JP3624838B2 - ダイバーシチ送受信回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無線パケット通信を行う受信機において、より伝送品質の良好なアンテナを選択して送受信するダイバーシチ送受信回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
選択ダイバーシチは複数のアンテナを備え、最も良好な品質による通信が可能であると推定されるアンテナを選択して送受信を行う技術である。アンテナの選択には通常の場合、レベル情報が用いられる。すなわち、各アンテナの受信レベルを観測し、最も高いレベルで受信できるアンテナを選択して利用する。
【0003】
図3に従来のダイバーシチの回路構成例を示す。送信するパケットのデータ信号は送信器31に入力され無線周波数への変調が行われる。ここで、送信器31は伝送速度制御手段35によって指定された伝送速度での変調を行う。送信器31で生成した無線パケット信号は送受切替器32に入力され、送受切替器32は無線パケット信号の送信時には送信器31が生成した無線パケット信号をアンテナが接続される共通端子に出力する。
【0004】
また、無線パケット信号の受信時には送受切替器32は共通端子に接続されたアンテナからの受信信号を受信器37に入力する様に接続される。送受切替器32の共通端子はアンテナ切替器33の共通端子と接続され、アンテナ切替器33に接続された複数のアンテナ34a、34bを選択する。
【0005】
受信器は受信した無線パケット信号の復調を行い、受信データの出力を行う。この際、受信信号のレベル情報は受信レベル比較手段38に出力され、受信レベル比較手段38は無線パケット信号の先頭部分に付加された受信レベル比較期間を利用して複数のアンテナの受信レベルを比較し、最もレベルが高く受信できるアンテナを選択するようアンテナ切替器33を制御する。
【0006】
ところで、無線LANなどの無線パケット通信システムではパケットの受領を確認する到達確認信号の応答を行う場合が多い。また、無線LANなどの無線パケット通信システムでは無線伝送路の状況は様々であり、状況に応じて伝送速度を適切に選択することが望ましい。無線LANなどの無線パケット通信システムでは前述の到達確認信号の受信の有無により、送信器は伝送路の品質を検出することができ、適切な伝送速度を設定することができる。
【0007】
図3の回路構成例では、受信器37はこの到達確認信号の到来を通信品質検出手段36に出力し、通信品質検出手段36は到達確認信号の到来状況から伝送路の品質を推定する。その後、通信品質検出手段36により得られた伝送路品質は伝送速度制御手段35に与えられ、伝送速度制御手段35は伝送路品質が悪い場合には伝送速度を低下し、伝送路品質が極めて良い場合にはより高い伝送速度を利用する。
【0008】
以上のように、図3に示した従来の回路構成例では、到達確認信号の有無を利用した最適な伝送速度の設定と、各アンテナの受信レベル検出に基づくアンテナ選択ダイバーシチによる受信品質の改善を独立に制御している。
【0009】
上記のアンテナ選択ダイバーシチは無線パケット信号の先頭部に付加された受信レベル比較期間の信号を受信して複数アンテナによる受信レベルの比較を行うが、このレベル比較用の信号が付加されない場合には適用することができない。
【0010】
ところで、複数のアンテナを利用して受信品質を改善するダイバーシチ技術には、アンテナ選沢ダイバーシチの他にも方式がある。その1つに最大比合成ダイバーシチがあるが、これはアンテナとともに受信部もアンテナと等しい個数を備え、各アンテナで受信した受信信号の位相を揃えて加算することにより、受信品質の改善を図る方式である。この最大比合成ダイバーシチは選択ダイバーシチよりも高い品質改善効果が得られるが、受信部を複数持つ必要があるため小型・低消費電力を要求される装置には適していない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
図3の回路構成例で示したような受信レベルの比較選択によるアンテナ選択ダイバーシチは各アンテナのレベルを検出するための期間が必要である。すなわち、送信パケット信号に受信側の各アンテナの受信レベルを検出するための信号区間が必要となる。これは情報の伝送には用いられないので、信号伝送の効率が低下する。また、そのような信号期間が設定されていない送信信号規格ではアンテナ選択ダイバーシチの適用は困難であった。
【0012】
ところで、無線LANなどのように屋内伝搬環境において極めて高速の伝送を行う場合には、マルチパス伝搬による伝送劣化が大きい。このような場合には必ずしもレベルの高いアンテナの方が品質が良いとも限らない。そのため、受信レベルの比較によるアンテナ選択ダイバーシチでは大きな品質改善効果は得られないという問題もある。
【0013】
一方、レベル比較を必要としない受信品質改善方法として最大比合成ダイバーシチが挙げられるが、最大比合成ダイバーシチは受信回路もアンテナ数と等しい数が必要になるため、無線LANなどの小型・低消費電力が要求される装置には適用が困難である。
【0014】
本発明はレベル検出のための付加信号がなく、アンテナのレベル選択が不可能な場合でも受信部を複数持つことなく複数のアンテナから良好な品質を持つアンテナの選択を可能とするダイバーシチ送受信回路を提供することを目的とする。
【0015】
本発明によれば、受信レベルと受信品質の相関が低い伝送路においても効果が得られる。
【0016】
本発明は無線パケット信号の到達確認信号の応答を行うシステムに適用することが可能であり、無線LANのように伝送路状態の変動が比較的に激しくない場合に有効である。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴は、送信信号の伝送速度と送信するアンテナの選択を制御する伝送速度およびアンテナ切替制御手段と、
パケット信号の送信データが入力され、別に入力された前記伝送速度およびアンテナ切替制御手段の制御信号が指定する伝送速度に従って入力されたデータを変調し、無線パケット信号を生成する送信器と、
送信器の送信出力端子と受信器の受信入力端子が接続され、送信時には前記送信出力端子を共通端子に接続し、受信時には前記受信入力端子を共通端子と接続する送受切替器と、
複数のアンテナが接続され、別に入力された伝送速度およびアンテナ切替制御手段の制御信号に従って、前記複数のアンテナのひとつを選択して前記送受切替器の共通端子と接続するアンテナ切替器と、
前記送受切替器の受信入力端子に接続され、受信した無線パケット信号を受信データに復調する受信器とを備えたダイバーシチ送受信回路において、
通信の相手方は受信パケットを正しく受信できた時に到達確認信号を送信することとし、受信器より得られた前記到達確認信号が受信されたことの受信通知と、別に送信器より入力された送信通知との比較により通信品質を、極めて良好、良好、悪いの3段階に分類して、前記伝送速度およびアンテナ切替手段へ与える通信品質検出手段を備え、
前記伝送速度およびアンテナ切替手段は、
前記通信品質検出手段により通信品質が極めて良好であると検出された場合、これまで使用していたアンテナの使用を継続しつつ、伝送速度の増加を行い、
前記通信品質検出手段により通信品質が悪いことが検出され、かつ過去一定期間内にアンテナ切替を行っていない場合に、これまで使用していたアンテナとは異なるアンテナへの切替を実行し、
前記通信品質検出手段により通信品質が悪いことが検出され、かつ過去一定期間内にアンテナ切替を行っていた場合には、伝送速度の低下を行うことを特徴とするダイバーシチ送受信回路である。
【0018】
本発明は各アンテナの受信レベルを比較してアンテナ選択を行うのではなく、到達確認信号の有無を検出して、伝送路の状態が劣化した場合にアンテナ切替または伝送速度の低下を行う。すなわち、従来は伝送路の品質に応じて伝送速度を設定していたが、本発明では伝送速度の設定に加えてアンテナ選択の制御も行うことを特徴とする
【0019】
好ましくは、前記通信品質検出手段は、前記到達確認信号の受信状況と、前記送信器より入力された送信パケット信号の送信状況を比較して到達信号と未達信号を計数し、到達確認信号が定められた回数以上連続して受領できた場合に通信品質が極めて良好であると判断し、到達確認信号が別に定められた回数以上連続して未達であった場合に通信品質が悪いと判断し、その他の場合は良好と判断する。
【0020】
発明によれば、到達確認信号が連続して未達となるような伝送路の品質が劣化しているような場合には、伝送速度の低下を実行する前に一度アンテナの切替を実行する。それでも品質が改善しない場合には伝送速度の低下を行う。すなわち、伝送品質の劣化を検出した場合には、まずアンテナ切替を実行するが、前回アンテナ切替を実行してから一定期間以上経過していない場合には伝送速度の低下を行う。
【0021】
アンテナの数は例えば2であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は3以上のアンテナを有するダイバーシチ送受信回路にも適用可能である。
【0022】
本発明の実施例によれば、比較的簡単な規則に基づいて伝送速度の変更とアンテナ切替の制御を実行することが可能であるが、伝送路の品質劣化に伴いアンテナ切替を行ったことにより、さらに伝送路状況が悪くなった場合に正常な通信状態に復帰するまでの時間を要する。
【0023】
この問題を解決するため、好ましくは、
前記伝送速度およびアンテナ切替手段は、通常状態、レート増加観察状態、アンテナ切替観察状態、レート低下観察状態の4状態のいずれかの状態であり、
前記伝送速度およびアンテナ切替手段が通常状態にあり、前記通信品質検出手段により通信品質が悪いことが検出された場合、これまで使用していたアンテナとは異なるアンテナへの切替を実行するとともに、アンテナ切替観察状態への移行を行い、
前記伝送速度およびアンテナ切替手段が通常状態にあり、前記通信品質検出手段により通信品質が極めて良好であると検出された場合、これまで使用していたアンテナの使用を継続しつつ、伝送速度の増加を行うとともに、レート増加観察状態への移行を行うこととし、
前記伝送速度およびアンテナ切替手段がレート増加観察状態にあり、前記通信品質検出手段により通信品質が悪いことが検出された場合、これまで使用していたアンテナの使用を継続しつつ、伝送速度の低下を行うとともに、通常状態への移行を行い、
前記伝送速度およびアンテナ切替手段がレート増加観察状態にあり、前記通信品質検出手段により通信品質が極めて良好であると検出された場合、これまで使用していたアンテナの使用を継続しつつ、伝送速度の増加を行うとともに、レート増加観察状態を維持し、
前記伝送速度およびアンテナ切替手段がレート増加観察状態にあり、その状態が定められた期間以上継続した場合には、通常状態への移行を行うこととし、
前記伝送速度およびアンテナ切替手段がアンテナ切替観察状態にあり、前記通信品質検出手段により通信品質が悪いことが検出された場合、これまで使用していたアンテナとは異なるアンテナへの切替を実行するとともに、伝送速度の低下を行い、かつレート低下観察状態への移行を行い、
前記伝送速度およびアンテナ切替手段がアンテナ切替観察状態にあり、前記通信品質検出手段により通信品質が極めて良好であると検出された場合、これまで使用していたアンテナの使用を継続しつつ、通常状態へ移行し、
前記伝送速度およびアンテナ切替手段がアンテナ切替観察状態にあり、その状態が定められた期間以上継続した場合には、通常状態への移行を行うこととし、
前記伝送速度およびアンテナ切替手段がレート低下観察状態にあり、前記通信品質検出手段により通信品質が悪いことが検出された場合、伝送速度の低下を行い、レート低下観察状態を維持し、
前記伝送速度およびアンテナ切替手段がレート低下観察状態にあり、前記通信品質検出手段により通信品質が極めて良好であると検出された場合、通常状態への移行を行い、
前記伝送速度およびアンテナ切替手段がレート低下観察状態にあり、その状態が定められた期間以上継続した場合には、通常状態への移行を行う。
【0024】
本発明の上記実施例によれば、伝送路品質の劣化に伴いアンテナ切替を行った場合、アンテナ切替後、設定された一定期間内にやはり伝送路品質の劣化が検出された場合には、切り替えたアンテナを元の状態に戻す。これによって、より状態の悪いアンテナで伝送速度変更の試行を繰り返すことなく、劣化の少ないアンテナを引き続き利用して適切な伝送速度の設定を行うことができる。従って、効率的なアンテナおよび伝送速度の選択が可能であり、アンテナや伝送速度の選択試行に伴う伝送効率の劣化が少ない。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明によるダイバーシチ送受信回路の構成例を図1に示す。以下、その動作を説明する。
【0026】
送信するパケットのデータ信号は送信器11に入力され無線周波数への変調が行われる。ここで、送信器11は伝送速度およびアンテナ切替制御手段15によって指定された伝送速度での変調を行う。送信器11で生成した無線パケット信号は送受切替器12に入力され、送受切替器12は無線パケット信号の送信時には送信器11が生成した無線パケット信号をアンテナが接続される共通端子に出力する。また、無線パケット信号の受信時には送受切替器12は共通端子に接続されたアンテナからの受信信号を受信器17に入力する様に接続される。送受切替器12の共通端子はアンテナ切替器13の共通端子と接続され、アンテナ切替器13に接続された複数のアンテナ14a、14bのひとつを選択する。
【0027】
ここで、アンテナ切替器13は伝送速度およびアンテナ切替制御手段15の制御に従って制御される。
【0028】
受信器17は受信した無線パケット信号の復調を行い、受信データの出力を行う。
【0029】
本発明による無線パケット通信システムではパケットの到達を確認する到達確認信号の応答を行う。受信器17はこの到達確認信号の受領を通信品質検出手段16に与える。通信品質検出手段16は前述の到達確認信号の受領状況と送信器11より入力された送信パケット信号の送信状況を比較して到達信号と未達信号を計数する。その計数結果から、通信品質検出手段16は通信品質の推定を行い、伝送速度およびアンテナ切替制御手段15に通信品質情報を与える。通信品質の推定は例えば到達確認信号が定められた回数以上連続して受領できた場合に通信品質が極めて良好であると判断する。また、例えば、到達確認信号が別に定められた回数以上連続して未達であった場合に通信品質が悪いと判断することができる。前記伝送速度およびアンテナ切替手段15は、与えられた通信品質情報に従い、過去の伝送速度変遷やアンテナ切替の経緯に応じて伝送速度やアンテナの選択を決定する。
【0030】
以下にダイバーシチ受信回路における前記伝送速度およびアンテナ切替手段の動作を説明する。
【0031】
伝送路の通信品質は、例えば、極めて良好、良好、及び悪いの3段階に分類される。例えば、パケットが連続して10回正しく受信されたときは極めて良好とし、パケットが連続して2回誤ったときは悪いとし、その他の場合を良好とする。
【0032】
伝送速度およびアンテナ切替手段15は、伝送路の品質が悪いことが検出された場合には、過去一定期間内にアンテナ切替を行っていなければ、これまで使用していたアンテナとは異なるアンテナへの切替を実行する。また、通信品質が悪いことが検出された場合でも過去一定期間内にアンテナ切替を行っていた場合には、伝送速度の低下を行う。一方、伝送路の品質が極めて良好であることが検出された場合には、これまで使用していたアンテナの使用を継続しつつ、伝送速度の増加を行う。
【0033】
本実施例によれば、到達確認信号が連続して未達となるような伝送路の品質が劣化しているような場合には、伝送速度の低下を実行する前に一度アンテナの切替を実行する。それでも品質が改善しない場合には伝送速度の低下を行う。すなわち、伝送品質の劣化を検出した場合には、まずアンテナ切替を実行するが、前回アンテナ切替を実行してから一定期間以上経過していない場合には伝送速度の低下を行う。
【0034】
この方法では、比較的簡単な規則に基づいて伝送速度の変更とアンテナ切替の制御を実行することが可能であるが、伝送路の品質劣化に伴いアンテナ切替を行った場合に、さらに伝送路状況が悪くなった場合に復帰するまでに時間を要するという欠点もある。
【0035】
この問題を解決するための方法を図2により説明する。ここで条件Aは伝送路の通信品質が極めて良好と検出された場合、条件Bは伝送路の通信品質が悪い場合である。
【0036】
伝送速度およびアンテナ切替手段15は、通常状態、レート増加観察状態、アンテナ切替観察状態、レート低下観察状態の4状態を持ち、下記の条件に従って、状態遷移を行いながら伝送速度とアンテナ切替の制御を行う。
【0037】
伝送速度およびアンテナ切替手段15が通常状態にある場合は次の処理を行う。
【0038】
通信品質が悪いことが検出された場合、これまで使用していたアンテナとは異なるアンテナへの切替を実行するとともに、アンテナ切替観察状態への移行を行う。
【0039】
また、通信品質が極めて良好であることが検出された場合には、これまで使用していたアンテナの使用を継続しつつ、伝送速度の増加を行うとともに、レート増加観察状態への移行を行う。
【0040】
伝送速度およびアンテナ切替手段15がレート増加観察状態にある場合は次の処理を行う。
【0041】
通信品質が悪いことが検出された場合、これまで使用していたアンテナの使用を継続しつつ、伝送速度の低下を行うとともに、通常状態への移行を行う。
【0042】
また、通信品質が極めて良好であることが検出された場合には、これまで使用していたアンテナの使用を継続しつつ、伝送速度の増加を行うとともに、レート増加観察状態を維持する。
【0043】
さらに、その状態が定められた期間以上継続した場合には、通常状態への移行を行う。
【0044】
前記伝送速度およびアンテナ切替手段15がアンテナ切替観察状態にある場合は次の処理を行う。
【0045】
通信品質が悪いことが検出された場合、これまで使用していたアンテナとは異なるアンテナへの切替を実行するとともに、伝送速度の低下を行い、かつレート低下観察状態への移行を行う。
【0046】
また、通信品質が極めて良好であることが検出された場合には、これまで使用していたアンテナの使用を継続しつつ、通常状態へ移行する。
【0047】
さらに、アンテナ切替観察状態が定められた期間以上継続した場合には、通常状態への移行を行う。
【0048】
前記伝送速度およびアンテナ切替手段15がレート低下観察状態にある場合には次の処理を行う。
【0049】
通信品質が悪いことが検出された場合、伝送速度の低下を行い、レート低下観察状態を維持する。
【0050】
また、通信品質が極めて良好であることが検出された場合には、通常状態への移行を行う。
【0051】
さらにレート低下観察状態が定められた期間以上継続した場合には、通常状態への移行を行う。
【0052】
伝送速度およびアンテナ切替手段15が上記の制御を行うことにより、品質の劣化に伴いアンテナ切替を行った場合、品質状態がさらに悪化するようなことがあれば、元のアンテナに復帰して伝送速度の低下による通信状態の改善を行う。これにより、品質状況の悪いアンテナを利用した試行回数を減らすことができるので、適したアンテナと伝送速度の選択が迅速かつ効率的に行うことができる。
【0053】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、レベル選択によるアンテナ選択が困難な場合でも品質の良好なアンテナを選択して送受信を行うことが可能となる。また、高速無線LANのような屋内伝搬環境において、マルチパス伝搬による劣化が支配的であり受信レベルと受信品質の相関が低い場合でも、効果の高いアンテナ選択を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるダイバーシチ送受信回路のブロック図である。
【図2】伝送速度及びアンテナ切替制御手段の状態遷移図である。
【図3】従来のダイバーシチ送受信回路のブロック図である。
【符号の説明】
11 送信器
12 送受切替器
13 アンテナ切替器
14a、14b アンテナ
15 伝送速度及びアンテナ切替制御手段
16 通信品質検出手段
17 受信器

Claims (5)

  1. 送信信号の伝送速度と送信するアンテナの選択を制御する伝送速度およびアンテナ切替制御手段と、
    パケット信号の送信データが入力され、別に入力された前記伝送速度およびアンテナ切替制御手段の制御信号が指定する伝送速度に従って入力されたデータを変調し、無線パケット信号を生成する送信器と、
    該送信器の送信出力端子と受信器の受信入力端子が接続され、送信時には前記送信出力端子を共通端子に接続し、受信時には前記受信入力端子を共通端子と接続する送受切替器と、
    複数のアンテナが接続され、別に入力された伝送速度およびアンテナ切替制御手段の制御信号に従って、前記複数のアンテナのひとつを選択して前記送受切替器の共通端子と接続するアンテナ切替器と、
    前記送受切替器の受信入力端子に接続され、受信した無線パケット信号を受信データに復調する受信器とを備えたダイバーシチ送受信回路において、
    通信の相手方は受信パケットを正しく受信できた時に到達確認信号を送信することとし、受信器より得られた前記到達確認信号が受信されたことの受信通知と、別に送信器より入力された送信通知との比較により通信品質を、極めて良好、良好、悪いの3段階に分類して、前記伝送速度およびアンテナ切替手段へ与える通信品質検出手段を備え、
    前記伝送速度およびアンテナ切替手段は、
    前記通信品質検出手段により通信品質が極めて良好であると検出された場合、これまで使用していたアンテナの使用を継続しつつ、伝送速度の増加を行い、
    前記通信品質検出手段により通信品質が悪いことが検出され、かつ過去一定期間内にアンテナ切替を行っていない場合に、これまで使用していたアンテナとは異なるアンテナへの切替を実行し、
    前記通信品質検出手段により通信品質が悪いことが検出され、かつ過去一定期間内にアンテナ切替を行っていた場合には、伝送速度の低下を行うことを特徴とするダイバーシチ送受信回路。
  2. 前記通信品質検出手段は、前記到達確認信号の受信状況と、前記送信器より入力された送信パケット信号の送信状況を比較して到達信号と未達信号を計数し、到達確認信号が定められた回数以上連続して受領できた場合に通信品質が極めて良好であると判断し、到達確認信号が別に定められた回数以上連続して未達であった場合に通信品質が悪いと判断し、その他の場合は良好と判断することを特徴とする請求項1に記載のダイバーシチ送受信回路。
  3. 前記伝送速度およびアンテナ切替手段は、通常状態、レート増加観察状態、アンテナ切替観察状態、レート低下観察状態の4状態のいずれかの状態にあり、
    (a)通常状態のとき;
    (a−1)前記通信品質検出手段により通信品質が悪いことが検出された場合、これまで使用していたアンテナとは異なるアンテナへの切替を実行するとともに、アンテナ切替観察状態への移行を行い、
    (a−2)前記通信品質検出手段により通信品質が極めて良好であると検出された場合、これまで使用していたアンテナの使用を継続しつつ伝送速度の増加を行うとともに、レート増加観察状態への移行を行うこととし、
    (b)レート増加観察状態のとき;
    (b−1)前記通信品質検出手段により通信品質が悪いことが検出された場合、これまで使用していたアンテナの使用を継続しつつ、伝送速度の低下を行うとともに、通常状態への移行を行い、
    (b−2)前記通信品質検出手段により通信品質が極めて良好であると検出された場合、これまで使用していたアンテナの使用を継続しつつ、伝送速度の増加を行うとともに、レート増加観察状態を維持し、
    (b−3)その状態が定められた期間以上継続した場合には、通常状態への移行を行うこととし、
    (c)アンテナ切替観察状態のとき;
    (c−1)前記通信品質検出手段により通信品質が悪いことが検出された場合、これまで使用していたアンテナとは異なるアンテナへの切替を実行するとともに、伝送速度の低下を行い、かつレート低下観察状態への移行を行い、
    (c−2)前記通信品質検出手段により通信品質が極めて良好であると検出された場合、これまで使用していたアンテナの使用を継続しつつ、通常状態へ移行し、
    (c−3)その状態が定められた期間以上継続した場合には、通常状態への移行を行うこととし、
    (d)レート低下観察状態のとき;
    (d−1)前記通信品質検出手段により通信品質が悪いことが検出された場合、伝送速度の低下を行い、レート低下観察状態を維持し、
    (d−2)前記通信品質検出手段により通信品質が極めて良好であると検出された場合、通常状態への移行を行い、
    (d−3)その状態が定められた期間以上継続した場合には、通常状態への移行を行うこと、を特徴とする請求項1又は2に記載のダイバーシチ送受信回路。
  4. 各状態で、最高レートのときに通信品質が極めて良好と検出されたとき、及び最低レートのときに通信品質が悪いと検出されたときは、通常状態に移行する、請求項に記載のダイバーシチ送受信回路。
  5. アンテナの数が2である請求項1又は2に記載のダイバーシチ送受信回路。
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