JP3622680B2 - Ferritic stainless steel continuously annealed steel for mask frame of cathode ray tube and manufacturing method thereof - Google Patents

Ferritic stainless steel continuously annealed steel for mask frame of cathode ray tube and manufacturing method thereof Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーテレビのブラウン管等のマスク用フレームとして使用されるフェライト系ステンレス鋼材およびその製造方法に係り、特に、常温での加工性、耐クリープ伸び性および磁気特性に優れるブラウン管のマスクフレーム用フェライト系ステンレス連続焼鈍鋼材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラーテレビ等のブラウン管では、ブラウン管内のマスクに張力を負荷するため、フレームと呼ばれる溶接構造の金属バネが使用されている。フレームは、一般に、ステンレス鋼板またはステンレス条鋼に、プレス加工、ロールフォーミング、引き抜き成型等の塑性加工を施した後、歪みを除去するために600℃程度まで加熱する焼鈍を施し、溶接・組立することによって製造される。その後、フレームにはマスクが張り付けられ、この状態で、鋼材の表面に酸化膜を生成して熱輻射を防止するために、450〜500℃の温度で10〜20分間のいわゆる黒化熱処理が施される。
【0003】
従って、このフレームに使用する鋼材は、上記の塑性加工を高精度かつ容易に行えるのに十分な加工性を備えていることが重要である。また、フレームにマスクが張り付けられた状態では、フレームは内部方向への曲げ応力を受ける。マスクの張力は、このときのフレームの反発力によって確保されるが、上記のような熱処理を施した際に、マスクに負荷される張力のバランスが悪くなると、ブラウン管による画像の乱れやにじみが発生する。このため、フレームに使用される鋼材には、曲げ応力下での熱処理に耐えるもの、即ち、優れた耐クリープ伸び性を備えていることが重要である。
【0004】
一方で、フレームは、ブラウン管内への地磁気の進入を防ぎ、電子ビームの偏光を防ぐ機能を担っている。このため、フレームに使用する鋼材は、透磁率が高い、即ち、磁気特性に優れていることが重要である。鋼材の磁気特性を向上させるためには、鋼材の強度を低くするとよいことが知られているが、鋼材の強度を低くすると、耐クリープ伸び性も低下する。従って、磁気特性および耐クリープ伸び性の両特性をバランス良く改善するのは困難であった。
【0005】
従来、これらの要請に対応し得るステンレス鋼として、SUS403鋼あるいはSUS410S鋼が一般に使用されてきた。これらの鋼の結晶組織は、通常の熱延温度域ではオーステナイト単相組織、またはオーステナイト相およびフェライト相からなる二相組織であるが、熱延後に冷却された状態では主としてマルテンサイト、フェライトおよび炭化物からなる混合組織を有する。
【0006】
これらの鋼は、Crの含有量が12質量%程度であることから熱膨張率が低減され、室温付近で10×10−6〜11×10−6/Kの熱膨張係数を持ち、これは、ブラウン管の前面ガラスに使用される鉛ガラスの熱膨張係数(9×10−6〜10×10−6/K)に近い。また、これらの鋼は、マルテンサイト系であり、高温強度が比較的高く、耐クリープ伸び性が良好である。このような理由から、SUS403またはSUS410Sがフレーム用ステンレス鋼として多用されてきたのである。
【0007】
通常、これらの鋼をフレーム用として使用するためには、これらの鋼をコイル状に巻いた状態で、箱型焼鈍炉によるフェライト域温度で数時間以上保持する、いわゆるバッチ焼鈍を施した後、酸洗処理して製造していた。ここで、焼鈍方法としてバッチ焼鈍を採用していた理由は、上記の混合組織をフェライト相と比較的大きな析出炭化物に変態させ、鋼を軟化させる必要があり、従来の鋼では軟化焼鈍時間を長く取る必要があったためである。従って、従来、焼鈍時間の短い連続焼鈍方式を採用することができなかった。
【0008】
バッチ焼鈍では、コイルは外周部から加熱されるが、通常の工業生産でのステンレス熱延コイルは、単体重量で10〜20トン前後あり、その熱容量が大きいうえに、鋼の熱伝導率も小さいため、コイル全体を均一に加熱するのが難しい。このために、上記方式で焼鈍されるステンレス鋼板は、連続式焼鈍工程で製造されるフェライト系ステンレス鋼に比べて強度や伸び等の機械的な性質のばらつきが大きくなるという問題がある。たとえば、コイルの内外周を選ばずにランダムに測定した数十コイルの引張強度の最大と最小の差が100MPa程度になることもある。コイル内で強度変動が大きいと加工後の寸法精度が悪くなり、高温での耐クリープ伸び性へも悪影響を及ぼすという問題がある。
【0009】
近年、テレビの大型化やブラウン管の用途拡大に伴い、フレームの耐クリープ伸び性の更なる改善およびフレームの低コスト化が求められるようになった。このような要望に応えるものとして、Cr等の合金元素含有量を低く制限した低合金鋼をベースとしたフレーム用鋼板およびその製造方法が開示されている。
【0010】
特開平8−67945号公報には、C:0.03〜0.25%、Mn:0.05〜1.5%、Mo:0.01〜1.0%を含有し、かつ2%以下のCu、2%以下のNi、3%以下のCr、1%以下のW、0.0003〜0.003%のBの1種もしくは2種以上、および/または0.04%以下のTi、0.4%以下のNb、0.4%以下のVの1種もしくは2種以上を含有するフレーム用鋼板が開示されている。この鋼板は、従来のステンレス鋼に比べて安価で耐クリープ伸び性が改善されることがあるが、その熱膨張係数が11〜14×10−6/Kであり、高精細用ブラウン管に使用するには課題を有する。
【0011】
また特開平9−249942号公報には、C:0.08%以下、Cr:10.0〜18.0%を含有し、フェライト相とマルテンサイト相からなる複相ステンレス鋼素材を用いたアパーチャフレーム、および、上記化学組成を有する鋼材をAc点+100℃以上1200℃以下に加熱保持した後、100℃以下に冷却してHvが160〜250で上記複相組織を有するステンレス鋼材を用いたアパーチャフレームが開示されている。しかし、このフレーム用鋼材は、硬質なマルテンサイトを導入することにより高い強度を保持するものであり、熱処理後に高強度のフレームを得ようとする場合には、その成形加工性が必ずしも十分ではなく、所望の形状に精度良く加工するのが困難であるという問題がある。
【0012】
以上のとおり、これまでに開示されている技術では、良好な加工性と従来以上に優れた耐クリープ伸び性を備え、磁気特性が良好でしかも安価に製造できるブラウン管のマスクフレーム用は開示されていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題に鑑みなされたものであって、良好な加工性、従来以上に優れた耐クリープ伸び性および磁気特性を備えるブラウン管のマスクフレーム用鋼材、ならびに、上記のブラウン管のマスクフレーム用鋼材を機械的な性質のばらつきが発生することなく、安価に製造する方法を提供することを目的とする。
【0014】
本発明の要旨は、下記(a)に記載のブラウン管のマスクフレーム用フェライト系ステンレス連続焼鈍鋼材、および、下記(b)に記載のブラウン管のマスクフレーム用フェライト系ステンレス鋼材の製造方法にある。
(a)質量%で、C:0.02 %以下(但し、 0.02 %を除く)、Si:2.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:9.0〜14.0%およびN:0.01〜0.10%を含み、P:0.040〜0.10%、Mo:0.02〜1.0%、V:0.05〜0.50%およびW:0.02〜1.0%から選択された1種以上を含有し、残部 Fe および不純物からなり、且つ下記の(1)式で表されるGPの値が10〜50であることを特徴とするブラウン管のマスクフレーム用フェライト系ステンレス連続焼鈍鋼材。
GP=700C+800N+20Ni+10(Cu+Mn)−6.2Cr−9.2Si−9.3Mo−4.5W−14V−74.4Ti−37.2Al+63.2 …(1)
なお、Fe の一部に代えて、Ni:0.50%以下、Ti:0.03%以下、Nb:0.05%以下およびAl:0.05%以下から選択される1種以上を含有するのが望ましい。
(b)上記の(a)のように化学組成を調整した鋼のスラブを熱延し、この熱延鋼材に850℃以下の温度で連続焼鈍を施すことを特徴とするブラウン管のマスクフレーム用フェライト系ステンレス鋼材の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
まず、本発明で規定する化学組成の限定理由について述べる。なお、化学組成中の%は、質量%を意味する。
【0016】
C: 0.02 %以下(但し、 0.02 %を除く)
Cは、鋼の高強度化および耐クリープ伸び性を向上させる作用がある元素である。この効果を得るためには0.003%以上含有させるとよい。しかし、過剰に含有させると磁気特性を劣化させる。従って、Cの含有量は0.02 %以下(但し、 0.02 %を除く)とした。
【0017】
なお、Cは、鋼中の溶解度がNよりも小さく、より高温でCr炭化物として析出を開始する。このため析出物の寸法が窒化物よりも大きく、磁壁移動の障害となることにより磁気特性を劣化させるものと考えられる。従って、本発明では、高強度化の基本元素としてCよりもNを積極的に利用する。
【0018】
Si:2.0%以下
Siは、溶鋼の脱酸を良好に行わせるための基本元素であり、その効果を確保するためには、0.20%以上含有させるとよい。ただし、溶鋼の脱酸作用は、Alを含有させることでも得られるので、鋼中にAlが0.02%以上含まれる場合は、必ずしも0.20%以上のSiを含有させなくても良い。一方、Siは、鋼の強度を高める作用を有する元素でもあり、また、フェライト安定化元素でもある。このような目的でSiを添加する場合には、0.5%以上含有させるとよい。しかし、Siを過剰に含有させると鋼の靱性が損なわれる。従って、Siの含有量は2.0%以下とした。好ましくは、1.5%以下である。
【0019】
Mn:1.0%以下
Mnは、溶鋼の脱酸を良好におこなわせるための基本元素であり、その効果を確保するためには、0.1%以上含有させるとよい。しかし、Mnはオーステナイト安定化元素であるため、過剰に含有させると鋼が硬質化し、加工性を損なう。従って、Mnの含有量は1.0%以下とした。好ましくは、0.6%以下である。
【0020】
Cr:9.0〜14.0%
Crは、鋼の耐食性と耐熱性を向上させるための主要元素であり、更に、鋼の熱膨張率を低減し、ブラウン管の熱による画像のにじみを抑制する効果が得られるため、フレーム用鋼材として必須の元素である。これらの性能を確保するためにCrは9.0%以上含有させる必要がある。しかし、Crを過剰に含有させるとCr炭化物が安定化してCの固溶量が低下し、鋼の強度が低くなるという問題がある。また、コストの面からも多量のCr含有は不利となる。従って、Crの含有量は9.0〜14.0%とした。
【0021】
N:0.01〜0.10%
Nは、鋼の強度および耐クリープ伸び性を改善する元素である。これらの効果を得るためには、Nを0.01%以上含有させるが必要である。しかし、Nを過剰に含有させると鋼板の靱性を阻害するようになる。従って、Nの含有量は、0.01〜0.10%とした。好ましくは、0.015〜0.07%である。
【0022】
本発明では、鋼の高温強度および耐クリープ伸び性を向上させるために、上記の元素に加え、P:0.040〜0.10%、Mo:0.02〜1.0%、V:0.05〜0.50%およびW:0.02〜1.0%から選択された1種以上を含有させる。
【0023】
P:0.040〜0.10%
Pは、鋼の強度を高める効果を有する元素であり、特に、Moとの共存下では、550℃程度の歪み取り焼鈍時に、これらの元素がFe−Mo−P系の析出物として析出して鋼の強度を顕著に高める作用がある。従って、本発明の鋼に含有させてもよく、上記の効果を得るためには0.040%以上含有させるのが好ましい。しかし、Pを0.10%を超えて含有させると溶接性が損なわれる。従って、Pを含有させる場合の含有量を0.040〜0.10%とした。
【0024】
Mo:0.02〜1.0%
Moは、固溶元素であるとともに、炭化物を形成することにより鋼の高温強度と耐クリープ伸び性を高める効果を有する元素であり、本発明の鋼に含有させてもよい。上記の効果を確保するには0.02%以上含有させるのが好ましい。Moは、Ti、NbまたはVと比較して炭化物の生成傾向が弱いため、これらの元素より多く含有させても問題がないが、高価な元素であるため、その上限を1.0%とする必要がある。従って、Moを含有させる場合の含有量を0.02〜1.0%とした。好ましくは0.1〜1.0%である。なお、Moの含有量が不純物レベルであっても、(1)式のMo値として代入する。
【0025】
V:0.05〜0.50%
Vは、炭化物を形成することにより鋼の高温強度と耐クリープ伸び性を高める効果を有する元素であり、本発明の鋼に含有させてもよい。上記の効果を得るためには0.05%以上含有させるのが好ましい。一方、Vは、Moと比較して炭化物生成傾向が強いため、0.50%を超えて含有させるとVN、VCなどが安定に析出し鋼の強度が低下する。従って、Vを含有させる場合の含有量を0.05〜0.50%とした。なお、Vの含有量が不純物レベルであっても、(1)式のV値として代入する。
【0026】
W:0.02〜1.0%
Wは、鋼が固溶した状態での高温強度を高める効果を有する元素であり、本発明の鋼に含有させてもよい。上記の効果を得るためには0.02%以上含有させるのが好ましい。しかし、その含有量が1.0%を超えると上記の効果は飽和傾向が強くなり、費用対効果が悪化する。従って、Wを含有させる場合の含有量を0.02〜1.0%とした。好ましくは、0.1〜1.0%である。なお、Wの含有量が不純物レベルであっても、(1)式のW値として代入する。
【0027】
本発明では、Fe の一部に代えて、鋼の強度の向上、靱性の向上または脱酸の促進を目的として Ni:0.50%以下、Ti:0.03%以下、Nb:0.05%以下およびAl:0.05%以下から選択される1種以上を含有するのが望ましい。
【0028】
Cuは、不純物として鋼中に通常0.1%未満含まれる。 Cuの含有量が不純物レベルであっても、(1)式のCu値として代入する。
【0029】
Ni:0.50%以下
Niは、不純物として鋼中に通常0.1%未満含まれるが、鋼の靱性を改善する効果を有する元素であるため、本発明の鋼に含有させても良い。上記の効果を得るには0.1%以上含有させるのが望ましい。しかし、Niは代表的なオーステナイト安定化元素であり、Niを0.50%を超えて含有させると変態温度が低くなり、焼鈍温度を過度に低くせざるを得なくなる。このような低い焼鈍温度で、焼鈍時間の短い連続焼鈍を鋼に施しても、再結晶が不足して鋼の加工性が確保できなくなるおそれがある。従って、Niを含有させてもよいが、その含有量の上限は0.50%とする必要がある。なお、Niの含有量が不純物レベルであっても、(1)式のNi値として代入する。
【0030】
Ti:0.03%以下
Tiは、不純物として鋼中に通常0.003%未満含まれるが、NあるいはCとの親和力が強い元素であり、微細な炭化物あるいは窒化物を形成して鋼の強度を高め、結晶組織を微細化する効果が得られるので、本発明の鋼に含有させてもよい。上記の効果を得るためには、0.003%以上含有させるのが好ましい。しかし、Tiを0.03%を超えて含有させると、TiNが粗大になり靱性を低下させる。従って、Tiを含有させてもよいが、その含有量の上限を0.03%とする必要がある。なお、Tiの含有量が不純物レベルであっても、(1)式のTi値として代入する。
【0031】
Nb:0.05%以下
Nbは、不純物として鋼中に通常0.01%未満含まれるが、Tiと同様に、CおよびNと親和力が強い元素であり、付加的に鋼の強度を高める効果を有する元素であるため、本発明の鋼に含有させてもよい。上記の効果を得るためには、0.01%以上含有させるのが好ましい。しかし、Nbを0.05%を超えて含有させると逆に鋼の強度が低下する。従って、Nbを含有させてもよいが、その含有量の上限を0.05%とする必要がある。
【0032】
Al:0.05%以下
Alは、不純物として鋼中に通常0.005%未満含まれるが、溶鋼の脱酸に有用な元素であるため、本発明の鋼に含有させてもよいが、その効果は約0.05%で飽和する。従って、Alを含有させる場合には、その含有量の上限を0.05%とする必要がある。なお、Alの含有量が不純物レベルであっても、(1)式のAl値として代入する。
【0033】
本発明では、下記の(1)式で表されるGPの値が10〜50となるように化学組成を調整することとしている。

Figure 0003622680
この(1)式は、溶鋼を鋳造して得られる結晶組織でのマルテンサイト相の比率(体積比)を表す指標である。GP=0は、フェライト相のみからなる組織を意味する。上記のGPが50%を超える鋼は、焼き入れ性が高いために鋼板の焼き鈍しを焼鈍時間が短い連続焼鈍方式でおこなうと、焼鈍後の結晶組織がマルテンサイト相が残留したものとなる、またはフェライト相+炭化物からなる組織となる場合でも軟化が不十分となる等の不都合が生じる。従って、GPが50%を超える鋼の焼鈍は、従来の箱型焼鈍炉によるバッチ焼鈍方式で施す必要があり、鋼の強度や加工性などが大きく変動する。また、バッチ焼鈍では生産性が低く製造コストが高いという問題もある。
【0034】
GPが50%以下となるように化学組成を調整した鋼であれば、熱延後に均熱時間が短い連続焼鈍による焼鈍を施しても、フェライト相と析出物を主体とする結晶組織を有し良好な加工性を備えた鋼が得られる。一方、GPが10%未満である場合には、熱延状態でのマルテンサイト相の比率が過度に小さくなり、焼鈍時の軟化が著しく早く進み、鋼の強度が著しく低下するために高温強度と耐クリープ伸び性を確保することが困難となる。従って、本発明では、GPが10〜50%になるように化学組成を調整することとした。好ましくは、20〜40%である。
【0035】
なお、上記GP計算式にはP、SおよびNbについての項を含めていない。この理由はこれらの元素は本発明鋼では含有量されても量が少なく、その影響は無視できるからである。
【0036】
本発明の鋼材には、熱間加工性を高める目的でB:0.0005〜0.010%、Ca:0.0005〜0.005%、Mg:0.0005〜0.005%、La:0.002〜0.05%、Ce:0.002〜0.05%およびY:0.002〜0.05%から選択された1種以上を含有させてもよい。
【0037】
上記以外は、Feおよび不純物である。不純物としてのSは、熱間加工性と靱性を低下させる作用があるので、その含有量を0.03%以下とするのが望ましい。また、不純物としてのO(酸素)は、鋼の靱性を損なうため、Si、Al等によって脱酸し、その含有量を0.008%以下とするのが望ましい。
【0038】
本発明の鋼材は、その形態は特に限定されるものではなく、その形状が鋼板、条、線などいずれの形態であっても、耐クリープ伸び性や良好な加工性が得られる。また、鋼板としては熱延鋼板でもよいし、これを冷間圧延し焼鈍して得られる冷延鋼板でもよい。
【0039】
本発明の製造方法では、本発明の化学組成を有する鋼のスラブを熱延し、この熱延鋼材に850℃以下の温度で連続焼鈍を施すこととしている。
【0040】
鋼のスラブの作製方法は、特に限定されず、公知の方法により鋼を溶製し、鋼片(スラブ)とすればよく、溶鋼を直接薄スラブとしてもよい。このようにして作製したスラブを熱延して熱延鋼板とする。鋼の熱延方法は、特に限定されず、溶鋼から直接薄鋼板としてもよい。
【0041】
最終製品の形態を熱延鋼板とする場合には、上記のような方法で得られた熱延鋼板に焼鈍処理と酸洗処理を施す。これらの処理を生産性よく低い製造コストでおこなうには連続焼鈍−酸洗ラインを用いるのがよい。
【0042】
上記の連続焼鈍時には、鋼板の均熱温度を850℃以下とする必要がある。本発明で使用する鋼は、焼鈍処理が連続式焼鈍方式でおこなえるように、GP値が10〜50%の範囲になるように化学組成を制限している。また、オーステナイト安定化元素の含有量を極力少なくし、フェライト相とフェライト+オーステナイト二相混合相の境界温度(Ar変態温度)が低くなりすぎないように化学組成を設計している。従って、800℃前後で連続焼鈍することにより加工性の良好なフェライト系ステンレス鋼板を製造することができるのである。しかし、本発明で規定する化学組成の範囲内に調整された鋼板に850℃を超える温度で焼鈍を施すと、鋼板の結晶組織の一部にマルテンサイト相が混在するようになり、鋼板の強度が高くなりすぎて、加工性が損なわれる。なお、均熱温度の下限値は、特に限定しないが、連続焼鈍の能率を確保する観点から700℃とするのがよい。
最終製品の形態を冷延鋼板とする場合には、上記の焼鈍および酸洗を施した熱延鋼板を冷間圧延し、熱延鋼板と同様に850℃以下で連続焼鈍すればよい。
焼鈍後の鋼板にはスキンパス圧延やテンションレベリングなどの処理を施してもよい。
【0043】
【実施例】
(実施例1)
表1に示す化学組成を有する鋼を実験室で真空溶解炉にて溶解し、質量が17kgまたは50kgの鋼塊に鋳造した。
【0044】
【表1】
Figure 0003622680
【0045】
これらの鋼塊を熱間鍛造して厚さ:50mm、幅:100mm、長さ:150mmの鋼片とした。この鋼片を1,100〜1,200℃の温度範囲に加熱し、熱延仕上温度が800〜950℃の範囲になるようにして、厚さ:6.0mmに熱延した。この熱延鋼板を約300℃/minの冷却速度で600℃または750℃まで冷却し、巻取模擬処理として、その温度に保定した加熱炉に挿入し、40℃/hrの冷却速度で室温まで徐冷した。これらの熱延条件を表2に示した。
【0046】
このようにして得た鋼板を800℃に加熱して10分間保持した後風冷し、熱延焼鈍鋼板(以下、「800℃熱処理材」という)を得た。得られた鋼板の圧延直角方向より、厚さ:4.5mm、平行部の形状が幅:6mm、長さ:50mmである引張試験片を切り出し、JIS Z 2241に規定される方法に従って、常温での引張試験を行った。この結果を「常温特性1」として表2に併記した。
【0047】
上記の800℃熱処理材を550℃に加熱して30分間保持した後空冷して得た鋼板(以下、これを「550℃熱処理材」という)の圧延直角方向より厚さ:4.5mm、平行部の形状が幅:6mm、長さ:50mmである引張試験片を切り出し、JIS Z 2241に規定される方法に従って、常温および450℃での引張試験を行った。これらの結果を「常温特性2」および「450℃特性」として表2に併記した。
【0048】
更に、上記の550℃熱処理材から採取した試験片を用いて450℃でのクリープ試験および磁気特性の評価試験をおこなった。クリープ試験は、上記の550℃熱処理材の圧延直角方向より切り出した厚さ:4.5mm、平行部の形状が幅:6mm、長さ:50mmである試験片にゲージ長:30mmの伸び歪み計を装着し、450℃に加熱しその温度で均熱した後、294MPaの応力を負荷して1時間保持し、応力が294MPaの一定値を示しているときに増加した伸びを測定した。この結果を「クリープ伸び」として表2に併記した。
【0049】
磁気特性の評価試験は、上記の550℃熱処理材から切り出した、内径:33mm、外径:45mm、板厚:4.5mmのリング試験片とし、1次コイル、2次コイルをそれぞれ100ターン巻き線し、0.35エルステッド(Oe)での透磁率、および10エルステッド(Oe)までの磁場を加えた後の保磁力H(10Oe反転保磁力)を求めた。これらの結果を「透磁率」および「保持力」として表2に併記した。
【0050】
ここで、常温での引張試験における引張強さ(TS)が800MPa以下で、且つ伸び(El)が20%以上である鋼は、フレーム用鋼材として良好なフレーム加工性を有すると言える。また、450℃で294MPaの引張応力を1時間作用させる条件でのクリープ伸びが0.1%以下である鋼は、フレーム用鋼材として良好な耐クリープ伸び性を有すると言える。更に、0.35エルステッド(Oe)での透磁率が100以下、且つ10エルステッド(Oe)までの磁場を加えた後の保磁力が6未満である鋼は、磁気特性が良好であると言える。
【0051】
【表2】
Figure 0003622680
【0052】
なお、引張試験は、標点間距離が30mmの伸び歪み計を使用し、引張試験速度を鋼が降伏するまでは評点間制御で0.09mm/minとし、鋼の降伏後は、クロスヘッド制御にて3.75mm/minとした。降伏点(YS)は0.2%耐力から求め、伸び(El)は評点間距離30mmに対する全伸びを測定した。但し、実際のフレーム用鋼材にはプレス加工、ロールフォーミング、引き抜き成形等の塑性加工が加えられた後に550℃前後の熱処理が加えられるために加工硬化と時効硬化が相まって表中の本実施例に示すデータよりも高温特性は向上する。
【0053】
表2に示すとおり、本発明で規定する条件を満足する鋼を用いた実施例 1 6 8 および 10 14はいずれも、常温でのTSが600〜800MPaの範囲の高強度を有し、かつその伸びが20%以上であって良好な加工性を備えていた(常温特性1および2参照)。また、いずれの鋼もクリープ伸びが0.1%未満であり、良好な耐クリープ伸び性を有していた。さらに、いずれの鋼も、透磁率が100以上、保磁力が6未満であり、良好な磁気特性を有していた。
【0054】
一方、実施例15〜18の鋼は、いずれも鋼中のCの含有量が過剰であったため、透磁率の値が100未満と低く、磁気特性に劣っていた。特に、実施例16および17は、鋼中のP、Mo、VおよびWの含有量がいずれも、本発明で規定する範囲を外れているため、磁気特性に加え、耐クリープ伸び性にも劣っていた。実施例19は、Nの含有量およびGP値が本発明で規定する範囲を下回っていたために、クリープ伸びが0.1%を超え、耐クリープ伸び性が劣っていた。実施例20は、鋼中のCrの含有量が14%を越え、かつGP値が10%を下回っていたために、磁気特性および耐クリープ伸び性が劣っていた。実施例21は、鋼中のCr含有量が9.0を下回っていたため、磁気特性が劣っていた。また、実施例22は、GP値が50%を越えていたため、常温での伸び、即ち、加工性が不十分であるとともに、磁気特性が劣っていた。
【0055】
(実施例2)
表3に示す化学組成を有する2種類の鋼No.20および21をAOD法により溶製し、連続鋳造して厚さ:200mm、幅:1,030mmで質量が約15トンであるスラブをそれぞれ5本ずつ鋳造した。
【0056】
【表3】
Figure 0003622680
【0057】
これらのスラブを1,180℃または1,210℃に加熱し、仕上温度を860〜940℃の範囲とする熱延を施し、加速冷却なしで空冷し、660〜730℃でコイル状に巻取り、厚さ:5mmの熱延板とした。これらの熱延板を連続焼鈍−酸洗ラインにより処理する方法、または、箱型焼鈍炉によるバッチ焼鈍を施した後、別ラインで酸洗する方法により焼鈍と酸洗を施した。これらの製造条件を表4に示した。
【0058】
なお、連続焼鈍の条件としては、在炉時間を5分間とし、均熱帯出口での温度が800℃となるよう設定した。一方、バッチ焼鈍条件としては、3段積みの箱型焼鈍炉の台座上にコイルを積み上げ、台座の温度(最下段コイルの下面の温度)が760℃に到達してから7時間均熱するパターンで行った。酸洗は、連続焼鈍−酸洗ラインにて、ベンダー、ショットブラストによる機械的デスケーリングおよび硫酸および硝弗酸の組み合わせによる化学的デスケーリングにより酸洗した。但し、バッチ焼鈍を施した鋼帯については、焼鈍炉に点火していない連続焼鈍−酸洗ラインを用いて酸洗のみをおこなった。
【0059】
これらの酸洗鋼板から実施例1で切り出した試験片と同じ寸法の試験片を切り出し、実施例1と同じ試験方法によって、「常温特性1」、「常温特性2」、「450℃特性」、「クリープ伸び」、「透磁率」および「保磁力」を測定した。その結果を表4に併記した。
【0060】
【表4】
Figure 0003622680
【0061】
なお、試験片の採取位置は、鋼板幅方向の中央部であり、表4中の「試験部位」の欄の符号「T」は、熱延鋼板の圧延先端部(バッチ焼鈍時のコイルに巻いた状態ではコイルの最内周端)、符号「B」は、熱延鋼板の圧延終端部(バッチ焼鈍時のコイルに巻いた状態ではコイルの最外周端)を意味する。
【0062】
表4から明らかなとおり、本発明で規定する化学組成の範囲内にある鋼No.20から作製した実施例31および32は、連続焼鈍された熱延鋼板のいずれの部位でも「常温特性1」で20%以上の伸び(El)を示すとともに、クリープ伸びが0.1%以下であり、かつ透磁率が100以上であり、良好な加工性、耐クリープ伸び性および磁気特性を示した。一方、Cの含有量が本発明で規定する範囲を上回る鋼No.21から作製した実施例33および34は、連続焼鈍工程において透磁率が100未満であり、磁気特性が良くなかった。同じく鋼No.21から作製した実施例35および36は、焼鈍工程を均熱時間を7時間とするバッチ焼鈍によって行ったため、B部(コイルの最外周端)においては透磁率が100を超えるが、T部(コイルの最内周端)においては、透磁率が100未満となり、磁気特性に劣っていた。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた耐クリープ伸び性および加工性を備えるとともに、磁気特性にも優れるブラウン管のマスクフレーム用フェライト系ステンレス連続焼鈍鋼材を提供できる。この鋼材は、高精細テレビのブラウン管のマスクフレーム用部材として極めて好適であるうえ、フレーム部材の薄肉化も可能である等、産業上の効果が大きい。また、本発明の製造方法によれば、上記のブラウン管のマスクフレーム用フェライト系ステンレス鋼を特性値の変動も少なく、安価に製造できる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a ferritic stainless steel material used as a mask frame for a color television cathode ray tube and the like, and a method for producing the same, and in particular, is excellent in workability at room temperature, creep elongation resistance, and magnetic properties.CRT maskFerritic stainless steel for framesContinuous annealingThe present invention relates to a steel material and a manufacturing method thereof.
[0002]
[Prior art]
In a cathode ray tube such as a color television, a metal spring having a welded structure called a frame is used in order to apply a tension to a mask in the cathode ray tube. In general, the frame is subjected to plastic processing such as press forming, roll forming, pultrusion molding, etc. on stainless steel plate or stainless steel strip, and then annealing to heat up to about 600 ° C in order to remove distortion, and welding and assembling. Manufactured by. Thereafter, a mask is attached to the frame. In this state, a blackening heat treatment is performed at a temperature of 450 to 500 ° C. for 10 to 20 minutes in order to generate an oxide film on the surface of the steel material and prevent thermal radiation. Is done.
[0003]
Therefore, it is important that the steel material used for this frame has sufficient workability to perform the above-described plastic working with high accuracy and ease. In addition, when the mask is attached to the frame, the frame receives bending stress in the inner direction. The tension of the mask is ensured by the repulsive force of the frame at this time, but when the balance of the tension applied to the mask is deteriorated when the heat treatment as described above is performed, the image is disturbed or blurred by the cathode ray tube. To do. For this reason, it is important for the steel material used for the frame to have a resistance to heat treatment under bending stress, that is, to have excellent creep elongation resistance.
[0004]
On the other hand, the frame has a function of preventing geomagnetism from entering the cathode ray tube and preventing polarization of the electron beam. For this reason, it is important that the steel material used for the frame has high magnetic permeability, that is, excellent magnetic properties. In order to improve the magnetic properties of the steel material, it is known that the strength of the steel material should be lowered. However, when the strength of the steel material is lowered, the creep elongation resistance is also lowered. Therefore, it has been difficult to improve both the magnetic properties and the creep elongation resistance in a well-balanced manner.
[0005]
Conventionally, SUS403 steel or SUS410S steel has been generally used as a stainless steel that can meet these requirements. The crystal structure of these steels is an austenite single-phase structure or a two-phase structure consisting of an austenite phase and a ferrite phase in the normal hot rolling temperature range, but mainly martensite, ferrite and carbide in the cooled state after hot rolling. It has a mixed tissue consisting of
[0006]
Since these steels have a Cr content of about 12% by mass, the coefficient of thermal expansion is reduced, and 10 × 10-6~ 11x10-6/ K, which is the coefficient of thermal expansion of lead glass used for CRT front glass (9 × 10-6-10x10-6/ K). Further, these steels are martensitic, have a relatively high high-temperature strength and good creep elongation resistance. For these reasons, SUS403 or SUS410S has been widely used as a stainless steel for frames.
[0007]
Usually, in order to use these steels for frames, in a state where these steels are wound in a coil shape, after holding a ferrite region temperature by a box-type annealing furnace for several hours or more, so-called batch annealing is performed, It was manufactured by pickling. Here, the reason why batch annealing was adopted as an annealing method is that the above mixed structure must be transformed into a ferrite phase and relatively large precipitated carbides to soften the steel. In conventional steel, the softening annealing time is lengthened. Because it was necessary to take. Therefore, conventionally, it has not been possible to adopt a continuous annealing method with a short annealing time.
[0008]
In batch annealing, the coil is heated from the outer periphery, but the stainless steel hot rolled coil in normal industrial production is around 10 to 20 tons in unit weight, and its heat capacity is large, and the thermal conductivity of steel is also small. For this reason, it is difficult to uniformly heat the entire coil. For this reason, the stainless steel plate annealed by the said method has the problem that the dispersion | variation in mechanical properties, such as intensity | strength and elongation, becomes large compared with the ferritic stainless steel manufactured by a continuous annealing process. For example, the difference between the maximum and minimum tensile strengths of several tens of coils measured randomly without selecting the inner and outer circumferences of the coil may be about 100 MPa. When the strength fluctuation is large in the coil, there is a problem that the dimensional accuracy after processing is deteriorated and the creep elongation resistance at high temperature is also adversely affected.
[0009]
In recent years, with the increase in the size of televisions and the expansion of cathode ray tube applications, further improvements in the creep elongation resistance of frames and the cost reduction of frames have been demanded. In order to meet such a demand, a steel plate for a frame based on a low alloy steel in which the content of alloy elements such as Cr is limited to a low level and a manufacturing method thereof are disclosed.
[0010]
JP-A-8-67945 contains C: 0.03 to 0.25%, Mn: 0.05 to 1.5%, Mo: 0.01 to 1.0%, and 2% or less. Cu, 2% or less of Ni, 3% or less of Cr, 1% or less of W, 0.0003 to 0.003% of one or more of B, and / or 0.04% or less of Ti, A steel sheet for a frame containing one or more of 0.4% or less of Nb and 0.4% or less of V is disclosed. This steel sheet is cheaper than conventional stainless steel and may have improved creep elongation resistance, but its thermal expansion coefficient is 11 to 14 × 10.-6/ K, which has a problem when used for a high-definition cathode ray tube.
[0011]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-249942 discloses an aperture using a duplex stainless steel material containing C: 0.08% or less and Cr: 10.0-18.0% and comprising a ferrite phase and a martensite phase. A frame and a steel material having the above chemical composition1An aperture frame is disclosed that uses a stainless steel material having a multiphase structure with Hv of 160 to 250 after being heated and maintained at a point + 100 ° C. or more and 1200 ° C. or less and then cooled to 100 ° C. or less. However, this steel for frames retains high strength by introducing hard martensite, and when it is desired to obtain a high strength frame after heat treatment, its formability is not always sufficient. There is a problem that it is difficult to accurately process the desired shape.
[0012]
As described above, the techniques disclosed so far have good workability and superior creep elongation resistance, and have good magnetic properties and can be manufactured at low cost.CRT maskThe frame is not disclosed.
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the problems as described above, and has good workability, creep elongation resistance and magnetic properties superior to those of the prior art.CRT maskSteel for frame, and aboveCRT maskIt is an object of the present invention to provide a method for manufacturing a steel material for a frame at a low cost without causing variations in mechanical properties.
[0014]
The gist of the present invention is described in the following (a)CRT maskFerritic stainless steel for framesContinuous annealingSteel, and as described in (b) belowCRT maskIt exists in the manufacturing method of the ferritic stainless steel material for flame | frames.
(a) In mass%, C:0.02 % Or less (however, 0.02 %except for)Si: 2.0% or less, Mn: 1.0% or less, Cr: 9.0-14.0% and N: 0.01-0.10%, P: 0.040-0.10%, Mo: 0.02-1.0%, V: 0.05-0.50% and W: contains one or more selected from 0.02 to 1.0%,The rest Fe And consisting of impurities,The GP value represented by the following formula (1) is 10 to 50:CRT maskFerritic stainless steel for framesContinuous annealingSteel material.
GP = 700C + 800N + 20Ni + 10 (Cu + Mn) -6.2Cr-9.2Si-9.3Mo-4.5W-14V-74.4Ti-37.2Al + 63.2 (1)
In addition,Fe Instead of a part ofIt is desirable to contain at least one selected from Ni: 0.50% or less, Ti: 0.03% or less, Nb: 0.05% or less, and Al: 0.05% or less.
(b) Hot-rolling a steel slab whose chemical composition is adjusted as described in (a) above, and subjecting this hot-rolled steel material to continuous annealing at a temperature of 850 ° C. or lowerCRT maskManufacturing method of ferritic stainless steel for frame.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
First, the reasons for limiting the chemical composition defined in the present invention will be described. In addition,% in a chemical composition means the mass%.
[0016]
C: 0.02 % Or less (however, 0.02 %except for)
C is an element that has the effect of increasing the strength of steel and improving the creep elongation resistance. In order to acquire this effect, it is good to make it contain 0.003% or more. However, if it is excessively contained, the magnetic properties are deteriorated. Therefore, the content of C is0.02 % Or less (however, 0.02 %except for)It was.
[0017]
C has a lower solubility in steel than N, and starts to precipitate as Cr carbide at a higher temperature. For this reason, it is considered that the size of the precipitate is larger than that of the nitride, and the magnetic properties are deteriorated by obstructing the domain wall movement. Therefore, in the present invention, N is more actively used than C as a basic element for increasing the strength.
[0018]
Si: 2.0% or less
Si is a basic element for satisfactorily deoxidizing molten steel, and in order to ensure the effect, it is preferable to contain 0.20% or more. However, since the deoxidizing action of the molten steel can be obtained by containing Al, when Al is contained in the steel in an amount of 0.02% or more, it is not always necessary to contain 0.20% or more of Si. On the other hand, Si is an element having an effect of increasing the strength of steel and is also a ferrite stabilizing element. When adding Si for such a purpose, it is good to make it contain 0.5% or more. However, when Si is contained excessively, the toughness of steel is impaired. Therefore, the Si content is set to 2.0% or less. Preferably, it is 1.5% or less.
[0019]
Mn: 1.0% or less
Mn is a basic element for satisfactorily deoxidizing molten steel, and in order to ensure the effect, it is preferable to contain 0.1% or more. However, since Mn is an austenite stabilizing element, if excessively contained, the steel becomes hard and the workability is impaired. Therefore, the Mn content is set to 1.0% or less. Preferably, it is 0.6% or less.
[0020]
Cr: 9.0 to 14.0%
Cr is a major element for improving the corrosion resistance and heat resistance of steel, and further reduces the coefficient of thermal expansion of the steel and suppresses image bleeding due to the heat of the cathode ray tube. It is an essential element. In order to ensure these performances, it is necessary to contain 9.0% or more of Cr. However, when Cr is excessively contained, there is a problem that Cr carbide is stabilized, the solid solution amount of C is lowered, and the strength of the steel is lowered. Also, a large amount of Cr is disadvantageous from the viewpoint of cost. Therefore, the content of Cr is set to 9.0 to 14.0%.
[0021]
N: 0.01-0.10%
N is an element that improves the strength and creep elongation resistance of steel. In order to acquire these effects, it is necessary to contain N 0.01% or more. However, when N is contained excessively, the toughness of the steel sheet is inhibited. Therefore, the content of N is set to 0.01 to 0.10%. Preferably, it is 0.015 to 0.07%.
[0022]
In the present invention, in order to improve the high temperature strength and creep elongation resistance of steel, in addition to the above elements, P: 0.040 to 0.10%, Mo: 0.02 to 1.0%, V: 0 One or more selected from 0.05 to 0.50% and W: 0.02 to 1.0% are contained.
[0023]
P: 0.040 to 0.10%
P is an element that has the effect of increasing the strength of steel. In particular, when coexisting with Mo, these elements precipitate as Fe-Mo-P-based precipitates during strain relief annealing at about 550 ° C. It has the effect of significantly increasing the strength of steel. Therefore, it may be contained in the steel of the present invention, and in order to obtain the above effect, it is preferably contained in an amount of 0.040% or more. However, when P is contained exceeding 0.10%, weldability is impaired. Therefore, the content when P is contained is set to 0.040 to 0.10%.
[0024]
Mo: 0.02-1.0%
Mo is a solid solution element and is an element having an effect of increasing the high temperature strength and creep elongation resistance of steel by forming carbides, and may be contained in the steel of the present invention. In order to ensure the above effect, it is preferable to contain 0.02% or more. Mo has a weak tendency to form carbides compared to Ti, Nb or V, so there is no problem even if it is contained in a larger amount than these elements, but since it is an expensive element, the upper limit is made 1.0%. There is a need. Therefore, the content when Mo is contained is set to 0.02 to 1.0%. Preferably it is 0.1 to 1.0%. Even if the Mo content is at the impurity level, it is substituted as the Mo value in equation (1).
[0025]
V: 0.05 to 0.50%
V is an element that has the effect of increasing the high temperature strength and creep elongation resistance of steel by forming carbides, and may be contained in the steel of the present invention. In order to acquire said effect, it is preferable to make it contain 0.05% or more. On the other hand, V has a stronger tendency to form carbides than Mo. Therefore, when V is contained in an amount exceeding 0.50%, VN, VC and the like are stably precipitated and the strength of the steel is lowered. Therefore, the content when V is contained is set to 0.05 to 0.50%. Even if the content of V is at the impurity level, it is substituted as the V value in equation (1).
[0026]
W: 0.02-1.0%
W is an element having an effect of increasing the high-temperature strength in a state where the steel is in solid solution, and may be contained in the steel of the present invention. In order to acquire said effect, it is preferable to make it contain 0.02% or more. However, if the content exceeds 1.0%, the above effect becomes more saturated and the cost effectiveness is deteriorated. Therefore, the content when W is contained is set to 0.02 to 1.0%. Preferably, it is 0.1 to 1.0%. Even if the W content is at the impurity level, it is substituted as the W value in the equation (1).
[0027]
In the present invention,Fe Instead of a part ofFor the purpose of improving steel strength, toughness or promoting deoxidation, NiIt is desirable to contain at least one selected from: 0.50% or less, Ti: 0.03% or less, Nb: 0.05% or less, and Al: 0.05% or less.
[0028]
Cu is usually contained in steel as less than 0.1% as an impurityThe CuEven if the content of is at the impurity level, it is substituted as the Cu value in equation (1).
[0029]
Ni: 0.50% or less
Ni is usually contained in the steel as an impurity in an amount of less than 0.1%. However, Ni is an element having an effect of improving the toughness of the steel, so it may be contained in the steel of the present invention. In order to obtain the above effect, it is desirable to contain 0.1% or more. However, Ni is a typical austenite stabilizing element. If Ni is contained in an amount exceeding 0.50%, the transformation temperature becomes low and the annealing temperature has to be excessively lowered. Even if the steel is subjected to continuous annealing with such a low annealing temperature and a short annealing time, there is a possibility that recrystallization is insufficient and the workability of the steel cannot be secured. Therefore, Ni may be contained, but the upper limit of the content needs to be 0.50%. Even if the Ni content is at the impurity level, it is substituted as the Ni value in equation (1).
[0030]
Ti: 0.03% or less
Ti is usually contained in steel as less than 0.003% as an impurity, but is an element having a strong affinity with N or C, and forms fine carbides or nitrides to increase the strength of the steel and refine the crystal structure. May be contained in the steel of the present invention. In order to acquire said effect, it is preferable to make it contain 0.003% or more. However, when Ti is contained exceeding 0.03%, TiN becomes coarse and toughness is reduced. Therefore, Ti may be contained, but the upper limit of the content needs to be 0.03%. Even if the Ti content is at the impurity level, it is substituted as the Ti value in equation (1).
[0031]
Nb: 0.05% or less
Nb is usually contained in steel as an impurity in an amount of less than 0.01%, but like Ti, it is an element having a strong affinity with C and N, and additionally has an effect of increasing the strength of steel. You may make it contain in the steel of this invention. In order to acquire said effect, it is preferable to make it contain 0.01% or more. However, if Nb is contained in excess of 0.05%, the strength of the steel is conversely reduced. Therefore, Nb may be contained, but the upper limit of the content needs to be 0.05%.
[0032]
Al: 0.05% or less
Although Al is usually contained in steel as less than 0.005% as an impurity, since it is an element useful for deoxidation of molten steel, it may be contained in the steel of the present invention, but its effect is about 0.05%. Saturates at. Therefore, when Al is contained, the upper limit of the content needs to be 0.05%. Even if the Al content is at the impurity level, it is substituted as the Al value in equation (1).
[0033]
In the present invention, the chemical composition is adjusted so that the GP value represented by the following formula (1) is 10 to 50.
Figure 0003622680
This equation (1) is an index representing the ratio (volume ratio) of the martensite phase in the crystal structure obtained by casting molten steel. GP = 0 means a structure composed only of a ferrite phase. The steel having a GP exceeding 50% has a high hardenability, so if the annealing of the steel sheet is performed by a continuous annealing method with a short annealing time, the martensitic phase remains in the crystal structure after annealing, or Even in the case of a structure composed of a ferrite phase and a carbide, inconveniences such as insufficient softening occur. Therefore, annealing of steel with a GP exceeding 50% must be performed by a batch annealing method using a conventional box annealing furnace, and the strength and workability of the steel greatly vary. Also, batch annealing has a problem that productivity is low and manufacturing cost is high.
[0034]
If the steel has a chemical composition adjusted so that the GP is 50% or less, it has a crystal structure mainly composed of ferrite phase and precipitates even after annealing by continuous annealing with a short soaking time after hot rolling. Steel with good workability is obtained. On the other hand, when the GP is less than 10%, the ratio of the martensite phase in the hot-rolled state becomes excessively small, softening during annealing proceeds remarkably quickly, and the strength of the steel is significantly reduced. It becomes difficult to ensure creep elongation resistance. Therefore, in the present invention, the chemical composition is adjusted so that the GP becomes 10 to 50%. Preferably, it is 20 to 40%.
[0035]
The GP calculation formula does not include terms for P, S, and Nb. The reason for this is that even if these elements are contained in the steel of the present invention, the amount thereof is small and the influence thereof can be ignored.
[0036]
In the steel material of the present invention, B: 0.0005 to 0.010%, Ca: 0.0005 to 0.005%, Mg: 0.0005 to 0.005%, La: for the purpose of improving hot workability. You may contain 1 or more types selected from 0.002-0.05%, Ce: 0.002-0.05%, and Y: 0.002-0.05%.
[0037]
Other than the above are Fe and impurities. Since S as an impurity has the effect of reducing hot workability and toughness, its content is preferably 0.03% or less. Further, O (oxygen) as an impurity detracts from the toughness of the steel, so it is desirable to deoxidize it with Si, Al, etc. to make its content 0.008% or less.
[0038]
The form of the steel material of the present invention is not particularly limited, and creep elongation resistance and good workability can be obtained regardless of the form of the steel sheet, strip, wire, or the like. Moreover, as a steel plate, a hot-rolled steel plate may be sufficient, and the cold-rolled steel plate obtained by cold-rolling and annealing this may be sufficient.
[0039]
In the production method of the present invention, a steel slab having the chemical composition of the present invention is hot-rolled and subjected to continuous annealing at a temperature of 850 ° C. or less.
[0040]
The method for producing the steel slab is not particularly limited, and the steel may be melted by a known method to form a steel piece (slab), or the molten steel may be directly made into a thin slab. The slab thus produced is hot rolled to obtain a hot rolled steel sheet. The method of hot rolling steel is not particularly limited, and may be a thin steel plate directly from molten steel.
[0041]
When the form of the final product is a hot-rolled steel sheet, the hot-rolled steel sheet obtained by the above method is subjected to annealing treatment and pickling treatment. In order to perform these treatments with high productivity and low production costs, it is preferable to use a continuous annealing-pickling line.
[0042]
During the above-described continuous annealing, the soaking temperature of the steel plate needs to be 850 ° C. or lower. The steel used in the present invention limits the chemical composition so that the GP value is in the range of 10 to 50% so that the annealing treatment can be performed by a continuous annealing method. Also, the content of the austenite stabilizing element is reduced as much as possible, and the boundary temperature between the ferrite phase and the ferrite + austenite two-phase mixed phase (Ar1The chemical composition is designed so that the transformation temperature is not too low. Therefore, a ferritic stainless steel plate with good workability can be produced by continuous annealing at around 800 ° C. However, if annealing is performed on a steel sheet adjusted within the range of the chemical composition defined in the present invention at a temperature exceeding 850 ° C., a martensitic phase is mixed in part of the crystal structure of the steel sheet, and the strength of the steel sheet is increased. Becomes too high and workability is impaired. The lower limit of the soaking temperature is not particularly limited, but is preferably set to 700 ° C. from the viewpoint of ensuring the efficiency of continuous annealing.
When the form of the final product is a cold-rolled steel sheet, the above-described annealing and pickling hot-rolled steel sheet may be cold-rolled and continuously annealed at 850 ° C. or lower in the same manner as the hot-rolled steel sheet.
The annealed steel sheet may be subjected to treatment such as skin pass rolling and tension leveling.
[0043]
【Example】
Example 1
Steel having the chemical composition shown in Table 1 was melted in a laboratory in a vacuum melting furnace and cast into a steel ingot having a mass of 17 kg or 50 kg.
[0044]
[Table 1]
Figure 0003622680
[0045]
These steel ingots were hot forged to form steel pieces having a thickness of 50 mm, a width of 100 mm, and a length of 150 mm. The steel slab was heated to a temperature range of 1,100 to 1,200 ° C., and hot rolled to a thickness of 6.0 mm so that the hot rolling finishing temperature was in the range of 800 to 950 ° C. This hot-rolled steel sheet is cooled to 600 ° C. or 750 ° C. at a cooling rate of about 300 ° C./min, inserted as a winding simulation process into a heating furnace maintained at that temperature, and cooled to room temperature at a cooling rate of 40 ° C./hr. Slowly cooled. These hot rolling conditions are shown in Table 2.
[0046]
The steel plate thus obtained was heated to 800 ° C. and held for 10 minutes, and then air-cooled to obtain a hot-rolled annealed steel plate (hereinafter referred to as “800 ° C. heat-treated material”). From the direction perpendicular to the rolling direction of the obtained steel sheet, a tensile test piece having a thickness of 4.5 mm, a parallel portion having a width of 6 mm, and a length of 50 mm was cut out and at room temperature according to the method defined in JIS Z 2241. A tensile test was performed. The results are also shown in Table 2 as “room temperature characteristics 1”.
[0047]
The steel plate obtained by heating the above-mentioned 800 ° C. heat treated material to 550 ° C. and holding it for 30 minutes and then air-cooling (hereinafter referred to as “550 ° C. heat treated material”) has a thickness of 4.5 mm, parallel from the direction perpendicular to the rolling direction. A tensile test piece having a shape of a width of 6 mm and a length of 50 mm was cut out and subjected to a tensile test at room temperature and 450 ° C. according to a method defined in JIS Z 2241. These results are shown in Table 2 as “room temperature characteristics 2” and “450 ° C. characteristics”.
[0048]
Furthermore, a creep test at 450 ° C. and a magnetic property evaluation test were performed using test pieces collected from the heat treated material at 550 ° C. The creep test was performed by measuring an elongation strain meter with a gauge length of 30 mm on a test piece having a thickness of 4.5 mm, a parallel part shape of width: 6 mm, and a length of 50 mm cut from the direction perpendicular to the rolling of the above-mentioned 550 ° C. heat-treated material. After heating to 450 ° C. and soaking at that temperature, a stress of 294 MPa was applied and held for 1 hour, and the increased elongation was measured when the stress showed a constant value of 294 MPa. The results are also shown in Table 2 as “creep elongation”.
[0049]
The magnetic property evaluation test was performed by using a ring test piece with an inner diameter of 33 mm, an outer diameter of 45 mm, and a plate thickness of 4.5 mm cut out from the above heat-treated material at 550 ° C., and winding the primary coil and the secondary coil 100 turns each. And the coercivity H after applying a magnetic field up to 0.3 Oersted (Oe) and a magnetic field up to 10 Oersted (Oe)C(10 Oe reversal coercivity) was determined. These results are shown in Table 2 as “permeability” and “retention force”.
[0050]
Here, it can be said that steel having a tensile strength (TS) in a tensile test at room temperature of 800 MPa or less and an elongation (El) of 20% or more has good frame workability as a steel material for a frame. Further, it can be said that steel having a creep elongation of 0.1% or less under the condition of applying a tensile stress of 294 MPa at 450 ° C. for 1 hour has good creep elongation resistance as a steel material for a frame. Furthermore, it can be said that a steel having a permeability of 0.35 oersted (Oe) of 100 or less and a coercive force of less than 6 after applying a magnetic field of up to 10 oersted (Oe) has good magnetic properties.
[0051]
[Table 2]
Figure 0003622680
[0052]
The tensile test uses an elongation strain meter with a distance between the gauge points of 30 mm, and the tensile test speed is 0.09 mm / min with the inter-score control until the steel yields, and the crosshead control after the steel yields. And 3.75 mm / min. The yield point (YS) was determined from the 0.2% proof stress, and the elongation (El) was measured for the total elongation with respect to the distance between the scores of 30 mm. However, since actual steel materials for frames are subjected to plastic processing such as press working, roll forming, pultrusion, etc., heat treatment at around 550 ° C. is applied, so that work hardening and age hardening are combined and this example in the table High temperature characteristics are improved over the data shown.
[0053]
As shown in Table 2, steel that satisfies the conditions specified in the present invention was used.Example 1 ~ 6 , 8 and Ten ~ 14All of them had high strength in the range of 600 to 800 MPa at room temperature and had an elongation of 20% or more and had good workability (see room temperature characteristics 1 and 2). Moreover, all the steels had a creep elongation of less than 0.1% and had good creep elongation resistance. Further, all the steels had good magnetic properties with a magnetic permeability of 100 or more and a coercive force of less than 6.
[0054]
On the other hand, since the steels of Examples 15 to 18 all had an excessive C content in the steel, the permeability value was as low as less than 100 and the magnetic properties were inferior. Particularly, in Examples 16 and 17, since the contents of P, Mo, V and W in the steel are all out of the range defined in the present invention, in addition to the magnetic properties, the creep elongation resistance is inferior. It was. In Example 19, since the N content and the GP value were below the range defined in the present invention, the creep elongation exceeded 0.1%, and the creep elongation resistance was inferior. In Example 20, since the Cr content in the steel exceeded 14% and the GP value was less than 10%, the magnetic properties and the creep elongation resistance were inferior. In Example 21, since the Cr content in the steel was less than 9.0, the magnetic properties were inferior. In Example 22, since the GP value exceeded 50%, the elongation at room temperature, that is, the workability was insufficient, and the magnetic properties were inferior.
[0055]
(Example 2)
Two types of steels having the chemical compositions shown in Table 3 20 and 21 were melted by the AOD method and continuously cast to cast five slabs each having a thickness of 200 mm, a width of 1,030 mm, and a mass of about 15 tons.
[0056]
[Table 3]
Figure 0003622680
[0057]
These slabs are heated to 1,180 ° C or 1,210 ° C, subjected to hot rolling with a finishing temperature in the range of 860 to 940 ° C, air cooled without accelerated cooling, and wound into a coil at 660 to 730 ° C. Thickness: 5 mm hot rolled sheet. These hot-rolled sheets were annealed and pickled by a method of treating with a continuous annealing-pickling line or batch annealing with a box-type annealing furnace and then pickling with another line. These production conditions are shown in Table 4.
[0058]
The conditions for continuous annealing were set so that the in-furnace time was 5 minutes and the temperature at the soaking zone was 800 ° C. On the other hand, as a condition for batch annealing, a coil is stacked on a pedestal of a three-stage box-type annealing furnace, and the temperature of the pedestal (the temperature of the lower surface of the lowermost coil) reaches 760 ° C. and soaks for 7 hours. I went there. The pickling was performed in a continuous annealing-pickling line by mechanical descaling by bender, shot blasting, and chemical descaling by a combination of sulfuric acid and nitric hydrofluoric acid. However, about the steel strip which gave batch annealing, only pickling was performed using the continuous annealing-pickling line which has not ignited the annealing furnace.
[0059]
A test piece having the same dimensions as the test piece cut out in Example 1 was cut out from these pickled steel sheets, and “normal temperature characteristic 1”, “normal temperature characteristic 2”, “450 ° C. characteristic”, “Creep elongation”, “permeability” and “coercivity” were measured. The results are also shown in Table 4.
[0060]
[Table 4]
Figure 0003622680
[0061]
Note that the sampling position of the test piece is the central part in the width direction of the steel sheet, and the symbol “T” in the column of “Test site” in Table 4 indicates the rolling tip of the hot-rolled steel sheet (wound around the coil during batch annealing). In the state, the innermost peripheral end of the coil) and the symbol “B” mean the rolling end portion of the hot-rolled steel sheet (the outermost peripheral end of the coil when wound around the coil during batch annealing).
[0062]
As is apparent from Table 4, the steel No. in the range of the chemical composition defined in the present invention. Examples 31 and 32 produced from No. 20 showed an elongation (El) of 20% or more with “room temperature characteristics 1” in any part of the continuously annealed hot-rolled steel sheet, and a creep elongation of 0.1% or less. In addition, the magnetic permeability was 100 or more, and good workability, creep elongation resistance and magnetic properties were exhibited. On the other hand, steel No. in which the content of C exceeds the range specified in the present invention. In Examples 33 and 34 produced from No. 21, the magnetic permeability was less than 100 in the continuous annealing step, and the magnetic properties were not good. Similarly, steel no. In Examples 35 and 36 produced from No. 21, since the annealing process was performed by batch annealing with a soaking time of 7 hours, the permeability at part B (the outermost peripheral end of the coil) exceeded 100, but the part T ( At the innermost peripheral end of the coil, the magnetic permeability was less than 100 and the magnetic properties were inferior.
[0063]
【The invention's effect】
According to the present invention, excellent creep elongation resistance and workability are provided, and magnetic characteristics are also excellent.CRT maskFerritic stainless steel for framesContinuous annealingSteel materials can be provided. This steel material is for high definition TVCRT maskIn addition to being extremely suitable as a frame member, it is possible to reduce the thickness of the frame member. Moreover, according to the manufacturing method of the present invention,CRT maskFerritic stainless steel for frames can be manufactured at low cost with little variation in characteristic values.

Claims (3)

質量%で、C:0.02 %以下(但し、 0.02 %を除く)、Si:2.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:9.0〜14.0%およびN:0.01〜0.10%を含み、P:0.040〜0.10%、Mo:0.02〜1.0%、V:0.05〜0.50%およびW:0.02〜1.0%から選択された1種以上を含有し、残部 Fe および不純物からなり、且つ下記の(1)式で表されるGPの値が10〜50であることを特徴とするブラウン管のマスクフレーム用フェライト系ステンレス連続焼鈍鋼材。
Figure 0003622680
In mass%, C: 0.02 % or less ( excluding 0.02 %) , Si: 2.0% or less, Mn: 1.0% or less, Cr: 9.0-14.0% and N: 0.01-0.10%, P: 0.040- Contains one or more selected from 0.10%, Mo: 0.02 to 1.0%, V: 0.05 to 0.50%, and W: 0.02 to 1.0%, the balance being Fe and impurities, and represented by the following formula (1) Ferritic stainless steel continuously annealed steel for CRT mask frames characterized by a GP value of 10-50.
Figure 0003622680
質量%で、C: 0.02 %以下(但し、 0.02 %を除く)、 Si 2.0 %以下、 Mn 1.0 %以下、 Cr 9.0 14.0 %およびN: 0.01 0.10 %を含み、P: 0.040 0.10 %、 Mo 0.02 1.0 %、V: 0.05 0.50 %およびW: 0.02 1.0 %から選択された1種以上、Ni:0.50%以下、Ti:0.03%以下、Nb:0.05%以下およびAl:0.05%以下から選択される1種以上を含有し、残部 Fe および不純物からなり、且つ下記の (1) 式で表される GP の値が 10 50 であることを特徴とするブラウン管のマスクフレーム用フェライト系ステンレス連続焼鈍鋼材。
Figure 0003622680
By mass%, C: 0.02% or less (excluding 0.02%), Si: 2.0% or less, Mn: 1.0% or less, Cr: 9.0 ~ 14.0%, and N: comprises 0.01 ~ 0.10%, P: 0.040 ~ 0.10 %, Mo : 0.02 to 1.0 %, V: 0.05 to 0.50 % and W: one or more selected from 0.02 to 1.0 %, Ni: 0.50% or less, Ti: 0.03% or less, Nb: 0.05% or less, and Al CRT mask characterized by containing one or more selected from 0.05% or less , the balance being Fe and impurities, and having a GP value of 10 to 50 expressed by the following formula (1) Ferritic stainless steel continuous annealing steel for frames.
Figure 0003622680
請求項1または2に記載の鋼のスラブを熱延し、この熱延鋼材に850℃以下の温度で連続焼鈍を施すことを特徴とするブラウン管のマスクフレーム用フェライト系ステンレス鋼材の製造方法。A method for producing a ferritic stainless steel material for a mask frame of a cathode ray tube, wherein the steel slab according to claim 1 or 2 is hot-rolled and subjected to continuous annealing at a temperature of 850 ° C or lower.
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