分を一体に移動可能とし、耕地や測定領域に携帯し、選定した測定点での測定を行うことができる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の土壌溶液サンプリング装置によれば、土壌を撹乱することなく土壌溶液のサンプリングを行うことができる。また、土壌の含水量にかかわらず所定の条件で土壌溶液のサンプリングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の土壌溶液サンプリング装置の一構成例を説明する概略ブロック線図である。
【図2】本発明の土壌溶液サンプリング装置の第1の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の土壌溶液サンプリング装置の第1の動作を説明するためのパラメータの時間変化の図である。
【図4】本発明の土壌溶液サンプリング装置の第1の動作を説明するためのパラメータの時間変化の図である。
【図5】本発明の土壌溶液サンプリング装置の第2の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の土壌溶液サンプリング装置の第2の動作を説明するためのパラメータの時間変化の図である。
【図7】本発明の土壌溶液サンプリング装置の第2の動作を説明するためのパラメータの時間変化の図である。
【図8】本発明の土壌溶液サンプリング装置の第3の動作を説明するためのパラメータの時間変化の図である。
【図9】本発明の土壌溶液サンプリング装置の第3の動作を説明するためのパラメータの時間変化の図である。
【図10】本発明の土壌溶液サンプリング装置の他の構成例を示す図である。
【図11】本発明の土壌溶液サンプリング装置の他の構成例を示す図である。
【図12】本発明の土壌溶液サンプリング装置の他の構成例を示す図である。
【図13】本発明の土壌溶液サンプリング装置の他の構成例を示す図である。
【図14】本発明の土壌溶液サンプリング装置の他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1…土壌溶液サンプリング装置、2…注水装置、3…サンプリング装置、4…含水量測定装置、5…制御装置、6…土壌溶液、7…土壌、21…注水容器、22…加圧器、23…注水、24…バルブ、25…注水管、26,28,29…注水口、27…注水、31…吸引管、32…接合部、33…挿入部本体、34…サンプリングフィルタ、41…pFセンサー。

Claims (1)

  1. 土壌に注水を行う注水手段及び土壌中の含水量を測定する含水量測定手段の少なくともいずれか一方と、土壌中から土壌溶液を吸引する吸引手段とを備え、該吸引手段によって土壌溶液をサンプリングすることを特徴とする土壌溶液サンプリング装置。
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