JP3626614B2 - 鋼帯のガスジェット熱処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は鋼帯をガスジェットにより加熱、冷却、あるいは乾燥を行う熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガスジェットを利用した熱処理装置のノズル部の代表的な構造として、吐出部の形状が丸型およびスリット型のものが用いられている。これらノズルから吐出したガスジェットは被加熱材、被冷却材または被乾燥材の表面に衝突し、淀み点を形成する。この淀み点周囲の流れを調べると、図8に示すようにノズル中心からの距離をx、ノズルと被冷却体との距離をhとしたとき、これらとノズル径dとの比x/d、h/dと乱れ強さとの関係を図7に示すが、h/dが小さいガスジェット中心部の乱れがガスジェット周辺部に比べて弱く、淀み点における熱伝達率の低下をきたすこととなる。そこで、この淀み点におけるガスジェットの乱れを増加させ熱伝達を向上させる手段として、実開昭61−40155号公報には、図9に示すように、ノズル1に乱流促進体として抵抗板3や螺旋状線6を設置することが記載されている。また、日本機械学会論文集B編248〜255頁や、日本伝熱シンポジウム1996、617〜618頁には、ノズルから離れた位置に円柱を置くことが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、円柱をノズルから離して設置する方法は、工業的に使用することは難しい。実開昭61−40155号公報記載のように、抵抗板3を交差状にするのでは、2〜8枚の抵抗板を交差状に入れるだけのノズル長さが必要であるため、制約が大きい。螺旋状線6もノズル内流れに回転方向の流れを加えるため、ガス流れには遠心力が作用しておりノズルから吐出するとすぐに拡散する流れとなってしまい、熱伝達率はかえって悪化する。また、いずれも圧力損失が増大し、送風動力が大きくなり、経済的に不利である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
鋼帯にガスを吹き付けて鋼帯を加熱、冷却、あるいは乾燥するガスジェット装置において、ガスを吐出するノズル内部にノズルの先端からノズル径の6倍以内の位置の中心部に柱状体をその投影面積が吐出部断面積に対して0.12以下となるように設置したことを特徴とする鋼帯のガスジェット熱処理装置、および、鋼帯にガスを吹き付けて鋼帯を加熱、冷却、あるいは乾燥するガスジェット装置において、ガスを吐出するノズル内部にノズルの先端からノズル径の6倍以内の位置の中心部分に抵抗板を板厚でノズル断面積の0.12以下、板長を、板長をノズル径で除した比が1以下となるように設置したことを特徴とする鋼帯のガスジェット熱処理装置である。
【0005】
また、鋼帯にガスを吹き付けて鋼帯を加熱、冷却、あるいは乾燥するガスジェット装置で、板に開口した円形あるいは多角形の孔で、ノズルを形成した装置において、ガスを吐出する円形あるいは多角形の開口部のガス出口側の中心部に柱状体をその投影面積が吐出部断面積に対して0.12以下となるように設置したことを特徴とする鋼帯のガスジェット熱処理装置、及び、鋼帯にガスを吹き付けて鋼帯を加熱、冷却、あるいは乾燥するガスジェット装置で、板に開口した円形あるいは多角形の孔で、ノズルを形成した装置において、ガスを吐出する円形あるいは多角形の開口部のガス入り口側の中心部に柱状体をその投影面積が吐出部断面積に対して0.12以下となるように設置したことを特徴とする鋼帯のガスジェット熱処理装置である。
【0006】
【発明の実施の形態】
前述の通り、乱れ強さはガスジェット周辺部では大きいが、ガスジェット中心部では小さくなっている。そこで、ガスジェット中心部の乱れを強めることが、ガスジェットの熱伝達率を高めることになる。
【0007】
本発明では、ガスジェット中心部の乱れ促進策として、図1に示すように、ノズル1の先端からノズル径の6倍以内の位置の中心部に柱状体2または抵抗板3を設置することにした。ノズル1の先端からノズル径の6倍以内の位置に柱状体2や抵抗板3を設置すると、図2(a)、(b)に示すように柱状体2や抵抗板3の後部に渦列が発達した乱流5が形成され、ガスジェット4の中心領域を乱すことが可能となる。
【0008】
ガスジェットの中心領域の理想的な乱し方は、図6に示すように球状体7をノズル1の先端からノズル径の6倍以内の位置の中心部にごく細い線状支柱8で設置することである。しかし、これでは長期の使用に耐え難いため、本発明では柱状体または抵抗板を用いた。
【0009】
以下に、この乱れ促進体である柱状体2または抵抗板3の設置条件の限定根拠について述べる。
【0010】
まず、柱状体2または抵抗板3の設置位置に関して述べる。流れの中心部を柱状体2または抵抗板3の乱れ促進体で乱した場合、下流に行くに従い、流れの乱れ強さは次第に拡散し、ついには乱れを加えないものと同じになってしまう。ここでは、ノズル内で乱れを加えているので、ノズル壁の影響も受けると考え、実験を行った結果、図11に示すように、柱状体2または抵抗板3の設置位置が、ノズル内のノズル先端からノズル径の6倍の位置までは、熱伝達率の向上が見られた。
【0011】
次に、柱状体2の投影面積がノズル断面積にしめる割合に関して述べる。柱状体2の断面積が増加するほど、柱状体の後部にできる渦列を伴った乱れ領域は広く、乱れ強さは増加する。しかし、投影面積が増加すればするほどノズルの圧力損失が増加し、動力の損失を招くことになる。そこで、柱状体2の投影面積がノズル断面積にしめる割合が熱伝達率の向上に与える影響を調査するべく実験を行った結果、図4に示すように、割合の増加に伴い、熱伝達率は向上し、0.12程度でほぼ飽和することが判明した。したがって、0.12以上に柱状体2の投影面積がノズル断面積にしめる割合を増加させても、熱伝達率の向上はあまり見られないにも関わらず、ノズルの圧力損失は増加するので、ここでは、面積割合を0.12以下に限定することとした。
【0012】
また、抵抗板3の板厚及び板長に関して述べる。抵抗板3の板厚すなわち、抵抗板3の投影面積がノズル断面積にしめる割合が増加するほど、抵抗板3の後部にできる渦列を伴った乱れ領域は広く、乱れ強さは増加する。抵抗板3の板長が伸びると、抵抗板に沿って流れの境界層が発生し、対抗板からその境界層が剥離する際に渦ができるので、板長が長く境界層が発達するほど抵抗板3の後部にできる渦列を伴った乱れ領域は広く、乱れ強さは増加する。ここで、抵抗板3の板厚すなわち、抵抗板3の投影面積がノズル断面積にしめる割合が増加することは、前述の柱状体2の投影面積がノズル断面積にしめる割合が増加する場合の効果と同じである。そこで、抵抗板3の板長が熱伝達率の向上に与える影響を調査するべく実験を行った結果、図5に示すように、抵抗板の長さをノズル径で除した比の増加に伴い熱伝達率は向上し、1程度でほぼ飽和することが判明した。したがって、抵抗板3の長さをノズル径で除した比を1以上に増加させても、熱伝達率の向上はあまり見られないにも関わらず、ノズルの圧力損失は増加するので、ここでは、抵抗板の長さをノズル径で除した比を1以下に限定することとした。また、板厚、すなわち、抵抗板3の投影面積がノズル断面積にしめる割合については、柱状体を用いた場合と同様0.12以下とした。
【0013】
また、鋼帯にガスを吹き付けて鋼帯を加熱、冷却、あるいは乾燥するガスジェット装置で、図10に示すように、板10に開口した円形あるいは多角形の孔で、ノズル1を形成した装置における、工業的に実施が容易なガスジェット中心部の乱れ促進策として、ガスを吐出する円形あるいは多角形の開口部の熱処理用ガス入り口側、あるいは出口側に柱状体2を設置することにした。ここに示したような板の厚みは、ノズル径の6倍以上となることはほとんどないため、ガスの入り口側に柱状体を設置することにより、流れの乱れを促進する熱伝達率の向上方法が有効となる。
【0014】
なお、柱状体2の断面形状は円形の他、多角形等でも良い。また、工業的に実施が容易な噴流中心部の乱れ促進方法として、図1(c)、(d)に示すような柱状体設置方法も考えられる。
【0015】
【実施例】
実施例として図1(a)、(b)に示すように柱状体2および抵抗体8を設置した単一ノズルからのガスジェットによる熱伝達特性を、高温の板を冷却した。冷却媒体としては空気を用いた。ノズル径は10.5mm、ノズルから吐出する空気流速は150m/s、ノズル先端〜被冷却体の距離は50mm、ノズル先端から柱状体及び抵抗板までの距離は40mmとした。
【0016】
結果を図3に示すが、ノズル中心直下で冷却時の熱伝達率が向上した。なお、この結果では、柱状体のほうが中心部の熱伝達率の向上度合いが大きかった。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、ガスジェットの中心部での乱れ促進により熱伝達率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスジジェット熱処理装置のノズルを示す図である。
【図2】ノズル先端でのガスジェットの流れ状況を示す図である。
【図3】ノズルの熱伝達特性を示す図である。
【図4】柱状体の投影面積のノズル断面積に対する割合とノズル直下での熱伝達率との関係を示す図である。
【図5】抵抗板の板長/ノズル径とノズル直下での熱伝達率との関係を示す図である。
【図6】ノズルを示す図である。
【図7】ノズルから吐出したガスジェットの乱れ強さを示す図である。
【図8】ノズルと被冷却体との位置関係を示す図である。
【図9】従来のノズルを示す図である。
【図10】本発明のガスジェット熱処理装置のノズルを示す図である。
【図11】柱状体のノズル先端からの位置とノズル直下での熱伝達率との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ノズル
2 柱状体
3 抵抗板
4 ガスジェット
5 乱流
6 螺旋状線
7 球状体
8 線状支柱
9 被冷却体
10 ノズル板
11 熱処理用ガスが流れる方向
Claims (4)
- 鋼帯にガスを吹き付けて鋼帯を加熱、冷却、あるいは乾燥するガスジェット熱処理装置において、ガスを吐出するノズル内部にノズルの先端からノズル径の6倍以内の位置の中心部に柱状体をその投影面積が吐出部断面積に対して0.12以下となるように設置したことを特徴とする鋼帯のガスジェット熱処理装置。
- 鋼帯にガスを吹き付けて鋼帯を加熱、冷却、あるいは乾燥するガスジェット熱処理装置において、ガスを吐出するノズル内部にノズルの先端からノズル径の6倍以内の位置の中心部分に抵抗板を板厚でノズル断面積の0.12以下、ノズル軸方向の板長を、板長をノズル径で除した比が1以下となるように設置したことを特徴とする鋼帯のガスジェット熱処理装置。
- 鋼帯にガスを吹き付けて鋼帯を加熱、冷却、あるいは乾燥するガスジェット熱処理装置において、板に開口した円形あるいは多角形の孔でノズルを形成するとともに、ガスを吐出する円形あるいは多角形の開口部のガス出口側の中心部に柱状体をその投影面積が吐出部断面積に対して0.12以下となるように設置したことを特徴とする鋼帯のガスジェット熱処理装置。
- 鋼帯にガスを吹き付けて鋼帯を加熱、冷却、あるいは乾燥するガスジェット熱処理装置において、板に開口した円形あるいは多角形の孔でノズルを形成するとともに、ガスを吐出する円形あるいは多角形の開口部のガス入り口側の中心部に柱状体をその投影面積が吐出部断面積に対して0.12以下となるように設置したことを特徴とする鋼帯のガスジェット熱処理装置。
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