JP3622961B2 - コップホルダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲み物を入れたガラスなどの市販のコップを手で持つときにそのコップを受けて持つためのコップホルダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガラスのコップに冷たい飲み物を入れると、コップの外側表面に水滴が生じる。これを直接手で持つと、手に水滴がついて手、衣服、テーブルなどが汚れて不衛生となったり、滑って落としたり、コップの中の飲み物が手で暖められて氷が溶けたり、飲み物の風味や味を損ねてしまったりすることがある。
また、ビールや炭酸の入った飲み物の場合には、泡がコップからこぼれてテーブル、衣服などを汚してしまう。
【0003】
従来、このような飲み物を入れたガラスのコップを手で持つ場合、ペーパーナフキンをコップの外側に巻き付けて持ったり、コップを直接手で持つときには、コップの下にコースターを敷く必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ペーパーナフキンをコップの外側に巻き付けて持つ方法では、水滴を吸い取ってくれるとともに、断熱性によりコップの中の飲み物が手で暖められるのをある程度緩和してくれる。しかし、泡がコップからこぼれ落ちる量までは吸収することができず、また、長い時間手で持つと、どうしても手の温かさでコップの中の飲み物が暖められてしまう。また、コップをテーブルの上に置くときに安定性に欠け、倒れる恐れがある。
また、コップの下にコースターを敷く方法では、特に立食スタイルでは、コースターをコップと一緒に持ち運ぶことが面倒で通常ではほとんど持ち運ぶことはない。
【0005】
本発明は、コップに水滴が生じても不衛生にならず、また、泡がコップからあふれても手についたりこぼれたりすることのないコップホルダを安価に提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、手で簡単につぶれるような薄目の材料を用い、上端開口した底部20のある筒形容器としてホルダ本体11を構成し、このホルダ本体11の上縁部に、外方へ広がり、かつ、ホルダ本体11の内側に傾斜した鍔部12を形成し、前記ホルダ本体11の内壁面の上部に、ホルダ本体11の内壁を垂直断面が円弧で、かつ、水平線に対し中央がやや高く、両端が低く湾曲するように溝状に膨出した複数個のスペーサ13と、これらのスペーサ13の間であって、膨出しない流下隙間14とを交互に設け、前記底部20の上の貯溜空間17に臨ませて、ホルダ本体11の内壁を垂直断面が円弧で、かつ、水平に膨出した複数個のコップ受け15と、これらのコップ受け15の間であって膨出しない流下隙間16とを交互に形成し、前記スペーサ13とコップ受け15との間に凹凸のあるすべり止め18を形成し、前記ホルダ本体11の成型時に、鍔部12、スペーサ13、流下隙間14、すべり止め18、コップ受け15、流下隙間16、貯溜空間17、底部20を射出成型により一体に成型加工したことを特徴とするコップホルダである。
【0007】
このように構成されたホルダ本体11に、市販のコップ10を入れると、コップ10の飲み物が冷たいために、コップ10の外表面に水滴が生じても、手で直接触ることがないので、手が濡れて衣服やテーブルを汚したりすることが無く、極めて衛生的である。また、コップ10に注いだ飲み物がコップ10の縁からあふれたようなとき、コップ10の外表面を伝わって流れ落ちる飲み物がホルダ本体11の鍔部12で受け止められてホルダ本体11の中へ導かれ、さらにスペーサ13に案内されて流下隙間14から落下し、下方の流下隙間16を通り、貯溜空間17に溜められる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1及び図2において、ホルダ本体11は、中にコップ10を入れて手に持つために、上端が開口し、底のある筒形容器であり、プラスチック、防水された紙などからなる。このホルダ本体11は、光を通して中に入れたコップ10の飲み物が見えるように、透明か半透明であることが望ましい。このホルダ本体11は、一般的に最も多く用いられている市販のコップ10と比較して、その内径が市販のコップ10の外径よりもやや大きく、高さが市販のコップ10の高さの1/2〜2/3程度とする。
【0009】
このホルダ本体11の上端縁の鍔部12は、外側にやや広がり、かつ、ホルダ本体11の内側に傾斜して形成され、コップ10から飲み物がこぼれたときのこぼれ受けとなるとともに、手に持って滑ったときの滑り止めを兼ねている。
また、ホルダ本体11の内壁の周囲であって、前記鍔部12のやや下に位置してスペーサ13が設けられている。このスペーサ13は、ホルダ本体11にコップ10を入れたとき、ホルダ本体11の内壁との間に隙間を形成するためのもので、このスペーサ13は、4個所又は3個所に流下隙間14が形成されるように、4分割又は3分割し、また、コップ10からこぼれた飲み物が円滑に流下隙間14へ導かれて落下するように両側を低くした湾曲に形成されている。
【0010】
また、ホルダ本体11の内側の底部20の上は、貯溜空間17となっており、この貯溜空間17に臨ませて内方に突出したコップ受け15が設けられている。このコップ受け15は、中に入れたコップ10を受けるために、コップ10の底の外径よりも内側まで突出し、かつ、流下隙間14から落下してきた飲み物が流下隙間16を介して貯溜空間17へ流れ込むように、4分割又は3分割して形成する。このコップ受け15は、あまり高くすると中にコップ10を入れてテーブルなどに置いたときに安定性に欠けるので、底部20の上の数mmから10数mm程度とする。
前記ホルダ本体11の外側面には、手で持ったときの滑りを止めるために溝、凹凸、梨地面などのすべり止め18を形成する。
【0011】
以上のように構成されたホルダ本体11に、市販のコップ10を入れる。
コップ10の飲み物が冷たいために、コップ10の外表面に水滴が生じても、手で直接触ることなく、ホルダ本体11の外側から手に持つので、手が濡れて衣服やテーブルを汚したりすることが無く、極めて衛生的である。また、コップ10に注いだ飲み物がコップ10の縁からあふれたようなとき、コップ10の外表面を伝わって流れ落ちる飲み物がホルダ本体11の鍔部12で受け止められてホルダ本体11の中へ導かれ、さらにスペーサ13に案内されて流下隙間14から落下し、下方の流下隙間16を通り、貯溜空間17に溜められる。
この貯溜空間17に粉末状の吸収材19を入れておけば、貯溜空間17に溜められた飲み物が吸収され、ホルダ本体11が倒れるようなことがあっても流れ出ることが無い。
【0012】
図1において、ホルダ本体11におけるスペーサ13の内径を、コップ10の外径と略一致するように図示したが、コップ10の外径の大きな物にも小さな物にも本発明のコップホルダを利用できるようにするためには、スペーサ13の内径を大きなコップ10に合せて形成し、かつ、ホルダ本体11を手で持ったとき比較的簡単につぶれるような薄目の材料で形成する。このようにすれば、小さい径のコップ10のときは、ホルダ本体11が手でつぶれてホルダ本体11の内壁がコップ10の外表面に圧接して保持される。
前記実施例において、コップ受け15は円弧状の鍔のような形状としたが、これに限られるものではなく、二重底とし、流下隙間16は、コップ受け15に穴をあけた構造としても良い。
【0013】
図3は、本発明の第2実施例を示すものである。図1及び図2に示した第1実施例では、スペーサ13とコップ受け15をホルダ本体11と一体に構成したが、図3に示す第2実施例では、別体とした例を示すもので、ホルダ本体11の底部20に、二重底となるようなコップ受け15と流下隙間16を形成した台座状のものを嵌め込み、また、ホルダ本体11の上縁部には、鍔部12とスペーサ13と流下隙間14とを形成したものを嵌め込み固定する。
【0014】
図4は、本発明の第3実施例を示すもので、ホルダ本体11における鍔部12、スペーサ13,流下隙間14,コップ受け15,流下隙間16,貯溜空間17.すべり止め18,底部20をすべて射出成型などにより一体に同時成型加工したものである。このような構成とすることで、安価に大量生産ができる。
【0015】
図5は、本発明の第4実施例を示すもので、この例では、ホルダ本体11の外表面の上部、下部、必要に応じてすべり止め18部分にも、表示空間21として宣伝文を記載したり、装飾の絵柄などを記載して宣伝効果や美的効果を持たせた例を示すものである。
【0016】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、上端開口した底部20のある筒形容器としてホルダ本体11を構成し、このホルダ本体11の上縁部に、外方へ広がり、かつ、ホルダ本体11の内側に傾斜した鍔部12を形成し、前記ホルダ本体11の内壁面の上部に、ホルダ本体11の内壁を垂直断面が円弧で、かつ、水平線に対し中央がやや高く、両端が低く湾曲するように溝状に膨出した複数個のスペーサ13と、これらのスペーサ13の間であって、膨出しない流下隙間14とを交互に設け、前記底部20の上の貯溜空間17に臨ませて、ホルダ本体11の内壁を垂直断面が円弧で、かつ、水平に膨出した複数個のコップ受け15と、これらのコップ受け15の間であって膨出しない流下隙間16とを交互に形成し、前記スペーサ13とコップ受け15との間に凹凸のあるすべり止め18を形成し、前記ホルダ本体11の成型時に、鍔部12、スペーサ13、流下隙間14、すべり止め18、コップ受け15、流下隙間16、貯溜空間17、底部20を射出成型により一体に成型加工したので、コップ10に注いだ飲み物や泡がコップ10の縁からあふれたようなとき、コップ10の外表面を伝わって流れ落ちる飲み物がホルダ本体11の鍔部12で受け止められてホルダ本体11の中へ導かれ、さらにスペーサ13に案内されて流下隙間14から落下し、下方の流下隙間16を通り、貯溜空間17に溜められ、外へこぼれることがない。また、コップ10の外表面に水滴が生じても、手で直接触ることがないので、手が濡れて衣服やテーブルを汚したりすることが無く、極めて衛生的である。ホルダ本体11の断熱性によりコップの中の飲み物が手で暖められるのを防ぎ、氷が溶けたり、飲み物の風味や味を損ねてしまったりすることがない。さらに、コップをテーブルの上に置くときに安定性があり、倒れる心配はない。コップの下に敷くコースターを兼用することができる。鍔部12が外側にやや広がっているので、飲み物のこぼれ受けとなるだけでなく、手に持って滑ったときの滑り止め効果もある。
また、ホルダ本体11の成型時に、鍔部12、スペーサ13、流下隙間14、すべり止め18、コップ受け15、流下隙間16、貯溜空間17、底部20を射出成型により一体に成型加工したので、安価に大量製造が可能となる。
さらに、手で簡単につぶれるような薄目の材料を用いて成型加工したので、小さい径のコップ10のときは、ホルダ本体11が手でつぶれてホルダ本体11の内壁がコップ10の外表面に圧接して保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコップホルダの第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるコップホルダの平面図である。
【図3】本発明によるコップホルダの第2実施例を示す縦断面図である。
【図4】本発明によるコップホルダの第3実施例を示す縦断面図である。
【図5】本発明によるコップホルダの第4実施例を示す正面図である。
【符号の説明】
10…市販のコップ、11…ホルダ本体、12…鍔部、13…スペーサ、14…流下隙間、15…コップ受け、16…流下隙間、17…貯溜空間、18…すべり止め、19…吸収材、20…底部、21…表示空間。
Claims (1)
- 手で簡単につぶれるような薄目の材料を用い、上端開口した底部20のある筒形容器としてホルダ本体11を構成し、このホルダ本体11の上縁部に、外方へ広がり、かつ、ホルダ本体11の内側に傾斜した鍔部12を形成し、前記ホルダ本体11の内壁面の上部に、ホルダ本体11の内壁を垂直断面が円弧で、かつ、水平線に対し中央がやや高く、両端が低く湾曲するように溝状に膨出した複数個のスペーサ13と、これらのスペーサ13の間であって、膨出しない流下隙間14とを交互に設け、前記底部20の上の貯溜空間17に臨ませて、ホルダ本体11の内壁を垂直断面が円弧で、かつ、水平に膨出した複数個のコップ受け15と、これらのコップ受け15の間であって膨出しない流下隙間16とを交互に形成し、前記スペーサ13とコップ受け15との間に凹凸のあるすべり止め18を形成し、前記ホルダ本体11の成型時に、鍔部12、スペーサ13、流下隙間14、すべり止め18、コップ受け15、流下隙間16、貯溜空間17、底部20を射出成型により一体に成型加工したことを特徴とするコップホルダ。
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