JP3626301B2 - 個人識別装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人間の生態的特徴、特に眼球のアイリス(虹彩)を利用して個人を識別する個人識別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金融機関で自動取引装置により取引操作を行う場合、あるいはコンピュータ等により秘守性のあるデータにアクセスする場合、更には特定の人間のみが入れる施設等への入場の際等に、その資格の有無をチェックするための個人識別が行われる。
【0003】
この個人識別の技術として、現在種々のものが考えられ、あるいは実施されているが、その1つとして人間の眼球の一部であるアイリスを利用して個人を識別する技術がある。
このアイリスは幼児期に完成され、一生を通じて殆ど変化せず、また太る、痩せるという体格の変化の影響も受けにくいという特徴があるので、識別精度が高く、そのため将来的に多方面での応用が期待されている。
【0004】
図4はアイリスを利用した従来の一般的な個人識別装置を示す機能ブロック図である。
図において1は映像入力を行うカメラ(ビデオカメラ)、2はこのカメラ1で撮影された画像からアイリスを切り出す処理すなわち前処理を行う前処理部、3はこの前処理部2によって切り出されたアイリスの特徴を抽出してそのパターンをコード化する特徴抽出部で、4はこの特徴抽出部3から送られてくるアイリスパターンを照合辞書部5に登録してあるアイリスパターンとを照合して両者の間の類似度を求める照合部であり、ここで照合辞書部5には予め複数の人数分のアイリスパターンが貯えられている。
【0005】
17は照合部4によって算出された類似度から両アイリスパターンが同一人物のものか否かを判定する判定部である。
この構成において前処理部2,特徴抽出部3,照合部4,及び判定部17は、マイクロプロセッサや専用演算ハードウェアによって構成されるのが一般的であり、また照合辞書部5は、半導体メモリや磁気ディスク等で構成されるのが一般的である。
【0006】
次に、上述した構成の作用について説明する。
図5はアイリスパターンの登録モード時の処理手順を示すフローチャートであり、図6はアイリスパターンの識別モードの処理手順を示すフローチャートである。
まず、図5の登録モードについて、Sで示したステップに従って説明する。
【0007】
登録すべき者の上半身(例えば胸部から上)の映像がカメラ1により撮影される。つまり映像入力される(S1)。
次に、撮影された画像が前処理部2に送られて、この前処理部2で被識別者の画像から頭部の切り出し(頭部の位置の割り出し)が行われ(S2)、この頭部の画像から目の切り出し(目の位置の割り出し)(S3)、目の画像からアイリスを切り出す(アイリスの位置の割り出し)処理(S4)が前処理部2で行われる。
【0008】
この切り出されたアイリスの画像が特徴抽出部3に送られ、特徴抽出部3で照合に必要な特徴が抽出される(S5)。
具体的には、アイリスを必要な分析帯に分割したり、ガボールフィルタ等によりアイリスの濃度変化を抽出する等の特徴抽出が行われる。
そして、抽出されたアイリスの特徴は特徴抽出部3で正規化され(S6)、2値データとしてコード化されて(S7)、最終的に256バイト程度のアイリスコードがアイリスパターンとして生成される。
【0009】
このようにして生成されたアイリスパターンは、登録者名,ID番号,及び日付等の必要なデータが付加され、照合辞書部5に登録される(S8)。
次に、図6の識別モードについて、同じくSで示したステップに従って説明する。
尚、このモードにおいて前記にように照合辞書部5に複数の人のアイリスパターンが登録されているものとする。
【0010】
まず、被識別者の映像入力(S1)、頭部の切り出し(S2)、目の切り出し(S3)、アイリスの切り出し(S4)の各処理が前記登録時の場合と同様に前処理部2で順に行われた後、アイリスの特徴抽出(S5)、正規化(S6)、及びコード化(S7)の各処理が前記登録時の場合と同様に特徴抽出部3で行われてアイリスパターンが生成される。
【0011】
生成されたアイリスパターンは照合部4に送られ、照合部4ではこの特徴抽出部3から送られてきたアイリスパターンと照合辞書部5に登録されているアイリスパターンを照合(マッチング)演算し、類似度を求める(S8)。
この場合の照合演算では、ハミング距離などの距離値が類似度の尺度としてよく用いられる。
【0012】
この照合部4での照合により選択されたアイリスパターンの類似度(距離値)は判定部17に転送され、判定部17では送られてきた類似度を、実験や統計的手法によって予め求めた1つあるいは複数のしきい値と比較し、被識別者の画像から得られたアイリスパターンが、照合辞書部5の中の照合したアイリスパターンと同一人物のものかどうかの判定を行う(S9)。
【0013】
尚、この識別モードにおける照合処理では、照合用として照合辞書5に登録されているどの(誰の)コードを用いるか、あるいはいくつの(何人の)パターンを用いるかは、自由に選択できるようになっており、システムの仕様によって決定されるが、大別して次の2種類の形態が採用されている。
その1つは、被識別者の画像から得られたアイリスパターンに対して、照合辞書部5に登録されているアイリスパターンのうちの照合すべきパターンが判っている場合つまり1対1の照合であり、別の1つは、照合辞書部5に登録されているアイリスパターンのうちの照合すべきパターンが判らず、登録されている複数人のアイリスパターンの中から、最も確からしいアイリスパターンを選択する場合つまり1対nの照合である。
【0014】
1対1の照合の場合には、照合部4は、1つのアイリスパターンを用い類似度を算出し、その算出結果を判定部17に対して出力する。
この場合の判定では、類似度を1つあるいは複数のしきい値と比較し、被識別者の画像から得られたアイリスパターンが、照合したアイリスパターンとが同一人物のものであるか否かの識別を行う。
【0015】
1対nの照合の場合には、照合部4は照合辞書部5の中の複数のアイリスパターンを照合して照合演算を行い、その第1位あるいは上位m位(mは任意の値)の類似度を判定部17に送出する。
この場合、判定部17は第1位あるいは上位m位の類似度を1つあるいは複数のしきい値によって判定し、被識別者の画像から得られたアイリスパターンが、照合したどのアイリスパターンに最も類似しているか、あるいは充分に類似していないか等を調べて、被識別者の画像から得られたアイリスパターンと照合したアイリスパターンとが同一人物のものであるか否かの識別を行う。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したアイリス利用の個人識別装置では認識装置では、被識別者が撮影時にまばたきをしたり、髪の毛が目にかかる等のことによる映像の不安定さ、あるいは周囲の照明条件による映像取得の不安定さ等により、正確なアイリスのデータが得られない場合、確実な識別が困難になり、識別率が下がるという問題があった。
【0017】
このような問題を解決する上で、映像の安定化を得るために、被識別者に無理な姿勢を強いたり、周囲の照明条件に厳しい制限を加えたりすることは、ヒューマンインタフェース上好ましくなく、更に単純に認識率を上げるために、画素数の多いカメラを使うと、処理量の増加、装置の大型化、高価格化、消費電力の増加などが避けられなくなり、現実的でないものとなる。
【0018】
従って、本願発明の課題は、被識別者に無理な姿勢を強いたり、周囲の照明条件に厳しい制限を加えたりすることなく、かつ画素数の多いカメラを使用することなく、確実な識別が可能で、高い識別率が得られる個人識別装置を実現することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は、カメラで撮影した被識別者の画像からアイリス認識部及び顔貌認識部でアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンを得ると共に、予め登録されているアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンと照合してそれぞれの類似度を求め、かつアイリス認識部及び顔貌認識部のいずれか一方で、前記類似度に基づいて前記被識別者の画像から得たアイリスパタ−ンと顔貌パタ−ンの一方のパターンが照合したパターンと同一人物のものまたは他人のものと確信できたときはアイリス認識部及び顔貌認識部の一方が他方パターンの処理動作を中止させ、アイリスパタ−ンと顔貌パタ−ンの両方が、同一人物のものとも他人のものとも確信できないときは、アイリスパタ−ンの類似度と顔貌パタ−ンの類似度を類似度結合で結合して、その結合結果に基づいて前記被識別者の画像から得たアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンが照合に用いたアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンと同一人物のものか否かを総合判定部で判定することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明による個人識別装置の第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
この個人識別装置は、人物の撮影を行うカメラ1、アイリス認識部7、顔貌認識部13、カメラ出力分配部14、類似度結合部15、及び総合判定部16により構成されている。
【0021】
ここで、カメラ出力分配部14はカメラ1からの出力を受け、その出力をアイリス認識部7と顔貌認識部13にそれぞれ送出するものとなっている。
アイリス認識部7は、前処理部2、特徴抽出部3、照合部4、照合辞書部5、及びアイリス認識制御部6から成り、また顔貌認識部13も、前処理部8、特徴抽出部9、照合部10、照合辞書部11、及び顔貌認識制御部12によって構成されている。
【0022】
アイリス認識部7における2〜5の各構成要素は図4に示した従来の装置の構成要素と同一のもので、アイリス認識制御部6は照合部4から処理終了信号及びアイリスパターンの類似度を受け、識別時に撮影された被識別者のアイリスパターンが登録されたアイリスパターンと同じまたは違うのいずれかの確信が持てたとき顔貌認識制御部12に処理を中止する信号を出力すると同時に類似度結合部15に前記の確信が持てたという確信信号を出力する機能を有し、かつ顔貌認識制御部12から処理を中止する信号を受けたときは、前処理部2、特徴抽出部9及び照合部10の動作を停止させる制御を行うものとなっている。
【0023】
一方、顔貌認識部13における8〜12の各構成要素はアイリス認識部7における構成要素2〜5のものに相当し、そして顔貌認識制御部12は照合部10から処理終了信号および顔貌認識の類似度を受け、識別時に撮影された被識別者の顔貌パターンが登録された顔貌パターンと同じまたは違うのいずれかの確信が持てたときアイリス認識制御部6に処理を中止する信号を出力すると同時に類似度結合部15に前記の確信が持てたという確信信号を出力する機能を有し、アイリス認識制御部7から処理を中止する信号を受けたときは、前処理部8、特徴抽出部9及び照合部10の動作を停止させる制御を行うものとなっている。
【0024】
また、類似度結合部15はアイリス認識部7のアイリス認識制御部6及び顔貌認識部13の顔貌認識制御部12からそれぞれの類似度及び確信信号を受け、必要に応じて総合類似度を算出して総合判定部6に送出するものとなっており、総合判定部16は類似度結合部15から送られてくる総合類似度により被識別者のアイリスパターン及び顔貌パターンがアイリス認識部12の照合辞書部5及び顔貌認識部13の照合辞書部10に登録されているパターンと同一人物のものかどうかを判定して、その判定結果を出力するものとなっている。
【0025】
次に、このような構成による装置の作用について説明すると、この装置は、登録モードと識別モードの2つのモードで動作する。
まず、登録モードについて説明する。
登録すべき者(登録者)の上半身(例えば胸部から上の部分)の映像がカメラ1により撮影、つまり映像入力される。
【0026】
このカメラ1の出力はカメラ出力分配部14に送られ、このカメラ出力分配部14によりカメラ1で撮影された画像がアイリス認識部7及び顔貌認識部13のそれぞれの前処理部2及び8に分配される。
アイリス認識部7では、頭部の切り出し、目の切り出し、及びアイリスの切り出し、アイリスの特徴抽出、正規化、及びコード化の各処理が従来と同様に前処理部2及び特徴抽出部3により行われてアイリスパターンが照合辞書部5に登録される。
【0027】
一方、顔貌認識部13では、前処理部8がカメラ出力分配部14から送られてきた登録者の画像から顔の輪郭を検出し、その輪郭から目、鼻、及び口等の顔特有の特徴を示す領域の検出、更にこれらの相対関係等を検出して、検出した顔画像の特徴を特徴抽出部9に送る。
特徴抽出部9では、前処理部8から入力された顔画像の特徴を正規化し、コード化して顔貌パターンを生成する。
【0028】
このようにして生成された顔貌パターンは、登録者名,ID番号,及び日付等の必要なデータが付加され、照合辞書部11に登録される。
尚、アイリスパターンと顔貌パターンは、前記のようにそれぞれ照合辞書5,11に登録されるので、この両パターンは互いにリンクさせる必要があるが、リンクのためのデータとしては登録者名やID番号を利用することができる。
【0029】
また、上述したアイリス認識部7での処理と顔貌認識部13での処理は並行して行われる。
次に、識別モードについて説明する。
尚、このモードにおいて前記にように照合辞書部5,11にはそれぞれ複数人数人のアイリスパターン及び顔貌パターンが登録されているものとする。
【0030】
まず、識別される者(被識別者)の上半身(例えば胸部から上の部分)の映像がカメラ1により撮影、つまり映像入力される。
このカメラ1の出力はカメラ出力分配部14に送られ、このカメラ出力分配部14によりカメラ1で撮影された画像がアイリス認識部7及び画像認識部13のそれぞれの前処理部2及び8に分配される。
【0031】
ここで、アイリス認識部7では、頭部の切り出し、目の切り出し、アイリスの切り出し、アイリスの特徴抽出、正規化、及びコード化の各処理が従来と同様に前処理部2及び特徴抽出部3により行われ、この特徴抽出部3で生成されたアイリスパターンは照合部4に送られる。
照合部4ではこの特徴抽出部3から送られてきたアイリスパターンと照合辞書部5に登録されているアイリスパターンを照合(マッチング)演算し、従来と同様に類似度を求めて、その結果をアイリス認識制御部6に対して出力する。
【0032】
アイリス認識制御部6では照合部からの類似度により、被識別者の画像から得られたアイリスパターンが照合辞書部5の中の照合したアイリスパターンと同一人物のものかどうかを判定する。
被識別者の画像から得られたアイリスパターンが、照合辞書部5の中の照合したアイリスパターンと同一人物のものであると確信が持てる場合について説明する。
【0033】
照合部4が出力する類似度をR、アイリスパターンと同一人物のものであると確信が持てるしきい値をTRUEとすると、以下の式により計算する。
<TRUE
この場合、確かに同一人物のものであると判定する。
このように確かに同一人物のものである判定できた場合、アイリス認識制御部6は顔貌認識部13の顔貌認識制御部12に対して処理を終了する信号を出力すると同時に、類似度結合部15に対して被識別者の画像から得られたアイリスパターンが照合辞書部5の中の照合したアイリスパターンと同一人物のものであることを意味する確信信号と類似度Rを出力する。
【0034】
この場合、アイリス認識制御部6より処理を終了する信号を受けた顔貌認識制御部12は、顔貌認識部13の前処理部8、特徴抽出部9、及び照合部10が動作中であれば、その動作を停止させる。
次に、被識別者の画像から得られたアイリスパターンが照合辞書部5の中の照合したアイリスパターンと同一人物のものでないつまり他人のものであると確信が持てる場合について説明する。
【0035】
照合部4の出力する類似度R、アイリスパターンが他人のものであると確信が持てるしきい値をFAULEとすると以下の式により計算する。
>FAULSE
この場合、確かに他人のものであると判定する。
このように確かに他人のものであると判定できた場合、アイリス認識制御部7は顔貌認識制御部12に対して処理を終了する信号を出力すると同時に、類似度結合部5に対して、被識別者の画像から得られたアイリスパターンが照合辞書部5の中の照合したアイリスパターンと確かに他人のものであることを意味する確信信号と類似度Rを出力する。
【0036】
この場合、アイリス認識制御部6より処理を終了する信号を受けた顔貌認識制御部12は、顔貌認識部13が処理動作中であれば、その動作を停止させる。
被識別者の画像から得られたアイリスパターンが照合辞書部4の中の照合したアイリスパターンと同一人物のものであると確信が持てず、また他人のものであるとも確信が持てない場合は、その旨の信号を照合部4が出力した類似度Rと共に類似度結合部15に出力する。
【0037】
一方、顔貌認識部13は、カメラ1で撮影された画像がカメラ出力分配部14により送られてくると、前処理部8で被識別者の顔の輪郭の検出、目、鼻、口などの顔特有の特徴を示す領域の検出、およびその相対関係等の検出を行い、顔画像の特徴を特徴抽出部9に出力する。
特徴抽出部9は前処理部8から送られてきた顔画像の特徴を正規化し、コード化して、その顔貌パターンを照合部10に送り、照合部10はその顔貌パターンを照合辞書部11に登録されている顔貌パターンと照合,演算して、類似度を求める。
【0038】
この照合,演算には、距離尺度等が使用される。
照合部10によって算出された類似度(距離値)は顔貌認識制御部12に送られ、顔貌認識制御部12は照合部10からの類似度により、被識別者の画像から得られた顔貌パターンが照合辞書部11の中の照合した顔貌パターンと同一人物のものかどうかを判定する。
【0039】
被識別者の画像から得られた顔貌パターンが照合辞書部11の中の照合した顔貌パターンと同一人物のものであると確信が持てる場合について説明する。
照合部10の出力する類似度をR、顔貌認識部3の確かに確かに同一人物のものであると確信が持てるしきい値をTRUEfとすると以下の式により計算する。
【0040】
<TRUE
この場合、確かに同一人物のものであると判定する。
このように確かに同一人物のものであると判定できた場合、顔貌認識制御部12はアイリス認識部7のアイリス認識制御部6に対して処理を終了する信号を出力すると同時に、類似度結合部15に対して被識別者の画像から得られた顔貌パターンが照合辞書部11の中の照合した顔貌パターンと同一人物のものであることを意味する確信信号と類似度Rを出力する。
【0041】
この場合、顔貌認識制御部12により処理を終了する信号を受けたアイリス認識制御部6は、アイリス認識部7の前処理部2、特徴抽出部3、及び照合部4が動作中であれば、その動作を停止させる。
次に、被識別者の画像から得られた顔貌パターンが照合辞書部11の中の照合した顔貌パターンと同一人物のものでないつまり他人のものであると確信が持てる場合について説明する。
【0042】
照合部10の出力する類似度D、顔貌パターンが他人のものであると確信が持てるしきい値をFAULEfとすると以下の式により計算する。
>FAULSEf
この場合、確かに他人であると判定する。
このように確かに他人であると判定できた場合、顔貌認識制御部12はアイリス認識部7のアイリス認識制御部6に対して処理を終了する信号を出力すると同時に、類似度結合部15に対して、被識別者の画像から得られた顔貌パターンが確かに他人のものであることを意味する確信信号と類似度Rを出力する。
【0043】
この場合、顔貌認識制御部12より処理を終了する信号を受けたアイリス認識制御部6はアイリス認識部7が処理動作中であれば、その動作を停止させる。
尚、上述したアイリス認識部7と顔貌認識部13での照合に用いられる照合辞書部5,11のアイリスパターンと顔貌パターンは必ず同一人物のパターンが使用されるように制御する。
【0044】
被識別者の画像から得られた顔貌パターンが照合辞書部11の中の照合した顔貌パターンと同一人物のものであると確信が持てず、また他人のものであるとも確信が持てない場合は、その旨の信号を照合部10が出力した類似度Dと共に類似度結合部15に出力する。
アイリス認識部7のアイリス認識制御部6と顔貌認識部13の顔貌認識制御部12から各々の類似度と確かに同一人物のものである確信信号または確かに他人である確信信号、あるいはどちらでもないという信号を受け取った類似度結合部15は以下のように動作する。
【0045】
すなわち、類似度結合部15はアイリス認識制御部6と顔貌認識制御部12のどちらかから確かに同一人物のものである確信信号または確かに他人である確信信号が出力された場合は、その送られてきた信号をそのまま総合判定部16に出力する。
どちらでもないという信号を受け取った場合は、以下の(1)式により2つの類似度を結合した総合類似度を算出する。
【0046】
T=k*R+(1−k)*R ・・・・・・ (1)式
ここで、T:総合類似度、R:アイリスによる類似度、R:顔貌による類似度、k:定数(1>k)であり、この定数kは実験や統計的手法により適切な値を決定する。
この類似度結合部15で算出された総合類似度Tは総合判定部16に送出される。
【0047】
総合判定部16は、確かに同一人物のものである確信信号を受け取った場合、それを判定結果として出力する。
また、確かに他人である確信信号を受け取った場合も、それを判定結果として出力する。
総合判定部16は前記総合類似度Tを1つあるいは複数のしきい値と比較し、被識別者の画像から得られたアイリスパターン及び顔貌パターンが、照合辞書部5,11の中の照合したアイリスパターン及び顔貌パターンと同一人物のものかどうかを判定し、判定結果を出力する。
【0048】
上述した識別モードにおける照合処理では、次の2種類の形態が採用される。その1つは、被識別者の画像から得られたアイリスパターン及び顔貌パターンに対して、照合辞書部5及び11に登録されているアイリスパターン及び顔貌パターンのうちの照合すべきそれぞれパターンが判っている場合つまり1対1の照合であり、別の1つは、照合辞書部5,11に登録されているアイリスパターン及び顔貌パターンのうちの照合すべきパターンが判らず、登録されている複数のスパターンの中から最も確からしいアイリスパターン及び顔貌パターンを選択する場合つまり1対nの照合である。
【0049】
1対1の照合の場合には、照合部4及び10はそれぞれ1つのアイリスパターン及び顔貌パターンを用いて類似度を算出し、それをアイリス認識制御部6及び顔貌認識制御部12に対して出力する。
1対nの照合の場合には、照合部4及び10は照合辞書部5及び11の中のそれぞれ複数のアイリスパターン及び顔貌パターンを用いて照合演算を行い、その第1位あるいは上位m位(mは任意の値)の類似度をアイリス認識制御部6及び顔貌認識制御部12に対して送出する。
【0050】
この場合、それぞれの照合部4及び10から受け取った第1位あるいは上位m位の類似度が同一人物のものでないことがありうるが、その場合にはアイリス認識制御部6及び顔貌認識制御部12が充分確からしくないとして類似度結合部15に通知することによって、総合判定部16で被識別者の画像から得られたアイリスパターン及び顔貌パターンが、照合に用いたアイリスパターン及び顔貌パターンと同一人物のものでないと判定することができる。
【0051】
以上説明した第1の実施の形態によれば、アイリス認識に加えて顔貌認識を行い、個人特定の識別を両認識の類似度を用いることによって行っているため、被識別者に無理な姿勢を強いたり、周囲の照明条件に厳しい制限を加えたりすることなく、かつ画素数の多いカメラを使用することなく、確実な識別が可能で、高い識別率を得ることができる。
【0052】
また、アイリス認識部及び顔貌認識部に、それぞれのブロックを制御するための顔貌認識制御部およびアイリス認識制御部を設け、その一方の認識制御部により被識別者の画像から得られたアイリスパターンまたは顔貌パターンが、照合に用いたアイリスパターン及び顔貌パターンと確かに同一人物のものである、または確かに他人のものであると確信できた場合には、他方の処理を停止させるようにしているため、処理の高速化を図ることができると共に、消費電力を低く抑えることができる。
【0053】
図2は第2の実施の形態を示すブロック図である。
この実施の形態は、アイリス認識部7を、前処理部2、特徴抽出部3、照合部4、及び照合辞書部5で構成し、また顔貌認識部13も、前処理部8、特徴抽出部9、照合部10、及び照合辞書部11で構成すると共に、このアイリス認識部7の前処理部2及び照合部4と顔貌認識部13の照合部10に接続した認識制御部17を設けて、この認識制御部17を類似度結合部15に接続したもので、カメラ1の出力がカメラ出力分配部14によりはアイリス認識部7と顔貌認識部13のそれぞれの前処理部2,8に送られる構成、類似度結合部15の出力が総合判定部16に送られる構成は第1の実施の形態と同じである。
【0054】
この第2の実施の形態で用いられる認識制御部17は、顔貌認識部13の照合部10が出力する顔貌パターンの類似度を受け、被識別者の画像から得られた顔貌パターンが照合した顔貌パターンと確かに同一人物のものである、あるいは確かに他人のものであると確信が持てたときアイリス認識部7は動作させず、確かに同一人物のものである、あるいは確かに他人のものであるかの確信信号および顔貌認識部の類似度を類似度結合部5に出力し、また、被識別者の画像から得られた顔貌パターンが照合した顔貌パターンと確かに同一人物のものであるか、あるいは確かに他人のものであるか確信が持てないときはアイリス認識部7の前処理部2に起動をかけてアイリス認識部4を動作させるよう制御するもので、アイリス認識部7の照合部4はアイリスパターンの類似度を認識制御部17に出力するものとなっている。
【0055】
この実施の形態も、登録モードと識別モードの2つのモードで動作するが、登録モードは第1の実施の形態と同様に行われるのでその説明を省略し、ここでは識別モードについてのみ説明する。
まず、識別される者(被識別者)の上半身(例えば胸部から上の部分)の映像がカメラ1により撮影、つまり映像入力される。
【0056】
顔貌認識部13は、カメラ1で撮影された画像がカメラ出力分配部14により送られてくると、前処理部8で被識別者の顔の輪郭の検出、目、鼻、口などの顔特有の特徴を示す領域の検出、およびその相対関係等の検出を行い、顔画像の特徴を特徴抽出部9に出力する。
特徴抽出部9は前処理部8から送られてきた顔画像の特徴を正規化し、コード化して、その顔貌パターンを照合部10に送り、照合部10はその顔貌パターンを照合辞書部11に登録されている顔貌パターンと照合,演算して、類似度を求める。
【0057】
この照合,演算には、距離尺度等が使用される。
照合部10によって算出された類似度(距離値)は認識制御部17に送られ、認識制御部17は照合部10からの類似度により、被識別者の画像から得られた顔貌パターンが照合辞書部11の中の照合した顔貌パターンと同一人物のものかどうかを判定する。
【0058】
この場合の判定は、第1の実施例において顔貌認識制御部12が行った場合と同様に、
<TRUEと、R>FAULSEf
の式が用いられ、これによって被識別者の画像から得られた顔貌パターンが照合辞書部11の中の照合した顔貌パターンと確かに同一人物のものであると判定できた場合、認識制御部17はアイリス認識部7の処理を実行させず、類似度結合部15に対して、顔貌パターンが確かに同一人物のものであることを意味する確信信号と類似度Rを出力する。
【0059】
また、被識別者の画像から得られた顔貌パターンが照合辞書部11の中の照合した顔貌パターンと確かに他人のものであると判定できた場合も、認識制御部17はアイリス認識部7の処理を実行させず、類似度結合部15に対して顔貌パターンが確かに他人のものであることを意味する確信信号と類似度Rを出力する。
【0060】
一方、被識別者の画像から得られた顔貌パターンが照合辞書部11の中の照合した顔貌パターンと同一人物のものであると確信が持てず、また他人のものであるとも確信が持てない場合、認識制御部17はアイリス認識部7の前処理部2に起動をかけ、これによりアイリス認識部7で前処理部2による処理及び特徴抽出部9によるアイリスパターンの生成及び照合部10による照合が第1の実施の形態と同様の手順で行われ、その照合部10での照合結果である類似度が認識制御部17に送られる。
【0061】
認識制御部17ではこの類似度を受け、第1の実施例においてアイリス認識制御部12が行った場合と同様に、
<TRUEと、R>FAULSE
の式が用いられ、これによって被識別者の画像から得られたアイリスパターンが照合辞書部5の中の照合したアイリスパターンと確かに同一人物のものであると判定できた場合、認識制御部17は類似度結合部15に対して、アイリスパターンが確かに同一人物のものであることを意味する確信信号と類似度Rを出力する。
【0062】
また、被識別者の画像から得られたアイリスパターンが照合辞書部5の中の照合したアイリスパターンと確かに他人のものであると判定できた場合も、認識制御部17は類似度結合部15に対してアイリスパターンが確かに他人のものであることを意味する確信信号と類似度Rを出力する。
尚、上述したアイリス認識部7と顔貌認識部13での照合に用いられる照合辞書部5,11のアイリスパターンと顔貌パターンは必ず同一人物のパターンが使用されるように制御する。
【0063】
被識別者の画像から得られたアイリスパターンが照合辞書部5の中の照合したアイリスパターンと同一人物のものであると確信が持てず、また他人のものであるとも確信が持てない場合は、その旨の信号を照合部10が出力した類似度Dと共に類似度結合部15に出力する。
以下、類似度結合部15と総合判定部16では第1の実施の形態と同様の処理が行われ、総合判定部16により判定結果が出力される。
【0064】
尚、この第2の実施の形態における照合処理でも、1対1または1対nの照合のどちらか行われることは第1の実施の形態と同様である。
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態同様にアイリス認識に加えて顔貌認識を行い、個人特定の識別を両認識の類似度を用いることによって行っているため、被識別者に無理な姿勢を強いたり、周囲の照明条件に厳しい制限を加えたりすることなく、かつ画素数の多いカメラを使用することなく、確実な識別が可能で、高い識別率を得ることができる。
【0065】
また、この第2の実施の形態では、顔貌認識部とアイリス認識部をシリアルに制御するための認識制御部を設け、処理の速い顔貌認識部において被識別者の画像から得られた顔貌パターンが照合辞書部11の中の照合した顔貌パターンと確かに同一人物のものであると確信できた場合や確かに他人のものであると確信できた場合には、アイリス認識部を動作させないように制御するようにしているため、顔貌認識とアイリス認識の両方の類似度を用いる場合に比べ、より高速に処理することが可能となるほか、消費電力もより低く抑えることができる。
【0066】
図3は第3の実施の形態を示すブロック図である。
この実施の形態は、アイリス認識部7を、前処理部2、特徴抽出部3、照合部4、及び照合辞書部5で構成するが、顔貌認識部13には、前処理部8、特徴抽出部9、照合部10、及び照合辞書部11に加えて、前処理部8と特徴抽出部9の間に顔貌判定部18を設け、更にこの顔貌判定部18に及びアイリス認識部7と顔貌認識部13のそれぞれの前処理部2,8に接続した認識制御部19を設けると共に、この認識制御部19にスピーカ部20を接続し、かつアイリス認識部7と顔貌認識部13の照合部4,10を類似度結合部15に接続したもので、カメラ1の出力がカメラ出力分配部14によりアイリス認識部7と顔貌認識部13のそれぞれの前処理部2,8に送られる構成、類似度結合部15の出力が総合判定部16に送られる構成は第1の実施の形態と同じである。
【0067】
但し、顔貌認識部13の前処理部8は、顔の輪郭の検出、目、鼻、口などの顔特有の特徴を示す領域の検出を行うばかりでなく、めがね、サングラス、帽子、アクセサリー等の着用物および顔の向き等も検出し、顔貌判定部18は前処理部8からの出力結果に基づいてアイリスパターンの生成にとって登録者や被識別者の画像が不充分であると判断した場合は認識制御部19に通知する。
【0068】
また、認識制御部19は顔貌判定部18からの通知を受けてスピーカ部20に適当なメッセージを出力させ、再びアイリス認識部7及び顔貌認識部13の前処理部2,8に起動をかけ、アイリスパターン及び顔貌パターンの生成、照合処理を実行させるよう制御する。
この実施の形態も、登録モードと識別モードの2つのモードで動作し、両モードにおいてアイリスパターン及び顔貌パターンの登録あるいは照合までの基本的な処理は第2の実施の形態と同様に行われるが、以下の技術が第2の実施の形態と異なっている。
【0069】
すなわち、登録モードにおいては、カメラ1による映像入力後、カメラ出力分配部14により、顔貌認識部13の前処理部8に画像が送られると、この前処理部8が登録者の顔の輪郭の検出、目、鼻、口などの顔特有の特徴を示す領域の検出の他、めがね、サングラス、帽子、アクセサリー等の着用および顔の向きも検出し、その検出結果を顔貌判定部18に送る。
【0070】
顔貌判定部18は前処理部8からの出力結果に基づいてアイリスパターンの生成にとって登録者の画像が不充分であるか否かを判断する。
ここで、アイリスパターンの生成にとって登録者の画像が不充分な場合とは、例えば、登録者が濃い色のサングラスをかけていて、画像からアイリスの取得ができなくなることを指し、この場合そのまま処理を進めれば当然アイリス認識部7の前処理部2でアイリスの切り出し不可能となり、撮影画像は無効とされてしまうことになる。
【0071】
そこで顔貌判定部18は、前処理部8からの出力結果、例えば目の切り出し結果から、サングラスをかけてないかをチェックし、もしサングラスをかけている場合には、以後の処理を中断して顔貌判定部18は認識制御部19に通知し、これにより認識制御部19はスピーカ部20により登録者に対して「サングラスをとってください」等のメッセージを出力させると共に、顔貌認識部13の前処理部8に対して再度処理するよう指示する。
【0072】
これにより再び入力された登録者の画像に対して前処理部8からの処理が実行される。
顔貌判定部18において登録者の画像が充分で問題無しと判定された場合は、前処理部8の出力結果を特徴抽出9に出力し、以後第2の実施の形態と同様に顔貌パターンの登録が行われる。
【0073】
また、問題無しと判定した場合、その判定結果は認識制御部19に通知され、これに基づいて認識制御部19はアイリス認識部7の前処理部に起動をかけ、アイリス認識部7で特徴抽出部9によるアイリスパターンの生成及び登録が実行されることは第2の実施の形態と同様である。
一方、識別モードにおいては、カメラ1による識別者の撮影からアイリス認識部7及び顔貌認識部13でのアイリスパターン及び顔貌パターンの生成まで、前記登録モードと同様の処理が行われ、更に照合部4,10による照合処理つまり類似度の算出が第1,第2の実施の形態と同様に行われた後、この照合部4,10で算出された類似度が類似度結合部15に送られる。
【0074】
そして、類似度結合部15により前記第1,第2の実施の形態と同様に前記(1)式による総合類似度が算出され、この総合類似度に基づいて総合判定部16により前記第1,第2の実施の形態と同様に被識別者の画像から得られたアイリスパターン及び顔貌パターンが、照合辞書部5,11の中の照合したアイリスパターン及び顔貌パターンと同一人物のものかどうかを判定し、判定結果を出力する。
【0075】
尚、この第3の実施の形態において、上述したアイリス認識部7と顔貌認識部13での照合に用いられる照合辞書部5,11のアイリスパターンと顔貌パターンは必ず同一人物のパターンが使用されるように制御することは第1,第2の実施の形態と同様である。
また、この第3の実施の形態における照合処理でも、1対1または1対nの照合のどちらか行われることは第1の実施の形態と同様である。
【0076】
更に、上述した第3の実施の形態では、顔貌認識部13において認識制御部19が登録者及び被識別者の画像がアイリスパターンを生成する上で充分なものでないときには、スピーカ部20により登録者及び被識別者に対して充分な画像が得られるよう促すメッセージを音声出力するものとしているが、スピーカ部20に代えてメッセージを出力表示するディスプレイ等を用いることも可能であり、両方を併用しても良いことは無論である。
【0077】
以上説明した第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態同様にアイリス認識に加えて顔貌認識を行い、個人特定の識別を両認識の類似度を用いることによって行っているため、被識別者に無理な姿勢を強いたり、周囲の照明条件に厳しい制限を加えたりすることなく、かつ画素数の多いカメラを使用することなく、確実な識別が可能で、高い識別率を得ることができる。
【0078】
また、この第3の実施の形態では、顔貌認識部において登録者及び被識別者の画像がアイリスパターンを生成する上で充分なものかどうかを検出し、充分でないときには登録者及び被識別者に対してメッセージにより充分な画像が得られるよう促す出力手段を設けているため、より高い識別率を得ることができる。
尚、上述した第1〜第3のそれぞれの実施の形態において、類似度結合部15の処理を(1)式で計算するものとして説明したが、類似度の計算手段は他にも考えられるのでこれに限られるものではない。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、アイリス認識に加えて顔貌認識を行い、個人特定の識別を両認識の類似度を用いることによって行っているため、被識別者に無理な姿勢を強いたり、周囲の照明条件に厳しい制限を加えたりすることなく、かつ画素数の多いカメラを使用することなく、確実な識別が可能で、高い識別率を得ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による個人識別装置の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図3】第3の実施の形態を示すブロック図である。
【図4】従来技術を示すブロック図である。
【図5】従来技術の作用を示すフローチャートである。
【図6】従来技術の作用を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 カメラ
2 前処理部
3 特徴抽出部
4 照合部
5 照合辞書部
6 アイリス認識制御部
7 アイリス認識部
8 前処理部
9 特徴抽出部
10 照合部
11 照合辞書部
12 顔貌認識制御部
13 顔貌認識部
14 カメラ出力分配部
15 類似度結合部
16 総合判定部
17 認識制御部
18 顔貌判定部
19 認識制御部
20 スピーカ部

Claims (8)

  1. カメラで撮影した被識別者の画像からアイリス認識部及び顔貌認識部でアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンを得ると共に、予め登録されているアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンと照合してそれぞれの類似度を求め、
    かつアイリス認識部及び顔貌認識部のいずれか一方で、前記類似度に基づいて前記被識別者の画像から得たアイリスパタ−ンと顔貌パタ−ンの一方のパターンが照合したパターンと同一人物のものまたは他人のものと確信できたときはアイリス認識部及び顔貌認識部の一方が他方パターンの処理動作を中止させ、
    アイリスパタ−ンと顔貌パタ−ンの両方が、同一人物のものとも他人のものとも確信できないときは、アイリスパタ−ンの類似度と顔貌パタ−ンの類似度を類似度結合で結合して、その結合結果に基づいて前記被識別者の画像から得たアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンが照合に用いたアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンと同一人物のものか否かを総合判定部で判定することを特徴とする個人識別装置。
  2. 請求項1記載の個人識別装置において、
    人物を撮影するカメラと、
    このカメラが撮影した被識別者の画像からアイリスを切り出す前処理部、この前処理部によって切り出されたアイリスの特徴を抽出してアイリスパターンを得る特徴抽出部、登録時にこの特徴抽出部により得られたアイリスパターンを登録する照合辞書部、識別時に特徴抽出部により得られたアイリスパターンを前記照合辞書部に登録されているアイリスパターンと照合して類似度を求める照合部、及びこの照合部からの類似度により、被識別者の画像から得られたアイリスパターンが前記照合辞書部の中の照合したアイリスパターンと同一人物のものか他人のものかを判定して、その判定結果を出力すると共に、顔貌認識部の顔貌認識制御部で被識別者の画像から得られた顔貌パターンが顔貌認識部の照合辞書部中の照合した顔貌パターンと同一人物のものまたは他人のものと判定した信号が送られてくると前記前処理部と特徴抽出部と照合部の動作を停止させるよう制御するアイリス認識制御部を有するアイリス認識部と、
    前記カメラが撮影した画像から顔の輪郭や特徴を示す領域とその相対関係等を検出する前処理部、この前処理部検出された顔貌の特徴を抽出して顔貌パタ−ンを得る特徴抽出部、登録時にこの特徴抽出部により得られた顔貌パターンを登録する照合辞書部、識別時に特徴抽出部により得られた顔貌パターンを前記照合辞書部に登録されている顔貌パターンと照合して類似度を求める照合部、及びこの照合部からの類似度により、被識別者の画像から得られた顔貌パターンが前記照合辞書部の中の照合した顔貌パターンと同一人物のものか他人のものかを判定して、その判定結果を出力すると共に、前記アイリス認識部のアイリス認識制御部で被識別者の画像から得られたアイリスパターンが前記アイリス認識制御部の照合辞書部中の照合したアイリスパターンと同一人物のものまたは他人のものと判定した信号が送られてくると前記顔の特徴示す領域等を検出する前処理部と前記顔貌パタ−ンを得る特徴抽出部と前記顔貌パターンを照合する照合部の動作を停止させるよう制御する顔貌認識制御部を有する顔貌認識部と、
    前記アイリス認識制御部及び前記顔貌認識制御部の双方で被識別者の画像から得られたアイリスパターン及び顔貌パターンが前記各々の照合辞書部の中の照合したアイリスパターン及び顔貌パターンと同一人物のものとも他人のものとも確信できないと判定されたとき、前記アイリス認識制御部及び顔貌認識部の顔貌認識制御部から送られてくるアイリスパターンの類似度と顔貌パタ−ンの類似度を結合する類似度結合部と、
    この類似度結合部から送られてくる結合結果に基づいて被識別者の画像から得たアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンが照合に用いたアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンと同一人物のものか否かを判定する総合判定部を備えたことを特徴とする個人識別装置。
  3. カメラで撮影した被識別者の画像からアイリス認識部及び顔貌認識部でアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンを得ると共に、予め登録されているアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンと照合してそれぞれの類似度を求め、
    認識制御部で顔貌パタ−ンの類似度に基づいて前記被識別者の画像から得た顔貌パタ−ンが照合したパターンと同一人物のものまたは他人のものかを判定して、この判定で同一人物のものまたは他人のものか確信できないときは、更に認識制御部でアイリスパタ−ンの類似度に基づいて前記被識別者の画像から得たアイリスパタ−ンが照合したパターンと同一人物のものまたは他人のものかを判定し、
    この判定でも同一人物のものまたは他人のものか確信できないときは、アイリスパタ−ンの類似度と顔貌パタ−ンの類似度を類似度結合部で結合して、その結合結果に基づいて前記被識別者の画像から得たアイリスパタ−ンと顔貌パタ−ンが照合に用いたアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンと同一人物のものか否かを総合判定部で判定することを特徴とする個人識別装置。
  4. 請求項3記載の個人識別装置において、
    人物を撮影するカメラと、
    このカメラが撮影した画像からアイリスを切り出す前処理部、この前処理部によって切り出されたアイリスの特徴を抽出してアイリスパターンを得る特徴抽出部、登録時にこの特徴抽出部により得られたアイリスパターンを登録する照合辞書部、及び識別時に特徴抽出部により得られたアイリスパターンを前記照合辞書部に登録されているアイリスパターンと照合して類似度を求める照合部を有するアイリス認識部と、
    前記カメラが撮影した画像から顔の輪郭や特徴を示す領域とその相対関係等を検出する前処理部、この前処理部で検出された顔貌の特徴を抽出して顔貌パタ−ンを得る特徴抽出部、登録時にこの特徴抽出部により得られた顔貌パターンを登録する照合辞書部、及び識別時に特徴抽出部により得られた顔貌パターンを前記照合辞書部に登録されている顔貌パターンと照合して類似度を求める照合部を有する顔貌認識部と、
    この顔貌認識部の照合部からの類似度により、被識別者の画像から得られた顔貌パターンが前記照合辞書部の中の照合した顔貌パターンと同一人物のものか他人のものかを判定し、同一人物のものとも他人のものとも確信できないと判定したとき、前記アイリス認識部を動作させて、その照合部から送られてくる類似度により、被識別者の画像から得られたアイリスパターンが前記照合辞書部の中の照合したアイリスパターンと同一人物のものか他人のものかを判定し、同一人物のものとも他人のものとも確信できないと判定したときは、前記顔貌認識部と前記アイリス認識部のそれぞれの照合部からの顔貌パターン及びアイリスパターンの類似度を類似度結合部に送る認識制御部と、
    この認識制御部から送られてくる顔貌パターン及びアイリスパターンの類似度結合する類似度結合部と、
    この類似度結合部から送られてくる結合結果に基づいて被識別者の画像から得たアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンが照合に用いたアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンと同一人物のものか否かを判定する総合判定部を備えたことを特徴とする個人識別装置。
  5. カメラで撮影した被識別者の画像がアイリスパタ−ンの生成に充分が否かを顔貌認識部で判断して、充分でない場合、再度カメラで被識別者の画像を撮影し、
    充分な場合、前記画像からアイリス認識部及び顔貌認識部でアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンを得ると共に、予め登録されているアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンと照合してそれぞれの類似度を求め、
    イリスパタ−ンの類似度と顔貌パタ−ンの類似度を類似度結合部で結合して、その結合結果に基づいて前記被識別者の画像から得たアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンが照合に用いたアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンと同一人物のものか否かを総合判定部で判定することを特徴とする個人識別装置。
  6. 請求項5記載の個人識別装置において、
    カメラで撮影した登録者の画像がアイリスパタ−ンの生成に充分が否かを顔貌認識部で判断して、充分でない場合、再度カメラで登録者の画像を撮影し、
    充分な場合、アイリス認識部及び顔貌認識部で前記画像からアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンを得て登録することを特徴とする個人識別装置。
  7. 請求項5または請求項6記載の個人識別装置において、
    人物を撮影するカメラと、
    このカメラが撮影した画像からアイリスを切り出す前処理部、この前処理部によって切り出されたアイリスの特徴を抽出してアイリスパターンを得る特徴抽出部、登録時にこの特徴抽出部により得られたアイリスパターンを登録する照合辞書部、及び識別時に特徴抽出部により得られたアイリスパターンを前記照合辞書部に登録されているアイリスパターンと照合して類似度を求める照合部を有するアイリス認識部と、
    前記カメラが撮影した画像から顔の輪郭や特徴を示す領域とその相対関係等を検出すると共に顔に着用している着用物も検出する前処理部、この前処理部からの検出結果に基づいてアイリスパターンの生成にとって登録者や被識別者の画像が不十分であると判断した場合は認識制御部に通知する顔貌判定部、この顔貌判定部がアイリスパターンの生成にとって登録者や被識別者の画像に問題がないと判断したとき前記前処理部で検出された顔貌の特徴を抽出して顔貌パタ−ンを得る特徴抽出部、登録時にこの特徴抽出部により得られた顔貌パターンを登録する照合辞書部、及び識別時に特徴抽出部により得られた顔貌パターンを前記照合辞書部に登録されている顔貌パターンと照合して類似度を求める照合部を有する顔貌認識部と、
    この顔貌認識部の顔貌判定部がアイリスパターンの生成にとって登録者や被識別者の画像が不充分であると判断した場合、前記顔貌認識部に処理のやり直しをさせると共に、前記顔貌判定部がアイリスパターンの生成にとって登録者や被識別者の画像に問題がないと判断した場合は、前記アイリス認識部を動作させて処理を実行させるよう制御する認識制御部と、
    個人識別時に、前記顔貌認識部と前記アイリス認識部のそれぞれの照合部から送られてくる顔貌パターン及びアイリスパターンの類似度結合する類似度結合部と、
    この類似度結合部から送られてくる結合結果に基づいて被識別者の画像から得たアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンが照合に用いたアイリスパタ−ン及び顔貌パタ−ンと同一人物のものか否かを判定する総合判定部を備えたことを特徴とする個人識別装置。
  8. 請求項7記載の個人識別装置において、
    前記顔貌認識部の顔貌判定部がアイリスパターンの生成にとって登録者や被識別者の画像が不充分であると判断した場合、前記認識制御部からの指示により登録者及び被識別者に対して充分な画像が得られるよう促すメッセージを出力手段で出力し、
    前記認識制御部が前記顔貌認識部の前処理部に再処理を指示することを特徴とする個人識別装置。
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