JPH10232191A - 土壌溶液サンプリング装置 - Google Patents

土壌溶液サンプリング装置

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JPH10232191A
JPH10232191A JP3642397A JP3642397A JPH10232191A JP H10232191 A JPH10232191 A JP H10232191A JP 3642397 A JP3642397 A JP 3642397A JP 3642397 A JP3642397 A JP 3642397A JP H10232191 A JPH10232191 A JP H10232191A
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徹 加地
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 土壌を撹乱することなく、また、土壌の含水
量にかかわらず所定の条件で土壌溶液のサンプリングを
行うことができる土壌溶液サンプリング装置を提供す
る。 【解決手段】 土壌中に含まれる水分である土壌溶液を
吸引することによって土壌を撹乱することなくサンプリ
ングを行い装置であり、注水手段2によって土壌中に水
分を供給することによって、土壌溶液の吸引が可能な状
態としたり、含水量測定装置4による土壌の含水量の測
定によって、所定の条件の含水量のサンプリングが可能
となる。これによって、サンプリングの位置や時刻が異
なることによって土壌の含水量が異なる場合であって
も、所定の含水量の条件で土壌溶液のサンプリングを行
うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌分析に関し、
特に土壌分析を行うために土壌から土壌溶液を採取する
サンプリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、土は固相部分と間隙部分とから
成る。固相部分は種々の鉱物質と土壌有機物とで構成さ
れ、間隙部分にはガスと土壌水分が含まれる。この土壌
中の水分は土壌溶液と呼ばれ、種々の物質が溶解してい
る。
【0003】作物等の生物生産では、土壌構成を把握
し、透水性や保水性、酸素や二酸化炭素、あるいは肥料
分を適当な状態に維持する必要があり、また、環境保全
では、土壌中の水分、熱、塩分等の環境を改善して、緑
化および土壌の修復を行う必要がある。このような土壌
の維持、修復においては、採取した土壌を分析して土壌
の性質を測定する必要がある。
【0004】従来の土壌分析では、試料土壌をサンプリ
ングする方法として、採土によるサンプリング及び土壌
溶液によるサンプリングが知られている。採土による分
析では、観察位置を定めて土壌断面を形成し、試料採取
用円筒のサンプラー及び採土器、検土杖、ルートオーガ
ー等の種々の器具を用いて、目的の深さの土壌を採土し
てサンプリングを行い、サンプリングした土壌に対して
水あるいは酸等で抽出を行い、その抽出物を分析して土
壌中に含まれる成分の分析を行う。また、土壌溶液によ
る分析では、観察位置に吸引装置を目的の深さに挿入
し、吸引によって該深さ部分の土壌から土壌溶液をサン
プリングし、その土壌溶液に含まれる水容性成分の分析
を行う。
【0005】なお、採取した土壌の化学的性質を求める
分析方法としては、硝酸―過塩素酸分解や熱塩酸浸出法
等による各種元素組成の定量分析や、鉄、アルミニウ
ム、マンガン等の遊離酸化物あるいは活性酸化物の測定
や、有機物含量や全炭素含量の測定や、全窒素や無機態
窒素の定量測定や、腐植の分析や、陽イオン交換容量、
交換性陽イオンの測定や、pH,Ehの測定、交換酸
度,加水酸度の測定や、リン酸吸収力の測定や、第一鉄
の定量測定等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の採土による土壌
サンプリングは、観察位置を掘り下げて土壌断面を形成
し、土壌を取り出してしまうため、土壌や作物を破壊す
るという問題点がある。また、土壌はひとたび撹乱され
ると以前と同じ構造に戻すことができず、以前に受けた
作用や現象を履歴するため、同一地点でサンプリングを
行っても同じ結果を得ることはできず再現性が得られな
いという問題点がある。さらに、採土の作業には、時間
と手間がかかるという問題点もある。
【0007】また、従来の土壌溶液によるサンプリング
は、目的の深さの土壌に含まれる土壌水分を吸引するこ
とによって採取を行うため、土壌の含水量が少ない場合
には土壌溶液を吸引することができず、サンプリングが
不可能であるという問題点がある。また、サンプリング
が可能な含水量であっても、一般に含水量はサンプリン
グ位置やサンプリング時間によって異なるため、このサ
ンプリングで採取される土壌溶液中の各成分の濃度が異
なり、得られる分析結果にばらつきが生じ、分析結果の
比較が困難であるとい問題点がある。
【0008】そこで、本発明は前記した従来の土壌溶液
サンプリング装置の持つ問題点を解決し、土壌を撹乱す
ることなく、また、土壌の含水量にかかわらず所定の条
件で土壌溶液のサンプリングを行うことができる土壌溶
液サンプリング装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、土壌中に含ま
れる水分である土壌溶液を吸引することによって土壌を
撹乱することなくサンプリングを行うものであり、土壌
の含水量が少なく土壌溶液の吸引が困難な場合であって
も、土壌に水分を供給することによって土壌溶液のサン
プリングを可能とし、また、サンプリングの位置や時刻
が異なる等によって土壌の含水量が異なる場合であって
も、土壌に水分を供給することによって所定の含水量の
条件で土壌溶液のサンプリングを行うことができる。
【0010】また、本発明は、土壌の含水量を測定し、
その測定した含水量に基づいて土壌溶液のサンプリング
を行うものであり、これによって、所定の含水量の条件
で土壌溶液のサンプリングを行うことができる。
【0011】上記のサンプリングを行うために、本発明
の土壌溶液サンプリング装置は、土壌に注水を行う注水
手段及び土壌中の含水量を測定する含水量測定手段の少
なくともいずれか一方と、土壌中から土壌溶液を吸引す
る吸引手段とを備え、この吸引手段によって土壌溶液を
サンプリングを行う。
【0012】本発明の土壌溶液サンプリング装置におい
て、注水手段と含水量測定手段と吸引手段とを用いた構
成では、含水量測定手段で測定した含水量が所定値に達
していない場合には、注水手段によって土壌に水分を供
給して土壌の含水量を増加させ、この含水量の変化を含
水量測定手段でモニターし、所定の含水量に達したこと
を検出し、吸引手段によって所定の含水量に調整された
土壌溶液を吸引してサンプリングを行う。これによっ
て、含水量が少なく乾燥した土壌であっても、土壌溶液
の吸引を行うことができ、また、土壌の含水量が異なる
場合であっても、所定の含水量の条件で土壌溶液のサン
プリングを行うことができる。
【0013】また、本発明の土壌溶液サンプリング装置
において、含水量測定手段と吸引手段とを用いた構成で
は、含水量測定手段によって土壌中の含水量をモニター
し、該含水量が所定の値となったときに吸引手段によっ
て土壌溶液のサンプリングを行う。これによって、含水
量が所定の値よりも少ない場合であっても、潅水や降雨
等によって含水量が所定値になったときにサンプリング
を行うことができる。
【0014】さらに、本発明の土壌溶液サンプリング装
置において、注水手段と吸引手段とを用いた構成では、
吸引手段によるサンプリングが可能となる程度まで注水
手段によって土壌中に水分を供給する。これによって、
含水量が少なく乾燥した土壌であっても、土壌溶液の吸
引を行うことができる。
【0015】従って、本発明の第1の実施態様は、注水
手段と含水量測定手段と吸引手段とを構成要素とするも
のであり、本発明の第2の実施態様は、注水手段と含水
量測定手段と吸引手段の動作を制御装置によって制御す
るものであり、本発明の第3の実施態様は、含水量測定
手段と吸引手段とを構成要素とするものであり、本発明
の第4の実施態様は、注水手段と吸引手段とを構成要素
とするものである。
【0016】また、本発明の第5の実施態様は、注水手
段の土壌中の注水口を、吸引手段の土壌溶液吸引口から
所定距離だけ離して設置するものであり、該注水口は土
壌溶液吸引口の位置に対して上方、下方、あるいは同じ
深さに設置することができる。これによって、注水手段
から注水された水分は土壌を浸透し、吸引手段の吸引口
付近の土壌の含水量を上昇させ、土壌溶液のサンプリン
グを可能とする。また、注水口を吸引手段の吸引口の近
傍に設ける構成とすることができ、この構成によれば、
注水後すぐに吸引を行うことができる。
【0017】本発明の第6の実施態様は、注水手段によ
って注水を開始した後、所定時間が経過した後に、吸引
手段による土壌溶液の吸引を開始するものである。これ
によれば、注水した水分が吸引手段の吸引口に到達する
に要する時間をあらかじめ予測し設定することにより、
含水量を測定する含水量測定手段を用いることなく吸引
手段の動作制御を行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照しながら詳細に説明する。本発明の実施の形態につ
いて、図1の本発明の土壌溶液サンプリング装置の一構
成例を説明する概略ブロック線図を用いて説明する。な
お、図に示す構成例は注水手段と含水量測定手段と吸引
手段とを構成要素とし、これらの要素を制御装置で制御
する例を示している。
【0019】図1に示す土壌溶液サンプリング装置1
は、土壌7に注水を行う注水装置2と、土壌中から土壌
溶液を吸引してサンプリングを行う吸引手段としてのサ
ンプリング装置3と、土壌中の含水量を測定する含水量
測定装置4を供え、さらに、これらの注水装置2,サン
プリング装置3,含水量測定装置4を制御する制御装置
5を備える。
【0020】サンプリング装置3は、土壌中に埋め込ま
れる部分と、該土壌内部分から土壌溶液を吸引によって
採取するための吸引部分とを備える。土壌中に埋め込ま
れる部分は、パイプ状の挿入部本体33の先端にサンプ
リングフィルタ34を備えた構成であり、接合部32に
よって土壌外の吸引部分と接合している。サンプリング
フィルタ34は土壌の固相部分は通さず水分のみを通過
する部材で形成され、例えば多孔状の素材を用いること
ができる。サンプリングフィルタ34で吸引された土壌
溶液6は、吸引管31を通って吸引部分に送られ、サン
プリングが行われる。吸引部分は、周知の吸引装置を用
いることができ、サンプリングフィルタ34の部分より
減圧することによって土壌溶液6の吸引を行う。
【0021】注水装置2は、水分を放出する注水部分
と、土壌内に水を供給するための土壌外に設けられる供
給部分とを備える。注水部分は土壌中に埋め込む構成と
することも、あるいは土壌外に設置する構成とすること
もできる。図1に示す構成例の注水装置2は、先端に水
を放出する注水口26を備え、接合部32により供給部
分と接合している。注水口26は、挿入部本体33のサ
ンプリングフィルタ34に対して、上方、下方、あるい
は同じ深さに設けることができ、土壌7に注水27を放
出し、土壌の含水量を上昇させる。供給部分は、注水2
3を貯水しておく注水容器21と、注水23を加圧して
送り出すための加圧器22と、注水の流れを制御するた
めのバルブ24とを備える。加圧器22で加圧された注
水23は、バルブ24及び注水管25を通って注水口2
6から土壌7内に放水される。なお、上記した注水装置
2の構成は一例であり、その他の注水を土壌中7に供給
する機能を備えた装置であれば使用することができる。
【0022】含水量測定装置4は、土壌中に埋め込まれ
るセンサー部分と、センサー部分からの信号を受けて含
水量を測定する測定部分とを備える。センサー部分は、
含水量を電気抵抗により検出する形式の一般にpFセン
サー41として知られる含水量センサーを用いることが
でき、設置位置近傍の土壌の含水量を求める。
【0023】制御装置5は、前記した注水装置2,サン
プリング装置3,含水量測定装置4と接続される。制御
装置5は、注水装置2に対して制御信号を送信して土壌
7内への注水の制御を行うとともに、サンプリング装置
3に制御信号を送信して土壌7から土壌溶液の吸引を行
う。また、制御装置5は、含水量測定装置4で得られる
含水量に関する信号を受け、該含水量に応じて、サンプ
リング装置3及び注水装置2の制御を行う。
【0024】次に、土壌溶液サンプリング装置1の動作
について、図2〜図9を用いて説明する。なお、図2,
3,4は第1の動作を説明するためのフローチャート及
び各パラメータの時間変化の図であり、図5,6,7は
第2の動作を説明するためのフローチャート及び各パラ
メータの時間変化の図であり、図8,9は第3の動作を
説明するためのフローチャート及び各パラメータの時間
変化の図である。
【0025】以下、図2,3,4を用いて、第1の動作
について説明する。第1の動作は、予め設定された注水
パターンで注水を行い、含水量が設定値に達した時点で
サンプリングを開始するものである。
【0026】制御装置5は、含水量測定装置4で求めた
含水量を設定量と比較し、サンプリングに適した値であ
るか否かの判定を行う(ステップS1)。前記判定にお
いて、含水量が設定値以下である場合には、土壌溶液は
サンプリング装置3による吸引が不可能であると判定し
て、注水装置2に注水開始の制御信号を送り、注水装置
2による土壌内への注水を開始する。注水量の制御は、
注水装置2の加圧器22あるいはバルブ24を制御する
ことにより行うことができる(ステップS2)。
【0027】含水量が設定値以上あるいは前記ステップ
S2による注水によって含水量が設定値を越えた場合に
は、制御装置5はサンプリングが可能であると判定し
て、サンプリング装置3にサンプリング開始の制御信号
を送信して、サンプリングを開始する(ステップS
3)。
【0028】土壌溶液のサンプリング処理が完了すると
(ステップS4)、土壌溶液サンプリング装置の動作を
停止する(ステップS5)。
【0029】前記ステップS4のサンプリング処理の完
了は種々の方法によって判定することができる。例え
ば、サンプリング装置3による土壌溶液の吸引時間を計
時して、所定時間の経過によってサンプリング処理の完
了を判定したり、また、サンプリング装置3で吸引した
土壌溶液の量を測定し、所定容量の到達によってサンプ
リング処理の完了を判定することができる。
【0030】図3は、注水初期において多くの注水量を
供給し、徐々に注水量を減少させる注水パターンを示し
ている。図3(a)は設定注水パターンを示し、図3
(b)は含水量測定装置が測定した土壌中の含水量の変
化を示し、図3(c),(d)はサンプリングのタイミ
ングを示している。
【0031】図3(a)に示す注水のパターンで注水装
置から土壌中に注水を行うと、注水27が注水口26か
らpFセンサー41付近まで到達するまでの遅れ時間の
経過の後、含水量が増加する。制御装置3は含水量を監
視し、含水量がサンプリングを行う設定範囲に達すると
(図3(b))、サンプリングを開始する。サンプリン
グ開始時は、図3(c)に示すように含水量が設定範囲
に達した時点とすることも、あるいは図3(d)に示す
ように含水量が設定範囲に達して所定の時間δtが経過
した時点とすることもできる。図3(d)に示す時点で
サンプリングを開始する場合には、土壌の含水量が吸引
可能な状態となった後、土壌中の成分が水分中にしみ出
るまでの充分な時間を得ることができる。制御装置3
は、予め設定した所定時間T1だけ行ったり、あるいは
所定の吸引量となるまで吸引動作を行うことによって、
サンプリングを完了する(図3(c),(d))。
【0032】図3(a)に示す注水パターンでは、注水
初期に注水量を多くすることによって、pFセンサー4
1付近の含水量が設定値に達するまでの時間を短縮する
ことができ、また、注水後期に注水量を減少させること
によって、サンプリング中の含水量の変化を少なくし
て、安定した測定条件を得ることができる。
【0033】図4は、一定の注水量を供給する注水パタ
ーンの場合を示している。図4(a)は設定注水パター
ンを示し、図4(b)は含水量測定装置が測定した土壌
中の含水量の変化を示し、図4(c),(d)はサンプ
リングのタイミングを示している。
【0034】図4(a)に示す注水のパターンで注水装
置から土壌中に注水を行うと、注水が到達する送れ時間
の経過の後に含水量が増加し(図4(b))、含水量が
設定範囲に達すると、その到達時点あるいは所定の経過
時間δtの後にサンプリングを開始する(図4
(c))。
【0035】図4(a)に示す注水パターンでは、一定
水量の注水を行うため、注水装置による注水量の制御を
行う必要がなく、また、このときの注水量を多くするこ
とによって、pFセンサー41付近の含水量が設定値に
達するまでの時間を短縮することができる。
【0036】次に、図5,6,7を用いて、第2の動作
について説明する。第2の動作は、予め設定された注水
パターンで注水を行い、注水開始後所定の時間が経過し
た時点でサンプリングを開始するものであり、図1にお
いて、含水量測定装置を省略した構成に適用することが
できる。
【0037】制御装置5は、注水装置2に注水開始の制
御信号を送り、注水装置2による土壌内への注水を開始
する。注水量の制御は、注水装置2の加圧器22あるい
はバルブ24を制御することにより行うことができる
(ステップS11)。注水後、水の浸透によって、pF
センサー41付近の含水量がサンプリングに適した値と
なる時間を予め推定しておき、該所定時間が経過した時
点で、含水量が設定値を越えて、サンプリングが可能で
あると推定し(ステップS12)、制御装置5はサンプ
リング装置3にサンプリング開始の制御信号を送信し
て、サンプリングを開始する(ステップS13)。
【0038】サンプリング装置3による土壌溶液の吸引
時間を計時し、該吸引時間が所定時間に達したか否かの
判定、あるいは、サンプリング装置3で吸引した土壌溶
液の量を測定し、吸引量が所定容量に到達したか否かに
よってサンプリング処理の完了を判定すると(ステップ
S14)、土壌溶液サンプリング装置の動作を停止する
(ステップS15)。
【0039】図6は図3と同様に、注水初期において多
くの注水量を供給し、徐々に注水量を減少させる注水パ
ターンの場合を示している。図6(a)は設定注水パタ
ーンを示し、図6(b)はサンプリングのタイミングを
示している。
【0040】図6(a)に示す注水のパターンで注水装
置から土壌中に注水を行うと、遅れ時間の経過の後に含
水量が増加する。注水を開始した後、所定時間T2が経
過した時点で、制御装置3はサンプリングを開始する。
制御装置3は、吸引動作を所定時間T1行ったり、ある
いは所定の吸引量まで吸引して、サンプリングを行う
(図6(b))。
【0041】図6(a)に示す注水パターンでは、図3
(a)の注水パターンと同様に、測定開始後サンプリン
グを開始するまでの時間を短縮することができ、また、
安定した測定条件を得ることができる。
【0042】また、図7は、図4と同様に一定の注水量
を供給する注水パターンの場合を示している。図7
(a)は設定注水パターンを示し、図7(b)はサンプ
リングのタイミングを示している。
【0043】図7(a)に示す注水のパターンで注水装
置から土壌中に注水を行うと、遅れ時間の経過の後に含
水量が増加する。注水を開始した後、所定時間T2’が
経過した時点で、制御装置3はサンプリングを開始す
る。制御装置3は、所定時間T1’の吸引動作、あるい
は所定量への吸引動作を行うことによって、サンプリン
グを行う(図7(b))。
【0044】図7(a)に示す注水パターンでは、図4
(a)に示す注水パターンと同様に、注水装置による注
水量の制御を行う必要がなく、また、含水量の増加に要
する時間を短縮することができる。
【0045】次に、図8,9を用いて、第3の動作につ
いて説明する。第3の動作は、含水量に応じて注水パタ
ーンを調整しながら注水を行い、含水量が設定値に達し
た時点でサンプリングを開始するものである。
【0046】制御装置5は、含水量測定装置4で求めた
含水量がを設定値と比較し、含水量がサンプリングに適
した値であるか否かの判定を行う(ステップS21)。
前記判定において、含水量が設定値以下である場合に
は、土壌溶液はサンプリング装置3による吸引が不可能
であると判定して、注水装置2に注水開始の制御信号を
送り、注水装置2による土壌内への注水を開始する。注
水量の制御は、注水装置2の加圧器22あるいはバルブ
24を制御することにより行うことができる(ステップ
S22)。
【0047】注水を開始した後、測定した含水量に応じ
て加圧器22あるいはバルブ24を制御して、注水量を
調整する。図9(a)は注水量を示し、図9(b)は含
水量を示している(ステップS23)。
【0048】含水量が設定値以上あるいは前記ステップ
S23による注水によって含水量が設定値を越えた場合
には、制御装置5はサンプリングが可能であると判定し
て、サンプリング装置3にサンプリング開始の制御信号
を送信して、サンプリングを開始する(ステップS2
4)。
【0049】サンプリング装置3による土壌溶液の吸引
時間を計時し、該吸引時間が所定時間に達したか否かの
判定、あるいは、サンプリング装置3で吸引した土壌溶
液の量を測定し、吸引量が所定容量に到達したか否かに
よってサンプリング処理の完了を判定すると(ステップ
S25)、土壌溶液サンプリング装置の動作を停止する
(ステップS26)。
【0050】図9に示す注水パターンでは、含水量に応
じて注水量を制御することによって、pFセンサー41
付近の含水量が設定値に達するまでの時間を短縮するこ
とができ、また、注水後期に注水量を減少させることに
よって、サンプリング中の含水量の変化を少なくして、
安定した測定条件を得ることができる。
【0051】また、図10,11は本発明の土壌溶液サ
ンプリング装置の他の構成例を示す図である。図10に
示す構成例は、注水装置の注水口28を、サンプリング
フィルタ33の近傍に設置するものであり、図11に示
す構成例は、注水装置の注水管25及び注水口29を挿
入部本体33から分離して設けるものである。
【0052】次に、本発明の土壌溶液サンプリング装置
のさらに別の構成例について、図12〜図14を用いて
説明する。
【0053】図12に示す構成例は、前記図1で示した
構成例において、制御装置による制御を行わずに各構成
要素を独立して動作可能とするものである。この構成例
によれば、含水量測定装置4をモニターして、測定され
る含水量に応じて注水装置2あるいはサンプリング装置
3の始動,停止を行い、サンプリングを行うことができ
る。
【0054】図13に示す構成例は、注水装置を設置せ
ずに、サンプリング装置3と含水量測定装置4で構成す
るものであり、サンプリング装置3と含水量測定装置4
は独立した装置によって構成する。この構成によれば、
サンプリング装置3と含水量測定装置4は、別個の独立
した装置を用いることができ、また、含水量が所定の値
よりも少ない場合であっても、潅水や降雨等によって含
水量が所定値になったときにサンプリングを行うことが
できる。
【0055】図14に示す構成例は、含水量測定装置を
設置せずに、サンプリング装置3と注水装置2で構成す
るものであり、サンプリング装置3と注水装置2は独立
した装置によって構成する。この構成によれば、サンプ
リング装置3と注水装置2は、別個の独立した装置を用
いることができ、サンプリングが可能となる程度まで注
水手段によって土壌中に水分を供給する。これによっ
て、含水量が少なく乾燥した土壌であっても、土壌溶液
の吸引を行うことができる。
【0056】また、図14において、注水装置2の注水
口26は、図中の符号26aで示すように土壌7の表面
よりも上方とするも、また図中の符号26bで示すよう
に土壌7内とするもでき、また、土壌内において、サン
プリングフィルタ34に対して上方、下方あるいは同深
さとすることができ、土壌の性質等の測定条件に応じて
定めることができる。なお、この注水口26の設定位置
は、図14に示す構成に限らず前記した他の構成例にも
適用することができる。
【0057】本発明の土壌溶液サンプリング装置は、耕
地や測定領域の所定の位置に挿入部本体を恒常的に埋設
しておき、注水装置,サンプリング装置,含水量測定装
置を含む一つの測定部分を接合部を介して分離可能に接
続することによって、多数地点での土壌溶液のサンプリ
ングを行うことができる。
【0058】また、本発明の土壌溶液サンプリング装置
は、挿入部本体と測定部分を一体に移動可能とし、耕地
や測定領域に携帯し、選定した測定点での測定を行うこ
とができる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の土壌溶液
サンプリング装置によれば、土壌を撹乱することなく土
壌溶液のサンプリングを行うことができる。また、土壌
の含水量にかかわらず所定の条件で土壌溶液のサンプリ
ングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の土壌溶液サンプリング装置の一構成例
を説明する概略ブロック線図である。
【図2】本発明の土壌溶液サンプリング装置の第1の動
作を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の土壌溶液サンプリング装置の第1の動
作を説明するためのパラメータの時間変化の図である。
【図4】本発明の土壌溶液サンプリング装置の第1の動
作を説明するためのパラメータの時間変化の図である。
【図5】本発明の土壌溶液サンプリング装置の第2の動
作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の土壌溶液サンプリング装置の第2の動
作を説明するためのパラメータの時間変化の図である。
【図7】本発明の土壌溶液サンプリング装置の第2の動
作を説明するためのパラメータの時間変化の図である。
【図8】本発明の土壌溶液サンプリング装置の第3の動
作を説明するためのパラメータの時間変化の図である。
【図9】本発明の土壌溶液サンプリング装置の第3の動
作を説明するためのパラメータの時間変化の図である。
【図10】本発明の土壌溶液サンプリング装置の他の構
成例を示す図である。
【図11】本発明の土壌溶液サンプリング装置の他の構
成例を示す図である。
【図12】本発明の土壌溶液サンプリング装置の他の構
成例を示す図である。
【図13】本発明の土壌溶液サンプリング装置の他の構
成例を示す図である。
【図14】本発明の土壌溶液サンプリング装置の他の構
成例を示す図である。
【符号の説明】
1…土壌溶液サンプリング装置、2…注水装置、3…サ
ンプリング装置、4…含水量測定装置、5…制御装置、
6…土壌溶液、7…土壌、21…注水容器、22…加圧
器、23…注水、24…バルブ、25…注水管、26,
28,29…注水口、27…注水、31…吸引管、32
…接合部、33…挿入部本体、34…サンプリングフィ
ルタ、41…pFセンサー。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土壌に注水を行う注水手段及び土壌中の
    含水量を測定する含水量測定手段の少なくともいずれか
    一方と、土壌中から土壌溶液を吸引する吸引手段とを備
    え、該吸引手段によって土壌溶液をサンプリングするこ
    とを特徴とする土壌溶液サンプリング装置。
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