JP3623266B2 - New compound F-10463a - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、スフィンゴミエリナーゼを阻害し各種医薬として有用な新規化合物F−10463aおよびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターロイキン−1β(以下、「IL−1β」という。)の生物作用は多様であり、一般には生体の恒常性維持に必須な生体物質と考えられている。ところが、IL−1βの産生調節機能に異常が発生し、IL−1βが過剰に生産されると、種々の疾患の原因となる。また、腫瘍壊死因子−α(以下、「TNF−α」という。)はある種の腫瘍細胞やウイルス感染細胞を死滅させたり、顆粒球の抗細菌性作用を増強させる等の作用を有するが、TNF−αも過剰に生産された場合には、幾つかの疾患の主要な病因となる。
【0003】
この二つのサイトカインは全く異なる遺伝子の産物で、その構造に類似性はなく、各々に対応した独自の受容体を有するが、それらの標的細胞、生物活性には重複する点が多い。例えば、両サイトカインは生体内に入ったエンドトキシン(LPS)によって起こる敗血症性ショックの主要原因であり〔Tracy K.J. et al. Science, 234, 470 (1986)、Tracey K.J. et al. Nature(London), 330, 662 (1987)〕、その他、肉芽腫〔Kobayashi K. et al. J. Immunol., 134, 358 (1985)〕、髄膜炎菌髄膜炎やマラリア感染〔Curfs J.H.A. et al. J.Exp.Med., 172, 1287 (1990)〕等、外来性の微生物、寄生虫及びウイルス等に由来する感染症に密接に関係する。この様な急性期炎症反応に於ける主要な各段階、即ち、局所への炎症細胞の浸潤〔Gamble J.R. et al. Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A., 82, 8667 (1985) 、宮坂 昌之ら Annual Review 免疫’91, 57 中外医学社 (1991) 〕、発熱〔Dinarello C.A. Lymphokines, 14, 1 (1987) 〕、急性期蛋白の誘導〔Perimutter D.H. et al. J.Clin.Invest., 78,1349 (1986) 〕、プロスタノイド、特にPGE2 産生の促進に〔Dayer J.−M. et al. J.Exp.Med., 162, 2163 (1985) 、Turinsky J. et al. Am.J.Physiol. 262, E476 (1992)、Ballou L.R. et al. J.Biol.Chem. 267, 20044 (1992)〕、両サイトカインは積極的な役割を担っている。
【0004】
また、IL−1βとTNF−αは慢性の炎症疾患、例えば、慢性関節リウマチ(RA)発症及び進展に関与し、滑膜組織に於けるリンパ球浸潤の活性化、滑膜細胞の増殖促進、及び軟骨細胞の破壊、破骨細胞の活性化による骨吸収の促進作用を示す〔Mizel S.B. et al. Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 78, 2474 (1980) 、Miyasaka N. et al. Arthritis Rheum., 31, 480 (1988)、Arend W.P. and Dayer J.−M. Arthritis Rheumatism., 33, 305 (1990)〕。その他、同じリウマチ性疾患である膠原病〔Tanaka Y. et al. J.Immunol., 143, 1584 (1989) 〕、全身性血管炎を主体とする川崎病〔Leung D.Y.M. et al. J.Exp.Med., 164, 1958 (1986)〕、肉芽腫とそれに続く線維症に伴う慢性炎症にも関わることが知られている〔Le J. and Vilcek J. Lab.Invest., 56, 234 (1987) 〕。現在、慢性炎症性疾患の治療剤として使用されているグルココルチコイドは、その作用一部がこれらサイトカインの産生抑制にあることが知られているが〔Lew W. et al. J.Immunol., 140, 1895 (1988) 〕、グルココルチコイドは、その多様な生理作用により種々の危篤な副作用を誘起する不利を併せ持つ。
【0005】
さらに、IL−1βとTNF−αは単球の血管内皮細胞への接着、内皮下への遊走〔Pober J.S. et al. J.Immunol., 137, 1893 (1986)、Nelken N.A. et al. J.Clin.Invest. 88, 1121 (1991) 〕、血管平滑筋細胞の内膜での異常増殖を促進する等〔Raines E.W. et al. Science 243, 393 (1989)〕、粥状動脈硬化の発症、進展に関与する。
【0006】
また、IL−1βとTNF−αは、血小板活性化因子(PAF)の産生促進、組織因子の内皮細胞膜表面への誘導、トロンボモジュリンプロテインCの減少、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1の産生抑制をきたし、全体として血小板凝集と血液凝固を招来して血栓形成の原因となる〔Bevilacqua M.P. et al. Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A., 83, 4533 (1986) 、Le J. and Vilcek J. Lab.Invest., 56, 234 (1987) 、佐藤 靖史 現代医療, 23, 3163 (1991) 〕。
【0007】
インスリン依存型糖尿病(IDDM)では、その発症に至る過程に潜在的、慢性的、自己免疫的な炎症が膵島、特に膵β細胞に起こっているが、IL−1βやTNF−αはそれに関与する〔Nerup J. et al. Diabetes Care., 11, 16 (1988) 。一方、インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)に際しても、TNF−αは脂肪細胞での産生を介して筋肉、肝細胞に作用し、インスリン抵抗性を発揮することに関与する〔Spiegelman B.M. et al. J. Biol.Chem., 268, 6823 (1993)〕。
【0008】
糸球体腎炎発症の主体を成すメサンギウム細胞の増殖と基質の増生にIL−1βとTNF−αは深く関与する〔Werber H.I. et al. J.Immunol., 138, 3207 (1987) 、Baud L. et al. Kidney Int., 41, 600 (1992)〕。
【0009】
IL−1βやTNF−αはT細胞からのILー2産生やその分泌、その受容体発現を促し、また、その他の免疫細胞に作用してその働きを高めることで免疫能を賦活化する〔Gillis S. and Mizel S.B. Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 78, 1133 (1981)、Scheurich P. et al. J.Immunol., 138, 1786 (1987)〕。この作用により両サイトカインは、例えば移植の際に生じる移植片対宿主病(GVHD)発症の一因となる。
【0010】
TNF−αは、慢性の感染症やガン患者に於いて脂肪細胞のリポプロテインリパーゼ活性を抑制して食欲不振を引き起こすことにより、極度の体重減少・消耗を引き起こし(cachexia)、そのためTNF−αはカケクチン(cachectin )と呼ばれている〔Beutler B. et al. Nature(London), 316, 552 (1985) 〕。
【0011】
TNF−αは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染細胞において、染色体内に挿入されたHIVのウイルスゲノム末端:LTR:からの転写を転写因子NF−κBを介して活性化させ、HIVの増殖をこう進させる〔Nabel G. et al. Nature, 326, 711 (1987) 、Schreck R. et al. EMBO Journal, 10, 2247 (1991) 〕。
【0012】
その他、IL−1βやTNF−αの過剰生産に基づく疾患として、劇症肝炎〔Muto Y. et al. Lancet II, 72 (1988) 〕、喘息、特発性肺線維症〔Kelley J. Am.Rev.Respir.Dis., 141(3), 765 (1990)〕、ARDS(adult respiratory distress syndrome )〔Millar A. et al. Lancet II, 712 (1989)〕等の呼吸器系疾患、自己免疫性甲状腺疾患〔江口 勝美ら 最新医学からのアプローチ1 サイトカインから, メジカルビュー社, 38 (1991) 〕、ライム病〔Habicht G.S. et al. J.Immunol., 134, 3147 (1985)〕、アルツハイマー病〔Griffin W.S.T. at al. Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A., 86, 7611 (1989)〕、クローン病〔八木田 旭邦 医学のあゆみ, 147, 375 (1988) 〕、中毒ショック症候群〔Ikejima T. et al. J.Clin.Invest., 73, 1312 (1984) 〕、骨粗しょう症〔Pacifici R. et al. Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A., 86, 2398 (1989) 〕、痛風〔Di Giovine F.S. et al. J.Immunol., 138, 3213 (1987) 〕、急性骨髄性白血病〔Sakai K. et al. J.Exp.Med., 166, 1587 (1987)〕、子宮内膜炎〔Romero R., et al. Am.J.Obstet.Gynercol. 160, 1117 (1989)〕などが挙げられる。
【0013】
スフィンゴミエリナーゼは、生体内の細胞膜系および核内に含まれるコリン含有脂質の一つであるスフィンゴミエリンを基質として、このものをセラミドとホスホリルコリンに分解する酵素である。本酵素は、当初は酸性域に至適pHを有するリソソームの水解酵素の一つとして見い出されたが、最近では中性域に至適pHを有する同酵素活性がミクロソーム画分、形質膜にも見い出されており〔Allan D. et al. Biochim.Biophys.Acta., 693, 53 (1982) 、T−Koizumi K. and Kojima K. J.Biochem., 99, 1803 (1986)、これらの諸酵素が生体内のスフィンゴミエリンの代謝に実際的に関与しているものと考えられる。
【0014】
上記反応の生成物の一つセラミドは更にセラミダーゼにより加水分解され、脂肪酸とスフィンゴシンを生じる。そして、スフィンゴミエリンが哺乳動物体内で代謝されて、セラミドさらにスフィンゴシンとなることは in vivo の実験で確かめられている〔Schneider P.B. and Kennedy E.P. J.Lipid Res., 9, 58 (1968)〕。スフィンゴミエリンの分解産物であるこのセラミドやスフィンゴシンは、細胞の増殖・分化、及び、それらに密接に関連をもつ情報伝達の制御機構に関与していることが示され〔小島清秀と小泉恵子 蛋白質 核酸 酵素, 36, 629 (1991)〕、この反応経路はスフィンゴミエリン経路と呼ばれている。
【0015】
IL−1βやTNF−αが標的細胞の受容体に結合し、その後、細胞内にてシグナル伝達がされるときに、このスフィンゴミエリン経路が関与していることが示されている〔Dressler K.A. et al. Science, 255, 1715 (1992)、Mathias et al. Science, 259, 519 (1993) 〕。
【0016】
従って、スフィンゴミエリナーゼ活性の阻害物質によりこれらTNFαやIL1βのシグナル伝達を遮断することができ、これらサイトカインが関与する病態を改善することができる。
【0017】
一方、スフィンゴミエリナーゼの反応物がシクロオキシゲナーゼを活性化し、これを介してPGE2産生を促進していることが示されている(Ballou L.R. et al. J. Biol. Chem. 267, 20044, (1992))。
【0018】
また、スフィンゴミエリナーゼ反応そのものが、粥状動脈硬化の発症に関わるLDLや変性LDLの末梢細胞内への取り込みを促進し、コレステロール・エステル合成及びその細胞内蓄積を増加させ〔Stein O.et al. Biochim. Biochim. Acta., 1126, 291 (1992)、Chatterjee S. J.Biol.Chem., 268, 3401 (1993)〕、本病態の進展に関わることが予想されている。
【0019】
さらに、スフィンゴミエリナーゼの活性化は腎臓の近位尿細管に於いてジヌソイド側の頂端膜内にあるスフィンゴミエリン含量を減らし、Na依存性に機能するリン酸や糖の取り込みを減少させる〔Vrtovsnik F. et al. Kidney International., 41, 983(1992)〕。
【0020】
また、HIVに感染したCEM細胞でセラミドの量が亢進していることが示され[Veldhoven P.P.V. et al. Biochem. Biophys. Res. Comm., 187, 209 (1992)] 、生体内のHIV感染細胞でスフィンゴミエリナーゼが活性化していることが示されている。
【0021】
以上の事実から、スフィンゴミエリナーゼに対する特異的な阻害物質は、抗HIV剤、抗糖尿病剤、抗動脈硬化剤、抗骨粗しょう症剤、抗血栓剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、利尿剤、そして、呼吸器系疾患、甲状腺疾患、アルツハイマー病、肝炎、腎炎、白血病、及びカケクシアに対する予防薬、治療薬として使用できる。
【0022】
しかしながら、スフィンゴミエリナーゼに対して特異的かつ強力な阻害物質は現在まで見い出されていない。
【0023】
従来、IL−1β作用を特異的に阻害する物質としては、可溶性IL−1レセプターやIL−1レセプターアンタゴニストが見いだされ、これらを用いての敗血症性ショック患者やRA患者での症状改善がみられている。
【0024】
また、TNF−α作用を特異的に阻害する可溶性TNF受容体、抗TNF抗体を用いての、エンドトキシンショックや急性GHVDなどを対象とした臨床試験が実施され、その有効性が観察されている〔Vincent J.−L. et al. Chest, 101, 810 (1992) 、Herve P. et al. Blood, 79, 3362 (1992)〕。
【0025】
しかし、これらは何れもペプチド性もしくは高分子量の物質であるため、薬剤としての体内への吸収性や血中での安定性等に於いて欠点を有する。かかる観点より、スフィンゴミエリナーゼに対して特異的な阻害活性を有する、低分子生理活性物質が望まれていた。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは微生物代謝産物中よりスフィンゴミエリナーゼ阻害活性を有する物質を検索し、枯死した草本の茎より分離した Dasyscyphus 属に属するDasyscyphus mollissimus(Lasch) Dennis 株の培養液中にスフィンゴミエリナーゼ阻害活性を有する新規化合物F−10463aが生産されることを見出し、本発明を完成した。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明の F−10463a は下記の構造式および性状を有する。
【0028】
構造式
【0029】
【化2】
【0030】
物理化学的性状
1) 性質;無色油状物質、
2) 溶解性;メタノール、酢酸エチル、クロロホルムなどの有機溶媒に可溶、水に不溶
3) 呈色試験;50% 硫酸、ヨウ素に陽性。
【0031】
4) 分子式; C29H43NO5
5) 分子量;485 (高分解能FABMS 法により [M+H]+ 486.3199 (測定値) )(計算値:486.3204)
6) 比旋光度;[ α] +64.44 (c 0.09 in MeOH)
7) 紫外線吸収スペクトル;(メタノール中)300 nm( ε41500)
8) 赤外線吸収スペクトル;(クロロホルム中)
3410, 1655, 1608, 1508 cm−1
9) 1H− 核磁気共鳴スペクトル;( 重メタノール中:PPM, TMS 基準)
7.15(m, 2H), 6.53(dd, J=14.9, 10.7Hz, 1H), 6.25(dd, J=14.9, 11.1Hz, 1H),6.15(dd, J=15.1, 10.7Hz, 1H), 6.07(dd, J=9.8, 1.6Hz, 1H), 5.89(d, J=14.8Hz, 1H), 5.70(dd, 15.1, 8.7Hz, 1H), 4.8(HDO のシグナルの下に隠れている、 1H), 4.05(m, 1H), 3.67(d, J=3.9Hz, 1H), 3.59(m, 1H), 3.52(dd, J=10.9, 5.1Hz, 1H), 3.45(dd, J=10.9, 5.8Hz, 1H), 2.35(m, 1H), 2.27(m, 1H),2.08(dd, J=14.7, 3.6Hz, 1H), 1.89(m, 2H), 1.79(dd, 13.1, 7.1Hz, 1H),1.59(m, 1H), 1.54(d, J=1.3Hz, 3H), 1.33(m, 2H), 1.19(m, 1H),〜1.1(m, 1H), 1.00(d, J=6.7Hz, 3H), 0.91(d, J=6.6Hz, 3H), 0.86(t, J=7.4Hz, 3H), 0.83(d, J=6.5Hz, 3H)
10) 13C−核磁気共鳴スペクトル;( 重メタノール中:PPM, 重メタノール基準)
200.1(s),169.0(s),146.6(d),146.4(d),142.9(d),141.9(d),134.7(d),134.0(s)
132.5(d),130.4(d),129.9(d),124.3(d),78.0(s),66.1(t),58.7(d),50.1(t),
49.8(d),48.5(d),45.7(t),40.3(t),36.7(d),35.9(d),32.2(t),30.0(d),22.4(q)
22.0(q),20.4(q),16.9(q),13.0(q)
11) 高速液体クロマトグラフグラフィー
保持時間:5.65 分
カラム: ナカライテスク製コスモシール 5 C18−AR, 4.6φX150mm
溶媒: 70% アセトニトリル− 水
流速: 1ml/ml
検出: UV 210nm
生産菌
本発明において用いられる Dasyscyphus 属に属する菌株としては、例えば Dasyscyphus mollissimus(Lasch) Dennis SANK13892株(FERM BP−4491 ) を挙げることができ、この菌株の菌学的性状は次のとおりである。
【0032】
SANK13892 は、1991年5 月、青森県において採集された枯死した草本の茎から分離したものである。
【0033】
子嚢盤は直径最大で0.2mm の無柄の平坦な円盤状で、灰橙色〜黄色を呈する。子嚢盤の周縁に毛を有し、縁は盛り上がらない。托外皮層は多角菌組織様を呈し、淡褐色で薄膜の細胞よりなる。托髄層は密に絡み合って外壁とやや平行な菌糸よりなり、絡み合い菌組織を呈する。毛は托外皮層の最外層の細胞より生じて真直ぐに伸長し、円筒形であり、薄膜、多数の隔壁を有し、最大長200 μm 、太さ3.5 μm である。その先端はほとんど鈍頭である。表面はほとんど平滑で、樹脂状の不定形物質が散在・付着する。子嚢はクランプより生じ、円筒形、8 胞子性で、大きさ58−66 x 5−6.5 μm である。その先端はメルツァー試薬にて青変する。側糸は細い槍型であり、 大きさ74.5−100 x 3.5−4μm 、子嚢より約20μm 上に伸長する。子嚢胞子は桿形から紡錘形、単細胞、無色であり、大きさ18−26.5 x 2.5−5 μm である。
【0034】
PDA上の生育は、23℃、10日で 1.5 cm に達する。表面は淡澄色〜澄白色を呈し、コロニー中央部にてやや盛り上がる。気菌糸の発達はあまり旺盛でなく、絡み合って菌糸束を形成する。表面は粉状となる。裏面は、淡澄色〜澄白色を呈する。さらに培養を継続することによって、より濃色となる。分生子は観察されない。
【0035】
以上のような菌学的特徴から、本菌に該当するものを検索したところ、Otani(1967) Notes on some cup fungi of the Hyaloscyphaceae collected in Hokkaido,Japan. Trans.Mycol. Soc. Japan 8:33−42.に記載されているDasyscyphus mollissimus (Lasch) Dennis(ダシスキファス・モリシムス・ラッシュ・デニス)に一致した。よって本菌をDasyscyphus mollissimus (Lasch) Dennisと同定し、Dasyscyphus mollissimus (Lasch) Dennis SANK13892 と命名した。本菌は、1993年12月10日に通産省工業技術院生命工学工業技術研究所に国際寄託され、寄託番号 FERM BP−4491 が付された。
【0036】
培養法及び精製法
本発明の新菌株を分離するに際し使用される分離培地としては炭素源、窒素源、無機イオンおよび有機栄養源等より選択されたものを適宜含有する培地であれば合成または天然培地の何れでも使用可能である。F−10463aは SANK13892 株を適当な培地で培養し、それから採取することによって得られる。栄養源としては、従来、真菌類の培養に利用されている公知のものが使用できる。例えば、炭素源としてはグルコース、シュクロース、澱粉、グリセリン、水飴、糖蜜、大豆油などが使用できる。また、窒素源としては大豆粉、コーンスチープリカー、イーストエキス、麦芽エキス、ジャガイモ、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム等を使用しうる。このほか必要に応じて炭酸カルシウム、リン酸塩等の無機塩類を添加するほか、菌株の発育を助け、F−10463aの生産を促進するような有機および無機物を適当に添加することができる。培養法としては、一般の抗生物質を生産する方法と同じく液体培養法、特に深部培養法が最も適している。培養は、好気的条件下で行なわれ、培養に適当な温度は15ー30℃であるが、多くの場合23℃付近で培養する。F−10463aの生産は、振盪培養で通常5−8 日で最高値に達する。
【0037】
培養終了後、培養液中の菌体あるいはロ液に存在するF−10463aを培養液の容量程度のアセトン、アセトニトリルのような有機溶媒を添加し混合することにより抽出する。抽出物中に存在する固形部分を珪藻土をろ過操作助剤とするろ過操作または遠心分離によって分別し、そのろ液または上清中に存在するF−10463aを、スフィンゴミエリナーゼ阻害活性を指標にして、その物理化学的性状を利用し抽出精製する。例えば、この抽出液中に存在するF−10463aは、まず濃縮操作で混在する有機溶媒を除去した後に、水と混和しない有機溶剤、例えばnーブタノール、メチルエチルケトン、酢酸エチル、クロロホルム、塩化エチレン、塩化メチレンなどの単独または、それらの組み合わせにより抽出精製することができる。あるいは吸着剤として、例えば活性炭または吸着用樹脂であるアンバーライトXAD−2、XAD−4(ローム・アンド・ハース社製)等や、ダイヤイオンHPー10、HPー20、CHPー20P、HPー50(三菱化成(株)製)等を使用する事ができる。F−10463aを含む液を上記のごとき吸着剤の層を通過させて不純物を吸着させて取り除くか、またはF−10463aを吸着させた後、メタノール水、アセトン水、n−ブタノール水などを用いて溶出させることにより得られる。このようにして得られたF−10463aは、更にシリカゲル、フロリジルのような担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィー、セファデックスLH−20(ファルマシア社製)などを用いた分配カラムクロマトグラフィ、セファデックスG−25(ファルマシア製)などを用いたゲルろ過クロマトグラフィ、および順相、逆相カラムを用いた高速液体クロマトグラフィ等で精製することが出来る。
【0038】
スフィンゴミエリナーゼ阻害活性は以下の方法で測定できる( J. Lipid Res.20, 456 (1979))。
【0039】
即ち、先ず、基質溶液として10μlの[N−メチル−14C]スフィンゴミエリン(牛、52mCi/mmol、25μCi/ml;アマシャム社)と200μlのスフィンゴミエリン(牛、20mM、シグマ社)を窒素ガスで乾固させた後、200μlの1Mトリスー塩酸(pH7. 5)、40μlの10%(v/v)トリトンX−100、20μlの0. 5M MgCl2 、及び1. 24mlのH2 Oを加えて48℃、30分のインキュベーションを行い、プローブ型超音波破砕装置で、20Wの出力条件下、15秒、2回の超音波処理を施し、[14C]スフィンゴミエリンを含む混合ミセル系を作成した。
【0040】
スフィンゴミエリナーゼ反応は、この様にして用意した基質溶液150μlに検体溶液10μlを混合し、ウイスターイマミチ系雄性ラット脳のミクロソーム画分(25、000×g〜100、000×g、蛋白質濃度3〜4mg/ml)40μlを酵素溶液として加えて37℃、40分インキュベーションすることにより行った。反応終了後、クロロホルム:メタノール(2:1、v/v)を500μl加えて抽出操作を施し、得られた水層150μlを3mlのピコフローTM40(パッカードジャパン株式会社)と混合して反応物である[14C]ホスフォリルコリン量を液体シンチレーションカウンターで測定した。スフィンゴミエリナーゼ活性は、この測定値からスフィンゴミエリナーゼ反応に必要なMgCl2 を除いた場合での測定値を差し引いた値として計算される。
【0041】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0042】
実施例1. F−10463a物質の精製
(1) 培養
Dasyscyphus mollissimus(Lasch) Dennis SANK13892 株を無菌的に、滅菌した後述の組成の培養培地100 ml を含む500 ml の三角フラスコ(種フラスコ)に接種した。次いでこれを5日間、200rpm のロータリー振とう機で前培養を行った。
【0043】
【表1】
培地組成
グリセロール 50g
ジャガイモ 50g
イ−スト・イクストラクト 5g
マルト・イクストラクト 5g
消泡剤(CB−442) 0.2g
イオン交換水 1000ml
pH 無調整
本培養は以下のように行った。滅菌した上述の組成の培養培地100 ml を含む500 ml の三角フラスコ 15 本に種培養液をそれぞれ5ml入れ、23℃で7日間、200rpm のロータリー振とう機で培養を行った。
【0044】
(2)スフィンゴミエリナーゼ阻害活性の測定法
スフィンゴミエリナーゼの酵素標品の調製は、基本的には Gatt S.(Biochem. biophys. Res. Commun. 68, 235 (1976))の方法に従って行った。すなわち、スフィンゴミエリナーゼの酵素源としてラット脳を用い、先ず、以下の様にそのミクロソーム画分を調製した。10匹のウイスターイマミチ系雄性ラット(9週齢)を頚動脈放血後、全脳を摘出した。迅速に、小脳を除去後、予め4℃に冷却したバッファーA(0. 25M 蔗糖、1mM EDTA、1mM PMSF(Phenylmethylsulfonyl Fluoride )、0. 1mM ロイペプチン、5mM トリスー塩酸緩衝液、pH7. 4)130mlを加え、4℃条件下、ポッターのホモジナイザーを用いて脳細胞の破砕を行った。次に、得られた細胞破砕液を4℃条件下、700×g、10分間の遠心分離を行い、その上清を更に、4℃条件下、25、000×gで10分間の遠心分離を行った。最後に、得られた上清を4℃条件下、100、000×gで60分間の超遠心分離を行い、その沈澱物をミクロソーム画分とした。尚、この画分はスフィンゴミエリナーゼの活性測定時まで液体窒素下で凍結保存し、使用時にバッファーAで蛋白質濃度3〜4mg/ml程度になる様に調製した。
【0045】
スフィンゴミエリナーゼ活性は混合ミセル系を使って、Hostetler K.Y. と Yazaki P.J. の方法(J. Lipid Res. 20, 456 (1979))を参考にして、以下の様に測定した。即ち、先ず、混合した10μlの[N−メチル−14C]スフィンゴミエリン(牛、52mCi/mmol、25μCi/ml;アマシャム社)と200μlのスフィンゴミエリン(牛、20mM、シグマ社)を窒素ガスで乾固させた後、200μlの1Mトリスー塩酸(pH7. 5)、40μlの10%(v/v)トリトンX−100、20μlの0. 5M MgCl2、及び1. 24mlの H2Oを加えて48℃、30分のインキュベーションを行った。そして、プローブ型超音波破砕装置で、20Wの出力条件下、15秒、2回の超音波処理を施し、[14C]スフィンゴミエリンを含む混合ミセル系を作成した。
【0046】
スフィンゴミエリナーゼ反応は、この様にして用意した基質溶液150μlに検体溶液10μlを混合し、先に供述した酵素溶液40μlを加えて37℃、40分インキュベーションすることにより行った。反応終了後、クロロホルム:メタノール(2:1、v/v)を500μl加えて抽出操作を施し、得られた水層150μlを3mlのピコフローTM40(パッカードジャパン株式会社)と混合して反応物である[14C]ホスフォリルコリン量を液体シンチレーションカウンターで測定した。スフィンゴミエリナーゼ活性は、この測定値からスフィンゴミエリナーゼ反応に必要なMgCl2 を除いた場合での測定値を差し引いた値として計算される。
【0047】
この方法で測定した、スフィンゴミエリナーゼ反応を 50% 阻害するのに必要な F−10463a の濃度は 20 μg/mlであった。
【0048】
(3) 単離
三角フラスコ 15 本分の培養液を 6N 塩酸で pH 3 に調整し、続いて 3000 回転、10 分、遠心分離を行った。得られた菌体に 80% アセトンを 500 ml 加え、1 時間攪拌した。この混合物を 3000 回転、10 分、遠心分離を行い、上清を減圧濃縮してアセトンを除去した。次にこれを等量の酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して褐色の油状物を 430 mg 得た。このうち 400mg を少量の塩化メチレンーメタノール、100:1 の溶媒に溶解し、同じ溶媒で平衡化した80ml のシリカゲルカラムにチャージした。このカラムを 240ml の 塩化メチレンーメタノール、100:1 の溶媒で溶出し、さらに 240 ml の 50:1, 20:1 及び 10:1 の溶媒で溶出し、それぞれの溶出液を分画した。酵素阻害活性は 20:1 の分画に認められたのでこの分画を濃縮し、78mg の褐色の油状物質を得た。これを少量のメタノールに溶解し、以下のように調製用 HPLC で精製した。すなわち、約 20mg ずつ、70% アセトニトリル水溶液で平衡化した HPLC カラム(ナカライテスク製コスモシル5C18−AR, 20 φX250mm)にチャージし、同じ溶媒で 10ml/min. の流速で展開した。210 nm の吸収を検出し、約 30 分にでるピークを分取した。分取した溶液を減圧濃縮し、22mg の F−10463a 物質を得た。
【0049】
【発明の効果】
本発明の新規化合物 F−10463a は、抗HIV剤、抗糖尿病剤、抗動脈硬化剤、抗骨粗しょう症剤、抗血栓剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、利尿剤、そして、呼吸器系疾患、甲状腺疾患、アルツハイマー病、肝炎、腎炎、白血病、及びカケクシアに対する予防薬、治療薬として使用できる。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a novel compound F-10463a that inhibits sphingomyelinase and is useful as various pharmaceuticals, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Interleukin-1β (hereinafter referred to as “IL-1β”) has various biological actions and is generally considered to be a biological substance essential for maintaining the homeostasis of the living body. However, when an abnormality occurs in the IL-1β production regulatory function and IL-1β is excessively produced, it causes various diseases. Tumor necrosis factor-α (hereinafter referred to as “TNF-α”) has effects such as killing certain tumor cells and virus-infected cells, and enhancing the antibacterial action of granulocytes. If TNF-α is also produced in excess, it becomes a major etiology of several diseases.
[0003]
These two cytokines are the products of completely different genes, have no similar structure, and have their own receptors corresponding to each of them. However, their target cells and biological activities often overlap. For example, both cytokines are a major cause of septic shock caused by endotoxin (LPS) in vivo [Tracy K. et al. J. et al. et al. Science, 234, 470 (1986), Tracey K. et al. J. et al. et al. Nature (London), 330, 662 (1987)] and others, granulomas [Kobaashi K. et al. et al. J. et al. Immunol. , 134, 358 (1985)], Neisseria meningitidis meningitis and malaria infection [Curfs J. et al. H. A. et al. J. et al. Exp. Med. , 172, 1287 (1990)], etc., are closely related to infectious diseases derived from exogenous microorganisms, parasites and viruses. Each major stage in such an acute phase inflammatory reaction, that is, local infiltration of inflammatory cells [Gamble J. et al. R. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. , 82, 8667 (1985), Masayuki Miyasaka et al. Annual Review Immunization '91, 57 Chugai Medical Co., Ltd. (1991)], fever [Dinarello C. et al. A. Lymphokines, 14, 1 (1987)], induction of acute phase proteins [Perimter D. et al. H. et al. J. et al. Clin. Invest. , 78, 1349 (1986)], prostanoids, especially PGE2 For promoting production [Dayr J. et al. -M. et al. J. et al. Exp. Med. , 162, 2163 (1985), Turinsky J. et al. et al. Am. J. et al. Physiol. 262, E476 (1992), Ballou L. et al. R. et al. J. et al. Biol. Chem. 267, 20044 (1992)], both cytokines play an active role.
[0004]
IL-1β and TNF-α are involved in the development and progression of chronic inflammatory diseases such as rheumatoid arthritis (RA), activation of lymphocyte infiltration in synovial tissue, promotion of proliferation of synovial cells, And promotes bone resorption by destruction of chondrocytes and activation of osteoclasts [Mize S. et al. B. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 78, 2474 (1980), Miyasaka N. et al. et al. Arthritis Rheum. , 31, 480 (1988), Arend W., et al. P. and Dayer J .; -M. Arthritis Rheumatism. 33, 305 (1990)]. In addition, collagen disease, which is the same rheumatic disease [Tanaka Y. et al. et al. J. et al. Immunol. , 143, 1584 (1989)], Kawasaki disease mainly consisting of systemic vasculitis [Leung D. et al. Y. M.M. et al. J. et al. Exp. Med. , 164, 1958 (1986)] and is also known to be involved in chronic inflammation associated with granulomas and subsequent fibrosis [Le J. et al. and Vilseck J. et al. Lab. Invest. 56, 234 (1987)]. Glucocorticoids currently used as therapeutic agents for chronic inflammatory diseases are known to have a part of their action in suppressing the production of these cytokines [Lew W. et al. et al. J. et al. Immunol. , 140, 1895 (1988)], glucocorticoids have the disadvantage of inducing various serious side effects due to their various physiological actions.
[0005]
Furthermore, IL-1β and TNF-α adhere to monocytes to vascular endothelial cells and migrate to the subendothelium [Pober J. et al. S. et al. J. et al. Immunol. , 137, 1893 (1986), Nelken N., et al. A. et al. J. et al. Clin. Invest. 88, 1121 (1991)], promoting abnormal proliferation of vascular smooth muscle cells in the intima [Raines E. et al. W. et al. Science 243, 393 (1989)], involved in the development and progression of atherosclerosis.
[0006]
IL-1β and TNF-α also promote the production of platelet activating factor (PAF), induce tissue factor to the endothelial cell membrane surface, decrease thrombomodulin protein C, and suppress the production of plasminogen activator inhibitor 1. As a whole, platelet aggregation and blood coagulation are induced and cause thrombus formation [Bevilacqua M. et al. P. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. , 83, 4533 (1986), Le J. et al. and Vilseck J. et al. Lab. Invest. , 56, 234 (1987), Atsushi Sato Contemporary Medicine, 23, 3163 (1991)].
[0007]
In insulin-dependent diabetes mellitus (IDDM), latent, chronic and autoimmune inflammation occurs in the islets, particularly pancreatic β cells, in the process leading to its onset, but IL-1β and TNF-α are involved in it. [Nerup J. et al. et al. Diabetes Care. , 11, 16 (1988). On the other hand, in non-insulin dependent diabetes mellitus (NIDDM), TNF-α acts on muscle and hepatocytes through production in adipocytes and is involved in exerting insulin resistance [Spiegelman B. et al. M.M. et al. J. et al. Biol. Chem. , 268, 6823 (1993)].
[0008]
IL-1β and TNF-α are deeply involved in the growth of mesangial cells, which are the main cause of the development of glomerulonephritis, and the growth of the substrate [Werber H. et al. I. et al. J. et al. Immunol. , 138, 3207 (1987), Baud L. et al. et al. Kidney Int. , 41, 600 (1992)].
[0009]
IL-1β and TNF-α stimulate the production of IL-2 from T cells, their secretion, and expression of their receptors, and also act on other immune cells to enhance their functions and thereby enhance their immunity [ Gilis S. and Mizel S. et al. B. Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 78, 1133 (1981), Schurich P. et al. et al. J. et al. Immunol. , 138, 1786 (1987)]. By this action, both cytokines contribute to the development of graft-versus-host disease (GVHD), which occurs during transplantation, for example.
[0010]
TNF-α causes anorexia by suppressing lipoprotein lipase activity of adipocytes in patients with chronic infections and cancers, thereby causing extreme weight loss and wasting (cachexia). Therefore, TNF-α is It is called cachectin [Butler B. et al. et al. Nature (London), 316, 552 (1985)].
[0011]
TNF-α activates transcription from HIV viral genome end: LTR: inserted into the chromosome via transcription factor NF-κB in HIV (human immunodeficiency virus) -infected cells. [Nabel G. et al. Nature, 326, 711 (1987), Schreck R., et al. et al. EMBO Journal, 10, 2247 (1991)].
[0012]
As other diseases based on overproduction of IL-1β and TNF-α, fulminant hepatitis [Mutto Y. et al. et al. Lancet II, 72 (1988)], asthma, idiopathic pulmonary fibrosis [Kelley J. et al. Am. Rev. Respir. Dis. , 141 (3), 765 (1990)], ARDS (adult respiratory distress syndrome) [Miller A. et al. et al. Lancet II, 712 (1989)] and other respiratory diseases, autoimmune thyroid diseases [Katsumi Eguchi et al. Approach 1 from the latest medicine From cytokines, Medical View, 38 (1991)], Lyme disease [Havict G. et al. S. et al. J. et al. Immunol. , 134, 3147 (1985)], Alzheimer's disease [Griffin W. et al. S. T.A. at al. Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. , 86, 7611 (1989)], Crohn's disease [Ayumi Yakita, History of Medicine, 147, 375 (1988)], toxic shock syndrome [Ikejima T. et al. et al. J. et al. Clin. Invest. , 73, 1312 (1984)], osteoporosis [Pacifici R., et al. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. , 86, 2398 (1989)], gout [Di Giovine F., et al. S. et al. J. et al. Immunol. , 138, 3213 (1987)], acute myeloid leukemia [Sakai K. et al. et al. J. et al. Exp. Med. , 166, 1587 (1987)], endometritis [Romero R., et al. , Et al. Am. J. et al. Obstet. Gynecol. 160, 1117 (1989)].
[0013]
Sphingomyelinase is an enzyme that decomposes this into ceramide and phosphorylcholine using sphingomyelin, which is one of the choline-containing lipids contained in the cell membrane system and nucleus in the living body, as a substrate. This enzyme was initially found as one of the lysosomal hydrolyzing enzymes having an optimum pH in the acidic range, but recently, the enzyme activity having an optimum pH in the neutral range has also been detected in the microsomal fraction and plasma membrane. It has been found [Allan D. et al. Biochim. Biophys. Acta. , 693, 53 (1982), T-Koizumi K. et al. and Kojima K.K. J. et al. Biochem. , 99, 1803 (1986), it is considered that these enzymes are actually involved in the metabolism of sphingomyelin in vivo.
[0014]
Ceramide, one of the products of the above reaction, is further hydrolyzed by ceramidase to produce fatty acids and sphingosine. And it has been confirmed by in vivo experiments that sphingomyelin is metabolized in the mammalian body to become ceramide and sphingosine [Schneider P. et al. B. and Kennedy E.M. P. J. et al. Lipid Res. , 9, 58 (1968)]. These ceramides and sphingosines, which are degradation products of sphingomyelin, have been shown to be involved in cell proliferation / differentiation and the information transfer control mechanism closely related to them [Kiyohide Kojima and Keiko Koizumi protein nucleic acid Enzyme, 36, 629 (1991)], this reaction pathway is called the sphingomyelin pathway.
[0015]
It has been shown that this sphingomyelin pathway is involved when IL-1β or TNF-α binds to a receptor of a target cell and is subsequently signaled in the cell [Dressler K. et al. A. et al. Science, 255, 1715 (1992), Mathias et al. Science, 259, 519 (1993)].
[0016]
Therefore, the signal transduction of these TNFα and IL1β can be blocked by an inhibitor of sphingomyelinase activity, and the pathological condition involving these cytokines can be improved.
[0017]
On the other hand, a sphingomyelinase reaction product activates cyclooxygenase, through which PGE is activated.2It has been shown to promote production (Ballou LR et al. J. Biol. Chem. 267, 20044, (1992)).
[0018]
In addition, the sphingomyelinase reaction itself promotes the uptake of LDL and denatured LDL involved in the development of atherosclerosis into peripheral cells, and increases cholesterol ester synthesis and intracellular accumulation [Stein O. et al. et al. Biochim. Biochim. Acta. , 1126, 291 (1992), Chatterjee S .; J. et al. Biol. Chem. , 268, 3401 (1993)], is expected to be involved in the development of this disease state.
[0019]
Furthermore, activation of sphingomyelinase reduces the content of sphingomyelin in the apical membrane on the side of the sinusoid in the proximal tubule of the kidney and reduces the uptake of phosphate and sugar that function in a Na-dependent manner [Vrtovsnik F . et al. Kidney International. , 41, 983 (1992)].
[0020]
In addition, it was shown that the amount of ceramide was increased in CEM cells infected with HIV [Veldhoven P. et al. P. V. et al. Biochem. Biophys. Res. Comm. , 187, 209 (1992)], it is shown that sphingomyelinase is activated in HIV-infected cells in vivo.
[0021]
Based on the above facts, specific inhibitors for sphingomyelinase are anti-HIV agents, anti-diabetic agents, anti-arteriosclerotic agents, anti-osteoporosis agents, anti-thrombotic agents, anti-inflammatory agents, immunosuppressive agents, diuretics, And it can be used as a prophylactic or therapeutic agent for respiratory diseases, thyroid diseases, Alzheimer's disease, hepatitis, nephritis, leukemia, and cachexia.
[0022]
However, no specific and potent inhibitor against sphingomyelinase has been found to date.
[0023]
Conventionally, soluble IL-1 receptors and IL-1 receptor antagonists have been found as substances that specifically inhibit the action of IL-1β, and these have been used to improve symptoms in septic shock patients and RA patients. ing.
[0024]
In addition, clinical trials for endotoxin shock and acute GHVD using a soluble TNF receptor and an anti-TNF antibody that specifically inhibit TNF-α action have been carried out and its effectiveness has been observed [ Vincent J.H. -L. et al. Chest, 101, 810 (1992), Herve P. et al. et al. Blood, 79, 3362 (1992)].
[0025]
However, since these are all peptidic or high molecular weight substances, they have drawbacks in absorption into the body as drugs and stability in blood. From this viewpoint, a low molecular weight biologically active substance having specific inhibitory activity against sphingomyelinase has been desired.
[0026]
[Problems to be solved by the invention]
The present inventors searched for a substance having sphingomyelinase inhibitory activity from microbial metabolites, and inhibited sphingomyelinase in a culture solution of a Dasycyphylus mollismus (Lasch) Dennis strain belonging to the genus Dasycyphus isolated from a dead herbaceous stem. It was found that a novel compound F-10463a having activity was produced, and the present invention was completed.
[0027]
[Means for Solving the Problems]
F-10463a of the present invention has the following structural formula and properties.
[0028]
Structural formula
[0029]
[Chemical 2]
[0030]
Physicochemical properties
1) Properties: colorless oily substance,
2) Solubility; soluble in organic solvents such as methanol, ethyl acetate and chloroform, insoluble in water
3) Color test: Positive for 50% sulfuric acid and iodine.
[0031]
4) Molecular formula; C29H43NO5
5) Molecular weight: 485 (by high resolution FABMS method [M + H]+ 486.3199 (measured value)) (calculated value: 486.3204)
6) Specific rotation: [α] +64.44 (c 0.09 in MeOH)
7) Ultraviolet absorption spectrum; (in methanol) 300 nm (ε41500)
8) Infrared absorption spectrum; (in chloroform)
3410, 1655, 1608, 1508 cm-1
9)1H-nuclear magnetic resonance spectrum (in deuterated methanol: PPM, TMS standard)
7.15 (m, 2H), 6.53 (dd, J = 14.9, 10.7 Hz, 1H), 6.25 (dd, J = 14.9, 11.1 Hz, 1H), 6.15. (Dd, J = 15.1, 10.7 Hz, 1H), 6.07 (dd, J = 9.8, 1.6 Hz, 1H), 5.89 (d, J = 14.8 Hz, 1H), 5.70 (dd, 15.1, 8.7 Hz, 1H), 4.8 (hidden under HDO signal, 1H), 4.05 (m, 1H), 3.67 (d, J = 3.9 Hz, 1 H), 3.59 (m, 1 H), 3.52 (dd, J = 10.9, 5.1 Hz, 1 H), 3.45 (dd, J = 10.9, 5. 8 Hz, 1H), 2.35 (m, 1H), 2.27 (m, 1H), 2.08 (dd, J = 14.7, 3.6 Hz, 1H), 1.89 (m, 2H), 1.79 (dd, 13.1, 7.1 Hz, 1H), 1.59 (m, 1H), 54 (d, J = 1.3 Hz, 3H), 1.33 (m, 2H), 1.19 (m, 1H), to 1.1 (m, 1H), 1.00 (d, J = 6 0.7 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.86 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 0.83 (d, J = 6.5 Hz, 3H)
10)13C-nuclear magnetic resonance spectrum (in deuterated methanol: PPM, deuterated methanol reference)
200.1 (s), 169.0 (s), 146.6 (d), 146.4 (d), 142.9 (d), 141.9 (d), 134.7 (d), 134 .0 (s)
132.5 (d), 130.4 (d), 129.9 (d), 124.3 (d), 78.0 (s), 66.1 (t), 58.7 (d), 50 .1 (t),
49.8 (d), 48.5 (d), 45.7 (t), 40.3 (t), 36.7 (d), 35.9 (d), 32.2 (t), 30 0.0 (d), 22.4 (q)
22.0 (q), 20.4 (q), 16.9 (q), 13.0 (q)
11) High performance liquid chromatography
Retention time: 5.65 minutes
Column: Cosmo Seal 5 C18-AR, 4.6φX150mm, manufactured by Nacalai Tesque
Solvent: 70% acetonitrile-water
Flow rate: 1 ml / ml
Detection: UV 210nm
Producing bacteria
Examples of strains belonging to the genus Dasycyphus used in the present invention include, for example, Dasyscyhus mollismus (Lasch) Dennis SANK13892 (FERM BP-4491). The bacteriological properties of these strains are as follows.
[0032]
SANK13892 was isolated from dead stalks of herbs collected in May 1991 in Aomori Prefecture.
[0033]
The ascending disc is a flat, disk-shaped pattern with a maximum diameter of 0.2 mm and has a gray-orange to yellow color. There are hairs on the periphery of the cyst, and the edges do not rise.托 The outer skin layer has a multi-faceted fungus-like structure and consists of light brown, thin-film cells. The spinal cord layer is intertwined closely and consists of hyphae slightly parallel to the outer wall, and presents an intertwined fungus tissue. The hair is generated from the outermost cell of the wing skin layer and extends straight, has a cylindrical shape, has a thin film, a large number of partition walls, has a maximum length of 200 μm and a thickness of 3.5 μm. Its tip is almost blunt. The surface is almost smooth and resinous amorphous substances are scattered and adhered. The ascosm originates from the clamp, is cylindrical, 8-spore and is 58-66 x 5-6.5 μm in size. The tip turns blue with the Melzer reagent. The side thread is a thin cocoon-shaped and has a size of 74.5-100 × 3.5-4 μm and extends about 20 μm above the ascending sac. Ascospores are cocoon-shaped to spindle-shaped, single-cell, colorless, and have a size of 18-26.5 x 2.5-5 μm.
[0034]
Growth on PDA reaches 1.5 cm at 23 ° C. for 10 days. The surface is light to clear white and rises slightly in the center of the colony. The development of aerial hyphae is not very vigorous and entangles to form a hyphae bundle. The surface becomes powdery. The back surface is light to clear white. Furthermore, it becomes darker color by continuing culture | cultivation. Conidia are not observed.
[0035]
From the above bacteriological characteristics, those that correspond to this bacterium were searched for. Otani (1967) Notes on some cups of the Hyalocyphaceae collected in Hokaido, Japan. Trans. Mycol. Soc. Japan 8: 33-42. Accord with Dasycyphys mollissimus (Lasch) Dennis described in. Therefore, this bacterium was identified as Dasycyphys mollicus (Lasch) Dennis and named Dassycyphus mollicus (Lasch) Dennis SANK13892. This fungus was deposited internationally at the Institute of Biotechnology, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology on December 10, 1993, and was given the deposit number FERM BP-4491.
[0036]
Culture method and purification method
As a separation medium used for separating the new strain of the present invention, any medium that is appropriately selected from carbon sources, nitrogen sources, inorganic ions, organic nutrient sources, etc. can be used, either synthetic or natural media. Is possible. F-10463a is obtained by culturing the SANK13892 strain in an appropriate medium and then collecting it. As the nutrient source, known ones conventionally used for culturing fungi can be used. For example, glucose, sucrose, starch, glycerin, starch syrup, molasses, soybean oil and the like can be used as the carbon source. As the nitrogen source, soy flour, corn steep liquor, yeast extract, malt extract, potato, ammonium sulfate, sodium nitrate and the like can be used. In addition to the above, inorganic salts such as calcium carbonate and phosphate can be added as needed, and organic and inorganic substances that assist the growth of the strain and promote the production of F-10463a can be appropriately added. As the culture method, the liquid culture method, particularly the deep culture method, is most suitable, as is the method for producing general antibiotics. Cultivation is performed under aerobic conditions, and the temperature suitable for culturing is 15-30 ° C., but in many cases, culturing is performed at around 23 ° C. Production of F-10463a reaches its maximum in 5-8 days, usually with shaking culture.
[0037]
After completion of the culture, F-10463a present in the bacterial cells or broth in the culture solution is extracted by adding an organic solvent such as acetone or acetonitrile having a volume of the culture solution and mixing. The solid portion present in the extract is separated by filtration operation or centrifugation using diatomaceous earth as a filtration operation aid, and F-10463a present in the filtrate or supernatant is used as an index of sphingomyelinase inhibitory activity. Extraction and purification using the physicochemical properties. For example, F-10463a present in this extract is obtained by first removing the organic solvent mixed in by the concentration operation, and then immiscible with an organic solvent such as n-butanol, methyl ethyl ketone, ethyl acetate, chloroform, ethylene chloride, methylene chloride. Etc. alone or in combination thereof. Alternatively, as an adsorbent, for example, activated carbon or amberlite XAD-2 or XAD-4 (made by Rohm and Haas) which is an adsorbing resin, Diaion HP-10, HP-20, CHP-20P, HP- 50 (Mitsubishi Kasei Co., Ltd.) can be used. The liquid containing F-10463a is passed through the adsorbent layer as described above to adsorb and remove impurities, or after F-10463a is adsorbed, methanol water, acetone water, n-butanol water or the like is used. It is obtained by eluting. F-10463a thus obtained was further subjected to adsorption column chromatography using a carrier such as silica gel and Florisil, partition column chromatography using Sephadex LH-20 (Pharmacia), Sephadex G- It can be purified by gel filtration chromatography using 25 (Pharmacia) or the like, and high performance liquid chromatography using normal phase or reverse phase columns.
[0038]
Sphingomyelinase inhibitory activity can be measured by the following method (J. Lipid Res. 20, 456 (1979)).
[0039]
That is, first, 10 μl of [N-methyl-14C] Sphingomyelin (cow, 52 mCi / mmol, 25 μCi / ml; Amersham) and 200 μl of sphingomyelin (cow, 20 mM, Sigma) were dried with nitrogen gas, and then 200 μl of 1M Tris-HCl (pH 7.5). ), 40 μl of 10% (v / v) Triton X-100, 20 μl of 0.1%. 5M MgCl2 And 1. 24 ml of H2 O was added and incubated at 48 ° C. for 30 minutes. Using a probe-type ultrasonic crusher, sonication was performed twice for 15 seconds under an output condition of 20 W, [14C] A mixed micelle system containing sphingomyelin was prepared.
[0040]
In the sphingomyelinase reaction, 150 μl of the substrate solution prepared in this way is mixed with 10 μl of the sample solution, and the microsomal fraction of Wistar Imamichi male rat brain (25,000 × g to 100,000 × g, protein concentration of 3 (~ 4mg / ml) was added as an enzyme solution and incubated at 37 ° C for 40 minutes. After completion of the reaction, 500 μl of chloroform: methanol (2: 1, v / v) was added to perform extraction operation, and 150 μl of the obtained aqueous layer was mixed with 3 ml of Picoflow TM40 (Packard Japan Co., Ltd.) to obtain a reaction product. [14C] The amount of phosphorylcholine was measured with a liquid scintillation counter. The sphingomyelinase activity was calculated from the measured value using MgCl required for the sphingomyelinase reaction.2 Calculated as the value obtained by subtracting the measured value excluding.
[0041]
【Example】
EXAMPLES Next, the present invention will be described more specifically with reference to examples, but the present invention is not limited thereto.
[0042]
Example 1. Purification of substance F-10463a
(1) Culture
Dasycyphus mollissimus (Lasch) Dennis SANK13892 was aseptically inoculated into a 500 ml Erlenmeyer flask (seed flask) containing 100 ml of a sterilized culture medium having the composition described below. This was then precultured for 5 days on a rotary shaker at 200 rpm.
[0043]
[Table 1]
Medium composition
Glycerol 50g
Potato 50g
East Extract 5g
Mart Extract 5g
Antifoam (CB-442) 0.2g
Ion exchange water 1000ml
pH unadjusted
The main culture was performed as follows. 5 ml each of the seed culture solution was put into 15 500 ml Erlenmeyer flasks containing 100 ml of the sterilized culture medium having the above composition, and cultured at 23 ° C. for 7 days with a 200 rpm rotary shaker.
[0044]
(2) Method for measuring sphingomyelinase inhibitory activity
The preparation of sphingomyelinase enzyme preparation is basically as described in Gatt S. et al. (Biochem. Biophys. Res. Commun. 68, 235 (1976)). That is, rat brain was used as an enzyme source for sphingomyelinase, and the microsomal fraction was first prepared as follows. Ten Wistar Imamichi male rats (9 weeks old) were exsanguinated to the carotid artery, and then the whole brain was removed. After rapidly removing the cerebellum, 130 ml of buffer A (0.25 M sucrose, 1 mM EDTA, 1 mM PMSF (Phenylmethylsulfonyl Fluoride), 0.1 mM leupeptin, 5 mM Tris-HCl buffer, pH 7.4) previously cooled to 4 ° C. was added. Brain cells were disrupted using a Potter homogenizer under the condition of 4 ° C. Next, the obtained cell lysate is centrifuged at 700 × g for 10 minutes at 4 ° C., and the supernatant is further centrifuged at 25,000 × g for 10 minutes at 4 ° C. went. Finally, the obtained supernatant was subjected to ultracentrifugation at 100,000 × g for 60 minutes under 4 ° C., and the precipitate was used as a microsomal fraction. This fraction was frozen and stored under liquid nitrogen until the measurement of sphingomyelinase activity, and the protein concentration was adjusted to about 3 to 4 mg / ml with buffer A when used.
[0045]
Sphingomyelinase activity was determined using a mixed micellar system by Hostoster K. Y. And Yazaki P. J. et al. (J. Lipid Res. 20, 456 (1979)) was used for measurement as follows. First, 10 μl of mixed [N-methyl-14C] Sphingomyelin (cow, 52 mCi / mmol, 25 μCi / ml; Amersham) and 200 μl of sphingomyelin (cow, 20 mM, Sigma) were dried with nitrogen gas, and then 200 μl of 1M Tris-HCl (pH 7.5). ), 40 μl of 10% (v / v) Triton X-100, 20 μl of 0.1%. 5M MgCl2And 1. 24 ml of H2O was added and incubated at 48 ° C. for 30 minutes. Then, with a probe-type ultrasonic crusher, ultrasonic treatment was performed twice for 15 seconds under an output condition of 20 W, [14C] A mixed micelle system containing sphingomyelin was prepared.
[0046]
The sphingomyelinase reaction was carried out by mixing 10 μl of the sample solution with 150 μl of the substrate solution prepared in this way, adding 40 μl of the enzyme solution described above, and incubating at 37 ° C. for 40 minutes. After completion of the reaction, 500 μl of chloroform: methanol (2: 1, v / v) was added to perform extraction operation, and 150 μl of the obtained aqueous layer was mixed with 3 ml of Picoflow TM40 (Packard Japan Co., Ltd.) to obtain a reaction product. [14C] The amount of phosphorylcholine was measured with a liquid scintillation counter. The sphingomyelinase activity was calculated from the measured value using MgCl required for the sphingomyelinase reaction.2 Calculated as the value obtained by subtracting the measured value excluding.
[0047]
The concentration of F-10463a required to inhibit the sphingomyelinase reaction by 50%, measured by this method, was 20 μg / ml.
[0048]
(3) Isolation
The culture solution for 15 Erlenmeyer flasks was adjusted to pH 3 with 6N hydrochloric acid, and then centrifuged at 3000 rpm for 10 minutes. To the obtained cells, 500 ml of 80% acetone was added and stirred for 1 hour. The mixture was centrifuged at 3000 rpm for 10 minutes, and the supernatant was concentrated under reduced pressure to remove acetone. This was then extracted twice with an equal volume of ethyl acetate. The ethyl acetate layer was washed with saturated brine, dried over anhydrous sodium sulfate, and concentrated under reduced pressure to give 430 mg of a brown oil. Of this, 400 mg was dissolved in a small amount of methylene chloride-methanol, 100: 1 solvent and charged to an 80 ml silica gel column equilibrated with the same solvent. This column was eluted with 240 ml of methylene chloride-methanol, 100: 1 solvent, and further eluted with 240 ml of 50: 1, 20: 1 and 10: 1 solvents, and the respective eluates were fractionated. Enzyme inhibitory activity was found in the 20: 1 fraction, so this fraction was concentrated to yield 78 mg of a brown oil. This was dissolved in a small amount of methanol and purified by preparative HPLC as follows. That is, about 20 mg each was charged into an HPLC column (Cosmosil 5C18-AR, 20φX250 mm, manufactured by Nacalai Tesque) equilibrated with 70% acetonitrile aqueous solution, and 10 ml / min. Deployed at a flow rate of. Absorption at 210 nm was detected, and a peak at about 30 minutes was collected. The separated solution was concentrated under reduced pressure to give 22 mg of F-10463a material.
[0049]
【The invention's effect】
The novel compound F-10463a of the present invention is an anti-HIV agent, anti-diabetic agent, anti-arteriosclerotic agent, anti-osteoporosis agent, anti-thrombotic agent, anti-inflammatory agent, immunosuppressive agent, diuretic agent, and respiratory disease. , Thyroid disease, Alzheimer's disease, hepatitis, nephritis, leukemia, and cyccia.
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