JP3627548B2 - 内燃機関の燃焼圧検出装置 - Google Patents

内燃機関の燃焼圧検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の燃焼圧検出装置に係り、特に、燃焼圧の他にノック信号とインジェクタ動作状態信号を検出する内燃機関の燃焼圧検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子技術の発達に伴って、内燃機関に対して様々な電子制御技術が用いられるようになっている。電子制御技術は、内燃機関の点火時期制御、ノック制御、燃料噴射制御、および、ダイアグノーシス等に適用されている。
ノック制御では、内燃機関内に設けられたノックセンサが検出するノックの程度に応じて点火時期や燃料噴射時期が調整される。例えば、ガソリンエンジンにおいて、ノックが検出された時には、ノック強度に応じた遅角が行われ、ノックなしの状態が続くとノック限界まで徐々に点火時期が進められる。ノック制御が適正に行われることにより、内燃機関の燃焼効率や出力性能の向上等が達成される。
【0003】
また、ダイアグノーシスでは、ECU(Electronic Control Unit) への入力信号に基づき、センサ、アクチュエータ等の故障の有無等が診断される。例えば、インジェクタに関するダイアグノーシスでは、インジェクタの動作状態を伝えるインジェクタ動作状態信号に基づき、インジェクタの動作や燃料噴射圧力値の正常性が診断される。
【0004】
また、燃料噴射制御方法として、従来より、内燃機関内のインジェクタやグロープラグ等の取付部に設けられた燃焼圧センサが発生させる信号に基づきシリンダ内の燃焼圧を検出し、シリンダ内の燃焼圧に応じてインジェクタが噴射する燃料の量を制御する方法が広く知られている。
例えば、特開平9−68082号には、ディーゼルエンジンが有するグロープラグのねじ込み式の取付部に、圧電素子からなる座金状の燃焼圧センサを設けた燃料噴射量制御装置が開示されている。
【0005】
この燃料噴射量制御装置を構成するコントロールユニットは、燃焼圧センサが検出する燃焼圧に基づきディーゼルエンジンの実トルクを算出し、更に、アクセル踏み込み量とエンジン回転数からディーゼルエンジンの要求トルクを算出する。そして、コントロールユニットは、算出したディーゼルエンジンの実トルクと要求トルクが等しくなるまで、インジェクタからの燃料噴射量を増減させる。このような燃料噴射量制御装置を備えたディーゼルエンジンでは、常に要求トルクを得ることができるので、運転性や燃費の向上、及び、排気ガスの低減等を図ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例の燃料噴射量制御装置では、燃焼圧センサが出力する信号に基づいたノック制御やインジェクタに関するダイアグノーシスを実現することができなかった。また、上記従来例の燃料噴射量制御装置の構成に加えて燃焼室近傍に新たにノックセンサ等の部品を設け、ノック制御やインジェクタに関するダイアグノーシスが可能な構成にすると、新たに設ける部品による燃焼室近傍の過密化を招くと共に、内燃機関の高コスト化や重量増につながってしまう。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、燃焼圧センサの出力信号に基づいて、燃焼圧の他、ノックの発生及びインジェクタ動作状態を検出することのできる内燃機関の燃焼圧検出装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、内燃機関内の燃焼圧に関する情報を含む信号を出力する燃焼圧センサと、
前記燃焼圧センサの出力信号から互いに異なる第1、第2及び第3の周波数成分をそれぞれ取り出す第1、第2及び第3のフィルタと、
前記第1の周波数成分に基づいて燃焼圧を検出する燃焼圧検出手段と、
前記第2の周波数成分に基づいてノックの発生を検出するノック検出手段と、
前記第3の周波数成分の電圧値に基づいてインジェクタの燃料噴射圧を検出するインジェクタ燃料噴射圧検出手段とを有する内燃機関の燃焼圧検出装置により達成される。
【0009】
一般に、燃焼圧センサの出力信号には、燃焼圧に応じた信号に、内燃機関のノックを示す信号及びインジェクタの動作状態を示す信号が重畳している。これらの信号は、互いに異なる周波数成分を有している。従って、本発明によれば、第1のフィルタが燃焼圧信号に対応する第1の周波数成分を取り出し、第2のフィルタがノック信号に対応する第2の周波数成分を取り出し、第3のフィルタがインジェクタ動作状態信号に対応する第3の周波数成分を取り出すことで、内燃機関内の燃焼圧、ノックの発生及びインジェクタの燃料噴射圧を検出することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、内燃機関1が備える燃焼圧検出装置の主な構成部を示す図である。内燃機関1は、4気筒ディーゼルエンジンである。
図1に示すように、内燃機関1は、内燃機関本体2を備えている。内燃機関本体2は、4つのシリンダ10、20、30、40を有する。シリンダ10、20、30、40内には、それぞれインジェクタ12、22、32、42とグロープラグ14、24、34、44が配設されている。
【0011】
インジェクタ12、22、32、42には、それぞれデリバリパイプ3を介して燃料ポンプ4が接続されている。また、燃料ポンプ4には、燃料供給パイプ5を介して低圧ポンプ6が接続されている。
低圧ポンプ6は、内燃機関1の運転時に燃料タンク7内に貯留されている燃料を汲み上げて、所定の圧力で燃料ポンプ4に燃料を供給する。燃料ポンプ4は、低圧ポンプ6から供給された燃料を昇圧して、内燃機関本体2側に圧送する。燃料ポンプ4によって圧送された高圧の燃料は、デリバリパイプ3を介してシリンダ10、20、30、40内のインジェクタ12、22、32、42に供給される。
【0012】
燃料ポンプ4、インジェクタ12、22、32、42及びグロープラグ14、24、34、44は、電子制御ユニット8(以下、ECU8と称す)に電気的に接続されている。また、ECU8には、回転数センサやアクセル開度センサ等、内燃機関1の運転状態を検出する種々のセンサ(図示せず)が接続されている。ECU8は、これらのセンサの出力信号に基づいて内燃機関1の運転状態を検出すると共に、検出した運転状態に応じて最適な燃料噴射圧を算出する。そして、ECU8は、算出した最適な燃料噴射圧とインジェクタ12、22、32、42から実際に噴射される燃料の噴射圧力とを比較して、燃料ポンプ4に対して駆動信号を供給する。燃料ポンプ4は、ECU8から供給される駆動信号に応じて、燃料の圧送量を増減させる。その結果、インジェクタ12、22、32、42から噴射される燃料の圧力は、内燃機関1の運転中、常にその運転に対して最適な圧力に維持される。
【0013】
また、ECU8は、インジェクタ12、22、32、42に駆動信号を供給する。インジェクタ12、22、32、42は、ECU8から駆動信号を供給されると、それらの先端に設けられている燃料噴射孔を開口させる。上述の如く、インジェクタ12、22、32、42には、燃料ポンプ4からデリバリパイプ3を介して高圧の燃料が供給されている。このため、インジェクタ12、22、32、42の燃料噴射孔が開口すると、その高圧の燃料がシリンダ10、20、30、40内に噴射される。
【0014】
また、ECU8は、グロープラグ14、24、34、44に駆動信号を供給する。グロープラグ14、24、34、44は、内燃機関1の始動時に、燃料の燃焼性を高めるべく燃焼室内を加熱する。ECU8は、内燃機関1のイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切り換えられた後、グロープラグ14、24、34、44に対して、所定時間にわたって所定の電流を流通させる。この電流によってグロープラグ14、24、34、44の先端内部に設けられた電熱線が発熱し、燃焼室が加熱される。燃料室が加熱されることによって燃料の着火性が向上する。また、シリンダ10が有するグロープラグ14の取付部には、後述するような燃焼圧センサが設けられている。
【0015】
次に、シリンダ10及びその周辺の構造について説明する。
図2は、内燃機関本体2が備えるシリンダ10及びその周辺の構造を示す図である。
図2に示すように、内燃機関本体2は、シリンダブロック50及びシリンダヘッド52により構成されている。シリンダブロック50の内部に設けられたシリンダ10には、ピストン54が配設されている。ピストン54は、シリンダ10の内部をその軸方向に往復運動する。ピストン54の周囲には、コンプレッションリング56、58とオイルリング60が装着されている。また、シリンダ10の内周面、ピストン54の上面、および、シリンダヘッド52の底面で囲まれた部分には、燃焼室62が形成されている。また、ピストン54の上部には、図2中に破線で示すように、円筒形の主燃焼室64が形成されている。主燃焼室64は、燃焼室62の一部を構成している。
【0016】
コンプレッションリング56、58は、シリンダ10の内周面とピストン54との間の隙間を塞ぐ。この結果、燃焼室62の気密性が高められている。また、オイルリング60は、ピストン54が下降する時に、シリンダ10の内周面に付着した余分な潤滑油をかき集め、かき集めた潤滑油を図示しないオイルパンに戻す。コンプレッションリング56、58、および、オイルリング60は、更に、ピストン54の熱をシリンダ10側に放熱する機能をも有している。
【0017】
シリンダヘッド52には、インジェクタ12が配設されている。インジェクタ12は、その先端部が燃焼室62に露出するように配設されている。インジェクタ12の先端部には、燃焼室62内に燃料を噴射するための燃料噴射孔66が設けられている。
シリンダヘッド52には、また、グロープラグ14が配設されている。グロープラグ14は、発熱部68及び軸部70を有する。グロープラグ14の軸部70は、発熱部68が燃焼室32に露出するようにシリンダヘッド52に嵌入されている。発熱部68には、供給される電力の大きさに応じた熱量を発生するニクロム線が内蔵されている。また、軸部70には、発熱部68内のニクロム線と電気的に接続された送電線が内蔵されている。
【0018】
シリンダヘッド52に対するグロープラグ14の取付部には、座金形状の燃焼圧センサ72が配設されている。この燃焼圧センサ72は、圧電素子で形成されており、ピエゾ抵抗効果によって圧電素子が検知する圧力に応じた信号を出力する。燃焼圧センサ72の出力信号は、互いに異なる所定の周波数を有する燃焼圧信号(約5kHz)とノック信号(約1〜3kHz)およびインジェクタ動作状態信号(約10kHz)を含む。そして、燃焼圧センサ72の出力信号はECU8に供給される。ECU8内では、燃焼圧センサ72の出力信号が後述するようなフィルタで処理されることによって、燃焼圧信号、ノック信号及びインジェクタ動作状態信号がそれぞれ別々に検出される。
【0019】
ECU8は、燃焼圧信号に基づき、燃焼室62内の燃焼圧を検出して、インジェクタ12から噴射させる燃料の量を調整する。また、ECU8は、ノック信号に基づき、ノックの発生の有無を検出して、インジェクタ12から燃料を噴射させる時期を調整する。更に、ECU8は、インジェクタ動作状態信号に基づき、インジェクタの動作や燃料噴射圧力値の正常性を診断する。
【0020】
なお、シリンダ20、30、40は、シリンダ10と同様の構成である。また、インジェクタ22、32、42は、インジェクタ12と同様の構成である。
図3は、ECU8内の回路構成の一部を示す図である。
図3に示すように、ECU8は、LPF(Low Pass Filter) 82、BPF(BandPass Filter) 84、HPF(High Pass Filter)86及びCPU(Central Processing Unit) 88等を有する。LPF82は、燃焼圧信号に対応する低周波数の信号を取り出すフィルタである。また、BPF84は、ノック信号に対応する周波数の信号を取り出すフィルタである。更に、HPF86は、インジェクタ動作状態信号に対応する周波数の信号を取り出すフィルタである。
【0021】
LPF82により取り出された燃焼圧信号は、CPU88に供給される。CPU88は、燃焼圧信号に基づき、燃焼室62内の燃焼圧を検出する。そして、CPU88は、検出した燃焼圧に基づき最適な燃料噴射量を算出して、インジェクタ12に算出した量の燃料を噴射させる。このようにしてECU8は、検出した燃焼圧に基づき内燃機関1のトルク変動許容限界ぎりぎりまで希薄な空燃比に制御することができる。希薄な空燃比に制御することによって、排出ガス中のNOxの低減化等が実現される。
【0022】
図4は、燃料を噴射させるためにECU8からインジェクタ12に与えられた噴射信号、および、BPF84の出力信号の時間変化を示す図である。図4において、インジェクタ12に噴射信号が与えられた後のBPF84の出力信号の波形は、所定の周波数(約2.5kHz)のノック信号が含まれていることを示す。
【0023】
上述の如く、BPF84は、ノック信号に対応する周波数の信号を取り出すフィルタである。このため、燃焼圧センサ72の出力信号に含まれるノック信号は、図4に示すようにBPF84によって取り出され、CPU88に供給される。CPU88は、ノック信号に基づき、燃焼室内62内におけるノックの発生を検出する。そして、CPU88は、検出したノック信号に基づき燃料噴射時期の最適な進角制御を行う。
【0024】
また、図2に示したように、燃焼圧センサ72は、シリンダヘッド52のシリンダ10直上に設けられている。このため、本実施例の燃焼圧検出装置によれば、シリンダ10で発生したノック信号を高精度に検出することができる。また、BPF84が処理する周波数域は、焼圧センサ72の出力信号が含むバルブの着座振動等のノイズ成分を除去できるように最適に設定されている。このため、ノック信号がより高精度に検出される。
【0025】
ノック信号が高精度に検出されると、燃料噴射時期の精度よい進角制御が可能となる。この結果、内燃機関1の出力をより効率良く取り出すことが可能となり、内燃機関1の出力効率の向上や燃費の低減等が実現する。
図5は、内燃機関1の運転の1サイクル中にインジェクタ12に与えられた噴射信号、HPF86の出力信号、および、燃焼室62内の燃焼圧の時間変化を示す図である。
【0026】
また、図6は、ECU8からインジェクタ12に与えられた噴射信号、インジェクタ12を流れる駆動電流、燃焼圧センサ72からHPF86に与えられた出力信号、および、燃焼室62内の燃焼圧の時間変化を示す図である。なお、図6に示す噴射信号の波形は、図5に示す噴射信号のピーク時付近の波形を拡大して示したものである。
【0027】
図6に示すように、インジェクタ12は、2度続けて燃料を噴射するパイロット噴射を行っている。これは、最初に少量の燃料を噴射した後に一度燃料噴射を中断し、最初の燃料が着火状態となったところで、本格的な主噴射を行うものである。これによって、主噴射時の燃料の燃焼が確実となり、ディーゼルノックが防止される。また、予混合燃焼が減少することによって排気ガス中のNOxが低減する。
【0028】
ところで、燃焼圧センサ72は、シリンダ10、20、30、40を有する内燃機関本体2に設けられている。このため、燃焼圧センサ72の出力信号には、シリンダ10、20、30、40にそれぞれ設けられたインジェクタ12、22、32、42の燃料噴射動作に伴って発生するインジェクタ動作状態信号が含まれる。ここで、HPF86は、インジェクタ動作状態信号に対応する周波数の信号を取り出すフィルタである。このため、燃焼圧センサ72の出力信号が含むインジェクタ動作状態信号は、HPF86によって取り出され、CPU88に供給される。図5における波形16、26、36、46は、それぞれインジェクタ12、22、32、42に対応するインジェクタ動作状態信号の波形を示す。ここで、図5に示すように、各インジェクタの動作状態信号の最大振幅値をVpとする。
【0029】
図7は、実験により明らかになったインジェクタ動作状態信号の電圧Vp[V]と、インジェクタから噴射される燃料の噴射圧P[MPa]との関係を示す図である。図7に示すように、一般に電圧Vpと噴射圧Pは、ほぼ比例関係にある。従って、CPU88は、インジェクタ12、22、32、42毎のインジェクタ動作状態信号の電圧Vpに基づき、インジェクタ12、22、32、42の実際の燃料噴射圧Pが所定の値に達しているか否かを判定するダイアグ判定処理を実行することができる。
【0030】
図8は、ECU8内のCPU88が実行するルーチンを示すフローチャートである。
図8に示すルーチンが起動されると、先ず、ステップ100において、シリンダ10内のインジェクタ12が燃料を噴射しているか否かが判別される。ステップ100の処理は、例えば、インジェクタ12、22、32、42の順に行われる。ステップ100での判別処理は、例えば、インジェクタ12に対して燃料噴射信号が与えられているか否か等に基づいて行われる。その結果、インジェクタ12が燃料を噴射していないと判断されるならば、次に、ステップ102の処理が実行される。一方、ステップ100において、インジェクタ12が燃料を噴射していると判断されるならば、次に、ステップ104の処理が実行される。
【0031】
ステップ102では、ダイアグ判定処理が未実施のインジェクタの有無が検索される。ステップ102において、ダイアグ判定処理が未実施のインジェクタが有る場合、ダイアグ判定処理が未実施のインジェクタについて、ステップ100の処理が実行される。一方、ダイアグ判定処理が未実施のインジェクタが無い場合、今回のルーチンは終了となる。
【0032】
ステップ104では、HPF86の出力信号に基づき、インジェクタ12の動作状態信号の電圧Vpが検出される。そして、ステップ104の処理が処理が終了すると、次に、ステップ106の処理が実行される。
ステップ106では、ステップ104で検出された電圧Vpに基づき、インジェクタ12の実際の燃料噴射圧Pに応じた補正電圧Vp’が算出される。かかる補正電圧Vp’は、インジェクタ12に対して予め設定された補正係数K1を電圧Vpに乗ずることによって算出される。同様に、インジェクタ22、32、42の補正電圧Vp’は、インジェクタ22、32、42に対してそれぞれ予め設定された補正係数K2、K3、K4を各インジェクタの電圧Vpに乗ずることによって算出される。このステップ106の処理が終了すると、次に、ステップ108の処理が実行される。
【0033】
ステップ108では、インジェクタ12が正常に動作しているか否かが判別される。かかる判別は、補正電圧Vp’と予め設定された動作判定値Kinjとの比較によって行われる。ステップ108において、Vp’>Kinjが不成立ならば、インジェクタ12の燃料噴射圧Pは非常に低く、インジェクタ12が正常に動作していないと判断され、続くステップ110において内燃機関1の運転が停止される。そして、今回のルーチンは終了となる。一方、ステップ108において、Vp’>Kinjが成立するならば、インジェクタ12は正常に動作していると判断され、次に、ステップ112の処理が実行される。
【0034】
ステップ112では、インジェクタ12の燃料噴射圧Pが正常であるか否かが判別される。かかる判別は、インジェクタ12の補正電圧Vp’と予め設定された噴射圧力判定値Kpとの比較によって行われる。
ステップ112において、Vp’>Kpが不成立ならば、インジェクタ12の噴射圧力Pが所定圧力に達してしない異常動作状態であると判断され、続くステップ110において内燃機関1の運転が停止される。そして、今回のルーチンは終了となる。一方、ステップ112において、Vp’>Kpが成立するならば、インジェクタ12は正常な圧力で燃料を噴射していると判断される。そして次に、例えば、インジェクタ22に関してステップ102の処理が実行される。
【0035】
上記のように、本発明の燃焼圧検出装置は、インジェクタ毎の補正係数K1、K2、K3、K4と、動作判定値Kiと、噴射圧力判定値Kpとを有する。そして、燃焼圧センサ72で検出したインジェクタ動作状態信号と、補正係数K1、K2、K3、K4と、動作判定値Ki及び噴射圧力判定値Kpに基づき、全てのインジェクタ12、22、32、42のダイアグ判定処理を実行することができる。このため、本燃焼圧検出装置では、燃焼圧センサ72を例えば、シリンダ10上に1つだけ配置すればよい。その結果、余分な部品を設けることによる燃焼室近傍の過密化が防止され、内燃機関1の低コスト化、軽量化も実現できる。
【0036】
なお、内燃機関1は、4気筒ディーゼルエンジンに限らず、例えば、6気筒ディーゼルエンジンでもよい。また、本発明の原理は、ディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジンに適用してもよい。本発明の燃焼圧検出装置をガソリンエンジンに適用した場合、6〜9kHz程度のBPF処理によって燃焼圧センサ72の出力信号からノック信号を検出することができる。
【0037】
上記実施例において、「燃焼圧信号」、「ノック信号」および「インジェクタ動作状態信号」がそれぞれ特許請求の範囲に記載の「第1の周波数成分」、「第2の周波数成分」および「第3の周波数成分」に対応する。また、「LPF82」、「BPF84」及び「HPF86」がそれぞれ特許請求の範囲に記載の「第1のフィルタ」、「第2のフィルタ」及び「第3のフィルタ」に対応する。また、LPF82の出力信号に基づきCPU88が燃焼圧を検出する処理が特許請求の範囲に記載の「燃焼圧検出手段」に対応し、BPF84の出力信号に基づきCPU88がノックの発生を検出する処理が特許請求の範囲に記載の「ノック検出手段」に対応し、HPF86の出力信号に基づきCPU88がインジェクタ動作状態信号を検出する処理が特許請求の範囲に記載の「インジェクタ動作状態検出手段」に対応する。
【0038】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1記載の発明によれば、センサ等の部品を新たに設けることによる燃焼室近傍の過密化や内燃機関の高コスト化および重量化を招かず、燃焼圧センサの出力信号に基づいて内燃機関の燃焼圧、ノックの発生およびインジェクタの燃料噴射圧を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃焼圧検出装置の主な構成部を示す図である。
【図2】内燃機関本体が備えるシリンダ及びその周辺の構造を示す図である。
【図3】ECU内の回路構成の一部を示す図である。
【図4】インジェクタに与えられた噴射信号およびBPFの出力信号の時間変化を示す図である。
【図5】内燃機関の運転の1サイクル中にインジェクタに与えられた噴射信号、HPFの出力信号及び燃焼室内の燃焼圧の時間変化を示す図である。
【図6】インジェクタに与えられる噴射信号、インジェクタに与えられる駆動電流、燃HPFの出力信号、および、燃焼室内の燃焼圧の時間変化を示す図である。
【図7】インジェクタ動作状態信号の電圧Vpとインジェクタから噴射される燃料の噴射圧Pとの関係を示す図である。
【図8】CPUが実行するルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 内燃機関本体
8 ECU
10、20、30、40 シリンダ
12、22、32、42 インジェクタ
14、24、34、44 グロープラグ
50 シリンダブロック
52 シリンダヘッド
62 燃焼室
72 燃焼圧センサ
82 LPF
84 BPF
86 HPF
88 CPU

Claims (3)

  1. 内燃機関内の燃焼圧に関する情報を含む信号を出力する燃焼圧センサと、
    前記燃焼圧センサの出力信号から互いに異なる第1、第2及び第3の周波数成分をそれぞれ取り出す第1、第2及び第3のフィルタと、
    前記第1の周波数成分に基づいて燃焼圧を検出する燃焼圧検出手段と、
    前記第2の周波数成分に基づいてノックの発生を検出するノック検出手段と、
    前記第3の周波数成分の電圧値に基づいてインジェクタの燃料噴射圧を検出するインジェクタ燃料噴射圧検出手段とを有することを特徴とする内燃機関の燃焼圧検出装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の燃焼圧検出装置において、
    前記第3の周波数成分の電圧値に基づいて前記インジェクタの燃料噴射動作における異常の有無を判断することを特徴とする内燃機関の燃焼圧検出装置。
  3. 複数のインジェクタを備える請求項1記載の内燃機関の燃焼圧検出装置において、
    前記第3の周波数成分の電圧値に基づいて前記各インジェクタの燃料噴射動作における異常の有無を判断することを特徴とする内燃機関の燃焼圧検出装置。
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