JP3627831B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置、殊にカラー表示の液晶表示装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、ＴＦＴおよびＴＮモード型の液晶表示素子を用いたカラーフィルターによるカラー表示の液晶表示装置が知られている。
【０００３】
その中でこのＴＮモード型の液晶表示素子を用いたカラー表示の液晶表示装置は、単純マトリツクスの駆動方式によるため構造が簡単であり、製造が容易で低価格で製造することができる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、単純マトリツクスの駆動方式は、マトリツクス配置された各画素の液晶を走査信号に同期して外部から直接駆動する方式であり、走査線数が増大すると一画素に割り当てられる駆動時間（デューティ）が少なくなり、結果として表示のコントラスト比が低下していく。
【０００５】
このコントラストの低下はカラー表示においては色の鮮やかさに反映されるので充分なカラー表示を行うことはできない。
【０００６】
そこで、トランジスターやダイオードによるアクティブエレメントを用い、一画素に割り当てられる駆動時間（デューティ）に関係なくスタティックの特性が再現されて高画質なカラー画面を再現することができるアクティブマトリックス駆動の液晶表示装置が用いられているが、反面、構造が複雑で製造が困難であり歩留まりが低く製造価格が高い、という問題がある。
【０００７】
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、発明が解決しようとする課題は、フレーム応答速度が速くコントラスト比が良好な、従って、カラー動画映像に適した液晶表示装置を容易且つ安価に提供するものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、ＴＮモード型の液晶表示ディスプレィと、Ｒ，Ｇ，Ｂ三色管からなるバックライトと、前記液晶ディスプレィとバックライトとを制御する駆動回路とからなり、一映像色合成フレーム毎に前記バックライトのＲ，Ｇ，Ｂ各管を等周期で順次点灯させるとともに、前記Ｒ，Ｇ，Ｂ各管の点灯周期に対応させて前記液晶ディスプレィにおける所定ドット位置の液晶表示素子を、高速の繰り返し電圧印加により液晶表示素子の変化に対する積算の量を調整するように駆動させることを特徴とする。
【０００９】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
【００１０】
図面は本発明である液晶表示装置の好ましい実施の形態を示すものであり、図１に示すようにＴＮモード型の液晶表示ディスプレィ１と、Ｒ，Ｇ，Ｂ三色管からなるバックライト２と、これらの液晶表示ディスプレィ１とバックライト２とを制御する駆動回路（図示せず）とからなる。
【００１１】
また、ＴＮモード型の液晶表示ディスプレィ１は従来一般に製造されている透過型のＴＮモード型の液晶表示ディスプレィと同様のものをそのまま使用することが可能であり、下層から順に偏光板１１，ガラス基板１２，電子回路１３，液晶表示素子１４および表面カバー１５を順に積層したものである。
【００１２】
バックライト２は、前記液晶表示ディスプレィ１における偏光板１１の下面に配置された導光板２１とこの一方の側面に配置されたＲ（レッド）管２２，Ｇ（グリーン）管２３，Ｂ（ブルー）管２４とから構成される。
【００１３】
そして、図２に示すように図示しない駆動回路により一映像色合成フレーム（例えば４０Ｈｚ程度の周期）毎に前記バックライトのＲ，Ｇ，Ｂ各管２２，２３，２４を等周期（例えば１２０Ｈｚ程度の周期）で順次点灯させるとともに、Ｒ，Ｇ，Ｂ各管２２，２３，２４の点灯周期（色フレーム）に対応させて所定ドット位置のＴＮモード型の液晶表示素子１４をオン、オフ駆動させたときに生じる視覚による残像現象により任意の色表示を得るものである。
【００１４】
特に、本発明の実施の形態においては、液晶表示素子１４の駆動を、繰り返しの電圧印加（例えば４０ＫＨｚ程度の周期）により液晶表示素子の変化に対する積算の量を調整するように駆動させる。
【００１５】
次に、本実施の形態における実際のタイミングチャートを図３に示す。
【００１６】
図３に示したタイミングチャートにおいて１〜２５６枚の間で任意の諧調を設定することができ、表示諧調は図４に示すように、画像情報に、諧調回数を持たせて、最小諧調での繰り返し回数に、諧調回数を掛けた回数だけ表示動作を行うことにより、液晶表示素子の変化に対する積算の量が、段階的に調整されて、変化量を調整することができる。
【００１７】
繰り返しの電圧印加を行うと、液晶表示素子１１のドット位置に対するオン信号とオフ信号の周期の時間間隔が短くなり、液晶表示素子のオン・オフ動作での積分／微分動作の関係から動作レスポンスに優れたオン動作（積分動作）を短い時間で多数回数、積算する表示をすることになり、前記Ｒ，Ｇ，Ｂ各管２２，２３，２４の点灯周期（色フレーム）毎に変化する表示情報に対応可能な液晶表示素子の動作速度が得られるものである。
【００１８】
また、液晶表示素子１１のオンからオフへの切り替わりにおいて色が混ざることを防止するために各サブフレームの間にＲ，Ｇ，Ｂ各管２２，２３，２４の
いずれもが点灯しない時間を設けるとよい。
【００１９】
【発明の効果】
以上のように本発明は、構造が簡単であり、製造が容易で低価格で製造することができる単純マトリツクスの駆動方式によるＳＴＮ型の液晶表示素子を用いても充分にカラー表示ができるものである。
【００２０】
殊に、従来のカラーフィルターを用いた並置加法混色によるカラー液晶表示装置に比べて、カラーフィルターを要さずに高い解像度を得ることが可能であるとともに、少ない駆動ＩＣでよく、また、各色独立の光源によりカラーバランスの調整もきわめて容易である。
【００２１】
更に、液晶ディスプレィとして従来、多量に製造されているＳＴＮ型の液晶表示素子を用いたため、工場のラインを変更することなく生産が可能であり、経済的にもきわめて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の好ましい実施の形態における概略図である。
【図２】本発明におけるカラー表示の原理を示す説明図である。
【図３】図１に示した実施の形態における好ましいタイミングチャートである。
【図４】図３に示したタイミングチャートにおける表示諧調の調整状態を示す説明図である。
【符号の説明】
１ 液晶表示ディスプレィ
２ バックライト
２２ Ｒ管
２３ Ｇ管
２４ Ｂ管

Claims (1)

1. ＴＮモード型の液晶表示ディスプレィと、Ｒ，Ｇ，Ｂ三色管からなるバックライトと、前記液晶ディスプレィとバックライトとを制御する駆動回路とからなり、一映像色合成フレーム毎に前記バックライトのＲ，Ｇ，Ｂ各管を等周期で順次点灯させるとともに、前記Ｒ，Ｇ，Ｂ各管の点灯周期に対応させて前記液晶ディスプレィにおける所定ドット位置の液晶表示素子を、繰り返しの電圧印加により液晶表示素子の変化に対する積算の量を調整するように駆動させることを特徴とする液晶表示装置。

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