JP3886257B2 - 電力分配回路 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に電力分配システムの改良に関するものであり、更に詳しくは電源側変圧器の電源側回路と負荷側回路との間の高調波の問題を一層効果的に分離するための信頼性よく且つ経済的である改良設計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電力産業では電力線上の電圧および電流波形の歪みが観察された1920年代以来動力システムの高調波の問題が認識されている。既知の電源の回路網は整流器、インバータ、溶接機、アーク炉および電圧制御器のような非線形の負荷を含んでいる。しかし、これらの電源からの分配システム上の高調波のレベルは従来問題にされていない。今日では、分配システム上の高調波電圧および電流のレベルは、電力回路網がテレビジョン、パーソナルコンピュータおよび他の多くの「スマート」な装置のような電子装置の使用の増加等により新しい高調波源を含むことにより重大な問題になって来ている。現代の装置は、それらの動作のために電力用半導体装置、コンバータ、インバータなどを有していて電動機の効率や負荷整合を改善するためのもののような、エネルギ保存処置を採用しており、これらはしばしば第5、第7、第11および第13高調波などの不所望な高調波を多く含んでいる不規則な電圧および電流波形を発生する。例えば、電気装置が集中して使用されている東京のような人口の多い世界の大都市では、第5高調波の歪みがテレビジョンの高視聴時間帯と相関があることが観察されている。このような非線形負荷は、正弦波電流が流れる伝統的な線形負荷(例えば、抵抗、インダクタおよびコンデンサ)と異なり、矩形波または非線形パルス状電流を生じさせる。結果として、それらの高調波電流は電源回路網の主要な電源インピーダンスを通って流れて、交流線路電圧を歪ませる。
【0003】
このような高調波歪みは多くの理由で望ましくない。フィルタリングされていない高調波は他の顧客にも影響を与えることがある。1つ以上の非線形負荷部分が高調波電流を注入して、電源電圧を歪ませ、これがフィルタリングを行わない他の負荷部分に供給される。同じ回路網に接続されている敏感な負荷部分は動作が困難になることがある。高調波は電話や他の通信システムを妨害することがある。高調波はまた導管およびパネル箱内の導体の過熱を招くこともある。高調波は変圧器を通って流れて電動機や発電機に入り込み、変圧器、電動機および発電機の巻線のI2 R損を大きく増大させる。電源から供給された電力は様々な場所で高調波損失を増大させる。
【0004】
設計を改良することによって殆どの問題のある負荷に流れる高調波電流を実質的に低減する技術が存在する。しかし、各々高調波発生源にフィルタを取り付けることなどによる既存の装置を改修する費用は、膨大なものになることがある。更に、これは、高調波の発生源となる各々の装置にフィルタを取り付けることを必要とするので実用的な解決策ではない。装置毎にフィルタを取り付けていない場合、使用される最初のフィルタが全ての高調波責務(duty)を負担して、過負荷になり損傷を受けることになる。従って、高調波発生源を持つ給電線から高調波フィルタを備えた給電線へ高調波電流が流れるのを防止することが必要である。
【0005】
これらの高調波電流および歪み電圧の問題を制御または制限するための種々の方法がある。それらの方法には、1)注入される高調波をかなり少なくする一層精巧複雑なコンバータを用いる方法、2)負荷を電力システムから実効的に隔離する電力線路調整装置を付加する方法、3)望ましくない高調波を除くために高調波分路フィルタを取り付ける方法、および4)能動フィルタを用いる方法がある。
【0006】
高調波を低減するためだけに高価である精巧複雑なコンバータを用いることは経済的に実行可能且つ実用的ではない。このようなコンバータの購入者または最終使用者は高調波注入の低減による利益は全く又は殆ど受けない。従って、高調波の注入をかなり少なくする高価で精巧複雑なコンバータを購入して取り付けようとする者は少ない。
【0007】
電力線路調整装置は負荷の高調波電流を入力交流線路から隔離するために使用することが出来る。しかし、電力線路調整装置はその機能が高調波電流を低減することのみである場合には余りに高価すぎる解決策である。
【0008】
高調波分路フィルタは、高調波電流に対して小さなインピーダンス路を提供して、これにより望ましくない高調波の悪影響を除くように設計し取り付けることが出来る。高調波分路フィルタはより経済的に実行可能且つ実用的な解決策の1つとして現在用いされている。しかし、この解決策は、高調波を発生する負荷が増大し且つ電源側の高調波問題が一層酷くなるにつれて技術的に困難になっている。
【0009】
能動フィルタは、実際の波形と所望の波形との間の差を最小にするようにした、1つのエネルギ蓄積素子と複数のコンバータを持つ帰還ループに基づいた新興の技術である。能動フィルタは非常に高価である。
【0010】
東京のような人口の多い都市の電力システムの構成における高調波についての検査によれば、高調波歪みが回路網の構成によって増大され得ることが判明した。負荷によって発生された非常に小さい高調波電流が、分配および伝送回路内に取り付けられたケーブルの容量と電源リアクタンスのインダクタンスとの間の共振条件により、分配および伝送回路内で大きな電流へと増幅されることがある。
【0011】
高調波電流は、給電線に直列に取り付けられた阻止フィルタによって、電力システムの回路網の他の区分へ流れないように阻止される。阻止フィルタは電気的に並列に接続されたコンデンサおよびインダクタで構成される。阻止フィルタのインダクタはしばしば、該インダクタが全負荷電流ならびに最大故障電流を担持しなければならないので、寸法が大きく高価である。従って、阻止フィルタは余り使用されていない。
【0012】
本発明は、新規な阻止フィルタの設計により電力分配システムの回路網内の既存の装置を利用して、回路網の1つの部分内の問題をその部分内で安価に解決できるように、電力システムの回路網の区分化(segmentation)を可能にする。本発明は、既存の電源側変圧器を漏洩リアクタンスをインダクタとして利用することにより、阻止フィルタに高価なインダクタを必要としないようにする。
【0013】
【発明の目的】
従って、本発明の目的は、回路網の1つの部分内の問題がその部分内で解決されて回路網の他の部分に影響を及ぼさないようにして、高調波問題を解決する新規な改良装置および方法を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、構成が簡単で、製作し具現するのに安価である新規な阻止フィルタを提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、回路網に既に存在する装置の幾つかを利用する新規な阻止フィルタを提供することである。
【0016】
本発明の更に別の目的並びに特徴は特許請求の範囲と共に以下の説明から明らかになろう。
【0017】
【発明の概要】
本発明は、既存の電源側変圧器の並列に配置された、小さな補助変圧器およびコンデンサの直列組合せを有する高調波阻止フィルタを提供する。この阻止フィルタは望ましくない高調波周波数で共振するように設計される。補助変圧器のMVA定格は電源側変圧器のMVA定格よりも小さくなるように選択することが出来る。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は従来技術による高調波フィルタを備えた電力分配回路の回路図である。50Hzまたは60Hzの基本周波数の電力が交流電源10から電源側変圧器20および給電線22を介して負荷へ供給される。負荷30の部分は高調波注入装置32を備えた非線形負荷であってよい。図では3つの負荷L1、L2およびL3のみを示している。負荷はそれより多くても少なくてもよく、それに応じて電源側変圧器および給電線も数が多くても少なくてもよい。更に、1つの電源側変圧器に複数の給電線を接続してもよく、また1つの給電線を複数の電源側変圧器に接続してもよく、また複数の給電線を複数の電源側変圧器に共通の母線を介して接続してもよい。
【0019】
負荷の1つ(例えば、L3)が有意量の高調波注入のある唯一の負荷である場合、経済的に実行可能である完全な技術的方法は、望ましくない注入高調波に対して低インピーダンス路を提供する高調波分路フィルタ50を設けることである。この解決法は、望ましくない高調波電流が交流電源10および他の負荷(L1およびL2)に流入するのを防止する。高調波分路フィルタは、電気的に直列に接続されたコンデンサ51およびインダクタ52で構成することが出来る。電源側回路(交流電源10、負荷L1およびL2、それらの電源側変圧器20および給電線)に高調波の注入ががない限り、阻止フィルタは必要ではない。
【0020】
しかし、電源側回路に高調波の注入がある場合や、電源の電圧波形がかなり歪んでいる場合、図1に示されているように高調波分路フィルタ50に加えて阻止フィルタ40を設けて、高調波分路フィルタがその設計対象の注入高調波に対してのみ低インピーダンス路を提供するようにすることが必要である。従来の阻止フィルタは図1に示されているようにインダクタ41およびコンデンサ42で構成することが出来る。高調波分路フィルタおよび阻止フィルタは、望ましくない注入高調波に対して高調波分路フィルタのインピーダンスが小さくなり且つ阻止フィルタのインピーダンスが大きくなるように、同じ周波数に同調させることが出来る。阻止フィルタのインダクタ41の寸法は、全負荷電流ならびに最大故障電流を担持するように選択しなければならず、従って、インダクタ41はきわめて大形で且つ高価なものになる。
【0021】
図2は、本発明による高調波分路フィルタを備えた電力分配回路の回路図である。本発明では、阻止フィルタ40は既存の電源側変圧器20、小さな補助変圧器43およびコンデンサ44で構成される。補助変圧器43とコンデンサ44との直列組合せが既存の電源側変圧器20に電気的に並列に接続される。電源側変圧器および補助変圧器の漏洩リアクタンスが誘導性リアクタンスを提供し、コンデンサが容量性リアクタンスを提供する。電源側変圧器20は全負荷電流および最大故障電流を通すように設計されている。本発明の阻止フィルタ40内の補助変圧器43およびコンデンサ44のパラメータを公知の電気理論に従って選択することによって、本発明の阻止フィルタは図1の従来の阻止フィルタのように選択された周波数で大きなインピーダンスを生じる。補助変圧器43の寸法は、その漏洩インピーダンスが電源側変圧器20の漏洩インピーダンスに等しいか又はそれより小さくなるように定められ、また補助変圧器43の公称MVA定格は電源側変圧器20のMVA定格よりも小さくするか又はそれに等しくする。
【0022】
下記の表1は、例として、15%漏洩リアクタンスを持つ500kV〜77kV,200MVAの既存の電源側変圧器(20)、5%漏洩リアクタンスを持つ500kV〜77kV,10MVAの補助変圧器(43)、および6.8kV,165kVAR(三相全体)のコンデンサ(44)によって形成された、第5高調波阻止フィルタのパラメータを示す。電源周波数は60Hzであり、第5高調波は300Hzである。表は各々の構成部品およびそれらの組合せに対する60Hzおよび300Hzにおけるインピーダンス値、連続使用責務並びに故障時責務を示す。表に示された全てのパラメータ値は77kVをベースとして得られたものである。
【0023】
【表1】
【0024】
表1に示された例は第5高調波を阻止するためのものである。阻止周波数は、公知の電気理論に従って補助変圧器およびコンデンサのパラメータ値を異なる値に選択することによって変えることが出来る。本発明は図示の実施態様に制限されるものではなく、当業者には種々の変更および実施態様が考えられよう。従って、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく本発明の形態、細部および用途に様々な変更をなし得ることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術による高調波フィルタを備えた電力分配回路の回路図である。
【図2】本発明による高調波阻止フィルタを備えた電力分配回路の回路図である。
【符号の説明】
10 交流電源
20 電源側変圧器
22 給電線
30 負荷
32 高調波注入装置
40 阻止フィルタ
41 インダクタ
42 コンデンサ
43 補助変圧器
44 コンデンサ
50 高調波分路フィルタ
51 コンデンサ
52 インダクタ
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に電力分配システムの改良に関するものであり、更に詳しくは電源側変圧器の電源側回路と負荷側回路との間の高調波の問題を一層効果的に分離するための信頼性よく且つ経済的である改良設計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電力産業では電力線上の電圧および電流波形の歪みが観察された1920年代以来動力システムの高調波の問題が認識されている。既知の電源の回路網は整流器、インバータ、溶接機、アーク炉および電圧制御器のような非線形の負荷を含んでいる。しかし、これらの電源からの分配システム上の高調波のレベルは従来問題にされていない。今日では、分配システム上の高調波電圧および電流のレベルは、電力回路網がテレビジョン、パーソナルコンピュータおよび他の多くの「スマート」な装置のような電子装置の使用の増加等により新しい高調波源を含むことにより重大な問題になって来ている。現代の装置は、それらの動作のために電力用半導体装置、コンバータ、インバータなどを有していて電動機の効率や負荷整合を改善するためのもののような、エネルギ保存処置を採用しており、これらはしばしば第5、第7、第11および第13高調波などの不所望な高調波を多く含んでいる不規則な電圧および電流波形を発生する。例えば、電気装置が集中して使用されている東京のような人口の多い世界の大都市では、第5高調波の歪みがテレビジョンの高視聴時間帯と相関があることが観察されている。このような非線形負荷は、正弦波電流が流れる伝統的な線形負荷(例えば、抵抗、インダクタおよびコンデンサ)と異なり、矩形波または非線形パルス状電流を生じさせる。結果として、それらの高調波電流は電源回路網の主要な電源インピーダンスを通って流れて、交流線路電圧を歪ませる。
【0003】
このような高調波歪みは多くの理由で望ましくない。フィルタリングされていない高調波は他の顧客にも影響を与えることがある。1つ以上の非線形負荷部分が高調波電流を注入して、電源電圧を歪ませ、これがフィルタリングを行わない他の負荷部分に供給される。同じ回路網に接続されている敏感な負荷部分は動作が困難になることがある。高調波は電話や他の通信システムを妨害することがある。高調波はまた導管およびパネル箱内の導体の過熱を招くこともある。高調波は変圧器を通って流れて電動機や発電機に入り込み、変圧器、電動機および発電機の巻線のI2 R損を大きく増大させる。電源から供給された電力は様々な場所で高調波損失を増大させる。
【0004】
設計を改良することによって殆どの問題のある負荷に流れる高調波電流を実質的に低減する技術が存在する。しかし、各々高調波発生源にフィルタを取り付けることなどによる既存の装置を改修する費用は、膨大なものになることがある。更に、これは、高調波の発生源となる各々の装置にフィルタを取り付けることを必要とするので実用的な解決策ではない。装置毎にフィルタを取り付けていない場合、使用される最初のフィルタが全ての高調波責務(duty)を負担して、過負荷になり損傷を受けることになる。従って、高調波発生源を持つ給電線から高調波フィルタを備えた給電線へ高調波電流が流れるのを防止することが必要である。
【0005】
これらの高調波電流および歪み電圧の問題を制御または制限するための種々の方法がある。それらの方法には、1)注入される高調波をかなり少なくする一層精巧複雑なコンバータを用いる方法、2)負荷を電力システムから実効的に隔離する電力線路調整装置を付加する方法、3)望ましくない高調波を除くために高調波分路フィルタを取り付ける方法、および4)能動フィルタを用いる方法がある。
【0006】
高調波を低減するためだけに高価である精巧複雑なコンバータを用いることは経済的に実行可能且つ実用的ではない。このようなコンバータの購入者または最終使用者は高調波注入の低減による利益は全く又は殆ど受けない。従って、高調波の注入をかなり少なくする高価で精巧複雑なコンバータを購入して取り付けようとする者は少ない。
【0007】
電力線路調整装置は負荷の高調波電流を入力交流線路から隔離するために使用することが出来る。しかし、電力線路調整装置はその機能が高調波電流を低減することのみである場合には余りに高価すぎる解決策である。
【0008】
高調波分路フィルタは、高調波電流に対して小さなインピーダンス路を提供して、これにより望ましくない高調波の悪影響を除くように設計し取り付けることが出来る。高調波分路フィルタはより経済的に実行可能且つ実用的な解決策の1つとして現在用いされている。しかし、この解決策は、高調波を発生する負荷が増大し且つ電源側の高調波問題が一層酷くなるにつれて技術的に困難になっている。
【0009】
能動フィルタは、実際の波形と所望の波形との間の差を最小にするようにした、1つのエネルギ蓄積素子と複数のコンバータを持つ帰還ループに基づいた新興の技術である。能動フィルタは非常に高価である。
【0010】
東京のような人口の多い都市の電力システムの構成における高調波についての検査によれば、高調波歪みが回路網の構成によって増大され得ることが判明した。負荷によって発生された非常に小さい高調波電流が、分配および伝送回路内に取り付けられたケーブルの容量と電源リアクタンスのインダクタンスとの間の共振条件により、分配および伝送回路内で大きな電流へと増幅されることがある。
【0011】
高調波電流は、給電線に直列に取り付けられた阻止フィルタによって、電力システムの回路網の他の区分へ流れないように阻止される。阻止フィルタは電気的に並列に接続されたコンデンサおよびインダクタで構成される。阻止フィルタのインダクタはしばしば、該インダクタが全負荷電流ならびに最大故障電流を担持しなければならないので、寸法が大きく高価である。従って、阻止フィルタは余り使用されていない。
【0012】
本発明は、新規な阻止フィルタの設計により電力分配システムの回路網内の既存の装置を利用して、回路網の1つの部分内の問題をその部分内で安価に解決できるように、電力システムの回路網の区分化(segmentation)を可能にする。本発明は、既存の電源側変圧器を漏洩リアクタンスをインダクタとして利用することにより、阻止フィルタに高価なインダクタを必要としないようにする。
【0013】
【発明の目的】
従って、本発明の目的は、回路網の1つの部分内の問題がその部分内で解決されて回路網の他の部分に影響を及ぼさないようにして、高調波問題を解決する新規な改良装置および方法を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、構成が簡単で、製作し具現するのに安価である新規な阻止フィルタを提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、回路網に既に存在する装置の幾つかを利用する新規な阻止フィルタを提供することである。
【0016】
本発明の更に別の目的並びに特徴は特許請求の範囲と共に以下の説明から明らかになろう。
【0017】
【発明の概要】
本発明は、既存の電源側変圧器の並列に配置された、小さな補助変圧器およびコンデンサの直列組合せを有する高調波阻止フィルタを提供する。この阻止フィルタは望ましくない高調波周波数で共振するように設計される。補助変圧器のMVA定格は電源側変圧器のMVA定格よりも小さくなるように選択することが出来る。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は従来技術による高調波フィルタを備えた電力分配回路の回路図である。50Hzまたは60Hzの基本周波数の電力が交流電源10から電源側変圧器20および給電線22を介して負荷へ供給される。負荷30の部分は高調波注入装置32を備えた非線形負荷であってよい。図では3つの負荷L1、L2およびL3のみを示している。負荷はそれより多くても少なくてもよく、それに応じて電源側変圧器および給電線も数が多くても少なくてもよい。更に、1つの電源側変圧器に複数の給電線を接続してもよく、また1つの給電線を複数の電源側変圧器に接続してもよく、また複数の給電線を複数の電源側変圧器に共通の母線を介して接続してもよい。
【0019】
負荷の1つ(例えば、L3)が有意量の高調波注入のある唯一の負荷である場合、経済的に実行可能である完全な技術的方法は、望ましくない注入高調波に対して低インピーダンス路を提供する高調波分路フィルタ50を設けることである。この解決法は、望ましくない高調波電流が交流電源10および他の負荷(L1およびL2)に流入するのを防止する。高調波分路フィルタは、電気的に直列に接続されたコンデンサ51およびインダクタ52で構成することが出来る。電源側回路(交流電源10、負荷L1およびL2、それらの電源側変圧器20および給電線)に高調波の注入ががない限り、阻止フィルタは必要ではない。
【0020】
しかし、電源側回路に高調波の注入がある場合や、電源の電圧波形がかなり歪んでいる場合、図1に示されているように高調波分路フィルタ50に加えて阻止フィルタ40を設けて、高調波分路フィルタがその設計対象の注入高調波に対してのみ低インピーダンス路を提供するようにすることが必要である。従来の阻止フィルタは図1に示されているようにインダクタ41およびコンデンサ42で構成することが出来る。高調波分路フィルタおよび阻止フィルタは、望ましくない注入高調波に対して高調波分路フィルタのインピーダンスが小さくなり且つ阻止フィルタのインピーダンスが大きくなるように、同じ周波数に同調させることが出来る。阻止フィルタのインダクタ41の寸法は、全負荷電流ならびに最大故障電流を担持するように選択しなければならず、従って、インダクタ41はきわめて大形で且つ高価なものになる。
【0021】
図2は、本発明による高調波分路フィルタを備えた電力分配回路の回路図である。本発明では、阻止フィルタ40は既存の電源側変圧器20、小さな補助変圧器43およびコンデンサ44で構成される。補助変圧器43とコンデンサ44との直列組合せが既存の電源側変圧器20に電気的に並列に接続される。電源側変圧器および補助変圧器の漏洩リアクタンスが誘導性リアクタンスを提供し、コンデンサが容量性リアクタンスを提供する。電源側変圧器20は全負荷電流および最大故障電流を通すように設計されている。本発明の阻止フィルタ40内の補助変圧器43およびコンデンサ44のパラメータを公知の電気理論に従って選択することによって、本発明の阻止フィルタは図1の従来の阻止フィルタのように選択された周波数で大きなインピーダンスを生じる。補助変圧器43の寸法は、その漏洩インピーダンスが電源側変圧器20の漏洩インピーダンスに等しいか又はそれより小さくなるように定められ、また補助変圧器43の公称MVA定格は電源側変圧器20のMVA定格よりも小さくするか又はそれに等しくする。
【0022】
下記の表1は、例として、15%漏洩リアクタンスを持つ500kV〜77kV,200MVAの既存の電源側変圧器(20)、5%漏洩リアクタンスを持つ500kV〜77kV,10MVAの補助変圧器(43)、および6.8kV,165kVAR(三相全体)のコンデンサ(44)によって形成された、第5高調波阻止フィルタのパラメータを示す。電源周波数は60Hzであり、第5高調波は300Hzである。表は各々の構成部品およびそれらの組合せに対する60Hzおよび300Hzにおけるインピーダンス値、連続使用責務並びに故障時責務を示す。表に示された全てのパラメータ値は77kVをベースとして得られたものである。
【0023】
【表1】
【0024】
表1に示された例は第5高調波を阻止するためのものである。阻止周波数は、公知の電気理論に従って補助変圧器およびコンデンサのパラメータ値を異なる値に選択することによって変えることが出来る。本発明は図示の実施態様に制限されるものではなく、当業者には種々の変更および実施態様が考えられよう。従って、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく本発明の形態、細部および用途に様々な変更をなし得ることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術による高調波フィルタを備えた電力分配回路の回路図である。
【図2】本発明による高調波阻止フィルタを備えた電力分配回路の回路図である。
【符号の説明】
10 交流電源
20 電源側変圧器
22 給電線
30 負荷
32 高調波注入装置
40 阻止フィルタ
41 インダクタ
42 コンデンサ
43 補助変圧器
44 コンデンサ
50 高調波分路フィルタ
51 コンデンサ
52 インダクタ
Claims (8)
- 非線形負荷を交流電力源に接続するための電力分配回路において、
基本周波数を持つ交流電力の電源、
前記交流電源に接続された、所定のMVA定格およびインピーダンス特性を持つ電源側変圧器、
前記電源側変圧器および給電線を介して前記交流電源に接続された目的の負荷であって、前記交流電源の少なくとも1つの高調波周波数を持つ高調波電流を注入する装置を備えた目的の負荷、および
補助変圧器とコンデンサとの直列回路を有する阻止フィルタであって、該直列回路が前記電源側変圧器と並列に接続されて、前記高調波電流の周波数に充分に整合する周波数を持つと共に本質的に全ての前記高調波電流が当該阻止フィルタを通って流れるのを阻止するのに充分な大きさのインピーダンスを持つ共振回路を形成する阻止フィルタ
を有していることを特徴とする電力分配回路。 - 前記少なくとも1つの高調波周波数が前記交流電源の周波数の第5乃至第13高調波の範囲内の周波数である請求項1記載の電力分配回路。
- 前記補助変圧器のMVA定格が前記電源側変圧器のMVA定格にほぼ等しい請求項1記載の電力分配回路。
- 前記補助変圧器のMVA定格が前記電源側変圧器のMVA定格よりも小さい請求項1記載の電力分配回路。
- 前記補助変圧器のMVA定格が前記電源側変圧器のMVA定格の30%未満である請求項1記載の電力分配回路。
- 前記補助変圧器のMVA定格が前記電源側変圧器のMVA定格の10%未満である請求項1記載の電力分配回路。
- 前記補助変圧器の漏洩インピーダンスのオーミック値が前記電源側変圧器のインピーダンスのオーミック値にほぼ等しい請求項1記載の電力分配回路。
- 前記補助変圧器の漏洩インピーダンスのオーミック値が前記電源側変圧器のインピーダンスのオーミック値より大きい請求項1記載の電力分配回路。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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