JP3627784B2 - Discharge surface treatment method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鋼材あるいは超硬合金、例えば、タングステンカーバイド−コバルトの焼桔体等の表面に良好な仕上面あらさを得ると共に、強靱な耐摩耗性をもつ表面層を形成する放電表面処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明者等は、既に水素化チタン(TiH2)等の水素化金属を圧縮成形し、これを電極(以下、圧粉体電極と記述)として被処理体である鋼材や超硬合金、例えば、タングステンカーバイド−コバルト(WC−Co)の焼結体を油中で放電加工し、被処理体表面に電極材料の炭化物[水素化チタン(TiH2)ならば炭化チタン(TiC)]を被覆する技術を提案している。
【0003】
また、上記のように被覆した材料を窒化処理することによって、炭化チタン(TiC)を窒素化炭化チタン(TiCN)に、残留チタン(Ti )を窒化チタン(TiN)に化学変化させ、それによって炭化チタン(TiC)よりもより高い耐摩耗性を有する表面層を形成させる技術を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、圧粉体電極で放電表面処理を行なう場合、表面処理速度を高めようとすれば仕上面あらさは荒くなり、現在のところ、表面処理速度が比較的に高い条件下での最良仕上面あらさは、被処理体が超硬合金で6μmRz程度、鋼材で9μmRz程度であって、被処理体の処理前の仕上面あらさはいづれも1μmRz以下であるのに、放電表面処理することにより仕上面あらさは粗くなる。
【0005】
その理由としては、圧粉体電極が放電表面処理中に電極消耗によって凹凸を発生すること、圧粉体電極を形成する水素化チタン(TiH2)等の粒子が著しく微粉化できにくいこと(微粉化は、粉砕の過程で発火爆発等の危険がある)、及び放電が圧粉体電極の電気抵抗の不均一によって部分的に集中を起すことなどによるものである。
【0006】
放電表面処理は、CVD(化学的蒸着)やPVD(物理的蒸着)、あるいはメッキ等に比べて、被処理体に被覆成分が高温溶融状態で射突し拡散しているために、著しく高い密着性を有する利点があるが、前述のように、仕上面あらさが1μmRz程度まで得られ難いと云う欠点をもっている。このため先に提案している放電表面処理後に窒化する技術に於ても、仕上面あらさが荒いままで窒化処理した表面となっている。
【0007】
通常の耐摩耗部品の表面処理であれば、上記のままでもよいが、用途が切削工具や冷間鍛造工具、金型、あるいは過酷な環境で使用されるベアリング、土木建設機械、船舶用品等の機械部品のように、かなり微細な仕上面あらさ(1μmRz程度)を必要とする場合には充分でない場合があり、この発明は上記課題に鑑みてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる放電表面処理方法は、炭化して硬化する金属の粉末を圧縮成形して放電加工用電極とし、放電によって炭素が分解する加工液中において被処理体を放電表面処理し、その後、前記被処理体の表面を研磨し、更にその後、前記被処理体を窒化処理するものである。
【0009】
請求項2にかかる放電表面処理方法は、炭化して硬化する金属の粉末を圧縮成形して放電加工用電極とし、放電によって炭素が分解する加工液中において被処理体を放電表面処理し、その後、前記被処理体の表面に放電研削を施し、更にその後、前記被処理体を窒化処理するものである。
【0010】
請求項3にかかる放電表面処理方法は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の放電表面処理方法において、炭化して硬化する性質をもつ金属粉末に高硬度の炭化物、窒化物、硼化物の少なくともいずれかを混合して圧縮成形した放電加工用電極により被処理体を放電表面処理するものである。
【0011】
請求項4にかかる放電処理方法は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の放電表面処理方法において、窒化処理をアルゴンガスと窒素との混合物中において行うものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
本発明者等は、水素化チタン(TiH2)を主体とした圧粉体電極による油中放電により被処理体を表面処理する実験を行ってきているが、これによって、放電による加工液の分解カーボンとチタン(Ti)の結合による炭化チタン(TiC)を多量に含む高硬度で高い密着力の被覆層を実現している。この表面粗さは、超硬合金上で6μmRz、鉄鋼等の鋼材上で9(μmRz)が得られており、タングステンカーバイド−コバルト(WC−Co)の圧粉体電極による加工面や、公知の溶射表面等に比べればかなり良好な仕上面になっている。しかし、切削工具表面あるいは冷間鍛造型工具表面に要望される1μmRz程度の仕上面粗さには達していない。
【0013】
そこで、研削技術と窒化技術を複合併用したのがこの発明であり、以下、その実施の形態を図面と共に説明する。
【0014】
まず、炭化して硬化する性質をもつ金属、例えば水素化チタン(TiH2)等の水素化金属を圧縮成形することにより圧粉体電極を構成し、被処理体である鋼材や、タングステンカーバイド−コバルト(WC−Co)の焼桔体の超硬合金等を、放電によって炭素が分解する加工液、例えば油中において放電加工し、被処理体の表面に電極材料の炭化物を被覆する。その後、図1に例示するように、被処理体に施された放電処理面を例えば工具で機械的に研磨する。
【0015】
即ち、図1はこの発明の第1の実施形態を説明するものであり、この図において、1は被処理体である母材、2は母材1の表面に施された放電処理面、3は機械的に研磨するための工具である丸棒を示している。この丸棒3の表面には、油にて混練した粒径1〜3μm程度のダイヤモンドペーストが塗布されており、この丸棒3により母材1の表面に施された放電処理面を機械的に研磨する。なお、この実施形態では磨き時間を10分間とし、次の条件で油中放電加工を実施した。
電極 :水素化チタン(TiH2)の圧粉体
電極極性 :マイナス
放電電流値Ip:8A
パルス幅Ton :2μs
休止時間Toff:255μs
加工時間 :5min
被処理体 :タングステンカーバイド−コバルト(WC−Co)および特殊工具鋼(SKD−11)
【0016】
次に、研磨された母材1に窒化処理を施す。図2は窒化処理装置の概略構成を示す図で、この図において、20は筐体、1は筐体20に収納される母材、21は筐体20内に収納される液体窒素の第1収納容器、22は母材1を加熱する加熱器、23は筐体20の外部に配設される液体窒素の第2収納容器、24は第2収納容器23から液体窒素を筐体20内に導く管路を示している。なお、はじめに液体窒素を第1収納容器21に入れ、筐体20の中を窒素で充分満すのは、母材1の酸化を防ぐためである。
【0017】
上記装置を用いて次のとおり母材の窒化処理を行った。窒化条件として約500(℃)、10(min )を実施した結果、仕上面あらさおよび表面硬度は図3、図4に示すとおりとなった。図3において、左方から見て水素化チタン(TiH2)圧粉体処理面のままのものと、それを窒化処理したもの、水素化チタン(TiH2 )圧粉体処理面を研磨したものと、それを窒化処理したもの、いずれも窒化処理の前後で仕上面あらさの変化はない。なお、母材はタングステンカーバイド−コバルト(WC−Co)超硬合金と鋼材(SKD11)である。
【0018】
また、図4の窒化処理前後の硬度変化を示す図から明らかなように、水素化チタン(TiH2)処理(未研磨)のものを窒化処理することにより、超硬合金にコーティングしたものでビッカース硬度Hv1450からビッカース硬度Hv1700、鋼材でビッカース硬度Hv1050からビッカース硬度Hv1300となっていることが分かる。また、窒化処理による硬度上昇は確かである。
【0019】
水素化チタン(TiH2)処理面を研磨のみ行ったものの硬度は、超硬合金に処理したものでビッカース硬度Hv1450がビッカース硬度Hv1300に、また鋼材でビッカース硬度Hv1050がビッカース硬度Hv500に低下している。それらを窒化処理したものは、超硬合金に処理したものでビッカース硬度Hv1450、鋼材でビッカース硬度Hv950に硬度が向上している。これは母材硬度より十分に硬度が高いことが判る。しかし、コーティングして未研磨の状態を窒化処理したものに比べれば、それぞれビッカース硬度Hv300程度低い。これは表面層のチタン(Ti)成分が多くて炭化チタン(TiC)成分が少ない部分が除去されたためではないかと想像しているが、水素化チタン(TiH2)で被覆処理したままのものに比べて、硬度の点では遜色が無い。よって、仕上げ面粗さは明らかに向上しており、窒化による硬度上昇によりその耐摩耗性が高いことも期待される。
【0020】
次に、摩耗試験について説明する。大越式ピンディスク摩耗試験結果においても、摩耗量が水素化チタン(TiH2)の圧粉体電極による放電処理面よりも遙かに小さくその1/10程度である。
なお、磨耗試験の条件は次のとおりである。
ピン形状:7.98mmφ(0.5cm2)
押付け力:0.5kgf、よって押付圧力1kgf/cm2
摩擦速度:1m/s:ディスク材:SK−3
雰囲気 :大気中
摩耗量 :25km走行における摩耗重量
超硬合金のまま放電表面処理せず:2mg
超硬合金にチタン金属電極で放電処理:0.7mg
超硬に水素化チタンの圧粉体電極で放電処理:0.1mg
超硬合金に水素化チタンの圧粉体電極処理→研削→窒化:微小にして計量できず0.01mg程度
【0021】
窒化処理装置による硬度上昇が、窒素ガスを混入したためなのか、あるいは単に加熱によるものなのかを確認するため、窒化処理と同一条件(温度:500℃、大気圧)による空気中加熱処理を試みた。その結果、硬度は低下していることが確認された。これは、炭化チタン(TiC )等が酸化され、胞い亜酸化チタン(TiO)、酸化チタン(TiO2 )等に変化したためと考えられる。即ち、母材硬度より低下しているのは表面に被覆された炭化チタン(TiC)+チタン(Ti)層が酸化して酸化チタン(TiO2)等に変化し、母材硬度の変化はなくとも低い硬度の表面層が表面形成されることになる。
【0022】
この発明の第1の実施形態は上記のとおりで、次に、その作用効果について説明する。
まず、放電処理表面を機械的研磨によつて平滑化し、その後、窒化処理を行なう場合に発生する表面の状態を説明する。
図5は、チタン(Ti )の圧粉体電極によって母材を油中で放電加工した場合、母材の表面から被覆層内部にわたる断面の硬度変化を示すもので、ビッカース硬度Hv300程度の母材表面にチタン(Ti )の圧粉体電極によって、油中放電を行ったものである。図中、Vtic とあるのはチタン(Ti )が油の分解により生成される炭素(C)と結合して炭化チタン(TiC )となったものの、炭化チタン(TiC)/チタン(Ti)の放電処理表面における体積比であリ、この体積比は、放電電流パルス幅、放電時間、加工液である油の供給状態を制御することによって増減できるものである。なおビッカース硬度Hvは、荷重0.01kg(10gr)による測定値である。
【0023】
このように、母材表面の硬度が高く、内部に入るに従って軟質化していることは、内部に入るにしたがって炭化チタン(TiC)が減少し、チタン(Ti)の割合が増加することを意味する。従って、ダイヤモンド砥粒のようなもので母材表面を研磨すると云うことは、母材表面を平滑化はするが、表面硬度を一旦減少させることになる。
【0024】
しかし、その状態で窒化処理を行なうと、残存のチタン(Ti )は窒化チタン(TiN)となり、炭化チタン(TiC)は窒素化炭化チタン(TiCN )となるために、図4に示すように、再び硬度は上昇する。なお、図3から明らかなように、仕上面あらさには窒化処理による変化はない。
【0025】
次に、図6(a)〜(d)に母材の放電処理表面の研磨前と研磨後の断面プロファイルを示すように、放電電気条件(放電電流Ip=7A、パルス幅Ton =2μs)を小さくして短時間の放電を行った。
この例の場合(被覆を薄くつけたい場合)には、処理層の凹凸の山の部分は母材よりも充分に突出しているが、谷の部分は母材表面よりも内部に入り込んでいる場合がある。これは圧粉体電極の成分チタン(Ti )が放電によって母材表面に射突する際に加工作用を伴うために母材にめり込んだものである(そのために密着性は高い)。このことは、母材の硬度の高い場合(例えば超硬合金)の方が硬度の低い場合(例えば鋼材)よりも母材に入り込む深さが小さいことからも判る。
【0026】
従って、放電処理表面よりも母材内部に入らない程度に機械的研磨を行なえば、放電被覆層は残ることになり、そのことを証明するものとして、母材の表面近くまで機械的研磨を行なったものを窒化処理した結果、図4から判るように、表面硬度は充分に向上している。
【0027】
次に、放電表面処理後の窒化処理による表面状態について説明する。放電処理表面を窒化することには次のような重要な意義がある。
(1)放電加工表面が溶融と急速冷却を伴なうため、表面は引張り応力が残留することが広く知られており、放電処理後の母材を窒化すると、単に硬度が上昇するだけでなく、窒素の浸入によつて体積膨張を起して引張残留応力を軽減し、場合によって圧縮応力側に移行する。そのために耐摩耗性等が増大する。
(2)チタン(Ti )の圧粉体電極によって放電処理した切削工具や塑性加工の金型を窒化処理することにより、被加工物である鉄との親和性が減少し、凝着による摩耗が減少し、耐摩耗性を増大する効果がある。
(3)また、前述のとおり、窒化によって表面あらさは全く変化しないので、窒化前に仕上げた加工面あらさが維持される。すなわち、良好な仕上面のもとに耐摩耗性を向上させることができる。(図3参照)
【0028】
次に、図7により放電表面処理後に研磨を加えて、更にその後、窒化した母材表面の構造概念について説明する。
加工時間の制約や、寸法上の制約等から放電表面処理層が充分厚くつけられない場合の表面構造は、全体が平滑になるのではなく、図7に示すように、凹部を残したままの平滑面となる。これは仕上面あらさを測定すれば、必ずしも良いものとはならないが、摩擦係数の小さいことが求められるとか、耐摩耗性が求められる場合には、負荷荷重を大きくとれる表面であり、凹部はむしろ油などの潤滑剤の油溝の作用をするので、却って良い結果となる。
【0029】
次に、被覆層のX線回折測定及び成分分析について実験を試みたところ、X線解析測定により、水素化チタン(TiH2)の圧粉体電極による加工面を研削した後、窒化したものの表面をX線回折によって分析した結果、窒素化炭化チタン(TiCN)、窒化チタン(TiN)が存在していることが確認された。
【0030】
実施の形態2.
上記第1の実施形態においては、水素化チタン(TiH2)の圧粉体電極により放電処理した母材の放電処理面を、表面にダイヤモンドペーストを塗布した丸棒により研磨する例を図示説明したが、手動運動、回転運動、往復運動、超音波振動等による機械的研磨、あるいは電解研削等の電気化学的作用を併用した表面研削であれば如何なる手段でもよいことは勿論である。
【0031】
実施の形態3.
次に、この発明の第3の実施形態について説明する。この発明の用途の一つとして窒化チタン(TiN)や窒素化アルミニウム[Ti(AlN)]をコーティングしたエンドミルやドリルの再コーティング処理がある。その場合、摩耗した部分を除去するためにダイヤモンドホイール等により再研磨を行ってからコーティング処理を行なう必要がある。この再研磨を必要としない放電処理方法について説明する。
【0032】
図8に放電による表面被覆層を厚くつけた場合の母材処理面性状を示すものであり、先に述べた図6a〜dの場合は、放電電流Ip=7A、放電パルス幅Ton=2μsであるが、図8の場合は放電電流 Ip=7A、放電パルス幅Ton=16μsとした場合である。この図8から判るように、10分程度で20μm以上の厚さに容易に被覆することができるので、切削による通常程度の工具摩耗部分は、補修することができる。なお、放電パルス幅Tonを32μs程度に長くとれば、100μm程度の厚さには容易に達する。その場合の仕上あらさは20μm程度と荒くなるが、これをダイヤモンドホイール等で研削し、工具刃先形状を形成すると共に仕上面あらさも、切削工具面として必要な1μmRmax程度に仕上げる。その後に窒化を行なう。
【0033】
このようにすれば、切削工具が著しく大きな損傷を起さない限り、再研磨の手数と、再研磨による切削工具の寸法減少を発生させないで、再コーティングを行なうことができる。再研磨による工具寸法の減少は、工具の再研磨回数に限界を与えるものである。
【0034】
図9は切削工具の摩耗形態を示す図である。再研磨の場合には、摩耗部分を除去するためには工具母材の土台となる部分まで除去する必要があり、研削除去量も著しく大きくなる。放電表面処理により埋込むように補修すれば、除去量も少く、工具使用回数も格段に伸長することになる。
【0035】
なお、図9のように、切削工具が大きく磨耗している時には、単にその上から圧粉体電極で放電を行っても、表面の凸部にのみ放電が行われ、従って凸部のみが単に高く堆積するので、形状修正は困難な場合がある。その時には、電極に回転もしくは揺動運動を与えて加工すれば、凸部に堆積した箇所は、横方向から移動する電極と放電することによって除去され、次第に凹部も埋め込まれるようになる。それでも埋め込みが不十分の場合には、圧粉体成分をアラルダイトのような接着作用のあるものに混練して凹部を含め表面に塗布し、その上から圧粉体電極または場合によっては通常放電加工に用いられる銅、グラファイト、あるいはタングステン−銀等の電極で放電を行えば、仕上げ面粗さは良好ではないが、埋め込み加工は可能となり、その上で窒化処理を行う。
【0036】
この方法は、単に切削工具の損傷箇所の修正加工のみでなく、金属やベアリング部分の修正加工としても使用でき、すべての工業分野に応用できる。
【0037】
次に、放電処理による刃先の鈍化とその修正方法について説明する。
放電表面処理を工具刃先等の尖鋭な部分に対して行う場合に、刃先は鈍化しやすい傾向を有するが、その理由は、水素化チタン(TiH2)の圧粉体のような電極で加工しても、尖鋭な刃先は電位傾度が高いため、そこに放電が集中し、そのため鈍化しやすい。
【0038】
鈍化を修正する方法は、刃先を充分包含するのに充分な厚さに放電被覆を行って、その後研磨手段により刃先を切削作業に対して好ましい形に形状および仕上げ面を仕上げ、その後、窒化処理を行う。
【0039】
実施の形態4.
窒化装置については図2に示したが、これ以外の実施形態として次のものを挙げることができる。
ハンダコテの加熱装置のように、ニクロム線でコイルを巻き、たとえばエンドミル、ドリルのようなものの加熱部分をコイル内に置く。これを窒素雰囲気中に置いて通電すれば、容易に500〜600℃程度にはなり得る。窒化は300℃程度以上で行なわれるので、ニクロム線コイル内装着加熱でも充分である。
【0040】
また、窒化すべき部分に窒素ガスを流しながらレーザ光(CO2 、YAG何れでもよい)を照射し、部分窒化を行なってもよい。
【0041】
実施の形態5.
次に、実施の形態5について説明する。この実施形態は、窒素雰囲気の調整による亜窒化チタン(Ti2N)の生成を説明するもので、図10に示すように切削工具の摩耗量は窒化チタン(TiN)よりも亜窒化チタン(Ti2N )の方が少いことが知られている。そこで窒化処理に当っても、大気中に於いて窒素の分圧を低下せざるためにアルゴンガスと窒素ガスを混合したものを用いた結果、亜窒化チタン(Ti2N)の生成が認められ、耐摩耗性が向上した。なお、その実施条件は大気圧における容量比で、アルゴンガス:窒素ガス=70:30とした。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、この発明は、炭化して硬化する金属の粉末を圧縮成形して放電加工用電極とし、放電によって炭素が分解する加工液中において被処理体を放電表面処理し、その後、被処理体の表面を研磨もしくは放電研削し、更にその後、被処理体を窒化処理するという、いわゆる、切削技術と窒化技術を複合併用したもので、これにより、鋼材あるいは超硬合金の表面に良好な仕上面あらさを得ると共に、強靱な耐摩耗性をもつ表面層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を説明する概略図である。
【図2】この発明の第1の実施形態に使用される窒化処理装置の概略構成図である。
【図3】この発明の第1の実施形態による窒化処理を行った場合の被処理体の表面粗さの測定結果を示す図である。
【図4】この発明の第1の実施形態による窒化処理を行った場合の被処理体の表面硬度の測定結果を示す図である。
【図5】この発明の第1の実施形態の表面処理における被処理体の表面から被覆層内部にわたる断面の硬度変化を示すものである。
【図6】この発明の第1の実施形態の表面処理における放電処理表面の研磨前と研磨後の断面プロファイルを示す図である。
【図7】この発明の第1の実施形態の表面処理における放電表面処理後に研磨を加えて、更にその後、窒化処理した被処理体表面の構造概念を説明する図である。
【図8】この発明の第3の実施形態の表面処理における被処理体の表面被覆層を厚く付けた場合の処理面性状を示す図である。
【図9】この発明の第3の実施形態の表面処理における切削工具の磨耗形態を示す図である。
【図10】この発明の第5の実施形態の表面処理における被覆物質の硬さと磨耗量の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 被処理体、2 放電処理面、3 工具、20 筐体、21 第1の収納容器、22 加熱器、23 第2の加熱器、24管路。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a discharge surface treatment method for obtaining a good surface finish on a surface of a steel material or a cemented carbide, for example, a tungsten carbide-cobalt cauterized body, and forming a surface layer having tough wear resistance. Is.
[0002]
[Prior art]
The present inventors have already compression-molded a metal hydride such as titanium hydride (TiH 2 ) and used it as an electrode (hereinafter referred to as a green compact electrode) as a steel material or cemented carbide, which is an object to be treated, for example, The sintered body of tungsten carbide-cobalt (WC-Co) is subjected to electric discharge machining in oil, and the surface of the object to be treated is coated with a carbide of electrode material [if titanium hydride (TiH 2 ), titanium carbide (TiC)]. Proposing technology.
[0003]
Further, by nitriding the coated material as described above, titanium carbide (TiC) is chemically changed to nitrogenated titanium carbide (TiCN), and residual titanium (Ti 2) is chemically changed to titanium nitride (TiN), thereby carbonizing. A technique for forming a surface layer having higher wear resistance than titanium (TiC) has been proposed.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, when performing discharge surface treatment with a green compact electrode, if the surface treatment speed is increased, the finished surface roughness becomes rough. At present, the best finished surface roughness under conditions where the surface treatment speed is relatively high. The surface to be processed is about 6 μm Rz for cemented carbide and about 9 μm Rz for steel, and the surface finish before processing of the object to be processed is 1 μm Rz or less. Becomes rough.
[0005]
The reason is that the green compact electrode is uneven due to electrode consumption during the discharge surface treatment, and that particles such as titanium hydride (TiH 2 ) forming the green compact electrode are extremely difficult to be micronized (fine powder) There is a risk of ignition and explosion during the pulverization process), and discharge is partially concentrated due to non-uniform electrical resistance of the green compact electrode.
[0006]
Compared with CVD (chemical vapor deposition), PVD (physical vapor deposition), plating, etc., the discharge surface treatment has a significantly higher adhesion because the coating components are projected and diffused in a molten state at a high temperature. However, as described above, it has a drawback that it is difficult to obtain a finished surface roughness of about 1 μm Rz. For this reason, even in the previously proposed technique for nitriding after the discharge surface treatment, the finished surface is roughened to a rough surface.
[0007]
As long as it is a normal surface treatment for wear-resistant parts, the above may be used as it is, but the application is a cutting tool, cold forging tool, die, or bearing used in harsh environments, civil engineering machinery, marine equipment, etc. When a considerably fine finished surface roughness (about 1 μm Rz) is required as in a machine part, this may not be sufficient, and the present invention has been made in view of the above problems.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
According to a first aspect of the present invention, there is provided a discharge surface treatment method in which a carbon powder that is hardened by carbonization is compression-molded to form an electrode for electric discharge machining. The surface of the object to be processed is polished, and then the object to be processed is nitrided.
[0009]
According to a second aspect of the present invention, there is provided a discharge surface treatment method in which a metal powder that is carbonized and hardened is compression-molded to form an electrode for electric discharge machining. The surface of the object to be processed is subjected to electric discharge grinding, and then the object to be processed is nitrided.
[0010]
The discharge surface treatment method according to claim 3 is the discharge surface treatment method according to
[0011]
A discharge treatment method according to claim 4 is the discharge surface treatment method according to any one of
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The inventors of the present invention have been conducting an experiment in which an object to be treated is surface-treated by discharge in oil using a green compact electrode mainly composed of titanium hydride (TiH 2 ). A high hardness and high adhesion coating layer containing a large amount of titanium carbide (TiC) by bonding of carbon and titanium (Ti) is realized. The surface roughness is 6 μm Rz on cemented carbide and 9 (μm Rz) on steel such as steel, and the surface processed with a compacted electrode of tungsten carbide-cobalt (WC-Co) or a known surface roughness. The finished surface is considerably better than the sprayed surface. However, the finished surface roughness of about 1 μm Rz required for the cutting tool surface or the cold forging tool surface has not been reached.
[0013]
Therefore, the present invention is a combination of the grinding technique and the nitriding technique, and an embodiment thereof will be described below with reference to the drawings.
[0014]
First, a green compact electrode is formed by compression-molding a metal having a property of carbonizing and hardening, for example, a hydrogenated metal such as titanium hydride (TiH 2 ), and a steel material or tungsten carbide as a workpiece. A cemented carbide of a cauterized body of cobalt (WC-Co) or the like is subjected to electric discharge machining in a machining liquid in which carbon is decomposed by electric discharge, for example, oil, and the surface of the object to be processed is coated with a carbide of an electrode material. Thereafter, as illustrated in FIG. 1, the discharge treatment surface applied to the object to be processed is mechanically polished with, for example, a tool.
[0015]
That is, FIG. 1 illustrates a first embodiment of the present invention. In this figure,
Electrode: Green compact electrode polarity of titanium hydride (TiH 2 ): Negative discharge current value Ip: 8A
Pulse width Ton: 2 μs
Pause time Toff: 255 μs
Processing time: 5 min
Object to be treated: Tungsten carbide-cobalt (WC-Co) and special tool steel (SKD-11)
[0016]
Next, the
[0017]
Using the above apparatus, the base material was nitrided as follows. As a result of performing about 500 (° C.) and 10 (min) as the nitriding conditions, the finished surface roughness and the surface hardness were as shown in FIGS. In FIG. 3, the surface treated with the titanium hydride (TiH 2 ) green compact as seen from the left side, the surface treated with nitriding, and the surface treated with titanium hydride (TiH 2 ) green compact In addition, there is no change in roughness of the finished surface before and after the nitriding treatment. The base materials are tungsten carbide-cobalt (WC-Co) cemented carbide and steel (SKD11).
[0018]
As is clear from the hardness change before and after the nitriding treatment in FIG. 4, a titanium carbide (TiH 2 ) treated (unpolished) nitriding treatment was used to coat the cemented carbide and Vickers It can be seen that the hardness Hv1450 is changed to Vickers hardness Hv1700, and the steel material is changed from Vickers hardness Hv1050 to Vickers hardness Hv1300. Moreover, the hardness increase by nitriding treatment is certain.
[0019]
The hardness of the titanium hydride (TiH 2 ) treated surface was only polished and the cemented carbide was processed, the Vickers hardness Hv1450 was reduced to Vickers hardness Hv1300, and the Vickers hardness Hv1050 was reduced to Vickers hardness Hv500 for steel materials. . A material obtained by nitriding them is treated with a cemented carbide and has improved Vickers hardness Hv1450 and steel with Vickers hardness Hv950. This shows that the hardness is sufficiently higher than the base material hardness. However, the Vickers hardness is about Hv300 lower than that obtained by nitriding the coated and unpolished state. I imagined that this was because the part of the surface layer with a large amount of titanium (Ti) component and a small amount of titanium carbide (TiC) component was removed, but it was still covered with titanium hydride (TiH 2 ). Compared with hardness, it is not inferior. Therefore, the finished surface roughness is clearly improved, and it is expected that the wear resistance is high due to the increase in hardness due to nitriding.
[0020]
Next, the wear test will be described. Also in the results of the Ogoshi type pin disk wear test, the wear amount is much smaller than the discharge-treated surface by the compacted electrode of titanium hydride (TiH 2 ) and about 1/10 of that.
The conditions for the wear test are as follows.
Pin shape: 7.98 mmφ (0.5 cm 2 )
Pressing force: 0.5 kgf, so
Friction speed: 1 m / s: Disc material: SK-3
Atmosphere: Amount of wear in the air: Wear weight cemented carbide in 25 km running without discharge surface treatment: 2 mg
Discharge treatment of cemented carbide with titanium metal electrode: 0.7mg
Discharge treatment with powdered metal electrode of titanium hydride: 0.1mg
Compact powder electrode treatment of cemented carbide with titanium hydride → grinding → nitriding: about 0.01 mg that cannot be weighed finely.
In order to confirm whether the increase in hardness by the nitriding apparatus was due to the incorporation of nitrogen gas or simply due to heating, an in-air heat treatment was attempted under the same conditions (temperature: 500 ° C., atmospheric pressure) as the nitriding treatment. . As a result, it was confirmed that the hardness decreased. This is presumably because titanium carbide (TiC 3) or the like was oxidized and changed to spore titanium oxide (TiO), titanium oxide (TiO 2 ), or the like. That is, the lower than the base metal hardness is that the titanium carbide (TiC) + titanium (Ti) layer coated on the surface is oxidized and changed to titanium oxide (TiO 2 ), and there is no change in the base metal hardness. In both cases, a surface layer having a low hardness is formed.
[0022]
The first embodiment of the present invention is as described above. Next, the function and effect will be described.
First, the state of the surface generated when the discharge treatment surface is smoothed by mechanical polishing and then nitriding is performed will be described.
FIG. 5 shows a change in the hardness of a cross section from the surface of the base material to the inside of the coating layer when the base material is subjected to electric discharge machining in titanium with a compacted electrode of titanium (Ti 2). The surface was discharged in oil with a compacted electrode of titanium (Ti 2). In the figure, Vtic refers to titanium (Ti 2) combined with carbon (C) produced by oil decomposition to form titanium carbide (TiC 2), but titanium carbide (TiC) / titanium (Ti) discharge The volume ratio on the surface to be treated can be increased or decreased by controlling the discharge current pulse width, the discharge time, and the supply state of the oil as the working fluid. The Vickers hardness Hv is a value measured with a load of 0.01 kg (10 gr).
[0023]
Thus, the hardness of the base material surface is high, and the softening as it enters the inside means that titanium carbide (TiC) decreases and the proportion of titanium (Ti) increases as it enters the inside. . Therefore, polishing the surface of the base material with diamond abrasive grains smoothes the surface of the base material, but temporarily reduces the surface hardness.
[0024]
However, when nitriding is performed in that state, the remaining titanium (Ti 2) becomes titanium nitride (TiN), and titanium carbide (TiC) becomes nitrogenated titanium carbide (TiCN), as shown in FIG. The hardness increases again. As is clear from FIG. 3, the finished surface roughness is not changed by nitriding.
[0025]
Next, as shown in FIGS. 6A to 6D, the discharge electrical conditions (discharge current Ip = 7 A, pulse width Ton = 2 μs) are shown as cross-sectional profiles before and after polishing of the discharge treatment surface of the base material. A small discharge was performed for a short time.
In the case of this example (when it is desired to make the coating thin), the uneven portion of the treatment layer protrudes sufficiently more than the base material, but the valley portion penetrates inside the base material surface. There is. This is because the component titanium (Ti.sub.2) of the green compact electrode is indented into the base material because it has a working action when it hits the surface of the base material by electric discharge (therefore has high adhesion). This can also be seen from the fact that when the hardness of the base material is high (for example, cemented carbide), the depth of entering the base material is smaller than when the hardness is low (for example, steel material).
[0026]
Therefore, if the mechanical polishing is carried out to such an extent that it does not enter the base material from the surface of the discharge treatment, the discharge coating layer will remain, and as a proof of this, the mechanical polishing is performed to near the surface of the base material. As a result of the nitriding treatment, the surface hardness is sufficiently improved as can be seen from FIG.
[0027]
Next, the surface state by nitriding after the discharge surface treatment will be described. Nitriding the discharge treatment surface has the following important significance.
(1) It is widely known that tensile stress remains on the surface of the EDM surface due to melting and rapid cooling, and nitriding the base material after EDM not only increases the hardness. When the nitrogen enters, volume expansion is caused to reduce the tensile residual stress and, in some cases, shift to the compressive stress side. For this reason, wear resistance and the like increase.
(2) By nitriding cutting tools and plastic working molds that have been discharge-treated with a titanium (Ti 2) green compact electrode, the affinity with iron, which is the workpiece, is reduced, and wear due to adhesion is reduced. It has the effect of reducing and increasing the wear resistance.
(3) Further, as described above, since the surface roughness is not changed at all by nitriding, the finished surface roughness before nitriding is maintained. That is, the wear resistance can be improved under a good finished surface. (See Figure 3)
[0028]
Next, the structural concept of the surface of the base material nitrided after the discharge surface treatment and further nitrided will be described with reference to FIG.
The surface structure in the case where the discharge surface treatment layer cannot be sufficiently thick due to processing time restrictions, dimensional restrictions, etc., is not smooth as a whole, as shown in FIG. Smooth surface. This is not necessarily good if the finished surface roughness is measured, but if a low coefficient of friction is required or if wear resistance is required, it is a surface that can take a large load, and the recess is rather Since it acts as an oil groove for a lubricant such as oil, a good result is obtained.
[0029]
Next, when X-ray diffraction measurement and component analysis of the coating layer were tried, the surface of the nitrided surface after grinding the processed surface with a compacted electrode of titanium hydride (TiH 2 ) by X-ray analysis measurement. As a result of X-ray diffraction analysis, it was confirmed that nitrogenated titanium carbide (TiCN) and titanium nitride (TiN) were present.
[0030]
Embodiment 2. FIG.
In the first embodiment, the example in which the discharge treated surface of the base material subjected to the discharge treatment with the green compact electrode of titanium hydride (TiH 2 ) is polished with a round bar coated with diamond paste on the surface has been illustrated and described. Of course, any means may be used as long as it is a surface grinding combined with an electrochemical action such as mechanical polishing by manual motion, rotational motion, reciprocating motion, ultrasonic vibration or the like, or electrolytic grinding.
[0031]
Embodiment 3 FIG.
Next explained is the third embodiment of the invention. One of the uses of the present invention is a recoating process of an end mill or a drill coated with titanium nitride (TiN) or aluminum nitride [Ti (AlN)]. In that case, in order to remove the worn part, it is necessary to carry out a coating treatment after repolishing with a diamond wheel or the like. A discharge processing method that does not require re-polishing will be described.
[0032]
FIG. 8 shows the surface property of the base material when the surface coating layer by discharge is thickened. In the case of FIGS. 6a to 6d described above, the discharge current Ip = 7 A and the discharge pulse width Ton = 2 μs. However, in the case of FIG. 8, the discharge current Ip = 7 A and the discharge pulse width Ton = 16 μs. As can be seen from FIG. 8, since it can be easily coated to a thickness of 20 μm or more in about 10 minutes, a normal tool wear portion due to cutting can be repaired. If the discharge pulse width Ton is increased to about 32 μs, the thickness of about 100 μm is easily reached. In this case, the finished roughness becomes as rough as about 20 μm, but this is ground with a diamond wheel or the like to form a tool edge shape, and the finished surface roughness is also finished to about 1 μm Rmax necessary for a cutting tool surface. Thereafter, nitriding is performed.
[0033]
In this way, as long as the cutting tool is not significantly damaged, re-coating can be performed without causing re-polishing work and reducing the size of the cutting tool due to re-polishing. The reduction in the tool size due to re-polishing limits the number of re-polishing of the tool.
[0034]
FIG. 9 is a diagram showing a wear form of the cutting tool. In the case of re-polishing, it is necessary to remove even the part that becomes the base of the tool base material in order to remove the worn part, and the amount of grinding removal becomes remarkably large. If repair is made by embedding by discharge surface treatment, the amount of removal will be small and the number of times the tool will be used will increase significantly.
[0035]
In addition, as shown in FIG. 9, when the cutting tool is greatly worn, even if the discharge is performed with the green compact electrode from above, the discharge is performed only on the convex portion on the surface, and therefore only the convex portion is merely The shape correction may be difficult due to the high deposition. At that time, if the electrode is processed by applying a rotation or swing motion, the portion deposited on the convex portion is removed by discharging with the electrode moving from the lateral direction, and the concave portion is gradually buried. If the embedding is still inadequate, the green compact component is kneaded into an adhesive material such as Araldite and applied to the surface including the recesses, and then the green compact electrode or, in some cases, normal electrical discharge machining. If the discharge is performed with an electrode such as copper, graphite, or tungsten-silver used in the above, the finish surface roughness is not good, but embedding can be performed, and nitriding is performed thereon.
[0036]
This method can be used not only for correcting a damaged portion of a cutting tool but also for correcting a metal or a bearing portion, and can be applied to all industrial fields.
[0037]
Next, the blunting of the blade edge by the discharge process and the correction method will be described.
When performing discharge surface treatment on a sharp part such as a tool edge, the edge tends to be blunted. The reason is that it is processed with an electrode such as titanium hydride (TiH 2 ) green compact. However, since the sharp blade edge has a high potential gradient, the discharge concentrates there, so that it tends to slow down.
[0038]
The method of correcting blunting is to perform discharge coating to a thickness sufficient to contain the cutting edge, and then finish the shape and finished surface into a shape preferable for the cutting operation by polishing means, and then nitriding I do.
[0039]
Embodiment 4 FIG.
Although the nitriding apparatus is shown in FIG. 2, the following can be cited as other embodiments.
Like a soldering iron heating device, a coil is wound with nichrome wire, and a heating part such as an end mill or a drill is placed in the coil. If this is placed in a nitrogen atmosphere and energized, it can easily reach about 500-600 ° C. Since nitriding is performed at about 300 ° C. or higher, heating in a nichrome wire coil is sufficient.
[0040]
Alternatively, partial nitridation may be performed by irradiating laser light (which may be either CO 2 or YAG) while flowing nitrogen gas through the portion to be nitrided.
[0041]
Embodiment 5 FIG.
Next, a fifth embodiment will be described. This embodiment explains the production of titanium subnitride (Ti 2 N) by adjusting the nitrogen atmosphere. As shown in FIG. 10, the amount of wear of the cutting tool is titanium subnitride (TiN) rather than titanium nitride (TiN). 2 N) is known to be less. Therefore, even in the nitriding treatment, the use of a mixture of argon gas and nitrogen gas in order to reduce the partial pressure of nitrogen in the atmosphere resulted in the formation of titanium subnitride (Ti2N). Abrasion improved. The implementation condition was a volume ratio at atmospheric pressure, and argon gas: nitrogen gas = 70: 30.
[0042]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a metal powder that is carbonized and hardened is compression-molded to form an electrode for electric discharge machining. This is a combination of so-called cutting technology and nitriding technology, in which the surface of the treated body is polished or spark-ground, and then the object to be treated is nitrided. It is possible to obtain a finished surface roughness and to form a surface layer having tough wear resistance.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram for explaining a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic configuration diagram of a nitriding apparatus used in the first embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a diagram showing the measurement results of the surface roughness of the object to be processed when nitriding is performed according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a diagram showing the measurement results of the surface hardness of an object to be processed when nitriding is performed according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 5 shows a change in hardness of a cross section extending from the surface of an object to be processed to the inside of a coating layer in the surface treatment according to the first embodiment of the present invention.
FIGS. 6A and 6B are diagrams showing cross-sectional profiles before and after polishing of the discharge-treated surface in the surface treatment according to the first embodiment of the present invention. FIGS.
FIG. 7 is a view for explaining the structural concept of the surface of an object to be treated which is subjected to polishing after the discharge surface treatment in the surface treatment according to the first embodiment of the present invention and is then nitrided.
FIG. 8 is a view showing a treated surface property when the surface coating layer of the object to be treated is thickly attached in the surface treatment according to the third embodiment of the present invention.
FIG. 9 is a diagram showing a wear form of a cutting tool in the surface treatment according to the third embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a diagram showing the relationship between the hardness of a coating substance and the amount of wear in surface treatment according to a fifth embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
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