JP3621837B2 - 中性粒子入射装置のイオン源用イオン生成電源 - Google Patents
中性粒子入射装置のイオン源用イオン生成電源 Download PDFInfo
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核融合装置における中性粒子入射装置（ＮＢＩ）のイオン源用イオン生成電源に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
核融合装置における中性粒子入射装置のイオン源用の電源は、イオンを生成するためのイオン生成電源と、作ったイオンを加速するための加速電源とから構成される。イオン生成電源には、フィラメント電源、アーク電源、バイアス電源、磁気フィルター電源、引き出し電源などがある。通常、イオンを加速電源の高電位上で作り、イオンを高電位から接地電位（ゼロ電位）に向かって加速するために、イオン生成電源は接地から絶縁された電源である。接地電位から絶縁するために絶縁変圧器を使用し、その２次巻線側が高電位となる。
【０００３】
図２に従来の中性粒子入射装置のイオン源用電源の構成概略を示す。図２において、参照番号１００はイオン源を示し、当該イオン源１００は、イオン生成部１０２とイオン加速部１０４とを有する。また、図２において、参照番号１０６はイオン源用電源を示し、当該イオン源用電源１０６は、イオンを生成するためイオン生成部１０２に電気的に接続されているイオン生成電源１０８と、生成されたイオンを加速するためイオン加速部１０４に電気的に接続されているイオン加速電源１１０とを有する。イオン生成電源１０８は、接地電位から絶縁するための絶縁変圧器１１２を含み、その絶縁変圧器１１２の２次側には、フィラメント電源、アーク電源、バイアス電源、磁気フィルター電源、引き出し電源などの各電源を構成するために必要な種々の電圧制御回路、スイッチング回路を設けて、出力制御を行うようにしていた。図２においては、例として、フィラメント電源を構成するため、イオン生成電源１０８は、絶縁変圧器１１２の２次側に降圧変圧器１１４、当該降圧変圧器１１４の出力交流電圧を整流して直流電圧を生成する整流器１１６、及び出力制御のための高速半導体スイッチ１１８を有するよう示されている。このように、従来のイオン生成電源は、高電位側にイオン生成部用の各電源の電圧制御回路やスイッチング回路を設けて、当該イオン生成電源とイオン生成部との間の高速スイッチング等の出力制御を行っていた。
【０００４】
一方、イオン加速電源１１０は、交流電圧をより高い周波数の交流電圧に変換する高周波インバータ１２０、当該変換されたより高い周波数を有する交流電圧を昇圧する変圧器１２２、及び当該昇圧された交流電圧を整流して高圧の直流電圧を生成して、当該生成された直流電圧をイオンを加速するためイオン加速部に印加する整流器１２４を有する。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図２に示される構成では、高電位側にイオン生成部用の各電源の電圧制御回路やスイッチング回路を設けているため、高エネルギー大出力ビームの要求とともに、イオン加速電源出力電圧が高くなり、また、イオン源で高い頻度で発生する放電破壊（短絡現象）の際のサージも大きくなり、そのためイオン生成用電源の制御回路がサージによって誤動作したり、破壊され、電源を安定に作動させることが極めて難しくなってきている。
【０００６】
従って、本発明の課題は、近傍に存在する高電圧や、大きなサージに耐えて、安定に動作する中性粒子入射装置のイオン源用イオン生成電源を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の中性粒子入射装置のイオン源用イオン生成電源は、交流電圧を昇圧し且つ電源を接地電位から絶縁する絶縁変圧器と、当該絶縁変圧器から出力された交流電圧を整流して直流電圧を発生する直流電圧発生部とを備え、高周波インバータを前記絶縁変圧器の一次側に更に設けることを特徴とする。
【０００８】
本発明は、上記のように構成され、イオン生成用電源の高電位側にはサージに敏感な制御装置を用いない新しい方式である。本発明は、低電位側である絶縁変圧器の一次側に電圧制御と高速のスイッチングを行う高周波インバータを設け、高電位側は、例えば、単なる降圧変圧器と整流器の組合わせとしている。
【０００９】
【発明の実施の形態】
【００１０】
【実施例】
以下図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
【００１１】
図１に本発明の中性粒子入射装置のイオン源用イオン生成電源の好適な一実施形態を示す。なお、図１において、図２と同一の参照番号の構成要素は図２の構成要素と同一であるので、それらの説明は繰り返さない。
【００１２】
図１において、参照番号１０はイオン源用電源を示し、当該イオン源用電源１０は、本発明の好適な一実施形態のイオン源用イオン生成電源１２と従来の構成のイオン加速電源１１０とを含む。イオン生成電源１２は、従来の絶縁変圧器１１２、必要に応じて設けられる降圧変圧器１１４、及び整流器１１６を含むとともに、低電位側である絶縁変圧器１１２の一次側に電圧制御と高速のスイッチングを行う高周波インバータ１４が設けられている。この高周波インバータ１４の制御角を変える等の電圧制御により、整流器１１６の出力に所望の直流電圧を発生させ、また高周波インバータ１４のスイッチング素子を高速でオフにすることにより、イオン生成電源１２とイオン生成部１０２との接続が高速で切られる。
【００１３】
本実施形態においては、高電位側は単なる降圧変圧器１１４及び整流器１１６の組合わせで、電圧制御やスイッチングのための半導体スイッチ等がなく、そしてイオン生成電源１２の低電位側で高周波インバータ１４により電圧制御及び高速のスイッチングを行うので、加速電源出力の電圧の高電圧化と共にイオン源で高い頻度で発生する放電破壊の際の大きなサージによる誤動作が生じることなく、また高周波インバータ１４の出力電圧の制御及びスイッチング系が破壊する恐れもなくなり、イオン生成電源１２を安定に作動させることができる。なお、インバータを用いることに起因する直流電圧リップルはインバータの周波数を上げることによって実用可能なレベルまで低く抑えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の中性粒子入射装置のイオン源用イオン生成電源の好適な一実施形態を示す図である。
【図２】従来の中性粒子入射装置のイオン源用電源の構成概略を示す図である。
【符号の説明】
１０ イオン源用電源
１２ イオン生成電源
１４ 高周波インバータ
１００ イオン源
１０２ イオン生成部
１０４ イオン加速部
１１０ イオン加速電源
１１２ 絶縁変圧器
１１４ 降圧変圧器
１１６ 整流器
【発明の属する技術分野】
本発明は、核融合装置における中性粒子入射装置（ＮＢＩ）のイオン源用イオン生成電源に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
核融合装置における中性粒子入射装置のイオン源用の電源は、イオンを生成するためのイオン生成電源と、作ったイオンを加速するための加速電源とから構成される。イオン生成電源には、フィラメント電源、アーク電源、バイアス電源、磁気フィルター電源、引き出し電源などがある。通常、イオンを加速電源の高電位上で作り、イオンを高電位から接地電位（ゼロ電位）に向かって加速するために、イオン生成電源は接地から絶縁された電源である。接地電位から絶縁するために絶縁変圧器を使用し、その２次巻線側が高電位となる。
【０００３】
図２に従来の中性粒子入射装置のイオン源用電源の構成概略を示す。図２において、参照番号１００はイオン源を示し、当該イオン源１００は、イオン生成部１０２とイオン加速部１０４とを有する。また、図２において、参照番号１０６はイオン源用電源を示し、当該イオン源用電源１０６は、イオンを生成するためイオン生成部１０２に電気的に接続されているイオン生成電源１０８と、生成されたイオンを加速するためイオン加速部１０４に電気的に接続されているイオン加速電源１１０とを有する。イオン生成電源１０８は、接地電位から絶縁するための絶縁変圧器１１２を含み、その絶縁変圧器１１２の２次側には、フィラメント電源、アーク電源、バイアス電源、磁気フィルター電源、引き出し電源などの各電源を構成するために必要な種々の電圧制御回路、スイッチング回路を設けて、出力制御を行うようにしていた。図２においては、例として、フィラメント電源を構成するため、イオン生成電源１０８は、絶縁変圧器１１２の２次側に降圧変圧器１１４、当該降圧変圧器１１４の出力交流電圧を整流して直流電圧を生成する整流器１１６、及び出力制御のための高速半導体スイッチ１１８を有するよう示されている。このように、従来のイオン生成電源は、高電位側にイオン生成部用の各電源の電圧制御回路やスイッチング回路を設けて、当該イオン生成電源とイオン生成部との間の高速スイッチング等の出力制御を行っていた。
【０００４】
一方、イオン加速電源１１０は、交流電圧をより高い周波数の交流電圧に変換する高周波インバータ１２０、当該変換されたより高い周波数を有する交流電圧を昇圧する変圧器１２２、及び当該昇圧された交流電圧を整流して高圧の直流電圧を生成して、当該生成された直流電圧をイオンを加速するためイオン加速部に印加する整流器１２４を有する。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図２に示される構成では、高電位側にイオン生成部用の各電源の電圧制御回路やスイッチング回路を設けているため、高エネルギー大出力ビームの要求とともに、イオン加速電源出力電圧が高くなり、また、イオン源で高い頻度で発生する放電破壊（短絡現象）の際のサージも大きくなり、そのためイオン生成用電源の制御回路がサージによって誤動作したり、破壊され、電源を安定に作動させることが極めて難しくなってきている。
【０００６】
従って、本発明の課題は、近傍に存在する高電圧や、大きなサージに耐えて、安定に動作する中性粒子入射装置のイオン源用イオン生成電源を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の中性粒子入射装置のイオン源用イオン生成電源は、交流電圧を昇圧し且つ電源を接地電位から絶縁する絶縁変圧器と、当該絶縁変圧器から出力された交流電圧を整流して直流電圧を発生する直流電圧発生部とを備え、高周波インバータを前記絶縁変圧器の一次側に更に設けることを特徴とする。
【０００８】
本発明は、上記のように構成され、イオン生成用電源の高電位側にはサージに敏感な制御装置を用いない新しい方式である。本発明は、低電位側である絶縁変圧器の一次側に電圧制御と高速のスイッチングを行う高周波インバータを設け、高電位側は、例えば、単なる降圧変圧器と整流器の組合わせとしている。
【０００９】
【発明の実施の形態】
【００１０】
【実施例】
以下図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
【００１１】
図１に本発明の中性粒子入射装置のイオン源用イオン生成電源の好適な一実施形態を示す。なお、図１において、図２と同一の参照番号の構成要素は図２の構成要素と同一であるので、それらの説明は繰り返さない。
【００１２】
図１において、参照番号１０はイオン源用電源を示し、当該イオン源用電源１０は、本発明の好適な一実施形態のイオン源用イオン生成電源１２と従来の構成のイオン加速電源１１０とを含む。イオン生成電源１２は、従来の絶縁変圧器１１２、必要に応じて設けられる降圧変圧器１１４、及び整流器１１６を含むとともに、低電位側である絶縁変圧器１１２の一次側に電圧制御と高速のスイッチングを行う高周波インバータ１４が設けられている。この高周波インバータ１４の制御角を変える等の電圧制御により、整流器１１６の出力に所望の直流電圧を発生させ、また高周波インバータ１４のスイッチング素子を高速でオフにすることにより、イオン生成電源１２とイオン生成部１０２との接続が高速で切られる。
【００１３】
本実施形態においては、高電位側は単なる降圧変圧器１１４及び整流器１１６の組合わせで、電圧制御やスイッチングのための半導体スイッチ等がなく、そしてイオン生成電源１２の低電位側で高周波インバータ１４により電圧制御及び高速のスイッチングを行うので、加速電源出力の電圧の高電圧化と共にイオン源で高い頻度で発生する放電破壊の際の大きなサージによる誤動作が生じることなく、また高周波インバータ１４の出力電圧の制御及びスイッチング系が破壊する恐れもなくなり、イオン生成電源１２を安定に作動させることができる。なお、インバータを用いることに起因する直流電圧リップルはインバータの周波数を上げることによって実用可能なレベルまで低く抑えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の中性粒子入射装置のイオン源用イオン生成電源の好適な一実施形態を示す図である。
【図２】従来の中性粒子入射装置のイオン源用電源の構成概略を示す図である。
【符号の説明】
１０ イオン源用電源
１２ イオン生成電源
１４ 高周波インバータ
１００ イオン源
１０２ イオン生成部
１０４ イオン加速部
１１０ イオン加速電源
１１２ 絶縁変圧器
１１４ 降圧変圧器
１１６ 整流器
Claims (1)
- 交流電圧を昇圧し且つ電源を接地電位から絶縁する絶縁変圧器と、当該絶縁変圧器から出力された交流電圧を整流して直流電圧を発生する直流電圧発生部とを備える中性粒子入射装置のイオン源用イオン生成電源において、
高周波インバータを前記絶縁変圧器の一次側に設けることを特徴とする中性粒子入射装置のイオン源用イオン生成電源。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30379798A JP3621837B2 (ja) | 1998-10-26 | 1998-10-26 | 中性粒子入射装置のイオン源用イオン生成電源 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30379798A JP3621837B2 (ja) | 1998-10-26 | 1998-10-26 | 中性粒子入射装置のイオン源用イオン生成電源 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000133154A JP2000133154A (ja) | 2000-05-12 |
| JP3621837B2 true JP3621837B2 (ja) | 2005-02-16 |
Family
ID=17925424
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30379798A Expired - Fee Related JP3621837B2 (ja) | 1998-10-26 | 1998-10-26 | 中性粒子入射装置のイオン源用イオン生成電源 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3621837B2 (ja) |
-
1998
- 1998-10-26 JP JP30379798A patent/JP3621837B2/ja not_active Expired - Fee Related
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|---|---|
| JP2000133154A (ja) | 2000-05-12 |
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