JP3625005B2 - 階調再現方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー画像についての色成分の各画像データに対し、階調に応じてドット面積率の増減するパターンを用いて階調再現を行う方法及びその階調再現方法を適用した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータの普及にともなって、電子写真方式のフルカラーのプリンター装置は、業務用のみでなく家庭用としても普及し始めている。電子写真方式のプリンター装置において、階調を表現する方法として一般にディザ法が用いられている。
【0003】
図13はディザ法の動作を説明するためのブロック図である。
図13(A)において、入力された画像情報81の各画素の濃度値と、階調パターンとしての閾値マトリクスMT11の各要素の閾値とが、1対1で比較される。各画素の濃度値が各要素の閾値よりも大きい場合に、その要素に対応する位置の値が「1」となり、これとは逆に各画素の濃度値が各要素の閾値よりも小さい場合に、その要素に対応する位置の値が「0」となる。その結果、階調パターン画像83が得られる。なお、図13(A)の例においては、画像情報81の濃度値(レベル)を「4」とした。
【0004】
また、図13(A)に示す閾値マトリクスMT11では、16階調(レベル)の階調性による画像再現が可能であるが、図13(B)に示すように、各要素を2分割し、レーザーの点灯時間を制御することによって階調性を増やすことができる。
【0005】
また、上述したディザ法の他に、図14(A)〜図14(H)に示すように、各濃度値に対応した出力パターンをルックアップ・テーブル(LUT)として予め作成しておき、画像情報が入力されたときに、その濃度値に応じてルックアップ・テーブルを参照し、画像を出力する方法も用いられている。
【0006】
これらの階調再現方法をカラーの画像形成に適用し、例えば図15(A)(B)に示すように、黒とマゼンダの2色の画像を同じ閾値マトリクスMTを用いて重ねた場合に、感光体の回転ムラなどによるピッチムラなどの影響による出力ドット間の距離の不均一さ又は印字位置のばらつきによって、図15(C)に示すように2色のドットが完全に重なってしまったり、これとは逆に図15(D)に示すように並置されてしまったりする。このとき、図15(C)のようにドットが完全に重なった場合には色は黒っぽくなり、図15(D)のように並置された場合には色は赤っぽくなる。したがって、本来は濃度の一様な画像であっても、それを印刷した場合に、ドットの重なり方の状態のムラによって色ムラが発生する。
【0007】
そこで、ドットの重なり方の状態を分散させるため、各色成分毎に階調パターン(濃度パターン又は露光パターンともいう)を準備し、各色成分毎に階調パターンのスクリーン角を異ならせることによって、色ムラの発生を防ぐ工夫がなされている。
【0008】
例えば、ディザ法において、図16(A)に示す単位閾値マトリクスMT13を使用し、当該単位閾値マトリクスMT13を縦方向及び横方向にそれぞれずらせて配置することにより、階調パターンPSG13を作成し、そのスクリーン角を設定することができる。図16(B)の階調パターンPSG13は、単位閾値マトリクスMT13を右方向にa画素、この例では4画素、下方向にb画素、この例では1画素ずらせて配置しているので、
tanθ1 ≒1/4
であり、約14度のスクリーン角θ1 を有することとなる。
【0009】
また、図16(B)の階調パターンPSG13は、図16(A)の単位閾値マトリクスMT13を左方向に1画素、下方向に4画素ずらせて配置していることにもなるので、
tanθ=4/1
であり、約104度のスクリーン角θ2 を有するとも言える。
【0010】
すなわち、図16(B)の階調パターンPSG13は、互いに90度異なる2つのスクリーン角θ1 、θ2 を有することになる。
また、図16(B)に示す階調パターンPSG13を用いて出力される画像の解像度(線数)は、隣接する単位閾値マトリクスMT13の中心を結んだ線分の長さc(単位は画素)に反比例し、画像の解像度は各色でほぼ同一となるように設定される。したがって、本明細書においては解像度をcで表す。また、各色に対応する任意の2つの階調パターンのスクリーン角の差が小さ場合には、例えば図17に示すように、テクスチャー(ロゼッタ)が目立つようになるので、2色間のスクリーン角の差はできる限り大きくなるように設定する必要がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のディザ法を用いたカラー又は多色の画像形成装置では、単位となる閾値マトリクスを構成する要素の個数が一定の数以下に制限されるため、設定することのできるスクリーン角は有限個の離散的な値に限られてしまう。また、解像度を上げようとすると要素の個数はさらに制限され、取り得るスクリーン角の値もさらに限られることになる。
【0012】
また、上述したように,従来のディザ法において、階調パターンPSGは互いに90度異なる2つのスクリーン角θ1 、θ2 を有しているので、各色成分に対応した階調パターンPSGに対して設定することのできるスクリーン角はさらに制限されることとなる。
【0013】
従来のカラー又は多色の画像形成装置では、各色成分に対応した階調パターンPSG毎に異なるスクリーン角を設定したとしても、それらのスクリーン角の間の差を大きく設定することができない。通常、色ムラの発生を抑制するためには、各階調パターンPSG毎のスクリーン角の差を互いに20度以上設けることが望ましいのであるが、近年のようにY、M、C、Kの4色によってフルカラーを再現する場合には、角度が不足する。そのため、色ズレ又は色ムラの発生を充分に抑制できなかったり、周期的に輪状のテクスチャー(ロゼッタ)が発生したりして、画像品位が低下するという問題があった。
【0014】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、色ズレ又は色ムラの発生を抑えることができ、テクスチャの目立ちの少ないカラー画像又は多色画像を形成することのできる階調再現方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る方法は、カラー画像についての色成分の各画像データに対し、階調に応じてドット面積率の増減するパターンを用いて階調再現を行う方法であって、1つの色成分に対応する前記パターンとして、階調の微小増加にともなってドットが天地方向に線状に成長するパターンである第1のパターンを用い、他の1つの色成分に対応する前記パターンとして、階調の増加にともなって塊状に太っていくパターンである第2のパターンを用い、前記カラー画像の少なくとも低濃度の部分において、前記第1のパターンによる線状のパターン画像と前記第2のパターンによる塊状のパターン画像とを重ねる。
【0016】
請求項2の発明に係る方法は、カラー画像についての4つの色成分の各画像データに対し、階調に応じてドット面積率の増減するパターンを用いて階調再現を行う方法であって、1つの色成分に対応する前記パターンとして、階調の微小増加にともなってドットが天地方向に線状に成長するパターンである第1のパターンを用い、他の1つの色成分に対応する前記パターンとして、階調の増加にともなって塊状に太っていくパターンであり且つ前記第1のパターンとスクリーン角がほぼ同じの第2のパターンを用い、他の1つの色成分に対応する前記パターンとして、階調の増加にともなって塊状に太っていくパターンであり且つ前記第1のパターンとスクリーン角がほぼ同じの第2のパターンを用い、他の2つの色成分に対応する前記パターンとして、前記第1のパターン及び前記第2のパターンとはスクリーン角が異なり且つ互いにスクリーン角の異なる第3のパターン及び第4のパターンを用い、前記カラー画像の少なくとも低濃度の部分においては前記第1のパターンによる線状のパターン画像と前記第2のパターンによる塊状のパターン画像とを重ねる。
【0017】
請求項3の発明に係る装置は、カラー画像についての4つの色成分の各画像データに対し、階調に応じてドット面積率の増減するパターンを用いて階調再現を行う画像形成装置であって、1つの色成分に対して、階調の微小増加にともなってドットが天地方向に線状に成長するパターンである第1のパターンを用いて階調パターン画像を得る手段と、他の1つの色成分に対して、階調の増加にともなって塊状に太っていくパターンであり且つ前記第1のパターンとスクリーン角がほぼ同じの第2のパターンを用いて階調パターン画像を得る手段と、他の2つの色成分に対して、前記第1のパターン及び前記第2のパターンとはスクリーン角が異なり且つ互いにスクリーン角の異なる第3のパターン及び第4のパターンを用いてそれぞれの階調パターン画像を得る手段と、を有し、前記カラー画像の少なくとも低濃度の部分においては前記第1のパターンによる線状のパターン画像と前記第2のパターンによる塊状のパターン画像とを重ねるように構成されてなる。
【0018】
次に、本発明による階調再現方法を図に基づいて説明する。
図4〜図7に示す4つの階調パターンPSGのうち、図4及び図5に示す2つの階調パターンPSGK及びPSGMは、スクリーン角がともに0度である。そのうちの1つである図4の階調パターンPSGKは、階調の増加にともなって中央から周囲に向かって塊状に太っていくパターンである。つまり、階調パターンPSGKによって、図8に示すような塊状の階調パターン画像PSFKが得られる。他の1つである図5の階調パターンPSGMは、階調の微小増加にともなってドットが天地方向に線状に成長するパターンである。階調パターンPSGMによって、画像情報が低濃度の場合に図9に示すような線状の階調パターン画像PSFMが得られる。線状の階調パターン画像PSFMが得られるのは、図9から理解できるように比較的低濃度の領域である。したがって、本発明は、画像が低濃度の部分つまり実質的に線状の階調パターン画像PSFMが得られる領域において効果が大きい。
【0019】
図8に示す階調パターン画像PSFKと図9に示す階調パターン画像PSFMとを重ねると、図12に示す画像が得られる。図12(A)はそれら両階調パターン画像PSFK,PSFMの位置が全く一致した場合の画像を示し、図12(B)及び(C)はそれら両階調パターン画像PSFK,PSFMの位置が天地方向に互いにズレた場合の画像を示す。
【0020】
図12から理解できるように、両階調パターン画像PSFK,PSFMの位置が正しい場合であっても天地方向に互いにズレた場合であっても、重なり合う面積には変化がない。つまり、天地方向の位置ズレによっては色ズレ又は色ムラが生じない。なお、階調パターン画像PSFの位置ズレは、ほとんどが駆動力の作用する副走査方向、つまり天地方向に生じるものであり、主走査方向にはほとんど生じないので、天地方向における位置ズレについて考慮されていれば実用上充分である。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るフルカラーの画像形成装置1の全体の構成を示すブロック図、図2は画像形成部10の構成を示す断面図である。
【0022】
図1において、画像形成装置1は、電子写真方式によりフルカラーの画像を形成する画像形成部10、全体を制御するCPU21、ROM22、ワーキング領域として用いられるRAM23、入力される画像データを一時保存するメモリ24、及び入力部25からなる。
【0023】
ROM22には、制御プログラム、及びディザ法による2値化のための閾値マトリクスMTなどが格納されている。閾値マトリクスMTは、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、及びK(ブラック)の4色の各色成分に対してそれぞれ設けられている。それらを、閾値マトリクスMTY,MTM,MTC,MTKと記載することがある。これらの閾値マトリクスMTY,MTM,MTC,MTKは、階調パターンでもあり、本発明におけるパターンに相当する。
【0024】
図2において、画像形成部10には、有機光導電材料(OPC)を表面に塗布した像担持体としての感光体11が矢印A方向に回転自在に設けられている。感光体11の周囲には、その回転方向に沿って、帯電ブラシ12、レーザー露光装置13、現像装置14、中間転写部材15、及びクリーナユニット16が設けられている。
【0025】
帯電ブラシ12の放電によって感光体11の表面が一定電位に帯電され、レーザー露光装置13により画像情報に応じて感光体11の表面にレーザービームが照射され、その帯電領域に静電潜像が形成される。静電潜像は現像装置14によりトナー像として顕像化される。
【0026】
現像装置14は、Y、M、C、及びKの4色の各トナーを備えた現像部14Y,14M,14C,14Kを有している。これら4つの現像部14Y,14M,14C,14Kは、図示は省略したが、切り換え可能となっている。感光体11の表面に形成された静電潜像は、これら各色の現像部14Y,14M,14C,14Kによって順次現像が行われ、各色の現像が行われる毎にそのトナー像が中間転写部材15に転写される。したがって、中間転写部材15において4色のトナー像が重ね合わせられ、フルカラーのトナー像が形成される。
【0027】
中間転写部材15で形成されたトナー像は、図示しない用紙に転写された後、図示しない定着装置で熱定着され、その結果、用紙上にフルカラー画像が形成される。また、中間転写部材15に転写されず感光体11上に残留したトナーは、クリーナユニット16によって回収される。
【0028】
図3はCPU21による制御動作を示すフローチャートである。
図3において、まず全体の初期設定が行われた後(#11)、メモリ24に入力されている画像データの中から、1色の色成分に対応した画像情報が読み出される(#12)。この画像情報は、64階調又は256階調などの階調性を有した画像情報である。読み出された画像情報と、ROM22に格納された閾値マトリクスMTのうちの当該色成分に対応する閾値マトリクスMTとが比較され、ディザ法によって画像情報が2値化される(#13)。
【0029】
2値化された画像情報(階調パターン画像)に基づいてレーザー露光装置13が制御され、画像形成が行われる(#14)。これにより、画像形成部10において1色に対応するトナー像が形成される。そして、4色の各色成分について、ステップ#12以降の処理が繰り返される(#15)。
【0030】
以上のようにして、4色の総ての色成分についてトナー像が形成され、これらが合成されてフルカラーの画像が形成される。
次に、ROM22に格納されている閾値マトリクスMTY,MTM,MTC,MTKについて説明する。
【0031】
仮に、これらの閾値マトリクスMTY,MTM,MTC,MTKのうち、例えば2つの閾値マトリクスMTK,MTMに互いに同じものを用いたとした場合には、スクリーン角が互いに同じであるから、図15に示すような色ズレが生じる可能性がある。
【0032】
また、ドットの重なり方の状態を分散させるため、閾値マトリクスMTY,MTM,MTC,MTK毎にスクリーン角を異ならせ、これによって色ズレの発生を抑制することはできる。しかし、その場合に、着目する2色のスクリーン角の差が小さくなるとテクスチャー(ロゼッタ)が目立つようになるため、2色間のスクリーン角の差は20度以上とするのが好ましい。
【0033】
例えば、図16に示した解像度cの値が「4」の近辺となる閾値マトリクスによるスクリーン角は、おおよそ表1の(ア)〜(ク)に示したような値となり、それらの中からスクリーン角を選択することとなる。
【0034】
【表1】
【0035】
しかし、Y,M,C,Kの4色に対応する階調パターン画像を、総て従来の方法で形成した場合には、表1の(ア)〜(ク)の中からどのような組合せで4色分のスクリーン角を選択したとしても、いずれか2色間のスクリーン角の差が小さくなってしまう。これは、上述したスクリーン角の2方向性のためである。したがって、従来の方法による場合には、4色の階調パターン画像のスクリーン角を互いに20度以上異なるように設定することができず、色ズレ又は色ムラの発生するのが避けられない。
【0036】
そこで、本実施形態においては、K,M,Y,Cの4色に対応する閾値マトリクスMTK,MTM,MTY,MTCとして、図4〜図7に示す階調パターンPSGK,PSGM,PSGY,PSGCを用いる。これらの階調パターンPSGK,PSGM,PSGY,PSGCによって、画像情報の濃度値(レベル)が例えば「8」である場合に、図8〜図11に示す階調パターン画像PSFK,PSFM,PSFY,PSFCが得られる。
【0037】
4つの階調パターンPSGのうち、図4及び図5に示す2つの階調パターンPSGK及びPSGMは、スクリーン角がともに0度である。そのうちの1つである図4の階調パターンPSGKは、階調の増加にともなって中央から周囲に向かって塊状に太っていくパターンである。つまり、階調パターンPSGKによって、図8に示すような塊状の階調パターン画像PSFKが得られる。階調パターン画像PSFKは、塊状であることに着目して、塊状階調パターン画像PSFKということもある。
【0038】
他の1つである図5の階調パターンPSGMは、階調の微小増加にともなって、つまり32階調のうちの各8階調内での階調の増加にともなって、ドットが天地方向に線状(ライン状又は万線状ともいう)に成長するパターンである。階調パターンPSGMによって、画像情報が低濃度の場合に図9に示すような線状の階調パターン画像PSFMが得られる。階調パターン画像PSFMは、線状であることに着目して、線状階調パターン画像PSFMということもある。
【0039】
図8に示す階調パターン画像PSFKと図9に示す階調パターン画像PSFMとを重ねると、図12に示す画像が得られる。図12(A)はそれら両階調パターン画像PSFK,PSFMの位置が全く一致した場合の画像を示し、図12(B)及び(C)はそれら両階調パターン画像PSFK,PSFMの位置が天地方向に互いにズレた場合の画像を示す。
【0040】
図12から理解できるように、両階調パターン画像PSFK,PSFMの位置が正しい場合であっても天地方向に互いにズレた場合であっても、重なり合う面積には変化がない。つまり、天地方向の位置ズレによっては色ズレ又は色ムラが生じない。このように、スクリーン角がともに0度である2つの階調パターンPSGK及びPSGMを用いても、色ズレ又は色ムラは生じない。
【0041】
なお、階調パターン画像PSFの位置ズレは、ほとんどが駆動力の作用する副走査方向(用紙の走行方向)、つまり天地方向に生じるものであり、主走査方向にはほとんど生じないので、天地方向における位置ズレについて考慮されていれば実用上充分である。
【0042】
2つの階調パターンPSGK,PSGMのスクリーン角がともに0度であるので、これと他の2つの階調パターンPSGY,PSGCとの間、及び他の2つの階調パターンPSGY,PSGCの相互間において、スクリーン角の差を大きくとることが可能である。
【0043】
すなわち、図6に示す階調パターンPSGYは、スクリーン角が約30度であり、これによって図10に示す階調パターン画像PSFYが得られる。図7に示す階調パターンPSGCは、スクリーン角が約60度であり、これによって図11に示す階調パターン画像PSFCが得られる。
【0044】
これら4つの階調パターンPSGK,PSGM,PSGY,PSGCを用いることによって、スクリーン角の差は約30度となり、色ズレ又は色ムラの発生を抑えることができ、しかもテクスチャの目立ちの少ないカラー画像を形成することができる。
【0045】
上述の実施形態において、階調パターンPSGM、PSGKが、本発明における第1のパターン、第2のパターンに相当し、階調パターンPSGY、PSGCが本発明における第3のパターン又は第4のパターンに相当する。
【0046】
上述の実施形態において、4つの各階調パターンPSGK,PSGM,PSGY,PSGCを、互いに他の色成分に対して用いてもよい。また、3色によってフルカラーの画像を形成する場合には、いずれか2色についての階調パターンPSGのスクリーン角をともに0度とし、他の1色についての階調パターンPSGのスクリーン角を異ならせればよい。また、形成する画像がフルカラーでない場合、例えば2色の色成分からなる画像である場合に、塊状の階調パターンPSGと線状の階調パターンPSGとを用いることとすればよい。
【0047】
上述の実施形態においては、階調パターンPSGが閾値マトリクスMTである場合について説明したが、濃度パターン法に用いるルックアップ・テーブル又は濃度パターンであってもよい。また、階調パターンPSGのサイズ、閾値の配置などは、上述した以外に適宜変更することができる。また、画像形成部10又は画像形成装置1の全体又は各部の構造、形状、個数、材質などは、上述した以外の種々のものとすることができる。
【0048】
【発明の効果】
請求項1乃至請求項3の発明によると、色ズレ又は色ムラの発生を抑えることができ、テクスチャの目立ちの少ないカラー画像又は多色画像を形成することができる。
【0049】
請求項2及び請求項3の発明によると、4色の色成分によって、色ズレ又は色ムラがなくテクスチャの目立ちの少ないフルカラー画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフルカラーの画像形成装置の全体の構成を示すブロック図である。
【図2】画像形成部の構成を示す断面図である。
【図3】CPUによる制御動作を示すフローチャートである。
【図4】階調パターンの例を示す図である。
【図5】階調パターンの例を示す図である。
【図6】階調パターンの例を示す図である。
【図7】階調パターンの例を示す図である。
【図8】階調パターン画像の例を示す図である。
【図9】階調パターン画像の例を示す図である。
【図10】階調パターン画像の例を示す図である。
【図11】階調パターン画像の例を示す図である。
【図12】線状階調パターン画像と塊状階調パターン画像とを重ねた場合の画像を示す図である。
【図13】ディザ法の動作を説明するためのブロック図である。
【図14】ルックアップ・テーブルの例を示す図である。
【図15】2色の画像の重なり状態の例を示す図である。
【図16】階調パターンのスクリーン角を説明するための図である。
【図17】テクスチャーの例を示す図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
PSGK 階調パターン(パターン、第2のパターン)
PSGM 階調パターン(パターン、第1のパターン)
PSGY 階調パターン(パターン、第3のパターン、第4のパターン)
PSGC 階調パターン(パターン、第4のパターン、第3のパターン)
Claims (3)
- カラー画像についての色成分の各画像データに対し、階調に応じてドット面積率の増減するパターンを用いて階調再現を行う方法であって、
1つの色成分に対応する前記パターンとして、階調の微小増加にともなってドットが天地方向に線状に成長するパターンである第1のパターンを用い、
他の1つの色成分に対応する前記パターンとして、階調の増加にともなって塊状に太っていくパターンである第2のパターンを用い、
前記カラー画像の少なくとも低濃度の部分において、前記第1のパターンによる線状のパターン画像と前記第2のパターンによる塊状のパターン画像とを重ねる、
ことを特徴とする階調再現方法。 - カラー画像についての4つの色成分の各画像データに対し、階調に応じてドット面積率の増減するパターンを用いて階調再現を行う方法であって、
1つの色成分に対応する前記パターンとして、階調の微小増加にともなってドットが天地方向に線状に成長するパターンである第1のパターンを用い、
他の1つの色成分に対応する前記パターンとして、階調の増加にともなって塊状に太っていくパターンであり且つ前記第1のパターンとスクリーン角がほぼ同じの第2のパターンを用い、
他の2つの色成分に対応する前記パターンとして、前記第1のパターン及び前記第2のパターンとはスクリーン角が異なり且つ互いにスクリーン角の異なる第3のパターン及び第4のパターンを用い、
前記カラー画像の少なくとも低濃度の部分においては前記第1のパターンによる線状のパターン画像と前記第2のパターンによる塊状のパターン画像とを重ねる、
ことを特徴とする階調再現方法。 - カラー画像についての4つの色成分の各画像データに対し、階調に応じてドット面積率の増減するパターンを用いて階調再現を行う画像形成装置であって、
1つの色成分に対して、階調の微小増加にともなってドットが天地方向に線状に成長するパターンである第1のパターンを用いて階調パターン画像を得る手段と、
他の1つの色成分に対して、階調の増加にともなって塊状に太っていくパターンであり且つ前記第1のパターンとスクリーン角がほぼ同じの第2のパターンを用いて階調パターン画像を得る手段と、
他の2つの色成分に対して、前記第1のパターン及び前記第2のパターンとはスクリーン角が異なり且つ互いにスクリーン角の異なる第3のパターン及び第4のパターンを用いてそれぞれの階調パターン画像を得る手段と、を有し、
前記カラー画像の少なくとも低濃度の部分においては前記第1のパターンによる線状のパターン画像と前記第2のパターンによる塊状のパターン画像とを重ねるように構成されてなる、
ことを特徴とする画像形成装置。
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